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  • 平成20年度 トピックス

    イ トリウム添加チタン酸バリウム基セラミ クの微細組織

    超微細リソグラフィー・ナノ計測拠点 東京大学

    Nano Lithography Analysis

    計測・分析領域における支援成果

    イットリウム添加チタン酸バリウム基セラミックの微細組織

    TDK株式会社

    村川 喜堂, 中野 幸恵

    【研究目的】

    近年の著しい電子部品の小型化への進展により、電子セラミック材料における微細構造制御

    の必要性は日々増大し続けている。特に粒成長をナノオーダーで抑制する技術は今後更なる

    小スケール化を実現していく上で必要不可欠である。ところが、複数の添加元素を用いる工業

    的に実用化されているセラミック材料においては、粒成長抑制のメカニズムは必ずしも十分に明

    らかにされていない。そこで、粒成長抑制のメカニズムについて明らかにする目的で、まず、簡

    単な組成でのモデル実験を行った単な組成でのモデル実験を行った。

    【成 果】Fig.1、Fig.2はサンプル番号(1)希土類元素であるY(イットリウム)を微量添加したチタン酸バ

    リウムの焼結体および(2)希土類元素であるY(イットリウム)を微量添加したチタン酸バリウムにさらに約1000分の1モルだけチタン過剰となるようチタンを単独添加し調整して得たチタン酸バリウムの焼結体 に対応するTEM像である。それぞれ焼結後の粒子及び粒界について倍率20000倍で得られたTEM明視野像である Fi 1では粒界の形状は直線的かやや丸みを帯びた20000倍で得られたTEM明視野像である。Fig.1では粒界の形状は直線的かやや丸みを帯びた通常の結晶表面(ファセットしていない)が認められる。これに対して、Fig.2においては粒界の形状が明らかに階段状の構造(ステップテラス構造)をもつことから特定の結晶成長面が存在している(ファセットしている)ことが見出された。すなわち、Tiを添加することにより結晶粒界がファセット化したものと考えられる。

    これらの観察事実から、粒成長抑制の機構としては少なくとも次の2タイプは存在すると推察される。まずは、経験的に広く知られているサンプル(1)のように希土類元素のようなドーパントを微量添加することにより得られる拡散制御による機構であり、そして、今回実験的確認された(2)のように結晶成長面をもつことが成長の律速となる機構である。また、チタン過剰であれば、ドーパントを添加した場合であっても、結晶成長面をもつことで(ファセットすることで)より効果的に粒成長を抑制しうることも確認された。

    Fig. 2. TEM photographs for Y added Ti-excess BaTiO3specimens fired at 1240℃ for 2h

    Fig. 1. TEM photographs for Y added BaTiO3specimens fired at 1240℃ for 2h


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