Top Banner
1 令和元年9月 15 日 総務省統計局では、「敬老の日」(9月16日)を迎えるに当たって、統計からみた我が国 の65歳以上の高齢者の人口と就業の状況について取りまとめました。 統計トピックス No.121 統計からみた我が国の高齢者 -「敬老の日」にちなんで- 高齢者の人口(人口推計 2019年9月15日現在)(2ページ~) ○ 総人口が減少する中で、高齢者人口は3588万人と過去最多 総人口に占める割合は28.4%と過去最高 ○ 日本の高齢者人口の割合は、世界で最高(201の国・地域中) 高齢者の就業(労働力調査 2018年平均)(6ページ~) ○ 高齢就業者数は、15年連続で増加し、862万人と過去最多 ○ 就業者総数に占める高齢就業者の割合は、12.9%と過去最高 ○ 高齢就業者は、「卸売業,小売業」や「農業,林業」などで多い ○ 高齢雇用者の4人に3人は非正規の職員・従業員 高齢者の非正規の職員・従業員は、10年間で200万人以上増加 ○ 非正規の職員・従業員についた主な理由は、 男女とも「自分の都合のよい時間に働きたいから」が最多 ○ 日本の高齢者の就業率は、主要国の中でも高い水準 内 容
12

統計からみた我が国の高齢者 - Stat1 令和元年9月15日 総務省統計局では、「敬老の日」(9月16日)を迎えるに当たって、統計からみた我が国

Feb 02, 2020

Download

Documents

dariahiddleston
Welcome message from author
This document is posted to help you gain knowledge. Please leave a comment to let me know what you think about it! Share it to your friends and learn new things together.
Transcript
Page 1: 統計からみた我が国の高齢者 - Stat1 令和元年9月15日 総務省統計局では、「敬老の日」(9月16日)を迎えるに当たって、統計からみた我が国

1

令和元年9月 15 日

総務省統計局では、「敬老の日」(9月16日)を迎えるに当たって、統計からみた我が国

の65歳以上の高齢者の人口と就業の状況について取りまとめました。

統計トピックス No.121

統計からみた我が国の高齢者 -「敬老の日」にちなんで-

Ⅰ 高齢者の人口(人口推計 2019年9月15日現在)(2ページ~)

○ 総人口が減少する中で、高齢者人口は3588万人と過去最多

総人口に占める割合は28.4%と過去最高

○ 日本の高齢者人口の割合は、世界で最高(201の国・地域中)

Ⅱ 高齢者の就業(労働力調査 2018年平均)(6ページ~)

○ 高齢就業者数は、15年連続で増加し、862万人と過去最多

○ 就業者総数に占める高齢就業者の割合は、12.9%と過去最高

○ 高齢就業者は、「卸売業,小売業」や「農業,林業」などで多い

○ 高齢雇用者の4人に3人は非正規の職員・従業員

高齢者の非正規の職員・従業員は、10年間で200万人以上増加

○ 非正規の職員・従業員についた主な理由は、

男女とも「自分の都合のよい時間に働きたいから」が最多

○ 日本の高齢者の就業率は、主要国の中でも高い水準

内 容

Page 2: 統計からみた我が国の高齢者 - Stat1 令和元年9月15日 総務省統計局では、「敬老の日」(9月16日)を迎えるに当たって、統計からみた我が国

2

Ⅰ 高齢者の人口

総人口が減少する中で、高齢者人口は 3588 万人と過去最多 総人口に占める割合は 28.4%と過去最高

我が国の総人口(2019年9月15日現在推計)は、前年に比べ26万人減少している一方、65歳

以上の高齢者(以下「高齢者」といいます。)人口は、3588万人と、前年(3556万人)に比べ32

万人増加し、過去最多となりました。総人口に占める割合は28.4%と、前年(28.1%)に比べ

0.3ポイント上昇し、過去最高となりました。

男女別にみると、男性は1560万人(男性人口の25.4%)、女性は2028万人(女性人口の31.3%)

と、女性が男性より468万人多くなっています。

人口性比(女性100人に対する男性の数)をみると、15歳未満では105.0、15~64歳では102.6

と男性が多いのに対し、65歳以上では76.9と女性が多くなっています。

年齢階級別にみると、いわゆる「団塊の世代」(1947年~1949年生まれ)を含む70歳以上人口

は2715万人(総人口の21.5%)で、前年に比べ、98万人増(0.8ポイント上昇)となりました。

また、75歳以上人口は1848万人(同14.7%)で、前年に比べ、53万人増(0.5ポイント上昇)、

80歳以上人口は1125万人(同8.9%)で、21万人増(0.2ポイント上昇)となりました。(表1)

表1 年齢3区分別人口及び割合(2018年、2019年)- 9月15日現在

資料:「人口推計」 ※)女性100人に対する男性の数 注)表中の数値は、単位未満を四捨五入しているため、合計の数値と内訳の計が一致しない場合がある (以下この章において同じ。)。

うち70歳以上

うち75歳以上

うち80歳以上

うち85歳以上

うち90歳以上

うち95歳以上

うち100歳以上

2019年

男女計  12617 1524 7505 3588 2715 1848 1125 592 231 55 7 男  6140 780 3800 1560 1137 729 405 185 58 10 1 女  6477 743 3705 2028 1578 1120 720 407 173 45 6

男女計  100.0 12.1 59.5 28.4 21.5 14.7 8.9 4.7 1.8 0.4 0.1 男  100.0 12.7 61.9 25.4 18.5 11.9 6.6 3.0 0.9 0.2 0.0 女  100.0 11.5 57.2 31.3 24.4 17.3 11.1 6.3 2.7 0.7 0.1

94.8 105.0 102.6 76.9 72.1 65.1 56.3 45.5 33.4 21.2 14.8

2018年

男女計  12643 1542 7545 3556 2617 1795 1104 569 218 51 7 男  6152 790 3818 1545 1091 704 395 176 54 9 1 女  6491 753 3727 2011 1526 1090 708 393 164 42 6

男女計  100.0 12.2 59.7 28.1 20.7 14.2 8.7 4.5 1.7 0.4 0.1 男  100.0 12.8 62.1 25.1 17.7 11.5 6.4 2.9 0.9 0.1 0.0 女  100.0 11.6 57.4 31.0 23.5 16.8 10.9 6.1 2.5 0.7 0.1

94.8 104.9 102.4 76.8 71.5 64.6 55.8 44.8 32.6 20.2 14.9

65歳以上総人口

人 口(万人)

区   分 15歳未満 15~64歳

総人口に占める割合(%)

人口性比 ※

人 口(万人)

総人口に占める割合(%)

人口性比 ※

Page 3: 統計からみた我が国の高齢者 - Stat1 令和元年9月15日 総務省統計局では、「敬老の日」(9月16日)を迎えるに当たって、統計からみた我が国

3

総人口に占める高齢者人口の割合の推移をみると、1950 年(4.9%)以降一貫して上昇が続い

ており、1985 年に 10%、2005 年に 20%を超え、2019 年は 28.4%となりました。

国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、この割合は今後も上昇を続け、2025年には

30.0%となり、第2次ベビーブーム期(1971年~1974年)に生まれた世代が65歳以上となる2040

年には、35.3%になると見込まれています。(図1、表2)

図1 高齢者人口及び割合の推移(1950年~2040年)

表2 高齢者人口及び割合の推移(1950年~2040年)

資料:1950年~2015年は「国勢調査」、2018年及び2019年は「人口推計」

2020年以降は「日本の将来推計人口(平成29年推計)」出生(中位)死亡(中位)推計

(国立社会保障・人口問題研究所)から作成

注1)2018年及び2019年は9月15日現在、その他の年は10月1日現在

2)国勢調査による人口及び割合は、年齢不詳をあん分した結果

3)1970年までは沖縄県を含まない。

(万人)

1950 8320 411 234 106 37 4.9 2.8 1.3 0.41955 8928 475 278 139 51 5.3 3.1 1.6 0.61960 9342 535 319 163 67 5.7 3.4 1.7 0.71965 9827 618 362 187 78 6.3 3.7 1.9 0.81970 10372 733 435 221 95 7.1 4.2 2.1 0.91975 11194 887 542 284 120 7.9 4.8 2.5 1.11980 11706 1065 669 366 162 9.1 5.7 3.1 1.41985 12105 1247 828 471 222 10.3 6.8 3.9 1.81990 12361 1493 981 599 296 12.1 7.9 4.8 2.41995 12557 1828 1187 718 388 14.6 9.5 5.7 3.12000 12693 2204 1492 901 486 17.4 11.8 7.1 3.82005 12777 2576 1830 1164 636 20.2 14.3 9.1 5.02010 12806 2948 2121 1419 820 23.0 16.6 11.1 6.42015 12709 3387 2411 1632 997 26.6 19.0 12.8 7.8

2018 12643 3556 2617 1795 1104 28.1 20.7 14.2 8.72019 12617 3588 2715 1848 1125 28.4 21.5 14.7 8.9

2020 12532 3619 2795 1872 1161 28.9 22.3 14.9 9.32025 12254 3677 2961 2180 1331 30.0 24.2 17.8 10.92030 11913 3716 2969 2288 1569 31.2 24.9 19.2 13.22035 11522 3782 2971 2260 1629 32.8 25.8 19.6 14.12040 11092 3921 3013 2239 1578 35.3 27.2 20.2 14.2

高齢者人口 (万人)  総人口に占める割合 (%)年 次 総人口

65歳以上 うち 70歳以上

うち 75歳以上

うち 80歳以上

65歳以上 うち 75歳以上

うち 80歳以上

うち 70歳以上

Page 4: 統計からみた我が国の高齢者 - Stat1 令和元年9月15日 総務省統計局では、「敬老の日」(9月16日)を迎えるに当たって、統計からみた我が国

4

日本の高齢者人口の割合は、世界で最高(201 の国・地域中)

2019年の高齢者の総人口に占める割合を比較すると、日本(28.4%)は世界で最も高く、次いでイ

タリア(23.0%)、ポルトガル(22.4%)、フィンランド(22.1%)などとなっています。(表3、図2)

表3 高齢者人口の割合(上位10か国)(2019年)

図2 主要国における高齢者人口の割合の比較(2019 年)

順位 国・地域総人口

(万人)65歳以上人口

(万人)

総人口に占める65歳以上人口の割合

(%)

1 日本 12617 3588 28.4

2 イタリア 6055 1393 23.0

3 ポルトガル 1023 229 22.4

4 フィンランド 553 122 22.1

5 ギリシャ 1047 230 21.9

6 ドイツ 8352 1801 21.6

7 ブルガリア 700 149 21.3

8 マルティニーク 38 8 21.0

9 クロアチア 413 86 20.9

10 マルタ共和国 44 9 20.8

13.8 11.3 10.2 11.0 10.0 10.2 9.5 8.7 7.9

14.7

11.711.4 9.4

8.5 7.46.7 6.4

3.6

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

30.0

35.0

日本

イタリア

ドイツ

フランス

イギリス

カナダ

アメリカ

韓国

中国

28.4

23.021.6

20.418.5 17.6

16.2

(%)

世界の

65歳以上

人口割合

9.1%

75歳以上

65~74歳65歳以上

15.1

11.5

資料:日本の値は、「人口推計」、他国は、World Population Prospects: The 2019 Revision(United Nations) 注)日本は、9月 15 日現在、他国は、7月1日現在

資料:日本の値は、「人口推計」、

他国は、World Population Prospects: The 2019 Revision(United Nations)(201 の国及び地域を掲載) 注)日本は、9月 15 日現在、他国は、7月1日現在

Page 5: 統計からみた我が国の高齢者 - Stat1 令和元年9月15日 総務省統計局では、「敬老の日」(9月16日)を迎えるに当たって、統計からみた我が国

5

高齢者の総人口に占める割合の推移をみると、各国とも上昇傾向となっています。

国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、日本は 2015 年(26.6%)と比べ 2065 年は 38.4%

(11.8 ポイント上昇)になると見込まれています。

また、国際連合の推計によると、韓国は 12.9%から 42.1%(29.2 ポイント上昇)、中国は 9.3%か

ら 30.0%(20.7 ポイント上昇)と大幅な上昇が見込まれています。(図3)

図3 主要国における高齢者人口の割合の推移(1950 年~2065 年)

資料:日本の値は、2015 年までは「国勢調査」、2020 年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」

他国は、World Population Prospects: The 2019 Revision(United Nations) 注)日本は、各年 10 月1日現在、他国は、各年7月1日現在

◆詳しい結果は、以下のURLを御覧ください。 人口推計 :https://www.stat.go.jp/data/jinsui/index.html World Population Prospects:https://population.un.org /wpp/

世界 (18.4)

中国 (30.0)

日本 (38.4)

韓国 (42.1)

イギリス (27.3)

イタリア (36.1)

フランス (28.7)

ドイツ (30.6)

カナダ (27.2)

アメリカ (24.9)

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

30.0

35.0

40.0

45.0

1950 1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 2055 2060 2065

(%)

(年)

Page 6: 統計からみた我が国の高齢者 - Stat1 令和元年9月15日 総務省統計局では、「敬老の日」(9月16日)を迎えるに当たって、統計からみた我が国

6

Ⅱ 高齢者の就業

2018年の高齢者の就業者※1)(以下「高齢就業者」といいます。)数は、2004年以降、15年連続で前

年に比べ増加し、862万人と過去最多※2)となっています。

高齢就業者数の対前年増減をみると、「団塊の世代」の高齢化などを背景に、2013年以降大きく増加

しており、2013年から2016年までは主に65~69歳で増加、2017年以降は「団塊の世代」が70歳を迎え

始めたことなどにより、主に70歳以上で増加しています。(図4、図5)

図4 高齢就業者数の推移(2008 年~2018 年)

資料:「労働力調査」(基本集計)

注1)数値は、単位未満を四捨五入しているため、合計の数値と内訳の計が一致しない場合がある。

注2)2011年は、東日本大震災に伴う補完推計値

図5 高齢就業者数の対前年増減の推移(2008 年~2018 年)

資料:「労働力調査」(基本集計)

注1)数値は、単位未満を四捨五入しているため、合計の数値と内訳の計が一致しない場合がある。

注2)2011年及び2012年は、東日本大震災に伴う補完推計値

高齢就業者数は、15年連続で増加し、862万人と過去最多

※1)就業者とは、月末1週間に収入を伴う仕事を1時間以上した者、又は月末1週間に仕事を休んでいた者

※2)比較可能な 1968 年以降

347 351 350 <349> 365 390 416 443 462 483 512

207 214 221 <222>231

247267

288308

324350

553 565570 <571>

596637

682

732770

807

862

0

200

400

600

800

1000

2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018

男性

女性

(年)

(万人)

注)

7 5

-2<-10>

<8>

20 1922

18

4

-4

2

8

2

<-4>

<5>

1412

1419

2

1

2

-1

2<8>

<8>

58

4

1

17

334

-1

5

<5>

<4>

2

8 8

14

25

1412

5

<1>

<25>

41

45

50

38 37

55

-20

-10

0

10

20

30

40

50

60

70

2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 (年)

女性65~69歳

女性70歳以上

男性65~69歳

(万人)

男女計

注)

男性70歳以上

注)

Page 7: 統計からみた我が国の高齢者 - Stat1 令和元年9月15日 総務省統計局では、「敬老の日」(9月16日)を迎えるに当たって、統計からみた我が国

7

2018年の高齢者の就業率※3)は、男性が33.2%、女性が17.4%と、いずれも7年連続で前年に比べ

上昇しています。65~69歳の就業率をみると、2014年に男性は50%、女性は30%を超え、その後も一

貫して上昇しています。

また、年齢階級別にみると、2018年は65~69歳で46.6%、70~74歳で30.2%、75歳以上で9.8%とな

り、年齢が高くなるとともに就業率は低くなっています。(図6、図7)

※3)高齢者の就業率は、65歳以上人口に占める就業者の割合

図6 男女別高齢者の就業率の推移(2008年~2018年)

男性 女性

資料:「労働力調査」(基本集計) 注1)年齢階級別就業率は、各年齢階級の人口に占める就業者の割合

注2)2011年は、東日本大震災に伴う補完推計値

図7 年齢階級別高齢者の就業率の推移(2014年~2018年)

資料:「労働力調査」(基本集計)

72.5 71.4 70.6 <70.8> 71.3 72.274.3 75.5 76.8

79.181.1

20.2 19.6 19.3 <19.6> 19.7 19.7 19.9 20.1 19.9 20.923.1

47.8 46.9 46.8 <46.3> 46.948.8

50.552.2 53.0

54.857.2

29.0 28.4 27.8 <27.5> 27.9 28.6 29.3 30.3 30.9 31.8 33.2

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

70.0

80.0

90.0

2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018

(参考)60~64歳

(年)

65~69歳

65歳以上

70歳以上

(%)

注)

42.5 42.9 44.2 <44.2> 44.5 46.047.6

49.4 50.853.6

56.8

25.5 26.3 26.9 <27.1> 27.8 29.3 30.5 31.633.3 34.4

36.6

8.5 8.2 8.4 <8.6> 8.6 8.5 8.9 9.3 9.2 10.0 11.3

12.9 13.0 13.1 <13.0> 13.2 13.7 14.3 15.0 15.8 16.3 17.4

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

70.0

80.0

90.0

2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018(年)

(参考)60~64歳

65~69歳

65歳以上

70歳以上

(%)

注)

40.1

24.0

8.1

41.5

24.9

8.3

42.8

25.0

8.7

44.3

27.2

9.0

46.6

30.2

9.8

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

30.0

35.0

40.0

45.0

50.0

65~69歳 70~74歳 75歳以上

2014年

(%)

2015

2016

2017

2018

Page 8: 統計からみた我が国の高齢者 - Stat1 令和元年9月15日 総務省統計局では、「敬老の日」(9月16日)を迎えるに当たって、統計からみた我が国

8

15歳以上の就業者総数に占める高齢就業者の割合は12.9%と、過去最高※)となっています。(図8)

※)比較可能な1968年以降

図8 就業者総数に占める高齢就業者の割合の推移(2008 年~2018 年)

資料:「労働力調査」(基本集計)

注)2011年は、東日本大震災に伴う補完推計値

高齢就業者数を主な産業別にみると、「卸売業,小売業」が127万人と最も多く、次いで「農業,林

業」が107万人、「サービス業(他に分類されないもの)」が98万人、「製造業」が94万人などとなって

います。

なお、各産業の就業者数に占める高齢就業者の割合をみると、「農業,林業」が51.0%と最も高く、

次いで「不動産業,物品賃貸業」が25.4%、「サービス業(他に分類されないもの)」が22.0%、「生活

関連サービス業,娯楽業」が18.2%などとなっています。(図9)

図9 主な産業別高齢就業者数及び割合(2018 年)

資料:「労働力調査」(基本集計)

就業者総数に占める高齢就業者の割合は、12.9%と過去最高

高齢就業者は、「卸売業,小売業」や「農業,林業」などで多い

8.79.0 9.1 <9.1>

9.5

10.1

10.7

11.4

11.9

12.4

12.9

9.39.6 9.7 <9.6>

10.1

10.8

11.4

12.212.6

13.2

13.8

7.88.1

8.4 <8.4>

8.79.1

9.8

10.5

11.011.3

11.9

5.0

6.0

7.0

8.0

9.0

10.0

11.0

12.0

13.0

14.0

15.0

6000

6100

6200

6300

6400

6500

6600

6700

6800

6900

7000

2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018

(%)(万人)

男女計

男性

女性

(年)

就業者総数(←左目盛)

高齢就業者の割合

(右目盛→)

注)

0.00

51.0

15.5

8.9

2.3

11.4 11.8

4.3

25.4

12.6 14.7

18.2

8.1 9.6

22.0

3.4

107

78

94

5

39

127

7

33 30

61

43

26

80

98

8

農業,林業

建設業

製造業

情報通信業

運輸業,郵便業

卸売業,小売業

金融業,保険業

不動産業,物品賃貸業

学術研究,専門・技術サービス業

宿泊業,飲食サービス業

生活関連サービス業,娯楽業

教育,学習支援業

医療,福祉

サービス業(

他に分類されないもの)

公務(

他に分類されるものを除く)

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

200

220

240

-60.0

-50.0

-40.0

-30.0

-20.0

-10.0

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

男性

女性

()

高齢就業者数(←左目盛)

各産業の就業者数に占める高齢就業者の割合

(右目盛→)

(万人)

(%)

Page 9: 統計からみた我が国の高齢者 - Stat1 令和元年9月15日 総務省統計局では、「敬老の日」(9月16日)を迎えるに当たって、統計からみた我が国

9

高齢就業者を従業上の地位別にみると、役員を除く雇用者が469万人で高齢就業者の54.9%、自営業

主・家族従業者が278万人で同32.6%、会社などの役員が107万人で同12.5%となっています。さらに、

高齢就業者のうち役員を除く雇用者(以下「高齢雇用者」といいます。)を雇用形態別にみると、非正

規の職員・従業員が76.3%を占めており、そのうちパート・アルバイトの割合が52.5%と最も高くな

っています。(図10)

図10 従業上の地位別高齢就業者及び雇用形態別高齢雇用者の内訳(2018年)

資料:「労働力調査」(詳細集計)

注)割合は内訳の合計に占める割合

また、高齢雇用者について、正規及び非正規の職員・従業員の推移をみると、正規・非正規共に増

加傾向で推移しています。正規の職員・従業員は、2008年(70万人)から2018年(111万人)で41万人

増加し、非正規の職員・従業員は、2008年(154万人)から2018年(358万人)で204万人増加していま

す。(図11)

図 11 雇用形態別高齢雇用者数及び非正規の職員・従業員の

割合の推移(2008 年~2018 年)

資料:「労働力調査」(詳細集計)

注)2011年は、東日本大震災に伴う補完推計値

高齢雇用者の4人に3人は非正規の職員・従業員

高齢者の非正規の職員・従業員は、10年間で200万人以上増加

7077 74 <74>

81 81 8693 99

109 111

154 158 163 <168>179

204

235

268

301316

358

68.6 67.168.9 <69.6> 68.8

71.5 73.1 74.2 75.1 74.476.3

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018

(万人)

(年)

(←左目盛)非正規の職員・従業員

(←左目盛)正規の職員・従業員

正規及び非正規の職員・従業員の合計に占める

非正規の職員・従業員の割合(右目盛→)

(%)

注)

役員を除く 雇用者の内訳

自営業主・

家族従業者

278万人

(32.6%)

役員

107万人

(12.5%)

役員を除く雇用者

469万人

(54.9%)

正規の職員・

従業員

111万人

(23.7%)

パート・アルバイト

246万人

(52.5%)

契約社員

45万人(9.6%)

嘱託

33万人(7.0%)

労働者派遣事業所の

派遣社員

13万人(2.8%)

その他

21万人(4.5%)

非正規の職員・

従業員

358万人

(76.3%)

Page 10: 統計からみた我が国の高齢者 - Stat1 令和元年9月15日 総務省統計局では、「敬老の日」(9月16日)を迎えるに当たって、統計からみた我が国

10

非正規の職員・従業員についた主な理由は、

男女とも「自分の都合のよい時間に働きたいから」が最多

雇用形態が非正規の職員・従業員の高齢雇用者について、現在の雇用形態についた主な理由別の

割合を男女別にみると、男性は「自分の都合のよい時間に働きたいから」(29.8%)が最も高く、次

いで「専門的な技能等をいかせるから」(17.4%)、「家計の補助・学費等を得たいから」(16.3%)な

どとなっています。また、女性についても、「自分の都合のよい時間に働きたいから」(38.1%)が最

も高く、次いで「家計の補助・学費等を得たいから」(20.6%)、「専門的な技能等をいかせるから」

(8.8%)などとなっています。

なお、女性は「家事・育児・介護等と両立しやすいから」が 6.3%となっていますが、男性は

0.6%となっています。(図 12)

図 12 非正規の職員・従業員の高齢雇用者が

現在の雇用形態についた主な理由別内訳(2018 年)

男性 女性

資料:「労働力調査」(詳細集計)

注)割合は内訳の合計に占める割合

自分の都合のよい

時間に働きたいから

38.1%

家計の補助・学費等を

得たいから

20.6%専門的な技能等を

いかせるから

8.8%

通勤時間が短いから

7.5%

家事・育児・介護等と両立

しやすいから

6.3%

正規の職員・従業員の仕

事がないから

5.0%

その他

13.8%

自分の都合のよい時間に

働きたいから

29.8%

専門的な技能等をい

かせるから

17.4%家計の補助・学費

等を得たいから

16.3%

正規の職員・従業員の

仕事がないから

11.8%

通勤時間が短いから

4.5%

家事・育児・介護等と

両立しやすいから

0.6%その他

19.7%

Page 11: 統計からみた我が国の高齢者 - Stat1 令和元年9月15日 総務省統計局では、「敬老の日」(9月16日)を迎えるに当たって、統計からみた我が国

11

主要国における高齢者の就業率を10年前と比較すると、日本(+4.6ポイント)、カナダ(+3.6ポイ

ント)を始め、各国とも上昇しています。2018年の日本の高齢者の就業率は24.3%となっており、主

要国の中でも高い水準にあります。(図13)

図 13 主要国における高齢者の就業率の比較(2008 年、2018 年)

資料:日本の値は、「労働力調査」(基本集計)、他国は、OECD.Stat

労働力調査 検索

日本の高齢者の就業率は、主要国の中でも高い水準

◆詳しい結果は、以下のURLを御覧ください。 労働力調査:https://www.stat.go.jp/data/roudou/index.html OECD.Stat:https://stats.oecd.org/

30.6

19.7

16.1

9.87.3

3.9 3.31.4

31.3

24.3

18.9

13.4

10.5

7.44.7

3.0

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

韓国 日本 アメリカ カナダ イギリス ドイツ イタリア フランス

2008年

2018年

(%)

Page 12: 統計からみた我が国の高齢者 - Stat1 令和元年9月15日 総務省統計局では、「敬老の日」(9月16日)を迎えるに当たって、統計からみた我が国

12

【問合せ先】 調査企画課企画係

東京都新宿区若松町 19 番 1 号

TEL :( 0 3) 5 2 7 3- 1 0 2 8(直通)

FAX :( 0 3) 5 2 7 3- 1 1 8 3

E-Mail : [email protected] 【各項目に関する問合せ先】

Ⅰ 高齢者の人口

(人口推計) 国勢統計課人口推計係 (03)5273-1009

(World Population Prospects)調査企画課企画係 (03) 5273-1028

Ⅱ 高齢者の就業 労働力人口統計室審査発表第一係 (03)5273-1162

(労働力調査)

(OECD.Stat)

※統計データを引用・転載する場合には、出典の表記をお願いします。

資料については、15 日(日)17 時に統計局ホームページで公開します。

総務省統計局ホームページ https://www.stat.go.jp/ 統計局 検索