カンボジア進出日系企業の動向...カンボジア進出日系企業の動向 日本貿易振興機構（ジェトロ） 総務部人事課 課長代理...

カンボジア進出日系企業の動向

日本貿易振興機構（ジェトロ） 総務部人事課 課長代理 道法清隆（前ジェトロプノンペン事務所長）

１．経済概況、進出日系企業の状況 ２．南部経済回廊と各経済特別区の状況 ３．日系企業が抱える課題（リスク） ４．おわりに

本日のお話

１．経済概況、進出日系企業の状況 ２．南部経済回廊と各経済特別区の状況 ３．日系企業が抱える課題（リスク） ４．おわりに

本日のお話

カンボジア王国(Kingdom of Cambodia)の概要 面積 : 181,035 km2. 人口: 約1,531万人 (2014年) 人口増加率 : 1.80% （2013年） 安定した政治：5年ごとに選挙を実施 ※2013年7月28日総選挙実施 安定したマクロ経済 ＧＤＰ成長率 :7.０％ (2014年） 1人当たり名目GDP :1,080.82ドル 1人当たり購買力平価:3,262.56ドル (2014年) インフレ率 :3.85% （2014年）

南部回廊

ハイフォン

ドンハ

シハヌークビル

モーラミャインメーソート

コンケン

ムクダハン

サバナケット

フエダナン

中国

ミャンマー

ラオス

カンボジア

メーサイ

タイ

景洪

昆明

タチレク

ボーテン

フエサイ

チェンコン

チェンセン

チェンライ

R３B

R３A

南北回廊

アランヤプラテート

ベトナムポイペト

シェムリアップ

ブンタウ

モックバイ

友誼関

南寧

ランソン

北海

広州広西チワン族自治区

中越陸路広東省憑祥

ドンダン

欽州防城

トンキン湾モンカイ

雲南省

東興

ラオバオ

デンサワン

第２メコン国際橋

ナコンパノムタケーク

ノンカイ

ミャワディー

磨憨

ピサヌローク

ルアンナムター

シソポン

打洛マインラー

スラアンバル

ハートレーク

コッコン

トラート

国道４号線

ナムカン

チャムカルオン

南部沿岸回廊

バベット

カンポット

国道３号線

河口

ラオカイ

ラノーン

ナコンサワン

スラータニ

コラート

クイニョン

ルアンプラバン

パクセー

ストゥントレン

ターク

中央回廊

東北回廊

東西回廊

第１メコン国際橋

北部回廊

第３メコン国際橋計画

国道５号線

タンホア

ハノイ

東部回廊

サタヒップ

瑞麗

ヤンゴン

マンダレー

大理

ムセ

タム

ネピドー

西部回廊

カマウ

ダウェー

ティボー

ラショー

コンポンチャム国道７号線

ビエンチャン

プノンペン

国道６号線

ネアックルン

ベトナム南北陸路

ビン

ナーパオカオチェオ

トラペアンプロン

サマット

タナレン

ホーチミン

レムチャバン港

バンコク

第４メコン国際橋計画

【詳細】 ○2002年から14年のGDP成長率は平均で7.8% 多額の援助、外資法の施行、米国による最恵国待遇付与による縫製業への 外資進出①縫製業の輸出増、②堅調な観光業、③良好な農業生産、④建設 業の活況、⑤外国投資、⑥銀行貸出の伸び ○リーマンショックにより経済は急減速したが驚異的なV字回復を果たす。 以降高成長を維持：10年6.0％、11年7.1％、12年7.3％、13年7.4％、 14年7.0％（IMF） ○2015年は7.2％と堅調な成長（IMF）。 理由としては好調な輸出、投資、観光、農業生産件数の増加。 ○2014年政府はGDP成長率を7.0％と予想。（IMF予想は7.2％） ○1人あたりGDPも年々増加。2012年971米ドル、13年は1,016米ドル、14年は1,080ドル。 特にプノンペン市では5,000米ドルクラスの世帯も台頭してきている。

5

ミャンマー

ラオス

ベトナム

カンボジア

タイ

・人口： 6,866万人 ・名目GDP： 3,738億ドル ・一人当たりGDP： 5,445ドル

・人口： 1,531万人 ・名目GDP： 166億ドル ・一人当たりGDP： 1,081ドル

・人口： 9,063万人 ・名目GDP： 1,860億ドル ・一人当たりGDP： 2,053ドル

・人口： 690万人 ・名目GDP： 117億ドル ・一人当たりGDP： 1,693ドル

・人口： 5,142万人 ・名目GDP： 628億ドル ・一人当たりGDP： 1,221ドル

（出所） World Economic Outlook Apr 2015 (IMF) （注）一部推計を含む

人口格差： 13.1倍 名目GDP格差： 31.9倍 一人当たりGDP格差： 5.0倍

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メコン地域の概況

日本との貿易（2009年-2014年）

単位：百万ドル Source :World Trade Atlas

・履物、衣料品の委託加工が拡大（チャイナプラス１）。毎年20～30％増。 ・軽工業以外にも自動車部品などの輸出も2012年から始まる。

6

【対日輸出】

【対日輸入】

・カンボジア向けの輸出は中古機械、中古車などが中心。

カンボジア全体 衣料品（織物） 履物 衣料品（ニット） 電気機器及びその

部品 革製品

2009 142.691378 95.508789 26.516924 18.391128 0 0.025165

2010 209.150977 55.182301 118.988658 28.564801 0.003513 0.065042

2011 308.834209 112.020674 146.111354 42.571483 0.005524 0.00949

2012 404.448987 140.080798 184.477143 50.678093 8.46082 6.101364

2013 579.046219 181.609545 212.567817 112.377517 38.209817 13.070812

2014 771.513962 289.679519 196.086988 180.93623 38.650431 24.034744

0 100 200 300 400 500 600 700 800 900

カンボジア全

体 車両 機械 電機機械 肉

その他衣料品

（中古含む） 船・ボート 鉄関連

2009 112.398191 22.29476 24.075696 9.101054 0 2.989517 37.783696 1.06447

2010 158.280457 27.432876 51.417036 8.389095 3.155482 5.289038 33.696923 3.98712

2011 205.431545 47.885843 54.861937 10.167612 19.251581 7.919007 16.191135 8.286977

2012 234.256800 56.48366 45.052519 20.118549 22.979602 9.971118 9.801483 8.823028

2013 209.737570 43.112434 39.776841 21.78523 15.830608 8.382554 13.637443 3.894316

2014 254.030126 58.820704 48.358659 26.669311 20.856406 9.447119 4.919512 5.518582

0 50 100 150 200 250 300

3.3 126

279.5

92.4 47.9 4

20 22 22

12

0

5

10

15

20

25

0 50

100 150 200 250 300

2010 2011 2012 2013 2014

経済特区内外（合計）

7

0.0 15.2

214.5

36.9 3.4 0

5 6

8

1 0

2

4

6

8

10

0

50

100

150

200

250

2010 2011 2012 2013 2014

経済特区外

3.3

110.9 65.0 55.5 44.5 4

15 16 14

11

0

5

10

15

20

0 20 40 60 80

100 120

2010 2011 2012 2013 2014

経済特区内

日本企業の投資傾向（2010－2014年）

CDCの確定データに統一 （QIP最終承認日ベース） Source: CIB, CSEZB, 各SEZ

2012年は279.5億のうち、約200億がイオンモールによる投資額

Million US$

Million US$ Million US$

投資実績：商業省への日系企業会社登録数

※商業省への会社登録（QIP、有限責任会社、駐在員事務所等）

Source: Ministry of Commerce

19

86

179 195

246

0

50

100

150

200

250

300

2010 2011 2012 2013 2014

日系企業会社登録

日系企業会社登録

8

カンボジア日本人商工会 各部会＜正会員：162社＞

【製造業部会：49社】イースタンスチール、カンボジアスズキモーター、ヤマハモーター・カンボジア、カンボジア味の素、ハルプノンペンコミックセンター、クリーンサークル、ミネベアカ

ンボジア、パナソニック（駐在員事務所）、アスレ電器、オーアンドエム、コンビ、マルニックス、ヨークス、スワニー、モロフジカンボジア、イズミ電子、ティナーファッションカンボジア、協和製函、シマノカンボジア、住友電装、中山商事、大和梱包カンボジア、トーワ、ノア、王子カンボジア・プランテーション・フォレスト、矢崎カンボジアプロダクツ、フットマーク、東京パーツ、ジャパーナ、ルシアンカンボジア、ジーエスエレテックカンボジア、タイカ・カンボジア、日光金属、ロックスカンボジア、マルテー大塚、エス・シー・ワドー・コンポーネント、デンソーカンボジア、ニッセイカンボジア（日本精密）、太陽工業、東工制衣、アートネイチャー、ハルタパッケージングインダストリーズカンボジア、ロート・メンソレータム、プリンテ、明光堂カンボジア、TUW TEXTILE カンボジア、I I-S TEC、CAMBODIAN YAMATO TRADING、タイキ、オカトー

【建設・不動産部会：27社】クボタ建設、鴻池組、東洋建設、安藤・間、前田建設工業、ワールド開発工業、カムカル、富士古河E&C、ユニ・エレックス、大豊建設、 プノンペン経済特区社、佐藤工業、イオンモールカンボジア、大気社カンボジア、住友電設、メイホーエンジニアリング、大成建設、MKP Construction、タマホーム、淺沼組、メタウォーター、T.S.I Khmer、小島組カンボジア、カンボジア矢崎エナジーシステム、レオパレス21カンボジア、ココチカムデザイン、ウラタ

【貿易部会：14社】伊藤忠商事、アジア大洋州住友商事、豊田通商、丸紅、三井物産、三菱商事、ロコモ、双日アジア、三菱商事ファッション、出光興産、富士電機、N9&PG、JUKIシンガポール、蝶理

【運輸部会：16社】ＯＣＳ、ニッセイ・カンボジア、商船三井カンボジア、海外貨物検査、トランシィロジスティクス、郵船ロジスティックスカンボジア、カンボジア日本通運、ジュピターロジスティクスカンボジア、OMORI & THOMAS LOGISTIC SERVICES 、鴻池運輸、佐川急便ベトナムカンボジア支店、近鉄エクスプレスカンボジア、エフシースタンダードロジスティクス、AB Logistics (Thailand)、日新、阪急阪神エクスプレス

【金融・保険部会：9社】AEON Microfinance(Cambodia) 、SBIロイヤル証券、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行、損害保険ジャパン日本興亜、みずほ銀行、アクティブピープルズ、マルハンジャパン銀行、トヨタツウショウファイナンスカンボジア

【商業部会：27社】APEX CAMBODIA TRAVEL SERVICE、アンコールクッキー、クラタペッパー、日本たばこシンガポール会社、AEON Cambodia 、JTS（岐阜工業）、トヨタカンボジア、イルヴリール、ノジマ、ジャパン・ファーム・プロダクツ・カンボジア、アイシン・アジア、ドリームインフィニティ、ピットアンドゴーオートモーティブサービスカンボジア 、ウェルビー（香港）、エイチ・アイ・エスカンボジアトラベル、FUKUSUKE、Sunrise Healthcare Service、サラヤカンボジア、ワールドカンボジア、DENRICHE ASIA、デリズワタミカンボジア、JHCアンコールツアー、ウィングス、クロマーツアーズ、A2A Town、グンゼスポーツ

【サービス部会：22社】Cambodia Joho Service、メコンリサーチコンサルタント、日本工営、フォーバルカンボジア、ＮＴＴコミュニケーショズ、I-GLOCAL、辻・本郷税理士法人、SOKEN、スターツ、啓愛社、東京コンサルティングファーム、RIKUYO、スカイリミテッドアカウンティング、JBLメコン、CDL、サクラヒューマントレーニング、メイツグローバルコミュニケーションズ、TMI総合法律事務所、HAJIME、Procast Asia、アウトソーシング、富士ゼロックス

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今後1～2年の事業展開の方向性について、「拡大」と回答した企業の割合は51.2%と、14年調査の56.3％（n=4,731）から5.1ポイント低下した。他方、「縮小」もしくは「第三国（地域）へ移転・撤退」と回答した企業の割合は4.9％と、14年調査（4.5％）から0.4ポイント上昇した。 国･地域別にみると、「拡大」と回答した企業の割合が最も高かったのはパキスタンで76.7％。ミャンマー、インド、スリランカでも7割以上の企業が「拡大」と回答した。 中国で「拡大」と回答した企業の割合は38.1％と、14年調査と比較して8.4ポイント低下し、98年以来初めて4割を下回った。

今後１～２年の事業展開の方向性(国・地域別)

51.2 76.7 75.8 74.7

73.0 67.4 66.7

63.9 55.1

52.9 52.0 51.9

50.5 49.0

44.6 42.7 42.6

38.5 38.1

34.3

43.9 23.3 24.2

23.3 21.6 32.7

27.2 34.5

42.4 47.1

43.6 44.8

45.6 48.0

51.0 47.7

51.2 57.7

51.3 60.5

4.0

2.0 5.4

3.7 1.1

2.5

1.8 3.1 3.4 2.9

3.4 8.0

4.9 2.6

8.8 4.7

0.9

2.5 0.5

2.7 0.3 0.5 0.2

1.0 1.5 1.2 1.3 1.7

0.4

総数(n=4,577)

ミャンマー(n=33)

スリランカ(n=37)

カンボジア(n=81)

フィリピン(n=118)

シンガポール(n=225)

韓国(n=204)

マレーシア(n=298)

台湾(n=162)

中国(n=863)

拡大 現状維持 縮小 第三国(地域)へ移転・撤退

0 20 40 60 80 100 (％)

アジア進出日系企業の今後の事業展開 ～「2015年度アジア・オセアニア日系企業実態調査」より～

１．経済概況、進出日系企業の状況 ２．南部経済回廊と各経済特別区の状況 ３．日系企業が抱える課題（リスク） ４．おわりに

本日のお話

経済回廊とハードインフラ整備でメコンに拡がる生産ネットワーク

12

ホーチミン

バンコク プノンペン

ダウェー

第２メコン国際橋

ヤンゴン

モーラミャイン

ハノイ

ビエンチャン

ダナン 東西経済回廊

つばさ橋完成

南部経済回廊

南北経済回廊

ASEAN6 タイ、シンガポール、 マレーシア、インドネシア フィリピン、ブルネイ

ILを0～5％へ （一部例外認める）

①ILを0～5％ ②60％の品目を0％

1993年AFTAスタート 2002年

2003年

2010年

ILを0％へ※

ベトナム

ミャンマー ラオス

カンボジア

ILを0～5％へ

2006年

2008年

ILを０％へ （一部例外は2018年迄）

優先統合分野を０％に

2007年

IL全体の80％を0％※

SL・HSLを0～5％以下に

【SL・HSL品目】 ベトナム：2013年迄に0～5％ ラオス・ミャンマー： 2015年迄に0～5％ カンボジア：2017年迄に0～5％

AFTA

[注]IL： （関税削減・撤廃）対象品目、SL：センシティブ品目／HSL：高度センシティブ品目

※：SLやHSLからILに段階的に移管された品目を除く。

1995年加盟

IL全体の80％を0％※

①ILを0～5％ ②60％の品目を0％※

2012年

IL全体の80％を0％※

①ILを0～5％ ②60％の品目を0％※

優先統合分野を０％に

CLMV全体

1997年参加

1999年加盟

〔出所〕ASEAN事務局資料をもとにジェトロ作成

ASEAN自由貿易地域・・・ASEAN物品貿易協定（ATIGA）

※ATIGA署名：2009年2月26日／発効：2010年5月17日 AFTAは共通効果特恵関税（CEPT）協定からATIGAにバトンタッチ。

2010年

2010年 2015年

13

カンボジア国内にある経済特別区

14

全土で34箇所の経済特別区が認可

コッコン （SEZ内2社）

自動車部品、縫製業

ポイペト （SEZ外1社）

製造業

プノンペン （SEZ内39社、SEZ外13社）

縫製業、電子・輸送 機械部品製造など

バベット （SEZ内15社、SEZ外1社） 縫製業、電子部品製造など

シアヌークビル （SEZ内5社）

段ボール製造、家電部品製造業など

2015年11月時点

タイガーウイング社（日本：製靴）

味の素社（日本：調味料）

クリーンサークル社(日本：製靴） ミネベア（日本：小型モーター）

住友電装社（日本：ワイヤーハーネス）

プノンペン経済特別区（プノンペン市） 360ha

経済特別区

（プノンペンSEZ）

15

設立日：2006年 プノンペン市内から約18km 1期14ha, 2期162ha, 3期57ha 開発業者：カンボジア資本・日本資本の合弁 入居企業74社（日系39社）2015年11月時点

マンハッタン経済特別区（スバイリエン州） 310ha

ベストウェイ社（台湾：自転車組立）

フォーチュン社（中国；PPバック製造）

モロフジ社（日本：PEバック）

経済特別区

（マンハッタンSEZ）

SHEICO社（台湾：スーツ）

16

設立日：2005年 ベトナム国境（バベット）から約6kmに位置 （タイセンSEZの正面） 総面積：310ha 開発業者：台湾系 30社稼働or建設中(日系企業は1社のみ、多くは

台湾系)

タイセン経済特別区（スバイリエン州）125ha

ドーコ社（日本：紳士服） スワニー社（日本：スポーツ手袋） ロンチェスター社（日本：婦人服）

経済特別区 （タイセンSEZ）

17

設立日：2006年 ベトナム国境（バベット）から約6kmに位

置（マンハッタンSEZの正面） 総面積：77ha (SEZとして認可されたエ

リア） 開発業者：カンボジア系 日系企業12社稼働or建設中

経済特別区 （ドラゴンキングSEZ)

ドラゴンキング経済特別区（スバイリエン州） 200ha

18

設立日：2012年 ベトナム国境（バベット）から約12kmに位置 総面積：100ha (SEZとして認可されたエリア） 開発業者：カンボジア系（Manager: オーストラリ

ア育ち） 4社稼働or建設中(うち日系企業は2社) 日本精密(時計バンド製造)を中心に時計部品

メーカを4,5社集積させる時計村構想あり。(土地は13ha確保済）

経済特別区 （シハヌークビル港SEZ)

CFS倉庫

竣工式

竣工式

王子製紙社（日本：ダンボール箱）

19

設立日：2013年 シハヌーク港隣接 総面積：70ha 区画面積：45ha 運営：シハヌークビル 港湾公社 日系企業3社が入居

済 円借款（36.51億円）

立地：シハヌークビル港経済特区

SEZ地域

アスレ電器（家電用ワイヤーハーネス） 泉電子（テレビ用アルミフレーム）

経済特別区 （シハヌークビルSEZ)

シハヌークビル経済特別区（シハヌークビル州）1,113ha

21

設立日：2008年 シハヌーク港から12km 総面積：1,113ha 運営：中華系 日系企業2社が稼働

経済特別区 （Special Economic Zone：SEZ)

ココン経済特別区（ココン州）350ha

カムコモーター社（韓国：四輪車組立） 矢崎総業社（日本：自動車用ワイヤーハーネス）

KKN Apparel社（タイ：スポーツ衣料） ミカサ社（日本：バレーボール）

22

経済特別区 （Special Economic Zone：SEZ)

ポイペト経済特別区（バンテミンチェイ州）386ha

カムパック社（タイ：宝石箱）

ＳＥＺ外（SC WADO)

23

設立日：2005年 総面積：386.3ha（工業エ

リア） 現在2工場が稼働中 ポイペト国境から約

20Km

カンボジア最終工程の組み立て

↓製品化

ホーチミン

バンコク

プノンペン

タイ

アユタヤなどにマザー工場

全量タイのマザー工場へ。最終製品チェック

ダウェイ

ラノン シアヌークビル

コッコン

ポイペト

●Ａ社（小型モーターのケース）

カンボジア進出のメリット

①南部経済回廊の整備により、タイ－カンボジアの生産分業が可能

②政治が安定しているため欧米向け輸出や欧米向け製品輸出や部品の納入に問題が無い

③農村部に潜在的な労働力がある

④仏教徒中心で、気質が穏やか、親日的

プノンペンSEZに工場設置。 2011年4月から生産開始。 従業員約6,000人（2014年9月時点）。将来的に最大で従業員数8,000名規模となる予定。

＜課題＞ ・国境での通関手続きがワンストップになっていない ・労働力の確保、電力事情 など

事例①：プノンペンに拠点を置き、タイプラス１

＜プノンペンへの進出によるタイとカンボジアの生産分業＞

24

事例②：ベトナムとの国境に拠点を置く

中国での人件費高騰、労働力の高齢化、労働力不足

●Ｂ社（スポーツ用グローブ製造）

カンボジア進出のメリット ①部材の調達・輸入、完成品の輸出時に、ホーチミンの港湾が利用可能（輸出入手続はSEZ内で可能、ベトナムトラック乗り入れ可能） ②法人税免税などの投資優遇措置を受けられる ③ LDC特恵関税を適用できる

新たな拠点を確保

25

ベトナムとの国境（バベット）に位置するタイセンSEZ（特別経済区）に工場を設置。 2012年2月に操業開始

＜課題＞ ・国境での通関手続きがワンストップになっていない ・税関開庁時間が異なる ・距離に比べて高コスト など

26

市場としての魅力も高まる

ラオス BigCが2012年10月頃にオープン予定 ショッピングモールへの投資が流行。ビエンチャン市内に10件以上の投資計画。中国やベトナム企業が出資。 カンボジア

2014年6月末にイオンモールがオープン。2号店出店を発表。 量販店（近代的ショッピングモール、総合スーパーマーケット）志向が増加傾向 南部経済回廊の活用で商品調達がよりスムーズに

ミャンマー 2012年3月、DAISOが出店（タイ子会社のフランチャイズ店） 近代的な総合ショッピングセンター29店、スーパー25店（主にヤンゴン市内）

ラオスで開発が計画されているショッピングモール

プノンペン市内の スーパーマーケット

ベトナム 高島屋が2015年にホー

チミン市中心部に第１号店をオープン予定 イオンが2014年にホー

チミンに第一号店をオープン。ビンズン省にも2店舗目を開店。北部にも1店舗目が開店。

メコン5カ国 1,939,000km2 23,748万人

5410.5億ドル 2,278ドル

ヤンゴン市内のスーパーマーケット

拡大しつつある国内消費～日系サービス業が多く進出～

・イオンが外資系としては初めて大型 ショッピングモールを2014年6月末にオープン。 ・約190テナント中、約50テナントが日系サービス業（飲食、小売、家電量販等）

27

１．経済概況、進出日系企業の状況 ２．南部経済回廊と各経済特別区の状況 ３．日系企業が抱える課題（リスク） ４．おわりに

本日のお話

投資環境上の課題（「2015年度アジア・オセアニア進出日系企業実態調査」より）

29

【投資環境上の課題】 ■

■

多くの進出日系企業が指摘する「投資環境上の課題」は、原材料・部品の現地調達の難しさや従業員の賃金上昇やその質に関わることだ。 現地に裾野産業がほとんど存在しないため、企業は原材料・部品を輸入に頼らざるを得ない状況であり、抜本的に解決できるような課題ではなく、今後も引き続き挙げられてく課題。 従業員の賃金については、最低賃金が2016年1月には128ドルから140ドルへ引き上げられた（縫製・製靴工場労働者対象）。製造業は更なる生産性の向上が求められるが、従業員の質、品質管理の難しさなども課題として挙げられている。労働者の賃金引上げに伴い、ホワイトカラーへの賃金上昇圧力につながることも懸念。 インフラについては、特に電力事情に注意が必要。電力料金は周辺国の1.5～2倍で、供給も非常に不安定だが、政府は電気料金の引き下げ計画を発表してはいるが、依然高止まりの傾向にある。

■ 【カントリーリスク】 2013年7月の国民議会選挙では、与党・人民党がかろうじて過半数議席を獲得したが、野党・救国党が大幅に議席を伸ばした。紆余曲折を得て、国民議会選挙が開かれたが、2015年11月に救国党のサム・ランシー党首に対する逮捕状が出された。 既に2018年の国民議会選挙に向けて与野党の駆け引きがはじまっており、引き続き政治の安定を維持できるかどうかが注目点となる。

（有効回答者数=全社で83社、うち製造業33社）

赤色のハイライトは前年より10ポイント以上増加、青色のハイライトは前年より10ポイント以上減少

カンボジア 15年調査(％)

14年調査(％)

1 原材料・部品の現地調達の難しさ(n=33) 72.7 79.0

2 従業員の賃金上昇(n=83) 62.7 80.0

3 品質管理の難しさ(n=33) 60.6 36.8

4 従業員の質(n=83) 60.2 60.0

5 人材(中間管理職)の採用難(n=83) 54.2 45.0

■

■

カンボジア（②主要課題と対策）

30

■法律、規制の不透明な運用に注意 法律そのものの整備は進展しつつあるものの、当局の不透明な運用、煩雑な手続き、制度と運用の乖離などは依然改善の余地が大きい。現在、外国投資法の改正と経済特区（SEZ）の政令の法律化が進展中。今後進出を検討する場合は、改正プロセスの進行状況を確認する必要がある。撤退の手続きについては会社法に定められているが、実際は必ずしも会社法の内容どおりには進まない。 税務関連では、近年、進出日系企業への税務調査事例が増えている。会社規模によらず3年に1回程度調査が入り、特に源泉徴収税やVAT（付加価値税）についての指摘が多いといわれる。

【日系企業の声】 ■「撤退は、短くて1年、長くて2～3年くらいかかる可能性もある。税務局などの調査を受け、税務上の債務が無いことを証明しなければならない。この手続きに時間がかかる」（日系会計事務所A社）。 ■ 「法律と運用実態の不一致が問題。民法を作ったが、まだまだ現場には浸透していない。会社法と民法も整合性が取れていない部分がある」（日系法律事務所B社） 【対応策】 ■進出などにおける各手続きでは、毎回当局など関係者と密に協議を重ねる必要がある。税務調査に対しては、税務申告書や関連書類は最低10年分保存し、定期的に信頼できる会計事務所などのチェックをうけ、税務リスクの低減を図ることが重要。

■電力の料金と供給の安定性に注意 電力は、需要の6割近くをベトナム、タイなど周辺国から輸入しているため料金が周辺国の1.5～2倍と高い。また、発電設備を備えたプノンペン経済特区（SEZ）以外では、供給も、特に乾季（4～5月）は非常に不安定になる。 【日系企業の声】 ■ 「タイの2倍程度にも達する高い電力料金は、今後の部品製造などを考えれば死活問題。」（日系部品製造業C社） ■ 「プノンペンSEZ外では、1～4月はほぼ毎日1時間程度停電する。」（日系製造業D社） 【対応策】 ■プノンペンSEZ外では自家発電装置の配備が必要不可欠。2016年までに3カ所の水力、石炭火力発電所の増設が計画されており、それらが稼動すれば電力供給事情は改善されることが期待される

■法定最低賃金の毎年の引き上げ 法定最低賃金を、2016年1月には128ドルから140ドルへ引き上げられた（縫製・製靴工場労働者対象）。全体的な賃金相場の上昇につながっている。

【日系企業の声】 ■ 「最低賃金の改定で基本給が上がったため、残業代などにも波及し、全体として大きな人件費上昇になった」（日系縫製企業E社） 【対応策】 ■労働者側と密にコミュニケーションを取り、必要の範囲内で昼食提供など福利厚生を充実させることで、突然な賃上げ要求を防止する。また離職率を下げることで、熟練労働者を増やし、全体的な労働生産性の向上につなげる、といったケースもある。

100 143 162 179 185 185 230 250 262 317 348 424

1,010 1,608

1,889 1,895

2,811 3,608

0 2,500

バングラデシュ(28) スリランカ(10) カンボジア(31)

ラオス(11) パキスタン(14) ベトナム(289)

インド(148) インドネシア(178)

フィリピン(54) マレーシア(145)

タイ(290) 中国(450) 台湾(39)

シンガポール(33) 香港(26) 韓国(66)

ニュージーランド(16) オーストラリア(37)

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31

単位： 米ドル 単位： 米ドル 単位： 米ドル

単位： 米ドル 単位： 米ドル

288 323 343 391 402 409 424 514 543 659 698 738

1,281 2,328

2,641 3,045

3,732 5,099

0 4,000

バングラデシュ(25) カンボジア(20) ベトナム(254) スリランカ(7)

インドネシア(153) フィリピン(51)

ラオス(9) インド(147)

パキスタン(14) タイ(273) 中国(389)

マレーシア(129) 台湾(34) 韓国(59)

シンガポール(25) 香港(11)

ニュージーランド(11) オーストラリア(30)

658 664 759 787 871 1,005 1,063 1,145 1,245 1,263 1,401 1,445

1,972 3,311

3,878 4,711

5,337 6,850

0 5,000

バングラデシュ(27) カンボジア(21) スリランカ(9) ベトナム(259)

インドネシア(171) ラオス(9)

フィリピン(52) パキスタン(12)

インド(160) 中国(424) タイ(283)

マレーシア(141) 台湾(40) 韓国(68) 香港(33)

ニュージーランド(17) シンガポール(36) オーストラリア(42)

215 275 333 336 390 390 409 424 496 546 610

785 845

1,270 2,139 2,286 2,300

2,895 3,560

0 2,500 バングラデシュ(14)

パキスタン(11) スリランカ(24) ミャンマー(20) カンボジア(46)

ラオス(6) インドネシア(120)

ベトナム(155) フィリピン(32) インド(176) タイ(173)

マレーシア(95) 中国(264) 台湾(85)

香港(156) シンガポール(146)

韓国(88) ニュージーランド(27)

オーストラリア(98)

700 801 866 962 977 1,061 1,116 1,406 1,434 1,471 1,536 1,620 1,882 2,180

3,836 4,132 4,237

5,284 7,125

0 5,000 バングラデシュ(13)

ミャンマー(19) スリランカ(17) パキスタン(10) ベトナム(137) カンボジア(37)

インドネシア(102) フィリピン(26) インド(162) タイ(155) ラオス(5)

マレーシア(99) 中国(242) 台湾(79) 韓国(88)

香港(146) シンガポール(129)

ニュージーランド(30) オーストラリア(93)

基本給：諸手当を除いた給与、2015年10月時点。 作業員：正規雇用の一般工職で実務経験3年程度の場合。請負労働者および試用期間中の作業員を除く。

エンジニア：正規雇用の中堅技術者で専門学校もしくは大卒以上、かつ実務経験5年程度の場合。

マネージャー(製造業)：正規雇用の営業担当課長クラスで大卒以上、かつ実務経験10年程度の場合。

スタッフ：正規雇用の一般職で実務経験3年程度の場合。ただし派遣社員および試用期間中の社員は除く。

マネージャー(非製造業)：正規雇用の営業担当課長クラスで大卒以上、かつ実務経験10年程度の場合。

注：カンボジア以外の国・地域については、回答は自国・地域通貨建て（ただし、ミャンマーは自国通貨建て、米ドル建ての選択式）。各職種の自国・地域通貨建て賃金の平均値を、2015年10月の平均為替レート(各国・地域中央銀行発表、中国は外貨管理局発表)で米ドルに換算。ミャンマーは、回答企業によって通貨が異なる(自国通貨建てまたは米ドル建て)ため、自国通貨建ての企業の回答を米ドルに換算した上で平均をとった。

製造業・作業員

非製造業・マネージャー 非製造業・スタッフ

製造業・エンジニア 製造業・マネージャー カッコ内は回答企業数

基本給・月額～各国比較～【2015年10月時点】

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製造業・作業員

非製造業・マネージャー 非製造業・スタッフ

製造業・エンジニア 製造業・マネージャー 単位： 米ドル 単位： 米ドル 単位： 米ドル

単位： 米ドル 単位： 米ドル

カッコ内は回答企業数

4,645 4,651 5,746 5,940 6,429 6,827 7,856 8,403 9,946 11,529 12,067 13,709

22,141 39,911

46,324 47,359

47,800 69,642

0 50,000

カンボジア(16) バングラデシュ(19)

ラオス(8) ベトナム(235) フィリピン(47)

インドネシア(131) スリランカ(6) インド(141)

パキスタン(14) タイ(226)

マレーシア(80) 中国(341) 台湾(29) 韓国(59)

ニュージーランド(12) 香港(10)

シンガポール(24) オーストラリア(29)

1,606 2,033 2,380 2,642 3,660 3,806 3,855 4,098 4,316 5,257 6,337

8,702 18,174

28,785 31,929 32,666

35,774 49,147

0 30,000

バングラデシュ(21) スリランカ(8) ラオス(10)

カンボジア(23) インド(134)

パキスタン(14) ベトナム(260) フィリピン(49)

インドネシア(156) マレーシア(87)

タイ(233) 中国(379) 台湾(34) 香港(22) 韓国(65)

シンガポール(31) ニュージーランド(16)

オーストラリア(35)

8,882 10,753 12,746 12,865 13,915 14,785 16,621 19,686 21,754 22,544 23,657 24,391

33,367 52,865

57,655 62,831

73,772 94,765

0 60,000

カンボジア(15) バングラデシュ(21)

スリランカ(7) ベトナム(236)

ラオス(8) インドネシア(154)

フィリピン(48) インド(151)

パキスタン(12) マレーシア(79)

タイ(229) 中国(370) 台湾(34) 韓国(67) 香港(28)

ニュージーランド(16) シンガポール(34) オーストラリア(40)

11,525 12,275 13,602 13,972 15,710 16,859 18,939 19,918 23,542 24,272 24,541

30,404 34,821 38,429

61,324 67,346 67,575 71,984

101,596

0 70,000

ミャンマー(18) バングラデシュ(12)

スリランカ(15) パキスタン(10) ベトナム(110) カンボジア(28)

インドネシア(95) ラオス(5)

フィリピン(23) インド(155) タイ(134)

マレーシア(64) 中国(221) 台湾(72) 韓国(87)

ニュージーランド(32) 香港(128)

シンガポール(121) オーストラリア(95)

4,209 4,316 4,867 5,117 5,182 5,689 7,058 7,224 8,649 8,985 10,494 12,324

15,756 22,211

34,847 36,477 37,496

42,264 72,339

0 40,000 80,000

バングラデシュ(12) パキスタン(11) ミャンマー(20)

ラオス(6) スリランカ(21) カンボジア(37)

インドネシア(110) ベトナム(127) フィリピン(25) インド(167) タイ(146)

マレーシア(58) 中国(239) 台湾(72)

香港(138) 韓国(87)

ニュージーランド(29) シンガポール(135) オーストラリア(101)

年間実負担額：一人あたり社員に対する負担総額(基本給、諸手当、社会保障、残業、賞与などの年間合計。退職金は除く。2015年（度）時点)。

作業員、エンジニア、マネージャー(製造業)、スタッフ、マネージャー(非製造業)：前頁を参照。

注：カンボジア以外の国・地域については、回答は自国・地域通貨建て（ただし、ミャンマーは自国通貨建て、米ドル建ての選択式）。各職種の自国・地域通貨建て年間実負担額の平均値を、2015年10月の平均為替レート(各国・地域中央銀行発表、中国は外貨管理局発表)で米ドルに換算。ミャンマーは、回答企業によって通貨が異なる(自国通貨建てまたは米ドル建て)ため、自国通貨建ての企業の回答を米ドルに換算した上で平均をとった。

年間実負担額～各国比較【2015年10月時点】

１．経済概況、進出日系企業の状況 ２．南部経済回廊と各経済特別区の状況 ３．日系企業が抱える課題（リスク） ４．おわりに

本日のお話

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カンボジアの法規制や投資制度など、ジェトロWEBサイトにて公開しています。ぜひご活用ください。

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