Ettan DIGEタンパク質発現差異解析システム
蛍光標識二次元ディファレンスゲル電気泳動
71-2432-02
● 2
タンパク質発現差異解析システム
Ettan DIGE
Fluorescence 2D Difference Gel Electrophoresis(2D DIGE)技術の概要
Ettan DIGEとは蛍光標識二次元ディファレンスゲル電気泳動(2D DIGE)を使った
タンパク質発現差異解析システムの製品名称です。
Ettan DIGEの開発の歴史は弊社の成り立ちの歴史そのものです。
Amershamの蛍光色素 CyDyeと Pharmacia Biotechの電気泳動システムが、
2社の合併により融合しタンパク質発現差異の定量的な解析を可能とする、
革新的なテクノロジーの開発をもたらしました。
Ettan DIGEパッケージでは特殊デザインの専用蛍光試薬、Co-Detection機能を
装備した専用解析ソフトウェア、2D DIGEに対応するようアップグレードされた
蛍光イメージャー、至適化された実験プロトコールがセットとなり
高精度の解析をサポートするツールとして提供しております。
2001年末の製品化以後、多くの研究者の皆様からご支持をいただき、
今日では一般の解析手法として 2D DIGEテクノロジーが認知されるに至りました。
2D DIGEは現在、バイオマーカータンパク質の探索、病態解析、
タンパク質製剤の品質管理など幅広い用途にご使用いただいており、
Ettan DIGEを用いた関連文献数は 600報*を超えております。
更に 2005年に発売したパーソナルモデル Ettan DIGE Primoの登場で、
より身近な解析ツールとしてお使いいただくことが可能となりました。
皆様の研究を加速させる強力なツールとして、Ettan DIGEをご活用ください。
*2006年12月現在。
ゲル内同時スポット検出(Co-detection)
ゲル間のスポットマッチングは内部標準画像同士だけでOK!
コントロールサンプル
標識サンプルを混合して泳動
スポットの3D表示
処理サンプル
内部標準
Cy3標識
Cy5標識
Cy2/Cy3/Cy5同時検出&標準化
Cy2標識
Ettan DIGE
i 一般の二次元電気泳動
ii
3 ●
サンプル間でのスポットの量変動が一目瞭然
従来の二次元電気泳動で 2種類のサンプルの発現解析を行う場合、2枚のゲルで個別に泳動後、それぞれのゲル画像を比較解析します。泳動の差異・ゲルの歪みなどゲル間で異なるさまざまな実験誤差の影響を受けるため、再現
性の高いスポットの同定・量変動の比較が困難です。
一方、Ettan DIGEでは 2種類のサンプルをあらかじめ異なる蛍光色素で標識し、同一ゲル上で泳動するので泳動の誤差は生じません。また、ガラス板に挟んだままゲルをスキャンすることが可能なので染色などによるゲルの歪み
の影響を受けません。同じタンパク質のスポットは同じ位置に現れ、多重検出によりスポットの量変動は一目瞭然
です。
ゲル:1 ゲル:2Sample 1: マウス胎仔由来細胞、BALB/c 3T3 A31-l-1, DMSO15分処理
Sample 2: マウス胎仔由来細胞、BALB/c 3T3 A31-l-1, PMA15分処理
画像 1DMSO15分処理、Cy3標識
画像2
PMA15分処理、Cy5標識 赤: PMA処理で増加したスポット緑: PMA処理で減少したスポット黄: ほとんど変化を示さないスポット
スポットの色の変化を数値化・比較解析し
高精度な発現解析を行います。
Ettan DIGEの
3つの利点
❶ サンプル間でのスポットの量変動が一目瞭然 ❷ Co-Detection機能により最大 3サンプルのスポットを同時検出 ❸ 内部標準の使用により多サンプル解析でも高い定量性・再現性を実現
利点
1
どのスポットが
変化しているか
分かりますか?
1枚のゲル
DIGEなら一目瞭然 !DIGEなら一目瞭然 !
i
ii
i 一般の二次元電気泳動ソフトウェアによるスポット検出
ii Co-Detection可能なEttan DIGE解析ソフトウェアによるスポット検出
● 4
一般の二次元電気泳動解析ソフトウェアではスポットマッチングが必要ですが、Ettan DIGEシステムのソフトウェアなら Co-Detection機能により最大 3サンプルのゲルイメージからスポットを同時検出するため、同一ゲルのイメージ間のマッチングが必要ありません。このため比較対象が見つからないスポットが生じたり、異なるスポット
を同一スポットとして誤認識するリスクが低減します。
スポット認識(枠線;赤)がサンプル間で異なる
解析法によって定量性がどのぐらい異なる
かを検証するため、同一サンプルの泳動・
解析を 3通りの方法で行いました(下表参照)。
A. 2D DIGE法と一般の二次元電気泳動法 (銀染色)の比較 =①と③の比較
全スポット中、定量誤差が 1.3倍以内に収
まったスポットの割合は、①では 95%、③では 37%でした。Ettan DIGEシステムによる解析結果は、圧倒的に定量性が優れ
ていることがわかります。
B. 専用解析ソフトウェアと市販ソフトウェアの比較 =①と②の比較
②の解析で定量誤差が 1.3倍以内に収まったスポットの割合は、①の場合よりも低いこ
とがわかりました。同じ2D DIGE法であっても使用する解析ソフトウェアによって異な
る結果が得られること、また専用解析ソフ
トウェアが 2D DIGEの定量性を十分に発揮できる仕様になっていることが示されま
した。
Perc
enta
ge w
ithin
1 1.2 1.3 1.4 1.6 1.8 2
実験③
実験①
実験②
①2D DIGE/DeCyder②2D DIGE/市販ソフトウェア③銀染色/市販ソフトウェア
同一スポットのボリューム比(X-fold)
0102030405060708090
100
95%以上
37%
問 題 点 ・ スポットの誤認識 ・ 特定のサンプルのみで発現しているタンパク質については比較解析できない ・ アベレージゲルを作成し比較解析する場合、アベレージゲル作成時の誤差が解析結果の誤差として影響する
ConA精製サンプル LCA精製サンプル
スポット認識(枠線)がサンプル間で同じ
ConA精製サンプル LCA精製サンプル
Co-Detection機能により最大 3サンプルのスポットを同時検出利点
2
“ 全タンパク質スポットの 95%にあたるスポットのボリュームが 1.3倍以内の誤差に収まります”
Ettan DIGE の優れた定量性 【スポットボリューム誤差の比較】
実験① 実験② 実験③
標識 /染色 Cy3/Cy5(2D DIGE)
Cy3/Cy5(2D DIGE)
銀染色
ソフトウェア DeCyder 市販ソフトウェア
市販ソフトウェア
ゲル枚数 1枚 1枚 2枚
解析時間 10~60分 1日 2日
サンプル 1
サンプル 3
サンプル 2
サンプル 4
内部標準
内部標準
①
②
②
②
①
発現プロファイル
(添加量曲線)
5 ●
内部標準を使用することで多数枚ゲルの解析においても実験誤差を補正し、ゲル間のマッチングを正確に行うこと
が可能となり高い定量性を実現します。下図は 4種のタンパク質をそれぞれ 8通りの添加量に調製して大腸菌サンプルに加え、複数枚のゲルで泳動・解析した添加回収試験(スパイクテスト)の結果です(n=3)。内部標準を使用し 2D DIGE解析を行った場合、タンパク質の添加量曲線に近似した結果を得ることができました(カラム 2)。また、一般の二次元電気泳動に比べ半分のゲル枚数(12枚)で実験を完了しました。
比較するサンプルを等量ず
つ混合したものです。左の例
では4サンプルの比較を行っているので、これらの4サンプルを等量ずつ混合したもの
が内部標準となります。
Ettan DIGE実験モデル
ライゼートに4種類のタンパク質を添加し、pH3-10 NL Immobiline DryStripと SDS-PAGEゲルを用いて解析しました。ゲルイメージ上の
ボックスは1-way ANOVA p<0.05であり、全ゲルイメージの75%で確認されたスポットを示しています。 カラム1は添加量曲線を示します。内部標準を使用した場合に(カラム2)、DeCyder 2D Software*
は添加量毎に予測される発現を正確に検出しました。カラム3に示す一般の二次元電気泳動法では、全ての発現プロファイルを正確に検出できませんでした。
* 2D DIGE専用画像解析ソフトウェアです。詳細は12ページ参照。
内部標準の使用により多サンプル解析でも高い定量性・再現性を実現利点
3
タンパク質
①
②
③
④
Box, spot no.250-BSA
Box2, spot no.167-Conalbumin
Box3, spot no.687-GAPDH
Box4, spot no.721-Trypsoninhibitor
内部標準 とは?
Ettan DIGEでは、まず、ゲル内で内部標準と解析したいサンプルのスポットを対応付けます(図中①)。ゲル
間のサンプル比較は、それぞれのゲルに存在する内部
標準の相対量比を比較するため(図中②)、ゲル間のば
らつきを排除したタンパク質の発現量差異の比較が可
能です。内部標準の使用によりゲル間のスポットマッチ
ングが容易、正確になります。
サンプル1 サンプル2 サンプル3 サンプル4
内部標準
2D DIGEによるタンパク質 プロファイル
(内部標準使用)
一般の二次元電気泳動法に
よるタンパク質プロファイル
カラム1 カラム2 カラム3
システム名 パーソナルモデル 汎用モデル ハイエンドモデル
Ettan DIGE Primo Ettan DIGE Lite Ettan DIGE基本パッケージ特 徴 ● 目的に特化したリーズナブルシステム
● 蛍光ゲルからの正確なマニュアルピッキングを支援するプリンターシステムを装備
● 共通機器に最適なシステム
● 2D DIGEに特化した解析ソフトを標準装備
● 2D DIGEに特化した解析ソフトを標準装備
● 457 nmレーザーを搭載したイメージャーに より化学蛍光の高感度検出にも対応
● 二次元泳動機器、試薬を標準装備
解析ソフトウェア
ImageMaster DIGE Software DeCyder 2D Software ※ EDAモジュール(オプション)を追加搭載可能
イメージャー
Ettan DIGE Imager Typhoon Trio Typhoon 9400
専用蛍光試薬 CyDye DIGE Fluors
● 6
A complete system for protein difference analysis
Typhoonや ImageMaster 2D Platinumをすでにお持ちの場合、
アップグレードシステムで Ettan DIGEが実現■ Typhoon Trio/9400 + ImageMaster 2D Platinumをお持ちの場合:
ImageMaster DIGE module+アクセサリー 3,030,000円~■ Typhoon Trio/9400をお持ちの場合:
ImageMaster DIGE Software+アクセサリー 3,580,000円~■ ImageMaster 2D Platinumをお持ちの場合:
ImageMaster DIGE module + Ettan DIGE Imager 9,400,000円~※ アップグレードシステムに解析用PCセットは含まれません。また、お手持ちの製品のバージョンによってはバージョンアップやPCの買換えが必要となる場合がございます。※ DeCyder 2Dへのアップグレードにつきましてはバイオダイレクトラインまでお問合せください。
Ettan DIGE システム構成
( p.12-13 )
( p.10-11 )( p.10-11 )
( p.7 )
( p.8-9 )
( p.12-13 )
7 ●
The standard 2D set for 2D DIGE analysis2D DIGE解析用 標準二次元電気泳動システム
一次元目専用等電点電気泳動装置
Ettan IPGphor 3 Isoelectric Forcusing Unit● 最大 10,000 Vの高電圧出力で迅速な泳動を実現● 膨潤から泳動までを自動化● 最大 12本泳動可能な多検体処理● 多機能ソフトウェアが付属* 1
Ettan IPGphor 3は固定化pH勾配技術によって高分離能と高い再現性を実現するImmobiline DryStripに最適の泳動装置です。等電点電気泳動に必須の優れた温度コントロールと高電圧パワーサプライを内蔵し、高速電
気泳動および高い再現性を実現します。
*1 プログラミング、コントロール、モニタリングが可能な専用ソフトウェアです。別途コンピューターをご用意ください。
DIGEapproved
一次元目電気泳動用プレキャストゲル
Immobiline DryStrip*2
目的に応じた長さ、pHレンジの Immobiline DryStripを選択します。Immobiline DryStripは乾燥状態で供給され、破損や伸縮の心配がありません。
*2 Immobiline DryStripはEttan DIGEシステムには含まれません。
大型ゲル縦型電気泳動装置
Ettan DALTsix Electrophoresis Unit● 24 cm, 18 cm Immobiline DryStripの二次元目展開に最適● 最大 6枚まで同時に泳動
Ettan DALTsix Electrophoresis Unitは大型ゲルを6枚同時に泳動できる装置です。24 cm Immobiline DryStripの二次元目展開に最適で、高解像度・高精度を要求されるこれからの二次元電気泳動解析に必須の1台 です。
※Ettan IPGphor 3およびEttan DALTsixは一部のシステムを除いてオプションです。詳細はバイオダイレクトラインまでお問合せください。
● 8
Sample LabellingEttan DIGE専用蛍光試薬 CyDye DIGE Fluors
Minimal Labelling DyesCyDye DIGE Fluors minimal dyes
● Cy2/Cy3/Cy5の 3種類の蛍光色素が使用可能● リジン残基へ標識(NHS-esterタイプ)● Minimal Labelling 法による標識● 銀染色と同等の感度
Minimal Labelling DyesはEttan DIGEシステムの標準蛍光標識試薬です。Minimal Labelling法ではタンパク質中のリジン残基1つだけに、また全タンパク質の1~2%以下に標識を行います。
Saturation Labelling DyesCyDye DIGE Fluors Labelling Kit For Scarece Samples
● Cy3/Cy5の 2種類の蛍光色素が使用可能● システイン残基へ標識(Maleimideタイプ)● Saturation Labelling 法による標識● 5 µgの微量サンプルから解析可能(銀染色の約 10倍の感度)
Saturation Labelling DyesはEttan DIGEシステムの微量サンプル検出用試薬です。タンパク質中のシステイン残基で標識可能な状態のもの全てに
標識を行います。
Minimal Labelling Dyesによる細胞表面タンパク質の標識
1 2 3 4
細 胞
+ CyDye
細 胞
CyDye
CyDye
CyDye
可溶化 未分画
2D DIGE
1 シャーレ1枚分の細胞を氷冷し、培地の除去後、氷冷したHBSS(ハンクス溶液)pH 8.5で細胞を洗浄します。
2 CyDyeを反応させ、細胞表面タンパク質をラベルします。
3 遠心分離によりHBSSを十分除いた後、2D DIGE用可溶化溶液で細胞を可溶化します。必要に応じて可溶化前に膜タンパク質精製を行い、濃縮します。
4 あとは普通に2D DIGEをするだけ !
◆ 内容の詳細は、 Application Booklet(71-2394-11)または 弊社WEBサイトにて アクセス方法は15ページにてご案内
細胞表面タンパク質─シグナル伝達、環境適応、薬剤処理への応答など多くの生命現象に関与していますが、疎水性であることや、発現量
自体少ないこと、高分子量であるという性質上、二次元電気泳動ゲル上ではしばしば検出が困難といわれていました。最新の研究により無
傷の生細胞の細胞表面タンパク質を選択的に標識する簡便で迅速な方法を開発しました。
Application
Minimal Labelling Dyes(3色)とSaturation Labelling Dyes(2色)の2つのタイプがあります。どちらのタイプも色素間での電荷と分子量を揃えるようデザインされており、標識した色素の違いが電気泳動上の移動度に影響することはありません。
至適化した実験プロトコールとともにご提供します。
9 ●
Saturation Labelling Dyesによる マウス海馬のLaser Capture Micro-Dissection (LCM / LMD) 微量サンプル (5 µg)の検出
Ettan DIGEシステムを用いてレーザーマイクロダイセクション(LCM:Laser Capture Microdissection)により得られた組織切片のように
微量なサンプルのタンパク質発現差異解析を行いました。このような多量に入手することが困難なサンプルには 5 µgのサンプルから標識
可能な Saturation Labelling Dyesが最適です。
タンパク質 ID 機能 変動 T-test
3356 Metabolism 1.31 2.7 × 10-5
2947 Apoptosis-related 1.37 4.5 × 10-8
3504 Oxidative stress 1.26 2.9 × 10-5
3526 Oxidative stress 1.27 1.9 × 10-5
999 Protein metabolism -1.15 5.0 × 10-5
3370 Synaptic activity 1.25 3.9 × 10-4
3804 Synaptic activity 1.16 2.5 × 10-4
1476 Cytoskeletal -1.39 1.6 × 10-5
1492 Cytoskeletal -1.49 4.5 × 10-7
1347 Synaptic activity -1.44 2.7 × 10-4
● 質量分析により同定されたスポット
Ettan DIGEシステム専用ソフトウエアDeCyder 2Dでの解析の結果
p<0.0005において、APPトランスジェニックマウスにて61スポットが10 %以上の増加、67スポットが10 %以下の減少を示す有意差を示しました。これらのスポットをEttan Spot Pickerにて切り出し、トリプシンによる酵素消化後、Ettan MALDI-ToF MSにてPMF(Peptide massfingerprinting)解析によりタンパク質の同定を行いました。
マウス海馬領域のLCM前(A)および後(B)
(A)
4,500~5,000スポット検出
(B)
Application
◆ アプリケーションノート(英文)のダウンロードは弊社WEBサイトにて アクセス方法は15ページにてご案内
Gel番号 Cy3 Cy5
1~9 内部標準(W + T) W
10~18 内部標準(W + T) T
● WとTとの差異を検証するための実験デザインサンプルとしてマウス海馬[野生型:Wおよび APP(Amyloid Precursor
Protein)遺伝子のトランスジェニック:T ]を LCMにより単離し抽出
したタンパク質を使用しました。本技法の特徴を最大限に生かすため、
内部標準サンプル(Wおよび Tの等量混合サンプル)を各ゲルで電気泳
動しました(右表の実験デザインを参照)。
AS LMD(ライカ マイクロシステムズ株式会社)
● 10
View it all from your bench top画像解析装置 ─2D DIGE解析だけでは終わりません ─
バリアブルイメージアナライザー
Typhoon 9400 / Trio ● 可動共焦点レーザー走査方式によるバックグラウンドの少ない検出システム
● 幅広い波長域での蛍光検出● 蛍光・ストレージフォスファ(放射性同位体)・ケミルミネッセンスの 3つのモードによる検出
Typhoonは蛍光検出だけでなく、ケミルミネッセンスやRI(ストレージフォスファスクリーン)の検出までさまざまな用途にご利用いただける画像解析装
置です。標準7枚の光学フィルターや2つのPMTによる自動4色(Typhoon 9400)および3色(Typhoon Trio)蛍光スキャンなどの機能も有します。研究の将来性を考える皆様におすすめの一台です。
※ Ettan DIGE基本パッケージおよびEttan DIGE LiteにはTyphoon 9400およびTyphoon Trioを 2D DIGEに対応させるためのアップグレードキットが含まれます。
蛍フ ル オ ロ
光・ラボイメージャー
Ettan DIGE Imager● パーソナル&コンパクトな蛍光イメージャー● 広い蛍光波長に対応したフィルター設定● 核酸・タンパク質の蛍光ゲル・メンブレンアプリケーションへ幅広く対応
Ettan DIGE Imagerはライフサイエンス研究におけるさまざまなゲル・メンブレンアプリケーションに適した蛍光イメージャーです。リーズナブルでコン
パクトな設計により身近なラボツールとしてお使いいただけます。
Ettan DIGE Imager Typhoon 9400/ Trio
検出モード
蛍光(Cy2/3/5, Deep Purple等) ○ ○
放射線同位体(Phosphor screen) × ○
ケミルミネッセンス × ○
検出サンプル
ゲル ○ ○
メンブレン ○ ○
MTP × ○
マイクロアレイスライド × ○(Trioのみ)
主な仕様
測定方式 CCDライン方式 可動共焦点レーザー走査方式
光源 メタルハライドランプSYAG(532 nm) He-Ne (633 nm)、
Ar (457、488 nm) {9400} または SS (488 nm) {Trio}
画素サイズ(µm) 40、100、200 10(Trioのみ)、25、50、100、200、500、1,000
検出範囲27× 20.5 cm (Ettan DALTゲルおよび SE600ゲル 1枚) 35× 43 cm (Ettan DALTゲル 2枚、SE 600ゲル 4枚)
スキャンスピード 30 min(3 dyes、100 µm) 30 min(3 dyes、100 µm)
● 画像解析装置 選択ガイド
Ettan DIGE Imager Typhoon 9400 / Trio
11 ●
1 ) 2D DIGE専用試薬 Cy2, Cy3, Cy5の 3波長同時検出機能
モデルシステムである安息香酸処理の大腸菌での解析例
コントロールE.coliと20 mM安息香酸(pH 8)で処理したE.coliにおけるタンパク質発現の差異を解析しました。
Typhoon 9400 / TrioEttan DIGE Imager
赤 : Cy3コントロールサンプル緑 : Cy5安息香酸処理サンプル
Typhoon 9400 / TrioTyphoonならアプリケーションが広がります!
ダイレクトケミルミネッセンス
ラット脳懸濁液の tublinをウェスタンブロッティング検出試薬ECL Plus Substrateを用いて検出
ストレージフォスファスクリーン33P標識マクロアレイ用メンブレンの検出例
Ettan DIGE Imager Typhoon 9400 / Trio
Arabidopsis thaliana(シロイナズナ)抽出サンプルにおいて、二次元電気泳動のスポットマップイメージの中から抗リン酸化チロシン抗体PY20により特異的に検出されたタンパク質スポットの同定
リン酸化タンパク質抗体+ECL Plus 総タンパク質Cy5
重ね合わせ
総タンパク質染色と
イムノブロットイメー
ジを同時に検出
2 )ECL Plusのケミフローレッセンス検出で機能解析にも対応
蛍光ゲル・メンブレンのさまざまなアプリケーションに対応
3 )ほかにも多彩なアプリケーションに Ettan DIGE Imager Typhoon 9400 / Trio
エチジウムブロマイド染色による
核酸検出
FAM(緑)、HEX(赤)標識による核酸検出(ゲルシフトアッセイ)
ECL Plex蛍光標識による二次抗体検出
● 12
Image Analysis画像解析ソフトウェア
2D DIGE対応画像解析ソフトウェア
ImageMaster DIGE Software● Co-Detection機能により高精度なスポット検出・マッチングを実現
● 複数ゲルの一括表示、ヒストグラム、3Dビューなど多彩なビジュアル機能
● 画像・レポート・コメントなど複数のデータをまとめて管理可能なオーガナイズ機能
● ImageMaster 2D Platinumからのアップグレードも可能
ImageMaster 2D Platinumに2D DIGE解析機能*を搭載、Single Dyeによる複数ゲル間での比較から2D DIGE解析までの解析に対応しています。今までの二次元電気泳動でのディファレンシャル解析から大きく
前進するEttan DIGE対応ソフトウェアです。
*2D DIGE解析に必須のCo-detectionや内部標準解析機能を搭載しています。
2D DIGE専用画像解析 スタンダードソフトウェア
DeCyder 2D Software● 3サンプル同時スポット検出と自動解析により、手間と時間を大幅削減
● Co-Detection機能によりゲル内スポットマッチングが不要となりエラーを低減
● 統計学的な解析による信頼性の高いデータ● 内部標準の使用によるゲル間マッチングの精度向上● 3群間以上の統計解析に対応
DeCyder 2D Softwareはゲル内スポット検出から統計解析までを自動化、解析の手間と時間を大幅に削減します。複数ゲルの同時閲覧や3Dビュー表示により解析結果の検証も簡単に行うことができます。画像
解析に快適さや処理数・能力を求める方におすすめのソフトウェアです。
統計解析の強力ツール
DeCyder Extended Data Analysis (EDA) moduleDeCyder EDAは2D DIGEにおいてさらに進んだ統計解析を行うための強力なツールです。DeCyder 2Dにより得られたデータから多変量解析やクラスタリング解析を簡単操作で行うことができます。疾患のス
テージや腫瘍のタイプ、サンプル間の差異解析にさらに確かな生物学的
関連性を与えることが可能です。
オプションオプション
階層的クラスター分析
ImageMaster DIGE DeCyder 2D
13 ●
ImageMaster DIGE DeCyder 2D
2D DIGE解析に必須の基本機能
Co-detection機能 ○ ○
内部標準を利用した実験デザイン ○ ○
2群間の有意差検定はStudent's t-testで ○ ○
比較スポットの 3D表示 ○ ○
自動解析およびさらに高度なデータ解析機
全自動解析機能 パラメータの設定で統計解析まで自動解析 × ○
解析結果の自動グラフ作成 &表示機能 × ○
3群間以上の統計解析機能(分散分析 ANOVA) × ○
独立解析(independent)および反復測定解析(paired) × ○
Oracle Databaseを採用したユーザーおよびデータ管理機能 × ○
クラスタリング、PCA、Kmeanなどの多変量解析機能へ対応 × 別途 EDA moduleが必要
DeCyder 2DImageMaster DIGE
DeCyder 2D
● 全自動解析機能パラメータの設定で統計解析まで自動化
● 解析結果の自動グラフ作成 &表示機能● 3群間以上の統計解析機能(分散分析 ANOVA)● Oracle Databaseを採用したユーザーおよびデータ管理機能
● クラスタリング、PCA、Kmeanなどの多変量解析機能へ対応*
*別途EDAモジュールの購入が必要です
グラフ表示機能
2D DIGE解析に必須の基本ツールCo-detection同一ゲルのCy3検出スポットとCy5検出スポットを同じスポット枠で囲うことでゲル内のマッチングは不要 !
❶ Co-detection機能 Co-detection機能により、1枚のゲルで複数サンプルを泳動する2D DIGEの特徴を最大限に生かすことができます。
❷ 内部標準を利用した実験デザイン ゲル間のばらつきを標準化、解析精度を向上します。
❸ 2群間の有意差検定はStudent's t-testで スポット変動の信頼性を評価しながら解析できます。
Cy3 Cy5
● 画像解析ソフトウェア 選択ガイド
DeCyder 2D Softwareなら自動解析とデータ拡張性で快適な画像解析を実現 !
● 14
Q1 Ettan DIGEで使用する CyDye DIGE Fluorはどのようなものですか?
Ettan DIGEシステムの専用蛍光試薬CyDye DIGE Flourに
はMinimal Labelling Dyes(3色)とSaturation Lebelling
Dyes(2色)の2種類があります。どちらのタイプも色素
間の電荷と分子量を揃えるよう特別にデザインされてお
り、標識した色素の違いが電気泳動上の移動度に影響
することはありません。検出感度はMinimal Labelling
Dyesでは銀染色と同等、Saturation Lebelling Dyesで
は銀染色・Minimal Labelling Dyesの約10倍です。
(8ページ参照)
Q2 CyDye DIGE Flourによる標識によってタンパク質の分子量、等電点は変化しない
のですか?
CyDye DIGE Flourのタイプによって影響は異なります。
Minimal Labelling Dyesはアミド架橋反応によりリジン
残基のイプシロン(ε)位のアミノ基に共有結合します。タ
ンパク質1分子あたりCyDyeが1つ付加されるような条
件で標識を行うため、タンパク質の分子量はCyDye色
素1個分(約450 Da)増加します。よって、電気泳動上で
は未標識タンパク質よりわずかに高分子量側に検出され
ます。また、CyDye修飾による等電点の変化は生じませ
ん。Saturation Labelling Dyesは還元されたシステイン
残基(チオール基)と結合します。全てのシステイン残基が
CyDyeで修飾されるため、タンパク質に含まれるシステイ
ン残基の数に応じて分子量の増加量は異なります。した
がって、電気泳動上のスポット位置は標識によって変化し
ます。また、こちらのCyDye修飾においても等電点の変
化は生じません。(質量分析計での同定についてはQ6を
参照)
Q3 Ettan DIGEは内部標準サンプルを設定しないと解析できないのですか?
必ずしも設定する必要はありません。1枚のゲルで2サ
ンプルの比較を繰り返すスクリーニングのような実験系で
は、内部標準を使わなくとも十分に結果を得ることができ
ます。同一サンプルの泳動を繰り返して発現変動の統計
学的検定を行う場合や、多くのグループを対象とする解析
では、内部標準の使用は大きな利点となります。(Q4およ
び5ページ参照)
Q4 2群間の比較だけではなく、3群以上のサンプルの比較・解析も可能ですか?
Ettan DIGEシステムなら可能です(ANOVA解析の場合は
DeCyder 2D Softwareを含むEttan DIGEシステムが必
要です)。通常の二次元電気泳動ではゲル間の泳動誤差
による結果のばらつきが問題となり、多サンプルの高精度
な定量解析は非常に困難とされてきました。Ettan DIGE
システムでのみ可能な内部標準を用いた解析法では、異
なるゲル間においても定量性・再現性が保たれた結果を
得ることができます。これにより、解析対象が多サンプル
に渡っても発現変動を示すスポットを高精度に抽出するこ
とが可能です。また、複数サンプルを1枚のゲルに泳動
できるため、少ないゲル枚数で解析が可能なこともEttan
DIGEの特徴の一つです。
Q5 大規模解析など、一度にサンプルを揃えることができず「サンプルを等量混合し
た内部標準」が作れない場合は 2D DIGE解析ができないのですか?
いいえ、そんなことはありません。
確かに基本的な内部標準とは「解析する全サンプルを等
量混合したもの」ですが、設問のような場合においては通
常とは異なる内部標準を設定することで解析が可能で
す。実験内容・デザインに応じていくつか設定方法があり
ます。詳細はバイオダイレクトライン * までお問合せくだ
さい。
Q6 2D DIGE解析によって検出された興味深いスポットを質量分析計(MS)で同定することは可能ですか?
もちろん同定が可能です。他のタンパク質検出法(例:CBB
染色、銀染色、Deep Purple染色)を組み合せることで、
Ettan DIGE解析を行ったゲルから直接スポットを切り出す
こともできます。ただ、Ettan DIGEを使った発現解析にて
泳動されるサンプルごとのタンパク質量は微量(推奨5~
50 µg)であるため、MS解析によるタンパク質同定に際し
スポットに含まれるタンパク質量が十分でないことが多々
あります。このため、発現解析時よりも多量(500 µg~)
のサンプルを泳動できる「MS解析用ゲル」を作製・お使
いいただくことををおすすめしています。ご使用の標識
試薬ごとに異なるサンプル調製プロトコールをご用意して
おりますので、バイオダイレクトライン* までお問合せくだ
さい。
Q7 Ettan DIGEを使用した論文はありますか?
既に600報以上(2006年12月現在)の論文が報告され
ています。
弊社WEBサイト www.jp.amershambiosciences.com/technologies/ettan_dige/bunken.asp をご覧ください。
Ettan DIGE Q&A Ettan DIGEについて、よくお問合せいただく質問とその回答をご紹介いたします。
* バイオダイレクトライン
TEL : 03-5331-9336 FAX : 03-5331-9370 e-mail : [email protected]
15 ●
CyDye DIGE FluorsEttan DIGEシステム専用蛍光標識試薬
標識方法:タンパク質のリジン残基に標識(Minimal Dye)/システイン残基に標識(Saturation Dye)
分子サイズと電荷を揃えた専用蛍光色素
Ettan IPGphor 3 Isoelectric Forcusing Unit一次元目専用等電点電気泳動装置
最大電圧: 10,000 V DC最大電流: 1.5 mA最大電力: 12 W設定可能温度: 15~35℃サイズ: 250×460×140 mm(W×D×H)重量: 6.8 kg
※ ストリップ長の短いImmobiline DryStripやサンプルの条件によっては最大電圧に達しない場合があります。
Ettan DALTsix Electrophoresis Unit大型ゲル縦型電気泳動装置
最大電圧: 600 V DC最大電流: 400 mA最大電力: 100 W泳動可能ゲル枚数: 6枚バッファー量: 4.5 L(anode buffer)、0.8 L(cathode buffer)循環ポンプ電圧: 100 V、50 / 60 Hzバッファー循環ポンプ流量:10 L/min冷却: セラミックヒートエクスチェンジャー
セラミックヒートエクスチェンジャー耐圧: 82 kPa(12 psi)サイズ: 542×160×403 mm(W×D×H)重量: 12.2 kgバッファー温度: < 40 ℃使用可能環境: 室内(4~40 ℃)、 湿度 < 90 %
※Ettan DIGE基本パッケージ以外のシステムではオプションとなります。
Typhoon 9400 / Trioバリアブルイメージアナライザー
測定方式: 可動共焦点レーザー走査方式
光源: SYAG(532 nm)、He-Ne(633 nm)、 Ar(457、488 nm){9400}またはSS(488 nm) {Trio}画素サイズ: 10(Trioのみ)、25、50、100、200、500、1,000 µm検出範囲: 35×43 cm(SE 600ゲルなら4枚、 Ettan DALTゲルなら2枚を同時検出)ダイナミックレンジ: 5桁読み取り階調数: 65,536階調(16 bit)電源: 115/230 V本体サイズ: 118×78×48 cm(W×D×H)重量: 160 kg
Ettan DIGE Imager蛍フル
光オロ
・ラボイメージャー
測定方式: CCDライン方式光源: メタルハライドランプ (励起フィルターで選択)画素サイズ: 40、100、200 µm検出範囲: 27×20.5 cm(Ettan DALTゲル 1枚)ダイナミックレンジ: 3.5桁読み取り階調数: 65,536階調(16 bit)電源: 115/230 V本体サイズ: 107×77×50 cm(W×D×H)重量: 64 kg
DeCyder 2D Software2D DIGE専用画像解析ソフトウェア
基本解析
DIA(Differential Ingel Analysis)機能ゲル内変動解析
・Cy2、Cy3、Cy5を同時検出
・自動スポット検出、バックグランド補正、定量化、標準化
・ゲル内一次スポットマッチングの自動実施
バッチプロセッサー機能
・最高50ゲルイメージペアの自動処理
BVA生物学的変動解析機能
・ゲル間の自動マッチング
・統計/傾向解析
XML Tool Boxによる簡易解析データ出力機能
スポットピッキングリスト作成機能
ImageMaster DIGE Software2D DIGE対応画像解析ソフトウェア
・Cy2、Cy3、Cy5を同時検出
・バックグラウンド補正、定量化、標準化
・ゲル内スポットマッチングの自動実施
・Student’s t-test(2サンプル間)
・スポットピッキングリスト作成機能
www.gehealthcare.co.jp/lifesciences▼
実験手法別製品・技術情報
▼2D DIGE (蛍光標識二次元発現差異解析)
▼関連印刷物 Application Booklet(PDF: 2.3 MB)
Application Bookletのダウンロード方法
Specifications仕様
www.gehealthcare.co.jp/lifesciences▼
実験手法別製品・技術情報
▼2D DIGE (蛍光標識二次元発現差異解析)
▼アプリケーションノート New Application
Saturation Labelling Dyesを用いた微量組織中のタンパク質発現差異
解析~アルツハイマーラットの海馬 CA1領域の解析~(PDF: 229KB)
アプリケーションノート(英文)のダウンロード方法
www.gehealthcare.co.jp/lifesciences
取扱店
■ Licensing Information■2-D Fluorescence Difference
Gel Electrophoresis (2-D DIGE)
technology is covered by US patent
numbers 6,043,025 and 6,127,134
and equivalent patents and patent
applications in other countries and
exclusively licensed from Carnegie
Mellon University. CyDye: this product
or portions thereof is manufactured
under license from Carnegie Mellon
University under US patent number
5,268,486 and equivalent patents and
patent applications in other countries.
The purchase of CyDye DIGE Fluors
includes a limited license to use the
CyDye Fluors for internal research
and development, but not for any
commercial purposes. A license to
use the CyDye Fluors for commercial
purposes is subject to a separate
license agreement with GE Healthcare.
掲載製品は試験研究用以外には使用しないでください。掲載内容は、予告なく変更される場合がありますのであらかじめご了承ください。掲載されている社名や製品名は、各社の商標または登録商標です。この印刷物は、再生紙を使用し大豆インキにて印刷しています。
07.03.60(SZ)