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マイコース・プログラム 海外活動報告書 1 マイコース・プログラム 海外活動報告書 京都大学医学部医学科 4 回生 0600207107 鹿子島大貴 E-Mail : [email protected] 配属先 京都大学大学院医学研究科放射線医学講座(画像診断学・核医学)富樫かおり教授 研修機関 Mayo Clinic Radiology 200 First Street SW, Rochester, Minnesota 55905, USA 研修期間 2011 8 27 日~10 13 活動分野 放射線画像診断科 腹部 CTMRI 分野 目次 0はじめに 1活動内容 2渡米するまで 3滞在先 4現地での生活 mayo clinic について 6感想
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Jul 10, 2020

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マイコース・プログラム 海外活動報告書

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マイコース・プログラム 海外活動報告書 京都大学医学部医学科 4回生 0600207107 鹿子島大貴

E-Mail : [email protected]

配属先 京都大学大学院医学研究科放射線医学講座(画像診断学・核医学)富樫かおり教授

研修機関 Mayo Clinic Radiology 200 First Street SW, Rochester, Minnesota 55905, USA 研修期間 2011年 8月 27日~10月 13日 活動分野 放射線画像診断科 腹部 CT・MRI分野 目次 0はじめに 1活動内容 2渡米するまで 3滞在先 4現地での生活 5mayo clinic について 6感想

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0 はじめに

この報告書は、主に生活面や施設などについて、海外、とくに mayo clinicに研修に行こ

うと考えている人の一助になればという主旨で書いています。そのため活動内容について

はあまり深く触れていません。詳しくはマイコース報告書に記載しています。 また、経緯は大きく違いますが、井上先輩も同じ所に留学され報告書を書かれておりま

す。内容面で素晴らしくまとまっていますので、あえて 2度書く必要がないところはこの報告書では簡単にしか触れていません。

1 活動内容

Mayo clinicで研修を行う場合は、3つの中の1つのポジションとして研修を行うことになります。これついて詳しくは、井上先輩の体験記を参考にしていただけると幸いです。 今回の研修では、7週間という短い期間であったにもかかわらず川嶋先生の特別の計らいで research traineeとして研修に参加させていただきました。期間を含め、さまざまな面で research traineeの条件を満たしていませんでしたので、本当に幸運だったと思います。行った活動は主に、川嶋先生が現在すすめられているプログラムの手伝いと、主に residentを対象にしたカンファレンスへの参加、student を対象にした teaching sessionへの参加の三つでした。 ・researchの手伝い どういった研究内容だったかですが、今回手伝わせて頂いた研究は線量低減 CTを用いた場合の画像診断における有用性の評価でした。 まず、100名規模の患者データの腹部、骨盤部の画像を用いて、ソフトを使って CT値などデータに必要な数値を測ります。そしてそれをパソコン上に入力し検討を行いました。

もし線量を低減した CTがある程度有用であれば、測った数値が数値の上では、通常の CTで測ったものと変わらないということがわかります。 詳しくは、マイコースの報告書の方に記載しているので内容をより知りたい方は、私の

方まで連絡してください。 ・conference カンファレンスの時間は昼の12時から1時までの一時間で、京都大学の基礎第2講堂ぐらいの大きさの部屋で行われていました。

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画像診断系のカンファレンスに参加していたので、当然ながら話されている内容も画像

診断系になるのですが、超音波画像から血管内造影まで画像診断の様々な種類のものにつ

いて行われており内容は多岐にわたっていました。 カンファレンスの種類は二つあり、専門医が、講義形式で画像診断についてレクチャー

するものと、レジデントが 5~6つの症例を集めて、ひとつの症例に対しどういった症例かを伏せたうえでいくつかの画像所見を提示し、自分以外のレジデント1人にその症例は一

体何かを述べてもらう形式のものがありました。 私は特別に参加させてもらっていたので、指名されるようなことは当然なく、ただひた

すら聞くことに専念していました。 聞くだけではありましたが、画像診断における興味深い症例が多く見ることが出来たこ

とと、カンファレンスの雰囲気を知ることが出来たので非常に有意義でした。 ・teaching session この teaching session は、研修医の自習室の様な所に併設されている学生同士の勉強専用の場所で行われていました。一日に朝の 8時~9時までと 1時から 2時までの 2回ありました。 具体的には、40型ぐらいの液晶モニターを用いながら学生がつくった画像診断のパワーポイントを用いながら、主に話し合いを中心に行われていました。研修医 2年目から 3年目の人が講師役で一人つき、学生側は、3人から 5人程度でした。パワーポイントは、最初に年齢、性別など簡単な情報と画像だけ示され、一体なんの疾患か考えるという内容でし

た。英語で話し合うため、はじめの方は全くと言っていいほどついていけませんでしたが、

後半の方は内容がすこしわかるようになったので、議論にもある程度ついていけるように

なったので、こちらもとても勉強になりました。

図書館の一階エレベーター前

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2 渡米するまで ① 経緯 1月の後半に海外留学斡旋に熱心でいらっしゃる放射線遺伝学の武田教授に、今回のマ

イコースにおいて海外で研修したいのでどこかご紹介いただけないかを相談しに行きまし

た。この時に、以前イギリスに基礎研究の研修に行ったことがあったので、分野は臨床系

で、場所はアメリカに行きたいという旨をお伝えした所、同じような形でひとつ上の先輩

の井上さんが行ったことがあるということで mayo clinicをご紹介くださいました。ただmayo clinic には武田先生は直接のコネクションがなく、ひとまずアメリカということであれば、富樫教授がご紹介くださるかもしれないとのことで、富樫教授にお話をお伺いする

ことになりました。 後日、富樫教授の所にお話に伺い、そこで mayo clinicの川嶋明教授をご紹介くださいました。川嶋先生は主に CTとMRIの画像診断を専門になされている先生です。この時点では画像診断に対する知識というものを臨床講義で少し聞いていたぐらいでほとんど知らな

いといっても過言ではありませんでした。ただ画像診断に関する知識は、臨床に携わる身

になった場合には、どの科に進むにしても必要なので、今の時期に海外で学ぶということ

は将来において役にたつと考え、mayo clinicに行きたい旨をその場で富樫先生にお伝えしました。 はじめに行ったのは、川嶋先生の書かれた論文を2篇読み、それを英語でまとめるとい

うことでした。これは富樫先生によると、どれぐらいの英語力があるのかということと、

川嶋先生の所に紹介するにあたり失礼にならないかを判断するためとのことでした。富樫

先生からは内容はチープで英語力はダメという評価でしたが、なんとか川嶋先生のところ にご紹介くださることになりました。

② 連絡、準備等 さて、ここからようやく川嶋先生との連絡がはじまりました。マイコース・プログラム

を利用して海外研修に行く場合は、現地の受け入れ先の教授や秘書と連絡をとることにな

り、この場合は英語でやりとりをせねばならずなかなか大変です。今回は川嶋先生が日本

人ということもあり、この点は非常に簡単に行う事ができました。ただこの時期は臨床科

目のテストや部活動で忙しいということもあり、川嶋先生に対する返信が遅れてしまうこ

ともしばしばでした。今思うと、本当に失礼なことをしました。 何度か先生と連絡を取り合ううちに、やらなくてはいけないことがでてきました。Mayo clinic で何がしかの研修を行う場合には、研修を行う前に、日本で言うところの履歴書である CVを提出することと、推薦書を 3通提出する必要がありました。どちらもなかなか大変で、CVの方は、mayo clinic から送られてきた書き方を見てみるととても煩雑で書かなければならないことも多く、結局、富樫先生の計らいで放射線診断科の岡田先生にお助け

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いただきなんとか完成させました。推薦文の方もいろいろと苦労しました。まず条件とし

て受け入れ先の先生の推薦はもらえないので自分で、3名推薦文を書いて下さる先生を探し出さなくてはいけません。私の場合は、富樫教授、武田教授、神経内科の高橋教授が書い

てくださいました。推薦文は、まず自分で下書きを書きそれをもとに先生方が書くという

のが普通のやり方になります。 次に、Mayoの担当の人から、必要書類に関して連絡がくるので、内容を記載した上で、Mayoに送る作業が待っています。必要書類はAppoint information、Immunization record、Verification of insurance、Mayo J-1 Exchange visitor program application formの4つです。その時々で、変わるかもしれないのであくまで参考程度にしてください。 この書類を完成させるのが実はとても大変です。アメリカの書類ということもあり記載

内容について勝手がわかっていないこともあり、とても時間がかかりました。また、予防

接種を受けなければならず、このため、書類提出が期限には間に合ったものの大幅に遅れ

ることになってしまいました。そのことによって起きた弊害は以下に述べます。 次の難関が、VISAです。Mayoに行く場合は、J-1VISAをとることになります。どういったものかについて詳しくは、アメリカ大使館のホームページを見てください。ここでは、

取得の際の苦労について述べたいと思います。 取得に際し、様々な書類が必要になりますが、重要なのが、受け入れ先からの J-1VISA用の書類です。これは、受け入れ先が対象の人に関し、正式に認めていることを示すもの

でこれがなければ J-1VISAはもらえません。これをもらうには先ほどのMayo J-1 Exchange visitor program application formの送付が必要になります。 さきにも述べた通り、今回は川嶋先生がお忙しい中Mayoの担当の人に連絡取ってくださったので、私自身が担当の人と連絡をとる上で負担が大分軽減されました。また、Mayoの VISAや保険の事などの担当の人も、こういっては失礼に当たるかもしれませんが、アメリカ人にしては珍しく、対応が比較的素早く、質問などにも良く答えていただきました。 しかし、ここでひとつ問題がおきました。川嶋先生は、今回の研修では VISAは要らないとことでしたので、そのことに関しては当初、あまり気にせず準備を進めていました。そ

して、連絡を取り始めて、比較的早期に、川嶋先生および担当部署の方から、Mayoへの提出書類に関する話がきました。VISAが必要ないと思っていたので、期限に余裕があったこともあり、予防接種ややり直しなどもありのんびりと準備してしまいました。そのため、

さきにも言いましたが、最終の提出がぎりぎりになってしまったのです。 提出後に、担当の人から、VISAに関する書類を送付したという連絡が、私の所にきました。これが渡米の 3週間前です。 VISA取得には最短で約 2週間らしいので、急げばとれたようなのですが、写真をとったり前もって費用を払ったりなど、雑務に係る時間などを加味するとどうしても間に合いそ

うにありませんでした。そこで、川嶋先生の方に連絡をとり、VISAが本当に必要かどうか

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の確認を再度行いました。結局は要らないとの結論に至ったのですが、取得した方が断然

いいと思います。 取得しなかったため、入国の際に入国管理局に引き止められ、次の便に乗り遅れてしま

いました。こんなことにならないためにも早めに VISAは取りましょう。 ③ 荷物、英語、その他 荷物については、詳しくは井上さんの報告書がとても素晴らしいのでそちらを参考にし

てください。内容面で、少しかぶりますがここでは持っていった方がいいものだけ簡単に

まとめます。

・スーツ、革靴 院内では、患者さんから見て失礼のない格好にしなければならず、これらのものは必須

です。ちなみにホテルの部屋にはアイロンがあり、その辺は心配しなくても大丈夫でした。 ・日本食の何か 私自身は、醤油などを持っていきました。さすがに長期になると、和食が恋しくなるの

で何か持っていくといいと思います。 ・お世話になる先生へのお土産 当たり前ですが、直前になると荷物の準備などで、どうしても焦ってしまうのでわすれ

ないようにした方がいいです。 英語についてですが、自分が関わる分野の単語についてはしっかり勉強した方がスムー

ズに作業が出来ると思います。普段の会話に関しても、ある程度勉強していかないとつい

ていけないかもしれないので、少しずつでも勉強した方がいいでしょう。 どういう勉強がいいかは個人によって全く違うので、自分にあった勉強法を早めに見つ

けるのが、重要だと思います。

メイヨーのメインフロア

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3 滞在先について 海外研修を行うとなった時点で、とても気になるのが滞在先についてだと思います。今

回、川嶋先生のご厚意により、The Kahler Hotel という所をかなり早い段階で予約していただけました。学生用のプログラムが用意されていて一泊 28$という格安の値段設定で泊まることができました。部屋の設備は、ベッド、机、椅子、タンス、アイロン、冷蔵庫、テ

レビ。アメニティも一通り揃っています。注意しなくては行けなかったのは、部屋の清掃

は一週間に一度だけという事です。チップ1$を置けば綺麗にしてくれます。 ランドリーもホテル内にあるので洗濯ものがたまっても大丈夫です。値段は一回1$、ただし 25¢コイン 4枚しか受け付けません。私はこれで痛い目にあいました。参考までにいうと洗濯は一週間に一回ぐらいで、下着などは先輩を見習って毎日手洗いしていました。 このホテルには、mayo clinicで研修を受ける学生も多く泊まっており、そのためにスチ

ューデントラウンジというものが用意されています。一通りの調理器具は揃っていて、自

炊することも可能です。いろんな国から学生が来ているということもあって、室内に常備

されている調味料は世界各国からのものがあり、その気になればイタリアンから中華、も

ちろん和食をつくることも可能でした。 このホテルに泊まるひとは、mayoでの診療を目的とした患者さんやその家族が主なので

すが、スチューデントラウンジが或ことからもわかるように、海外からの学生も大勢来て

いました。国によってプログラムが違うので、みんな mayoに来ている理由や目的は多少違うのですが、だいたいは臨床研修の一貫として来ているようでした。私の様に、まだ臨床

の現場に出ていないような学生は皆無で、年齢も皆、自分よりも 2つか 3つ上で、最高齢では 40近くの人もいました。 ホテルに泊まる学生は必然的に、ラウンジを使うことになるので、みんなとても仲が良

かったです。予定が合えば、皆でディナーに行ったり、誕生日パーティーをしていたりし

ました。 一番上の階に簡単なジムおよびプールがあって宿泊している人なら自由に使うことが出

来ます。私自身はランニングや、たまに泳いでいたりしました。メイヨークリニックに附

属しているスポーツジムもあったのですが、主に職員専用であったということや、お金が

別に係るということもあって利用することはありませんでした。 何がしか運動がしたいという人は、徒歩で 10分ぐらいのところに比較的大きな公園があ

り、景色と雰囲気がとてもいいので、ランニングなどの運動にはもってこいかと思います。

私も何度か走ったりしました。友人の学生のなかには毎日走っているひともいました。

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4 現地での生活について ① 食事について まず朝食ですが、アメリカ式にシリアルまたは簡単なサンドイッチで済ませていました。

そのため、牛乳やハムなどは買いためておきました。バナナなども時間がないときにはと

ても便利でした。 次に昼食ですが、先生やレジデントのひとは既婚の人がおおく、簡単なランチパックを持

ってきている人が多かったです。真似して、何度か自分で事前に作って持っていって見た

りしましたが、当然ながら長続きせず、普段はもっぱら従業員用のカフェテリアに行って

いました。値段もとてもリーズナブルで、お腹いっぱいになるまで食べて加えてコーヒー

のラージを飲んでも 6$行くかいかないかだったので学生の身である私にはとても助かりました。 最後に夕食ですが、大きな都市であれば、至る所にファーストフード店やレストランなど

があり外食したい場合はあまり困らないのですが Rochesterはそういったお店も数えるほどしかなく種類が少ないため、どうしても飽きが来てしまいます。そこで、普段の食事の

夕食はスチューデントラウンジで自炊していました。先にも挙げた通り、調味料や器具は

あらかた揃っているので、つくる分には困りませんでした。もともと料理をつくるのは好

きだったということも幸いしました。また昼食でも利用していたカフェテリアが出される

料理の種類は少なくなるものの 19時ぐらいまでやっているので良く利用しました。7週間も滞在すると、さすがに和食も恋しくなるので、予め食材を入手し作ったりもしていまし

た。

② 買い物について アメリカという国の特徴として、土地が広大なので車なしでは生活できないことがあげ

られます。普段の食料品の買い物から娯楽のために出かけたりするのにも車は必須です。

7週間という短い滞在並びに国際免許証をとることをしなかったので、当然ながら車を用

いた生活はできませんでした。川嶋先生に Rochester についてすぐの時に、日本で言うところのスーパーマーケットに連れていっていただきました。ここで、とりあえず一週間分

の食料を買いためておきました。具体的に言うとお米や、その他保存の効くものです。

Rochesterという町は、アメリカのなかでは小さな部類に入る町で、これといった娯楽などはありませんでした。 たまたま、mayoにこられている鈴木さんとともにシカゴに行く機会があったので、その

帰りに日本食を買って帰ったりしました。このお店は日本でいう所のスーパーマーケット

みたいなもので、ミツワといって日本のものと遜色ないというよりも日本のものそのもの

で、調子に乗って買いすぎてしまったのはいい思い出です。

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③ その他 先にも挙げた通り、Rochesterにはこれといった娯楽がありません。そのため休日の過ごし方には少し困りました。映画館は一応あるのですが、バスでいかなくてはならず、また

かなり遠いためどうしても行く気にはなれませんでした。今思えば一度ぐらいは行っても

良かったと思っています。催し物が行われる civic centerも不定期のため、滞在中は結局利用しませんでした。一応、art centerという小さめの美術館もあるのですが、ここを利用することもありませんでした。現地のひとはどういう風に週末を過ごすかを重視するのです

が、車で湖などに行ってレジャーを楽しむようです。 ホテルに滞在していた何人かの学生は 5人程度でシカゴまで行っていました。ちなみに車で片道6時間の道のりのため少々大変です。 私自身が何をしていたかというと、もっぱら散歩と図書館で読書でした。日本であまりし

ないことをしたのでこれはこれで良かったと思います。Rochesterは私が滞在している間はとても気温、天気ともに安定して良い季節で、ちょっとした外出をするにはとてもいい季

節でした。もし余裕があれば、自転車などを現地で調達して、もっと活動範囲を広げれば、

さらに楽しめたかもしれません。

上からスチューデントラウンジ、ホテルの宿泊した部屋

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5 mayo clinic の実際について 今回の研修では病院内の様子を見ることもできました。ここに簡単にその感想を書いて

いきたいと思います。しかし病院内での患者さんの診察や手術などは USMLEの STEP1まで取得しておく事が必須条件となり、そういった医療行為の見学はできませんでした。

まずはじめに mayo clinicの特徴を列挙したいと思います。Mayo clinicの特徴を述べる上で mayo clinicがある rochesterという町についての情報があった方が述べやすいので簡単にですが述べておきたいと思います。

Rochesterというまちは人口 10万人でミネソタ州 3番目の規模になります。しかし町にある産業は mayo clinic と IBMぐらいで他にはこれといった産業は存在していません。そのため、町の雰囲気としてはいわゆるニューヨークといった大都市とはかけ離れていて、

治安もとても良い所です。 そのためMayo clinicはアメリカの大病院にしては珍しく都会の近くではなく、比較的、

人口密度が少ない場所に立地していると言えます。ではなぜこれほどの大きさを維持でき

ているのかというと外から多くの患者さんが集まったくるためです。具体的な数字はわか

らないらしいのですが外来患者の3割は rochster以外からやってくるらしいです。 中には、アラブの富豪や政財界の著名人、スポーツ選手なども珍しくないそうです。ち

なみに私自身も滞在中はものものしい SPが診察室の前で立っているのを見かけました。私が帰国する日にはノルウェーの国王が直々に視察にこられていたようです。

Mayo clinicは関連施設が多くあるのですが、主なものは外来専用棟であるMayo building と Gonda building, 入院患者などのための Methodist と Saint Mary’s があります。Methodistはプロテスタントの方が主に利用し、Saint Mary’sはカトリックの方が主に利用するという区別があるそうです。 それぞれの病院はひとつひとつが規模がとても大きく、一番新しい Gonda は 19階まで

ありました。他の施設としては、Pulmmer building という教会のような図書館や、主に従業員専用のジムの建物がありました。

また、rochesterという町は日本の緯度で言うと北海道より低いかというぐらいなので、

冬は‐20℃ぐらいになり、高齢の患者さんや歩行困難なかたにとって外の移動はとてもできたものではありません。そのため、サブウェイが張り巡らされており主要な施設は外に

出ずとも移動出来るようになっています。離れている施設には、無料のシャトルバスが出

ており、施設間の移動はとても便利でした。 また、この病院の特徴として患者さんをもてなすという視点が徹底されていて、外来専

用の施設はまるで高級ホテルのようで、とても居心地が良く感じました。細かいことです

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が、ピアノがいたるところにあって自由に弾けるようになっており、ミニコンサートみた

いなものがしょっちゅう開かれていました。演者は、患者さんをはじめ、職員から医者ま

で、あらゆる人が弾いていたのは印象的です。それから、少し驚いたことは患者さんのた

めに勉強ルームがあるということです。それも小さな図書室のような形で資料が揃ってい

て、インターネットも使えるので、患者自身で病気について学ぶことが出来るようになっ

ていました。こういう環境のため、患者だけでなく従業員も楽しそうに働いていたのが印

象的です。

学生仲間でディナー

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7感想 今回、アメリカでマイコースプログラムを行うことになり、いろいろと準備しなくてはい

けないことや、やっておくべきことなどをこなしていくことでいろんな意味で成長できた

のではないかと思います。Mayo clinic という世界でも有数の病院で見学や、実際に臨床研究の一端に触れることができたのは、かけがえないのない経験でした。今回は日本の先生

のもとについて研修を行うことができたので、思っていたよりも研修を行う点では苦労す

ることはなく本当に幸運だったと思います。 川嶋先生は本当に素晴らしい方で、よく家に招いていただき食事をともにさせていただ

いたりしました。また、こちらの質問にも気軽にお答えくださいました。質問するときに

も、当たり前のことですが、まずは自分で考えてそれからわからない所がある場合に質問

する癖がついた様に思います。 生活の面でも、普段とは全く違いホテルの生活だったため、勝手が違うことも非常に多

く、その度にホテルの従業員に聞きに行くということを繰り返していました。このおかげ

で、英語での応対に大分慣れました。循環器内科の方で一週間ほどフロリダの方へ行って

いた期間を加えると、合計9週間もアメリカに行っていた計算になります。アメリカとい

う国の文化は、当然ですが、日本とは全くと言っていいほど違うのですが、9週間もいるとだんだんとその違いにも慣れてきて、いい意味で度胸がついたように思います。 例えば、カフェの店員さんが日本では考えれられないような態度で接してきたのに対し

て、最初は面食らってどう対応したらいいかわからなかったのが、最後の方には軽く会話

出来るようになったり、日本だと親切にいろいろと書いて教えてくれているけれども、ア

メリカではそんなことは普通なく、人になんでも聞くくせがつきました。 おそらく日本で、マイコースを行っていたら、こういった経験を積むことはできなかっ

たと思います。そういう意味でも、思い切ってアメリカに来てみたのは、我ながらとても

いい決断だったのではないかと考えています。こういった経験から、もしアメリカに行こ

うかどうか悩んでいる人には、行ってみることをオススメします。いろいろ準備もしなけ

ればいけないし、確かに大変ですが得られるものもとても多いです。そういった方で、他

にももっと詳しく知りたいとかあれば、気軽に上記のアドレスまで連絡をください。

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最後に、お世話になりましたMayo clinic 川嶋明先生、画像診断科教授 富樫かおり先

生、同じく画像診断科 片岡先生、岡田先生、推薦書を書いてくださいました、放射線遺

伝学教授 武田先生、神経内科学教授 高橋先生、留学前や留学中にも、アドバイス等を

くださった井上靖章さん、他多くの皆様に感謝の意をこの場をお借りして表したいと思い

ます。ありがとうございました。

メイヨー兄弟との記念写真