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Aug 31, 2018

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【抄録】 日本IVR学会 第28回中部・第27回関西合同地方会平成22年2月20日(土) 名古屋市立大学医学部

1. 第 7 回日本 IVR 学会夏季学術セミナーの教育効果

関西医科大学 米虫 敦、狩谷秀治、谷川 昇、澤田 敏/聖マリアンナ医科大学 滝

澤謙治、吉松美佐子、八木橋国博、小川普久、藤川あつ子、上島 厳、小池拓也、中島

康雄/久留米大学 田中法瑞/自衛隊中央病院 田村秦治/慶応大学 井上政則、伊

東伸剛、中塚誠之、栗林幸夫/国立がんセンター中央病院 坂本憲昭/社会保険京都

病院 赤田 渉/三重大学 高木治行、鹿島正隆、山中隆嗣、山門亨一郎/鹿児島大学

馬場康貴、池田俊一郎/平塚市民病院 屋代英樹/山梨大学 岡田大樹/札幌徳洲会

病院 佐久間明洋/高知大学 山西伴明/総合南東北病院 橋爪 崇/菊名記念病院

劉 清隆/聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 加藤 洋/長崎大学 末吉英純/葉

山ハートセンター 瀧 康紀/昭和大学 清野哲孝/東海大学 小泉 淳/県立奈良病

院 吉岡哲也/兵庫医科大学 廣田省三/大阪市立大学 中村健治

【目的】第 7 回日本 IVR 学会夏季学術セミナー『透視下での経皮的椎体形成術~ISOP法~(骨セメント注入療法)』教育効果の検証

【方法】豚椎体で通常透視法と ISOP 法にて穿刺教育。受講生の初回穿刺の精度を単

純写真にて評価。【結果】受講生 19 名がセミナー修了。左右方向 5mm以上の穿刺

誤差が従来法:42%、ISOP 法:5%に発生。上下方向、前後方向について、5mm以上の誤差は無し。従来法と ISOP 法で穿刺誤差の最大値は各々、左右方向(13.1mm, 5.5mm)、上下方向(4.5mm, 2.8mm)、前後方向(4.3mm, 2.6mm)。【結語】第 7 回夏季学術セミナーは、精度の高い穿刺技術を教育できた。

2. 口腔癌に対する放射線併用超選択的動注化学療法の成績

兵庫医科大学 放射線科 山本 聡、若田ゆき、高田恵広、阿知波左千子、冨士原将之、

石藏礼一、廣田省三

対象は当院にて放射線併用超選択的動注化学療法を施行した口腔癌 34例、35 部位。

年齢は 40~82歳。男性 25例、女性 9例。舌 13 部位、歯肉 13 部位、口腔底 4 部位、

頬粘膜 3 部位、口唇 2 部位。組織型は扁平上皮癌 34例、腺様嚢胞癌 1例。動注化学

療法は、栄養血管を選択した後にシスプラチンを投与(CDDP 50~100 mg 1 回/週×4週連続)した。放射線治療は1回 2Gy週 5 回照射にて総線量 40~60Gy。34例中 17例で手術が行われた。

結果は 3 年粗生存率は 77.5%、3 年局所制御率は 73.2%であった。動注手技に伴う

合併症は認めなかった。本治療法は局所進行例においても良好な局所制御を得ること

ができたが、亜部位別に治療戦略を検討する必要があると考える。

3. 正常豚における肝動注及び化学塞栓後の抗癌剤の血中動態と 肝組織に及ぼす影響

について

和歌山県立医科大学 放射線科 生駒顕、河合信行、佐原伸也、高坂功、中井資貴、

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【抄録】 日本IVR学会 第28回中部・第27回関西合同地方会平成22年2月20日(土) 名古屋市立大学医学部

南口博紀、野村尚三、園村哲朗、佐藤守男

【目的】肝動注及び化学塞栓後の抗癌剤の血中動態と正常肝組織に及ぼす影響を明ら

かにすること。

【対象と方法】豚 9頭を動注群、LP-TAI(リピオドール併用動注)群、LP-TACE群の

各 3頭に分配。左肝動・静脈の造影を施行。左肝動脈より、動注群は IAC(アイエー

コール)50mg、MMC10mg、EPI40mg を 10分動注、LP-TAI群は同抗癌剤に LP 5ml を混和した LP混合液を 10分動注、LP-TACE群は、LP混合液を 10分動注後、

GS細片で塞栓した。左肝静脈、末梢静脈より総白金濃度、蛋白非結合型白金濃度 、

MMC濃度、EPI濃度を経時的に測定し、肝・腎機能、炎症反応の評価も行った。24時間後、肝臓を摘出し、組織学的検討を行った。

【結果】いずれの群でも、最高血中濃度、AUC値は肝静脈血が末梢血に比し有意に高

値であった。LP-TAI群と LP-TACE群で AUC値に有意差は認められず、肝壊死巣体積

率は LP-TACE郡が LP-TAI群に比し有意に高値であった。

【結論】LP-TAI と LP-TACE で、抗癌剤の血中動態に差はないが、塞栓群で組織壊死

が強かった。

4. フラボピリドールとシスプラチン含有ゼラチン粒子を用いた TACE―ウサギ肝Vx2モデルにてー

滋賀医科大学 放射線科 園田明永、新田哲久、瀬古安由美、大田信一、永谷幸裕、

土屋桂子、大谷秀司、金 周造、田中豊彦、高橋雅士、村田喜代史﨑目的:フラボピリドール(Flav)とシスプラチン(Cis)含有ゼラチン粒子(GMS)

(CisGMS)を用いて肝 Vx2モデルでの TACE 効果を検討する。方法:グループ1

(CisGMS と Flav)、グループ 2(CisGMS)、グループ 3(Flav)、グループ

4(GMS)、グループ 5(生食)を固有肝動脈へ注入。結果:腫瘍増大率は、 54.2 ±22.4%、134.1±40.1%、166.7 ± 48.1%、341.8 ±8.6%、583.1 ± 46.9%(グ

ループ 1、2、3、4、5)であった。結語:Flva と CisGMS を用いた TACEは良好な

抗腫瘍効果を示した。

5. NBCA・Lipiodol混合液の攪拌方法についての実験的検討 =第 2報=大阪医科大学 放射線科 山本 和宏、有本 博、金澤秀次、鳴海 善文

【目的】NBCA・Lipiodol混合液を用いた血管塞栓術について、臨床的に有用である

という報告は散見されている。しかしながら血管内投与は禁忌とされ、患者 IC に難

渋することが多く、当科では倫理委 員会の承認が得られていないため、現在まで臨

床には多く用いていなかった。この度 NBCA の臨床 使用について、倫理委員会の申

請を経て承認を得たため、今後は緊急止血術など積極的に応用する予 定である。現在

まで NBCA・Lipiodol混合液の攪拌方法について定まった見解はなく、より安全な液

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【抄録】 日本IVR学会 第28回中部・第27回関西合同地方会平成22年2月20日(土) 名古屋市立大学医学部

体 塞栓物質として用いる必要があると考え、NBCA・Lipiodol混合液の攪拌方法及び

注入方法についての 実験的検討を思考したので、今回は第 2報として第1報の攪拌

方法についての実験結果と、その再現性について報告する。 【方法】 NBCA:Lipiodol の混合比率は 1:1 とした。攪拌方法は、1:用手攪拌(30秒)、2:ポン

ピング(30秒)、3:超音波攪拌(30秒)、4:ポンピング(30秒)+超音波攪拌

(30秒)の 4条件とした。

各条件での 攪拌を実施後、設定した経過時間 [A=攪拌直後 ,B=5 分後 ,C=30 分後,D=60分後]でアンモニア蒸気にて固 化させ、顕微鏡所見を検討した。 【結果】

用手攪拌では、攪拌直後は不均一であるが、5分後以降は非常に綺麗に混ざってきて

いる(原因不明)。また 60分後でも問題なく使用可能と思われた。超音波攪拌では、

攪拌直後~5分後は不均一 であるが、30分後以降は均一に混ざっていた。また 60分後でも攪拌状態には問題ないため使用可能と 思われた。ポンピングでは、NBCA と

Lipiodol が観察時間内において常に分離していた。ポンピング+ 超音波攪拌では、

ポンピングと同様の所見であった。 【結語】 NBCA・Lipiodol混合液は、用手にて

30秒程度攪拌し、その後 5分以上経過してから血管内へ投与するの が最適と思われ

た。

6. 光造形法による大動脈瘤モデルの精度検討とステントグラフト治療への応用

愛知医科大学 放射線科 勝田英介、北川 晃、泉雄一郎、大島幸彦、萩原真清、松

田 譲、木村純子、亀井誠二、河村敏紀、石口恒男

7. Conebeam CT を利用した影像下直達法の試み

奈良県立奈良病院 放射線科 井上正義、宮坂俊彦、吉岡哲也

同 中央放射線部 吉岡孝之

胆管造影像をもとに X線透視下に至適な胆管を穿刺する影像下直達法は、術者の経験

と勘を頼りに穿刺しては、患者を横向けるかアームを振り、針先の位置を確認しなが

ら、微調整を繰り返すことで成就してきた。今回 Conebeam CT を駆使することで

本法が容易になったので、紹介する。初回 PTBD ルートからの胆管造影下に

Conebeam CT を施行し、収集した胆管の3Dデータより、PTBD を行うべき分枝な

らびに穿刺する位置と穿刺方向を決定し、その穿刺方向と直交する角度(透視上で想

定穿刺ラインが一点となる角度)に管球を向け、いわゆる銃身見下ろし法で穿刺する

というものである。本法は、患者の移動を全く行わずに施行でき、モニタ上の穿刺ラ

インを高精度に再現できる利点がある。

8. 多発肝細胞癌に対する Lip-TAI と TACE の臨床比較検討

和歌山県立医科大学 放射線科 田中文浩、河合信行、佐原伸也、澤 宗久、生駒

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【抄録】 日本IVR学会 第28回中部・第27回関西合同地方会平成22年2月20日(土) 名古屋市立大学医学部

顕、中田耕平、高坂 功、中井資貴、南口博紀、園村哲郎、佐藤守男

多発肝細胞癌に対する全肝の Lip-TAI と TACE について、肝機能、肝予備力への影響、

また直接治療効果を retrospective に比較検討した。対象は 2008 年 3 月から 2009年 3 月までに TACE,Lip-TAI を施行した肝細胞癌 367症例中、全肝に治療した TACE 14例,Lip-TAI 14例。各々の肝機能への影響、肝予備力への影響を評価、直接治療効

果について比較した。結果は、TACEは Lip-TAI と比して有意に肝障害が高度であっ

た。しかし長期的な肝予備力の変化は両者に有意差はなかった。また、直接治療効果

は TACE が有意に有効であった。一時的な肝障害は有意に高度であるが、直接治療効

果、肝予備力の変化を考慮すると TACEは Lip-TAI と比し、有用であると考えられる。

9. 動注用CDDP と Drug-eluting Microsphere を用いた肝動脈化学塞栓術が奏

効した胃癌術後多発肝転移の1例

ゲートタワー IGTクリニック 小林和哉、関 明彦、堀 信一

症例は 81歳男性。2007 年 8 月に早期胃癌として EMR施行(病理:神経内分泌癌)。

15カ月後に局所再発し根治的切除が施行されるも、その 4ヶ月後に多発肝転移が出

現した。TS-1、PTXなどの全身化学療法が施行されたが PD。2009 年 9 月及び 11 月

に動注用 CDDP 50mg、5-FU 500mg及び CDDP の一部を吸着した SAP-MS を用い

た肝動脈化学塞栓術を施行した。多発肝転移はいずれも著明に縮小、12 月に追加治

療を行い現在経過観察中である。近年大腸癌などの転移性肝癌に対する動注用 CDDPを用いた治療報告が散見される。今回の症例は塞栓術による治療効果の上乗せがあっ

たと考えられるが、本剤を使用したレジメンは一部の転移性肝癌に対して今後検討す

る意義があると考え、報告する。

10.   Conventional TACE 不 応 肝 細 胞 癌 に 対 す る Epirubicin 溶 出 性Microsphere使用TACE の治療成績

ゲートタワー IGTクリニック 関 明彦、堀 信一

2 回以上の conventional TACE後に不応を理由に紹介され、2008 年 3 月~2009 年

10 月に当院初回治療として EPI-SAP TACE を施行した全 23例が対象。Child-Pugh A/B/C=11/11/1、stage I/II/III/IVA/IVB=1/2/19/0/1、前 conventional TACE 平均

5.4(2~13)回。総肝・固有肝動脈閉塞 3例。肝外供血路から治療 7例。治療効果は

CR/PR/SD/PD=2/9/8/4 で 奏 効 率 47.8% 。 Grade3 以 上 の 有 害 事 象 は

WBC:1、Plt:4、Hb:1。軽度の腹痛、発熱、嘔吐は各々 2/5/1。肝外供血路からの治

療により胃出血 1例、腹壁皮膚発赤 1例。一般的に対応に苦慮する不応例に対しても

比較的安全で有効な治療法と考える。

11. 肝細胞癌に対する TACE後の肝門部胆管狭窄

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【抄録】 日本IVR学会 第28回中部・第27回関西合同地方会平成22年2月20日(土) 名古屋市立大学医学部

福井県済生会病院 放射線科 宮山士朗、山城正司、吉江雄一、中嶋美子、池野 宏、

折戸信暁、吉田未来

【目的】肝癌に対する TACE後の肝門部胆管狭窄例での原因や臨床経過について

retrospective に検討する。【対象と方法】2004.1-2009.6 の間に生じた TACE後の

胆管狭窄 18例での塞栓血管と臨床経過について検討。【結果】全例で肝門部近傍に

腫瘍が存在し(平均腫瘍径 24.5±25.4mm)、A1や A4からの TACE が施行されて

いた(A1 のみ 8、A4 のみ 5、A1+A4 5)。胆管拡張は両葉 9例、右葉 3例、左葉 4例、S2 1例、S3 1例で認められ、直前の A1やA4からの TACE の 2-4ヶ月後に出現、

9例では初回の A1や A4からの TACE で、9例では A1や A4からの 2-4 回の TACE後に出現した。経過中胆管拡張は 3例で軽快したが、他では増悪し黄疸を発症した 4例中 3例に PTCD を施行した。【結語】TACE後の肝門部胆管狭窄の主因は A1や A4の選択的塞栓であり、注意を要する。

12. 肝動注リザーバー留置後に生じたHIT の1例

京都府立医科大学 放射線診断治療学 吉松梨香、山上卓士、田中 治、三浦寛司、

田中 匡、西村恒彦

福知山市民病院 内科 山内紀人

症例は 67歳男性。多発HCC に対し肝動注リザーバー留置術を施行した。アンスロン

PUカテーテルを GDAコイル法にて留置した。1週間後、肝動注を開始したが、血小

板減少と Dダイマー上昇が目立つようになった。ヘパリンフラッシュを開始後 9 日

目より血小板数の減少が始まり、14 日目には 2.2×104/μLまで減少した。CT にて多

発脾・腎梗塞の出現も認められ臨床的に HIT が強く疑われたためヘパリンを中止した。

へパリン中止後は速やかに血小板数が改善した。その後に HIT抗体が陽性と判明し、

2型HIT と診断された。留置カテーテルにはへパリンがコーティングされていたが、

血小板数の減少や新たな血栓症が認められなかったため、カテーテルは抜去せず、経

過観察とした。78 日後に肝不全で死亡されるまでの間、血小板減少や血栓症は認め

られなかった。

13.  腹腔動脈狭窄を伴った多発肝細胞癌に対してアンスロン P-Uロングテーパー

30cm を用いて上腸間膜動脈経由で肝動注リザーバーを留置した1例奈良医科大学 放射線科 西尾福英之、末吉 智、穴井 洋、田中利洋、上原朋子、前

田新作、吉川公彦

県立三室病院 放射線科 阪口 浩

症例は 50歳代男性、多発肝細胞癌(AP shunt、Vp2)。腹腔動脈(CA)が正中弓状

靭帯の圧排により高度に狭窄し、CA側からのリザーバー留置が困難であったため、

上腸間膜動脈(SMA)経由で留置を試みた。SMA と CA を pull-through 法で補助し、

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【抄録】 日本IVR学会 第28回中部・第27回関西合同地方会平成22年2月20日(土) 名古屋市立大学医学部

アンスロン P-Uロングテーパー 30cm のテーパー部のみを SMA に位置するように留

置した。CA側から IDCコイルで総肝動脈を血流改変し、肝内の良好な薬剤分布を得

た。Low dose FP 療法を開始し、抗腫瘍効果は SD であったが、5ヵ月後静脈瘤破裂

により永眠された。

14. Dual-phase cone-beam CT during hepatic arteriography での肝細

胞癌コロナ濃染域の描出能

福井県済生会病院 放射線科 宮山士朗、山城正司、吉江雄一、中嶋美子、池野 宏、

折戸信暁、吉田未来

【 目 的 】 Dual-phase come-beam CT during hepatic arteriography (DPCBCTHA)の多血性肝癌におけるコロナ濃染の描出能について検討。【対象と方

法】多血性肝癌(多血巣含む)71 結節(平均腫瘍径 1.7±0.9 cm)と多血性偽病変 9病変。DPCBCTHA 第 1相は 2倍希釈造影剤 30~40ml を 2ml/秒で注入開始 7秒後、

第 2相は 1相の撮影終了 30秒後に撮影。【結果】コロナ濃染は 63 結節(88.7%)

で描出、特に多血巣では結節内にコロナ濃染が認められた。描出可能であった腫瘍径

( 1.7±0.9 cm )は描出不能なもの ( 1.0±0.2 cm )より有意に 小さかった

( p=0.0157 ) 。多血性偽病変ではコロナ濃染を認めなかった。 【 結

語】DPCBCTHA では高率にコロナ濃染が描出でき、診断精度の向上が期待される。

15. 肝TACE における320列MDCT の使用経験

総合大雄会病院 放射線科・IVR センター 永田剛史、日比野友也、佐藤健司、三宅

敏之、深谷信行、打田日出夫、吉矢和彦、伊藤伸一

四天王寺病院 放射線科 日高輝之

奈良県立医科大学 放射線科 穴井 洋、吉川公彦

肝 TACE の際に 320列MDCT を用いた寝台固定 Volume scan による CTAP・CTHAを HCC 9症例に行った。4例に Dynamic CT を、5例にシネ撮像(25~40秒間)を行った。CTHA で複数病変の腫瘍血管から腫瘍濃染を経て corona signまでの経時的

な観察が任意の広い断面で可能であり、CTAPはCTHA での病変に一致した病変の相

補的診断に役立った。シネ撮像は Dynamic CTよりも被曝線量は増す傾向はあるが

造影剤は同量であり、HCCの血流動態把握と精度の高い TACE に有用であることが示唆された。今後は本法の適

応と価値について更に検討したい。

 

16. 通常 BRTO困難例に対し、別ルートで流出側コイル塞栓下に硬化術を完遂した

2例和歌山医大 放射線科 南口博紀 河合信行 澤宗久 田中文浩 生駒顕 中田耕平

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【抄録】 日本IVR学会 第28回中部・第27回関西合同地方会平成22年2月20日(土) 名古屋市立大学医学部

佐原伸也 高坂功 中井資貴 園村哲郎 佐藤守男

症例 1:60 代 B型 LC男性。胃静脈瘤の流出路は左下横隔静脈。大腿静脈経由イーグ

マン造影で瘤本体描出なく、側副路のみ描出。ブドウ糖液,EO で側副路軽減目的に

BRTO開始するも残存。別ルートでもマイクロカテを進め、先行カテ流出側を金属コ

イルで塞栓。ようやく瘤全体が描出、ブドウ糖液,EO で追加硬化術を完遂。

症例 2:60 代 C型 LC男性。胃静脈瘤の流出路は GRシャント。内頚静脈経由造影で

瘤本体描出なく、側副路のみ描出。金属コイル,ブドウ糖液,EO で側副路軽減目的

に BRTO開始すると瘤の一部描出あり、EO追加時に血管外漏出出現、1週後再施行。

依然瘤本体描出なく、下横隔静脈心膜横隔静脈のみ描出。ブドウ糖液,エタノールリ

ピオドール混和液で充分塞栓されず、別ルートでもマイクロカテを瘤流出側に位置さ

せ金属コイル,同混和液で塞栓。ようやく瘤全体が描出、ブドウ糖液,EO で追加硬

化術を完遂。

通常 BRTO困難例に対し、別ルートで流出側コイル塞栓下に硬化術を完遂した 2例を

若干の文献的考察を加えて報告する。

17. 肋間静脈経由BRTO を施行した症例

和歌山医大 放射線科 南口博紀 河合信行 澤宗久 田中文浩 生駒顕 中田耕平

佐原伸也 高坂功 中井資貴 園村哲郎 佐藤守男

50 代 B型肝硬変男性。巨大 HCC と併存する胃静脈瘤に対し、術前 PTPE と同時 PTOを依頼された。その後 HCCは手術不能とされ、TACEおよび放射線治療が施行され

た。内視鏡で食道胃静脈瘤以外に早期胃癌も指摘された。GRシャントなく、下横隔

静脈は細く、BRTO困難と考え経過観察していたが、胃癌内視鏡治療予定で近接胃静

脈瘤の再治療依頼あり、PTO施行するも変化なかった。経過観察 CT で心膜横隔静脈

の流出路発達を確認、内頚静脈経由でマイクロバルーンとコイル塞栓をするも瘤本体

の描出なく、さらに経過観察していた。初回治療から 1.5 年後の CT で新たに左肋間

静脈の流出路発達を確認、エコー下に穿刺、マイクロバルーンを進め、ブドウ糖液,

エタノール,EO で BRTO施行。翌日および半年後CT でも瘤の閉塞を確認中。

巨大 HCC 合併胃静脈瘤に集学的治療を施行し良好な経過を得ている症例を若干の文

献的考察を加え報告する。

18. 血友病 A に合併した胃静脈瘤に対して BRTO を施行した1例

大阪市立大学 放射線科 寒川悦次、西田典史、松井広登、影山健、濱本晋一、曹寿

幸、南郷峰善、山本晃、竹下徹、堺幸正、羽室雅夫、松岡利幸、中村健治、三木幸雄

症例は 34歳男性。血友病 A にて以前から繰り返す血液製剤の投与で HCV・HIV感染を来たした。HIV感染症の加療目的で他院入院中に吐血、緊急内視鏡にて胃静脈瘤か

らの出血を認め、SBtube による一時止血を得た。BRTO施行目的で紹介転院となっ

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Page 8:  · Web view左肝動脈より、動注群はIAC(アイエーコール)50mg、MMC10mg、EPI40mgを10分動注、LP-TAI群は同抗癌剤にLP 5mlを混和したLP混合液を10分動注、LP-TACE群は、LP混合液を10分動注後、GS細片で塞栓した。左肝静脈、末梢

【抄録】 日本IVR学会 第28回中部・第27回関西合同地方会平成22年2月20日(土) 名古屋市立大学医学部

た。高度凝固機能異常のため、術前術後管理として第Ⅷ因子の連日倍量投与、血小板

輸血、新鮮凍結血漿、アルブミン等の補充療法を行った。胃静脈瘤の排血路は複雑で

あったこともあり治療に難渋した。コイル塞栓や分注法の併用にもかかわらず EOIの使用量が増加した。第 3 病日に施行した造影 CT では供血路側の一部に血栓化不良

域を認めたが、約 3ヶ月の経過で静脈瘤の拡大や再吐血はなく経過している。

19. 直腸静脈瘤に対し経皮経肝的静脈瘤硬化療法(PTS)を施行した1例

大阪警察病院 放射線科 大西章仁、西田義記、上野嘉子、清水健嗣

58歳男性。5 年前肝硬変指摘。2008/12 月大量下血あり。2009/2 月に再度大量下血

あり、他院大腸内視鏡で直腸静脈瘤指摘されるも、輸血のみ行い退院。その後も不定

期に下血持続。同年 6/12 大量下血あり。Hb6.2g/dl と低下、精査加療目的で当院紹

介・入院。

大腸内視鏡で直腸静脈瘤からの出血が疑われ、CT にて下腸間膜静脈を供血路・内腸

骨静脈を排血路とする直腸静脈瘤を指摘。6/15 B-RTO を試みるも直腸静脈瘤を描出できず、断念 その。 2 日後 PTS を施行した

ところ直腸静脈瘤が描出され、EOI にて治療を行った。後日の CTや大腸内視鏡で治療効果認め、Hb9.4g/dl と改善、下血もなく 7/4退院。直腸静脈瘤に対し PTS を施行した一例を経験した 若干の文献的考察を加えてこれを。報告する。20. 肝性脳症を伴う巨大 mesocaval shunt に対してシャント閉鎖術(Triple balloon occlusion)を施行した1例兵庫医科大学 放射線科 古川佳孝、小林薫、前田弘彰、山本聡、新井桂介、加古泰

一、阿知波左千子、廣田省三

症例は 66才男性。B型慢性肝炎にて経過観察中、肝性脳症を繰り返すためにシャン

ト閉鎖術目的で当科紹介となった。供血路は上腸間膜静脈、排血路は右精巣静脈に加

えて下大静脈へ直接流入する血管を複数認めた。右精巣静脈、Retzius静脈および上

腸間膜静脈を、右内頚静脈ルート、右大腿静脈ルートおよび経門脈的ルートから計 3本のバルーンカテーテルを使用してシャント閉鎖術を行った。巨大な mesocaval shunt では、大きな排血路が複数存在することもあるが、術前の CT のみでは排血路

の同定が困難な場合があるためシャント塞栓術を施行するにあたっては術前血管造影

での血行動態の詳細な把握が重要である。

21. 肝機能不良例のシャント型肝性脳症に対し短絡路温存門脈-体循環分流術を施行

した3例

和歌山県立医科大学 放射線科 河合信行、南口博紀、谷畑博彦、中井資貴、澤 宗

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Page 9:  · Web view左肝動脈より、動注群はIAC(アイエーコール)50mg、MMC10mg、EPI40mgを10分動注、LP-TAI群は同抗癌剤にLP 5mlを混和したLP混合液を10分動注、LP-TACE群は、LP混合液を10分動注後、GS細片で塞栓した。左肝静脈、末梢

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久、生駒 顕、中田耕平、佐原伸也、高坂 功、野村尚三、園村哲郎、佐藤守男

肝機能不良のため、BRTO を選択しえず、門脈-体循環分流術を施行したシャント型肝

性脳症3例を経験したので報告する。3例ともC型肝硬変、高 NH3血症、CT で著明

な脾腎短絡が認められた。まず BRTO が考慮されたが、肝機能への影響が少ないと思

われた分流術が選択された。2例は経皮経肝的に、1例は逆行性脾腎短絡路経由で分

流された。全例、手技的に成功し、血中 NH3濃度は低下し、肝性脳症は消失した。

しかし4ヶ月後には血中 NH3濃度の再上昇が見られ、2例で肝性脳症の再発も見ら

れた。分流術はシャント型肝性脳症に対する IVR 治療の1つとして認識されているが、

その効果は短期的なものとなる可能性がある。

22. PSE により全身化学療法可能となった再発大腸癌の 1例愛知県がんセンター中央病院 放射線診断・IVR 部 佐藤洋造、山浦秀和、名嶋弥菜、

金本高明、友澤裕樹、坂根誠、北角淳、寺倉梨津子、稲葉吉隆

症例:60歳代男性。既往歴:喉頭癌術後、アルコール性肝硬変。現病歴:S状結腸術

後腹膜播種再発。CT で腹膜腫瘤と肝硬変、脾腫、腹水を認め、WBC 2510, Plt 5.7と血球減少がみられた。現状では全身化学療法は困難と判断され、PSE を施行した。

約 1週間後にはWBC 5350, Plt 10.7 と増加傾向を認め、mFOLFOX6 療法を開始し

た。計 9コース施行後、骨髄抑制が目立つようになり L-OHPは中止し 5FU/LV 療法の

みとした。しかし、その後も骨髄抑制が続くため、初回 PSE後から約 8ヶ月後に再

度 PSE を施行した。現在は Cet-CPT 療法を施行中である。PSE により全身化学療法

可能となった肝硬変合併の再発大腸癌症例を経験した。

23. 臓器移植後の門脈・静脈血栓閉塞に対してフォガティースルールーメンカテー

テルによる血栓除去が有用であった2例

神戸大学 放射線科・血管内治療センター 西濱晴香、伊崎健太、山口雅人、魚谷健

祐、岡田卓也、杉本幸司、藤井正彦、杉村和朗

【症例 1】50歳代・女性。C型肝硬変にて生体肝移植を施行。術後 15 日目に門脈本

幹が閉塞し、回結腸静脈経由で血栓吸引を施行した。ガイドワイヤー誘導下に肝内門

脈までフォガティーを挿入し、血栓除去を追加した。吻合部狭窄に対してはステント

を留置した。

【症例 2】50歳代・女性。I型糖尿病にて膵腎同時移植を施行。術後 7 日日に右腸骨

窩に移植した膵の静脈が閉塞し、IVCフィルター留置下に血栓吸引・溶解術や PTA を

施行も血流が不良であった。ガイドワイヤー誘導下に膵の静脈までフォガティーを挿

入し、血栓除去を施行した。

【まとめ】いずれも吻合部離開などの合併症はなく、機能損失も回避できた。移植片

の静脈閉塞は機能損失を来しうる重篤な合併症であるが、フォガティースルールーメ

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Page 10:  · Web view左肝動脈より、動注群はIAC(アイエーコール)50mg、MMC10mg、EPI40mgを10分動注、LP-TAI群は同抗癌剤にLP 5mlを混和したLP混合液を10分動注、LP-TACE群は、LP混合液を10分動注後、GS細片で塞栓した。左肝静脈、末梢

【抄録】 日本IVR学会 第28回中部・第27回関西合同地方会平成22年2月20日(土) 名古屋市立大学医学部

ンカテーテルは、短時間で選択的かつ完全な血栓除去が得られ、有用なデバイスと考

えられた。

24. Distal bypass 術後の graft閉塞に対し PTA にて救肢を得た重症下肢虚血の

1例

兵庫県立姫路循環器病センター 放射線科 宮本直和、吉川俊紀、上村尚文、川 竜﨑太

同 心臓血管外科 宮原俊介、福隅正臣、中桐啓太郎、吉田正人、向原伸彦

症例は 70歳・男性、主訴は左足疼痛・潰瘍、現病歴は、2008 年 5 月に右足潰瘍で右

AKPA-PTA bypass 術を行うも救肢出来ず右下肢切断。2009 年 4 月に左足潰瘍で左

BKPA-DPA bypass 術を施行され治癒するも、再び左下肢痛の出現および潰瘍の悪化

が見られ 2009 年 8 月に当院を受診・入院となった。

CT にて左浅大腿動脈のびまん性狭窄と bypass の graft閉塞を認めた。graft閉塞に

対して Fogarty血栓除去術を行い再開通が得られたが、数時間後には再閉塞、翌日に

血管内治療を行うこととなった。まず浅大腿動脈狭窄に対し PTA+ステント留置。

graft閉塞に対しては PTA を行い再開通が得られた。その2ヶ月後に再び左下肢痛が

出現、再入院となった。血管造影を施行し、graft内の再狭窄を確認後、PTA を行い、

狭窄を解除した。治療後下肢痛は消失、下肢切断を回避出来た。以上の症例につき、

若干の文献的考察を加えて報告する。

25. 血栓吸引療法のみで血流再開しえた上腸間膜動脈血栓塞栓症の1例

姫路医療センター 放射線科 川 竜太、関 紳一郎、丸田 力﨑同 外科 砂川理三郎、大歳雅洋

症例は 60歳代男性。2008 年 4 月 16 日 18時頃より腹痛が出現、持続するために 17日当院外科入院。造影 CT で上腸間膜動脈(SMA)に血栓を認めたため、発症 23時間後

に治療を行った。8Fシースを挿入、SMA造影を行うと第三空腸動脈分岐部レベルで

SMA 本幹の完全閉塞を認めた。血栓吸引療法のよい適応と判断し、6F ANSELシース

と 6F ガイディングカテを SMA に進めて、シースとガイディングカテにて吸引を繰

り返し、約 1時間で血栓の完全除去に成功した。引き続いて腹腔鏡が施行され、下部

回腸に約 6cm の色調不良を認めたため約 15cm切除された。術後経過は良好で入院

20 日後に退院となった。

SMA血栓塞栓症に対する血栓吸引療法は短時間に多量の血栓除去が可能で第一選択と

すべき治療と思われた。

26. CTガイド下肺生検の評価

関西医科大学 放射線科 中谷 幸、谷川 昇、狩谷秀治、米虫 敦、八木理絵、徳

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Page 11:  · Web view左肝動脈より、動注群はIAC(アイエーコール)50mg、MMC10mg、EPI40mgを10分動注、LP-TAI群は同抗癌剤にLP 5mlを混和したLP混合液を10分動注、LP-TACE群は、LP混合液を10分動注後、GS細片で塞栓した。左肝静脈、末梢

【抄録】 日本IVR学会 第28回中部・第27回関西合同地方会平成22年2月20日(土) 名古屋市立大学医学部

田貴則、鈴木聡史、澤田 敏

【目的】CTガイド下肺生検における臨床成績を後向き調査にて評価した。

【対象と方法】対象は 2006 年 1 月から 2009 年 10 月まで CTガイド下肺生検を施行

した 107例(男性 72,女性 35,平均年齢 69歳)。最終診断は切除標本の病理診断か 6ヶ月以上の経過観察による臨床診断とした。

【結果】腫瘍径は 30.6±20.7mm、胸膜-腫瘍辺縁の距離は 11.9±15.9mm で、検体

採取は 100%(10 7/107)、病理診断は 95.3%(105/107)で可能であった。11例が確定診断に到らず最終的な正診率は 87.5%(84/96)であった。病理診断可能であっ

た 105例の腫瘍径は 30.8±20.8mm、腫瘍までの距離は 11.3±15.2mm。診断不可

能であった 2例の腫瘍径は 17.5±3.5mm、距離は 47.5±19.1mm でいずれも診断

可 能 群 と の 統 計 学 的 有 意 差 は 認 め な か っ た 。 Grade 1 の 出 血 は

51.4%(55/107)。Grade 1 以上の気胸は 25.2%(27/107)、Grade 2 の気胸は

6.5%(7/107)であった。

【結論】CTガイド下肺生検の正診率は 87.5%と高く、重篤な合併症は認めなかった。

27.  バルーン閉塞及び超音波にて止血し得た鎖骨下仮性動脈瘤の 1例公立甲賀病院放射線科 石川祐一 井本勝治 山崎道夫 村上陽子 坂本 力

症例は 60歳代女性。膵癌化学療法目的にて入院時、CV挿入中に謝って動脈を穿刺し

た。直後の造影 CT にて鎖骨下動脈に増大する仮性動脈瘤を認めた。同症例は、上腕

動脈からのアプローチによる経皮的バルーンカテーテル閉塞と、超音波端子による圧

迫により良好な治療経過を示した。CV 留置時において、鎖骨下動脈及び内頸動脈損

傷は、気胸と並んで、もっとも代表的な合併症のひとつであるが、その治療法は徒手

による圧迫止血、covered stent挿入、balloon catheter閉塞、手術、トロンビン

直接注入、止血デバイスなど様々である。本症例における、その他治療法の適応の有

無や、それぞれの治療法の利点・欠点など、若干の文献的考察を交え、報告する。

28. 肝細胞癌に対する TACE併用RFA における電極針の刺入位置と治療成績の関

市立砺波総合病院 放射線科 野畠浩司、望月健太郎、角田清志

同 放射線治療科 西嶋博司

対象は肝細胞癌に TACE を先行し、Cool-Tip®で 1 回のみ RFA を実施した 26例、39結節。刺入後の MPR画像から腫瘤の直径を 5等分した中央を穿刺した場合は命中度

P3、その外側は P2、最外側は P1、結節外は P0 とした。造影 CT による効果判定は

A5 が 5mm以上、A3 が 3 mm以上、B が 1-3mm の凝固域を全周で確保、凝固域が

不足した場合は程度により C、D、E とした。結果は P3 が 9 結節、P2 が 14、P1 が

12、P0 が 4だった。局所再発は P0-B の 1 結節が辺縁再発、P2-A3 と P2-Bは腫瘍栓

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【抄録】 日本IVR学会 第28回中部・第27回関西合同地方会平成22年2月20日(土) 名古屋市立大学医学部

で再発した。正確に命中度を評価すると偏心性の穿刺が多いが、効果判定では全周で

凝固域が確保される場合が多く、その後は必ずしも追加 RFA が必要ではない。

29. 肺RFA の合併症:950 RF セッションでの検討

三重大学 IVR 科 鹿島正隆、山門亨一郎、高木治行、中塚豊真、浦城淳二、山中隆

同 画像診断科 児玉大志、竹田 寛

2002年2月から2009年11月まで悪性肺腫瘍(原発、転移)患者400人、

950RFセッションの合併症について後ろ向きの検討を行った。合併症の定義は

SIR のガイドラインに則った。合併症率は治療セッション別に算出した。Minor 合併症 38.4 %, Major 合併症 31.5%, 死亡率 0.3%であった。Major 合併症の 75%は気胸であった。10セッション以上の Major 合併症の risk factor については多変量解

析を行った。気胸については、原発性肺癌、治療病変、穿刺回数、肺気腫が独立因子

であった。胸膜炎(非感染性)は穿刺回数、肺炎は糖尿病と年齢、膿瘍は肺気腫、出

血は血小板数が、それぞれ、独立因子であった。Major 合併症の risk factor を持つ

症例では、肺RFA を行う上で十分な注意が必要である。

30. 豚正常副腎での RFA:血圧変動と組織変化

三重大学 IVR 科 山門亨一郎、中塚豊真、浦城淳二、鹿島正隆、高木治行、山中隆

同 画像診断科 竹田 寛

同 病理 内田克典、白石泰三

目的:正常豚で副腎RFA の基礎的検討を行う。

対象:雌豚 6頭。平均体重 52.4Kg。両側副腎に対し開腹下に RFA を施行した(計 12RF セッション)。以下の 4項目を評価した;① RFA の実効性、②術中血圧の変化、③副腎

ホルモンの変化、④焼灼後の副腎組織。

結果:12RF セッション全てが予定通りに施行できた。全 RF セッションで術中収縮期血

圧が 200mmHg以上に上昇した。アドレナリンとノルアドレナリンが有意な上昇を示し

た。 9副腎(75%)で副腎全体が ongoing necrosis と考えられる変性を起こしていた。

焼灼後の1副腎あたりの平均変性率は 98.2%であった。

結語:副腎 RFAは実行可能な手技である。術中高血圧は正常副腎が ablationされた際に

生じ、その原因は副腎髄質ホルモンの上昇である。正常副腎の ablationも可能である。

31. 肝細胞癌:Lipiodol one-shot後の RFA三重大学 IVR 科 高木治行、山門亨一郎、中塚豊真、浦城淳二、鹿島正隆、山中隆

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Page 13:  · Web view左肝動脈より、動注群はIAC(アイエーコール)50mg、MMC10mg、EPI40mgを10分動注、LP-TAI群は同抗癌剤にLP 5mlを混和したLP混合液を10分動注、LP-TACE群は、LP混合液を10分動注後、GS細片で塞栓した。左肝静脈、末梢

【抄録】 日本IVR学会 第28回中部・第27回関西合同地方会平成22年2月20日(土) 名古屋市立大学医学部

同 画像診断科 竹田 寛

【目的】肝細胞癌に対する Lipiodol one-shot後RFA の治療成績について検討する。

【対象と方法】対象は肝動脈閉塞、多発病変、肝機能不良などの理由で TACE併用RFA が困難であり Lipiodol one-shot後に RFA を施行した 59例。うち 45例は根治

的治療(根治群)、14例では腫瘍減量目的(緩和群)で本治療を行った。手技成功率、

肝機能変化、合併症、局所再発率、生存率について検討した。

【結果】手技は全例で成功し(手技成功率:100%)、両群とも治療前後で有意な肝

機能変化を認めなかった。治療を要する合併症は根治群:9%、緩和群:5%で認めら

れた。治療後の局所再発率は根治群で 5 年:7%、緩和群で 3 年:3%であった。累積

生存率は根治群で 3 年:46%、5 年:22%、緩和群で 3 年:46%であった。

【結語】種々の理由で TACE併用 RFA が困難な症例に対し、Lipiodol one-shot後RFAは有効な治療法となり得る。

32. 骨 RFA:100例での有効性の検討

三重大学 IVR 科 中塚豊真、山門亨一郎、浦城淳二、鹿島正隆、高木治行、山中隆

同 画像診断科 竹田 寛

33. ペースメーカー装着症例でのRFA:2例4セッション報告

三重大学 IVR 科 山中隆嗣、山門亨一郎、中塚豊真、浦城淳二、鹿島正隆、高木治

同 画像診断科 竹田 寛

ペースメーカー(PM)装着患者に対する RFAは、PMへの影響から禁忌とされている。

やむを得ずRFA 治療が必要となる場合があり、十分な説明と同意、対策が必要と考え

られる。今回2例4セッションの RFA を経験したため報告する。症例1:65歳男性。

洞不全・拡張型心筋症によりPMとICDを留置後。右腎癌の治療目的に当科紹介さ

れた。症例2:81歳男性。洞不全によりPMを、胸部大動脈瘤に対してステントグ

ラフト留置後である。小腸GIST・転移性肝癌にて切除後。肝転移再発および骨転

移出現し、当科紹介された。PMモードの変更や急変時の対応などの対策を行うこと

で、2症例共に合併症なく終了し、現在も通院中である。

34. 原発性肺癌術後再発に対する肺RFA三重大学 画像診断科 児玉大志、竹田 寛

同 IVR 科 山門亨一郎、中塚豊真、浦城淳二、鹿島正隆、高木治行、山中隆嗣

目的:原発性肺癌術後再発に対する肺RFAの有用性を後ろ向きに検討した。

対象と方法:対象は50例(男/女=30/20、年齢68.8±10.2歳)。安

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【抄録】 日本IVR学会 第28回中部・第27回関西合同地方会平成22年2月20日(土) 名古屋市立大学医学部

全性、局所再発率、生存率、予後因子を評価した。

結果:胸腔ドレナージを要する気胸が10/63件(16%)に見られた。局所再発

は根治的治療を施行した36例中6例(16%)に見られた。1、3、5年生存率は

全症例で93%、65%、28%、根治的治療群(36例)で97%、70%、3

0%、姑息的治療群(14例)では84%、0%、0%であった。女性、65歳以下

腺癌、腫瘍径3cm以下が予後良好因子であった。

結語:原発性肺癌術後再発に対する肺RFAは安全で有用な治療手段と考えられた。

35. 上腸間膜動脈より分枝する脾動脈起始部に発生した脾動脈瘤に対しバルーンサ

ポート併用コイル塞栓術を施行した1例

和歌山県立医科大学 放射線科 中井資貴、田中文浩、澤 宗久、生駒 顕、中田耕

平、佐原伸也、高坂 功、南口博紀、河合信行、園村哲郎、佐藤守男

症例は 44歳男性、検診の超音波にて膵頭部に腫瘤性病変が認められ、当院に紹介と

なった。造影 CT にて上腸間膜動脈(SMA)より脾動脈が分枝する解剖学的起始異常が

認められ、その脾動脈起始部に径 35mm 大の嚢状動脈瘤が認められた。血管造影を

行い、バルーンカテーテルを SMA内に挿入し、コイルが SMA内に migrationしないように、バルーンサポートを行いながら塞栓術を施行した。塞栓後、脾臓への血流

は胃動脈などの側副路を介して保たれており、脾梗塞などの合併症は認められなかっ

た。上腸間膜動脈より分枝する脾動脈起始部に発生した脾動脈瘤に対しバルーンサ

ポートを併用し安全に塞栓術を施行しえた一例を報告する。

36. 膵癌の Appleby 術前処置として総肝動脈塞栓術を施行した3例名古屋大学 放射線科 太田豊裕、鈴木耕次郎、森 芳峰、松島正哉、長縄慎二

【目的】進行膵癌に対する Appleby 術前に膵頭アーケードを発達させる目的で、

総肝動脈を塞栓した 3例を経験したので報告する。

【対象】膵癌の Appleby 術前処置として、総肝動脈塞栓術を施行した 3例。

【結果】CT にて側枝を確認できた 1例は、側枝を利用して塞栓した。CT にて側枝

を認めなかった 2例は、DSA でも側枝は認めず、コイルアンカーを利用した。全例

合併症なく総肝動脈を塞栓することができ、塞栓直後より膵頭アーケードを介し

て肝動脈の描出を認めた。

【結語】Appleby 術前の総肝動脈塞栓に対して側枝やコイルアンカーを利用する

ことによりコイルの逸脱なく塞栓することが可能であった。術式の選択には、CTの詳細な検討が有用であった。

37. Appleby 術前血行改変術にたいするマイクロバルーン併用の有用性について

和歌山県立医科大学 放射線科 高坂 功、河合信行、生駒 顕、佐原伸也、中井資

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【抄録】 日本IVR学会 第28回中部・第27回関西合同地方会平成22年2月20日(土) 名古屋市立大学医学部

貴、南口博紀、園村哲郎、佐藤守男

岸和田徳州会病院 放射線科 谷畑 博彦

【目的】腹腔動脈浸潤を伴う膵体尾部癌に対する Appleby(膵体尾部切除、腹腔動脈

合併切除)術前に上腸間膜動脈(SMA)などからの求肝性血流を増加させる目的で総肝動

脈を塞栓する血行改変術が施行されている。今回の目的は血行改変術におけるマイク

ロバルーンカテーテル併用の有用性を検討することである。【対象と方法】膵癌術前

に血行改変を施行した 15例。【結果】総肝動脈からのコイルの逸脱はみられなかっ

た。全例で肝虚血なく、手術施行できた。1例は求肝性血流は SMAからでなく、右

下横隔膜動脈からみられた。【結語】膵癌術前の血行改変術にたいするマイクロバ

ルーン併用は血流のコントロール及び、塞栓前にシミュレートする目的で有用である

と考えられた。

38. 動脈瘤化したと考えられる膵偽嚢胞に対してコイル留置を行った1例動脈瘤化したと考えられる膵偽嚢胞に対してコイル留置を行った 1例市立堺病院 放射線科 前田宗宏、橋本 達、市田和香子、原田貢士

愛染橋病院 内科 松田政浩、高田賀章、橋本久仁彦、野口左内

症例は 46歳、男性。慢性膵炎の経過中に閉塞性黄疸を発症した。CT で偽嚢胞として

経過観察されてきていた膵頭部の嚢胞の内腔が造影され、偽動脈瘤となっていること

が判明した。PTCD施行後に動脈瘤に対するコイル留置を施行した。血管造影で動脈

瘤は

上腸間膜動脈から分岐する細い動脈と交通していた。動脈瘤内に挿入したマイクロカ

テーテルから造影剤を注入して瘤と交通している動脈が 1 本のみであることを確認し、

瘤の中でカテーテル先端からマイクロコイルを半分ほど出してカテーテルを引くこ

とによりマイクロコイルを瘤のネック~流入動脈に留置した。経過観察の CT で瘤径

の縮小はみられなかったが、瘤内腔の造影効果は消失した。閉塞性黄疸も改善して

tube free となった。

39. 腎瘻抜去目的の腎機能廃絶術を施行した2例愛知県がんセンター中央病院 放射線診断・IVR 部 金本高明、山浦秀和、佐藤洋造、

名嶋弥菜、友澤裕樹、坂根 誠、北角 淳、寺倉梨津子、稲葉吉隆

症例 1 50 代女性。子宮肉腫術後再発による右水腎症に対し、DJカテーテルを留置し

ていたが、疼痛のため抜去。遷延する疼痛に対して内服薬を投与していたがコント

ロール困難のため、無水エタノール、リピオドールにて腎動脈塞栓術を施行した。術

後内服薬を漸減できた。症例 2 60 代男性。結腸癌術後再発による左水腎症に対して

腎瘻チューブを留置していた。再発周囲に膿瘍形成を来たし、ドレナージを施行した

が尿管との交通が疑われた。左尿管を塞栓したが、塞栓が不十分であったため

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Page 16:  · Web view左肝動脈より、動注群はIAC(アイエーコール)50mg、MMC10mg、EPI40mgを10分動注、LP-TAI群は同抗癌剤にLP 5mlを混和したLP混合液を10分動注、LP-TACE群は、LP混合液を10分動注後、GS細片で塞栓した。左肝静脈、末梢

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NBCA、リピオドールにて腎動脈塞栓術を施行した。結語:腎機能廃絶術は疼痛を伴

う水腎症、膿瘍腔と交通を有する尿路感染に対して有用であった。

40. 術前TAE が術中出血の軽減に有用であった巨大膵漿液性嚢胞腺腫の2例

金沢大 放射線科 山口静子、香田 渉、新村理絵子、北尾 梓、南 哲弥、龍 泰

治、眞田順一郎、小林 聡、蒲田敏文、松井 修

同 肝胆膵外科 田島秀浩、北川裕久、大西一朗、太田哲生

同 消化器内科 高畠 央、金子周一

同 病理 池田博子、北村星子

41. 胆管気管支瘻に対する気管支塞栓術:2例報告三重大学 画像診断科 東 澄、児玉大志、村島秀市、竹田寛

同 IVR 科 山門亨一郎、中塚豊真、浦城淳二、鹿島正隆、高木治行、山中隆嗣

症例1:84歳女性。肝S8 HCC RFA後局所再発に対して、TAE施行。

1ヶ月後に胆管気管支瘻を発症した。気管支塞栓術やPTCD等施行するも奏功せず、

発症6ヶ月後に肺炎にて永眠された。

症例2:78歳男性。肝S8 HCC RFA3ヶ月後に総胆管結石、急性胆嚢炎を

発症。ERBD後に肝梗塞を合併し、その1ヶ月後に胆管気管支瘻を発症した。気管

支塞栓術及びPTCD施行し、咳嗽、喀痰等の症状は改善したが、根治には至らず。

定期的なチューブ交換で様子観察していたが、発症3ヶ月後に肝不全にて永眠された。

胆管気管支瘻に対して気管支塞栓術を施行した2例を経験したので報告する。

42. 嚢状肺動静脈瘻に対する塞栓術

−術後における sac内の血栓化確認の重要性について−姫路医療センター 放射線科 川 竜太、関 伸一郎、丸田 力﨑症例 1;40歳台女性。左下葉の嚢状肺動静脈瘻(30×28mm)にて塞栓術を施行。

塞栓後造影で肺静脈からの逆行性血流による sac描出が認められた。術後 1 日後の

CT では部分的な sac内の血栓化を認めるのみで 3 日後にほぼ完全な血栓化が得られ

た。

症例 2:60歳台女性、脳梗塞にてワーファリン内服中、突然の右胸痛で紹介。中葉の

嚢状肺動静脈瘻(27×23mm)と sac破裂による血胸あり、ワーファリン中和後に

塞栓術を施行。7時間後の CT で血栓化が見られず、54時間後も sac内に部分的な血

栓化を認めるのみであった。安静に耐えられないとの患者の訴えあり胸腔鏡下肺部分

切除が施行された。

比較的大きな嚢状肺動静脈瘻では塞栓後も血栓化が遷延化する可能性があり、奇異性

脳塞栓のリスクが残るため術後も瘻内血栓化を画像で確認することが必要と思われる。

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Page 17:  · Web view左肝動脈より、動注群はIAC(アイエーコール)50mg、MMC10mg、EPI40mgを10分動注、LP-TAI群は同抗癌剤にLP 5mlを混和したLP混合液を10分動注、LP-TACE群は、LP混合液を10分動注後、GS細片で塞栓した。左肝静脈、末梢

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43. 側副血行路からの塞栓術が奏功した内腸骨動脈瘤の1例

市立四日市病院 放射線科 駒田智大、丸山邦弘

同 血管外科 服部圭祐、宮内正之

小牧市民病院 放射線科 館 靖

岐阜県立多治見病院 血管外科 佐藤俊充

症例は 70歳男性。腹部大動脈瘤破裂に対して静脈グラフト置換術、1 年半後に増大

する右内腸骨動脈瘤に対して遠位近位塞栓術が施行された。その後の CT 検査で、左

内腸骨動脈瘤の増大が認められた。大動脈造影で左内腸骨動脈起始部は閉塞しており、

左深大腿動脈より閉鎖動脈を介した側副路で左内腸骨動脈瘤と内腸骨動脈分枝が造影

されていた。この側副路を介して、マイクロカテーテルを瘤内まで挿入し、コイルで

瘤内塞栓を行った。塞栓後に瘤は造影されず、内腸骨動脈末梢枝への血流は保たれて

いた。術後に合併症はなく、3ヶ月後の CT 検査でも瘤の増大は認められなかった。

44. 遺残坐骨動脈瘤に対し外科的バイパス術と経皮的動脈塞栓術を併用し治療し得

た1例奈良県立医科大学 放射線科 市橋成夫,阪口昇二,伊藤博文,東浦 渉,穴井 洋 、

末吉 智、吉川公彦

同 胸部・心臓血管外科 多林伸起,谷口繁樹

症例は 76歳女性。H19 年 8 月に突然右下腿の脱力を自覚、その後間欠性跛行が持続。

造影 CT で右遺残坐骨動脈瘤と診断。遺残坐骨動脈は膝下レベルで途絶、側副血行路

を介して脛骨動脈が描出されていた。また右浅大腿動脈の低形成を伴っていた。経過

観察していたが、間欠性跛行は改善せず、動脈瘤の増大を認め、動脈瘤塞栓術を計画

した。動脈瘤中枢側、末梢側の血管径は 10mm であり、coil 塞栓術では flow controlや多量の coil が必要であると考え、正確な留置と塞栓効果に優れている

Amplatzer vascular plug (AVP)を用いることとした。右下肢虚血には femerotibial bypass 術を施行し、後日 14mm径の AVP を動脈瘤中枢、末梢に 1個ずつ留置、瘤

塞栓に成功した。術後CT では動脈瘤の血栓化を認め、5M後現在、動脈瘤は著明に縮

小し、間欠性跛行もみられていない。

45.  産科出血に対する経カテーテル的動脈塞栓術

関西医科大学 放射線科 八木理絵、谷川 昇、狩谷秀治、米虫 敦、鈴木聡史、中

谷幸、澤田 敏

【目的】産科出血に対する経カテーテル的動脈塞栓術(TAE)の評価

【対象と方法】対象は 2000 年 10 月から 2009 年 3 月に産科出血に対して TAE を施

行した 8例。平均年齢は 36歳。出血原因は産道裂傷 2例、頚管妊娠、帝王切開後、

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Page 18:  · Web view左肝動脈より、動注群はIAC(アイエーコール)50mg、MMC10mg、EPI40mgを10分動注、LP-TAI群は同抗癌剤にLP 5mlを混和したLP混合液を10分動注、LP-TACE群は、LP混合液を10分動注後、GS細片で塞栓した。左肝静脈、末梢

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常位胎盤早期剥離および弛緩出血、辺縁前置胎盤遺残、自然流産、胎盤ポリープ遺残

が各 1例。

【結果】直後止血成功率は 100%。再出血を 4例(50%)に認め、うち 3例に複数回

の TAE施行。最終止血成功率は 87.5%、止血不可能な 1例は子宮全摘出術を施行。

血管造影上、造影剤の血管外漏出像を認めた 3例は責任血管を選択的塞栓し、残りの

5例は両側子宮動脈を塞栓。塞栓物質はゼラチンスポンジが 3例、NBCA が 1例。

【結論】産科出血に対する TAEは安全で有効な手段である。

46. Bare stent を留置し長期経過観察している上腸間膜動脈解離の 3症例福井県立病院 放射線科 山本 亨、松井 謙、吉田耕太郎、櫻川尚子、吉川 淳

同 心臓血管外科 澤田幸一郎、西田 聡、山本信一郎

対象は造影CTあるいはMRI で大動脈解離を伴わない上腸間膜動脈解離が確認された

34人中、保存的治療で改善しなかった3例に bare stent を留置した。3症例全て男

性。年齢(43~66歳、平均 53.3才)。観察期間は4ヶ月~8 年1ヶ月。1例は上腕

アプローチで Wallstent を、2例は大腿アプローチで SMART stent を留置した。手

技は全例で成功。留置後症状は改善,消失。3症例ともステントは開存し偽腔は消失。

経過観察期間内には有意症状を認めなかった。上腸間膜動脈解離に対する Stent 治療

は安全で有効な治療法であることが確認された。治療法の選択に関しては症例の蓄積

と検討が必要だが有症状例においては積極的に取り入れてもよいのではないかと思わ

れる。

47.  透析中の下腹部激痛に IMAへのステント(ジェネシス)留置が有効であった

1例住友病院 放射線科 山本浩詞

症例:64歳男性の透析患者

主訴:労作時心窩部痛、間歇性跛行、透析時下腹部痛

既往歴:2006 年 2008 年に、RCA に対し 2 度の PCI経過:2009 年 5 月頃よりHD 中の下腹部痛(激痛)が出現す。MRA にて左CIA狭窄が疑われ、2009 年 7 月 1 日 PTA施行。 この時に SMA,IMAなどを撮影し、IMA 本

幹に 50%程度の狭窄が疑われた。断定は出来ないが狭窄が下腹部痛の原因である可

能性が高いと判断し、患者同意を得て 7 月 8 日、IMA のを PTA施行。IVUS で計測す

ると最大狭窄率は 90%であった。同部にジェネシス 4mm×18mm を留置。翌日の

透析では腹痛が全く消失したが、約 2週間で症状が再発した。8 月 20 日に再度、血

管造影を施行、前回留置部よりも中枢側に狭窄が見られた。この狭窄は前回 PTA施行

時の IVUS では 25%程度の狭窄であったが、今回の計測では内腔 3mm未満であった。

同部にジェネシス 4mm×18mm を追加留置。この後、腹部症状は消失。CABGも行

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【抄録】 日本IVR学会 第28回中部・第27回関西合同地方会平成22年2月20日(土) 名古屋市立大学医学部

われ、現在は無症状で経過されている。

結語:ジェネシスは柔軟性に優れ、デリバリーも細く、IMAへの stent in stent 留置にも問題はなかった。本邦では現在、腎動脈のみの適応となっているが、末梢血管へ

の幅広い応用が可能と考えられる。今後本邦においても他の血管への保険の適応拡大

が期待される。

48. 慢性期腕頭動脈閉塞例に対してステント留置後、脳内出血をきたした1例医真会八尾総合病院 放射線科・脳血管内治療科 明珍 薫、高山勝年

同 脳外科 木村僚太、黒川紳一郎

奈良医科大学 放射線科 中川裕之、和田 敬、吉川公彦

【症例】66歳女性。腹部大動脈閉塞症で通院中に超音波検査で左内頚動脈閉塞が認め

られ血管造影を施行した。腕頭動脈閉塞、左総頚動脈閉塞が認められ右鎖骨下動脈お

よび総頚動脈は側副血行路を介して描出された。脳血流シンチでは両側大脳半球の血

流低下が認められた。腕頭動脈閉塞症に対して右上腕動脈経由でステント留置術を施

行。拡張に成功したが、術後 2 日目に頭部 CT で右側頭葉出血が認められた。

Perfusion CT で両側大脳半球の血流増加が認められ、過灌流症候群が疑われた。術

後左上下肢麻痺が認められたが軽快し、リハビリ病院に転院となった。【結語】慢性

期腕頭動脈閉塞症に対するステント留置術後に脳内出血が起こる可能性が示唆された。

49. 尿管腸骨動脈瘻に対して covered stent を留置した1例和歌山県立医科大学 放射線科 佐原伸也、園村哲郎、河合信行、南口博紀、中井資

貴、高坂 功、中田耕平、生駒 顕、澤 宗久、田中文浩、佐藤守男

症例は 70歳代の女性で、平成 16 年、特発性後腹膜線維症による水腎症が見られた。

ステロイド治療により水腎症は改善傾向であったが、平成 20 年に水腎症による腎機

能の悪化があった。両側尿管ステントが留置され、以後尿管ステントの交換が繰り返

されていた。平成 21 年 9 月に突然の血尿、下腹部痛が出現し、CT で右腎盂内から腎

外に大量の血腫が見られた。数日後、ショック状態となり、緊急血管造影となった。

右尿管外腸骨動脈瘻を認めたため、covered stent を留置し、バイタルサインの安定

化と貧血の改善が得られた。covered stent 留置は低侵襲で尿管腸骨動脈瘻に対する

治療の第 1選択となりうる。

50. 悪性総胆管閉塞に対する経皮的カバードステント留置の治療成績

市立砺波総合病院 放射線科 望月健太郎、野畠浩司、角田清志

同 放射線治療科 西嶋博司

対象は悪性総胆管閉塞に対する経皮的カバードステント留置を行った 24例.原因疾

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Page 20:  · Web view左肝動脈より、動注群はIAC(アイエーコール)50mg、MMC10mg、EPI40mgを10分動注、LP-TAI群は同抗癌剤にLP 5mlを混和したLP混合液を10分動注、LP-TACE群は、LP混合液を10分動注後、GS細片で塞栓した。左肝静脈、末梢

【抄録】 日本IVR学会 第28回中部・第27回関西合同地方会平成22年2月20日(土) 名古屋市立大学医学部

患は膵癌 6例,胆管癌 3例,胆嚢癌 6例,その他 9例.全例で意図した部位へのステ

ント留置とドレーン抜去が可能だった.ドレーン留置期間は 10-34(中央値 17.0)

日.胆管再閉塞は 24例中 6例(腫瘍 over growth3例,ステントスリップ 2例,ステント範囲外の胆道出血 1例).ステント留置後の胆管開存期間は 22-333(中央値

86.0)日,生存期間は 22-1207(中央値 79.5)日で,死因は全員が胆道閉塞以外の

癌死だった.ステントで胆嚢管をふさいだのは 10例,膵管をふさいだのは 12例あったが,胆嚢炎発症は遠隔期に1例,膵炎発症例はなかった.

51. 胸部大動脈瘤に対する市販デバイスを用いたステントグラフト内挿術の経験

愛知医科大学 放射線科 石口恒男、亀井誠二、北川 晃、泉雄一郎、勝田英介、大島

幸彦、萩原真清、松田 譲、木村純子、河村敏紀

同 血管外科

石橋宏之、太田 敬

名古屋大学放射線科 鈴木耕次郎

1 年間に 21例の胸部大動脈瘤にステントグラフト内挿術を施行した。平均 75歳で遠

位弓部瘤 8例、下行大動脈瘤 13例であった。TAG を 16例、TALENT を 5例に使用

した。5例に弓部分枝の debranching を併用した。全例で留置に成功した。TAGは展開時に両端が若干移動する傾向があった。TALENTは正確に留置可能であったが、

屈曲部では展開時の抵抗が強かった。術後 CT で軽度の type 1 と 2 の endoleak を

各 2例に認めた。1例が非関連の合併症で術後 78 日目に死亡した。瘤径の縮小は 15例(71%)で認められた。

52. 胸部大動脈瘤に対するdebranching併用ステントグラフト留置術

奈良県立医科大学 放射線科 阪口昇二、伊藤博文、市橋成夫、東浦 渉、前田新作、

西尾 福英之、吉川公彦

同 胸部・心臓血管外科 多林伸起,谷口繁樹

近年、企業製胸部ステントグラフトが承認され Thoracic Endovascular Aortic Repair (TEVAR)が広まりつつあるが、弓部分枝に近接する大動脈瘤、proximal neck拡大や狭小腸骨動脈症例では TEVAR 単独での治療が困難である。当院ではこの

ような症例に対し、debranching、aortic banding、iliac conduit等の外科手術を

先行させ積極的に TEVAR を施行している。

Gore TAG を用いた TEVAR21例中 9例に外科手術が併用され、debranhing:6例、

aortic banding:2例、iliac conduit:6例であった。全例留置には成功しているが

更なる低侵襲治療のためには、branched device、SGサイズバリエーションの充

実、device細径化等の改良が期待される。

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53. 胸部大動脈瘤人工血管置換術後のリークに対し、ステントグラフ ト治療を3回

にわたり施行した1例奈良県立医科大学 放射線科 伊藤博文,阪口昇二,市橋成夫,東浦 渉,佐藤健司、

吉川公彦

同 胸部・心臓血管外科 多林伸起,谷口繁樹

症例は 80歳台女性。1995 年に胸部大動脈瘤に対し人工血管置換術施行。2006 年に

前胸部痛で CT施行、非吻合部の仮性瘤を指摘される。心不全等手術リスク高く血管

内治療目的で当科紹介となる。人工血管は中央で屈曲が強く、中枢側のリークをカ

バーするように自作ステントグラフト(SG)を留置した。瘤は一旦縮小したが、1年後の CT で人工血管遠位側にリークが見られ再度 SG 留置術に。屈曲に追従するタ

イプの SG を留置した。リークは明らかでなかったが瘤増大あり、エンドテンション

を疑い、人工血管遠位側吻合部が十分カバーされるように TAG を留置した。その後

の CT で瘤は縮小した。

54. 当院におけるGORE TAG の初期使用成績

神戸大学 放射線科・血管内治療センター 山口雅人、杉本幸司、岡田卓也、魚谷健

祐、伊崎健太、藤井正彦、杉村和朗

同 心臓血管外科 北川敦士、大北 裕

(目的)GORE TAG の初期使用成績について検討する。

(対象と方法)対象は 2008 年 7 月から 2009 年 12 月の間に TAG による TEVAR を

施行した 25患者(男/女=22/3、73.7±9.5 歳 (49–88 歳))、26症例。疾患別では変

性瘤 23例(88.5%)、解離性 2例(7.7%)、吻合部瘤 1例(3.8%)、自作 SG 留置後 4例(15.4%)、術後残存瘤(23.1%)。待機的に 19例(73.1%)、緊急で 7例(26.9%)、全身麻酔 18例(69.2%)、局所麻酔 8例(30.8%)で施行し、アクセス部位は大腿動脈 21例(80.8%)、conduit作成 5例(腸骨 3、腹部大動脈 1、上行大動脈 1)であった。術

中脳脊髄液ドレナージを 11例(42.3%)、遠位塞栓防止目的に balloon protection を

3例(11.5%)、pull-through 法を 6例(23.1%)で用いた。

( 結 果 )全例で 留置手技に 成功した。 中枢側 landing zone は Z4 が 24 例(92.3%)、Z3 が 2例(7.7%)、Z0 が 1例(3.8%)であった。意図的な分枝閉塞は、

腹腔動脈 1例、左鎖骨下動脈 1例、弓部 3分枝 1例で行った。TAG使用本数は 1 本が

8例(30.8%)、2 本が 16例(61.5%)、3 本が 2例(7.7%)であった。留置直後のⅠ型エ

ンドリークを 4例(15.4%)に認め、術後 CT でリークの残存が 2例(7.7%)で確認された。30 日以内の死亡が 1例(4.0%)であり、合併症は対麻痺、不全対麻痺、脳梗塞、

後腹膜血腫、腸骨動脈損傷、鼠径部感染が各々 1例(3.8%)であった。

(結語)TAG 留置の技術的なトラブルは少なく、初期使用成績は概ね良好であった。

引き続き経過を追って、長期観察データの報告が必要である。

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55. エクスクルーダーの脚にて治療しえた腹部大動脈瘤・下大静脈瘻(ACF)の1

藤田保健衛生大学 放射線科 赤松北斗、花岡良太、三田祥寛、伴野辰雄、片田和広

同 放射線学科 加藤良一

同 心臓血管外科 金子 完、山下 満、安藤太三

腹部大動脈下大静脈瘻(ACF)は比較的稀だが、手術死亡率が高率である。今回我々

は、ACF に対しステントグラフト内挿術にて治療しえた一例を経験したので報告す

る。本症例は腹部大動脈・外腸骨動脈径が細く Y字グラフトが挿入困難であった。そ

のため ACF に対しエクスクルーダー 16mm-8cm を左外腸骨動脈分岐部を下端とし

デリバリーし、下大静脈狭窄部へのルミネックス挿入、I-Fバイパス形成を行った。

術後はエンドリーク、ACF残存なく、症状も改善した。今後はステントグラフト内挿

術にて ACF の治療を行う症例が増加する事が予想される。

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