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[システム科学専攻] 志望区分 講座名 分野名 シ-1 人間機械共生系 機械システム制御 シ-2 ヒューマンシステム論 シ-3 統合動的システム論 シ-11 モビリティ研究 シ-4 システム構成論 適応システム論 シ-5 数理システム論 シ-6 システム情報論 情報システム シ-7 論理生命学 シ-8 医用工学 シ-9 応用情報学(協力講座) シ-10(a) 計算神経科学(連携ユニット) シ-10(d) 計算知能システム(連携ユニット) [Department of Systems Science] Application Code Division Group SS-1 Human-Machine Symbiosis Mechanical Systems Control SS-2 Human Systems SS-3 Integrated Dynamical Systems SS-11 Mobility Resaerch SS-4 Systems Synthesis Adaptive Systems Theory SS-5 Mathematical System Theory SS-6 Systems Informatics Information Systems SS-7 Integrated Systems Biology SS-8 Biomedical Engineering SS-9 Applied Informatics (collaborative division) SS-10(a) Computational Neuroscience (Adjunct unit) SS-10(d) Computational Intelligence Systems (Adjunct unit)
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[システム科学専攻] - i.kyoto-u.ac.jpシステム科学専攻 アドミッション・ポリシー...

May 22, 2020

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Page 1: [システム科学専攻] - i.kyoto-u.ac.jpシステム科学専攻 アドミッション・ポリシー 高度情報化の進展に伴ってコンピュータネットワークシステムや生産システムをはじめとした

[システム科学専攻] 志望区分 講座名 分野名 シ-1 人間機械共生系 機械システム制御 シ-2 ヒューマンシステム論 シ-3 統合動的システム論 シ-11 モビリティ研究 シ-4 システム構成論 適応システム論 シ-5 数理システム論 シ-6 システム情報論 情報システム シ-7 論理生命学 シ-8 医用工学 シ-9 応用情報学(協力講座) シ-10(a) 計算神経科学(連携ユニット) シ-10(d) 計算知能システム(連携ユニット)

[Department of Systems Science] Application Code

Division Group

SS-1 Human-Machine Symbiosis Mechanical Systems Control SS-2 Human Systems SS-3 Integrated Dynamical Systems SS-11 Mobility Resaerch SS-4 Systems Synthesis Adaptive Systems Theory SS-5 Mathematical System Theory SS-6 Systems Informatics Information Systems SS-7 Integrated Systems Biology SS-8 Biomedical Engineering SS-9 Applied Informatics

(collaborative division)

SS-10(a) Computational Neuroscience (Adjunct unit)

SS-10(d) Computational Intelligence Systems (Adjunct unit)

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サイバネティクスのニューフロンティアを拓く システム科学専攻では、情報学関連の研究分野に関して、研究分野間の壁を穿つ「横糸」的な方法論の探求を目指しています。鍵となる概念は「形式化=モデリング」です。一見まったく異なるように見えても、形式が同じであれば本質は共通しています。複数の研究分野に共通した形式的な構造(=システム)を認識し活用していくことが、新たな研究分野の創出を含めた持続的な科学技術の発展につながります。人工システム-人間-環境における様々なレベルでの多様な問題群に対して、情報の流れに着目して本質的な「システム」を捉えようとするこのような研究姿勢こそ、本来の意味における「サイバネティクス」であると我々は考えています。システム科学専攻では、人間・機械システム、生命システム、情報システムなどを具体的な研究対象に、横糸的な方法論としてのシステム科学の研究・教育を推進することにより、サイバネティクスのニューフロンティアを拓いていきます。

システム科学専攻 アドミッション・ポリシー 高度情報化の進展に伴ってコンピュータネットワークシステムや生産システムをはじめとした現代社会における様々なシステムは自動化・知能化が進行するとともに、ますます大規模となり、また複雑化しています。このようなシステムを開発・運営していくためには、人間あるいは環境との相互作用に着目し、それらを総合的に捉え、分析・構成する新たなシステム研究の方法論が必要です。システム科学専攻では、情報学の多様な専門分野を強固に繋ぐ横糸の役割を果たすような統合的なシステム論の構築に取り組むとともに、実用性・実証性を重視した新たなシステム研究の方法論の構築を目指しています。 本専攻の活動領域は情報学に関係するシステム構造が全て対象となり、極めて広範なものであるため、入学試験の専門科目に幅広い選択肢を用意して多様なバックグラウンドを持つ学生や社会人に広く門戸を開き、機械・電気・数理・医学という様々な学問的背景を持つ研究者による教育を行っています。このように多様な専門性を有機的に結合できるよう複眼的な視野を持つとともに、柔軟な思考が可能な研究者・技術者を育成します。また、人間・環境・社会と人工的システムとの高度な調和・適応の追求や、確率・統計的手法を用いたシステム数理の解明への取り組みを通じ、実用性・実証性に優れたシステムの構築を目指す意欲的な人材を養成します。

専攻の構成 人間機械共生系講座 (志望区分:シ-1,シ-2,シ-3,シ-11) システム構成論講座 (志望区分:シ-4,シ-5) システム情報論講座 (志望区分:シ-6,シ-7,シ-8) 応用情報学講座 (志望区分:シ-9) 計算神経科学ユニット (志望区分:シ-10(a),シ-10(b),シ-10(c)) 計算知能システムユニット (志望区分:シ-10(d))

専攻ホームページ: http://www.sys.i.kyoto-u.ac.jp

システム科学専攻

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機械システム制御分野 志望区分:シ-1

本年度は募集せず.

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ヒューマンシステム論分野 志望区分:シ-2 教授 加納 学

自分たちの研究で,社会をより良くしたい,人を幸せにしたい.これまでに培ったデータ解析・

モデリング・制御の技術を基盤にして,対象を選ばないシステム工学的アプローチにより,その

想いを実現する研究に取り組んでいます.鉄鋼・製薬・半導体・化学などの製造業で高品質製品

の安定生産を省資源・省エネルギー下で実現するために,様々な病気が引き起こす苦しみから患

者さんを解放し,人々が健康であり続けることを支援するために,あるいは美味しく栄養価の高

い農作物の収量を最大化し,生産者と消費者の双方を笑顔にするために,行政・企業・病院の方々

とも協力しながら,それぞれの現場に入り込み,解くべき重要な課題を見付けて,粘り強く解決

しています.ヒューマンシステム論分野に所属しつつ,研究室の外に出て,自分の研究成果が産

業界の技術革新に直結する面白さ,社会を変革する研究の醍醐味を味わって下さい. 学生が大学院で為すべきことは,研究成果をあげることだけではありません.本分野では,大

学院での研究生活を通して,学生が,研究者や技術者などとして将来活躍するための基礎能力を

培い,高い志と広い視野を持つことを目指しています.

研究概要1)仮想計測技術と制御技術:企業との共同研究で本物の課題を解決

製品品質を制御したくても肝心の品質をリアルタイムには計測できない.不良品をなくしたい

が不良発生原因がわからない.そのような産業界に共通する課題を解決するために,操業データ

に基づいて品質を推定・制御する技術,複雑な変数間の因果関係を解析する技術などを開発して

います.さらに,様々な産業界で,企業と連携して研究成果の実用化を進めています.

研究概要2)生体信号処理とウェアラブルデバイスを用いた

ヘルスケアサービス

ドライビングシミュレータや脳波計を整備し,大学病院や民

間企業と共同でウェアラブルセンサを用いたてんかん発作予

知や居眠り検知などのヘルスケアサービスを開発しています.

その他,数値流体力学や構造解析を駆使して,局所脳冷却によ

るてんかん治療法の開発,身体の動きが良くなる高機能シュー

ズの開発などを実施しています.

研究概要3)スマート農業:生産者と消費者の共栄を目指す地域密着型研究開発

自然を相手にする農業では,いかに美味しい農作物を安定して栽培するかが課題です.行政や

農協などとも協力しながら進めているスーパー安納芋プロジェクトでは,土壌,気象,栽培,貯

蔵のデータを収集し,モデル化することで,最適な農作業を提案できるシステムを開発すると共

に,美味しさを予見できる非破壊分析技術の実現も目指しています.

研究室ウェブサイト http://human.sys.i.kyoto-u.ac.jp/

ドライビングシミュレータ

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統合動的システム論分野 志望区分:シ-3 

教授 大塚敏之,准教授 櫻間一徳,助教 星野健太

— あらゆるシステムのモデリング,解析,設計,制御 —

人間,機械,社会,環境などさまざまな対象を包含する今までにないシステムを解析・設計し共生と調和を実現するには,システムのモデリング,解析,設計,制御における普遍原理の解明が不可欠です.そのために,さまざまな問題で根本的な困難となる非線形性や不確かさを扱うための新しい方法論や,動的最適化アルゴリズムについて研究しています.また,局所的な相互作用をもとに大域的な機能を発現する分散制御理論の研究も行っています.そして,あらゆる分野への応用に取り組み,理論的かつ実践的な教育・研究を行っています.

■ 非線形システムのモデリングと制御

システムが高度化するにつれて,平衡状態近傍だけでなく物理的限界まで陽に考慮した解析や制御が必要になってきています.また,複雑なシステムの精密な解析と制御に対するニーズも高まっています.これらの課題を解決するために,解析や制御に適した数理モデルの構築と制御応用に取り組んでいます.対象とするシステムは,たとえば,ロボット,ドローン,自動車,浮体式洋上風力発電機,電力ネットワークにおける需要誘導などです.

■ 実時間最適化の高速アルゴリズムや代数学・代数幾何学を用いた非線形制御理論

実時間で非線形最適化問題を解いて制御や推定を行う高速アルゴリズムを研究しています.応用範囲はきわめて広く,制御・推定のみならず適応・学習も統一的に扱える新しい枠組みへの発展が期待されます.数式処理によるプログラム自動生成,評価関数の調整方法,並列計算など,研究課題は多岐にわたります.また,可換環論などの代数学や代数幾何学を利用する新しい非線形制御理論も研究しています.幅広い問題を実際に解くための方法論を目指しています.

■ 大規模ネットワークシステムに対する分散制御理論の体系化と実践

本研究の目的は,今後ますます重要になる大規模ネットワークシステムの効率的な運用法を生み出すことです.その応用先は工学システムから社会インフラまで多岐に渡ります.例えば,群ロボット(ドローン)のフォーメーション制御,センサネットワークの位置推定,スマートグリッドにおける需給制御,交通システムにおける信号機制御などがあります.要素システムの多様性や情報的なつながりを陽に考慮してシステム全体のパフォーマンスを最大化するための分散制御理論を体系化し,それを実践する方法を研究します.

■ 確率システムに対する非線形制御理論の構築

実際の制御問題では,システムへのノイズなどを想定し,対象を確率的に振る舞うシステムと捉えて制御を行うことがあります.そのような例として,ドローンなどの機械システムの他,生物および社会システムの制御など多くの例が挙げられます.本研究では,確率的な不確かさのもとで性能を最大限に引き出す制御手法の確立を目的とし,確率性に加えて非線形性も考慮した,確率システムの非線形制御手法を研究しています.また,機械学習などに基づいた制御システムの確率的なモデリング手法の開発も目指しています.

研究室 web ページ http://www.ids.sys.i.kyoto-u.ac.jp/

問合せ先 [email protected] (大塚)

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適応システム論分野 志望区分:シ-4教授 田中利幸 助教 上田仁彦

—適応・学習・推論するシステムの実現へ向けての理論的アプローチ—

生物や人間が有する適応,学習,推論の能力をもつシステムを人工的に実現することを目指し,そのために必要となる理論的諸問題に重点をおいて教育,研究を行っています.具体的には,人工知能,パターン認識,データ科学,機械学習,ディジタル情報通信などへの応用を念頭におき,不確実な環境から意味のある情報を効率的に取り出すための確率推論,学習理論,大規模な確率モデルの情報数理を統計力学とのアナロジーで議論する情報統計力学などの主題群に取り組んでいます.

確率モデルにもとづく情報処理

不確実性,不確定性を有する環境から,いかにして意味のある情報を効率的に取り出すか,という問題は,人工知能,パターン認識,データ科学,機械学習,ディジタル情報通信などの様々な分野における情報処理に共通する理論的課題です.この課題に対するアプローチとして近年注目を集めている,環境の不確実性,不確定性を確率モデルによって記述し,それにもとづいて推論,学習,および適応を行うという方法論について,統計科学,情報理論,統計力学,情報幾何学等の立場から領域横断的,多面的に研究を行っています.特に,不規則系の統計力学の知見を大規模な確率モデルにおける推論や学習の問題に適用する情報統計力学について重点を置いて研究しています.

圧縮センシングの数理

画像や音声,動画などのデータを考えてみましょう.これらのマルチメディアデータはサイズが大きく,保存の際には圧縮がなされることが少なくありません.しかしこれは,よく考えてみるとおかしくないでしょうか.データのほとんどをただ圧縮するために取り込むよりも,取り込む段階で圧縮できるのであればそうしたほうが,より好ましいということができます.「圧縮センシング」はこうしたことを可能とする新しい枠組みとして大いに注目を集めています.圧縮の理論的限界の解明や,性能をさらに高めるための手法の構築,様々な実問題への適用を考えた数理的議論の拡張をはじめとして,圧縮センシングの数理的性質を明らかにするための研究を行っています.さらに本学医学研究科や薬学研究科等の研究室と共同で,圧縮センシングの応用によるMRIやタンパク質分析の高性能化に関する研究も行っています.

Data Science for Sciences (DS4S)

計測技術や情報通信技術の飛躍的な発展により,科学の様々な分野で,大量のデータを収集,蓄積,解析することで新たな科学的知見を得ようとする,「科学のためのデータ科学 (Data Science for Sciences, DS4S)」と言うべき方法論が注目されるようになっています.上述のMRIやタンパク質分析に関する研究に加え,材料科学,生命科学,天文学などの分野におけるデータ解析の問題への取り組みを始めています.

その他,情報通信理論,統計的学習理論,ゲーム理論,深層学習など幅広い研究テーマに取り組んでいます.また,推論,学習,適応の方法論に関する研究成果の検証を主な目的として,多次元データのクラスタリング,ディジタル無線通信における情報推定,強化学習とその応用などの具体的な問題群についても研究を行っています.

研究室ホームページ http://www-adsys.sys.i.kyoto-u.ac.jp/

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� �数理システム論分野 志望区分:シ-5

教授 下平英寿 助教 劉 言� �統計学,機械学習,データサイエンスの手法と理論を探求

統計学が注目されています。ビッグデータ、データマイニング、人工知能の流行を支える理論的基盤として統計学は重要な役割を果たしています。ランダムネスを考慮してデータから帰納的推論を行う方法論を提供することが統計学の大きな特徴です。ベイズ統計学の事後確率、頻度論の p-値など、不確実性のもとで信頼度を定量化する試みは科学・工学・医学など様々な分野に普及しました。確率モデルを通してデータから推測、予測、決定を行うための様々な手法や概念、たとえば最尤法、モデル選択、ロバスト統計学、漸近理論、ブートストラップ、仮説検定などが生み出されてきました。一方で、ウェブやソーシャルメディア、または生命科学や宇宙科学では大量のデータが主導する新しい方法論の必要性が増しています。

現実のデータにとりくんで,新たな理論を作るかつて遺伝学においてR. A. Fisherが統計学を飛躍的に発展させたように、現実と向き合うことが方

法論の発展をもたらします。研究室では、これまでにDNA配列解析、遺伝子発現解析でよく使われる統計手法を提案したり、機械学習の汎化誤差の理論、最近ではネットワーク成長メカニズムの統計推測や、新しい情報統合の多変量解析法を提案してソーシャルメディアからの画像認識、文書データからの自然言語処理などの分野でも成果があります。このような応用研究の経験をふまえて 2018年度は数理的な研究成果として、ニューラルネットワークと内積によって表現できる関数のクラスを数学的に明らかにして、さらにそれを大幅に拡張する手法(擬ユークリッド空間への埋込)とその理論を提案しました。これを自然言語処理の単語埋め込みに応用した修士1年の研究は NLP2019にて若手奨励賞と最優秀ポスター賞を受賞しました。このように走り続けることで次のアイデアが生まれます。

数学とプログラミング,どちらも重要研究で最も重要なのはアイデアとデータです。そして数学とプログラミングは力です。定理の証明と

コーディングは似た作業ですね。数学に自信のある人、Python,R,C++のスキルがある人は活躍するチャンスがあるし、やる気さえあれば研究を通して実力はつくものです。

統計学並列計算GPGPU

複雑ネットワークの統計解析

情報幾何学

モデル選択情報量規準・汎化誤差機械学習 情報統合の多変量解析ディープラーニング

時系列解析

リサンプリング

ベイズ統計学と頻度論をつなぐ仮説検定の高次漸近理論

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italia

suecia

grecia

austria

francia

finlandiaitaly

sweden

greece

austria

france

finland

roma

estocolmo

atenas viena

parís

helsinki

rome

stockholm

anneivsnehta

paris

helsinki

国名(English)国名(Spanish) 首都名(Spanish)

首都名(English)

自然言語処理

単語のベクトル表現

分子進化系統樹と遺伝子発現解析

共変量シフト:予測分布と確率密度比

flower

robot

rose

グラフの埋め込み

画像認識

最近の活動は研究室ウェブサイトを御覧ください  http://stat.sys.i.kyoto-u.ac.jp

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� �情報システム分野 志望区分:シ-6

准教授 増山博之� �不確実性の数理

—– 不確実性下における最適な意思決定をめざして —–

わたしたちの身の回りには、不特定多数の利用者が競合する様々な情報・サービスシステムが存在し、そこでは、利用者とサービス提供者の双方が、不確実な情報に基づく意思決定を行っています。また、通常の日常生活だけでなく、例えば、確率的アルゴリズムを利用した研究・開発を行う際には、不確定な計算過程の挙動を予測し、計算の継続あるいは停止の判断を行う必要があります。当分野では、こうした不確実性下での最適な意思決定をめざして、確率過程論、統計学、最適化理論、ゲーム理論などを用いた数理モデルの解析と応用に関する教育・研究を行います。以下にその具体例を挙げます。

• マルコフ解析を中心とした確率過程論とその応用

マルコフ解析とは、不確実な現象に対するマルコフ性を利用したモデル化・解析と, それらを支える数理的手法の開発を目指す応用数学であり、確率過程論の中で最も応用範囲の広い研究分野の一つです。例えば、擬似焼きなまし法 (SA)や、遺伝的アルゴリズム (GA)、機械学習でも用いられるマルコフ連鎖モンテカルロ (MCMC)法といった確率的アルゴリズムの性能解析は、マルコフ連鎖 (過程)のエルゴード理論を用いて行うことができます。また、混雑現象の数理モデル「待ち行列」もマルコフ連鎖の理論を用いて解析できます。当分野では、将来の応用を見据えて、ランダムウォーク型マルコフ連鎖のエルゴード解析や、定常分布の数値計算法および漸近特性についての理論研究を行っています。

• 最適化問題に対する確率的アルゴリズムの計算停止基準と性能評価手法の開発

大規模な組合せ最適化問題を解く際には、ランダム多スタート局所探索法や、SA、GAといった確率的アルゴリズムがよく用いられます。確率的アルゴリズムは、実行時間の増加に伴って、より高い確率で質の良い解を出力しますが、計算過程が確定的ではないため、計算停止判断および性能評価は容易ではありません。当分野では、この問題に対して極値理論を道具に研究を行っています。極値理論は元々、台風、洪水、大地震といった極端な事象のリスク評価のための統計理論として発展してきたものですが、これを確率的アルゴリズムが出力する解系列に適用し、計算継続時の挙動予測 (推定)に応用します。これまでに、計算停止判断に向けた暫定最適解の平均改善率や、視覚的な性能比較を可能にするExpected Performance Profileなどの提案を行っています。

• 情報・サービスシステムの確率モデリングと性能解析

インターネット、携帯電話、クラウドサービス、コールセンタ、空港、病院、大型商業施設など、不特定多数の利用者に開かれた情報・サービスシステムにおいては、利用者が限りあるサービス資源を求めて競合し、混雑現象が発生します。そうした混雑現象は「待ち行列」とよばれる確率モデルで表現できますが、従来の待ち行列研究では、利用者およびサービス提供者の「戦略」を意識しないモデルが解析の中心でした。しかし、現実のシステムでは、利用者およびサービス提供者の双方が、何らかの戦略を持って意思決定を行っています。当分野では、そうした「戦略」を取り込んだ新しいモデル「戦略的待ち行列 (待ち行列ゲーム)」に加え、従来型の未解決な待ち行列モデルや、その解析の基礎となるマルコフ連鎖に関する研究などを行っています。

研究室ホームページ: http://infosys.sys.i.kyoto-u.ac.jp/

Page 9: [システム科学専攻] - i.kyoto-u.ac.jpシステム科学専攻 アドミッション・ポリシー 高度情報化の進展に伴ってコンピュータネットワークシステムや生産システムをはじめとした

わたしたちの目的は, 生命や知性のシステムの数理モデル的理解です.この目的のため,生命科学と情報科

学の融合による学際的アプローチに基づく研究領域を設定し,多様な専門領域を背景に持つ学生・スタッフを結

集し育ててゆきます. 以下,具体的な研究領域の例を挙げます.モデル構築の研究を中心としながら,理学的

検証のための研究と,工学的応用のための研究を共に重視しています.

複雑な環境における意思決定のモデル化と脳内過程の解明

ヒトの高次情報処理である「意思決定」過程の解明に,情報学と認知科学との融合的アプローチ

によって取り組んでいる.個体による意思決定・環境適合のモデルである「強化学習」に注目し,

変動するあるいは複数のエージェントが存在するような複雑な環境に対して,効率よく適合する

機械学習の方式を開発し,ロボットの制御などへ応用すること,また,機械学習法として開発され

た「機械の知」が「自然な知」である脳において実現可能であるかどうかを認知科学実験と非侵

襲脳活動計測装置を用いて検証すること,などを具体的な研究課題としている.さらに,ヒトの脳活動から意

思決定に関する信号を再構成する,ブレインマシンインターフェースの研究も行っている.

計算神経科学とニューロインフォマティクス

脳を構成する神経細胞の動作原理の謎に対して, 情報学の手法を駆使して迫っている.神経細胞ネットワーク

における情報符号化方式を情報理論的観点から検討すること,神経回路内に埋め込まれた部分ネットワークが

学習によりどのように変化するのか,などの課題に取り組んでいる.

ベイズ超解像と画像情報表現

情報学手法によって物理過程である光学系が規定する性能を超えた解像(逆光学)性能を獲得する技術を「超」

解像と呼ぶ.数理統計科学が開発してきたベイズ統計と仮説検定の理論がその基礎となっている.超解像技術

の発展により,生命現象のモデリングに必須な生体高分子

の高精度時空間計測や,人間の認知あるいは感性に関わる

情報の可視化技術の研究を行っている.

統計的バイオインフォマティクス

高次元の包括的生命情報を同時計測するさまざまな技術が開発され,生命や知性のはたらきを研究するために

用いられているが, 結果として得られる高次元データを操作するための数理統計的技術の開発は未成熟である.

多次元空間でのスパース性, 仮説検定の多重性などの困難の解決を目指した研究を行い,非侵襲脳活動計測

データ,遺伝子発現データ,タンパク質活性時系列データなどの生命情報データへ適用してゆく.

研究の最新情報や詳細は研究室のウェブサイト http://ishiilab.jp/ を参照してください.

論理生命学分野 志望区分:シ-7

教授 石井信,特定准教授 吉田和子,講師 大羽成征,助教 東広志

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本分野は,医学・医療に関わる情報システムを対象とした研究を行う分野である.医用工学は情報学・工学

と医学の接点となる学際的な研究領域であり,遺伝子工学などの基礎的研究から生体イメージングや医用画

像処理,人工現実感技術を応用した手術計画・治療支援システムなどの臨床医学と直結した応用研究まで幅

広い領域を研究対象とする. 近年の医学・医療において,情報技術に立脚した医用システムは様々な先端医療を実現し,医学の発展に

は不可欠のものとなっている.医用工学は,実際の医療現場で使われているシステムに対して臨床医が要求

する問題を取り扱う実践的な研究領域であり,研究成果が直ちに実用に供されるという魅力的な特徴を持つ.

医用工学の研究には医学と工学の密接な連携が必須であり,両者の幅広い知識を動員することが重要である

が,学生諸君に特別な医学的知識を要求するものではなく,研究推進に必要な知識は医学系および情報系

の研究者による指導を通じて自然に獲得されて行く.情報学の先端的・実践的な応用領域である医用工学は,

研究活動の意義を楽しみながら学ぶことができる分野である.

研究内容 本分野では,生体モデリングを究める をキーワードに,生体イメージング と 医用システム を二つの柱とし

た研究・教育を行っている.生体イメージングの研究では,主として磁気共鳴画像法(MRI) を対象に計算機シ

ミュレーションや物理実験を行いながら,生体組織の撮影法や画像処理・解析技術の開発を進めている.医用

システムの研究では,生体・医学知識のモデリングと医用画像の処理・認識により,生体のメカニズムやその診

断,治療のプロセスを定量的に理解し,治療計画の自動化や新たな症例に対する予測を可能とする方法につ

いて探求している.触知メカニズムの理解へ向けた触力覚情報の計測と提示,定量分析などの基礎研究も行

っている.具体的な研究内容は以下の通りである.

1.生体イメージング MRI による心拍動のイメージング(図1)と運動解析,生体組織の弾性率

計測に関する研究.マウスを対象とした動物実験,生体試料を対象とした

病変組織特性の計測実験など.

2.医用システム 生体臓器の形状と力学特性,診断や手術に関する医学知識の数理モデ

ルに関する研究.診断や治療計画の自動化,医用画像処理,機械学

習,触力覚情報処理, 人工現実感(VR) に関する研究など.(図2)

図 1 Tagging MRI による心壁運動の

イメージング

図2 三次元画像を用いた生体・医学知識の

モデル化と診断・手術支援

詳細な情報は: http://www.bme.sys.i.kyoto-u.ac.jp/

医用工学分野 志望区分:シ-8

教授 松田 哲也,准教授 中尾 恵, 助教 今井 宏彦

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応用情報学講座 志望区分:シ-9 教授 中島 浩,准教授 深沢 圭一郎,助教 平石 拓

キーワード:最先端のスーパーコンピュータと高性能科学技術計算

応用情報学講座の概要 応用情報学講座の最大の武器は、国内有数の規模と性能を持つスーパーコンピュータ

が身近にあることです。このメリットを最大限に生かして、最先端のスーパーコン

ピュータを対象とした情報技術の高度な応用について、基礎的・基盤的なテーマから実

践的なテーマに至るまで、幅広い研究を行っています。 【スーパーコンピューティングの基盤技術】 多くの最先端の研究分野では、理論・実験に加えて、コンピュータによる計算・シミュ

レーションが重要な研究手法となっています。本講座では、スーパーコンピュータを効

果的に使いこなすためのスーパーコンピューティング技術、特にマルチプロセッサによ

る並列処理をできるだけ簡単に行うための研究を行っています。この研究では、数行の

プログラムで大規模な並列処理を実現する簡易並列言語や、粒子・流体・構造・電磁場

といった代表的な数値シミュレーションの並列化アルゴリズムとそのライブラリ化の

設計・実装を行っています。 【計算科学への応用】

スーパーコンピューティング技術の研究開発だけではなく、それを実際の応用分野に

生かすための研究開発も我々の重要なテーマです。工学研究科・電気工学専攻との大規

模電磁場解析に関する共同研究、生存圏研究所との宇宙プラズマの共同研究など、計算

科学のさまざまな分野と共同して実践的な研究を展開しています。 本講座の教員は、京都大学学術情報メディアセンターに所属しています。センターは、最先端の

スーパーコンピュータを全国の大学等の研究者に共同利用サービスとして提供しています。本

講座http://ais.sys.i.kyoto-u.ac.jp/ やスーパーコンピュータhttp://www.kudpc.kyoto-u.ac.jp のweb page には、もっと詳しい情報がありますのでぜひ見てください。

スーパーコンピュータで「新しいことをやってみよう!」という方、大歓迎

スーパーコンピュータと計算科学

#cores = 72 x 16 = 1,152memory = 48TBperformance = 0.04 PFlops

海洋

電磁場

宇宙プラズマ

心臓

#cores = 68 x 1800 = 122,400memory = 197TBperformance = 5.45 PFlops

#cores = 36 x 850 = 30,600memory = 106TBperformance = 1.03 PFlops

Omni-Path

InfiniBand FDR/EDR

capacity = 16PBbandwidth = 100GB/s

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当研究室では、ヒトの脳活動信号から脳に表現されている情報を解読し、その情報を使ってロボ

ットを操作し、脳機能を理解する研究に取り組んでいる。現在、特に下記プロジェクトに参加す

る学生を募集している。

a)ロボットの運動学習制御

人間の運動学習機構の理解と計算理論の構築を目標に、ロボットを用いた運動学習制御法の研

究を行う。具体例としては、ヒューマノイドロボットを用いた人間動作の見まね学習および全身

運動制御、ヒト型外骨格ロボットによるBMIリハビリテーションで運動機能を代償し、そこか

らシームレスに治療に展開する研究を行う。

b)ブレイン-マシーン・インターフェース

ATRが持つ脳計測、復号化技術とロボット技術を組み合わせ、脳活動から復号化された情報

を用いてロボットやコンピュータを制御する技術(ブレイン-マシーン・インターフェース)の

研究を進めている。身体を介さない新たな情報伝達手段の開発を行うとともに、復号化情報をリ

アルタイムに脳にフィードバックし、脳の時空間的な状態を実験的に操作する新たな神経科学の

パラダイムを築いた。今後は、このパラダイムを、意識の理解や精神疾患の治療に応用すること

を目指している。

モデルベースデータマイニング

データマイニングとは、Web やセンサデータのような膨大なデータ群から「知」を創出する技術

で、例えば、書籍や CD の推薦システム等の要素技術として実際に活かされています。従来アプ

ローチは、頻出パターン抽出に代表されるような数え上げアルゴリズムが主でしたが、当研究室

では、統計的学習理論、ベイズ統計モデルを土台にして、データの背後に生成過程をモデル化す

ることで、より高精度なデータ解析、予測技術の構築を目指しています。

機械学習に基づくパターン認識

人間は文字、音声、画像等のパターン情報を巧みに認識・理解することができます。当研究室で

は、この人間の高度な学習能力を計算機で実現するための技術開発を進めています。具体的には、

ベイズ学習理論に基づくパターン認識の原理的な基礎研究はもとより,加速度や位置などのセン

サデータからのパターン認識応用研究も行っています。

NTT コミュニケーション科学基礎研究所連携 志望区分:シ-10(d)

連携教授:上田 修功

国際電気通信基礎技術研究所連携 志望区分:シ-10(a)

連携教授:川人 光男

Page 13: [システム科学専攻] - i.kyoto-u.ac.jpシステム科学専攻 アドミッション・ポリシー 高度情報化の進展に伴ってコンピュータネットワークシステムや生産システムをはじめとした

インテリジェント・ビークル

市販車のコンピュータ制御は,いまから約半世紀前にエンジン制御から始まったといわれ,いまでは,100 個以上の ECU が埋め込まれた乗用車が市販されています.先進安全自動車の研究プロジェクトは 1991 年に始まり,現在では,代表的な成果というべき衝突被害軽減ブレーキが普及価格帯の車両にまで搭載されるようになってきています.基本となっている考え方は,自動車が運転者をサポートして衝突を防ぐ機能を段階的に開発していき,市販車に組み込むことです. このような予防安全技術に関連して,四輪操舵と独立制駆動力配分の統合制御,タイヤでの過大なスリップを防いで安定した走行を実現させるタイヤ力指令値配分,路面摩擦係数の推定,スリップによる走行中のエネルギー損失など,車両運動に関連するセンシングと制御について,主として力学的な側面に注目してきました.

衝 突 回 避

段階的な開発を志向した先進安全自動車は,事故低減の効果も認められた自動ブレーキに結実しました(自動化レベルでいえば,レベル 2の運転支援).一方,喧伝されている自動運転は,レベル 4 以上の高度自動運転を志向した技術として開発が進められています.しかし,このような自動運転では,センサーの不調から死亡事故に至る危険性もあり,予想されているほど早期の普及が実現するか疑問の余地もあります. 衝突回避に関しては,実用化されている自動ブレーキの発展型として,隣接する車線への進路変更との統合について理論とシミュレーションから検討を進めています.そこでは,自動車側が危険回避の限界に到達したと判定してから,回避動作が完了するまで,操舵系の操作と駆動力配分などが自動化されると仮定しています.いわゆる完全自動運転とは異なるシナリオで,回避動作の理論限界や効果的な実装方法について検討しています. 当研究グループでは,今後も,ダイナミクスの観点から,自動車の運動と制御を課題としていきたいと考えています.同時に,ICTの機械システムへの応用について,より広い観点からの課題発見に興味を持っています.例えば,機構のパラメータ最適化に類する課題には,長期間に渡り,取り組んできています.Mathematica による数式処理を用いて,標準的な問題設定で厳密解の導出を実現させた例もあります.

モビリティ研究グループ 志望区分:シ-11 准教授 西原 修

http://libra.sys.i.kyoto-u.ac.jp