06 No. 148 ◎2012.4.5 07 う。昨年の大会では、オープン参加ながらジャンプ団体で、1部優勝校に大差をつけて勝ち「日大は1部で戦える。自分のやっていることは間違っていない」と自信をつかんだ。4年生になると、主将を任されチームを引っ張り、自身も2部ジャンプで5位に入賞しチームの1部復帰に貢献した。最後のインカレ・地元での出場に「これまで支えてくれた人たちに自分の集大成を見せることができたかな」と笑顔を見せた。大学時代を「完全燃焼の充実した4年間」と語る伊藤さん。大学卒業とともに競技を引退し、4月から神奈川県内の会社に就職する。「語学を学んだり、整体師の資格を取ったりして、将来は八幡平市で選手をサポートし、たくさんの子どもたちがジャンプに挑戦できる環境を作りたい」と夢を語る。指導者として再び大好きなスキーに携わる日を目指して―。伊藤さんは、新たな目標へのスタート地点に立った。最終種目のクロスカントリーリレーを終えると、日本大学スキー部主将の伊藤翔平さん(4年、松尾中卒)は、チームの仲間から胴上げされ、2度、3度と田山の空に舞った。日大男子は2部で優勝し、来季の1部復帰を決めた。「強いだけじゃない最高のチームの仲間たちのおかげで、大学スキー、そして競技生活を締めくくることができた」と伊藤さんは喜びをあらわにした。伊藤さんにとってもチームにとってもつらい4年間だった。伊藤さんが入学した年、日大男子は部員の不祥事で、インカレの無期限出場停止を受けた。伊藤さんも大会で右膝前十字靭じん帯たいを断裂の大けがを負い「競技生活のどん底だった」と振り返る。しかし、競技に復帰するため、1年以上にわたるリハビリに懸命に取り組んだ。3年生のとき出場停止が解けたが、チームは3部まで降格し「自分の置かれた環境の中でどうしたらいいか悩んだ」とい会時のもの。敬称略)。■クロスカントリー【男子】▽スプリントフリー(1 ・2 ㌔)㊸落安陵(東海大3 年、松尾中卒)▽10 ㌔クラシカル⓫高橋涼(東京農業大2 年・松尾中卒)落安陵▽リレー(10 ㌔×4 )❷東京農業大(高橋涼ほか)■ジャンプ【男子】❶小林潤志郎(東海大2 年、松尾中卒)㉗畑中優祐(東海大3 年、松尾中卒)■コンバインド⓱畑中優祐■アルペン【男子】▽ジャイアントスラローム⓰小船勝巳(東海大4 年、安代中卒)㉜小山田翔(東海大2 年、松尾中卒)高橋翔大(法政大3 年、松尾中卒)=2 回目途中棄権▽スラローム⓬小船勝巳高橋翔大【女子】▽ジャイアントスラローム❺新里尚子(東海大2 年、西根中卒)▽スラローム㉚新里尚子第85 回全日本学生スキー選手権大会(インカレ)大学の名誉懸けた熱き戦い「秩父宮杯・秩父宮妃杯 第85 回全日本学生スキー選手権大会」(インカレ)のノルディック競技は、2 月26 日から29 日まで八幡平市を会場に開かれました。今回の開催は、本来開催予定地だった新潟県妙高市が開催を辞退したため、八幡平市と雫石町(アルペン競技)で開催を引き受けたものです。八幡平市で行われたクロスカントリー、ジャンプ、コンバインド競技では、約900人の選手が、大学の名誉を懸け、学生日本一を競い合いました。次の第86 回大会は、全ての競技が八幡平市で開催されることが決まっており、選手たちは、安代地区体育館で開かれた閉会式後、来年またこの地に集うことを誓い合いました。雫石町で行われたアルペン競技を含めた八幡平市出身選手の成績は次のとおりです(1 部のみ。学年は大1_男子1部クロスカントリーリレー・東京農業大第3 走の高橋涼選手(写真左)は順位を3つ上げ、チームの準 優勝に貢献しました 2_男子1部クロスカントリーの 個人2種目に出場した落安陵選手 3_男子1部ジャン プ・コンバインドに出場した畑中優祐選手 4_男子1 部ジャンプで優勝した小林潤志郎選手は「これからも自 分の活躍する姿をテレビなどで見せ、八幡平市をはじめ 岩手の人たちに元気を与えたい」と優勝後に語りました 5_アルペン女子1部ジャイアントスラロームで5位に 入った新里尚子選手【写真撮影=上和野悟(雫石町)】 Pick Up 伊藤翔平[男子2部ジャンプ5位・日大1部復帰に貢献]Shohei Ito 「チームでつかんだ1部復帰地元の舞台で有終の美飾る」●いとう・しょうへい 平成 2年八幡平市(旧松尾村)生ま れ。中学校1年生のときに ジャンプ競技を始める。これ まで県内大会をはじめ多くの 大会で入賞をを果たした。好 きな言葉は「人は、確かな一 歩の積み重ねでしか遠くへは 行けない」(イチロー)。父・ 母・妹・祖母・曽祖母の6人 家族。身長181㌢。 体重65㌔。 血液型AB型のみずがめ座。22 歳。寄木小→松尾中→盛岡中 央高校卒。 profile 1 2 3 4 5