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研究開発型ベンチャー支援事業 VC等連携によるベンチャー事業化支援事業) 説明資料 平成27年6月 経済産業省 産業技術環境局 技術振興・大学連携推進課
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研究開発型ベンチャー支援事業 · 2019-05-08 ·...

Mar 01, 2020

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Page 1: 研究開発型ベンチャー支援事業 · 2019-05-08 · ベンチャー企業の創出・発展のためには、ベンチャー企業に対して、リスクマネーの供給と事業計画への助

研究開発型ベンチャー支援事業 (VC等連携によるベンチャー事業化支援事業)

説明資料

平成27年6月 経済産業省 産業技術環境局 技術振興・大学連携推進課

Page 2: 研究開発型ベンチャー支援事業 · 2019-05-08 · ベンチャー企業の創出・発展のためには、ベンチャー企業に対して、リスクマネーの供給と事業計画への助

○ ベンチャー企業の創出・発展のためには、ベンチャー企業に対して、リスクマネーの供給と事業計画への助言、連携先の紹介などのハンズオン支援を行い成長を加速させるシード・アクセラレーターやベンチャー・キャピタル(VC)の活動が重要であり、ベンチャー企業を自立的に生み出すエコシステム構築のためには不可欠な要素。

○ 我が国においても、IT分野などではシード・アクセラレーターやVCが育ってきているところ。しかしながら、ものづくりなどの研究開発を伴う分野においては、シード・アクセラレーターやVCの活動は未だ不十分。

エコシステムにおけるアクセラレーターやVCの重要性

1

成功ベンチャー

ハンズオン 支援

リスクマネー

VC アクセラレーター

起業家

IPO M&A

(出典)日本ベンチャーエンタープライズセンター 「2014年度ベンチャービジネスに関する年次報告書」

50.6%

19.0%

6.3%

3.0%

1.7% 10.6%

4.1% 4.4% 0.3%

ファンドによるシードステージへの新規投資先(金額)

ITサービス等

ソフトウェア

メディア、娯楽、小売、消費財

金融・不動産、法人向けサービス

半導体、電機一般

バイオ、製薬

医療機器、ヘルスケア

工業、エネルギー、その他産業

通信関連機器 2013年4月~2014年2月 合計金額6,666百万円

21.1%

研究開発型ベンチャー

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○ VC等の活動が限定的な大きな要因としては、研究開発型のベンチャー企業では、技術シーズを事業化するまでに、研究開発などに長い時間と十分な資金が必要であるため、通常のベンチャー企業が直面する事業リスクに加えて、研究開発型ベンチャーは研究開発リスクにも直面していることが挙げられる。 このため、この研究開発リスクを軽減することが研究開発型ベンチャー育成の観点から重要な視点の1つ。

○ 他方、シリコンバレーを中心に、ソフトとハードの融合であるIoT(Internet of Things:モノのインターネット) 分野への関心の高まりを受け、ものづくりなどの分野での活動も盛んになりつつある。

○ 我が国が有するものづくりの技術での高いポテンシャルを活用しつつ、これらの分野で新たな流れを作り出すことが重要。

研究開発型ベンチャーが直面するリスク

研究開発型ベンチャー

モノ

インターネット 収集、活用

ビッグデータ

分析、制御、ノウハウの蓄積

クラウド

IoT概要図

事業リスク 研究開発 リスク

2

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○ 研究開発型ベンチャー分野に関連するプレイヤーを見ると、研究開発活動を行う大学、公的又は企業の研究機関のような科学技術に関連するコミュニティが存在。一方で、市場の観点からシーズを事業化に結びつける活動を行うアクセラレーターやVCなどのようなビジネスに関するコミュニティが存在。

○ 我が国では、通常はこの両コミュニティはそれぞれの領域で活動しているため、両者の連携が進んでいない。

○ NEDOはこれまでは科学技術のコミュニティの中で技術の目利きを行いつつ、技術開発の支援を実施してきたが、今後は科学技術のコミュニティだけではなく、ビジネスのコミュニティのプレイヤーも取り込んで、支援対象の選定からベンチャー企業の支援まで行うことが重要。

科学技術とビジネスのコミュニティの連携の課題

NEDO

科学技術 コミュニティ

ビジネス コミュニティ

大学

企業の研究部門

公的研究機関

VC

アクセラレーター

企業の事業部門

連携を促進

連携不足

3

Page 5: 研究開発型ベンチャー支援事業 · 2019-05-08 · ベンチャー企業の創出・発展のためには、ベンチャー企業に対して、リスクマネーの供給と事業計画への助

前述の課題に関連し、研究開発型ベンチャーを巡る課題として、以下のことが挙げられる。

(1)不足する起業人材

○ 科学技術コミュニティの周辺にベンチャー企業経験者やVC等のベンチャー支援人材が十分に いないことから、研究開発成果を活用し、起業を志す人材が出にくい。 (2)大企業との連携不足 ○ 我が国大企業はベンチャー企業との連携に積極的ではなく、またその連携を促進する人材・組 織も欠けている。 (3)グローバルな事業展開の課題

○ 我が国の多くのベンチャー企業は、まずは国内マーケットに集中し、最初から海外展開との発

想が欠けているところも多い。

その他の研究開発型ベンチャーを巡る課題

4

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○ 本事業では、研究開発型ベンチャー企業等に技術開発支援を行うだけではなく、

(1)(通常ではVC等が出資しにくい)創業初期の研究開発型ベンチャーを支援するアクセラレーターやVCの我が国での活動

の活発化

(2)アクセラレーターやVCが事業化の視点から案件を選定するとともに、VC等もリスクを取ることにより、より効果的にハン

ズオン支援を実施を通じて、より効果的にベンチャー企業の創出を行うとことで、エコシステムの構築を目指すもの。

○ その問題意識で海外の施策を調べると、イスラエルは技術系ベンチャーの振興のため、VCやアクセラレーターと連携した起業支援を実施し、イスラエルにおけるエコシステムの構築に成功をしてきていることから、これを参考にしつつ、NEDOの事業内容を決めたところ。

本事業のコンセプト

5

○ イスラエルでは、技術系ベンチャーの振興のため、インキュベーターを通じた起業支援を実施。事業化に必要な資金の85%を政府が提供(残り15%はインキュベーター等から自ら調達)するスキームによりベンチャー企業を支援。

○ これらの施策の結果、イスラエルに国際的なインキュベーターが進出。イスラエルにおけるベンチャーキャピタルの規模は50倍以上に成長。(1994年2.1億ドル→2010年100億ドル)

○ イスラエル国内に、ベンチャーエコシステムが形成、好循環が生まれている。(例、アップルが買収したPrime Sense(3Dセンサー技術)や、PayPalが買収したFraud Sciences(詐欺防止システム)等最先端のベンチャー企業が創出。)

○ シンガポール等他国でも類似のスキームを実施。

イスラエルのベンチャー企業振興策

予算額:4300万ドル(2012) ベンチャーキャピタルによる投資額(対GDP比)(2010)

00.05

0.10.15

0.20.25

0.30.35

イスラエル(

94年)

イスラエル

米国

カナダ

中国

フィンランド

アイルランド

スウェーデン

フランス

デンマーク

オランダ

英国

ドイツ

日本

ベルギー

オーストリア

ノルウェイ

イタリア

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○ 本スキームでは、まずNEDOがアクセラレーターやVCを認定。その後、認定されたアクセレーターやVCが 支援 (出資)を決めた創業初期のベンチャー企業がNEDOに申請し、支援案件を決定。 ○ 当該案件については、事業費の15%以上をアクセラレーターやVCが出資することを条件に、残りの85%を NEDOが資金的に支援する。ベンチャー企業が 事業に成功した場合は、助成額を上限にNEDOに返還する。 ○ アクセラレーターやVCについては、米国等の海外からの応募も実施し、海外のVC等のグローバルなネット ワーク及び豊富な経験を活かした我が国ベンチャーへのハンズオン支援を期待。また、本事業を経て、事業拡 大等に必要な次のステージの出資等にもつなげることを目指す。

本事業における支援プログラムの概要

NEDO (METI)

アクセラレーターやVC

研究開発型ベンチャー企業 (創業初期)

上限85%の資金提供(助成)

15%以上の資金提供(出資) 認定(※1)

原則、上限金額7千万円(2年間) 実用化開発、事業化調査に係る費用への助成

収益返納

5~10社程度 ※チームでの応募も可

株式

6

※1:審査項目は、支援能力(組織・個人の能力・経験)、事業計画(投資活動とその実現性、エコシステムへ構築への貢献度)、資金調達(出資を行う資金的裏付け)

自己資金、認定VC以外からの資金調達

次のステージの出資へ

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○ 現在の成果目標は、ベンチャーが目指す大きな目標であるエグジットに着目し、 「事業完了から5年後にIPOやM&A等によるエグジット達成率が3割になることを目指す」

と設定中。

(参考:NEDOの中期目標:抜粋)

・実用化促進事業」(実用化・事業化に比較的近い技術の実用化促進を目的とする民間企業等によるテーマ公募型 の技術開発関連事業)については、技術開発成果の達成とともに実用化・事業化を一層重視するとの観点から、事業終了後、3年経過後の時点での実用化達成率を30%以上とすることを目標とし、その達成状況を評価する。

○ それ以外に考え得る成果目標としては、

・エグジットに至るまでの中間段階を評価する観点から、

「NEDO支援ベンチャー企業が、次のステージの資金調達に成功する割合」

・エコシステムを評価する観点から

「NEDO事業前後で認定VC等が増加させた投資額」 等

本スキームの成果目標

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エンジェル税制

運用改善

申請手続の負担軽減・PR強化による投資促進(H25年度)

経過年数

企業価値

上場 M&A

Early Stage Seed Stage

Expansion Stage Later Stage 製品/サービスの

試作・市場導入。

ビジネスシーズの発掘。製品開発。

製品/サービスの量産化。

IPO,M&A等の検討

VC・ 事業会社等

エンジェル

(個人投資家)

ベンチャー投資促進税制(H26年度改正) 民間企業等の資金を活用したベンチャー投資促進

創業融資・保証 創業補助金等

起業支援ファンド (中小機構)

産業革新機構出資

シーズの 事業化支援

研究開発型ベンチャー育成に係る政策での位置づけ

研究開発型ベンチャー支援事業

NEDOと産業革新機構との連携(本年2月) :本年2月、NEDOと産業革新機構と新産業の創出に向けた相互協力協定を締結。

○「オープンイノベーション協議会」や「ベンチャー創造協議会」におる大企業のオープンイノベーションの 促進やベンチャー企業と大企業との連携促進 ○表彰制度の創設など国民意識の改革と起業家教育 ○政府調達での参入の促進等支援環境の整備

その他の施策の例

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(参考資料)

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研究開発型ベンチャー支援事業(VC等連携によるベンチャー事業化支援事業) 平成26年度補正予算額 17.5億円

事業の内容 事業イメージ

事業目的・概要 我が国では、多くの技術シーズが存在しているものの、研究開発型の中小・ベンチャー企業等の創出・発展が不十分な状態となっています。

本事業では、このような状態を解決するため、海外からのVC等の誘致や日本のVC等の育成に係る施策とともに、研究開発型ベンチャーへの支援の施策を組み合わせることにより、我が国にベンチャー・エコシステムの構築を図ります。

具体的には、NEDOが研究開発型ベンチャーを支援するVC等を認定し、認定したVC等から出資を受けるベンチャー企業等に対して、NEDOが実用化開発、事業プラン作成、市場調査等の事業化に係る費用などを支援します。また、併せてオープンイノベーションの促進を図ります。

条件(対象者、対象行為、補助率等)

交付金 民間企業等 NEDO 国

助成等

NEDO ベンチャー 企業

インキュベーター、 VC等

85%の資金提供

収益納付

認定

15%の 資金提供

株式

成果目標 事業完了から5年後にIPOやM&A等によるエグジット達成率が3割になることを目指します。

① NEDOが創業期の研究開発型ベンチャーを支援する国内外の VC、シード・アクセラレーター等を公募、認定。 ② ①で認定したVC等より出資を受けるベンチャー企業の中から 選定された企業にする以下の支援を実施。 ・実用化開発、事業プラン作成、市場調査、試作品 設計・制作等の事業化に係る費用への助成 (助成上限:7000万円以内、事業費全体の85%) ・専門家による助言 ・提携先や投資家等とのマッチング 等

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本事業におけるスケジュール

○2つのプロセスに分かれて公募を実施。 (プロセスⅠ)NEDOは、ベンチャー企業を支援するVC等を公募により募集し、審査を経て認定VC等を決定。 (プロセスⅡ)NEDOは、認定VCから出資の意向(出資意向確認書を発行)を得た研究開発型ベンチャー企業を公 募により募集し、審査を経て助成先ベンチャー企業の選定・交付決定。

スケジュー

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月~

プロセスⅠ

認定 VC の

公募

プロセスⅡ

スタートアップ

の公募

(予定)

①募集 審査 ②認定

③公募 審査 必要に応じ、追加公募 審査 必要に応じ、追加公募

①公募

③公募 予告 ④採択/ 交付決定

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起業家

大学・研究機関

大企業

成功ベンチャー

VC

エンジェル

一定以上のリターン

十分な出資・ 経営支援

スピンアウト・ スピンオフ

大学発

多数の第2、第3の起業

創業利益で エンジェルに 初期段階の資金面・事

業面の支援

多数のモデルケース (高い社会認知度)

目指すべきベンチャー・エコシステム

多数の起業

多数の成功事例

起業家

大学・研究機関

大企業

成功ベンチャー

VC

エンジェル

不十分なリターン

不十分な出資・ 経営支援

スピンアウト・ スピンオフ

大学発

ごく少数の第2、第3の起業

極めて限定的な エンジェル 極めて限定的な支援

現在の我が国におけるベンチャーを巡る環境

数少ない起業

少ない成功事例

技術の側面も含めた目利き能力 不十分な目利き能力

少ないモデルケース (低い社会認知度)

我が国のベンチャーを取り巻くエコシステムの現状と目指すべき方向性

12

○ ベンチャーエコシステムとは、ベンチャー企業が自然と生まれる「生態系」のこと。 ○ 具体的には、VC等がベンチャー企業に出資し、その利益がVC等に返るとともに、成功した起業家が第二、第

三の起業やエンジェル等として次のベンチャーの創出に支援するなど、ヒトとカネの好循環な流れができている状況。

○ 我が国ではこのようなシステムが未発達。今後、エコシステムの中核となるVCの誘致・育成するとともに、研究開発型ベンチャーへの支援により成功事例を蓄積することにより、我が国のエコシステムの構築を目指す。

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・ 一定程度以上の市場規模を見込む必要があり、市場が小さい(成熟していない)場合には製品開発を断念。

・ 新市場では、市場投入スピードが重要であるものの、意思決定に時間を要する。

・ 技術開発から製品販売まで一貫した体制を構築する傾向があり、非効率。

既存の大市場 既存の顧客

研究開発型ベンチャー企業

新規な市場 新しい顧客

新しい市場に製品を供給 迅速かつ効率的な開発

大企業

既存市場に製品を供給 自前主義等、閉じた開発

○ 近年、これまで以上にグローバリゼーション、イノベーションサイクルの短縮化が進んでおり、我が国が得意

としてきたキャッチアップモデルを変革し、持続的に新ビジネスを創出していくことが重要。

○ しかしながら、大企業では、経営的に正しい戦略(既存顧客のサティスファクション重視)により、プロセス改

良などの「持続的イノベーション」が中心となり、「破壊的イノベーション」は構造的に創出されにくい(いわゆる 「イノベーションのジレンマ」)。

○ 他方、研究開発型ベンチャー企業では、機動性に富み積極的に挑戦でき、新しい技術やノウハウを活用し

たプロダクトやサービスを創出できるため、イノベーションの担い手として期待できる。

破壊的 イノベーション

・ ターゲット市場を機動的に選択でき、潜在的な(未成熟な)市場をターゲットとした製品開発が可能。

・ 意思決定者が明確であり、意思決定が極めて迅速。

・ リソースに限界があることも多く、他者との連携等を活用した事業展開を行うため、効率的。

研究開発型ベンチャーはイノベーションの担い手

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研究開発型ベンチャーの課題(1) ~不足する起業人材~

出典:中小企業庁『中小企業白書(2011年版)』

○米国や英国と比べて、我が国では起業に挑戦する人材が絶対的に少なく、開業率は低い水準に留まっている。 人材の流動性も低く、優秀な人材が大企業に集中。 ○特に、研究開発型ベンチャーでは、技術を理解した上で、ビジネスモデルを描き、事業化に持っていく人材が不 足しており、開業率、IPO数は他業種と比べて低調。

49.7%

18.5%

4.8%

31.5%

4.9% 20.4% 14.0%

14.8% 2.2%

5.6% 24.5% 9.3%

東証第一部・第二部上場企業

(2012年9月現在)

2013年新規公開企業

その他

不動産業

小売・卸売業

情報・通信業

サービス業

製造業

上場済み会社及び新規上場会社の業種別内訳

東京証券取引所公表資料及びKPMGジャパン公表資料より経済産業省作成

14

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研究開発型ベンチャーの課題(2) ~大企業との連携不足~

○国際競争の激化の中、世界的にオープンイノベーションの取り組みが重要となってきているが、我が国企業の多くはオープンイノベーションの取り組みに遅れている。

○このため、我が国企業は、新事業創出のためにベンチャー企業との提携等に関心がない企業が多く、企業の研究開発は、自社単独開発の割合が高い。

○米国と比較して我が国では大企業のM&AよりもIPOを目指す傾向が高い。

ベンチャー企業との連携や外部資源を活用したコーポレートベンチャリングへの関心

15 出所:経済産業省 平成22年度新規事業創出に関する調査報告書

出典:一般財団法人ベンチャーエンタープライズセンター「ベンチャー白書 2014」

米国ベンチャーのEXIT割合の推移

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○多くの研究開発ベンチャーにとって、顧客の発掘・特定、販路開拓が大きな課題。また、海外展開 に積極的なベンチャー企業は多くはない(海外展開済みのベンチャーは1/3程度) 。

研究開発型ベンチャーの課題(3) ~グローバルな事業展開の課題~

0件

20件

40件

60件

80件

100件

120件

140件

160件

1.顧客候補先の紹介

2.業務提携先の紹介

3.営業販売人材の紹介

4.技術提携先の紹介

5.マーケティングプランへの助言

6.ビジネスプランの助言

7.研究開発人材の紹介

8.他の資金調達先(VC、銀行等)の紹介

9.技術の応用や活用についての助言

10.事業のパフォーマンスの管理や助言

11.知財戦略の専門家の紹介

12.経営人材の紹介

13.資本政策・財務管理の助言

14.新たな増資に向けた助言

15.経営幹部(取締役等)の派遣

16.

M&Aに関する助言

17.

IPO(新規株式公開)に関する助言

18.その他

有効だったもの

受けられれば有効だったと考えられるもの

資金調達先が行う経営面に関する支援で有効だったものと、 受けられれば有効だったと考えるもの(民間からの支援も含む)

研究内容や資金面での支援以上に加えて、顧客や業務提携先の紹介などの「研究自体ではない要素」特に「人材・ノウハウ面」に対し、一層の支援の充実を求める傾向が強い。

出所:平成23年度経済産業省調査(委託先:東京商工リサーチ)

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○「日本再興戦略」改訂2014(平成26年6月24日閣議決定) 1.日本の「稼ぐ力」を取り戻す (3)企業が変わる (産業の新陳代謝とベンチャーの加速化) 新陳代謝を促進し、収益性・生産性の高い分野に投資や雇用をシフトさせていくためには、既存の企業に変革を迫るだけでは不十分であり、ベンチャーが次々と生まれ、成長分野を牽引していく環境を整えられるかどうかが非常に重要である。起業・創業にとどまらず、大企業からのスピンオフやカーブアウト、M&A の形態を含め、 ベンチャーが活躍するための制度面、人材面、資金面の障害を取り除くための総合的な対策を講ずる。

○「日本再興戦略」(平成25年6月14日閣議決定) 第Ⅱ 3つのアクションプラン 一 日本産業再興プラン 1.緊急構造改革プログラム(産業の新陳代謝の促進) ③ 内外の資源を最大限に活用したベンチャー投資・再チャレンジ投資の促進 大企業や研究機関に眠る技術、アイディア、資金、人材、地域に眠る事業や資源を最大限に活用し、ベンチャーや新事業を生み出す仕組みを整備する。 3.科学技術イノベーションの推進 民間の積極的な研究開発投資の促進に加え、(大企業の)自前主義から(ベンチャー等を活用した)オープンイノベーションへの展開を加速し、実用化・事業化へとつながる科学技術イノベーションの好循環を生み出す。

研究開発型ベンチャーに関する政府方針等

17

○科学技術イノベーション総合戦略2014 (平成26年6月24日閣議決定) 3. 重点的取組 (2)イノベーションシステムを駆動する ②「橋渡し」を担う公的研究機関等における機能の強化 NEDOにおいて、中小・中堅・ベンチャー企業、に対し技術面・事業面一体支援を行う体制について外部機関とも連携・活用しつつ強化する(後略)。 (3)イノベーションを結実させる ①新規事業に取り組む企業の活性化 研究開発成果の社会実装には、新規事業に挑戦する民間企業、特にイノベーションシーズを産み育てる研究開発型の中小・中堅・ベンチャー企業(以下、本節において「ベンチャー企業等」という。)の果たす役割が重要である。 <主な関連施策> ・ベンチャー企業等のニーズに合わせた技術開発支援等や研究開発型ベンチャーの創出支援の推進(ベンチャーキャピタリストや、ベンチャー企業を指導・支援する専門家等を国の施策に取り込んで、その目利き機能や経営・事業化等のノウハウを活用する新たな方式の推進等)

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○ NEDOは過去10年以上にわたり、ベンチャー企業等の実用化開発を支援。

NEDOの実用化助成事業に係る実績、成功事例

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スペクトロニクス株式会社

○難加工・先端材料加工用ピコ秒パルスレーザの実用化開発

・従来のレーザ技術では困難だった約50ピコ秒のパルス幅を発生させ、熱影響やバリを劇的に低減した高速で高品位な加工が可能に。

・装置メーカーや材料メーカーから、複数の引き合いがきているところ。

スパイバー株式会社

・次世代素材“フィブロイン”(クモの糸の主成分)を基とする「QMONOS」の量産技術及び実用化技術の確立に向けて取り組み中。

•自動車向け部品メーカーとの協力により、製品等の試作評価と、フィブロインの分子設計へのフィードバックを一貫実施。

○超高機能フィブロインファイバーの実用化開発

CYBERDYNE株式会社

○介護用ロボットスーツの開発

・人の高い判断力を最大限発揮させるHAL®の技術は、介護支援等の幅広い分野への展開が期待される。 ・2014年3月、東証マザーズに株式上場。

・脳からの生体電位信号を皮膚表面で検出して、装着者の動作意思通りに動作することで、上肢から下肢まで全身の身体機能を拡張するロボット。

『© Spiber Inc.』

『Prof. Sankai University of Tsukuba / CYBERDYNE Inc. 』