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Page 1: ナノ材料を利用したはんだ代替 高耐熱性接合プロセ …...ナノ材料を利用したはんだ代替 高耐熱性接合プロセス 2013年 7月 19日 大阪大学接合科学研究所

ナノ材料を利用したはんだ代替 高耐熱性接合プロセス

2013年 7月 19日

大阪大学接合科学研究所

准教授 西川 宏

大阪大学 新技術説明会

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JWRI , Osaka University

1.はんだ代替材料及び接合プロセスの課題

2.ナノ粒子を利用した接合

3.ナノポーラスシートを利用した接合

本日の講演内容

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EU(欧州連合)におけるRoHS指令 2006年7月1日以降、電気・電子機器製品への下記6種類の有害物質の使用中止 ・鉛 ・水銀 ・カドミウム ・六価クロム ・PBB (ポリ臭化ビフェニル) ・PBDE (ポリ臭化ジフェニルエーテル)

有害物質フリー実装への大きな駆動力

環境に配慮したエレクトロニクス実装へ

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パワーモジュールの概略図

パワーモジュールの断面構造の例

放熱ベース

デバイス

Alワイヤー

接合部

リードフレーム 封止樹脂

パワーモジュール内の接合部に求められる課題

背 景 1.環境規制 2.大電流化、高密度化 3.SiチップのSiC化

課 題 1.鉛フリー材料 2.高放熱化、高耐熱化 3.高信頼性、長寿命化

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250 200 150 300 温度 (℃) Pb-Sn

(高温はんだ) Sn-Pb

(共晶はんだ)

各種はんだ材料の融点(固相線温度)の比較

有力候補・ 代替はんだ 材料なし Sn-Cu

Sn-Ag-Cu

Sn-Zn

Sn-Sb

Sn-Bi

Joining method Limitation

高温はんだ 候補合金

• Zn-based solder • poor corrosion resistance • Au-based solder • high cost • Bi-based solder • brittle nature of Bi-rich phase

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20nm

ナノ粒子

分散剤、有機分の 分解、蒸発、放出過程

特殊分散剤 (有機層)

室温

加熱 加熱

ナノ粒子の焼結進行

バルク化

接合対象

焼結層 例えば、Agナノ粒子の場合 接合部(焼結層)融点 > プロセス温度 960 ℃ 300 ℃前後

ナノ材料の融点低下と低温焼結性の利用

低温プロセスかつ耐熱化が可能!

金属ナノ粒子の焼結・接合プロセス

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導電性接着剤とは異なり、樹脂成分を含まず金属ナノ粒子を適当な溶媒を用いてペースト化したものを使用

・一般的には加熱だけではなく、加圧が必要 ・安定化のための金属ナノ粒子表面の 有機層の挙動が重要

現在のところ、高温はんだ代替としての検討が進んでいる

・ナノ粒子の低温焼結性を利用 ・樹脂分がないので、加熱後、金属のみの焼結体のような 形(バルク状態)になるため、低抵抗化が可能 ・有機物がフラックスとして働く可能性

20nm

金属ナノ粒子ペーストの特徴

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Agナノ粒子を用いた銅継手の接合強度の例

接合温度 260 ℃ 接合温度 300 ℃

廣瀬:銀ナノ粒子を用いた接合技術,溶接学会誌,Vol. 76, No. 3 (2007), p. 162-166.

国内外での研究動向

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Y. Morisada et al. : A Low-Temperature Bonding Process Using Mixed Cu-Ag Nanoparticles, J. Electron. Mater., Vol. 39, No. 8 (2010), 1283-1288.

Agナノ粒子: 平均粒径 7.9 nm

Cuナノ粒子: 平均粒径 498.0 nm

Agナノ粒子, Cuナノ粒子を用いた銅継手の接合強度の例 予熱温度150℃、予熱時間 5min 保持時間 5min、加圧力 10 MPa

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Agナノ粒子接合 Cuナノ粒子の適用 ○安定した接合性 ●高コスト(資源問題) ●耐マイグレーション性に乏しい

○低コスト・銀に匹敵する導電性 ○耐マイグレーション性 ●酸化しやすい

新たな材料や 接合プロセスなど

検討が急務

ナノ粒子ペーストを用いた接合の課題と方向性

○低コスト ○ペースト中の有機物を減らせる ●焼結が進行しにくい

マイクロサイズ粒子の適用

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○接合方法 雰囲気:Air,N2, N2とO2の混合ガス 加圧力:15 MPa 加熱速度:0.5 K/s

○供試材料 ◇Cuナノ粒子ペースト (Cuナノ粒子,溶剤) 粒径:10-20nm,金属含有量:60mass% ◇被接合材 無酸素銅(表面研磨,エタノール,HCl,H2Oで洗浄)

○分析・評価方法 せん断強度試験(せん断速度0.017mm/s) SEMによるせん断試験後の破面観察

B

Φ3mm t:2mm

Φ10mm t:5mm

200μm

Shear

加圧

予備加熱

Time (s)

Tem

pera

ture

(K)

加熱プロファイル 昇温速度 0.5 K/s

300 s 300 s

加圧開始

本加熱

ペースト 150 μm

Cuナノ粒子を用いた接合

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雰囲気 チャンバー

加熱 ヒーター

加圧 機構部

試料 搭載部

実験装置の外観

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N2 Air

有機保護剤

Cuナノ粒子

有機分の ガス化

酸化の 開始

有機分の 多くが残留

Cuナノ粒子接合の進行プロセス

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Air 5 10 20 50 100 N2

0

10

20

30

40

50

She

ar s

treng

th (M

Pa)

N2/O2

30

窒素と酸素の割合を変えた場合のせん断強度

Tem

pera

ture

(K)

○接合条件 接合保持温度:673 K 保持時間:300 s 予熱温度:423 K 予熱時間:300 s 加圧力: 15MPa 接合雰囲気

Time (s)

加熱プロファイル

Press start

接合強度に及ぼす雰囲気の影響

H. Nishikawa et al. : Effects of Joining Conditions on Joint Strength of Cu/Cu Joint Using Cu Nanoparticle Paste, The Open Surface Science Journal, Vol. 3, (2011), 60-64.

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○接合条件(接合雰囲気:N2/O2=10) 予熱温度:423 K 予熱時間:300 s 保持時間:300 s

各接合保持温度において N2雰囲気に比べてせん断強度の 上昇がみられた。

○接合条件(接合雰囲気:N2(2 l/min)) 予熱温度:453 K 予熱時間:300 s 保持時間:300 s

550 600 650 7000

10

20

30

40

50

Holding temperature (K)

She

ar s

treng

th (M

Pa) N2/O2=10

N2

280 ℃

360 ℃

Tem

pera

ture

(K)

Time (s)

加熱プロファイル(B)

Press start

接合強度に及ぼす雰囲気の影響

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接合層

○接合条件 接合保持温度:673 K 保持時間:300 s 予熱温度:423 K 予熱時間:300 s 加圧力: 15MPa

Cuナノ粒子を用いた接合断面の一例

安価なCuナノ粒子を用いた接合が可能!

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フレーク状マイクロAg(Ave. 3.1 μm )

球状マイクロAg(Ave. 2.5 μm)

●メタルマスクを用いてCu試験片に塗布 ●せん断試験により強度評価

球状ナノAg(Ave. 100 nm)

→テルピネオールを溶剤として混合ペースト作成 (金属含有量80 mass%)

混合比率 (7 : 3 , 5 : 5 , 3 : 7)

破壊面および 接合断面観察

形状の異なる市販のマイクロAg粒子と球状ナノAg粒子を用いて混合ペーストを作成し、接合層の構造が接合後の接合強度にどのような影響を与えるかを検討

様々な接合層構造を得るために市販の粒子を使用

マイクロサイズAg粒子を用いた接合

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大気雰囲気 窒素雰囲気

フレーク状 粒子単体

フレーク状 &ナノ粒子

(5 : 5)

球状

粒子単体

球状

&ナノ粒子 (5 : 5)

ナノ粒子 単体

5 μm

・ナノ粒子の混合比率の増加とともに接合層はより密に

接合層構造に与える影響

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マイクロサイズAg粒子へのAgナノ粒子添加効果 Cu試料に対して

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マイクロサイズAg粒子へのAgナノ粒子添加効果 Auめっき試料対して

マイクロサイズ粒子を用いた接合が可能!

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バルク(接合体)表面にDealloying法により、ナノポーラス構造体を創成 表面処理剤、分散剤などなく、

構造の安定化が可能 Au バルク体

バルク体

ナノポーラス構造 接触・ 加熱・ 拡散

接合層

拡大

100nm

20nm

ナノ粒子が注目されているが・・・ ・表面処理剤、分散剤などの使用が必須 ・金属濃度が低い

低温焼結性などの特性を活かしきれていない

ナノペーストに代わるナノポーラスシートの可能性

ナノポーラスシートを利用した接合

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