エコキュート 風呂用リモコンの修理 2016.4.10 津金 一彦
約10年半用いてきた我が家のエコキュート
ですが故障しました。ずっと故障が無くて良か
ったのですがここに来て浴室用リモコンが全く
光らなくなりました。
エコキュートには勝手用リモコンと浴室用リ
モコンの二種類があり、どちらからでも操作が
できます。
浴室用リモコンには追い炊き機能や給湯温度
設定部がありますので、故障した場合はそれが
制御できなくなります。
1日でもこのままにしておくわけにはいかな
いので業者の方に来てもらうことにしました。
1.症状 風呂用のリモコンが全く光らなくなった。
勝手のリモコンは正常に動いている。
前兆現象 風呂場と勝手との通話が歪む
勝手用のリモコンのみだと、自動湯はりはでき
る。シャワーも温度設定ができる。しかし、追い
焚き、湯を足すこと、湯温調節などができないの
で、このままではやっていけない。
2.販売店に連絡
T社の方は石油給湯器からエコキュートに変更した時と同じ奥原さんでした。
先ず、本体をリセットして様子を見ました。ガス給湯器のリモコンの配線(青色)を使っていたことも思い出されていました。凄い記憶力
次に風呂場のリモコンを外し(コーキングを除去)電圧が来ているか調べ11.8Vあることを確認されました。
リモコンが壊れているので取り換えのようです。
風呂用のリモコンは20000円程度ですが、7年以上経過しているので同型のリモコンはないようです。
同じ機能のリモコンで代用する場合は、勝手用のリモコンも取り換える必要があるとのことです。そこに出張料など入れると・・・・。
エコキュート自体を新品にするとどれ位ですか?70M円
3.どうしようかな? ・新品にするにしても資金がないし、このまま風呂用リモコンをなくして勝手から操作すると追いだきの機能が使えないし、困ったな。
4.ちょっと研究してみていいですか? ・取り外していただいた物のネジを外すと基盤が見えてきました。 ・だめもとで修理に挑戦しよう。 ・結果が良かったので記事にしました。 ・まさに、問題解決学習
取り外したリモコンです。液晶表示器(LCD)やLED表
示器でなく、一昔前の冷陰極蛍光ランプでした。
電源はPanasonicの006P型 積層電池にしよう。これなら
9Vだから、12Vの電源の代用になるだろう。テスターで電
圧を測ってみよう。8.8Vですね。OK
電源はプラスマイナスがあり、普通は赤と黒で区別するのだが、これは両方白です。信号はどうやって送っているのだろうか? プラスマイナス逆につないでも大丈夫なのだろうか?
コネクターが原因かもしれないので、電池を接続した状態で、この電圧を測ってみよう。8.8Vでて
いる。コネクターは問題ない。赤色の矢印はコネクタの端子部分です。
この500mAと書いてあるのは何ですか?チップ型のFUSE? FUSEと基盤に書いてあるのでFUSEに決ま
ってる。両端の電圧測ってみましょう。8.8Vです。良し。 いや、良くないのです・・・これだ。
FUSEが切断していない場合はFUSEの抵抗はほぼ0オームですので、不可に電源電圧のすべてがかかることになります。
FUSEが切断した状態だと、電源の電圧はすべてFUSEの両端にかかります。
今回の故障そのものです。
FUSEが切断した場合にやってはいけないことは、すぐにそれを取り換えて治ったと思うことです。
今回の場合はどうでしょう。はじめに音声がひずんでいましたので、これはFUSEが切れかか
ったために、抵抗が大きくなり、音を出すために電流を取ろうとするとFUSEの抵抗の為に電
源の電圧がFUSE部分でドロップする。そのために音がひずむと考えられます。
原因がFUSEそのものですので、取り換えてもよいでしょう。
ピンセットを用いてFUSEの両端をショートさせてみる。これでよいはずです。
006P電池を用いて、風呂用リモコンの電源にしてみました。 006P積層型電池は電流は単一型や単二型ほど電流は取れませんが、9Vの電圧が1本で取り出せる良い面を利用しました。 これで、FUSEの両端をピンセットでショートします。
この様に正常に動き始めました。時間は点滅しました。本来は12V必
要なところを9Vしかかけていませんのでやや光り方が暗く感じまし
た。内部のマイコンは正常動作していることがこれで分かりました。
マイコンは昔の物は5Vで動作しましたが、今の物は3.3Vです。更
に低い1V台で動作するものもあります。
取り換えるチップFUSEの寸法を測定してみます。横6.0mm、縦2.5mmといったところです。 チップを取り換えるにははんだごてで加熱してはんだを溶かし一気に抜きます。新品は基板に少しはんだを盛っておいて、チップの金属部を加熱していきます。
チップFUSEを新しいものに変えました。端子はゴールドで少し高級感が漂います。
これが取り換えたチップFUSEです。寸法も同じでした。プリント基板より外すのは難しかった。
<END>
◆課題として残ったこと ① 電源は+-がない白線本であるがどのような回路でできているのか調べたい。 <予想> どうも電源付近の4本のダイオードが関連していそうである。 ダイオードはショットキーバリヤダイオード(SBD) らしい。 写真のD5やD6それから下の2個のダイオード 極性を示す▼印もある。 ② 信号を電源線に載せていることは確実だがどんな 方法を用いているのか。 <調べたいこと> シンクロを用いて信号線の交流信号 を検出してみたい。 ◆残念ながら T社の奥原さんが私のいない時に来られて、修理した基盤を 取り付けていかれました。コーキングで防湿処理されました。 修理代はかかりませんでした。