経済社会の発展を牽引するグローバル人材育成支援
立命館アジア太平洋大学(Ritsumeikan Asia Pacific University)
構想の概要【立命館アジア太平洋大学】
入学前~入学
▷ 異文化・語学学習への動機付け
▷ 入試制度改革による国際・海外・
異文化への志向性が強い志願者
確保
▷ 大学の学修への円滑な転換(初年次教育)
▷ 留学へ向けた多文化・英語等の学習等環境構築
(英語力向上、留学志向コミュニティ、多様な留学先拡充)
▷ 専門とキャリアが連動した教育プログラム構築
(海外インターンシップ・フィールドスタディ、企業連携)
▷ 国内学生⇔企業のつなぎ
(150社のオンキャンパス・リクルーティング)
▷ APU支援ネットワーク活用
(315名のアドバイザリー・コミッティ)
(50名のアカデミック・アドバイザー)
卒業~キャリア形成初年次・学修・留学・専門
ラーニングアセスメント(学習成果の測定)IR(大学教育・運営システム検証)
グローバル人材へと成長するプロセスの可視化・モデル化
中小規模・私立・地方大学社会科学・学士課程
自由・平和・ヒューマニズム
アジア太平洋の未来創造
国際相互理解
国際通用性ある教育
APUの基本理念
マルチカルチュラル・キャンパス
日英二言語教育
APUの特色
グローバル化先行大学に加え、多くの大学に幅広く共有・活用へ
APUの特色・環境を活かした4年間一貫した教育の取り組み
APUネットワーク
国内外グローバル大学企業・APU支援者など
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APUの理念と人材育成目標
自由・平和・ヒューマニズム アジア太平洋の未来創造国際相互理解
APUの基本理念
大学の目的アジア太平洋の未来創造に貢献する有為の人材の養成と新たな学問の創造
APUの人材育成像① 相互理解の立場で様々な国・地域の人々と協力できる国際感覚と国際的視野を身につけた日本人の養成
② 日本の高等教育機関で学び、日本を正しく理解し、国際社会で活躍する 国際学生の養成
③ 日本と諸外国の間の友好信頼関係の構築と各国・地域の将来の社会・ 経済の発展に寄与する人材の養成
特に①と③
「グローバル人材育成推進事業」の目的と合致
キャンパス :世界各国・地域から未来を担う若者が集い、ともに学び、生活し、相互の文化や習慣を理解し合う、知的創造の場
そのための環境として
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APUの主な特色
日英二言語教育(反対言語履修)
マルチカルチュラル・キャンパス(多文化環境)
国際通用性のある教育の制度・環境
「3つの50」 : 83カ国・地域から、国際学生44%、外国籍教員47%
卒業時 : 国際学生(日本語開講科目履修) / 国内学生(英語開講科目履修)
→ 日本・アジア・世界で活躍できるキャリア人材へ
【APUの特色を活かした、教育の質向上=グローバル人材育成の高度化へ】→ APU全体を対象にした取り組み
多文化環境における学びと成長
アジア・世界→日本日本→アジア・世界
国際大学として設計された教育・環境
「Living Learning Community」 : 国際/国内学生が共同生活する1,300室超の教育寮
「多文化環境」 を活かした、 「動機付け」 「学修」 「留学・海外経験」へのつなぎ
入学時 : 国際学生(英語による教育) / 国内学生(日本語による教育)
→ 多文化環境の原点 ( どのような学習履歴の学生も入学しやすい構造 )
教育制度:GPAの活用(奨学金選考、履修登録の優先・・・)、科目ナンバリング、シラバスの多言語化
教育環境:完全セメスター/クォーター、(全学部・研究科)春・秋入学 → 留学し易い柔軟なスケジュール
キャンパス環境:学生・教員対応・会議運営・会議等資料の日英二言語仕様
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主な取り組み【全体像】
【基本的な考え方】 APUの人材育成= グローバル人材育成
APUの特色・環境を活かした、
「全ての学生を対象」 とした 「あらゆる教育活動」 による取り組み
留学(自主コミュニティ形成支援多様な留学先拡充等)
入学
卒業
↓自主学習
授業(特に初年次・FD強化で、全体レベルアップ)
(海外インターンシップ企業連携強化等)
+ APU個別教育課題克服の取り組み
(TOEFL・言語教育体制強化など)
自主学習
グローバル志向性
の高い学生の確保
(入試制度改革
入学前動機付け支援等) APUの多文化環境
取り組みの目的・プロセス・成果とその関係性が明示されるので、各大学の課題・目的に応じたAPUの事例活用が可能
他大学のモデル化へ
ラーニングアセスメント(学習成果の測定) IR(大学教育・運営システム検証)・ 学生の学習⇔学生の学習到達レベルマトリクス形式で示す評価指標 『ルーブリック』を導入
・ グローバル人材の各要素が、各学生のどのような行動や受けた教育・環境で伸張するのか解明
・ IRとは、大学の教育等各種成果・取り巻く環境に関するデータ収集、その加工・分析・解釈の取り組み
・ グローバル人材育成に関わる取り組みの成果を、大学全体、各学部などの組織単位で解明
アメリカの数多く
の大学で活用
授業改善・カリキュラム改革、政策決定・意思決定へ活用(PDCAサイクル)
毎年700~800名の日本人グローバル人材育成
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教育に関する主な取り組み
国際・海外・異文化への志向が強い志願者の確保
・ 英語を重視した入試(+17名増/年)、帰国生徒入試(+12名増/年)の拡充
・ 日本人生徒が多いシンガポール、香港、ニューヨーク、上海等の海外高校における
現地での説明会実施・協定締結
・ 国内の高校で増加している国際バカロレア資格の大学入学資格認定
・ 入学前の時期を利用した、動機付けプログラム『APU Global Camp』の実施
(国内外高校生を集めた異文化理解、多文化学習経験プログラム)
・ 入学前における英語学習・異文化理解促進のための自主学習促進強化
(語学学習・異文化理解などに関する自主学習資料・教材送付、動機付け促進など)
【本構想におけるグローバル人材育成に関する教育の取り組み・強化全体像】
入学前~入学異文化・語学学習への動機付け
入試制度改革によるグローバル志向志願者確保
入学~学習・留学・専門教育大学の学修への円滑な転換(初年次教育)
留学へ向けた多文化・英語等の学習等環境構築専門とキャリアが連動した教育プログラム構築
卒業~キャリア形成円滑なキャリア形成支援
入学前の動機付け・学修準備
入学前 ~ 入学
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教育に関する主な取り組み
初年次教育強化
・ キャリアや留学を見据えた系統学修等の個人相談・面談制度(アカデミック・アドバイジング)の拡充
・ 新入生全員が履修する、初年次・少人数授業(大学での学び・異文化理解)における国内/国際
学生の相互交流、そのための国内/国際学生の上級生による学生交流・授業支援の強化
・ 高校までの多様な学習経験(帰国生徒・国際学生など)に対応した基礎学習個別支援
・ 留学を組み込んだ正課/課外/自主学習/ピアサポート/各種プログラムなどの体系化・モデル化
初年次・学修・留学 →
英語によるアカデミックリテラシー
・ 協働教育プログラム運営で実績があるSt.Edward’s大学との連携によるWeb英語ライティング
指導の実施(交渉・調整済)
・ ラーニングコモンズにおける、個別対面による英語ライティング支援拡充強化
・ 英語による科目履修のための、英語教員と専門教員による協同授業『ブリッジ講座』の実施
・ 留学を志向する自主ゼミ創設などコミュニティの形成
それと連携した留学強化講座(英語学習+海外体験プログラム)の強化
・ 留学に向けた語学自主学習、国内 ⇔ 国際学生の相互語学学習コミュニティの強化
それと連動したTOEFL講座等の創設
・ 低回生、語学習得、専門学修など、様々なレベルや目的・志向に対応した留学先開拓強化
留学コミュニティ・環境形成と留学先拡充
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教育に関する主な取り組み
アクティブラーニング・企業との連携
・ 海外インターンシップの拡充(SENDは、タイの科学高校・教育省、インドのパブリックスクール、
ボツワナの大使館と調整済。その他、スリランカ・マレーシアの高校・大使館からも申し入れあり)
・ 海外フィールドスタディの拡充 (例.イタリア・イランでのツーリズム・プログラム等)
・ 企業連携教育プログラム (例.日本コカコーラ、ヤマト運輸等)の拡充
・ 企業のグローバル人材育成研修 (例.ソニー等)による企業人材の受け入れ強化
企業・海外との連携、ネットワーク構築
・ 国内学生とグローバル企業をつなぐオンキャンパス・リクルーティングの拡充(150社)
・ 海外企業勤務卒業生との連携強化と学生支援
・ APU支援ネットワーク(総勢315名のアドバイザリー・コミッティ:財界人、各国大使‐88名‐など、
50名のアカデミック・アドバイザー)との連携強化 (定期的な国内外企業・大使館訪問、
意見交換機会)
→ 専門教育
卒業~キャリア形成
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構想の特徴【数値目標:留意点と主な目標①】
・ 目標設定シート2-①・②
【最終目標:全国内学生の50.0%】 卒業時の外国語力スタンダード(TOEFL・ITP500点)到達者
【最終目標:全国内学生の32.7%】 単位取得を伴う海外留学経験者数(卒業まで)
【推移】
※ 教育内容の質保証を重視し、休学中の留学(年間約200名)は上記数値に含まない。
協定による交換留学を中心に留学者数を増やし、1学年約100名の留学増を目指す。
・ 目標設定シート3-①
【最終目標:全国内学生の20.1%】 日本人学生の年間海外留学者/在籍者比率
【推移】
※ 年間海外留学者数は、約160名の増加を目指す。
正規学生の約半分が国際学生であるAPU特有の留意点
分母: 【全学生:国内学生+国際学生】の在籍者数
分子: 【国内学生】で達成した学生数
おおよそ50対50目標数値が低く算出される
現在 H26 H28
31.8% 37.9% 62.3%
現在 H26 H28
13.9% 17.5% 20.1%
※ 上記2点のどちらかに到達する学生
国内学生を対象とした数値目標
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国内学生を対象とした数値目標
構想の特徴【数値目標:主な目標②】
・ 目標設定シート2-③
【最終目標:全国内学生の37.8%】 APUが定めるグローバル人材(下記の要素全てを到達)(外国語力)
① 卒業時の外国語力スタンダード(TOEFL・ITP500点)取得 → 50%② 英語による講義科目20単位以上取得 → 90%
(グローバル人材)外国語力に到達し、留学経験を経た上で、さらにグローバル人材としての評価測定<アウトカムアセスメント>を行い、上位段階に到達した者 → 対象者の80%
【推移】
・ 【授業以外の学習時間 : 1日1時間未満の国内学生を1割未満へ】
現在 H26 H28
9.9% 13.4% 37.8%
授業外学習時間(1日) APU国際学生 APU国内学生 国内大学平均
1時間未満 9% 32%→10%未満へ 66.8%
1時間以上 33% 35%
2時間以上 26% 20%
3時間以上 13% 6%
4時間以上 17% 5%
※国際学生と同じレベルの学習時間へ
33.2%
※ 上記全てを満たす学生
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推進体制の取り組み
・ APU環境を活かした、日本人教員⇔外国籍教員の教員間FD取り組みの強化
・ 海外連携大学(UCデービス、ミネソタ大学等)による海外先進FDプログラム実施(調整済)
・ 新任教員の授業コマ数軽減、新任教員研修の強化
・ 海外連携大学の教員招聘増員
・ 任期制教員、助教、嘱託講師、言語教員も参画する教員懇談会の開催(1回/月)
・ 職員のTOEIC100点アップ(事務作業要員以外の職員の約40%が800点をクリア)
・ 海外連携大学との職員研修相互派遣(例.ジェームス・マディソン大学、サクロクオーレ・カトリック大学:調整中)
・ 国際教育関連学会・国際会議等での発表・研修ワークショップ等の参加
・ 海外展開業務を担う高度専門職のロールモデル化
・ 教員研修(FD)と協働した職員研修実施
推進のための学内体制
大学評議会 教学部会議
学生部会議
入学部会議
議長 : 学長(構想責任者)メンバー :
副学長、学長補佐各部長、事務局長・次長
アカデミック・オフィス
スチューデント・オフィス
アドミッションズ・オフィス(国内・国際)
実施責任者(副学長・兼・教学部長)
推進事務局チーム
統括・進捗管理
自己点検・評価委員会(学外有識者等から構成)
大学運営全てにグローバル人材育成は関連 : 【全学推進体制 と 責任(牽引)部局の明確化】
多文化混成教職員チーム
日英二言語会議・資料
日英二言語対応
APU
教員教育力向上(FD)、体制強化 大学職員の高度化(SD)
学生
教員
職員
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多国籍
八十数ヶ国
【APUネットワークと発信力】
・ 開学以来、グローバル化モデル大学として、海外大学・G30の13大学を筆頭に数多くの訪問を受け入れ、情報・経験・ノウハウを共有してきたネットワーク
・ 国内グローバル大学のネットワーク(5大学連携協定校/Global 5 : APU、AIU、ICU、早稲田・国際教養、上智)(例.集合職員研修/年1回、研究支援職員相互交流/調整中)
・ 九州・大分での留学生支援(就職、在留資格等)を行っている 『大学コンソーシアム大分』
・ APU支援ネットワーク(財界人、各国大使(88名)など315名のアドヴァイザリー・コミッティ、50名のアカデミック・アドバイザー)
・ グローバル人材研修を受託している企業ネットワーク(例.ソニー、ヤマト運輸など、意見交流会などを定期的に実施)
【APUならではの具体的な貢献】 ※ シンポジウム・研究会、情報発信などの取り組みとともに・・・
・ 『オープンFD/SD』 多彩な外国籍教員等、APUの多文化環境を活用した特色あるFD/SDを他大学に開放
・ 各大学が実施するFD/SD(授業評価、職員対応評価など)、学生が運営する留学生支援サークルなどに、国際学生などを派遣
・ 英語による学生・教員対応、日英二言語会議・資料などの職員研修受け入れ(シャドイウイング) (例.過去には大分大等)。数十か国の国際学生が居住するAPハウスでの研修受け入れ。
APUのネットワークと環境を活用した貢献
APU開学以来の
グローバル化モデル大学としてのネットワーク
5大学連携協定校(G5)
留学生支援ネットワーク(九州・大分)
APU支援有識者ネットワーク
企業研修受託ネットワーク
約50%の外国籍教員
→オープンFD
日英二言語対応(対・学生・教員)会議運営・日英二言語資料作成→オープンSD、シャドウイング
多様な国際学生・国際大学の「学生」としての経験
→他大FD・SD派遣へ
日本の高等教育のグローバル化モデルを構築し続けるAPUを目指して11
世界的にも特色あるグローバル大学として、教育と環境を、総合的・体系的に強化し、APUの学生全員が、グローバル人材として活躍する。
本構想の目的
他大学が共有・活用できるグローバル人材教育モデル構築と発信さらに
日本の高等教育のグローバル化モデルを構築し続けるAPUを目指して
地方大学中小規模 私立大学グローバル化先行大学
に加えて
学士課程 社会科学
特に九州西日本地区
APU
・ ラーニング・アセスメントやIRで、『教育の各種取り組み → その成果』の関係性を明らかにし、可視化する。→ 各大学の課題・目的に応じた事例活用が可能
・ 中小規模、地方、学士課程中心、社会科学分野、私学という立場での取り組み→ 全国の多数の大学で活用が可能 → グローバル人材育成のすそ野の拡大・基盤強化へ※ 特に九州地区・西日本地区での貢献へ
毎年700~800名の日本人グローバル人材育成
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