1 医療・看護の効率化を図るためのセンシング 及びIoTの導入と遠隔看護への応用 筑波大学 医学医療系 准教授 鶴嶋英夫
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従来病棟の問題点と対策• 大学病院では高齢化により増加する重症患者に対応
厚労省方針で軽症者は一般病院・クリニックへ。
夜間は人手不足、ハイリスク、要ケア患者をリストアップが必要。
• 看護師勤務交代時の患者情報申し送り(1回1時間以上)
3交代で3回/日申し送り、申し送りは伝言ゲームで、医療事故の原因。
患者情報を共有するシステムが必要。
• 医療機器は全て独立して機能している
機器のアラームは、現場に行かないとアラームの意味がわからない。
機器・アラーム等の設定情報の共有が必要。
センシングによる患者容態情報、患者の診療情報、機器の情報をまとめた
統合情報を医療従事者へ提示することで効率化が図れる。
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未来病棟での情報統合
電子カルテ連携
機器状態情報伝送
①IoT化輸液ポンプ ②ネットワークブリッジ ③サービス評価技術 ③業務自動記録システム
センサ,機器モニタ,観察記録による患者状態把握
意思決定結果を用いた 患者への作用
データの知識化による意思決定支援
③業務記録共有による行動支援技術
医療機器等
センシング機器等
診療情報
データサーバー
IoT化Fog systemの利用か
AIによる情報統合
医療従事者
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新技術の特徴・従来技術との比較
• 医療現場と協働:従来の看護系医療情報の整理
• 状態検出プローブ:患者の周辺環境センサと医療機器→AI
• GOAL:医療従事者への判断・行動支援情報伝達による患者の
安全・安心
不安時間の短縮
本提案従来
一人の人間
が情報収集、
判断、処置を
行っている。
非効率
センシングが
情報収集、AI
と人が判断、
そして処置を
行う。
効率的。
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AI & IoTの情報統合による医療・介護の効率化
センシング情報診療情報等 in 病院
センシング情報患者情報 in 老人ホーム
センシング情報患者情報 in 自宅
AI
AI
AI
医療従事者
開業医・介護師
開業医・介護センター・家族等の介護者
統合情報
統合情報
統合情報
情報
情報
情報
介護者へ渡す情報を選別(監視ではない)
患者の流れ:患者は病院から自宅へ
移行していく
Detune
Detune
病院でのデータからセンシング技術を選択
病院から自宅へ、在宅介護へ展開
情報の受け手
患者と会話アバターなどを介し
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自宅看護・介護まで展開病院から自宅へ患者が移動してくるが、
一部の患者では看護・介護が必要な方もいる
診療情報
データサーバー
AIによる情報統合
地域のホームドクター
介護センター
遠隔地の親類
センシング機器の選択は病院でのセンシング情報から最適化し、必要最低限選択
センシング機器心拍計・加速度計ベッド振動計、カメラ等
患者の生活圏
アバター等を介して患者と会話、会話情報収集
宅配業者へ契約により情報の一部は宅配業者へ
医療・介護の訪問の最適化が図れる。
親類にとっては安心介護化
*人口過疎地で上記システムを維持するためには宅配業者などの企業に参画していただきコストを部分的に負担していただく可能性も考える。
アバター
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モジュール化研究:上記システムは大きいため実用化のために部分的に切り出して検討している
センシング技術を用いた入院患者における夜間イベント評価の可能性
を検討する探索的観察研究
➢ センシングによって夜間における入院患者のイベント
(覚醒、夜間排尿、ナースコールなど)を把握できるかを
検討している。
➢ 夜間排尿や転倒・転落について、ハイリスクな患者をリストアップすることができるかを検討する。
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≪実測測定データ≫
・ECGによる心拍数測定
・加速度による測定
仰臥位 離床 立位
例示:患者にモバイルセンシングを装着し夜間のデータを収集
脈拍数に差がある
加速度計では体位により差が出ている
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企業の皆様へ提案
➢センシングデバイスの共同研究特定のデバイスによる診療現場でのデータ収集が可能
モバイルデバイスの事業モデル試験
➢地域介護関連サービス提供企業との社会実装共同
試験上記のサービスにおける付加価値の追求
病院から自宅までの診療を効率化するための
産学連携コンソーシアムを構築
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研究グループ
佐藤 洋:産業技術総合研究所 企画本部 総括企画主幹医療機器のIoT化に関する研究
櫻井 鉄也:筑波大学 人工知能科学センター センター長筑波大学の人工知能担当、産総研や海外のAI研究者連携医療分野へのAI応用に関して担当
日高 紀久江:筑波大学医学医療系 臨床看護学 教授遠隔看護、自宅看護研究の担当
田宮 菜奈子:筑波大学医学医療系 社会医学 教授
介護レセプトの解析による介護効率化研究
他、介護組織との連携を進めております