ERPパッケージにおける ITアーキテクチャ - Project ERP - 専修大学ネットワーク情報学部 NE14-0116B 荒浪一城
ERPパッケージにおける
ITアーキテクチャ
- Project ERP -
専修大学ネットワーク情報学部
NE14-0116B 荒浪一城
はじめに
●ERPとは何か
oERPパッケージについて知る
●ITアーキテクチャ
oクライアント・サーバー型かWeb型か
●成果物
o簡単な財務会計アプリケーション
ERPとは何か
●ERPとは
●ERPとERPパッケージの違い
●ERPパッケージの特徴
●メリットとデメリット
●システム化の範囲
●プロジェクトでの検討課題
ERPとERPパッケージの違い
●ERP (Enterprise Resource Planning)
o企業資源計画(管理)又は統合基幹業務と訳される。
ERPは、生産や販売、物流、在庫、財務会計、人事と
いったあらゆる企業の中で共通した業務を一元的にリ
アルタイムで管理し、経営へ貢献していく概念のことを
指す。
●ERPパッケージ
o会計データベースを中心に生産や販売、物流、在庫、
財務会計、人事などの企業の基幹業務を一つのシス
テムに統合し、ERPを実現するためのツールである。
ERPパッケージの特徴
●統合システム
o部分最適から全体最適化へ、ドリルダウン
●ベストプラクティス
o生産性の向上と業務の効率化
●リアルタイム
o経営側の迅速な意志決定への貢献
●グローバル対応
o多言語、多通貨による決裁機能
メリット
●全社規模で統一的な業務処理が可能となる
●各事業部や他部門間の連携・情報の共有化
●統一データベースによる一元的管理
●既製品を利用するためオーダーメイドのシステム
構築に比べて開発期間が短い
●同様に、開発・保守コストも低い
●バージョンアップにより最新技術を取り込める
デメリット
●ERPパッケージによっては日本独自の商
習慣に対応していないものがある
●自社固有の業務がパッケージにない
●業務をERPパッケージに合わせることへの
各事業部などからの抵抗や摩擦の発生
●カスタマイズによる膨大な工数とコスト
●バージョンアップによる膨大な工数とコスト
システム化の範囲
●どこまでの業務をERPパッケージとしてシステム
化するのかという問題
●依存性が強いシステム(密結合)
oデータの流れはおおよそ確定している
o財務会計システム ⇒ 管理会計システム
●導入効果を得るためには
o経営戦略上、有用なデータの提供が必要
oデータウェアハウスを活用する必要がある
o管理会計システム ⇒ データウェアハウス
プロジェクトでの検討課題
●実体のない仮想企業を相手に、どのようにして要
件定義をしていくのか
●業務(会計)を知らない
●業務プロセスに関する知識にも乏しい
●システム化の対象となる業務範囲は?
●想定されるクライアント数は?
●開発用サーバーと本番用サーバーは別?
●求める品質はどの程度?
ITアーキテクチャ
●ITアーキテクチャ
o業務システムの変遷
o既存のERPパッケージのUIは?
oクライアント・サーバー型
oWeb型
oリッチクライアント
o現実として・・・
o.NET , Java , アーキテクチャ比較図
o.NETかJavaか
o結論
業務システムの変遷
●メインフレームo1980年代までの中央集権的なシステム
o処理性能の限界が露呈
●クライアント・サーバーo負荷分散が可能
o個々のクライアントを管理する必要がある
●Web
oOSに標準搭載されているブラウザを使用
o操作性・スループットでC/Sに劣る
oサーバーの負荷が増える
クライアント・サーバー型
●高い操作性とスループット
●負荷分散
oメインフレームへの負荷を低減
●アプリケーションの配布が必要
o導入(インストール)、設定
oバージョンアップ
●DLL地獄
oOSやバージョンに依存する
oセキュリティ上の問題 ⇒ セキュリティパッチが適用できない
o.NET FrameworkのSide-by-side 実行で回避可能
Web型
●標準搭載のブラウザを用いるoアプリケーション管理はサーバー側のみ
●操作性やスループットに劣るoC/Sに比べて、専用の用途に特化できない
oサーバーとの通信が多い
●.NETかJava(J2EE)か
oフレームワークとしての差は少ない
o顧客の視点と技術者としての視点
o導入効果、費用対効果、他社での実績
o生産性、技術的な難易度、身に付くスキルは?
既存のERPパッケージのUIは?
●C/S型
oSAP R/3 ・・・ 1992年リリース
●Web対応
omySAP.com ・・・ 1999年リリース
o現在では、mySAP Business Suiteという名称に
o様々なUIの提供 ・・・ Webブラウザ、Javaアプレット
oモバイルなどのマルチデバイスにも対応
oしかしあくまでも基本形はC/S型である
リッチクライアント
●クライアント・サーバー型とWeb型の中間
o高い操作性の維持
o独自のプロトコルによりデータ通信量を削減
oアプリケーションの再配布が不要(ダウンロード)
oC/S型とWeb型の利点が両立可能
●製品名oアクシスソフト 「Biz/Browser」
oカール 「Curl」
oマクロメディア 「Flash」
oマイクロソフト 「ClickOnce」
現実として・・・
●リッチクライアントの採用が理想
oBiz/Browser、Curlは商用製品でコストがかかる
o開発ライセンス 1人20万円、1人59800円
oFlashは業務システムに特化していない
oClickOnceはリリースされていない
●Web型を採用し、開発してみたい
o.NET ・・・ 小規模システム、高い生産性、実績(小)
oJava ・・・ 大規模システム、オープン、実績(大)
oFlashなどの部分的な採用は有用
ITアーキテクチャ – Web型
●フレームワーク
o.NET
oJava
oアーキテクチャ比較図
●結論
o.NETかJavaか
o参考文献
.NET
●.NET
oOS:Windows 2003 Server、IDE:VS.NET 2003
oASP.NET Web Matrixを用いることで、Webサーバー
(IIS)なしでWindows XP Home Editionで開発を行う
ことが可能。「MSDN アカデミック アライアンス プログラ
ム(MSDN AA)」により開発環境の整備が容易。
o包括的な日本語ドキュメントとサンプル
oVBライクなコントロールを利用した開発
oInternet Explorer 5.5以降が実質的な前提環境
oIE以外のブラウザではレスポンスが遅い
Java
●Java
oWebサーバー:Apache、IDE:Eclipse
oAPサーバー:Tomcat , JBoss
oWebアプリケーション・フレームワーク:Struts
oJa-Jakartaプロジェクトによる翻訳
o最新情報は英語、包括的な解説が少ない
o開発環境の構築に苦労
o使いこなすにはかなりの時間がかかる
o序盤に大きな壁
フレームワークアーキテクチャ比較図
.NETかJavaか
●.NET
oMSDN AAによりソフトウェアにおけるコストを気にする必要がなく
、開発環境の整備が容易である。また、生産性も大きいことから、
小規模システムでの実績が急速に伸びてきている。
●Java
oコスト面から商用製品を採用することができないため、オープンソ
ースを利用することになる。しかし、オープンソースプロジェクト自
体が乱立している状況であり、陳腐化が激しく包括的な情報が入
手しにくい。
oJavaは.NETと比較して先行していることもあり、実績は豊富であり
、現在のプロジェクトでもJavaを採用している案件が多い。
参考文献
●ERPプロジェクト こうすれば成功する
o伊藤重光、日本経済新聞社、1800円
●日経BPムック SAP完全解説2004
oSAPジャパン、日経BP社、2857円
●日経システム構築 2003年5月号
o特集 「.NETかJavaか」
●日経ITプロフェッショナル 2004年1月号
oプロダクトレビュー 日本オラクル「Oracle E-Business Suite 11i」
●日経ITプロフェッショナル 2004年3月号
oプロダクトレビュー アクシスソフト「Biz/Browser」
●@IT
ohttp://www.atmarkit.co.jp/
●MSDN Online オンライン セミナー
o企業情報システムにおけるクライアントの選択
ohttp://www.microsoft.com/japan/msdn/webcasts/