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ベンチャービジネスに関する年次報告 一般財団法人ベンチャーエンタープライズセンター ベンチャー白書2018 ベンチャーニュース特別版
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ベンチャー白書2018 - vec.or.jp · 1. 2018 年調査概要. VEC では2017 年に続き、Web調査にてベンチャー企業(VB)に対して、「ベンチャー企業の

Aug 29, 2019

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ベンチャービジネスに関する年次報告

一般財団法人ベンチャーエンタープライズセンター

ベンチャー白書2018ベンチャーニュース特別版

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第4章 ベンチャー企業向けアンケート調査

参考

VBの知財戦略については、特許庁のレポート「スタートアップ×知財戦略」(I-183ページ)をご参

照ください。

Ⅰ - 149

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1. 2018年調査概要

VEC では 2017 年に続き、Web 調査にてベンチャー企業(VB)に対して、「ベンチャー企業の

経営環境等に関するアンケート調査(2018 年)」を実施した。

本年の調査は、二部構成とした。 第一部では初めての試みとして、VB 創業者に対して「起業に至る経緯等の調査」を実施した。 第二部では、従来からの「事業・経営体制に関する調査」を実施した。 調査概要は以下の通りである。なお、調査対象は設立 5 年以内(2013 年以降設立)とした。

調 査 概 要 対象企業 設立 5年以内の VB 調査期間 2018年 5月 8日~6月 7日 調査方法 Webアンケート方式

調査内容 第一部:起業に至る経緯等に関する設問 最大 11問 第二部:事業・経営体制等に関する設問 最大 26問

対象企業数 1,667社 有効回答企業数※ 第一部:180社 第二部:153社 有効回答率 第一部:10.80% 第二部:9.18%

※有効回答企業数:

第一部:必須回答項目を回答した企業数(創業者数)

第二部:ベンチャーキャピタル(VC)からの出資の有無を回答した企業数

いずれも、質問項目の一部を回答しない場合があり、質問項目ごと有効回答企業数に若干

のばらつきが生じる。

第二部で採用した有効回答企業のうち、設立以降に VC からの出資を受けている VB と、出資

を受けていない VB の内訳は以下の通りである。

VC出資の有無による有効回答企業数内訳

社数

VC出資あり 62社

VC出資なし 91社

計 153社

各集計における有効回答数については、図表中に記載した。

※端数の処理について

小数点以下の端数が生じる場合、原則として小数点以下第 2位を四捨五入している。

ただし、一部のグラフ等では見やすさを考慮し、小数点以下第1位を四捨五入している。

端数を処理した結果、内訳計と合計が一致しないことがある。

【第4章】VBアンケート調査

Ⅰ - 150

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2. 起業に至る経緯等の調査

(1)起業を決意してから事業開始までの期間

初めて起業(2 社以上起業の場合は 1 社目)を決意してから、事業開始までの期間をみてみる。 回答者 180 名のうち 83 名(46.1%)が決意した年に起業している。62 名(34.4%)が 1 年以内

である。結局、145 名(80.5%)が、起業を決意した年~翌年に事業を開始している。 他方、起業を決意してから 5 年以上の準備期間を経て事業を開始した人も 11 名(6.1%)ほど

みられる。

図表 4- 1 起業を決意してから事業開始までの期間

(2)起業の動機(主因)

起業の動機として、「自分のアイデアや知識・技術を活かしたい(60.9%)」と「社会的な課題

を解決したい、社会の役に立ちたい(59.8%)」が第 1 位、2 位を占めている。第 3 位、4 位は「同

じ思いの仲間がいた、仲間から勧められた(29.6%)」「所属していた組織では、自分のアイデア

や研究成果が活かせない(28.5%)」となっている。複数回答可であるにもかかわらず、「経済的

な成果を得たい」をあげた人は、24.6%(4 人に 1 人の割合)と少なく、第 5 位となっている。

図表 4- 2 起業の動機(主因)

46.1

34.4

7.8

5.6

3.3 2.8

決意した年

翌年

2年

3年~4年

5年~10年

11年~

有効回答数:180単位:%

60.9

59.8

29.6

28.5

24.6

11.7

8.9

7.3

9.5

自分のアイデアや知識・技術を活かしたい

社会的な課題を解決したい、社会の役に立ちたい

同じ思いの仲間がいた、仲間から勧められた

所属していた組織では、自分のアイデアや研究成果が活かせない

経済的な成果を得たい

少年少女時代から起業家に憧れていた

親・親族の影響(親・親族が起業経営者等)

人の話(講演等)や著書に感動した

その他 単位:% 、( )内は有効回答数

複数回答可(有効回答数179)

(109)

(107)

(53)

(51)

(44)

(21)

(16)

(13)

(17)

【第4章】VBアンケート調査

Ⅰ - 151

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(3)起業にあたり最も影響を受けた人(背中を押してくれた人)

「起業にあたり最も影響を受けた人」の第 1 位は、「身の回りにいた起業家(友人、先輩等)

(24.6%)」で、第 2 位「同じ思いの友人(14.5%)」、第 3 位「成功した著名な起業家(9.5%)」

と続いている。 「その他(23 名、12.8%)」の内訳としては、「家族」6 名(妻 5 名、夫 1 名)、次いで「取引

先・同業他社(経営者等)」3 名、「顧客」「大学や地域のベンチャー創出プログラム」各 2 名他、

となっている。

家族(妻 5、夫 1)と答えた人が 6 名いたのは注目される。家族が背中を押す側に回っている

のは、起業に対する見方に変化の兆しがあるのかもしれない。

但し、「影響を受けた人はいない」と回答した創業者は 49 名、27.4%もあった。

図表 4- 3 起業にあたり最も影響を受けた人(背中を押してくれた人)

24.6

14.5

9.55.0

3.92.2

12.8

27.4

身の回りにいた起業家(友人、先輩等)

同じ思いの友人

成功した著名な起業家

親、親戚

会社の上司、同僚

学校の先生

その他

影響を受けた人はいない

有効回答数:179単位:%

【第4章】VBアンケート調査

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(4)起業にあたり反対は?

① 起業に反対されたか、誰に反対されたか

反対されたと答えた人は、回答者 179 名中 35 名(19.6%)であった(図表 4- 4)。 35 名に対して、反対した者は(複数回答可)、「母親」15 名(42.9%)がトップで、次いで「父

親」12 名(34.3%)、「会社の上司、同僚」11 名(31.4%)、「友人」9 名(25.7%)、「妻」7 名(20%)

という結果であった(図表 4- 5 )。

反対は、意外に少ないとの印象を持った。

図表 4- 5 誰に反対されたか

42.9

34.3

31.4

25.7

20.0

11.4

8.6

2.9

2.9

母親

父親

会社の上司、同僚

友人

配偶者

専門家、コンサルタント

兄弟姉妹

その他親戚

先生単位:% 、( )内は有効回答数

複数回答可(有効回答数35)

(15)

(12)

(11)

(9)

(7)

(4)

(3)

(1)

(1)

19.6

80.4

反対された 反対されなかった

単位:%

( )内は有効回答数

(35) (144)

図表 4- 4 起業に反対されたか

【第4章】VBアンケート調査

Ⅰ - 153

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② 反対されたにもかかわらず、起業した理由

最多の回答は、「自分の夢や思いを実現したかった(35 名中 22 名、62.9%)」で、「反対は想定

されたが、従う気持ちはなかった(同 19 名、54.3%)」がこれに続く。

図表 4- 6 反対されたにもかかわらず、起業した理由

(5)周りの評価

「起業したあなたを、家族・友人・知人・先生等はどのように評価しているか」との問いに対し

ては、「大いに評価してくれている(49.7%)」、「多少評価してくれている(27.4%)」が、全体の

3/4 を占め、「変わらない(15.6%)」、「わからない(6.7%)」と続いている。

「評価している」割合の合計が 77.1%と高い割合を占めた。比較的順調に成長している先が回

答をしたかもしれないと言う点を考慮しても、起業家を称賛する風土が醸成されつつあるのかも

しれない

図表 4- 7 周りの評価

62.9

54.3

20.0

20.0

11.4

自分の夢や思いを実現したかった

反対は想定されたが、従う気持ちはなかった

同じ思いの仲間が揃った

後押しをしてくれる支援者が現れた

その他単位:% 、( )内は有効回答数

複数回答可(有効回答数35)

(22)

(19)

(7)

(7)

(4)

49.7

27.4

15.6

0.6

6.7 大いに評価してくれている

多少評価してくれている

変わらない

むしろ評価が下がった

わからない

単位:% 有効回答数:179

【第4章】VBアンケート調査

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会社員(大・中堅企業)

会社員(ベンチャー企業)

会社員(中小企業)

研究者(大学、諸団体等)

自営(除く実家の事業)

士業(医師、弁護士等)

自営(実家の事業)

国家公務員

その他

(6)起業していなかったら、どのような職業についていたか

第 1 位「会社員(大・中堅企業)33.5%」、第 2 位「会社員(ベンチャー企業)25.1%」、第 3位「会社員(中小企業)12.3%」となっており、「会社員」と答えた人が約 70%を占めている。

第 4 位は「研究者(大学、諸団体等)8.9%」、第 5 位「自営(除く実家の事業)6.1%」、第 6 位

「士業(医者、弁護士等)2.8%」と続く。 「その他」(17 名、9.5%)の内訳としては、「起業以外想定できない」「現在、ダブルワーク中」

が各 3 名、「フリーランス」が 2 名、「ケアマネージャー」「企業の顧問」「フリーター」「定年後

の生活」等々各 1 名と多様である。

図表 4- 8 起業していなかったら、どのような職業についていたか

33.5

25.1 12.3

8.9

6.1 2.8

1.1 0.6

9.5

会社員

70.9

有効回答数:179単位:%

【第4章】VBアンケート調査

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(7)起業に関する教育、研修

起業に関する教育・研修を受けた人は、173 名中 64 名(37.0%)で(図表 4- 9)、この 64 名の

教育・研修の場は、「大学・大学院」(31 名、48.4%)、「民間会社等のセミナー」(23 名、35.9%)

で、「中学・高校」は 1 名(1.6%)のみであった(図表 4- 10)。 「その他 21 名(32.8%)」の内訳は、「MBA」2 名、「NEDO セミナー」「文科省 START 事業」

「商工会議所の創業セミナー」「TX アントレプレナーパートナーズ(TEP)のセミナー」「大学

のイベント」「サークル」「インターン」「起業家の集まり」「先輩の起業家」「アクセラレーター

プログラム」「起業に関する書籍」等々各 1 名となっている。

図表 4- 9 起業に関する教育、研修を受けたか

図表 4- 10 教育・研修の場

37.0

63.0

受けた 受けていない

有効回答数:173

単位:%

( )内は有効回答数

(64) (109)

48.4

35.9

32.8

1.6

大学・大学院

民間会社等のセミナー

その他

中学・高校

複数回答可(有効回答数64)

単位:% 、( )内は有効回答数

(31)

(23)

(21)

(1)

【第4章】VBアンケート調査

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(8)日本で起業が少ない最大の理由は?

第 1 位は、「失敗に対する自分自身の危惧(=起業に失敗すると再チャレンジが難しい等)」で、

173 名中 52 名(30.1%)が、『理由』としてあげている。第 2 位は、「学校教育(=勇気ある行動

への低い評価、課題を探し出す教育の欠如、”起業家教育がなされていない”等)」(32 名、18.5%)、

第 3 位は、「世間の風潮(=失敗すれば白い眼、成功しても尊敬される程度が低い等)」(28 名、

16.2%)、第 4 位は「身近に起業家がいない(=起業と言う道を知らない、”ロールモデルがない”等)」(26 名、15.0%)と続き、「家庭教育(=安全・安定を求める親の思い、官庁・大企業への

就職志向等)」をあげる人は、15 名(8.7%)で、第 5 位であった。 (注)” ”の文言は、自由意見欄の記載の転記。

「その他」(20 名、11.6%)の内訳としては、「資金調達の不安、資金の不足」をあげる人が 7名と多く、「現状に満足、起業しなくてもよい」3 名、「起業家エコシステムの欠如」「アイデア、

能力に欠ける」各 2 名等であった。

図表 4- 11 日本で起業が少ない最大の理由は

30.1

18.516.2

15.0

8.7

11.6

失敗に対する自分自身の危惧(起業に失敗すると再チャレンジが難しい等)

学校教育(勇気ある行動への低い評価、課題を探し出す教育の欠如等)

世間の風潮(失敗すれば白い眼、成功しても尊敬される程度が低い等)

身近に起業家がいない(起業と言う道を知らない等)

家庭教育(安全、安定を求める親の思い、官庁・大企業への就職志向等)

その他

有効回答数:173単位:%

【第4章】VBアンケート調査

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(9)日本で起業家を増やすには何が必要か(自由意見)

「日本で起業家を増やすには何が必要か」について自由記述で尋ね、回答企業 180 社(180 人)

中 112 社(112 人)から回答があった。その結果が以下である。

項目 回答社(者)数 全回答社(者)に 対する比率

意識・風土・風潮 25 22.3%

失敗を許容する風土 11 9.8%

チャレンジ精神 6 5.4%

起業家を評価する風土他 9 8.0%

再チャレンジ/セーフティネット 21 18.8%

再チャレンジ可能な仕組み 15 13.4%

個人保証の見直し 7 6.3%

セーフティネットの構築 6 5.4%

教育 19 17.0%

起業教育(マインド/スキル) 16 14.3%

自由な教育、課題発見解決型教育 8 7.1%

資金調達 18 16.1%

エンジェル/投資家の増加 8 7.1%

審査方法の見直し 7 6.3%

立ち上げ当初の資金調達を容易に 3 2.7%

雇用制度 12 10.7%

人材流動化、終身雇用制度の見直し 7 6.3%

副業、兼業、クロスアポイントメント 3 2.7%

一括採用(就活)の見直し 3 2.7%

公的支援/補助金 12 10.7%

ロールモデルの存在 11 9.8%

身近にロールモデルがあれば 8 7.1%

成功例の積極的紹介 3 2.7%

起業家を増やす必要があるのか/増やす必要なし 7 6.3%

(注)複数回答可のため、項目合計と内訳合計は一致しない。

① 意識・風土・風潮

最も多くの意見が寄せられた項目で、「失敗を許容する風土の醸成」「チャレンジ精神を育て、

称える風土」が必要とする意見が多くみられた。少数ながら、「お金を稼ぐことが良いことでは

ないという空気を変えること」が必要との意見もあった。

【第4章】VBアンケート調査

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② 再チャレンジ/セーフティネット

日本では一度失敗すると「失敗者」の烙印を押され、再チャレンジが難しいので、「再チャレ

ンジ可能な仕組み」は必要不可欠という意見が多く寄せられた。特に、「(借入の)個人保証」は、

再チャレンジの大きな足枷になるとの指摘があった。また、失敗者の再雇用を促す等、なにがし

かの「セーフティネット」があれば…、との要望もみられた。

③ 教育

この項目も多くの意見が寄せられた。特に、「起業家教育(マインド、スキル)」の必要性を説

く意見が多く、「中学・高校から行うべき」との指摘もあった。また、「自由な教育」「課題発見

解決型の教育」等、現在の教育の中身を変える必要があるとの主張もかなりみられた。

④ 資金調達

資金調達も、多くの意見、要望が寄せられた。 「エンジェル/投資家への期待」、「審査基準(投資・融資)の見直し、実態に即した審査の要

望」が多く、立ち上げ当初の資金調達に苦労したとの実体験から改善を要望する声も聞かれた。

⑤ 雇用制度

「人材流動化の促進、終身雇用制の見直し」を指摘する声が多く、「副業・兼業の拡大」「一括

採用の見直し」を望む意見も寄せられた。

⑥ 公的支援/補助金

「創業時の相談/支援体制の充実」「資金面での支援」があげられる。

⑦ ロールモデルの存在

「身近にロールモデルがあれば、起業家は必ず増える」「成功例を積極的に紹介すべき」との

意見が寄せられた。

⑧ 起業家を増やす必要があるのか?/増やす必要なし

「起業家を増やすことが目的化することに疑問を感じる」「起業したい人はどのような環境下

でも起業を志す。無理して増やす必要はない」「起業はリスクも大きい。ただ増やせばよいとい

うものではない」「増やす必要なし」等ニュアンスは異なるが、112 社(人)中 7 社(人)から

同趣旨の意見があった。

⑨ その他

上記項目以外の意見としては、「税制(法人税/住民税、エンジェル税制)」「情報共有/データ

ベース化の推進、国際化への対応」(各 5)、「規制緩和」「諸手続きの簡素化」「メンター等支援

者の強化」(各 3)、「大企業のサポート」「起業家も住宅ローン借入が可能に(生活インフラの整

備)」(各 2)、「日本流の起業を模索すべき」「M&A の増加」(各 1)と、多方面にわたり意見を

頂戴した。

ここで、特に注目したいのは、実際に起業した人が起業家教育の必要性を指摘している点であ

る。中には、中学・高校から行うべきとの意見もみられた。 因みに、起業家教育が起業率アップに繋がることは、毎年世界的規模で実施されている「起業

家精神に関する調査: Global Entrepreneurship Monitor」(以下 GEM)で明らかにされている。 GEM (2016 年調査)によれば、日本の起業率(ここでいう起業は、ベンチャー企業に限って

【第4章】VBアンケート調査

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いない点には留意)は 5.3%で、対象 66 か国中、下から 6 番目の低い水準にある。また、知識・

能力・経験を有する(これをGEMでは“起業態度を有する“と表現)割合も、先進諸国(GEM調査では、日本を含む 28 か国・地域を“イノベーション主導型経済圏(注)“と表現)の中で著

しく低い。ところが、起業態度を有するグループ内の起業割合をみると、日本はイノベーション

主導型経済圏の平均を上回っており、かつ 2008 年のリーマンショック後は、その格差は拡大し

ている。

(注)GEM調査では、経済の発展段階を発展順に、要素主導型経済(Factor-Driven Economies:6 カ国)→効率主

導型経済(Efficiency-Driven Economies:32 カ国)→イノベーション主導型経済(Innovation-Driven

Economies:28 カ国・地域)の 3 つの経済圏に分類している

起業態度を有する割合 起業態度を有するグループの

起業割合

日本 イノベーション主導型

経済圏 日本

イノベーション主導型 経済圏

リーマンショック前(2001-2008年) 7.4% 26.9% 12.9% 10.0%

リーマンショック後(2008-2014年) 11.8% 38.9% 20.0% 12.1%

(出所)平成 28 年度 起業家精神に関する調査 みずほ情報総研㈱から抜粋、VEC 作成

【第4章】VBアンケート調査

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3. 事業・経営体制等に関する調査

設立 5 年以内(2013 年以降設立)の VB 1,667 社のうち、回答があった 153 社を「VC 出資あ

り(62 社)」と「VC 出資なし(91 社)」とに分けて分析した。

(1)回答企業のプロフィール

① 業種

全体でみると「コンピュータ及び関連機器、IT サービス」が 35.9%ともっとも多い。「VC 出

資あり」の第 2 位は、「ソフトウェア」「医療機器、ヘルスケアサービス」(ともに 16.1%)であ

るのに対し、「VC 出資なし」の第 2 位は、「メディア、娯楽、小売、消費財」(12.1%)と違いが

みられる。

医師による起業が増加傾向にあると言われているが(I-14 ページ)、今回の回答先でも、少な

くとも 4 社(含む兼業)は、医師の起業と推定される。

図表 4- 12 調査回答企業の業種分布

5.5

6.5

5.9

41.8

27.4

35.9

8.8

16.1

11.8

2.2

3.2

2.6

3.3

8.1

5.2

7.7

16.1

11.1

6.6

4.8

5.9

12.1

3.2

8.5

11.0

11.3

11.1

1.1

3.2

2.0

VC出資なし

VC出資あり

全体

通信・ネットワーキング及び関連機器 コンピュータ及び関連機器、ITサービス ソフトウェア

半導体、電気一般 バイオ、製薬 医療機器、ヘルスケアサービス

工業、エネルギー、その他産業 メディア、娯楽、小売、消費財 金融、不動産、法人向けサービス

ロボット関連

(153)

(91)

単位:% 、( )内は有効回答数

(62)

【第4章】VBアンケート調査

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② ステージ

VEC の調査では、VB のステージを以下の通りに定義している。

ステージの分布について、全体でみると、「アーリー」が 49.7%、次いで「エクスパンション」

が 26.8%、「シード」が 20.9%、「レーター」が 2.6%と続いている。「VC 出資あり」と「VC 出資

なし」で比較すると、「アーリー」、「シード」において差があるものの、全体の分布として大き

な違いはみられない。

図表 4- 13 調査回答企業のステージ分布

26.4

12.9

20.9

41.8

61.3

49.7

29.7

22.6

26.8

2.2

3.2

2.6

VC出資なし

VC出資あり

全体

シード アーリー エクスパンション レーター

単位:% 、( )内は有効回答数

(153)

(62)

(91)

ステージ 定義

シード 商業的事業がまだ完全に立ち上がっておらず、研究および製品開発を継続している企業

アーリー 製品開発および初期のマーケティング、製造および販売活動を始めた企業

エクスパンション 生産および出荷を始めており、その在庫または販売量が増加しつつある企業

レーター 持続的なキャッシュフローがあり、IPO直前の企業等

【第4章】VBアンケート調査

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③ ステージ×従業員数

全体でみると、「シード」ステージにある VB はすべて、従業員数(役員、派遣・パートタイ

ム等の非正規雇用を含む)が 20 人以下であり、その 74.2%が「1 人から 5 人」規模である。ス

テージが進むにつれて従業員数は増える傾向にあるが、それでも大半の VB が 50 人以下であっ

た。 VC 出資の有無で比較してみると、「VC 出資あり」は「VC 出資なし」よりも総じて従業員数

が多い。「VC 出資なし」については、10 人以下の VB の割合が、「シード」ステージ 91.7%、「ア

ーリー」ステージでは 84.2%とそれぞれ大宗を占めている。

図表 4- 14 調査回答企業の従業員数分布

74.2

46.1

31.7

12.9

28.9

24.4

25.0

12.9

13.2

9.8

25.0

10.5

26.8

50.0

1.3

7.3

シード

アーリー

エクスパンション

レーター

1人から5人 6人から10人 11人から20人 21人から50人 51人から100人

(31)

(76)

(41)

(4)

全体(152)

57.1

26.3

14.3

39.5

21.4

28.6

13.2

14.3

18.4

50.0

100.0

2.6

14.3

シード

アーリー

エクスパンション

レーター

1人から5人 6人から10人 11人から20人 21人から50人 51人から100人

(38)

(14)

(2)

VC出資ありVC出資ありVC出資あり(61)

(7)

79.2

65.8

48.1

12.5

18.4

25.9

50.0

8.3

13.2

7.4

50.0

2.6

14.8 3.7

シード

アーリー

エクスパンション

レーター

1人から5人 6人から10人 11人から20人 21人から50人 51人から100人

(24)

(38)

(27)

(2)

単位:% 、( )内は有効回答数

VC出資なし(91)

91.7%

84.2%

【第4章】VBアンケート調査

Ⅰ - 163

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(2)事業展開の状況

① 海外展開の状況

全体でみると、既に海外展開(販売・調達)をしている VB は回答企業のうち 16.4%であった。 VC 出資の有無で比較してみると、既に海外展開をしている VB の割合は、「VC 出資あり」が

16.1%、「VC 出資なし」が 16.7%とほぼ同割合であったが、今後の海外展開については、「計画

がある」と回答した VB が「VC 出資あり」72.6%に対し「VC 出資なし」46.7%と、大きな差が

みられた。

図表 4- 15 海外展開の状況

既に海外展開をしているとの回答を得た 25 社(VC 出資あり 10 社、VC 出資なし 15 社)に展

開先の地域を問うたところ、最も多いのはアジアで、「中国」「東南アジア」「その他アジア・オ

セアニア」を合わせたアジア全体で 35%に達している。複数の地域に展開している VB もあるた

め、社数では 25 社のうち 11 社、44%の VB が海外展開先にアジアを選んでいるとの結果になっ

ている。

それ以外では、「欧州」の 25%、「特に国を指定していない」の 20%が続く。 「特に国を指定していない」は webサービスなどで特に国を限定していない場合が含まれる。

図表 4- 16 海外展開している国と地域

16.4

16.1

16.7

57.2

72.6

46.7

26.3

11.3

36.7

全体

VC出資あり

VC出資なし

すでに海外展開をしている 今後、海外展開をする計画がある 海外展開の実績・予定はない

(152)

(62)

(90)

単位:%、( )内は有効回答数

15.0 12.5 7.5 25.0 17.5 2.5 20.0全体

中国 東南アジア その他アジア・オセアニア 欧州 北米 中南米 特に国を限定していない

(40)

単位:% 、( )内は有効回答数

すでに海外展開している国と地域(複数回答可)

アジア 35.0 %

【第4章】VBアンケート調査

Ⅰ - 164

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② 大・中堅企業とのコラボレーションの状況

全体でみると、「既に大・中堅企業とコラボレーションしている」VB は 56.8%を占め、「将来、

コラボレーションしたい」と回答した 12.3%を加えると、69.1%の VB が大・中堅企業とのコラ

ボレーションに積極的であることが読みとれる。逆に、大・中堅企業と接点を持ちたくない(あ

るいは不要)と回答した VB は 5.5%に過ぎない。

図表 4- 17 大・中堅企業とのコラボレーションの状況

③ 今後の事業計画

全体でみると、IPO(株式公開)ヘ進もうと考えている VB は、47.1%を占めている。一方で、

M&A を検討している VB は、7.8%に留まっている。本調査結果からも M&A は IPO に比べ、経

営計画上少ないことがわかる。

VC 出資の有無で比較すると、「VC 出資あり」では、IPO へ進もうと考えている VB の割合が

72.6%に達しており IPO を視野に入れている VB が多いことがうかがえる。 一方、「VC 出資なし」では、IPO へ進もうと考えている VB は半数もない。また、30%近くの

VB が IPO も M&A も考えていない。

図表 4- 18 今後の事業計画

56.8 12.3 4.1 21.2 5.5

既に、大・中堅企業とコラボレーションしている 将来、大・中堅企業とのコラボレーションを行いたいと思っている

将来、大・中堅企業との接点は持ちたいと思っている 大・中堅企業とのコラボレーションは行っていないが、接点はある

大・中堅企業との接点は持ちたくない(不要)

単位:%、有効回答数14669.1 %

9.2

21.0

1.1

37.9

51.6

28.6

19.0

3.2

29.7

7.8

9.7

6.6

1.3

2.2

0.7

1.1

全体

VC出資あり

VC出資なし

IPOにむけて具体的に手続きを進めている IPOの方向で考えているが、具体的な手続きは開始していない

IPO及びM&Aは考えていない(Exitの予定はない) 他社にM&Aの方向で考えている

解散、清算等を検討している 解散、清算等により事業を終了した

(153)

(62)

(91)

単位:%、( )内は有効回答数

47.1%

72.6%

【第4章】VBアンケート調査

Ⅰ - 165

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(3)資金調達の状況

① 設立から現在までの資金調達状況(借入を含む)

設立から現在までの資金調達元を件数比率でみると、全体では 90%近くの VB は「本人」が用

意している。次に多い調達元は「銀行・信用金庫・信用組合等」であり、50%を超えている。 「民間企業」からの調達比率が、「VC 出資あり」は、「VC 出資なし」よりも 30 ポイント以上

高い。さらに「個人投資家(エンジェル)」からの調達比率が、「VC 出資あり」は、「VC 出資な

し」よりも、20 ポイント以上高くなっている。また、件数は少ないが、「海外投資家」からの調

達比率は「VC 出資あり」で 9.7%、「VC 出資なし」で 3.3%、「クラウドファンディング」による

調達比率は「VC 出資あり」で 16.1%、「VC 出資なし」で 5.5%と、大きな差がみられる。

図表 4- 19 設立から現在までの資金調達元の件数比率

87.6

30.7

31.4

51.6

40.5

34.6

33.3

5.9

9.8

88.7

24.2

43.5

50.0

100.0

37.1

53.2

9.7

16.1

86.8

35.2

23.1

52.7

33.0

19.8

3.3

5.5

本人

家族・親戚・知人

個人投資家(エンジェル)

銀行・信用金庫・信用組合等

ベンチャーキャピタル

公的機関

民間企業

海外投資家

クラウドファンディング

全体(有効回答社数:153)

VC出資あり(有効回答社数:62)

VC出資なし(有効回答社数:91)

設立から現在まで(複数回答可)単位:%

【第4章】VBアンケート調査

Ⅰ - 166

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資金調達元を金額比率でみると、全体では、「ベンチャーキャピタル(VC)」からの調達比率

が 41.2%ともっとも多く、次に「民間企業」19.5%、「海外投資家」11.8%と続いている。「本人」

(件数比率では 87.6%)は、金額比率では 5.8%と非常に小さい。 VC 出資の有無で比較した場合、「VC 出資あり」では「ベンチャーキャピタル」が 48.3%とも

っとも多く、次いで「民間企業」が 18.9%と第 2 位を占め、事業法人によるベンチャー投資等の

活発化を示している。 「VC 出資なし」では 32.9%の「銀行・信用金庫・信用組合等」がトップで、次いで 22.7%の

「民間企業」、14.5%の「本人」、9.6%の「海外投資家」と続いている。

(注) 図表 4- 20、次ページ 図表 4- 21、次々ページ 図表 4- 23に示す資金調達金額は、実数ではなく、グルーピング

した選択肢から回答を得たため、各グループの金額の中間値を基に計算している。

このため、選択肢グループの金額が大きくなるほどブレは大きくなる可能性があることに留意が必要である。

(たとえば、「1億円~10億円未満」を選択した場合は、5億 5000万円として計算している。)

選択肢 中間値

調達していない -

500万円未満 250万円

500万円~1000万円未満 750万円

1000万円~5000万円未満 3000万円

5000万円~1億円未満 7500万円

1億円~10億円未満 5億 5000万円

10億円~30億円未満 20億円

30億円以上 40億円

回答しない -

図表 4- 20 設立から現在までの資金調達元の金額比率

(注)有効回答数:金額非開示先が、「VC出資あり」で 10社、「VC出資なし」で 7社あるため、前図表の有効回答数

と合致しない。

5.8

1.0

14.5

1.0

0.5

3.8

4.4

3.7

8.2

9.5

5.4

32.9

41.2

48.3

5.1

4.7

6.9

19.5

18.9

22.7

11.8

12.2

9.6

1.8

1.9

1.3

全体

VC出資あり

VC出資なし

本人 家族・親戚・知人 個人投資家(エンジェル)

銀行・信用金庫・信用組合等 ベンチャーキャピタル 公的機関

民間企業 海外投資家 クラウドファンディング

単位:%、( )内は有効回答数(84)

(52)

(136)

設立から現在まで(複数回答可)

【第4章】VBアンケート調査

Ⅰ - 167

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<参考>資金調達総額(借入を含む)

各社の資金調達総額(借入を含む)を、「VC 出資あり(52 社)」、「VC 出資なし(84 社)」別

にみたのが、図表 4- 21 である。

「VC 出資あり」では、資金調達総額「3 億円~10 億円未満」層の社数の割合が 38.5%(52 社

中 20 社)と最も高く、3 億円以上を調達した社数割合は、57.7%を占めているのに対して、「VC出資なし」では、「1000 万円~5000 万円未満」層の社数の割合が 32.1%(84 社中 27 社)と最も

大きく、3 億円以上調達した社数の割合は 4.8%に過ぎない。

資金調達総額については、「VC 出資あり」と「VC 出資なし」との間で大きな開きがある。個

社別にみると、総調達額 500 万円未満が 7 社あると推定される一方で、50 億円以上を調達した

VB も 1 社あり、ばらつきが極めて大きい。

図表 4- 21 資金調達総額の社数の割合

1.9

8.3 21.4

15.4

32.1

7.7

25.0

17.3

8.3

38.5

3.6

15.4

1.2

3.8 VC出資あり

VC出資なし

~500万円未満 500万円~1000万円未満 1000万円~5000万円未満 5000万円~1億円未満

1億円~3億円未満 3億円~10億円未満 10億円~20億円未満 20億円~

単位:%、( )内は有効回答社数

(84)

(52)

57.7%

【第4章】VBアンケート調査

Ⅰ - 168

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② 直近 1年間の資金調達状況(借入を含む)

直近 1 年間の資金調達元を件数比率でみると、全体では「本人」の割合が 39.2%ともっとも多

く、次に「銀行・信用金庫・信用組合等」ならびに「ベンチャーキャピタル」の 31.4%、「民間

企業」の 25.5%と続いている。 「VC 出資あり」の VB のうち、過去 1 年間で VC から出資を受けた企業の件数比率は 77.4%

であった。

図表 4- 22 直近 1年間の資金調達元の件数比率

直近 1 年間の資金調達元の状況を金額比率でみると、全体ではトップが「ベンチャーキャピタ

ル」の 45.8%、第 2 位が「民間企業」の 18.5%で、この 2 つの調達元で 60%以上に達している。

「VC 出資あり」では 50.3%を占める「ベンチャーキャピタル」の比率がもっとも高い一方、「VC

出資なし」では「銀行・信用金庫・信用組合等」が 37.3%でトップとなっている。なお、「VC 出

資なし」で「海外投資家」が 24.3%を占めるが、ごく少数の外資系 VB の日本法人、あるいは外

国人が日本で起業した VB が比較的多額の資金を「海外投資家」から調達したことによる。

図表 4- 23 直近 1年間の資金調達元の金額比率

39.2

13.1

14.4

31.4

31.4

21.6

25.5

5.9

5.2

30.6

9.7

24.2

35.5

77.4

25.8

45.2

9.7

9.7

45.1

15.4

7.7

28.6

18.7

12.1

3.3

2.2

本人

家族・親戚・知人

個人投資家(エンジェル)

銀行・信用金庫・信用組合等

ベンチャーキャピタル

公的機関

民間企業

海外投資家

クラウドファンディング

全体(有効回答数:153)VC出資あり(有効回答数:62)VC出資なし(有効回答数:91)

直近1年間(複数回答可) 単位:%

2.3

1.0

13.9

0.2

0.1

2.2

3.4

3.0

7.3

9.3

6.5

37.3

45.8

50.3

5.1

5.2

4.2

18.5

19.5

8.3

12.7

11.6

24.3

2.6

2.6

2.5

全体

VC出資あり

VC出資なし

本人 家族・親戚・知人 個人投資家(エンジェル)銀行・信用金庫・信用組合等 ベンチャーキャピタル 公的機関民間企業 海外投資家 クラウドファンディング

単位:%、( )内は有効回答数(91)

(62)

(153)

直近1年間(複数回答可)

【第4章】VBアンケート調査

Ⅰ - 169

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③ 今後期待する資金調達元(借入を含む)

今後期待する資金調達元は、全体ではトップが「ベンチャーキャピタル」の 64.7%、次いで「民

間企業」の 56.9%、「銀行・信用金庫・信用組合等」の 48.4%と続いている。 「VC 出資あり」では、「ベンチャーキャピタル」が 82.3%ともっとも高く、次に 80.6%の「民

間企業」が続いている。大企業の VB への直接投資の活発化を反映して、大企業への期待が大き

いと推定される。

一方、「VC 出資なし」では、52.7%の「ベンチャーキャピタル」と 51.6%の「銀行・信用金庫・

信用組合等」への期待が高く、40.7%の「民間企業」がこれに続いている。また、「VC 出資あり」

と比較すると、「本人」「家族・親戚・知人」「個人投資家(エンジェル)」「クラウドファンディ

ング」からの調達に期待する比率の高さが目立つ。

図表 4- 24 今後期待する資金調達元

18.3

5.9

31.4

48.4

64.7

27.5

56.9

22.2

13.1

3.9

4.8

1.6

21.0

43.5

82.3

24.2

80.6

30.6

8.1

3.2

27.5

8.8

38.5

51.6

52.7

29.7

40.7

16.5

16.5

4.4

本人

家族・親戚・知人

個人投資家(エンジェル)

銀行・信用金庫・信用組合等

ベンチャーキャピタル

公的機関

民間企業

海外投資家

クラウドファンディング

その他

全体(有効回答数:153)

VC出資あり(有効回答数:62)

VC出資なし(有効回答数:91)

今後(複数回答可)単位:%

【第4章】VBアンケート調査

Ⅰ - 170

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(4)ベンチャー企業のニーズについて

① 当面の経営ニーズ

VB に対してもっとも高い経営ニーズを尋ねたところ、「VC 出資あり」では「人材採用」の

30.6%、第 2 位が「資金調達」の 29.0%であった。「VC 出資なし」では「資金調達」が 36.0%で

トップ、次いで「販路拡大」が 22.5%であった。もっとも高いニーズとして「技術開発」と答え

た VB は、全体では 12.6%であったが、VC 出資の有無で比較すると、「VC 出資あり」では 6.5%

であるのに対し、「VC 出資なし」では 16.9%と、「VC 出資あり」の倍以上の比率となっている。

図表 4- 25 現在あるいは近い将来の経営ニーズ

ステージ別にみると、シード、アーリーでは「資金調達」へのニーズがもっとも高く、「人材

採用」が続いている。エクスパンションでは「販路拡大」がもっとも高いニーズとなり、「人材

採用」「資金調達」がこれに続いている。レーターに至っては、回答企業数が少ないものの、「人

材採用」と「販路拡大」が 2 件ずつの同数となり、「資金調達」と回答した VB はなかった。

図表 4- 26 ステージ別の経営ニーズ

24.5

33.1

12.6

23.8

4.0

2.0

30.6

29.0

6.5

25.8

8.1

20.2

36.0

16.9

22.5

1.1

3.4

人材採用

資金調達

技術開発

販路拡大

その他の経営ニーズ

特に経営ニーズはない

全体(有効回答数:151)

VC出資あり(有効回答数:62)

VC出資なし(有効回答数:89)

単位:%

【第4章】VBアンケート調査

Ⅰ - 171

21.9

22.4

28.2

50.0

40.6

36.8

23.1

18.8

11.8

10.3

15.6

21.1

33.3

50.0

6.6

2.6

3.1

1.3

2.6

アーリー

エクスパンション

レーター

人材採用 資金調達 技術開発 販路拡大 その他の経営ニーズ 特に経営ニーズはない

単位:%、( )内は有効回答数(4)

(70)

シード(31)

(37)

全体(142)

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② 人材ニーズ

現在あるいは近い将来の経営ニーズの中で、もっとも高いニーズが「人材採用」と回答した

37 社に対して、必要とする人材を問うたところ、トップは「技術開発の担当者」で、次いで「営

業・販売促進の担当者」となっている。「人材ニーズあり」と回答した企業の半数以上がどちら

の人材も、必要としている。 VC 出資の有無で比較した場合、「VC 出資あり」は COO(最高執行責任者)、CFO(最高財務

責任者)、CTO(最高技術責任者)等の責任者を必要としている割合が「VC 出資なし」よりも

高い。比率は小さいが、「法務の担当者」に対するニーズも「VC 出資なし」の約 4 倍の比率に

達し、大きな差がみられる。「戦略・事業開発の担当者」に対するニーズも高い。「VC 出資あり」

は IPO を視野に入れている割合が高く(図表 4- 18 参照)、組織体制の強化に当たり、企業ガバ

ナンスを支える人材や、実際に戦略を練る人材ををより必要としていることがうかがえる。 なお、「VC 出資なし」では「財務の担当者」へのニーズが「VC 出資あり」の 2 倍以上の比率

となっており、当面の経営ニーズで資金調達が最大であったこを反映している(図表 4- 25 参照)。

図表 4- 27 人材ニーズ

27.0

18.9

27.0

56.8

35.1

21.6

59.5

18.9

13.5

18.9

16.2

2.7

31.6

21.1

31.6

52.6

42.1

21.1

57.9

10.5

21.1

21.1

15.8

5.3

22.2

16.7

22.2

61.1

27.8

22.2

61.1

27.8

5.6

16.7

16.7

CEO(最高経営責任者)/社長

COO(最高執行責任者)

CFOまたは財務の責任者

CTOまたは技術開発の責任者

営業・販売促進の担当者

戦略・事業開発の担当者

海外展開・事業の担当者

技術開発の担当者

財務の担当者

法務の担当者

総務の担当者

社外役員(社外取締役・監査役)

その他

全体(有効回答数:37)

VC出資あり(有効回答数:19)

VC出資なし(有効回答数:18)

複数回答可 単位:%

【第4章】VBアンケート調査

Ⅰ - 172

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前述の 37 社を、ステージ別に分類して必要とする人材をみると、対象社数が少ない点は考慮

する必要はあるが、シード、アーリーでは、どちらかと言えば、COO、CFO、CTO という責任

者クラスのニーズが高く、エクスパンション以降では、技術開発や財務の担当者のニーズが高い

ことが読み取れる。また、シード~エクスパンションを通して、営業・販売促進の担当者のニー

ズは高い。 アーリー、エクスパンションにおいて、戦略・事業開発の担当者、海外展開・事業の担当者の

ニーズが出てきている点は見逃せない。

図表 4- 28 ステージ別の必要な人材

2

6

2

1

5

1

3

5

1

4

9

8

1

6

6

3

5

3

8

9

2

1

2

4

3

2

1

2

4

1

3

2

1

【シード】

【アーリー】

【エクスパンション】

【レーター】

COO(最高執行責任者)

CFOまたは財務の責任者

CTOまたは技術開発の責任者

営業・販売促進の担当者

戦略・事業開発の担当者

海外展開・事業の担当者

技術開発の担当者

財務の担当者

法務の担当者

総務の担当者

社外役員(社外取締役・監査役)

その他

有効回答数:7/のべ回答数:17

有効回答数:17/のべ回答数:53

有効回答数:11/のべ回答数:44

有効回答数:2/のべ回答数:2

複数回答可単位:社

【第4章】VBアンケート調査

Ⅰ - 173

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(5)チームビルディング

「チームビルディング」は、VB の成長を大きく左右するファクターの一つと指摘する人が多

い。

そこで、創業者チームの人数、創業者と創業者チームとの関係、専任の責任者の有無、採用方

法について、VC 出資の有無別にみた。

① 創業者チームの人数

「VC 出資あり(対象 62 社)」では、創業者チーム 3 人以上が 48.5%を占めるのに対し、「VC出資なし(対象 91 社)」は、39.6%にとどまる。創業者 1 名というケースは、「VC 出資あり」で

は、24.2%、「VC 出資なし」では、36.3%となっている。

図表 4- 29 創業者チームの人数

24.2

27.432.3

8.1

8.1 1名

2名

3名

4名

5名以上

単位:%、有効回答数:62

VC出資あり

36.3

24.2

19.8

16.5

3.3

1名

2名

3名

4名

5名以上

単位:%、有効回答数:91

VC出資なし

48.5

39.6

【第4章】VBアンケート調査

Ⅰ - 174

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② 創業者と創業者チームとの関係

創業者と創業者チームとの関係を、VC 出資の有無別にみたのが、図表 4- 30 である。

VC 出資の有無を問わず、チーム人数 2 名の場合は「学校の同級生、先輩、後輩」「会社の同

僚、元同僚」が 50%~70%を占めているが、チーム人数が 3 名以上になると、「外部からの紹介」

が増加している。

(注)「その他」内訳…回答者 18のうち、友人・知人 5、大学の先生・大学関係者 4、仕事関係者 3、

ハッカソン/ネット上の知人 2、家族(含む子供)2、共同研究者 1、文科省 STARTメンバー1

(注)「その他」内訳(複数回答あり)…回答者 21のうち、友人・知人 6、家族(含む妻)5、顧客・取引先 4、

ベンチャー界隈/ネット上の知人 2、大学の先生 2、その他 4(クラウドソーシング他)

12.5

17.4

14.3

20.0

8.3

4.8

8.3

8.7

14.3

37.5

21.7

23.8

20.0

4.2

17.4

19.0

40.0

29.2

34.8

23.8

20.0

2名

3名

4名

5名以上

創業者チームの人数

学校の同級生 学校の先輩、後輩 会社の同僚 会社の元同僚 外部からの紹介 その他

VC出資なし

単位:%、( )内は有効回答数

(22)

(15)

(18)

(3)

16.7

13.8

14.3

16.7

13.8

16.7

22.2

13.8

16.7

16.7

10.3

14.3

5.6

27.6

28.6

16.7

38.9

20.7

42.9

33.3

2名

3名

4名

5名以上

創業者チームの人数

学校の同級生 学校の先輩、後輩 会社の同僚 会社の元同僚 外部からの紹介 その他

VC出資あり

単位:%、( )内は有効回答数

(17)

(20)

(5)

(5)

図表 4- 30 創業者と創業者チームとの関係

【第4章】VBアンケート調査

Ⅰ - 175

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③ 専任の責任者の有無

各項目とも、「専任の責任者あり」と回答した割合は、「VC 出資あり」が「VC 出資なし」を

上回っているが、特に、CFO、CTO、海外展開・事業の責任者の有無で大きな差がみられる。

図表 4- 31 専任の責任者の有無

100.0

32.3

37.1

59.7

27.4

19.4

95.6

21.1

8.9

31.1

14.4

3.3

CEO(最高経営責任者)/社長

COO(最高執行責任者)

CFOまたは財務の責任者(執行役員等)

CTOまたは技術開発の責任者(執行役員等)

営業・販売促進の責任者(執行役員等)

海外展開・事業の責任者(執行役員等) VC出資あり(有効回答数:62)

VC出資なし(有効回答数:90)

単位:%

【第4章】VBアンケート調査

Ⅰ - 176

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④ 専任の責任者の採用方法

専任の責任者をどのようなルートで採用したかを、VC 出資の有無別にまとめたのが、図表 4-

32 である。 VC 出資の有無を問わず、創業者本人/共同創業者が CEO 兼 COO となるケースが多いこと、

他の専任責任者も、創業者/共同創業者の知人・元同僚で固めるケースが多いことが読み取れる。

なお、今回の調査では、「VC 出資なし」では、創業者/共同創業者が CTO を兼務している割合が

高いという結果になった。 総じて「VC 出資あり」は、採用ルートが多様であり、ヘッドハンター経由の採用や、求人サ

イト、自社サイトからの応募が目に付く。

図表 4- 32 専任の責任者の採用方法

96.8

65.0

30.4

29.7

17.6

25.0

15.0

47.8

43.2

35.3

41.7

5.0

4.3

5.4

5.9

5.4

5.9

1.6

2.7

5.0

8.7

5.4

17.6

8.3

1.6

5.0

2.7

11.8

8.3

5.4

8.3

5.0

8.7

5.9

8.3

CEO(最高経営責任者)/社長

COO(最高執行責任者)

CFOまたは財務の責任者

(執行役員等)

CTOまたは技術開発の責任者

(執行役員等)

営業・販売促進の責任者

(執行役員等)

海外展開・事業の責任者

(執行役員等)

創業者本人/共同創業者 創業者/共同創業者の知人・元同僚創業者/共同創業者以外の経営幹部からの紹介 その他従業員からの紹介個人投資家(エンジェル)からの紹介 その他の投資家からの紹介弁護士、会計士、税理士、弁理士からの紹介 取引先からの紹介ヘッドハンター経由の紹介 求人サイトからの応募自社サイトからの応募 その他

(62)

(20)

(23)

(37)

(17)

(12)

VC出資あり

単位:%、( )内は有効回答数

90.6

77.8

25.0

60.7

23.1

33.3

4.7

16.7

50.0

14.3

53.8 7.7

12.5

7.1

66.7

1.2

7.1

1.2

2.4

5.6

12.5

10.7

15.4

CEO(最高経営責任者)/社長

COO(最高執行責任者)

CFOまたは財務の責任者

(執行役員等)

CTOまたは技術開発の責任者

(執行役員等)

営業・販売促進の責任者

(執行役員等)

海外展開・事業の責任者

(執行役員等)

創業者本人/共同創業者 創業者/共同創業者の知人・元同僚創業者/共同創業者以外の経営幹部からの紹介 その他従業員からの紹介個人投資家(エンジェル)からの紹介 その他の投資家からの紹介弁護士、会計士、税理士、弁理士からの紹介 取引先からの紹介ヘッドハンター経由の紹介 求人サイトからの応募自社サイトからの応募 その他

(85)

(18)

(8)

(28)

(13)

(3)

VC出資なし

単位:%、( )内は有効回答数

【第4章】VBアンケート調査

Ⅰ - 177

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(6)その他の傾向

その他、アンケートからみえてきた特徴的な傾向について示す。 ① ピボットの有無

「自社の中核的な主力事業においてピボット(一般に事業の内容を抜本的に変えること)を行

ったことがありますか」という質問項目に対しては、VC 出資の有無に関係なく、ほぼ 40%の

VB が「ピボットしたことがある」と回答している。

図表 4- 33 ピボットの有無

業種別にみると、対象社数が少ない業種もあるが、「コンピュータ及び関連機器、IT サービス」

「ロボット関連」では、「ピボットしたことがある」との割合は、50%を超えているが、他方、

「バイオ、製薬」「医療機器、ヘルスケアサービス」「メディア、娯楽、小売、消費財」では、そ

の割合は 30%に満たない。

図表 4- 34 事業分野別のピボット有無

39.9

37.1

41.8

60.1

62.9

58.2

全体

VC出資あり

VC出資なし

ピボットしたことがある ピボットしたことがない

単位:%、( )内は有効回答数(91)

(62)

(153)

44.4

50.9

38.9

50.0

25.0

23.5

33.3

23.1

35.3

66.7

55.6

49.1

61.1

50.0

75.0

76.5

66.7

76.9

64.7

33.3

通信・ネットワーキング及び関連機器

コンピュータ及び関連機器、ITサービス

ソフトウェア

半導体、電気一般

バイオ、製薬

医療機器、ヘルスケアサービス

工業、エネルギー、その他産業

メディア、娯楽、小売、消費財

金融、不動産、法人向けサービス

ロボット関連

ピボットしたことがある(有効回答数61)

ピボットしたことがない(有効回答数92)

(9)

(55)

(18)

(4)

(8)

(17)

(9)

(13)

(17)

(3)単位:%、( )内は有効回答数

【第4章】VBアンケート調査

Ⅰ - 178

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② 何社目の起業か

「創業者にとって何社目の起業(創業者として法人を設立した回数。資産管理会社等を除く)

ですか」との質問に対して、69.3%の VB が初めての起業だと回答し、30.7%の VB が 2 社目以上

の起業だと回答している。

図表 4- 35 創業者にとって何社目の起業か

業種ごとに対象企業数にかなりのばらつきはあるが、業種とのクロス集計を行ってみた。 現在の会社が 2 社目以上と回答した創業者が多い VB は、「コンピュータ及び関連機器、IT サ

ービス」で 15 社、「ソフトウェア」10 社となっている。 「VC 出資あり」「VC 出資なし」の区分では、「ソフトウェア」にやや差がみられた。 (「VC 出資あり」が全体 10 社のうち 2 社目以上が 3 社に対し、「VC 出資なし」が全体 8 社の

うち 2 社目以上が 7 社と多い)

図表 4- 36 創業者にとって何社目の起業か(業種別集計)

69.3 20.9 9.1

0.7

全体(153)

1社目(初めての起業) 2社目 3社目 4社目

単位:%、( )内は有効回答数

40

8

12

8

8

12

8

7

2

1

10

4

5

4

4

1

1

1

2

4

6

1

1

1

1

1(55)

(18)

(17)

(9)

(13)

(17)

(9)

(8)

(3)

(4)

コンピュータ及び関連機器、ITサービス

ソフトウェア

金融、不動産、法人向けサービス

通信・ネットワーキング及び関連機器

メディア、娯楽、小売、消費財

医療機器、ヘルスケアサービス

工業、エネルギー、その他産業

バイオ、製薬

ロボット関連

半導体、電気一般

1社目(初めての起業) 2社目 3社目 4社目

単位:社、( )内は有効回答数

全体(153)

15社

10社

7

1

1

3

2

4

(10)

(8)

VC出資あり

VC出資なし

ソフトウェア18社のうち、VC出資ありは10社、VC出資なしは8社

3社

7社

【第4章】VBアンケート調査

Ⅰ - 179

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③ どこから紹介や助言を受けたか

「人材や取引先などの紹介」を社外のどこから受けたかについては、「VC 出資あり」では、

VC、民間企業、取引先からが 50%を超えている。これに対し、「VB 出資なし」では、取引先か

らが 39.8%で最多である。

図表 4- 37 どこから人材・取引先などの紹介を受けたか

社外のどのような組織(個人)から「資金調達や経営等に関する助言などの支援」を受けたか

についても問うたが、「VC 出資あり」では、VC の 91.9%を筆頭に、民間企業、会計士・税理士

からが 40%を超えた。これに対し、「VC 出資なし」では、「VC 出資あり」と比べて、総じて助

言を得ている割合が低い。

図表 4- 38 どこから資金調達・経営等の助言などの支援を受けたか

35.5

32.3

43.5

74.2

21.0

71.0

35.5

19.4

16.1

58.1

16.1

38.6

17.0

18.2

11.4

13.6

34.1

19.3

11.4

6.8

39.8

15.9

家族・親戚・知人

個人投資家(エンジェル)

銀行・信用金庫・信用組合等

ベンチャーキャピタル

公的機関

民間企業

会計士・税理士

弁護士・弁理士

経営コンサルタント

取引先

その他 VC出資あり(有効回答数:62)

VC出資なし(有効回答数:88)

単位:%

27.4

37.1

33.9

91.9

21.0

45.2

41.9

38.7

17.7

30.6

9.7

28.4

21.6

20.5

18.2

12.5

23.9

30.7

14.8

13.6

18.2

9.1

家族・親戚・知人

個人投資家(エンジェル)

銀行・信用金庫・信用組合等

ベンチャーキャピタル

公的機関

民間企業

会計士・税理士

弁護士・弁理士

経営コンサルタント

取引先

その他 VC出資あり 有効回答数(62)

VC出資なし 有効回答数(88)

単位:%

【第4章】VBアンケート調査

Ⅰ - 180

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(7)ベンチャー企業の創出・成長のための政府等の政策面に関する要望

本調査では VB に対して、政府等への政策面の要望を自由記述にて尋ねており、回答企業 153社中 70 社から回答があった。その結果を以下の 7 項目に分類し、項目ごとに内容をまとめた。

(複数回答可)

項目 回答社数 全回答社に 対する比率

助成金・補助金制度等 18 25.7%

起業環境の整備 18 25.7%

支援制度全般 18 25.7%

資金調達 6 8.6%

地方 6 8.6%

人材 5 7.1%

海外展開 3 4.3%

助成金・補助金制度等

「補助金、助成金の手続きのさらなる IT 化に期待」「補助金の使用報告などに手間がかかりす

ぎ。補助金への対応で人を増やすというケースも多く無駄が増える」「助成金の書類や規定が多

いため、申請する時間を割けない」等、手続きに関する声が目立った。また、「補助金、助成金

の支払いサイトを短くして欲しい」「補助金の申し込み締め切りなどの情報のアピールが少ない」

など現行制度運営面について希望する意見も多く寄せられた。

起業環境の整備

起業環境については、「起業家が失敗した際のセーフティネットが必要」「VB は信用力がない

ので、そこを保証するような何らかの施策があるとうれしい」「アイデアがあっても実際にモノ

がなければ評価できにくい環境の改善」等、起業リスクの緩和に関する意見が多く寄せられた。

なかでも「創業後 5 年以内でかつ年商 1 億円未満の VB の法人税は免除をするべき」「起業家個

人、創業後の税制優遇に期待」等、税制への要望が多くあがった。その他、「裁量型労働の対象

者拡大と労働者のレイオフ制度を推し進めてほしい」「人材の流動性を増やすような施策を行っ

てほしい」「VB における正社員の解雇の要件が厳しすぎる」等、雇用規制の緩和を求める声、「家

賃補助」「工場等の借用」「知財等の法務指導を受ける場が身近にあれば」等、起業準備支援に対

する具体的な声もみられた。「テック系に投資や制度が集中している。それ以外の VB が立ち上

げ初期に利用できる枠組みが少ないように感じる」との業種による不均衡を訴える声もあがった。

支援制度全般

「支援制度全般」については、「1 回だけの支援でなく、長期的・継続的な支援体制の構築」「や

りっぱなしにせず、評価~次の政策へ活かすことまで含めた政策立案」「資金が必要なときに支

援する国の支援」等、期間・タイミングに対する指摘があがった。また、「支援を受けるための

手続きを簡略化・短時間化して欲しい」との意見がここでもみられた。そのほか、「VB の活用

で大企業が優遇されれば、オープンイノベーションの加速につながるのでは」との大企業への働

きかけまで言及した意見も寄せられた。

【第4章】VBアンケート調査

Ⅰ - 181

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資金調達

「創業融資の枠・金利を優遇してほしい」「アーリーステージでの出資」等、初期段階での融

資を強く望む声や、「資金調達や減税について、国や地方自治体からの支援を受けたい」「公的な

投融資の拡充」等、公的支援も含む要望が寄せられた。「VB がすぐに欲しいのは現金」といっ

たストレートな意見もあった。

地方

「地方自治体では、ドローン特区などを作る手段・機会があるにも関わらず、全体的に動きが

鈍い」との指摘や「地方が元々持っている強みをデジタルトランスフォーメーション(IT 技術

を使った課題解決)させるのが良い」といった、地方での具体的な VB 支援策の提言も寄せられ

た。また、UI ターンしている地方の優秀な人材とのつながりを増やすためにも、地方の IT 環境

の整備を求める声もあった。

人材

人材については、「起業を志す 10 代、20 代の潜在的な数は増えているが、教員の理解が得ら

れない」「特に、小中学校の教育が壊滅的」等、早期での教育の必要性が指摘された。「技術に積

極的な人材を伸ばすための公的予算」「人材育成のサポート」を要望する声もあがった。また、

「起業経験のあるメンター、アドバイザーが少ない」との意見もみられた。「日本は技術的に先

進国ではあるものの、技術レベルでは既に普通レベルであることに焦りを感じて欲しい。技術者

の技術レベルの底上げや意識の改革がなければ、世界の製品と戦うのが難しくなってきている」

との人材不足・スキル不足への危機感を訴える声もあった。

海外展開

海外展開については、「経産省“飛躍(注)”やJETROなどによる海外展開支援があるが、採択

企業を絞って渡航費も含めた援助を」との要望や、「外国の意識の高い技術者を国内で確保でき

ても、文化の違いからコミュニケーションのギャップを埋めるのに時間を要す」といった苦労も

みられた。 (注)中堅・中小企業等イノベーション創出支援プログラム

その他

上記以外にも様々な記述があり、その中には「国の仕事を大企業優先でなく、VB に優先的に

発注する」「VB が単独で自治体の入札案件をとるのがほぼ不可能、そこを変えて欲しい」「VB

を奨励するのならば、国や地方自治体がそのサービスや製品を積極的に使うべき」等、国・自治

体の姿勢を問う意見が複数あがった。 また、「スピード重視の VB に対して、同等以上のスピードをもって対応して欲しい」「どのジ

ャンルもスピード感をもっと重視した方がよい」「国・地方自治体のほとんどはあまりに保守的」

「政府の思考が偏り過ぎていて、実行する機関もそれに傾倒しすぎている。ある時期にある業種

だけを優遇する政策はもはや成り立たない」「現場の実態にあった政策を行うべき」等、国・地

方自治体の体制への不満・柔軟な対応を望む声が多数あがった。

【第4章】VBアンケート調査

Ⅰ - 182

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貝沼 憲司(かいぬま けんじ)

東京都出身。東京工業大学大学院理工学研究科修了。

2006 年特許庁入庁。審査第一部でプリンター、光学要素、遊技機に関する特許審査に従事。

その間、経済産業省情報通信機器課・情報経済課、調整課を経て、2017 年より現職。

1. はじめに 今年 2018 年は明治 150 周年の記念すべき節目の年です。明治時代に生まれた発明として、豊

田佐吉による木製人力織機(特許第 1195 号)、御木本幸吉による養殖真珠(特許第 2670 号)、

高峰譲吉によるアドレナリン(特許第 4785 号)、池田菊苗によるグルタミン酸ソーダ(特許第

14805 号)をはじめとする多くの発明1が生まれており、今日の産業発展の礎になっています。 これらの発明家は、発明家であるとともに起業家でもありました。豊田佐吉は株式会社豊田

自動織機製作所(現、株式会社豊田自動織機)の創業者であり、今日のトヨタ自動車株式会社

を創業した豊田喜一郎の父でもあります。世界を見れば、発明王と言われるトーマス・エジソ

ンもエジソン電気照明会社、エジソン電灯会社等を設立、その後合併して、今日のゼネラル・

エレクトリック社になっています。 しかし、偉大な発明家だけの力で今日の産業の発展があったわけでは必ずしもなく、そこに

は発明家を支える投資家がいました。豊田佐吉の動力織機に注目したのが、三井物産合名会社

(現、「三井物産株式会社」)であり2、トーマス・エジソンには、鉄道王コーネリアス・バンダ

ービルトを中心とする投資家達がいました。 近年のように製品のライフサイクルが短くなり、技術分野も細分化される一方で、通信技術

の発達による IT やデータを活用した複数の分野に跨る新たな技術やサービスが生まれてきてい

る中で、どの技術やサービスが今後破壊的なイノベーションを創出するものなのか、投資家に

とっての目利きも課題になっています。 また、いくら革新的な技術やアイディアであったとしても、知財で保護されていなければ競

合他社に模倣されてしまい、瞬く間に競争力を失ってしまいます。

発明家が起業家として大成するためには、特許を含む知財制度を最大限に活用する知財戦略

と、投資家から適切に資金を調達する資本戦略との両輪をうまく機能させることが重要です。 ここでは、知財戦略について少し見てみましょう。 なお、本コラムでの意見は筆者の所属する部署のものではなく、筆者個人の意見であること

をあらかじめ申し述べておきたいと思います。

1 十大発明家 https://www.jpo.go.jp/seido/rekishi/judai.htm 2 豊田佐吉物語 https://www.toyota-shokki.co.jp/about_us/history/toyoda_sakichi/

スタートアップ×知財戦略 特許庁企画調査課

課長補佐 貝沼憲司

REPORT

【第4章】VBアンケート調査

Ⅰ - 183

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2. 知財戦略って何!? では、知財戦略とは具体的に何をすべきなのでしょうか。 かの PayPal 創業者の Peter Thiel は、「競争は負け犬の戦略、独占せよ」と言っています。 競争に巻き込まれると企業は競争に勝とうとすることのみに集中するあまり、価格競争など

のジリ貧に陥ってしまい、そこに「戦略」はなくなってしまいます。他社と異なる手法で競争

を避け、独自の価値を提供することが重要になりますが、近年のように情報通信技術が発達し

た世界では、斬新な技術やアイディアはすぐに模倣されてしまいます。そこで重要になってく

るのが知財戦略であり、知財の一つである特許は「独占排他権」と言われる非常に強い権利で

す。その名のとおり特許を持っていれば他者の利用を防ぐことができます。

ただし、特許制度は、発明を公開させる代償として一定期間の独占を認めているため、あり

とあらゆる発明を公開させることは、逆に自社の技術をさらけ出すことにもなりかねません。

(1) 権利化か秘匿化

そこで、どこまでの発明を公開して権利化するか、または、ノウハウや営業秘密として秘匿

にするかが一つの重要な知財戦略となります。 何を権利化し、何を秘匿にすべきかは、それぞれの事業分野に応じて異なってくることです

が、一般的に言われていることは、調べれば簡単にわかる技術は権利化し、調べても簡単には

わからない技術はノウハウとして秘匿にするというものです。例えば、UI や UX に直結すると

ころは一目見れば理解することができますし、まさにユーザーとの接点となり、ユーザーを囲

い込む上での重要な要素になってきますので、権利として押さえておくことの重要度が高い領

域と考えられます。

(2) 独占実施かライセンスか

次に特許として権利化した場合には、自社で独占して市場の寡占を狙うか、ほかの企業にラ

イセンスして市場の拡大を図るかに分けられます。 具体的には、すでに市場が成熟しているのであれば独占してほかの企業の参入を防止するこ

【第4章】VBアンケート調査

Ⅰ - 184

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とが有効でしょうし、まだ市場が未成熟であればほかの企業の参入を促すために積極的にライ

センスを行うことでコア技術を守りつつライセンス収入を得ながら市場の拡大を狙うことがで

きます。例えば、新素材や材料に関する特許については積極的にライセンスを行い、自社の新

素材や材料を使わないといけない環境を作り上げることで、プラットフォームを形成すること

も可能となります。

ライセンスもコア技術を独占した上での実施許諾を与えることですので、先述の Peter Thielの独占に含まれる知財戦略です。特にスタートアップが狙う市場は、始めはニッチな市場が多

いと思いますので、コア技術を特許で押さえつつ、ライセンスで市場の拡大を狙うことも重要

な知財戦略といえます。 知財戦略は、IT、ものづくり、医薬、バイオ、素材といった分野ごとに異なり、かつ、それ

ぞれのビジネスやスタートアップのステージや出口戦略に応じて設計されるものであり、一概

にこれが正解といえるものではありません。ただし、一つの知財戦略が多くの選択肢を広げ、

選択肢の多さはビジネスの柔軟性を高め、多角的な観点からビジネスの全体を俯瞰することが

できるようになります。 ほかのスタートアップに一足先駆けて知財戦略を備えることで、投資家に対するアピールや

提携先の大企業との対等な交渉力を身につけましょう。

【第4章】VBアンケート調査

Ⅰ - 185

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3. Chief Intellectual Property Officer(CIPO)導入のすすめ ここまでで、知財戦略の重要性の認識が高まってくれればと思いますが、多くのスタートア

ップは具体的に何をすればよいのかわからないのが現状だと思います。今日のユニコーンと呼

ばれる 10 億ドル以上の企業価値を有するスタートアップにおいては、その創業期に法務・知財

担当の役員を置くケースが増えてきています。

そこで、まずは社内に知財の責任者である CIPO を置くことから始めてみてはいかがでしょ

うか。人材が不足しているのであれば、とりあえず CEO や CTO が兼任する形とし、具体的な

実務については、外部の専門家や社内で知財への関心が高い人に任せるやり方もあります。

CIPO だからといって知財の知識が高い必要はありません。担当の責任者を明確にすることで自

然と知財への意識が高まっていくのです。

4. おわりに 知財戦略は一朝一夕で身に付くものではなく、多くの試行錯誤を繰り返す中で醸成されてい

くものです。それは、まさにスタートアップが成長していく過程で共に積み上げられていくも

のなのかもしれません。上り坂の途中は辛く厳しいものだとしても、きっと頂上に到達したと

きにはじめてその山の高さに気が付くのでしょう。 最後にトーマス・エジソンの残した失敗に関する名言で締めたいと思います。 「私は決して失望などしない。なぜなら、どんな失敗も、新たな一歩となるからだ。」

【第4章】VBアンケート調査

Ⅰ - 186

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付 録

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政府・関連団体のベンチャー支援一覧(2018年 9月 30日現在)

運営元 実施内容

内閣府 内閣官房 日本経済再生総合事務局

1. 政府系機関及び官民ファンド等の連携等 2. グローバルに活躍するベンチャー企業の創出・育成 3. ベンチャー企業による施策の申請コスト削減

経済産業省 関連

経済産業政策局 新規事業創造推進室

1. J-Startup 2. シリコンバレーと日本の架け橋プロジェクト 3. 企業のベンチャー投資促進税制

産業技術環境局 技術振興・大学連携推進課

1. 予算事業 2. 事業会社と研究開発型ベンチャー企業の連携促進

中小企業庁 長官官房 総務課

1. エンジェル税制 2. 官公需法の一部改正

特許庁 総務部 企画調査課

1. 知財アクセラレーションプログラム 2. 情報発信 3. 面接活用早期審査・スーパー早期審査 4. 料金の軽減 5. 日本発知財活用ビジネス化支援事業

独立行政法人 中小企業基盤整備機構(中小機構) ファンド事業部 ファンド事業企画課

1. ベンチャーへの成長資金供給 2. インキュベーション施設の提供 3. Japan Venture Awardsの開催 4. 創業・新事業支援施設「BusiNest」の運営 5. 新ビジネス創発拠点「TIP*S」の運営

独立行政法人 日本貿易振興機構(JETRO) 知的財産・イノベーション部 イノベーション促進課

1. 日本発知財活用ビジネス化支援事業 「ジェトロ・イノベーション・プログラム(JIP)」 2. ジェトロ・欧州イノベーション・ミートアップ事業 3. ジェトロ・グローバル・アクセラレーションハブ

国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合 開発機構(NEDO) イノベーション推進本部 総括グループ

1. Technology Commercialization Program(TCP) 2. NEDO Entrepreneurs Program(NEP) 3. シード期の研究開発型ベンチャーに対する事業化支援 4. 企業間連携スタートアップに対する事業化支援 5. 高度専門産業支援人材育成プログラム(SSA) 6. オープンイノベーション・ベンチャー創造協議会 7. 宇宙ビジネス投資マッチング・プラットフォーム 8. J-Startup支援事業

国立研究開発法人 産業技術総合研究所(AIST) イノベーション推進本部 ベンチャー開発・技術移転センター 事業企画グループ

1. スタートアップ開発戦略タスクフォース 2. カーブアウト事業 3. ベンチャー技術移転促進措置 4. 産総研の設備・特許等の現物出資

独立行政法人 情報処理推進機構(IPA) IT人材育成センター イノベーション人材部 未踏グループ

1. 未踏アドバンスト事業 2. 未踏会議

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

Ⅰ - 188

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運営元 実施内容

内閣府

地方創生推進事務局 1. 国家戦略特区による規制改革 2. 国家戦略特区における主な起業・開業関連の取組

科学技術・イノベーション担当

1. 統合イノベーション戦略 2. 公共調達における研究開発型中小・ベンチャー企業の活用促進 3. サイエンス&イノベーション・インテグレーション(S&II)協議会

総務省 関連

国際戦略局 技術政策課 総務省 SCOPE事務局

1.「異能 vation」プログラム 2. ICTイノベーション創出チャレンジプログラム(I-Challenge!)

国立研究開発法人 情報通信研究機構(NICT) デプロイメント推進部門 アントレプレナー支援室

1. 起業家甲子園 2. 起業家万博

文部科学省 関連

科学技術・学術政策局 産業連携・地域支援課

次世代アントレプレナー育成事業 (EDGE-NEXT)

高等教育局 国立大学法人支援課 評価調査係

官民イノベーションプログラム

国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST) 起業支援室

1. 大学発新産業創出プログラム(START) 2. 出資型新事業創出支援プログラム(SUCCESS) 3. 産学共同実用化開発事業(NexTEP) 未来創造ベンチャータイプ 4. 大学発ベンチャー表彰~Award for Academic Startups~

厚生労働省 政策統括官付 労働政策担当参事官室

1. 生涯現役起業支援助成金 2. 医療系ベンチャー支援

農林水産省 食料産業局 産業連携課 6次産業化・新産業創出促進事業(事業化可能性調査)

政府系 金融機関

株式会社日本政策金融公庫 国民生活事業本部 創業支援部 ベンチャー支援グループ

1. 資本性ローン 2. 新株予約権付融資制度 3. 高校生ビジネスプラン・グランプリ

株式会社日本政策投資銀行 (DBJ) 企業金融第 6部 女性起業サポートセンター

1. DBJ女性新ビジネスプランコンペティション 2. DBJ-WEC&WWN共同開催セミナー 3. DBJ-WEC&日本弁護士連合会共同開催セミナー 4. 地方公共団体・地域金融機関等と連携した活動

官民ファンド

株式会社産業革新投資機構(JIC) 企画調整グループ企画調整室

2018年 9月、産業競争力強化法改正法の施行に伴い、株式会社産業革新機構を改組して発足。投資に適したガバナンス構造と迅速で柔軟な投資判断により、長期・大規模な成長投資を中心としたリスクマネー供給を実施。

株式会社地域経済活性化支援機構 (REVIC) 企画調整室

地域経済の活性化に資するベンチャー等への成長資金供給 および経営支援

株式会社海外需要開拓支援機構 (クールジャパン機構)

海外需要開拓に関するベンチャー等への成長資金供給

(出所:VEC作成)

主に 2017 年度~2018 年度に実施された、ベンチャー支援を中心的な狙いとする項目を掲載し

た(先駆的な支援策については、従来から継続して実施されている項目についても掲載)。

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

Ⅰ - 189

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内閣府 内閣官房

政府による日本の成長戦略において、イノベーションの担い手であるベンチャー企業は

「Society 5.0」の社会実装の上で重要な存在であることが示唆されている。

2016 年に公表された「ベンチャー・チャレンジ 2020」(2016 年 4 月日本経済再生本部決定)

は、「我が国の経済成長の起爆剤」となり「世界共通の社会課題の解決に貢献する」ベンチャー

企業が、自発的・連続的に創出される社会を目指すべき絵姿として設定し、その実現のための政

策の方向性、民間等のエコシステムの構成主体との連携の在り方を取りまとめている。また、2017年に策定された「未来投資戦略 2017 ―Society 5.0 の実現に向けた改革―」(2017 年 6 月閣議決

定)においては、大学、国立研究開発法人、企業や投資家などの産業界を巻き込んで社会が一体

となり、イノベーションの果実を次に投資することで好循環を生み出し、イノベーション・ベン

チャーのエコシステムを構築することとされた。その一環として、政府においても、その技術ニ

ーズに照らして政府調達における研究開発型中小・ベンチャー企業の活用を促進する試行的取組

を開始するなどとされた。 これを受けて立ち上がった「内閣府オープンイノベーションチャレンジ 2017」では、国の機

関が有する具体的ニーズをもとにテーマを設定し、当該テーマの解決を目指した提案を研究開発

型中小・ベンチャー企業から募集して認定し、アドバイザーからの助言や、事業会社等とのマッ

チング機会の付与等を行った。

このような取り組みの一方で、我が国発のユニコーン・ベンチャーは依然として少なく、また、

各国・各地域間でのベンチャー・エコシステム競争はますます激化しているといった状況もある。 このままでは日本は世界の成長に取り残されるのではないか、今こそグローバルに成長するベ

ンチャー企業を生み出すために英知を結集すべきではないかという危機感のもと、世界で勝つこ

とのできる有望なベンチャー企業及びそれらの候補を創出する若者に対して政策リソースを重

点化することにより、我が国経済をけん引するような企業を創出することが求められている。

こうした中、本年策定された「未来投資戦略 2018 ―「Society 5.0」「データ駆動型社会」へ

の変革―」(2018 年 6 月閣議決定)においては、新たに「企業価値又は時価総額が 10 億ドル以

上となる、未上場ベンチャー企業(ユニコーン)又は上場ベンチャー企業1を 2023 年までに 20社創出」とのKPIを設定し、以下のような施策を推進することとされている。

1. 政府系機関及び官民ファンド等の連携等 政府系機関及び官民ファンド等の連携強化や官民ファンドの統合等による収益構造の改善等

を図るとともに、実現困難な構想等への挑戦に係る支援の仕組み等について検討を開始する。

1 2018年度初時点で、創業していない又は創業 10年未満の企業を対象とする

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

Ⅰ - 190

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2. グローバルに活躍するベンチャー企業の創出・育成 世界で活躍するベンチャー企業を創出するため、政府と JETRO、NEDO 等が連携し、認定ス

タートアップに対する海外進出支援等の官民による集中プログラム(J-Startup)を開始する。 J-Startup プログラムでは、有識者が推薦したスタートアップ企業を外部

審査委員会のチェックを経て「J-Startup 企業」として選定し、大企業や

ベンチャーキャピタル、アクセラレーターなどの「J-Startup Supporters」とともに、海外展開も含め官民一丸となって集中的にサポートしていく。

具体的には、企業間のネットワーキングや各種補助金等の支援施策にお

ける優遇措置といった集中支援を開始しており、「未来投資戦略 2018」

においても、年度内を目途に参画省庁を拡充する旨が示されている。

3. ベンチャー企業による施策の申請コスト削減 ベンチャー企業による施策申請コストを削減する「ベンチャー支援プラットフォーム」につい

て、各省にまたがるベンチャー関連施策の一元的な窓口にするべく、関係省庁と連携し、年度内

を目途に対象とする施策を拡充する。

この他にも、昨年度に引き続き公共調達におけるベンチャー企業の活用促進について触れられ

ているのに加え、日本政策投資銀行の投資業務を通じたリスクマネー供給強化や都市部から地域

への資金循環を促す取り組みの強化、大学発ベンチャー等への資金調達の円滑化の促進、創薬・

バイオ等の研究開発型ベンチャーの育成、特許の早期審査やベンチャー専門の知財戦略構築支援

といったベンチャー向け知財施策の充実等を推進すべきとされている。

こうした施策を契機に、我が国の強みを活かし、官民が一丸となってあらゆる政策を総動員する

こと等を通じて、我が国のベンチャー・エコシステムの構築を加速し、グローバルなベンチャー

企業を生み出していくことが期待される。

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

Ⅰ - 191

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経済産業政策局 新規事業創造推進室(旧:新規産業室) 経済産業省 経済産業政策局 新規事業創造推進室(旧:新規産業室)では、ベンチャー支援

のために、「日本再興戦略」で示された成果目標の達成に向けたベンチャー政策の企画・立案・

実施、起業応援の税制の整備、などの取り組みを実施している。

1. J-Startup 「日本のスタートアップに次の成長を。世界に次の革新を。」 政府では、「企業価値又は時価総額が 10 億ドル以上となる、未上場ベンチャー企業(ユニコー

ン)又は上場ベンチャー企業を 2023 年までに 20 社創出」という目標を新たに掲げた。J-Startupプログラムでは、グローバルで成長するスタートアップの創出を通じて政府の目標達成を目指す

とともに、ロールモデルの創出により、自ら企業を立ち上げてチャレンジをするという起業家マ

インドを社会全体で醸成し、日本のスタートアップエコシステムのさらなる強化を図ることを目

的とする。

(1) ロールモデルの創出

トップベンチャーキャピタリスト、アクセラレーター、大企業のイノベーション担当などが、

ミッション・独創性・成長性等の観点からディープテック型、プラットフォーム型、SDGs1型の

スタートアップ企業を推薦。外部審査委員会が推薦内容を尊重しつつ審査。厳正なプロセスによ

り「J-Startup企業」を選定。J-Startup企業へは、政府関係機関や「J-Startup Supporters(大企業、

ベンチャーキャピタル、アクセラレーター等)」による、官民での集中支援を行う。

<政府による集中支援の例> ・J-Startup ロゴの使用(選定企業としてのブランディング)

・特設ホームページ、国内外メディアによる PR ・大臣等政府の海外ミッションへの参加 ・海外・国内大規模イベントへの出展支援 ・各種補助金等の支援施策における優遇、手続きの簡素化

・ビジネスマッチング(大企業幹部、省庁等への個別のつなぎ) ・規制のサンドボックスの積極活用 ・その他規制等に関する要望への対応

<J-Startup Supporters による集中支援の例> ・事業スペースの提供・料金優遇 (オフィス・工場空きスペース・研修施設・ショールーム等) ・ロボット、製品・部品、インフラ網等を使った実証実験への協力 ・検証環境や解析機器の提供

1 SDGs(持続可能な開発目標)とは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年 9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための 2030アジェンダ」にて記載された 2016年から 2030年までの国際目標

経済産業省

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

Ⅰ - 192

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・アクセラレーションプログラム、モノづくり支援プログラムの優遇 ・専門家・ノウハウを持つ人材によるアドバイス ・自社顧客・関係会社等の紹介

(2) 海外展開支援

国内外で開催される展示会等への出展支援を実施し、国内外における J-Startup 企業のプレゼ

ンス向上を目指す。また、先進地域に設置された JETRO グローバルアクセラレーション・ハブ

による現地情報の提供やメンタリング、現地コミュニティの形成支援等による J-Startup 企業の

海外展開サポートを実施する。

(3) インバウンド支援

JETRO グローバルアクセラレーション・ハブにて日本への進出をサポートし、日本側での市

場調査やビジネスプラン作成の支援等で連携を実施する。また、国の認定を受けた自治体におい

て、海外の起業家の在留資格要件を緩和し、起業のための在留資格を現状より 6 ヶ月前倒しで獲

得可能となる「スタートアップ・プログラム(仮称)」を設け、海外起業家の日本への呼び込み

を強化し、グローバルなスタートアップエコシステムの構築を推進する。

2. シリコンバレーと日本の架け橋プロジェクト(2018年度当初予算事業) シリコンバレーと日本の起業家・企業をつなぐことで、グローバルに通用するイノベーション

を持続的に創造する仕組みを形成し、成長企業の創出と地方創生に貢献する。

始動 Next Innovator(グローバル起業家等育成プログラム)の概要 項目 内容

事業目的 ・グローバル市場への進出や社会課題の解決といった目線の高い新事業を創出する起業家や、大企業等で新事業開拓を担う社内起業家に対し、イノベーションを起こすために有効なメソッドとマインドセットを体得させ、次世代のイノベーションを担うコア人材を育成する。

事業概要 ・審査を通過した 126名に全 7回の国内プログラムを受講してもらい、特に優秀な 20名をシリコンバレーに派遣する。

・国内プログラムでは、経験が豊富な実務家が講師・メンターとして参加。事業や組織の改革を通じて、イノベーションを起こすのに必要なスキル・ノウハウを体得。

・シリコンバレープログラムでは、自らが立案・策定した事業計画を、シリコンバレーのメンターや起業家にプレゼン。対話を通じて、国内で得たスキルをリアルな場で実践し、イノベーターとしてのマインドセットを体得。

参加者 公募期間

2018年 5月 1日~2018年6月 12日

担当部署 経済産業省 経済産業政策局 新規事業創造推進室

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

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飛躍 Next Enterprise(中堅・中小企業等イノベーション創出支援プログラム)の概要 項目 内容

事業目的 ・高い技術力を持つ中堅・中小・ベンチャー企業等をイノベーション先端地域である米国シリコンバレー等に派遣し、現地のベンチャー関係者等からのアドバイスや、意見交換などによって、派遣された企業経営者等が自身の事業をグローバルの視点から磨くとともに、グローバル展開の知見とネットワークを獲得し、新しい事業展開を推進する機会の創出を図る。

事業概要 ・グローバル展開を視野に入れ、米国シリコンバレー等のネットワークにより事業をスケールさせる大きなビジョンを有する企業等選定。

・派遣企業の事業展開の推進に寄与すると考えられる知見、ノウハウ等について、シリコンバレー等への派遣前後において効果的な研修プログラム等を実施。

・選定した中堅・中小・ベンチャー企業等を、1週間から2週間程度、米国シリコンバレー等に派遣。米国シリコンバレー等のベンチャー支援機関等からのアドバイスや、意見交換等を実施するとともに、現地企業とのネットワーキングや商談の機会を提供。

参加者 公募期間

2018年9月 28日~2018年 11月 4日

担当部署 経済産業省 経済産業政策局 新規事業創造推進室

3. 企業のベンチャー投資促進税制 ハンズオン支援能力のある認定 VC ファンドを通じてベンチャー企業に資金供給を行う企業

に税制上の優遇を行う。ベンチャー投資資金の一定割合を損失準備金として損金計上を認める。 所得税法等の一部を改正する等の法律の施行に伴い、平成 29 年 4 月 1 日より認定に係るファ

ンド規模要件を引下げ、地方投資の促進を図ることとした。 経済産業省はこれまでにベンチャーファンドの産業競争力強化法に基づく「特定新事業開拓投

資事業計画」を 10 件認定した(詳細は経済産業省ホームページ参照)。

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

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産業技術環境局 技術振興・大学連携推進課 経済産業省 産業技術環境局 技術振興・大学連携推進課では、イノベーションの創出を目的と

して、研究開発型スタートアップ支援を行っている。

主な取り組みは、予算事業として NEDO を通じた研究開発型ベンチャー企業への助成および

事業会社との連携促進を目的とした「連携のための手引き」の作成である。なお、予算事業は、

日本政府が推進するスタートアップ支援プログラム「J-Startup」の一環として、スタートアップ

の育成、支援を実施している。

1. 予算事業…制度の詳細は、NEDO(Ⅰ-205~Ⅰ-206ページ)参照。 2017 年度は、認定 VC との協調支援を行う STS(Seed-stage Technology-based Startups)事業を

実施し、シード期にある研究開発型スタートアップ 22 事業者を選定、支援した。 2018 年度は、STS に加え、スタートアップのステージに合わせた支援策として NEP(NEDO

Entrepreneurs Program:起業前の人材に対する事業費補助や事業化支援人材のマッチング、2018年度は 20 名程度の起業家候補人材への支援を予定)、SCA(Startups in Corporate Alliance:研究

開発型スタートアップが事業会社と共同研究を行う際の事業費補助)を実施する。

2018年度研究開発型スタートアップ支援事業における支援スキーム図

2. 事業会社と研究開発型ベンチャー企業の連携促進 2016 年度に事業会社と研究開発型ベンチャー企業の連携の実態や課題、先行事例等を分析し、

事業会社・ベンチャー双方に役立つ参考書として「事業会社と研究開発型ベンチャー企業の連携

のための手引き(初版)」としてまとめた(2017 年 5 月公表)。 本手引き(初版)では、事業会社と研究開発型ベンチャーの WIN-WIN の協力関係構築を阻む

課題(壁)を整理し、事業会社、ベンチャーそれぞれが抱える壁を確認できる「自己診断シート」

を作成した。自己診断結果から、今後進むべき方向を考える参考資料として、先行企業の取り組

み事例を参照する形式で連携までの道筋をまとめている。

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

Ⅰ - 195

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さらに、2017 年度は、事業会社側の課題に着目し、企業ヒアリング、国内外の事例調査等の

結果をもとに、「事業会社と研究開発型ベンチャー企業の連携のための手引き(第二版)」を取り

まとめた(2018 年 6 月公表)。 連携の手引き(第二版)では、連携現場での壁だけでなく、事業会社内で想定される壁につい

ても取り上げ、その対応策を広く一般化する形でまとめている。

連携の手引き(第二版)におけるベンチャー連携を阻む壁と対応策の一例

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

Ⅰ - 196

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中小企業庁

1. エンジェル税制 一定の要件を満たすベンチャー企業に対してエンジェル投資をする投資家を税制優遇。 優遇 A:株式投資額の所得控除による減税 (設立 3 年未満の企業)

優遇 B:株式投資額の株式譲渡益からの控除による減税 (設立 10 年未満の企業) 株式の売却損が出た場合、他の株式譲渡益と通算(3 年繰り越し可能) ※一定の要件を満たす会社の新規発行株式を取得した場合が対象

優遇 A は控除上限(所得金額の 40%または 1000 万円)あり。優遇 B は上限なし。 中小企業庁ではエンジェル税制に関するホームページの改定や、「エンジェル税制要件判定シ

ート」を作成するなど、利便性向上を図っており、エンジェル税制の利用社数、利用投資家数は

増加傾向にある。

また、第五次地方分権一括法の施行に伴い、平成 28 年 4 月 1 日よりエンジェル税制の申請・

相談窓口が都道府県に変更された。窓口が都道府県庁となることで、申請者・相談者の利便性の

向上が期待されるとともに、都道府県が実施する創業・ベンチャー支援策、中小企業施策と併せ

て実施することにより、地域の実情に即した支援策の提供が期待される。

2. 官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律(官公需法) 中小企業庁では、平成 27 年通常国会において「官公需についての中小企業者の受注の確保に

関する法律(官公需法)」を改正し、新たに創業 10 年未満の中小企業者を新規中小企業者と定義

し、受注機会拡大のため各種施策を実施している。

官公需法における「新規中小企業者」に関する内容

項目 内容

法律の趣旨 経済の好循環を全国に波及させるため、創業間もない中小企業の官公需の受注促進を図る

主な概要

創業から 10年に満たない中小企業者(新規中小企業者)の受注機会の拡大を図るため、 新規中小企業者への配慮を法定 新規中小企業者向け契約目標の設定や受注機会増大のための措置等を盛り込んだ「国等の契約の基本方針」を策定

各省各庁の長等がそれぞれの実態に応じて、新規中小企業者等との契約に関する「契約の方針」を策定

各省各庁の長等に対して新規中小企業者との契約実績の経済産業大臣への通知を義務付け、経済産業大臣はその内容を公表

新規中小企業者向け契約目標・実績

<目標> 官公需総額に占める割合を、平成 26年度(推計 1%)と比べ、3年間で倍増とするよう努める。

<実績> 平成 29年度実績 契約金 997億円、契約比率 1.33% 担当部署 中小企業庁 事業環境部 取引課

(出所:中小企業庁)

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

Ⅰ - 197

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特許庁

特許庁では、ベンチャー企業の知的財産活動を促進するため、知的財産権の取得から、知財戦

略構築などの知財活用まで、各種支援を実施している。

詳細は、特許庁の「スタートアップ向け情報ページ」を参照。 http://www.jpo.go.jp/sesaku/kigyo_chizai/startup.htm

1. 知財アクセラレーションプログラム

(IPAS: IP Acceleration program for Startups) 目的 創業期ベンチャー企業の知財戦略構築支援

事業趣旨 ベンチャー企業が独創的な技術やアイデアを武器に事業を拡大していくためには、自社のビジネスモデルに合わせて、コアとなる技術やアイデアを知的財産として保護する等の「知財戦略」の構築が不可欠。 本プログラムでは、知財戦略構築の必要性を感じているが具体的な実行に移せていない、何から始めればよいかわからない、というベンチャー企業を対象に、知財やビジネスなどの複数分野の専門家を含む知財メンタリングチームが一定期間メンタリングし、ベンチャー企業のビジネスに対応した適切な知財戦略による事業の加速を目指す。

ベンチャー企業公募期間 2018年 7月 2日~2018年 7月 23日 2018年度採択企業数 10社 担当部署 特許庁 総務部 企画調査課 ベンチャー支援班

IPAS の専用 HP(https://www.ipas.go.jp/)

2. 情報発信 特許庁では、ベンチャー企業の知財意識向上のための普及啓発活動に力を入れている。

2018 年 4 月に、以下の知財コンテンツを取りまとめ、公開した。ベンチャー企業や、その支

援者向けに、当該知財コンテンツを用いた知財セミナーやイベントを積極的に開催している。 知財コンテンツは、特許庁の「スタートアップ向け情報ページ」に掲載。 http://www.jpo.go.jp/sesaku/kigyo_chizai/startup.htm

(1) 国内外ベンチャー企業の知的財産戦略事例集“IP Strategies for Startups”

国内 10 社、海外 8 社(イスラエル、ドイツ、シンガポール、中国)のベンチャー企業の事業

方針と知財戦略、外部専門家との連携体制、知財の活用事例などを紹介。

(2) オープンイノベーションのための知財ベストプラクティス集“IP Open Innovation”

大企業・中堅企業がベンチャー企業とオープンイノベーションを進める上で生じる課題とその

対応策について、協業の目的に応じた類型化と各プロセスの進め方、知財部門の役割や協業で生

まれた知財の取り扱いなどを紹介。

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

Ⅰ - 198

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(3) 知的財産デュー・デリジェンスの標準手順書“SKIPDD”

ベンチャー企業への出資や事業提携、M&A を検討する際に行われる、知財の観点からの対象

会社のリスク評価及び価値評価(知的財産デュー・デリジェンス)について、基本的なプロセス

やポイントを紹介。

3. ベンチャー企業対応 面接活用早期審査・スーパー早期審査 事業のスピードが早いベンチャー企業が戦略的かつ早期に特許権を取得して活用できるよう、

ベンチャー企業の特許出願に対応した早期審査の運用を 2018 年 7 月 9 日より開始した。面接活

用早期審査、スーパー早期審査のいずれも、ベンチャー企業の場合、その発明を既に実施(2 年

以内に実施予定の場合を含む)していれば申請可能。

(1) ベンチャー企業対応 面接活用早期審査

一次審査結果の通知前に担当審査官と面接を行い、事前に審査に関わる意思疎通をした上で、

早期審査のスピードで審査を実施し、質の高い特許権を早期に取得できるよう支援する。

(2) ベンチャー企業対応 スーパー早期審査

何よりも早く特許権を取得したいというニーズに応える。 原則 1 ヵ月以内に一次審査が可能。面接活用早期審査・スーパー早期審査についての詳細は以

下のページ参照。 http://www.jpo.go.jp/torikumi/t_torikumi/patent-venture-shien.html

4. 料金の軽減 一定の要件を満たすベンチャー企業については、特許料等の料金が軽減される。 例えば、設立後 10 年未満で資本金 3 億円以下の法人であれば、審査請求料、及び特許料(1

~10 年分)が 1/3 に軽減される。 軽減申請についての詳細については、減免制度のページ参照。 http://www.jpo.go.jp/tetuzuki/ryoukin/genmensochi.htm

5. 日本発知財活用ビジネス化支援事業「ジェトロ・イノベーション・プログラム(JIP)」 ベンチャー企業等の海外展開を支援するプログラムであり、特許庁補助事業として JETRO が

実施。詳細は、JETRO のページ(Ⅰ-202~Ⅰ-203 ページ)を参照。

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

Ⅰ - 199

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独立行政法人 中小企業基盤整備機構(中小機構)

独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)では、2010 年 7 月にファンド出資事業の見

直しを行い、「起業支援ファンド」「中小企業成長支援ファンド」「中小企業再生ファンド」の 3

事業に再編している。 このうちベンチャー企業への投資に関するものは、「起業支援ファンド」と「成長支援ファン

ド」であり、個々のファンド総額の 50%、かつ 60 億円を上限に LP 出資している。 リーマンショック以降のベンチャー企業へのリスクマネーが低調な中において、中小機構は継

続的にファンドに LP 出資することで、民間資金の呼び水機能としての役割を果たしている。

中小機構の起業・成長支援ファンド

1.ファンド組成:中小機構はLPとしてファンド総額の 1/2以内を出資

2.主な投資対象:主に創業または成長初期の段階にある中小企業者、および新たな成長・発展を目指す中小企業者

中小機構ファンド出資額と中小機構出資割合の推移

(注 1)中小企業再生ファンド及び産業復興機構を除く (注2)中小機構出資契約時の金額

(出所:中小機構)

(出所:中小機構)

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

Ⅰ - 200

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新興市場におけるIPO社数

中小機構出資ファンド一覧(2017年度~)

(注)中小企業再生ファンドを除く 中小機構は、ファンド出資以外に、インキュベーション施設の提供、ベンチャー企業の表彰、

創業・新事業支援施設「BusiNest」及び、新ビジネス創発拠点「TIP*S」の運営などの広範なベ

ンチャー支援事業も行っている。

中小機構のベンチャー支援活動

機構加入年度

ファンド名 ファンド種類 機構加入月機構出資約束額

(億円)ファンド運営者

K&Pパートナーズ2号投資事業有限責任組合 成長支援 2017年4月 3.9 K&Pパートナーズ㈱

KVPシード・イノベーション1号投資事業有限責任組合 起業支援 2017年5月 5 KLab Venture Partners㈱

ANRI3号ファンド投資事業有限責任組合 起業支援 2017年7月 20 ANRI有限責任事業組合

D4V1号投資事業有限責任組合 起業支援 2017年8月 10 D4V有限責任事業組合

アイエスジーエス1号 起業支援 2017年8月 10 ㈱iSGSインベストメントワークス

B Dash Fund3号投資事業有限責任組合 起業支援 2017年9月 30B Dash Ventures㈱/渡邊洋行/西田隆一/寺田真二

Genesia Ventures Fund1号投資事業有限責任組合 起業支援 2017年12月 10 GV Partners有限責任事業組合

千葉道場ドローン部1号投資事業有限責任組合 起業支援 2018年1月 5 鎌倉インベストメント㈱/千葉功太郎

インキュベイトファンドLP投資事業有限責任組合 起業支援 2018年2月 20 Incubate Fund LP有限責任事業組合

インキュベイトファンド4号投資事業有限責任組合 起業支援 2018年3月 20 Incubate Fund 4 有限責任事業組合

アクシル・ライフサイエンス&ヘルスケアファンド1号投資事業有限責任組合 成長支援 2017年7月 15アクシル・キャピタル・パートナーズ有限責任事業組合

アジアゲートウェイ2号投資事業有限責任組合 成長支援 2017年9月 15 三井住友トラスト・インベストメント㈱

J-GIA1号投資事業有限責任組合 成長支援 2017年10月 30J-GIA No.1(CAYMAN)Limited Partnership(日本成長投資アライアンス㈱)

SXC投資事業有限責任組合 成長支援 2017年12月 10 ㈱SXキャピタル

UTEC4号投資事業有限責任組合 起業支援 2018年4月 30㈱東京大学エッジキャピタル/UTEC Partners有限責任事業組合

ヘルスケア・ニューフロンティア投資事業有限責任組合 起業支援 2018年5月 4 ㈱キャピタルメディカ・ベンチャーズ

ニューホライズン3号投資事業有限責任組合 成長支援 2018年5月 60 ニューホライズンキャピタル㈱

WMグロース4号投資事業有限責任組合 成長支援 2018年6月 25 WMグロース4有限責任組合事業組合

2017年度(2017/4-2018/3)

2018年度(2018/4-2018/6)

項目 内容

インキュベーション施設

・新しいビジネスの成長・事業化促進施設であるインキュベーション施設の運営全国30施設を運営し、起業家に事業スペースと各種支援を提供(http://www.smrj.go.jp/incubation/index.html)

表彰制度・Japan Venture Awards の開催 ベンチャー企業の経営者を称える表彰制度(年1回、2018年で18回目) (http://j-venture.smrj.go.jp/outline/index.html)

創業・新事業支援施設

「BusiNest」

・創業・新事業支援施設「BusiNest」の運営 中小企業大学校東京校内においてオフィススペースや各種セミナー等を提供 (http://businest.smrj.go.jp/)

新ビジネス創発拠点「TIP*S」

・新たなビジネス創発支援の場となる交流・活動拠点「TIP*S」の運営 様々なイベントやワークショップ、セミナーを通じて学びの場を提供 (http://tips.smrj.go.jp/)

(出所:中小機構)

(出所:中小機構)

(出所:中小機構)

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

Ⅰ - 201

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独立行政法人 日本貿易振興機構(JETRO)

1. 日本発知財活用ビジネス化支援事業「ジェトロ・イノベーション・プログラム(JIP)」 シリコンバレー・深センなど、世界のイノベーション・エコシステムの中で知的財産を活用し

た海外展開にチャレンジする中堅・中小・ベンチャー企業を支援する、「ジェトロ・イノベーシ

ョン・プログラム(JIP)」を実施。 項目 内容

対象業種・企業 産業財産権(特許、実用新案、意匠)を保有もしくは出願し、イノベーティブな技術・製品・ビジネスモデルを有する、中堅・中小・ベンチャー企業(選考有り)

内容

シリコンバレー、深セン、ベルリン、ASEAN(インドネシア、マレーシア、タイ)でのビジネス展開を目指す企業に対して、事前研修「Boot Camp」、メンタリング、展示会出展、ピッチ登壇等の機会を提供し、一貫してサポートを行うプログラム。 https://www.jetro.go.jp/services/innovation/ ●ビジネスモデル構築研修「Boot Camp」 ビジネスモデル構築・マーケティングに関するレクチャー、ピッチトレーニング、メンタリングなどのプログラムからなる双方向の集中研修。プログラム実施地域のアクセラレーターを講師として招き、各プログラム 2~4日間で実施。

●メンタリング 現地アクセラレーターと提携して各参加企業にメンターをアサイン。ビジネスモデル構築やピッチトレーニング、パートナー候補の発掘等を実施。

●展示会/ピッチ ①シリコンバレー 「Disrupt SF」 【2018年 9月 5日~7日】 スタートアップ登竜門として、全世界から注目を集めるサンフランシスコのイベントに出展。 「TechMatch」(JETRO主催) 【2018年 9月 10日~11日】 現地アクセラレーターと提携して独自のピッチイベントを開催。現地有力企業、CVC、VC、投資家等を招待。

②ベルリン 「Startup Night」 【2018年 9月 7日】 欧州エコシステムランキング 2位のベルリンにて、ドイツ国内大手企業から関心を寄せられるイベントに出展。

③ASEAN タイ「CEBIT ASEAN Thailand」 【2018年 10月 18日~20日】 著名な IoT・デジタル技術等展示会「CEBIT」初の ASEAN地域版に出展。 インドネシア・マレーシア「Startup Challenge 2018」 【2018年 8月 28日(インドネシア)、10月 11日(マレーシア)】 ASEAN地域の大企業、CVC、VC等を前にしたピッチイベントに登壇。

(次ページへ続く)

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

Ⅰ - 202

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項目 内容 (前ページより続き)

④深セン ピッチイベント(JETRO主催) 【2018年 9月上旬】 現地アクセラレーターと提携して独自のピッチイベントを開催。現地有力企業、CVC、VC、投資家等を招待。 「CHINA HI TECH FAIR」 【2018年 11月 14日~15日】 「中国のシリコンバレー」と呼ばれる深センで開催される、中国最大の先端技術見本市に出展。

担当部署 知的財産・イノベーション部 イノベーション促進課

2. ジェトロ・欧州イノベーション・ミートアップ事業 急成長する欧州のイノベーション・エコシステムを活用して、海外展開にチャレンジする中

小・ベンチャー企業を支援する、「ジェトロ・欧州イノベーション・ミートアップ事業」を実施。 項目 内容

対象業種・企業 イノベーティブな技術・製品・ビジネスモデルを有する、中小・ベンチャー企業(選考有り)

内容 ●展示会参加 パリ・ロンドン・バルセロナのイベントで、日本企業に Demoブースとピッチ機会を提供。ジェトロは展示会開催国の有力アクセラレーターと提携し、会期前後のトレーニングや現地視察ツアー、ネットワーキングの実施により各社のビジネスをサポート。 ①「VIVA TECHNOLOGY」 【2018年 5月 24日~25日】 フレンチテックで世界から注目を集めるフランスで行われる、フランス最大級のスタートアップイベントに出展。

②「TECHDAY LONDON」 【2018年 10月 26日】 欧州エコシステムランキング 1位のロンドンで開催される、ロンドン最大級のスタートアップイベントに出展。 参加企業募集期間:2018年 8月 24日まで (募集ページ:http://www.jetro.go.jp/events/iib/0097f2d89ad91f52.html)

③「4YFN」 【2019年 2月 25日~27日】 バルセロナで開催される世界最大級のモバイル関連イベント「Mobile World Congress」併催のスタートアップイベントに出展。 参加企業募集期間:2018年 9月 26日まで (募集ページ:http://www.jetro.go.jp/events/iib/51eda0f67bce9c7b.html)

●ビジネスマッチングイベント開催 「オープン・イノベーション商談会」(JETRO主催) 【日程未定】 オープン・イノベーションに取り組む欧州の自動車メーカーと日本企業のマッチング・イベントを JETRO主催で開催。

担当部署 知的財産・イノベーション部 イノベーション促進課

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

Ⅰ - 203

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3. ジェトロ・グローバル・アクセラレーションハブ 日本政府が推進するスタートアップ育成プログラム「J-Startup」の一

環として、世界各地のスタートアップ・エコシステム先進地域のアクセ

ラレーター等と提携し、日系スタートアップ・中堅・中小企業の現地展

開および、現地有力スタートアップの日本進出の支援等を実施。 項目 内容

対象業種・企業 イノベーティブな技術・製品・ビジネスモデルを有する、スタートアップ・中堅・中小企業 ※一部大企業等も利用可能なサービス有

内容 海外のスタートアップ・エコシステムを活用したビジネス拡大を目指す日系スタートアップ等に対し、提携先アクセラレーターの専門家(メンター)を通じ、以下の支援を実施します。 https://www.jetro.go.jp/services/jhub.html <サービス内容>※サービス内容は各拠点で変わる場合がございます。 1. 現地ブリーフィングサービス ※大企業等も利用可 2. 事業戦略立案に関する個別面談[メンタリング] 3. 現地パートナー候補・VC等投資家等の紹介 4. コワーキングスペースの利用 <サービス設置箇所>(2018年 7月末時点) シリコンバレー 、ボストン、深セン 、上海、シンガポール、ベンガルール 、ヘルシンキ 、ベルリン 、パリ、 ロンドン、テルアビブ 、ドバイ <申し込み受付期間> ・ブリーフィングおよびメンタリング:利用希望日の 4週間前~5営業日前 ・コワーキングスペース:利用開始希望日の 2週間前~5営業日前

担当部署 知的財産・イノベーション部 イノベーション促進課

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

Ⅰ - 204

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国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のスタートアップ支援事業

として、以下を実施している。

1. Technology Commercialization Program(TCP) 研究開発型ベンチャーの起業を志す、国内の大学・企業の研究者等を対象に、ビジネスプラン

作成のための研修と、作成したビジネスプランを投資家等の前で発表するピッチイベントの機会

を提供する事業を実施。地域の各種ビジネスプランコンテスト等とも連携。 項目 内容

事業目的 大学等の研究成果の事業化を促進するとともに、起業家の育成と大学発ベンチャーの発掘を行うこと。

事業内容 ビジネスプラン作成のための研修と、ベンチャーキャピタリストや元起業家などのメンターからの個別指導を行う。また、選抜者には、それらを経て作成したビジネスプランを投資家等の前で発表するピッチイベントの機会を提供する。

助成率 研修事業であり、助成金等の金銭的支援はなし。

助成金額 事業期間 【2018年度】約 5~6か月間(2018年 10月以降) 公募期間 【2018年度】2018年 6月 8日~9月 14日 担当部署 イノベーション推進部 スタートアップグループ

(出所:NEDO、以下同じ)

2. NEDO Entrepreneurs Program(NEP) 技術シーズを活用した事業構想を有する個人としての起業家候補人材に対し、事業化支援人材

(カタライザー)による指導・助言の機会提供など、研究開発型ベンチャーを立ち上げるための

活動を支援する事業を 2018 年度に新たに実施。 項目 内容

支援概要 ・具体的な技術シーズを活用した事業構想を有する起業家候補を公募。 ・ビジネスプラン作成、市場調査、試作品設計・製作など、自らの研究開発型ベンチャーの立ち上げ及び加速に必要な活動(以下「事業化可能性検討」という)を NEDO委嘱の事業カタライザー(起業・事業化に向けた活動及びビジネスプラン構築の指導を行う専門家)による指導の下で実施。

支援内容 【2018年度】 ① 事業カタライザーがハンズオンで行う各種起業活動支援 ② 「事業化可能性検討」として実施する活動費用について、1件あたり原則 500万円(労務費は対象外)以内を支援

③ 外部技術シーズとのマッチングを支援 ④ 投資家および提携先とのマッチングを支援 ⑤ NEDO本部(川崎)に利用可能なコワーキングスペースを用意 ⑥ 会社経営に関する会計・経理等の研修を実施

事業期間 【2018年度】最長 6か月(2018年度内) 公募期間 【2018年度】2018年 4月 24日~5月 24日 担当部署 イノベーション推進部 スタートアップグループ

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

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3. シード期の研究開発型ベンチャーに対する事業化支援 2015 年度より、研究開発型ベンチャーを支援する国内外のベンチャーキャピタルやシード・

アクセラレーター等(以下「VC 等」という)を NEDO が認定し、その VC 等が出資するシード

期の研究開発型ベンチャーの事業化(実用化開発、企業化可能性調査等)を助成する事業を開始

した。まずは VC 等の認定を行い(認定件数 35 件)、その後助成事業者であるシード期の研究開

発型ベンチャー(STS:Seed-stage Technology-based Startups)の公募を実施した。2015 年度は 19 件、

2016 年度は 13 件、2017 年度は第 1 回公募で 15 件、第 2 回公募で 7 件を採択・交付している。 項目 内容

事業目的 STSが必要とする研究開発および事業化に必要な資金、並びに活動を、VC等と NEDOが協調して支援することにより、将来のメガベンチャーとなる STSを創出・育成するとともに、グローバルなネットワークを持つ VC等の日本での活動を活性化し、エコシステムを強化することを目的とする。

助成対象事業 ・具体的技術シーズがあって、研究開発要素があることが想定され、かつ、競争力強化のためのイノベーションを創出しうる事業であること。

・具体的な技術シーズを活用した事業構想を持ち、認定 VCがその事業構想に係るチェックを行った上で、交付申請書における助成金申請額(助成対象経費の 2/3以内)の 1/2以上の出資を受けることが予定されていることが必要。

・申請時において、業として出資を行う者から 2億円以上※の出資を得ていないことが必要。 ※平成 30年度第 2回公募から新設したプレSTSコースでは、2,000万円以上の出資を得ていないことが必要。

助成率 2/3以内 助成金額 7,000万円※まで ※平成 30年度第 2回公募からは助成金額 2,000万円までのプ

レSTSコースも追加。 事業期間 交付決定日から最大 1.5年程度 公募期間 【2018年度第 1回公募】2018年 3月 19日~5月 7日

【2018年度第 2回公募】2018年 7月 12日~8月 31日 【2018年度第 3回公募】年度内に実施予定

担当部署 イノベーション推進部 スタートアップグループ

4. 企業間連携スタートアップに対する事業化支援 2016 年度に、事業会社と共同研究等を実施する研究開発型ベンチャー(企業間連携スタート

アップ:Startups in Corporate Alliance 以下「SCA」という)の事業化(実用化開発、企業化可能

性調査等)を助成する事業を開始。2016 年度は 12 件を採択・交付している。 項目 内容

事業目的 事業を通じた SCAと事業会社のマッチングや SCAの M&A等エグジットを促進し、ベンチャー・エコシステムの強化を目指すもの。

助成対象事業 ・具体的技術シーズがあって、研究開発要素があることが想定され、かつ、競争力強化のためのイノベーションを創出しうる事業であること。

・具体的な技術シーズを活用した事業構想を持ち、事業会社との共同研究等に関する契約を締結していることが必要。

助成率 2/3以内 助成金額 7,000万円まで 事業期間 交付決定日から最大 1.5年程度 公募期間 【2018年度第 1回公募】2018年 5月 15日~6月 28日

【2018年度第 2回公募】2018年 10月 18日~11月 22日 担当部署 イノベーション推進部 スタートアップグループ

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

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5. 高度専門産業支援人材育成プログラム(SSA) 広い知見と高い専門性を持ち、研究開発型ベンチャーの成長を伴走支援できる人材の育成を行

う高度専門支援人材育成プログラム「NEDO Technology Startup Supporters Academy(SSA)」を実

施。2017 年度は 72 名の応募があり、28 名が本プログラムを修了。 項目 内容

事業目的 第一線で活躍するベンチャー企業やイノベーションの有識者による講義やワークショップ、さらには NEDOプログラムならではといえる研究開発型ベンチャー支援の実践的なOJT機会を通じて、質の高い支援者の養成を目指す。

事業内容 テクノロジーベンチャー支援に必要な、基本的な知識やスキルを身に付ける講義群 伴走型支援者としてのマインドを培う場の提供 上記の OJT(NEDO事業者の支援現場)での実践的なアウトプット機会の提供など

助成率 研修事業であり、助成金等の金銭的支援はなし。

助成金額 事業期間 【2017年度】2017年 10月初旬~2018年 1月頃

【2018年度】2018年 10月中旬~2019年 2月頃 公募期間 【2017年度】2017年 8月 21日~9月 19日

【2018年度】2018年 8月 21日~9月 20日 担当部署 イノベーション推進部 スタートアップグループ

6. オープンイノベーション・ベンチャー創造協議会 民間事業者の「オープンイノベーション」の取り組みを推進するとともに、「ベンチャー宣言」

を実現することにより、我が国産業のイノベーションの創出及び競争力の強化に寄与することを

目的として発足したオープンイノベーション・ベンチャー創造協議会の運営事務局を務め、オー

プンイノベーションに関する各種調査研究やイベントを実施している。 項目 内容

目的・概要 民間事業者の「オープンイノベーション」の取り組みを推進し、我が国産業のイノベーションの創出および競争力の強化に寄与することを目的として 2017年 3月 1日に「オープンイノベーション協議会」と「ベンチャー創造協議会」の合併により設立(事務局長:NEDO副理事長)。

活動内容 ① 会員間におけるオープンイノベーションの推進事例の共有 ② 海外のオープンイノベーション動向の把握 ③ 啓発・普及活動 ④ ベンチャー企業の創造 ⑤ 既存企業発ベンチャー創造(ベンチャー企業と既存企業との連携促進を含む) ⑥ 大学・研究機関等との交流の促進 ⑦ 起業家教育の推進 ⑧ 重要分野におけるオープンイノベーションの推進に関する検討 ⑨ オープンイノベーション白書の作成 ⑩ 日本ベンチャー大賞の主催 ⑪ 政策提言 ⑫ その他協議会の目的の達成に資する活動

会員数 1,220(2018年 8月 1日時点) 会員構成 企業会員、賛助会員(大学・公的機関・個人等) 会費 無料 募集方法 下記 HPより会員登録(随時受付) 詳細ページ https://www.joic.jp/index.htm 担当部署 イノベーション推進部 スタートアップグループ

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

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7. 宇宙ビジネス投資マッチング・プラットフォーム(S-Matching-エス・マッチング) 我が国の宇宙ベンチャー・ビジネスの活性化に向け実施される、新たなビジネス・アイデアや

新事業構想を有する宇宙ビジネス起業家と、宇宙分野に投融資意欲がある宇宙ビジネス投資家と

を結びつけるマッチング・プラットフォームとして運営している。 項目 内容

事業目的 S-Matchingでは、宇宙ビジネス起業家と投資家とのマッチングの場の提供等を通じて、両者のビジネス連携等を促進し、我が国における宇宙データ利用をはじめとする宇宙関連ベンチャー企業等の創出・育成等を図ることを目的とする。

事業内容 新規に宇宙ビジネスを起業・実施する個人および事業者と、そのビジネス内容に向け投資・出資を検討する投資家、VC、金融機関等のWEBマッチングサービス。

助成率 マッチングWEBサイトの登録及び利用無料。

助成金額 事業期間 特になし 公募期間 常時登録受付中 担当部署 イノベーション推進部 プラットフォームグループ

8. J-Startup支援事業 日本政府が推進するスタートアップ育成プログラム「J-Startup」の

選定企業に対し、主に国内事業、研究開発型の事業に対する、ヒト・

モノ・カネのワンストップな支援等を目指す。 項目 内容

事業目的 「ブーム」から「カルチャー」へ。民間支援機関・NEDO・JETRO・METIによる事務局が中心となり、「J-Startup企業」とサポーター、政府機関を結びつけ、世界で戦い、勝てるスタートアップ企業を生み出すための成功モデルの創出・支援により、日本のベンチャーエコシステム強化を目指す。

事業内容 研究開発型スタートアップへの助成金支援プログラム(公募事業)における J-Startup企業の優遇、専門家派遣、オープンイノベーション推進による企業マッチング支援など。

助成率 各種支援プログラムの詳細は https://www.j-startup.go.jp等を参照。 助成金額

公募期間 担当部署 イノベーション推進部 スタートアップグループ

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

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国立研究開発法人 産業技術総合研究所(AIST)

国立研究開発法人産業技術総合研究所(AIST:産総研)では、従来から先端的な研究成果を

スピーディーに社会に出していくため、ベンチャー企業の創出・支援に取り組んでいる。2002

年より創出・支援の制度を構築し、現在はベンチャー開発・技術移転センターがそのプラットフ

ォームとして、「スタートアップ開発戦略タスクフォース」の実施並びに「ベンチャー技術移転

促進措置」および「出資業務」の運用を行っている。

ベンチャー開発・技術移転センターの業務概要 項目 内容

スタートアップ開発戦略タスクフォース 主に産総研で生まれた技術シーズを対象に、研究者とビジネス人材が協力してベンチャー創業を目指す事業化プロジェクト

カーブアウト事業 企業の技術シーズと人材を受け入れて、タスクフォースでベンチャー企業の創出を目指すプロジェクト

ベンチャー技術移転促進措置 産総研技術移転ベンチャーへの知財権の独占実施権等の付与、施設・設備使用料の割引、専門家相談の機会提供など

産総研の設備・特許等を産総研技術移転ベンチャー等に現物出資 産総研技術移転ベンチャーをウェブサイト「TECH Meets BUSINESS」で広く紹介 https://unit.aist.go.jp/ictes/tmb/

(出所:産業技術総合研究所)

ベンチャー開発・技術移転センターは、各技術シーズの特徴や性格に合った事業化の推進を目

的に、(1)既存企業への知的財産等のライセンシングによる技術移転と(2)技術移転ベンチャ

ー等の創業による事業化の 2 つの事業化方法を一元的に扱う組織として、「ベンチャー開発部」

と「知的財産部 技術移転室」とが一体化し、2015 年 4 月に発足した。 同センターでは、そのベンチャー創出・支援活動の成果を報告するとともに、創業したベンチ

ャー企業と大手企業等との交流を図るイベントとして、「産総研発ベンチャーTODAY」(2016 年

より改称)を 2005 年より開催している(https://unit.aist.go.jp/ictes/tmb/tf/index.html)。 直近では、「産総研発ベンチャーTODAY ~AIST・NEDO 発の技術をビジネスへ~」(2017 年

11 月 21 日)と題し、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と連携して、ピッチ会と

展示会を兼ねたイベントとして開催した。今後も引き続き同様のイベントを開催する。

ベンチャー開発・技術移転センターでは、技術移転促進措置を受けている又は技術移転促進措

置を受けた実績を有する法人等に対し、産総研技術移転ベンチャーの称号を付与している。2017

年度末までの産総研技術移転ベンチャー創業数は 138 社、同年度には 5 社創業となっている。

(https://unit.aist.go.jp/ictes/aist-startups/) また、同センターでは、ベンチャー企業の事業活動を支援するため、金融機関や事業会社、ビ

ジネスインキュベーション機関等とのネットワーク「AIST スタートアップスクラブ」を構築し、

外部の支援制度や研究開発資金公募の情報提供、企業との協業・連携の機会提供等を行っている。

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

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独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は、2017 年度から「未踏アドバンスト事業」を実施し

ている。当事業は、未踏的 IT 人材が自らのアイディアや技術力を最大限に活かし、ビジネスに

つなげていけるよう、優れた能力と実績を持ち合わせたプロジェクトマネージャー等による指

導・助言、活動に必要となる資金支援を行っている。 当事業で輩出された IT 人材による成果をイベント、交流会、ビジネスマッチング等を通じて

産業界に発信するとともに、起業・事業化に役立つ講習会等も実施している。

また、一般社団法人未踏と連携して、未踏 IT 人材のさらなる活躍に向け、未踏関係者がプレ

ゼンテーションやパネルディスカッション等を行い、交流する「未踏会議 2018」を 2018 年 3 月

9 日(金)に開催した。

「2018年度未踏アドバンスト事業」概要 項目 内容

事業内容 未踏的 IT人材が自らのアイディアや技術力を最大限に活かし、ビジネスにつなげていけるよう、優れた能力と実績を持ち合わせたプロジェクトマネージャー等による指導・助言、活動に必要となる資金支援を行う。

公募対象 市場性、開発実現性、事業性を兼ね備えた ITを活用した革新的なアイディア・プロトタイプ(製品・サービスの企画・構想を練っている段階、製品・サービスのプロトタイプ開発を継続している段階)を有し、起業または事業化に強い関心を持つ未踏的 IT人材からのプロジェクト(2名以上の個人からなるグループが対象)

契約形態 委託契約 事業期間 2018年 8月 1日~2019年 2月 28日 公募期間 2018年 3月 8日~4月 24日 担当部署 IT人材育成センター イノベーション人材部

(出所:独立行政法人情報処理推進機構)

「未踏会議 2018」開催概要 項目 内容

目的 産業界等における未踏 IT人材の活用が促進され、更なる活躍のフィールドが広がることを狙いとして開催。

開催場所 浅草橋ヒューリックホール&ヒューリックカンファレンス 開催日 2018年 3月 9日(金) 主催/共催 主催:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)

一般社団法人未踏 共催:経済産業省

(出所:独立行政法人情報処理推進機構)

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

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内閣府

地方創生推進事務局 1. 国家戦略特区による規制改革 国家戦略特区については、2013 年 12 月に成立した国家戦略特区法に基づき、2015 年度末まで

の 2 年間を集中取組期間とし、いわゆる岩盤規制全般について突破口を開いてきた。

2016 年度からは、国家戦略特区の「第二ステージ」を加速的に推進するため、2017 年度末ま

での 2 年間を「集中改革強化期間」として、「幅広い分野における『外国人材』の受入れ促進」

などの重点的に取り組むべき 6 つの分野・事項を中心に、残された「岩盤規制」改革を行うこと

などを「新たな目標」として設定したところである。

これまでに、国家戦略特区により実現した規制改革事項は、全国的措置等を含め 80 程度とな

っており、都市計画の手続き迅速化、いわゆる民泊(宿泊可能な住居)の解禁、医学部の新設、

地域限定保育士制度の創設、雇用条件の明確化(雇用労働相談センターの設置)、公立学校の民

間開放、農業委員会の事務分担の見直し、企業による農地取得の特例など、永年にわたり実現で

きなかった規制改革を実現してきた。 また、2014 年 5 月、2015 年 8 月、2016 年 1 月と 3 次にわたり指定してきた 10 区域(東京圏、

関西圏、新潟市、養父市、福岡市・北九州市、沖縄県、仙北市、仙台市、愛知県、広島県・今治

市)において、合計 300 もの事業が、それぞれ 111 回、36 回開催した区域会議及び特区諮問会

議を通じて総理により認定され、目に見える形で迅速に進展している(2018 年 10 月末現在)。 また、現在、世界では、AI 及びビッグデータを活用し、社会の在り方を根本から変えるよう

な都市設計の動きが急速に進展していることから、2018 年 10 月 23 日の国家戦略特区諮問会議

において、第四次産業革命を先行的に体現する最先端都市となる「スーパーシティ」の構想に取

り組むことが了承された。内閣府特命担当大臣(地方創生)の下に有識者懇談会を設置し、基本

的なコンセプトを取りまとめることとしている。

2. 国家戦略特区における主な起業・開業関連の取組 (1) 「雇用労働相談センター」の設置

国家戦略特区においては、2014 年秋以降、新規開業直後の企業及びグローバル企業等が、我

が国の雇用ルールを的確に理解し、予見可能性を高めることにより、紛争を生じることなく事業

展開することが容易となるよう、裁判例の分析・類型化を行った「雇用指針」を活用し、弁護士

等が無料で助言等を行う「雇用労働相談センター」を、福岡市、関西圏、東京圏、新潟市、愛知

県、仙台市、広島県の全国 7 か所に設置している。

(2) 「東京開業ワンストップセンター」の設置

東京圏では、国と東京都が共同で運営する「東京開業ワンストップセンター」を 2015 年 4 月

に開設し、外資系企業や国内ベンチャー企業等の開業の促進を図っている。開業にあたっての行

政手続きの縦割りによる煩雑さを軽減すべく、公証人による定款認証、登記、税務、年金・社会

保険、在留資格認定証明書等の法人設立に係る手続きを集約化しており、各部門のブースには関

係省庁及び東京都が相談員を派遣し、申請文書等の作成支援・受付等を行っている。また、多言

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

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語による通訳や翻訳サービスも実施している。 2016 年 12 月からは、8 種類全ての手続きについて、書類の受付が可能になるとともに、2017

年 4 月には渋谷に、7 月には丸の内にサテライトセンターが開設された。渋谷サテライトセンタ

ーは、2018 年 4 月に民間創業支援施設内に移転し、民間事業者との連携による更なる利用者サ

ービスの向上に取り組んでいる。 2018 年 9 月末までの利用実績は、①利用者数 6,619 名、②利用件数 10,084 件、③申請件数 1,066

件となっている。

<東京開業ワンストップセンター (2015年 4月 1日開設)> ●フロア図(JETRO本部 7階(アーク森ビル))

※同一フロア内に「ビジネスコンシェルジュ東京」の窓口や「東京圏雇用労働相談センター」の窓口

も設置し、ビジネスマッチングや雇用相談等のサービスをワンストップ化。 区分 取扱業務

定款認証 公証人による法人設立に係る定款認証 法人設立登記 会社設立登記申請 税務(国税) ①法人設立届出書、②青色申告の承認、③給与支払事務所等の開設・移転・廃止届

出書、④源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 税務(都税) ①法人設立届出書、②申告書の提出期限の延長の処分等の届出書・承認申請書 入国管理 法人設立に係る「経営・管理」、「企業内転勤」及び「技術・人文知識・国際業務」

の在留資格認定証明書交付申請書(同時申請の家族に係る申請書を含む) 雇用保険 ①雇用保険適用事業所設置届、②雇用保険被保険者資格取得届 労働保険 ①労働保険関係成立届、②労働保険概算保険料申告書、③適用事業報告、④就業規

則届、⑤時間外労働・休日労働に関する協定書 健康保険・ 厚生年金保険

①新規適用届、②被保険者資格取得届、③健康保険被扶養者(異動)届・国民年金3号被保険者資格取得届、④ローマ字氏名届

(出所:東京開業ワンストップセンターHPをもとに作成)

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

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(3) その他の取組

国家戦略特区においては、上記のほか、NPO 法人の設立手続きの迅速化や官民の垣根を越え

た人材移動の柔軟化等についても特例を活用することが可能となっており、各特区において、起

業・開業による経済の活性化を図っている。 また、一定の企業(小規模企業、農業・医療等の中小企業)については、エンジェル税制に係

る営業キャッシュフローの赤字要件の緩和等、課税の特例措置も講じている。

<国家戦略特区における起業・開業関係の特例> 事項 概要 活用自治体

官民の垣根を越えた 人材移動の柔軟化

スタートアップ企業における優秀な人材確保のため、国の行政機関の職員がスタートアップ企業で働き、一定期間内に再び国の職員になった場合の退職手当の算定について前後の期間を通算。

福岡市、北九州市 広島県、今治市

人材流動化支援施設の設置

国、自治体、大企業に勤務する人材をスタートアップ企業で働きやすくするため、人材流動化支援施設を設置し、労働市場の流動性向上、スタートアップ企業における優秀な人材の確保に資する援助を行う。

福岡市 広島県

NPO法人の設立 手続きの迅速化

ソーシャルビジネスの重要な担い手でもある特定非営利活動法人の設立を促進するため、その設立認証手続における申請書類の縦覧期間(現行 2か月)を大幅に短縮。

仙台市 養父市(主体は兵庫県) 兵庫県、神戸市 福岡市、北九州市 愛知県、名古屋市 千葉市 仙北市 新潟市 広島県、今治市

創業人材等の多様な 外国人の受入れ促進

創業人材について、地方自治体による事業計画の審査等を要件に、「経営・管理」の在留資格の基準(当初から「2人以上の常勤職員の雇用」又は「最低限(500万円)の投資額」等)を緩和。

東京都 福岡市 広島県、今治市 新潟市 仙台市 愛知県

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

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科学技術・イノベーション担当 内閣府のスタートアップ支援事業として、以下を実施している。

1. 統合イノベーション戦略(平成 30年 6月 15日閣議決定) 第 5 期科学技術基本計画の折り返し点である 2018 年度に、科学技術イノベーション総合戦略

2017 等における様々な施策の進捗状況を確認・評価するとともに、幅広く科学技術イノベーシ

ョンに関連する政策や経済社会システムを検証して実行する「統合イノベーション戦略」を策定

した。その中で、我が国の強みである大企業・大学等の優れた人材・技術を生かした日本型の研

究開発型ベンチャー・エコシステムの構築等により、研究開発成果が社会実装につながる社会を

実現することを目指し、以下の目標及び今後の方向性を掲げている。

項目 内容 目標 ・大学等発ベンチャー設立数・研究開発法人発ベンチャー設立数を 2016年度実績か

ら倍増1 ・ベンチャー投資額の対名目GDP比率を世界最高水準並みに向上2 ・企業価値又は時価総額が 10億ドル以上となる、未上場ベンチャー企業(ユニコーン)3又は上場ベンチャー企業4を 2023年までに 20社創出

今後の方向性 これまで個別に支援を行っていた政府系機関、官民ファンド、民間 VC及び海外 VCの連携を促進。 既存の常識を覆す技術や着想に対して表彰する等の支援(アワード型研究開発支援)を、横断的・オープン・柔軟な規制の見直しとセットで実施。 大企業・大学等とベンチャー企業間での対等な協業・連携や柔軟な人材の移動を促す方策を検討・実施し、日本型の研究開発型ベンチャー・エコシステムを構築。

2. 公共調達における研究開発型中小・ベンチャー企業の活用促進 研究開発型中小・ベンチャー企業は、機動性に富みスピード感あるイノベーションの担い手と

して期待されているが、初期需要の確保に課題を抱えることが多い。一方、国の機関では、現状

の予算や人材等のリソース面での制約から現場の省力化や生産性の向上等のニーズが高まり、新

しい技術や着想を発掘し活用していくことがますます重要となるが、調達制度等においてそれら

の要素を反映し切れていない。この両者の課題を解決するため、公共調達における研究開発型中

小・ベンチャー企業の活用を促進するべく、以下の取り組みを行っている。

1 大学等発ベンチャー設立累計(2016年):2,533社(文部科学省「平成 28年度 大学等における産学連携等実施状況について」(2018年2月)を基に内閣府(科技)において算出)。 研究開発法人発ベンチャー設立累計(2016年):207社(内閣府「独立行政法人の科学技術関係活動に関する調査」(2018年3月))。

2 ベンチャー投資額の対名目GDP比率(2016年):日本 0.028%、米国 0.37%、中国 0.18%(VEC「ベンチャー白書 2017」(2017年 11月)を基に内閣府(科技)において算出)。

3 ユニコーン企業数:米国 114社、中国 62社(CB Insights 2018年2月末データ)。 4 2018年度当初時点で、創業していない又は創業 10年未満の企業を対象とする。

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

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(1) 省庁等向けガイドラインの作成

公共調達に中小・ベンチャー企業等が有する新技術や着想を取り入れることを推進し、イノベ

ーションの創出及び促進に貢献することを目的とした省庁向けガイドラインを今後策定する。

(2) 内閣府オープンイノベーションチャレンジ 2017(中小・ベンチャー企業による公共調達の

活用推進プログラム)

国の機関(2017 年度は警察庁、消防庁及び海上保安庁)が有する現場の具体的ニーズを基に

募集テーマを設定し、当該テーマに対する提案を行う研究開発型中小・ベンチャー企業を公募し

て、審査を経て 15 件(13 社)を認定。認定された企業は、国立研究開発法人新エネルギー・産

業技術総合開発機構(NEDO)及びオープンイノベーション・ベンチャー創造協議会(JOIC)と

の共催によるピッチイベントに登壇。

項目 内容 事業目的 国の機関が有する具体的ニーズに対応した中小・ベンチャー企業の新たな技術や着想

を積極的に発掘し、社会実装(事業化)していくこと。 事業内容 アドバイザーからのビジネスプランに関する助言の機会と、事業会社・投資会社等の

前で事業構想を発表するピッチイベントの機会を提供する。 助成率

認定事業であり、助成金等の金銭的支援はなし。 助成金額 事業期間 2018年 1月 31日~2018年 7月 31日 公募期間 2017年 10月 25日~2017年 11月 27日 担当部署 内閣府 政策統括官(科学技術・イノベーション担当)付

3. サイエンス&イノベーション・インテグレーション(S&II)協議会 科学技術を軸としたオープンイノベーションや研究開発型スタートアップの創造・育成を加速

するための環境づくりの一環として、産学官等で個別に実施されている関連事業に従事する多様

な人材同士が、事業横断的・業際的に相互の活動や成果等を共有し、より柔軟なコラボレーショ

ンが活発に創造される自律的なコミュニティとして、2017 年 7 月に設立。以下の活動を実施。

(1) 人材レベルの自律的な連携と交流の促進

産学官等の各種分野で研究開発事業やオープンイノベーション、スタートアップ支援事業等に

携わる各種支援人材(コーディネーター、プロジェクト・マネージャー、アクセラレーター、

URA 等々)を中心に、事業横断的・業際的な人材のコミュニティづくりを提唱。また、専門人

材の育成や共有、キャリアパスのあり方等を発信。

(2) 各種マッチング事業やベンチャー支援事業等の俯瞰・可視化

個々の支援事業の具体的な特徴、得意な技術領域、提供されるメンタリング内容等を俯瞰・明

確化し、活用する企業側にとって「違いがわかりにくい」「自社に合った支援事業を選別しにく

い」といった状況を改善。

(3) 政策提言等

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

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総務省 国際戦略局 総務省では、ICT 分野において破壊的な地球規模の価値創造を生み出すために、大いなる可能

性があり、奇想天外で野心的な ICT 技術課題への挑戦を支援している。また、ICT 分野において、

革新的な技術シーズやアイデアの事業化を目指すベンチャー企業等を支援している。

「異能 vation」プログラム 項目 内容

意図 日々新しい技術や発想が誕生している世界的に予想のつかない ICT分野において、破壊的な地球規模の価値創造を生み出すために、大いなる可能性があり、奇想天外で野心的な技術課題への挑戦を支援。ゴールへの道筋が明確になる価値ある失敗に挑戦することを恐れない雰囲気の醸成。

募集の対象者 ・課題の発案者であり、その課題を実現するために自立して技術開発を推進する者であること。

・技術開発の全期間を通じ、課題の実現に向け、責任をもち遂行することができること。 採択予定数 10件程度 支援期間 1年間 支援する研究費 300万円(上限) 担当部署 国際戦略局 技術政策課

(出所:異能 vationウェブサイト(http://www.inno.go.jp/))

ICTイノベーション創出チャレンジプログラム(I-Challenge!) 項目 内容

意図 ICT分野において、革新的な技術シーズやアイデアを用いた新事業の創出を目指すベンチャー企業等に対して、VC等の民間の事業化ノウハウ等の活用による事業育成支援と研究開発支援を一体的に推進する。

募集の対象 【革新的な技術シーズやアイデアの事業化を目指すベンチャー企業等(研究開発機関)】 ・中小企業基本法に規定する中小企業 ・学校教育法に規定する大学等の公益法人 等

採択予定数 5件程度 支援期間 1年間 支援する研究費 7千万円※(上限)<間接経費(30%以内)含む>

補助率:中小企業 3分の 2、大学等 10分の 10 ※平成 30年度の新規採択予定件数は 5件程度を想定。1件あたりの補助金交付額は、1年間で

5千万円程度を想定。

担当部署 国際戦略局 技術政策課 (出所:総務省ホームページ(http://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ictseisaku/ictR-D/ichallenge/))

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

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国立研究開発法人 情報通信研究機構(NICT)

国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)は「ICTメンタープラットフォーム」※を組織し、

ICTベンチャー創造支援のため、総務省との共催により、学生向けに「起業家甲子園」、若手起

業家向けに「起業家万博」を実施している。 2018 年度は、2019 年 3 月 11 日(月)に「起業家甲子園」、2019 年 3 月 12 日(火)に「起業

家万博」を開催する。 また、起業家甲子園の出場予定者を対象として、グローバルマインドを身につける機会を提供

するため、米国シリコンバレーにおいて「シリコンバレー起業家育成プログラム」を実施する。

※「ICTメンタープラットフォーム」 ICT分野の事業化を阻むとされる「3つ(事業、資金、人材)のクレバス」を埋めるため、ICT業界等で活躍する方々を「国立研究開発法人情報通信研究機構 ICTメンタープラットフォーム メンター」として組織化し、その「メンター」と「地域」、「若い人材」をつなぐプラットフォームである。

1. 「起業家甲子園」概要 項目 内容

事業概要

全国から選抜された高専学生、大学生及び大学院生等の若者が、ICTを用いて自ら開発した商品・サービスをメンターとともに更に磨きをかけ、アントレプレナーシップ魂を込めたプレゼンテーションにより競い合うビジネスコンテストである。2017年度は9チームが出場した。

開催日 2019年 3月 11日 主催 国立研究開発法人情報通信研究機構 参加者 教職員、学生、大手企業、都内 ICT系企業、投資会社、地域支援団体関係者等 約150名

(出所:「ICTスタートアップ支援センター」ホームページ)

2. 「起業家万博」概要 項目 内容

事業概要

ICTを用いて豊かな世の中を目指そうと取り組む全国各地の ICTベンチャーが、工夫を凝らした新規事業(商品・サービス)を発表し、事業提携・資金調達・販路拡大・人材確保などのビジネスマッチングにチャレンジするイベントである。2017年度は8社が発表した。

開催日 2019年 3月 12日 主催 国立研究開発法人情報通信研究機構

参加者 大手企業、都内 ICT系企業、投資会社、地域支援団体関係者等 約 200名 (出所:「ICTスタートアップ支援センター」ホームページ)

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

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主幹機関 協働機関

“EARTH on EDGE”~東北・北海道からの起業復興~

東北大学 北海道大学、小樽商科大学、京都大学、神戸大学、宮城大学

産官学グローバル連携によるEDGE NEXTプログラム(Global Tech EDGE NEXT)

東京大学 筑波大学、お茶の水女子大学、静岡大学

Tokai-EDGE(Tongali)プログラム名古屋大学

岐阜大学、名古屋工業大学、豊橋技術科学大学、三重大学(*1)その他協力大学あり

多様性と創造的協働に基づくアントレプレナー育成プログラム(IDEA: Innovation x Diversity xEntrepreneurship Education Alliance)

九州大学奈良先端科学技術大学院大学、大阪府立大学、立命館大学(*2)その他協力大学あり

EDGE-NEXT 人材育成のための共創エコシステムの形成

早稲田大学山形大学、滋賀医科大学、東京理科大学(*3)その他協力大学あり

プログラム名称(コンソーシアム名)

実施機関

(*1):大阪大学(*2):広島大学、福岡大学、崇城大学、立命館アジア太平洋大学(*3):会津大学、多摩美術大学

文部科学省 科学技術・学術政策局 文部科学省では、平成 26 年度より 3 年間、グローバルアントレプレナー育成促進事業 (EDGE

プログラム)によって、海外機関や企業等と連携し、起業に挑戦する人材や産業界でイノベーシ

ョンを起こす人材の育成プログラムを開発・実施する大学等の支援を行ってきた。 平成 29 年度からは、EDGE プログラムに採択された大学をはじめ、これまで各地の大学で取

り組まれてきたアントレプレナー教育で得られた成果や課題を踏まえて、大学等の研究開発成果

を基にした起業や新事業創出に挑戦する人材の育成、関係者・関係機関によるベンチャー・エコ

システムの構築を目的として、次世代アントレプレナー育成事業(EDGE-NEXT:Exploration and Development of Global Entrepreneurship for NEXT generation)を行っている。

次世代アントレプレナー育成事業 (EDGE-NEXT) 優れた人材育成プログラムを実施すると見込まれた 5 コンソーシアムを採択し、各拠点のアン

トレプレナー育成に係る高度なプログラム開発等、エコシステム構築に資する費用を支援してい

る(支援期間:平成 29 年度から 5 年間)。なお、複数の民間企業や海外機関、他大学との連携を

条件としている。

次世代アントレプレナー育成事業(EDGE-NEXT)採択コンソーシアム

(出所:文部科学省 報道発表資料)

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

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高等教育局 官民イノベーションプログラム

官民イノベーションプログラムによる国立大学法人に対する 1,000 億円出資。

2012年度補正予算で高い研究力及び共同研究実績を有する 4つの国立大学に対して 1,000億円を出資 ・大学別出資額(計 1,000億円) ①東京大学 417億円、②京都大学 292億円、③大阪大学 166億円、④東北大学 125億円

大学 金額 認定・認可の申請とその状況

①東京大学 417億円 ○2016年1月に東京大学協創プラットフォーム開発株式会社設立。同年 12月に1号投資事業有限責任組合設立(大学から組合への出資額:230億円)。

○2018年 3月現在で 3件のベンチャーに投資。また、ファンド・オブ・ファンズとして 6件の出資。

②京都大学 292億円 ○2014年 12月に京都大学イノベーションキャピタル株式会社設立。2016年1月に1号投資事業有限責任組合設立(大学から組合への出資額:150億円)。

○2018年 3月現在で 17件のベンチャーに投資。 ③大阪大学 166億円 ○2014年 12月に大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社設立。2015年8

月に1号投資事業有限責任組合設立(大学から組合への出資額:100億円)。 ○2018年 3月末現在で 15件のベンチャーに投資。

④東北大学 125億円 ○2015年 2月に東北大学ベンチャーパートナーズ株式会社設立。同年 9月に 1号投資事業有限責任組合設立(大学から組合への出資額:70億円)。

○2018年 3月末現在で 10件のベンチャーに投資。 (出所:文部科学省)

(出所:文部科学省資料)

国立大学法人による出資制度の概要

国立大学法人等

出資先のチェック、大学発ベンチャー等との連携

大学発ベンチャー等

事業活動において研究成果を活用

ファンド(投資事業有限責任組合)

認定特定研究成果活用支援事業者

新事業立ち上げのプロフェッショナル等

①認定(経産省と共管)

出資

②認可

経営上の助言、資金供給等の支援

共同研究その他の連携

研究成果の活用促進を通じた新しい社会的価値の創出!

政府

官民ファンドの活用推進に関する関係閣僚会議

○ 産業競争力強化法において、国立大学法人等が一定の要件を満たしたベンチャー支援会社等への出資を可能とする制度改正を措置(2014年4月1日施行) 。

文部科学省

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

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国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)

国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)では、未来社会を創成する科学技術イノベーショ

ンの実現のため、研究開発の戦略の立案、戦略的な基礎研究や産学連携による実用化の推進、そ

して、科学技術情報インフラ構築や次世代イノベーション人材の育成などを実施している。研究

成果のベンチャー企業を通じた社会還元も重要な取り組みのひとつであり、ベンチャー支援事業

として「大学発新産業創出プログラム(START)」「出資型新事業創出支援プログラム(SUCCESS)」「産学共同実用化開発事業(NexTEP)未来創造ベンチャータイプ」「大学発ベンチャー表彰」を

実施している。

1. 大学発新産業創出プログラム(START) 本事業では、大学発ベンチャー創出を支援するため、事業プロモーターとして認定されたベン

チャーキャピタル等の事業化ノウハウをもった人材が、大学のもつポテンシャルの高い技術シー

ズについて、大学と連携して事業化構想を策定し、ベンチャー創出を目指している。2018 年 10

月までに 37 社の START 発ベンチャー企業が生まれた。 また、2017 年度から、更なる研究成果の社会還元を加速するためのリーンスタートアップ実

践教育プログラムとして、社会還元加速プログラム(SCORE)を新たに開始。大学等の優れた

技術をMVP※1による顧客評価のフィードバックにより、ビジネスモデルとして現実化させ、起

業やSTART※2へ展開させていくことを目指している。 ※1 MVP「Minimum Viable Products(実用検証可能な最小限の試作品)」 ※2 STARTは 2012年度に文部科学省により創設。2015年度から JSTに移管。

START SCORE プロジェクト支援型 事業プロモーター支援型

支援内容 原則 3年度以内 3,000万円/年(直接経費)

原則 5年度 2,000万円/年(直接経費)

原則 1年度 300万円/年(直接経費)

募集対象 事業プロモーターのプロジェクトマネジメントのもと、研究代表者を中心とし、企業価値の高い大学等発ベンチャー創出等により成果の社会還元を目指す研究開発を対象とし、研究代表者は、研究開発期間中、日本国内に居住し日本国内の大学等に常勤の研究者として所属していること。

大学等の基礎研究等の研究成果に関して、研究開発・事業育成を一体的に推進するための事業化に関するノウハウを有し、研究開発費を効果的・効率的に活用し得る、日本国内に法人格を有する機関。

・MVP を期間内に顧客候補に1回以上提示可能な技術分野で MVP の安全な顧客評価が可能な技術分野。 上記条件を満たす分野における研究開発を対象とし、原則、研究代表者およびアントレプレナー志望者(EL)を含むチーム体制を構築できること。

2. 出資型新事業創出支援プログラム(SUCCESS) 本事業は、JST の研究開発成果の実用化を目指すベンチャー企業に対し、出資や人的・技術的

援助を行う。JST がベンチャー企業の株主になることで民間の資金が集まってくる「呼び水効果」

を狙っている。2014 年の事業開始以来 2018 年 7 月までに 22 社への出資を実行した。

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

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項目 内容 出資対象

以下の 2点を満たすものが対象。 1. JSTの研究開発成果の実用化を目指すベンチャー企業 2. 新たに設立する、または設立から概ね 5年以内の企業

出資の内容 1. 出資できる財産: 金銭および JSTが保有する知的財産・研究設備

2. 出資件数:年間 2~5件程度 3. 出資の上限: [出資比率]原則として総議決権の 1/2 [出資金額]累計額で 1社あたり 5億円

担当部署 科学技術振興機構 産学共同開発部 起業支援室 (出所:JSTホームページ(http://www.jst.go.jp/entre/index.html)

3. 産学共同実用化開発事業(NexTEP) 未来創造ベンチャータイプ 本事業は、ベンチャー企業が行う、大学等※1の研究成果に基づくシーズ※2を用いた未来の産業

創造に向けたインパクトの大きい開発を支援し、実用化を後押しすることで大学等の研究成果の

事業化を目指すものである。2016 年度に公募を開始し、2018 年 3 月までに 2 件を採択した。 ※1 国公立私立大学、高等専門学校、国公立試験研究機関、研究開発を行っている特殊法人、独立行政法人、国立研究開発法人、公益法人等(非課税の法人に限る)

※2 特許等(出願中のものも含む)

【2018年度 公募概要】 項目 内容

公募期間 平成 30年 4月 2日(月)より通年募集を開始。次の 3回の締切を設定。 1. 平成 30年 7月 31日(火) 正午 2. 平成 30年 11月 30日(金) 正午 3. 平成 31年 3月 29日(金) 正午

申請者 以下の 3者の共同申請。 1. 日本国内に法人格を有する、原則設立後 10年以内の企業 2. シーズの所有者 3. 代表研究者(シーズの発明者)

支援内容 1. 開発費:原則、総額1億円以上 50億円以下(一般管理費を含む) 2. 開発期間:原則、10年以内

開発費の返済 1. 開発に成功した場合: 原則として、JST支出額を 10年以内の年賦により返済。返済にあたって、開発成功認定後最大 5年間の返済猶予期間の設定、および、10年以内の年賦返済における傾斜配分の設定が可能。

2. 開発が不成功の場合:原則として、JST支出額の 10%を一括返済。 3. 開発中止の場合:企業都合により中止の場合、JST支出額を一括返済。

対象分野 社会的・経済的なインパクトに繋がることが期待できる、幅広い分野※3。 ただし、文部科学省から通知を受けた以下の技術分野の課題を優先して採択する。 「IoTビジネスの創出、人工知能に関する研究拠点の整備及び社会実装の推進」 ※3医療分野の研究開発を除く。

担当部署 科学技術振興機構 産学共同開発部 (出所:JSTホームページ(http://www.jst.go.jp/jitsuyoka/outline.html))

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

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4. 大学発ベンチャー表彰 ~Award for Academic Startups~ 本表彰は、大学等における研究開発成果を活用して起業した大学発ベンチャーのうち、今後の

活躍が期待される優れたベンチャーと、特にその成長に寄与した大学や企業等を表彰するもので

ある。2014 年度に設立され、2015 年からは JST と国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総

合開発機構(NEDO)の共催で開催されている。

2018 年度は、8 月に東京ビッグサイトで「大学発ベンチャー表彰 2018 ~Award for Academic Startups~」表彰式を開催した。

【2018年度 開催概要】 項目 内容

目的 大学等における研究開発成果を用いた起業および起業後の挑戦的な取り組みや、大学や企業からの大学発ベンチャーへの支援等の促進。

対象

大学発ベンチャー(定義は以下 1~4) 1. 大学等※の特許を活用して起業したベンチャー企業 2. 特許以外の大学等の研究成果を活用して起業したベンチャー企業 3. 大学等の教職員・学生等による人材移転型ベンチャー企業 4. 大学等が支援した出資・経営支援型ベンチャー企業 あわせて、特にその成長に寄与した機関、企業を表彰。 ※大学等 国公私立大学、高等専門学校、国立試験研究機関、公立試験研究機関、 国立研究開発法人、公益法人等の非営利法人

応募期間 2018年 4月 26日~6月 8日 表彰日・会場 2018年 8月 30日・東京ビッグサイト 担当部署 科学技術振興機構 産学共同開発部 起業支援室

新エネルギー・産業技術総合開発機構 イノベーション推進部 (出所:JSTホームページ(http://www.jst.go.jp/aas/))

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

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厚生労働省

厚生労働省では、ベンチャー支援及び雇用の創出のため、以下の取組みを実施している。

1. 生涯現役起業支援助成金 年齢に関わりなく働くことができる生涯現役社会の実現を推進するため、中高年齢者が起業す

る際に必要となる雇用創出措置(募集・採用や教育訓練)の経費の一部を助成することにより、

中高年齢者の起業の促進と雇用機会の創出を図る。 起業に当たり一定数以上の労働者を雇い入れること等の支給要件を満たした場合に、起業者の

年齢区分に応じて定められた助成率に基づき算出された額を助成している。

また、上記助成金を受給した者で、一定期間経過後に生産性が向上している場合には別途上乗

せ助成を行うこととしている。

2. 医療系ベンチャー支援 2015 年 12 月 25 日より、厚生労働大臣の私的懇談会として「医療のイノベーションを担うベ

ンチャー企業の振興に関する懇談会」を開催し、医療系ベンチャーを育成するための課題や取り

組みについて議論をしていただき、2016 年 7 月 29 日に報告書を公表した。

この提言等に基づき、厚生労働省や関係機関では以下の取り組みを行っている。 ① 平成 29 年 4 月 1 日付で厚生労働省医政局経済課内に「ベンチャー等支援戦略室」を設置

② 平成 29 年 4 月 1 日付で医薬品医療機器総合機構(以下 PMDA と呼ぶ)において、「イノベ

ーション実用化支援業務調整役(部長級)」を設置し、平成 30 年 4 月 1 日より「イノベー

ション実用化連携相談」を開始するなど、体制を整備 ③ 臨床研究中核病院にてベンチャー支援体制を整備

④ 平成 29 年度より、中小・ベンチャー企業の PMDA における審査・相談手数料のうち、医

療機器に加え再生医療等製品についても軽減を開始 ⑤ 平成 29 年 7 月に革新的医療機器、同年 10 月に革新的医薬品の早期承認制度を新たに導入 ⑥ ベンチャー企業と大手企業等のマッチングサポートのため、平成 29 年 10 月 11 日~13 日

にパシフィコ横浜にて「ジャパン・ヘルスケアベンチャー・サミット 2017」を開催 平成 30年 10月 10日~12日に同会場で「ジャパン・ヘルスケアベンチャー・サミット 2018」を開催

⑦ 薬事、保険、知的財産等の専門家をサポーターとして登録し、きめ細かい相談や支援を行

う「医療系ベンチャー・トータルサポート事業」を平成 29 年度より開始 東京の日本橋に「医療系ベンチャー・トータルサポートオフィス」を開設

⑧ ベンチャー支援施策の有効性を検証するための会議体である「医療系ベンチャー振興推進

会議」を設置

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

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農林水産省

食糧産業局

農林水産省では、農山漁村 6 次産業化対策事業として「農山漁村の 6 次産業化」に資する施策

を一体的かつ総合的に推進している。 その一つとして下記の事業があり、必ずしもベンチャー企業を対象とした補助事業ではないが、

これまで多くのベンチャー企業が農林漁業者と連携して事業化を目指した取り組みをしている。

6次産業化・新産業創出促進事業(事業化可能性調査) 本事業は農林漁業者と異業種の事業者との連携により、農山漁村に豊富に存在する地域資源を

活用し、市場ニーズに即した新商品や新たなサービスを創出するための事業化可能性調査を支援

対象としている。 2017 年度は、11 の民間事業者等に対して支援を行った。事業概要は以下のとおり。

項目 内容 事業概要 農林漁業者と異業種の事業者間の連携により、市場ニーズに即した新商品や新たなサービ

スを創出するための事業化可能性調査の実施を支援 対象 民間団体等 補助率 定額(上限 500万円) 公募期間 (2017年度)1次公募 2017年 2月 3日~2月 23日、2次公募 4月 25日~5月 12日

(2018年度)1次公募 2018年 2月 5日~2月 26日、2次公募 4月 26日~5月 14日

担当部署 農林水産省 食料産業局産業連携課

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

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株式会社 日本政策金融公庫

株式会社日本政策金融公庫では、「資本性ローン」や「新株予約権付融資」などを活用したベ

ンチャー企業を含む新規事業者への資金供給や、高校生への起業教育を目的とした「高校生ビジ

ネスプラン・グランプリ」などを行っている。

1. 「資本性ローン」 新規事業へ挑戦する事業者の財務体質の強化を図るため、資本性の資金を無担保・無保証人で

融資する制度として、2008 年 4 月に「挑戦支援資本強化特例制度(資本性ローン)」がスタート

した(小規模事業者向けは 2013 年 3 月スタート)。融資金額は 4,000 万円(小規模事業者向け)

または 3 億円(中小企業向け)を上限に、融資期間は 5 年 1 ヵ月以上 15 年以内(小規模事業者

向け)、5 年 1 ヵ月・7 年・10 年・15 年(中小企業向け)となっており、返済方法は期限一括返

済である。2017 年度の資本性ローンの融資実績は、小規模事業者向けで 139 社(38 億円)、中小

企業向けで 234 社(190 億円)、合計で 373 社(228 億円)となっている。

挑戦支援資本強化特例制度(資本性ローン)

2013年度 2014年度 2015年度 2016年度 2017年度 創業/ 新事業型

社数(社) 664 369 441 398 373 金額(億円) 514 227 283 251 228

(出所:日本政策金融公庫ディスクロージャー誌)

2. 「新株予約権付融資」 新株予約権付融資は、貸付と同時に日本政策金融公庫が新株予約権を取得することで、高い成

長性が見込まれる新事業に取り組みながら、株式公開を目指す中小企業者に対して、事業に必要

な資金を無担保で融資する制度である。融資金額は 2 億 5,000 万円を上限に、融資期間は 7 年以

内となっている。2017 年度の新株予約権付融資の融資実績は、33 社(5.7 億円)となっている。

新株予約権付融資制度

2013年度 2014年度 2015年度 2016年度 2017年度 社数(社) 18 18 30 37 33 金額(億円) 3.4 2.7 7.4 5.7 5.7

(出所:日本政策金融公庫ディスクロージャー誌)

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

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3. 「高校生ビジネスプラン・グランプリ」(2013年度スタート) 日本政策金融公庫では、創業者向け融資を行ってきた経験・ノウハウを「起業教育」の現場に

還元し、若者の創業マインドの向上を図ることを目指し、2013 年度より全国の高校からビジネ

スプランを募集する「創造力、無限大∞ 高校生ビジネスプラン・グランプリ」を開催している。

2017 年度は 385 校から 3,247 件のエントリーがあった。

また、日本政策金融公庫の職員が希望する高校向けに「出張授業」を無料で実施し、ビジネス

プラン作成をサポートしている。2017 年度は 300 校実施、約 13,000 人が受講した。

高校生ビジネスプラン・グランプリ 第 5回開催実績 項目 内容

応募対象 全国の高校(中等教育学校後期課程を含む)の生徒からなるグループまたは個人 各種サポート 希望する高校向けに「出張授業」を実施し、ビジネスプラン作成をサポート スケジュール 2017年 7月 3日~10月 11日 応募受付

2017年 12月 1日 ファイナリスト(10組)発表 2018年 1月 7日 最終審査会

エントリー数 エントリー数 3,247件(応募高校数 385校) 出張授業 300校実施、約 13,000人が受講 応募者への フィードバック

全ビジネスプランに対し、評価点や今後の課題などのフィードバックコメントを返却

表彰 グランプリ、準グランプリ、審査員特別賞、優秀賞、学校賞、 高校生ビジネスプラン・ベスト 100など

(出所:日本政策金融公庫ホームページ(https://www.jfc.go.jp/n/grandprix/))

第 6回募集ポスター

「創造力、無限大∞高校生ビジネスプラン・グランプリ」

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

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株式会社 日本政策投資銀行(DBJ)

株式会社日本政策投資銀行(DBJ)では、2011年 11月に「女性起業サポートセンター(DBJ-WEC)」を創設し、新たなビジネスを志しその成長を探る女性起業家に対し、起業ノウハウの提供、ビジ

ネスマッチング等の総合的なサポートに取り組んでいる。過去 6 回の開催を数えるビジネスプラ

ンコンペティションでは累計 2,121 件の応募があり、女性起業家の裾野を広げている。 また 2017 年 4 月からは、DBJ ほかの出捐による一般財団法人日本経済研究所(JERI)に創設

された「女性起業サポートセンター(JERI-WEC)」に、これまで DBJ が担ってきた女性起業支援業

務の一部を委託しており、DBJ-WEC・JERI-WEC が一体となって、従来に増して柔軟かつ積極

的に、専門家・関係機関とも連携しつつ、女性起業家の挑戦を支援する体制をとっている。

1. DBJ女性新ビジネスプランコンペティション 2012 年から年に 1 回、女性起業家を対象とした「DBJ 女性新ビジネスプランコンペティショ

ン」を開催し、大賞受賞者には最大 1,000 万円の事業奨励金を支給している。

また受賞者には、奨励金の支給に加え、コンペティション終了後 1 年間に亘り、事業計画のブ

ラッシュアップ、起業・経営ノウハウのサポート、企業とのビジネスマッチング等、計画実現に

向けたサポートを行っている。 2018 年度も、第 7 回 DBJ 女性新ビジネスプランコンペティションを下記のスケジュールで開

催する予定である。第 7 回コンペでは、「大賞」・「優秀賞」・「事業奨励賞」および第 6 回より新

設された「ソーシャルデザイン賞」を表彰する。

第 7回 DBJ女性新ビジネスプランコンペティション開催スケジュール(予定)

項目 内容

募集期間 2018年 8月 20日(月)~10月 11日(木)17:00

一次審査(書類) 2018年 10月中旬~11月上旬

二次審査(面接) 2018年 11月中旬~12月中旬

最終審査会 2019年 2月 6日(水)

受賞者発表・表彰式 2019年 3月上旬

事後支援 2019年 4月頃~(1年間)

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

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2. その他活動実績(抜粋) 女性起業サポートセンターでは、女性の起業マインド醸成等を目的とした様々な活動を実施し

ている。

【定期開催(シリーズ化)】

・DBJ-WEC&WWN 共同開催セミナー 「女性起業家のためのビジネス実践講座~経営を学ぶシリーズ」(2013 年 11 月~) ・DBJ-WEC&日本弁護士連合会共同開催セミナー 「女性起業家のためのリーガル実践講座」(2014 年 9 月~)

地方公共団体・地域金融機関等と連携した活動実績

項目 内容

2015年 11月 「起業家の登竜門 ビジネスプランコンペティション応募であなたの事業を 磨こう」共催(静岡県中部地区 SOHO推進協議会 他)

2015年 11月 「輝く女性起業セミナー」共催(北都銀行 他)

2015年 12月 「女性起業支援セミナー in 岡山」共催(中国銀行・トマト銀行)

2015年 12月 「ほくぎん女性起業支援セミナー」共催(北陸銀行)

2016年 1月 地方創生特別企画「広島女性起業支援セミナー」共催(広島県・広島市)

2016年 2月 地方創生支援企画「女性のための起業支援セミナー」共催(山陰合同銀行)

2016年 2月 「九州女性起業家支援ネットワーク構築フォーラム」後援(九州経済産業局)

2016年 3月 「ウーマンミーティング in Tokyo」後援(経済産業省・関東経済産業局)

2016年 5月 「とっとり起業女子フォーラム」後援(鳥取県 他)

2016年 11月 「女性起業支援セミナー」共催(北陸銀行、富山経済同友会 他)

2016年 12月 「山口県女性活躍支援セミナー」共催(山口銀行)

2016年 12月 「とっとり起業女子事業プラン発表会」(鳥取県)

2017年 1月 「女性起業支援セミナー」共催(琉球銀行、沖縄銀行)

2017年 1月 「いよぎん みらい起業塾 女性起業家支援セミナー」共催 (伊予銀行、四国女性起業家ネットワーク)

2017年 2月 「いわぎん女性活躍支援セミナー」共催(岩手銀行 他)

2017年 5月 「女性起業家支援セミナー」共催(東京 TYフィナンシャルグループ 他)

2017年 6月 「女性活躍・起業応援シンポジウム in SENDAI」共催(七十七銀行 他)

2017年 6月 「女性活躍・起業シンポジウム in福岡」共催 (福岡県弁護士会、後援:福岡市、福岡地域戦略推進協議会 他)

2018年 1月 「中国地域女性ビジネスプランコンテスト SOERU」共催 (経済産業省・中国経済産業局 他)

2018年 2月 「鳥取ビジネスプランコンテスト」後援(鳥取県)

2018年 3月 「おおいたスタートアップウーマンアワード」協力(大分県 他) ※過去3年分の開催実績を抜粋

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

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株式会社産業革新投資機構 (JIC)

株式会社産業革新投資機構(JIC:Japan Investment Corporation:)は、2018 年 9 月 25 日、従来の

株式会社産業革新機構から株式会社産業革新投資機構に商号を変更し発足した投資会社である。

【会社分割による INCJと JICの設立】

(出所:産業革新投資機構)

【JICの特徴】 1.政策目的の達成に加え、投資ファンドとして、最終受益者に対するフィデューシャリー・

デューティーを行動規範として活動を行い、長期的にリターンを最大化する。 2.国内で不足するリスクマネーの供給を充実させるため、民間からの資金も呼び込みファン

ドを組成、投資を行う。

3.グローバルに通用する産業を育成するため、国内のみではなく海外企業にも積極的に投資

する。 4.グローバル水準の優秀な投資人材を招き入れる。 5.適切な規律と、金融・投資のプロによる現場での迅速かつ柔軟な投資判断を両立させるガ

バナンス構造とする。

(出所:産業革新投資機構)

【新・投資基準】 特に重点的に資金供給を行う分野は: 1.Society5.0 に向けた新規事業の創造の推進 2.ユニコーンベンチャーの創出 3.地方に眠る将来性ある技術の活用

4.既存事業による産業や組織の枠を超えた事業再編等の促進 本来市場から退出すべき者の救済を目的とする資金供給は行わない。

(出所:産業革新投資機構)

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

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株式会社INCJ

株式会社 INCJ は、2018 年 9 月、既存の官民ファンドである株式会社産業革新機構から新設分

割する形で発足しました。産業革新機構は、2009 年 7 月、産業や組織の壁を越えて、オープン

イノベーションにより次世代の国富を担う産業を育成・創出することを目的に設立されましたが、

根拠法である産業競争力強化法の改正法の施行に伴い、同機構は株式会社産業革新投資機構とし

て、新たな活動を開始しました。株式会社 INCJ の全株式は、株式会社産業革新投資機構が保有

することになりますが、株式会社 INCJ は、産業競争力強化法の改正法施行後も、分割に関する

経済産業大臣認可の条件等に基づき、旧産業競争力強化法と同趣旨の枠組みのもとで運営されま

す。したがって、同社は産業革新機構の事業を引き継ぐ形で、既投資先の Value up 活動や追加

投資、マイルストーン投資、EXIT に向けた活動を主要業務として、国から一定の関与を受けな

がら、2025 年 3 月末まで、活動をしていきます。

【INCJの基本理念と投資基準】

(出所:INCJ)

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

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【投資案件に対する評価軸】

(出所:INCJ)

【株式会社 INCJの目的 具体的な投資インパクト】

(出所:INCJ)

産業競争力強化法に基づく設置法人として、当社は平成 21 年 7 月の設立以来、オープンイノ

ベーションを通じて次世代の国富を担う産業を創出するという目的を達成すべく投資活動等を

行ってまいりました。当期は、AI、IoT、ビッグデータ、宇宙、ロボット、健康・医療等の分野

に注目して投資を行いました。その内訳は、海外経営資源の活用に関する新規投資、事業の再編・

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

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統合に関する新規投資と追加投資、アーリーステージやベンチャー企業等への新規投資、追加投

資です。当社の創設以来、第四次産業革命の進展に伴い、オープンイノベーションに対するリス

クマネーの重要性が増大し、ソブリン・ウェルス・ファンド(SWF)等により世界のリスクマ

ネー供給が質・量ともに充実する等、環境変化が起きています。この間、日本でもIT関連のア

ーリー分野等、民間資金で相当程度カバーできる領域が生まれている一方、バイオ・創薬・宇宙・

素材・ロボット分野等に対する長期かつ大規模なリスクマネーの必要性は益々増大しています。

当社は、オープンイノベーションにより次世代の国富を担う産業を創出すべく、多様な領域に積

極的に投資を実行してまいりました。しかし、残りの活動期間が 7 年を切り、新規投資が困難に

なっております。このため、産業競争力強化法が改正され、引き続き、長期・大規模のリスクマ

ネー供給を行えるよう、新たにファンドを立ち上げることになりました。この法律の施行後は、

既投資案件のバリューアップとエグジットに注力するとともに、これまで蓄積された経験・ノウ

ハウ等を活かして、より質の高いリスクマネーの供給に取り組んでまいります。

産業革新機構の 2017年度ベンチャー投資一覧

(注 1)公表資料に基づく投資金額

産業革新機構の 2017年度 LP投資一覧

産業革新機構の 2018年度ベンチャー投資一覧(2018年 6月末現在)

(注 1)公表資料に基づく投資金額

日付(公表日)

投資先企業名投資上限額

(億円)(注1)

公表時投資額(億円)(注1)

国内外別

業種 種別

2017/4/14 株式会社シーディーアイ 8.0 8.0 国内 健康・医療 VC(新規)

2017/5/16 株式会社フロムスクラッチ 15.0 15.0 国内 IT・ビジネスサービス・コンテンツ・知財 VC(新規)

2017/6/13 ダイナミックマップ基盤株式会社 13.4 13.4 国内 インフラ(含サービス) VC(新規)

2017/6/30 レナセラピューティクス株式会社 3.0 3.0 国内 健康・医療 VC(追加)

2017/7/5 株式会社フローディア 2.0 2.0 国内 電子デバイス VC(追加)

2017/7/7 株式会社セレブレクス 5.0 5.0 国内 電子デバイス VC(追加)

2017/8/8 株式会社Nextremer 5.0 4.7 国内 IT・ビジネスサービス・コンテンツ・知財 VC(新規)

2017/9/7 エレファンテック株式会社 3.0 3.0 国内 素材・化学 VC(新規)

2017/10/10 株式会社ナイルワークス 3.0 3.0 国内 産業機械 VC(新規)

2017/11/6 株式会社QPS研究所 8.5 8.5 国内 産業機械 VC(新規)

2017/11/14 LEシステム株式会社 8.0 4.0 国内 素材・化学 VC(新規)

2017/12/4 GROOVE X 株式会社 21.0 14.0 国内 消費財・小売(含サービス) VC(新規)

2017/12/13 株式会社ispace 35.0 35.0 国内 産業機械 VC(新規)

2017/12/25 株式会社メガカリオン 11.0 11.0 国内 健康・医療 VC(追加)

2018/2/22 株式会社LINK-US 4.0 3.5 国内 産業機械 VC(新規)

2018/3/7 株式会社日本エンブレース 3.0 3.0 国内 健康・医療 VC(追加)

2018/3/13 ClipLine株式会社 4.0 4.0 国内 IT・ビジネスサービス・コンテンツ・知財 VC(新規)

2018/3/29 株式会社エクサウィザーズ 3.0 3.0 国内 IT・ビジネスサービス・コンテンツ・知財 VC(新規)

154.9 143.1合計

該当なし

日付(公表日)

投資先企業名投資上限額

(億円)(注1)

公表時投資額(億円)(注1)

国内外別

業種 種別

2018/4/16 株式会社光コム 4.0 4.0 国内 産業機械 VC(新規)

2018/4/18 ペプチスター株式会社 7.5 7.5 国内 健康・医療 VC(新規)

2018/5/22 株式会社タベルモ 8.5 8.5 国内 素材・化学 VC(新規)

2018/6/4 株式会社キュラディムファーマ 12.0 9.0 国内 健康・医療 VC(追加)

2018/6/29 株式会社ABEJA 5.0 5.0 国内 IT・ビジネスサービス・コンテンツ・知財 VC(追加)

37.0 34.0合計

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

Ⅰ - 232

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株式会社 地域経済活性化支援機構(REVIC)

株式会社地域経済活性化支援機構(REVIC)は、2009 年 10 月に成立した株式会社企業再生支

援機構(ETIC)を前身とし、有用な経営資源を有しながら過大な債務を負っている中小企業者

等の事業再生支援、多くの地域金融機関等と組成したファンドからのリスクマネー供給による成

長支援、金融機関等に対する専門家の派遣及び経営者保証の付された貸付債権などの買取り等の

業務を通じて、地域経済の活性化を図っている。 ベンチャー企業への成長資金供給は、REVIC のファンド運営子会社(REVIC キャピタル他)

が、民間のファンド運営会社と共に GP の役割を担って組成した「地域活性化ファンド」を通じ

て行われる。2018 年 6 月末時点で、設立済みのファンドは 37 本、うち再生ファンドが 4 本、地

域活性化ファンドが 33 本、出資約束金額の総額は 1,009.1 億円となっている。なお、設立済みフ

ァンドのうち 3 本は既に GP 持分を共同 GP に譲渡し、REVIC による支援は終了している。

また、地域活性化ファンドのうち、明確にベンチャー企業を投資対象としたファンドが 4 本あ

るほか、支援を終了した 3 本を除く残る 26 本についても、ベンチャー企業への投資が可能なフ

ァンドもあり、地域やテーマなど、ファンドの投資目的に合致していれば投資対象として検討で

きる。

REVIC の地域活性化ファンドの特長は、REVIC グループに所属する、様々な職能を持つ専門

人材が、計画策定段階から投資実行後に至るまで深く関わる点にある。こうした専門人材が、常

駐型で経営支援を行う案件や、半常駐で継続的な助言を行う案件もあれば、経営数値のモニタリ

ングが中心で定期的な面談の際の助言に留まるものもあり、投資金額や議決権割合、投資先のニ

ーズなどによって投資実行後の関与形態はさまざまである。

REVICのファンド運営業務

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

Ⅰ - 233

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活性化ファンド組成運営実績(2018年6月末日時点)

分類 ファンド名 主たる投資 対象地域

出資約束金額(億円)

組成年月

ベンチャー

しがぎん成長戦略ファンド投資事業有限責任組合 滋賀 5 2014年 4月

とっとり大学発・産学連携投資事業有限責任組合 鳥取 10.2 2015年 1月

しまね大学発・産学連携投資事業有限責任組合 島根 10.2 2015年 1月

いばらき新産業創出投資事業有限責任組合 茨城 10 2015年 3月

グロース

地域中核企業活性化投資事業有限責任組合 全国 290.5 2015年 4月

青函活性化投資事業有限責任組合 ※ 北海道、青森 2 2014年 5月

トリプルアクセル成長支援ファンド投資事業有限責任組合 ※ 山口 10 2014年 5月

NCB九州活性化投資事業有限責任組合 九州 50 2015年 1月

飛騨・高山さるぼぼ結ファンド投資事業有限責任組合 岐阜 5 2015年 2月

八十二地域産業グロースサポート投資事業有限責任組合 長野 5 2015年 3月

沖縄活性化投資事業有限責任組合 沖縄 20 2015年 6月

広域ちば地域活性化投資事業有限責任組合 千葉 5 2015年10月

あわぎん地方創生投資事業有限責任組合 徳島 10 2015年10月

SI地域創生ファンド投資事業有限責任組合 大阪 10 2015年12月

いばらき商店街活性化投資事業有限責任組合 茨城 3.5 2015年12月

こうぎん地域協働投資事業有限責任組合 高知 3 2016年 4月

飛騨・高山さるぼぼ結ファンド 2号投資事業有限責任組合 ※ 岐阜 5 2016年 6月

愛媛南予水産業創成投資事業有限責任組合 愛媛 30 2017年 7月

ふくい未来企業支援投資事業有限責任組合 福井 5.1 2018年 3月

復興 九州広域復興支援投資事業有限責任組合 九州 116.9 2016年 7月

ヘルスケア 地域ヘルスケア産業支援ファンド投資事業有限責任組合 全国 100 2014年 9月

ぐんま医工連携活性化投資事業有限責任組合 群馬 8.6 2014年11月

観光

観光活性化マザーファンド投資事業有限責任組合 全国 52 2014年 4月

わかやま地域活性化投資事業有限責任組合 和歌山 10 2014年 1月

やまと観光活性化投資事業有限責任組合 奈良 1.5 2015年 3月

ALL信州観光活性化投資事業有限責任組合 長野 12 2015年 3月

しずおか観光活性化投資事業有限責任組合 静岡 13 2015年 3月

佐賀観光活性化投資事業有限責任組合第 1号 佐賀 5 2015年 7月

ふくい観光活性化投資事業有限責任組合 福井 3 2015年 8月

千葉・江戸優り佐原観光活性化投資事業有限責任組合 千葉 5 2015年 9月

九州観光活性化投資事業有限責任組合 九州 34 2015年10月

高知県観光活性化投資事業有限責任組合 高知 3 2015年10月

かながわ観光活性化投資事業有限責任組合 神奈川 10 2016年 3月

(出所:REVIC) ※ REVICキャピタルの GP持分を共同 GPに譲渡し、現在は GPの役割を担っていない。

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

Ⅰ - 234

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株式会社 海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構) 株式会社海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)は、日本の魅力ある商品・サービスの

海外需要開拓に関連する支援・促進を目指し、2013 年 11 月、法律に基づき設立された官民ファ

ンドである。

「日本の魅力(クールジャパン)」を事業化し、海外需要の獲得につなげるため、「メディア・

コンテンツ」「食・サービス」「ファッション・ライフスタイル」をはじめとする様々な分野でリ

スクマネーの供給を行っている。 クールジャパン機構は「民業補完」の徹底の下、民間投資の「呼び水」としてリスクマネーを

供給し、民間部門では成し遂げ得なかった、海外需要獲得の基盤となる「プラットフォーム」(拠

点)や「サプライチェーン」(流通網)の整備等を率先して展開する。 また、魅力ある財・サービスの海外展開の出口を拡充し、地域の中堅・中小企業や創造的なク

リエイター、デザイナー等が付加価値に見合うビジネスを展開する地盤を整える。

クールジャパン機構の出資金と事業スキーム(2018年 7月現在)

ベンチャー関連の投資案件(2018年 7月現在)

(注)公表順。支援決定額は上限額であり、為替の影響等により金額に変動あり。

(出所:クールジャパン機構)

政府出資(財投特会等)

民間出資

出資

出資

事業会社 等

民間企業 等

コンソーシアム各企業

出資出資

・・・・・

リスクマネー供給機能

出資による支援とともに、事業・経営支援等も一体的に実施

○拠点となる空間(物理的空間/ メ

ディア空間)の整備・確保

○M&A・合弁設立等

を含めた海外需要の獲得・拡大

○潜在力ある意欲的な地域企業の海外展開

○海外展開の間接的サポート事業

○訪日外国人観光客向け地域ビジネス(インバウンド)

実施事業の例[クールジャパン機構]

586億円(現在)

【予算】平成30年度予算

財投特会135億円政府保証150億円

107億円(現在)

※存続期間:20年以内(平成25年11月設立)

出資金 693億円

公表日 事業者名 対象地域 事業概要 支援決定額

1 2014/9/25 Tokyo Otaku Mode 全世界日本のポップカルチャーの魅力を発信するメディア事業およびEC事業

15億円

2 2014/12/8Japan Food TownDevelopment

シンガポール ジャパンフードタウン事業 7.5億円

3 2014/12/8 力の源ホールディングス 欧米豪 日本食の魅力を発信する外食事業7億円

融資枠:13億円

4 2015/11/12 SAS ENIS 欧州(パリ) 地域産品の欧州展開支援事業 1億円

5 2016/4/21 百戦錬磨 インバウンド 訪日外国人旅行者に対応した民泊仲介サービス事業 3億円

6 2016/12/9 グローバル・ブレイン6号 インバウンド 観光・インバウンド産業におけるCTベンチャーファンドへのLP出資 50億円

7 2017/4/27 世界市場 香港 日本の青果物の輸出販売事業 3.66億円

8 2017/6/15 500 Startups JP, L.P. 全世界 海外需要開拓を狙うベンチャーファンドへのLP 出資 11億円

9 2017/12/20 GF CAPITAL PTE.LTD. ASEAN 中小外食企業の出店支援事業 5.4億円

10 2018/5/8 みやこ京大イノベーション投資事業有限責任組合 全世界 ヘルスケア・先端テクノロジー分野を中心としたベンチャーファンドへの

LP出資 10億円

【付録】官公庁関連ベンチャー支援

Ⅰ - 235

Page 89: ベンチャー白書2018 - vec.or.jp · 1. 2018 年調査概要. VEC では2017 年に続き、Web調査にてベンチャー企業(VB)に対して、「ベンチャー企業の

4 月 5月 6月 7月 8月 9月 10 月 11 月 12 月

2017年

IPOPO

大型調達

グラフは「日経平均株価終値」の推移日経平均株価©日本経済新聞社

4/15卓球アジア選手権、平野美宇が優勝

6/26藤井聡太四段が 29 連勝達成

7/21横綱白鵬が歴代最多勝利

8/27世界バド、奥原希望が「金」

9/20安室奈美恵さん、1年後の引退を発表

12/10スピードスケートW杯、小平奈緒が女子1000mで世界新

11/8内閣府が景気回復「いざなぎ超え」公算と発表

10/6日系英国人作家カズオ・イシグロ氏、ノーベル文学賞受賞

5/25「カール」の全国販売終了

アセンテック

旅工房

LIXILビバ

ウェーブロックホールディングス

テモナ

オプティマスグループ

ABホテル

要興業

ミダック

東M東2東1東M東M

SYSホールディングス

ツナグ・ソリューションズ

GameWith

Fringe81

エコモット

ディーエムソリューションズ

ビーブレイクシステムズ

東MJQ札ア東M東M東M

ジェイ・エス・ビー

クロスフォー

ユニフォームネクスト

ソウルドアウト

東M東MJQ東2

UUUM

トランザス

シェアリングテクノロジー

東M

JQ

マネーフォワード

西本Wismettacホールディングス

テックポイント・インク

ロードスターキャピタル

壽屋PKSHA

Technology

ニーズウェル

ウォンテッドリー

エスユーエス

東M東M

東M東M

東M

JQ

JQ東M東M東1東M

Casa

SKIYAKI

テンポイノベーション

シルバーライフ

MS&Consulting

ウェルビー

大阪油化工業

JQ

JQ

東M東M東M東M東M東2

トレードワークス

ポエック

幸和製作所

クックビズ

サインポスト

シー・エス・ランバー

東M東M

歯愛メディカル

HANATOUR

JAPAN

イオレ

アルヒ

エル・ティー・エス

ヴィスコ・テクノロジーズ

SGホールディングス

グローバル・リンク・マネジメント

マツオカコーポレーション

カチタス

一家ダイニングプロジェクト

東M

東1

東1

東1

東M東1JQ東M

東M

プレミアグループ

オプトラン

森六ホールディングス

みらいワークス

ナレッジスイート

ジーニー

すららネット

東MJQ

JQ

JQJQJQ

東M東M東M東M東1東1東2名2東2

東2

よりそう(10億円)リノべる(13億円)AdAsia Holdings($12mil)スマートドライブ(10億円)スマートエナジー(30億円)シーディーアイ(15億円)

プロドローン(10億円)フロムスクラッチ(32億円)

※各種報道による

セブン・ドリーマーズ・ ラボラトリーズ(25 億円)ZMP(15 億円)GROUND(10 億円)

フローディア(16 億円)アネロファーマ・ サイエンス(14.5 億円)オープンエイト(15 億円)アストロスケール($25mil)スターフェスティバル(10 億円)ワンダープラネット(10 億円)Tranzax(10 億円)ミツフジ(30 億円)

Preferred Networks(105 億円)Sansan(42 億円)ジェネシスヘルスケア(14 億円)Appier($33mil)

テックビューロ(16 億円)WAmazing(10 億円)エアウィーヴ(12 億円)

ユニファ(10.2 億円)RPAホールディングス(10億円)リバーフィールド(11.5 億円)LeapMind(11.5 億円)

QPS 研究所(23.5 億円)One Tap BUY(25 億円)ステムリム(10 億円)Inagora($68mil)

GROOVE X(64.5 億円)Preferred Networks(20 億円)Candee(24.5 億円)ispace(101.5 億円)ランサーズ(10 億円)メガカリオン(37 億円)エブリー(20.6 億円)

4/27 ~ 29グローバル・モバイル・インターネット・カンファレンス北京 2017 

(北京)

5/30 ~ 6/3      Computex2017 & InnoVEX2017(台北)

6/15 ~ 17VIVA Technology 2017

(パリ)

11/8ベンチャー白書 2017

(電子版)発刊、説明会11/30 ~ 12/1

Slush Helsinki 2017(ヘルシンキ)

12/2 ~ 3日本ベンチャー学会第20 回全国大会

7/27S&Ⅱ協議会 設立発表会・記念シンポジウム

7/11 ~ 7/14TOA(Tech Open Air)2017(ベルリン)

10/23 ~ 10/25第 5 回イノベーションリーダーズサミット

10/25VENTURE CAPITAL FORUM 2017(ストックフォルム)

4/14日経平均株価安値:18,335 円 63 銭

12/25日経平均株価高値:22,939 円 18 銭

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グラフは「日経平均株価終値」の推移日経平均株価©日本経済新聞社

1 月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月

2018年

1/26コインチェック、580 億円分の仮想通貨流出

3/5米アカデミー賞メーク部門、辻一弘さん日本人初受賞

2/9平昌オリンピック開幕、日本メダル 13 個、冬季最多

4/19霧島連山・硫黄山が250 年ぶり噴火

5/19カンヌ映画祭、是枝監督

「万引き家族」が最高賞に輝く

6/13「18 歳成人」改正民法

成立、2022 年から施行

8/5世界バド、桃田賢斗が

「金」、日本男子で初

7/20カジノ実施法が成立

9/8テニス大坂なおみ、日本勢初の四大大会V

IPO日本リビング保証

アズ企画設計

JQ

和心

東M

東M

エヌリンクス

ベストワンドットコム

アイペット損害保険

HEROZ

コンヴァノ

      

ホールディングス

ヒューマン・アソシエイツ・      

ビープラッツ

ブティックス

東M東M東M

東M東M東M東MJQ

ジェイテックコーポレーション

Mマート

東M東M

ラクスル

東M

マネジメントソリューションズ

MTG

キャンディル

ロジザード

東M東M東M東M

プロレド・パートナーズ

アクリート

エクスモーション

GA

technologies

バンク・オブ・イノベーション

東M東M東M東M東Mシステムサポート

東Mイボキン

JQチームスピリット

東M

ワールド

フロンティア・マネジメント

東M東1

アジャイルメディア・ネットワーク

RPAホールディングス

ファイバーゲート

キュービーネットホールディングス

SOU

信和

共和コーポレーション

フェイスネットワーク

日総工産

神戸天然物化学

東M

SERIOホールディングス

東M

東1東M東2東2東M東1東M東M東M

極東産機

SBIインシュアランスグループ

ブロードバンドセキュリティ

アイリックコーポレーション

イーエムネットジャパン

アズーム

香陵住販

マリオン

and

factory

東M

ナルミヤ・インターナショナル

東2

JQJQ東M東M東MJQ東MJQ

スプリックス

プロパティデータバンク

エーアイ

アイ・ピー・エス

国際紙パルプ商事

ライトアップ

SIG

コーア商事ホールディングス

ZUU

ログリー

東M

メルカリ

東M

東M東2JQ東M東1東M東M東M東1

1/23日経平均株価高値:24,124 円 15 銭

3/23日経平均株価安値:20,617 円 86 銭

大型調達BASE(15億円)自律制御システム 研究所(21.2億円)FOLIO(70億円)dely(33.5億円)Finatext(14.3億円)SmartHR(15億円)

ウェルスナビ(15億円)FiNC(21億円)JapanTaxi(75億円)ジェネシスヘルスケア(16.5億円)JapanTaxi(10.5億円)キュア・アップ(15億円)

VAZ(11.5億円)ティアフォー(30億円)クラウディアン($25mil)日本エンブレース(10億円)エブリー(30億円)メルカリ(50億円)マネーツリー(10億円)アセントロボティクス(11億円)テラモーターズ(10億円)AeroEdge(22億円)JTOWER(11億円)ペルセウスプロテオミクス(14億円)

ミラティブ(10億円)ヤマップ(12億円)光コム(12.9億円)プレイド(27億円)

フォトシンス(10億円)MICIN(11億円)タベルモ(17億円)セレンディップ・ コンサルティング(12億円)糖鎖工学研究所(10億円)ウエストユニティス(20億円)

HIROTSUバイオサイエンス(14億円)スマートドライブ(17億円)freee(65億円)BitStar(13億円)CookpadTV(40億円)トランビ(11億円)クラウディアン($94mil)TBM(20億円)JapanTaxi(15億円)

Trillium($11mil)Liquid(33億円)クオリプス(10億円)Paidy($55mil)日本美食(10.1億円)LINE Digital Frontier(86億円)CONNEXX SYSTEMS(10億円)JapanTaxi(22.5億円)Rapyuta Robotics(10.5億円)Finatext(60億円)

キュラディムファーマ(11.8億円)Global Mobility Service(11億円)SEQSENSE(10億円)バーチャサイズ(15億円)パネイル(19.3億円)お金のデザイン(59億円)五常・アンド・カンパニー(10億円)ABEJA(42.5億円)センシンロボティクス(12億円)

オープンエイト(15億円)Azit(10億円)セブン・ドリーマーズ・ ラボラトリーズ(10億円)Payke(10億円)キノファーマ(10億円)WHILL(50億円)FiNC(55億円)Origami(66.6億円)ヴォーカーズ(22.5億円)favy(10億円)

※各種報道による

1/9 ~ 12 CES 2018(ラスベガス)

2/26 第 4 回日本ベンチャー 大賞 表彰式

3/11 ~ 14 SXSW 2018(オースティン …テキサス州 )

4/9 ~ 11 Global Venture Capital Congress(シドニー)

6/11 J-Startup Launch  Ceremony6/5 ~ 9 Computex2017 &  InnoVEX2017(台北)6/19 ~ 22 TOA 2018(ベルリン)

5/24 ~ 25 Latitude 59(タリン …エストニア)5/24 ~ 26 VIVA Technology2018 (パリ)

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ベンチャー白書 2018 ベンチャーニュース特別版 ベンチャービジネスに関する年次報告

2018年 12月 13日 第 1刷発行

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