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Pfizer Corporate Citizenship Report ファイザー 企 業 市 民 レポ ート 2016 市民活動 への助成 ヘルスケア 関連団体 への支援 社員の ボランティア 活動 医学記事賞 ヘルス リサーチ への助成
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ファイザー企業市民レポート 2016pfizer.co.jp/pfizer/company/philanthropy/report/...Pfizer Corporate Citizenship Report ファイザー企業市民レポート 2016 市民活動

May 12, 2018

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P f i z e r C o r p o r a t e C i t i z e n s h i p R e p o r t

ファイザー企業市民レポート2016

市民活動への助成

ヘルスケア関連団体への支援

社員のボランティア

活動

医学記事賞ヘルス

リサーチへの助成

2016年の

社会貢献活動を

ご報告します

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ファイザーのスローガン「Working together for a healthier world より健康な世界の実現のために」は、病と闘う患者の皆様や医療従事者の皆様の信頼に応え、革新的な治療薬の開発に専念するだけでなく、医薬品の提供だけでは十分に果すことができない課題にも取り組むことで、より高いQOL(生活の質)を世界中の多くの方々にお届けするというファイザーの考え方を表現しています。

わたしたちは社会を構成している企業市民として、“真に実効性のある社会貢献とは何か”を追求し、社会貢献活動を展開しています。さらに、一方的な援助や一過性の支援ではなく、さまざまな立場の方々の視点に立ち、長期的な展望のもと継続的に活動していくことを目指すとともに、経済的な支援のみならず、人的な支援や、ファイザーの多様な資源を活用した貢献を心がけています。 特徴的な社会貢献活動としては「ヘルスケア関連団体のネットワークづくりへの支援(VHO-net)」(患者団体などの相互連携の支援)、「ファイザープログラム~心とからだのヘルスケアに関する市民活動・市民研究支援」(NPO等への助成)、「ファイザー医学記事賞」などがあります。

また、国内外の災害被災地への支援、社員が行うボランティアに対する支援など、幅広い分野での社会貢献も展開しております。詳しくは次ページ以降をご参照ください。

2016年の活動を報告するこの「企業市民レポート」で、ファイザーの社会貢献に関する考え方と活動についてのご理解を深めていただけますと幸いです。

2017年3月ファイザー株式会社 代表取締役社長

梅田 一郎

ファイザー株式会社 会社概要

● 設  立 1953年8月1日● 従業員数 4,935名● 事業内容 医療用医薬品の製造・販売・輸出入● 所 在 地 本社:東京都渋谷区代々木3-22-7 新宿文化クイントビル

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家族団体

すべての人が健康で、心豊かに暮らせる社会であるように。その願いを叶えるため、ファイザーは、患者さんや障がいのある方々、そのご家族、医療関係者をはじめ、市民団体や災害被災者等への支援など、国内外の各地において、幅広い社会貢献活動を展開しています。

ファイザー(日本)

保健医療分野の研究者

地域社会

社会的な受け皿がないために心身のケアを

受けられない人

一般生活者

患者団体

中堅世代の方々

障がい者団体

メディア

人に、地域に、世界に。ファイザーの社会貢献活動の概要

Global Pfizer

市民活動への助成

ヘルスケア関連団体への支援

ヘルスリサーチへの助成

社員のボランティア

活動

医学記事賞

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「Working together for a healthier world:より健康な世界の実現のために」ファイザー株式会社 代表取締役社長 梅田 一郎

ファイザーの社会貢献活動の概要ファイザープログラム~心とからだのヘルスケアに関する市民活動・市民研究支援

 数多くの先駆的な取り組み • 特定非営利活動法人 仙台夜まわりグループ [ 宮城県 ]              • クライシスサポートセンターnolb [ 東京都 ]

ヘルスケア関連団体(VHO)とネットワークづくりのためのきめ細やかな支援 第16回ヘルスケア関連団体(VHO)ワークショップ 「わたしの目指すリーダーとは」をテーマに開催

ひとりの力を大きな力に〜社員による社会貢献活動 マッチングギフトプログラム/ボランティア活動支援プログラム/ミューチャルヘルスフード/「東京ヤマソン」に参加/学校に おける授業の支援と注射用練習機器の無償提供/サンタクロース・ボランティア/サマー・サイエンス・スクール/ウェルネスセンター と府中オフィスに東京消防庁から感謝状/多くの方々から学びを得るがん患者支援チャリティーイベント「リレー・フォー・ライフ」

医学・医療に関する優れた記事を表彰 「第35回ファイザー医学記事賞」公益財団法人 ファイザーヘルスリサーチ振興財団による医師・研究者・医療関係者への研究助成Global Pfizer 世界各地で展開する企業市民活動

目 次

主な支援対象

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 ファイザープログラムは、主に中堅世代(30歳代~50歳代)の人々の「心とからだのヘルスケア」に関する課題に取り組む市民活動、市民研究を支援する助成事業です。最長3年間の継続制度で、プロジェクトに関わる人件費や家賃・光熱費といった事務局経費をも助成対象とする制度を先駆けて導入してきました。独創的・試行的かつ社会的な意義が大きいにもかかわらず、公的機関などからの支援が受けにくい活動を助成対象とし、社会的認知を高めるとともに、さらにその自立を援助するという、ほかに例のないユニークな助成であり、また、疾病、障がいを抱える方をはじめ、生活困窮者や公的制度の狭間で支援を必要とする方々など、従来の「ヘルスケア」の枠にとらわれない対象者への支援も特徴です。 2000年9月に創 設され、この16年 間に延べ3,850件の応募があり、新規・継続助成合わせて354件のプロジェクトに対し、総額6億7,354万円を助成金として支援してきたファイザープログラム。本年度は、新規助成7件、前年度の助成対象団体が応募する継続助成8件を選出し、合計15件のプロ

ジェクトに2,760万円を助成することとなりました。 ファイザーは、ヘルスケアを広く捉え、本業である医薬品の開発と提供だけでは十分に満たすことのできない活動を後押しすることによって、これからもより良い社会づくりに貢献したいと考えています。

助成決定者の授与

ファイザー梅田社長の挨拶

贈呈式会場内の様子

多様性を認める心豊かな社会の実 現へ。〜さらなる活躍が見込まれる活動・研究 をサポート全国からの応募数105件、選考委員による厳正なる選考の結果、2016年度の助成対象プロジェクトが決定しました。

ファイザープログラム~心とからだのヘルスケアに関する市民活動・市民研究支援

ファイザープログラム    心とからだのヘルスケアに関する市民活動・市民研究支援

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受刑者・被拘禁者 2.9%社会的困難を抱える人(社会的弱者)2.9%

生活困窮者 2.9%

依存症当事者・家族 3.8%介護者・看護者・支援者 3.8%

引きこもり/ニート等の当事者・家族 3.8%

就労者 4.7%

災害被災者・児・家族 6.7%障がい者・児・家族 8.6%

「ファイザープログラム」2016年度助成対象プロジェクト一覧新規助成(助成1年目)

活動

研究 プロジェクト名 団体名 所在地 助成額

(万円)1 ●   発達障がい者などの人達の笑いの効用事業 特定非営利活動法人 楽しいモグラクラブ 北海道 150

2 ●   障害者とつくる「山元の魅力」を発信するプロジェクト 特定非営利活動法人 ポラリス 宮城 190

3 ● 生活困窮者を中心とした健康改善及び自律支援事業 特定非営利活動法人 仙台夜まわりグループ 宮城 190

4 ● 埼玉県西部地区における未就学時期の難病児子育て応援プロジェクト 社会福祉法人 はなみずき会 埼玉 170

5 ●  ● 中堅世代の刑事被拘禁者向け医療相談事業 特定非営利活動法人 監獄人権センター 東京 160

6 ●   地域の女性とシングルマザーによる「活躍」と「自立」の場づくり事業 桑名女性ネットワーク 三重 100

7 ●   沖縄夢コーヒープロジェクト 特定非営利活動法人 ウヤギー沖縄 沖縄 300

助成総額〔7件・合計〕 1,260万円

(2016年度の助成期間は、2017年1月1日〜12月31日です)

継続助成(助成2年目)

活動

研究 プロジェクト名 団体名 所在地 助成額

(万円)

1 ● 障害やひきこもりによって社会から孤立した中堅世代のためのプロジェクト 特定非営利活動法人 ワークハウス雲 岩手 154

2 ●   セクシュアル・マイノリティの中堅世代困難層に向けたHIV検査同行とサポート クライシスサポートセンターnolb 東京 240

3 ●   中堅世代の介護離職予防プログラムの開発及び介護相談コンシェルの設置 特定非営利活動法人 HEART TO HEART 愛知 200

4 ● 視覚障害者の「化粧をしたい!」を応援するプロジェクト 日本ケアメイク協会 大阪 100

5 ● 心とからだに優しいハーブづくりによるマイチャレンジ推進事業 一般社団法人 新しい自立化支援塾 徳島 150

(助成3年目)

6 ●   孤立した困窮者を連携・寄り添い型で支えるための支援組織のネットワークづくり

認定特定非営利活動法人 茨城NPOセンター・コモンズ 茨城 217

7 ●   薬物依存症女性の子育て支援プログラム 特定非営利活動法人 ダルク女性ハウス 東京 239

8 ●   地域自立生活支援コミュニティスペースの再生 ほっとスペース おり〜ぶ 兵庫 200

助成総額〔8件・合計〕 1,500万円

(2016年度の助成期間は、2017年1月1日〜12月31日です)

多様性を認める心豊かな社会の実 現へ。〜さらなる活躍が見込まれる活動・研究 をサポート

ファイザープログラム    プロジェクト一覧

疾病患者・児・家族16.2%

その他 5.7%

市民・住民15.2%

子育て親13.3%

女性9.5%

2016年度ファイザープログラム応募団体支援対象の分類

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 「仙台夜まわりグループ」は、仙台市内の路上生活者や生活困窮者を対象に、夜まわりでの声がけをはじめ、炊き出しやセミナー、居宅支援、中間就労など、多岐にわたる支援活動を続けています。中間施設となる居宅は 80室あり、ここでの生活をきっかけに、仕事を見つけ、自律への道を進んだ人は、600人にものぼります。 主に東北出身で 50歳代後半から 60歳代の男性が多かった路上生活者ですが、2011年3月11日の東日本大震災後、復興事業の職を求めて全国から人が集まったことで今では半数が他県出身となり、さらに 30歳代から 50歳代という中堅世代の対象者が急増しました。そのような人々を支援している

なかで、明らかになってきたのが、健康に関する課題です。居宅支援での生活を始めても、暮らしのためにとにかく仕事に励み、自分の健康を後回しにしてしまう人が多く、重篤な状態になって初めて病院に運ばれる方もいたそうです。

事務局長の青木 康弘さんは、「せっかくやり直しの機会を得られたのにもかかわらず、病気などで通常の生活ができなくなるのは本当に残念に思っていました」と語ります。実態を把握するために健康に関するアンケート調査をとったところ、身体に痛みを感じていながらも我慢を続けていたり、以前、高血圧や糖尿病といった生活習慣病と診断され

たものの放置しているという答えがほとんどだったといいます。行政や医療連合会に働きかけ、路上生活者を対象とする結核検査や健康診断が実施されるようになりましたが、病院のかかり方がわからない人や勝手に服薬をやめてしまう人なども多いことから、青木さんたちは、さらにきめ細やかなサポートの必要性を感じるようになります。 そこでまず取り組んだのは、病院へ行くというハードルを下げること。路上生活者や生活困窮者の方が病院に行く場合、支援を受けるための手続きが煩雑で敷居が高いと感じられていたため、協力してくれる病院を探し、役所経由ではなく、当事者が直接病院に行き、病院から役所に申請をしてもらうシステムを確立しました。今後も、医療機関と連携して、いつでも必要な時に診療を受けられる体制を強化できるよう働きかけていくそうです。 「健康というひとつのテーマが、生活を取り戻したり、回復をしていく上で必要不可欠なものだと実感しています」と青木さん。「仙台夜まわりグループ」では、ファイザープログラムの活用によって医療に特化した支援活動を展開し、当事者の健康と自律をサポートしていきます。

左から、青木淳子さん、 新田貴之さん、理事・事務局長 青木康弘さん

ファイザープログラム    新規プロジェクト紹介

「心とからだのヘルスケア」への取り組みを支援するファイザー プログラム。2016年度の助成団体をご紹介します。

ファイザープログラム2016年度

新規助成 生活困窮者を中心とした健康改善及び自律支援事業

特定非営利活動法人 仙台夜まわりグループ [ 宮城県 ]

健康管理の支援で当事者の自律をサポート

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▼ ファイザーホームページ http://www.pfizer.co.jpの「社会貢献活動」からもご覧いただけます。

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贈 呈 式にて、濵 中さん(左)とスタッフの大垣さん(右)

贈呈式でのプレゼンテーションの様子

事務局長 濵中洋平さん

プログラムに参加したり、いろいろなことに関わってもらいます。そうしながら自分自身の再建に取り組んで、中身の濃い7日間を過ごすと、ほとんどの人が何かを見つけられるようになりますね」。濵中さんは、生活保護の申請手続きを手伝ったり、音信不通だった家族との仲介役になったりと、支援を求めてきた人にとって何が必要かを一緒に考え、共に行動しています。 継続2年目となる今年は、このシェルターを、もっと気軽に利用できるような仕組みにすると同時に、“ここしかない”状態にしないために、他の施設などでも受け入れてもらえるような働きかけを行い、“居場所づくり”を広げたいと語る濵中さん。さらに、HIV 検査同行のサポートを強化するため、新たなサポーターの育成にも取り組む予定です。支援の届きにくい人たちを支える「nolb」の活動は、さまざまな課題の解決に向け、さらなる広がりを見せ始めています。

 2012 年の発足以来、セクシュアル・マイノリティ当事者に向けた HIV 感染症の検査同行支援を行っている「nolb」。初めてファイザープログラムの支援助成を受けた昨年は、この同行支援というスタイルを確立・体系化するとともに、医療機関・心理・福祉専門職といった他団体の活動も相まったことから、“東京都の HIV 検査の受検率を増やし、

エイズ発症で感染が分かる割合を25%下げる”と掲げた目標数字は大幅に上回り、50.6%にもなりました。ツイッターなどのSNSも活用し、感染者の多い層に団体のアカウントからメッセージを送るなどしたところ、最初は

拒絶していた人から、数日後、「やはり検査に同行してほしい」という連絡が来たケースもあったそうです。検査の結果が判定保留となり、確定検査の結果が出るまでには7日間を要しますが、ひとりで過ごす人のなかには、自殺を図ったり自暴自棄になってしまうこともあるため、代表である濵中 洋平さんやスタッフが寄り添い、見守れるようにと、昨年8月にはシェルターを開設しました。ここは、検査結果を待つ人のほか、結果が出た後に生活が安定しても社会とうまくつながれない人、パートナーや家族間のトラブルから距離を置く選択をした人などの“居場所”となっていますが、「ここしか居場所がない状態のままにするのは、絶対にしてはいけないこと」だと濵中さんは言います。「ここでは家事もしてもらうし、nolbのワークショップや

ファイザープログラム    継続プロジェクト紹介

「心とからだのヘルスケア」への取り組みを支援するファイザー プログラム。2016年度の助成団体をご紹介します。

シェルターを拠点として新たな支援を展開ファイザープログラム2016年度

継続助成 セクシュアル・マイノリティの中堅世代困難層に向けたHIV検査同行とサポート

クライシスサポートセンターnolb [ 東京都 ]

健康管理の支援で当事者の自律をサポート

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http://www.vho-net.org/

ヘルスケア関連団体(   

) VHO : Voluntary Healthcare O

rganization

VHO

ウェブサイトVHO-netの運営支援ヘルスケア関連団体ネットワーキングの会(VHO-net)は、会員団体相互の理解を深め、より多くの方々に各団体の活動を知ってもらうために、ウェブサイト

「VHO-net」(http://www.vho-net.org/)を運営しています。団体の紹介、ワークショップの報告、VHO-net の活動成果をはじめ、ファイザーがヘルスケア関連団体等の情報を独自で取材・発行している情報誌「まねきねこ」などの情報を掲載しています。 

情報誌「まねきねこ」の制作・発行ファイザーは、ヘルスケア関連団体のネットワークづくりを支援するため、情報誌「まねきねこ」を制作・発行し、ヘルスケア関連団体、医療福祉関係者、行政などに配布しています。誌名の「まねきねこ」は、第 1 回ヘルスケア関連団体ワークショップで誕生したマスコットキャラクターで、人を招き、ネットワークを広げようという意味を込めて名付けられました。

「まねきねこ」は「VHO-net」のウェブサイトからダウンロードし、どなたでも読むことができます。

進行役スキルアップ研修会ヘルスケア関連団体が、それぞれの活動の中で行われる会議や VHO-net 地域学習会での進行役の役割が重要であることから、そのスキルアップを目的とした研修会を開催しています。

ウェブサイトVHO-net 会報誌「まねきねこ」

VHO-netワークショップ

地域学習会地域学習会

合同会議 など

進行役スキルアップ研修会ウェブサイトサポート

勉強会 など

ウェブサイト「VHO-net 」の

運営支援情報誌

「まねきねこ」の制作・発行 など

ファイザーは、ヘルスケア関連団体の日常活動のサポートやネットワークづくりのために、きめ細やかな支援を行っています。

ヘルスケア関連団体(VHO)への支援Voluntary Healthcare Organization(略称:VHO)

ネットワークづくりへの支援

VHO-netワークショップ等の開催を支援

日常活動への支援

ワークショップ等の開催を

支援

日常活動への支援

ネットワークづくりへの

支援

2001年から年に1度開催しているVHO-netワークショップ。そして地域でも活動を行いたいという思いから、2004 年に関西地区で始まった地域交流会がやがて全国に広がりました。現在は「地域学習会」として、地域ごとの課題の解決や情報交換などの場が創設され、全国規模での活動と各地域の活動を併せてネットワークしていくための活動が行われています。また、各地域学習会で話し合われた内容について、地域を越えて共有し、それぞれの地域学習会の前年度の事業報告と次年度へ向けた企画について、議論・承認するために、年に1度の合同会議も開催されています。ファイザーは地域学習会や合同会議を円滑に進めるために、学習会の運営方法や会場の提供、設営、ファシリテーション支援などを行っています。

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ヘルスケア関連団体への支援活動  疾病や障がいに関わる民間団体には、患者団体・障がい者団体・家族団体・セルフヘルプグループ・支援者団体などがあり、それぞれ独立した活動を行っています。しかし、より良い医療・福祉の実現には、団体の規模や歴史の違い、医療・疾患・当事者・家族・医療従事者といった枠組みを越えた交流も必要です。ファイザーは、このような団体

を「ヘルスケア関連団体」と総称し、各団体の自主性と主体性を尊重しながら、ネットワークづくりをサポートしています。

今を見つめ次の一歩を踏み出すために その活動のひとつである第 16 回ヘルスケア関連団体(VHO)ワークショップが、2016 年10 月15 日~16 日に都内のファイザー研修施設で開催されました。今回のテーマは、「わたしの目指すリーダーとは」。前年度のテーマであった「軌跡・継続・変革」を踏まえ、会のさらなる発展に向け、どのようなリーダーが求められるのか、そしてどのようなリーダーを目指すのか、参加者の方々にとっては、より身近で現実的なテーマについて、熱い議論が交わされました。

ヘルスケア関連団体(   

)     ワークショップ

第16回ヘルスケア関連団体(VHO)ワークショップ第16回ヘルスケア関連団体(VHO)ワークショップ

今年のテーマは「わたしの目指すリーダーとは」

様々な団体の代表や役員、医療福祉関係者により開催されるワークショップ。今年も、議論と交流を深める場となりました。

VHO

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「リーダー」のあるべき姿とは 初日の午前中は、今回のテーマに沿って、活水女子大学看護学部の岩本 利恵准教授、認定 NPO法人アンビシャス副理事長の照喜名 通さん、一般社団法人 全国膠原病友の会代表理事の森 幸子さんによる基調講演がありました。医療従事者、当事者であり団体代表というそれぞれの視点、また各演者の実体験から感じている“理想のリーダー像”が語られました。    午後の分科会では6グループに分かれ、基調講演の感想を話し合った後、自らの経験をもとに、団体のリーダーとして大切にしていること、思い描く将来のビジョンのためにどのようなリーダーが必要かなどについての議論が進みました。分科会終了後の懇親会では、参加者同士がテーブルを囲み、和気藹々と親睦を深め、楽しい時間を過ごしました。 2日目の午前中は、各グループによる 10 分間のまとめと質疑応答、午後の全体討論と総括では、

目指すリーダー像について、多様な意見があったことの感想などが話し合われました。参加者からの「ワークショップは気づきを持ち帰る場」の発言に、多くの方がうなずき共感していました。

ファイザーが活動を支える、広げるサポートを 第 16 回目を迎えたワークショップは、それぞれの立場から足元を見つめ、次へのステップを踏み出すために、活発な議論が展開されました。2001年に第1回ワークショップが開催され、その後、地域での交流の必要性の声が高まり、2004 年1 月、関西で地域学習会がスタートしたのを皮切りに、現在は全国9か所で開催され、また年に一度、各地域学習会の運営委員が参加する「地域学習会合同会議」では、地域学習会の前年度の活動報告と新年度の企画検討が行われています。活動はさらに広がり、様々なプロジェクトが生まれ、2009 年には患者の視点で疾患や治療についてまとめた『患者と作る医学の教科書』を出版。2013年から始まった「信頼されるピアサポートプロジェクト」では、ヘルスケア関連団体のリーダー、医師、看護師で構成されたチームによる議論

基調講演演者によるパネルディスカッション

グループ発表の様子

懇親会の様子

ヘルスケア関連団体(   

ワークショップ

VHO

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●第1回(2001年) 「活動に駆り立てるもの、越えるもの」〜出会いを中心に〜

●第2回(2002年) 「ひとりの気づきはみんなの気づき」  〜会の運営・後継者育成、資金調達、PR活動など〜

●第3回(2003年) 「自分づくり、ひとづくり」〜人材育成を中心に〜

●第4回(2004年) 「未来に向けて、充実と広がり」〜今、あなたにできること〜

●第5回(2005年) 「つなぐ」〜医療関係者とのより良い関係〜

●第6回(2006年) 「患者力」〜医師とのパートナーシップ〜

●第7回(2007年) 「情報活用術」〜収集と提供の方法を考える〜

●第8回(2008年) 「つたえる」〜正確な情報を伝えたい人たちに〜

●第9回(2009年) 「つづける」〜chance・challenge・change〜

●第10回(2010年) 「集う・たのしむ・見つける」  〜これまでを振り返り、未来のために〜

●第11回(2011年) 「もったいない!VHO-netの活かし方」●第12回(2012年) 「共に」〜ピアサポートの未来

●第13回(2013年) 「社会資源としてのピアサポート」●第14回(2014年) 「協働」●第15回(2015年) 「軌跡・継続・変革」●第16回(2016年) 「わたしの目指すリーダーとは」

VHOワークショップこれまでのテーマ

が続けられ、2015年には『VHO-net が考えるピアサポート5か条』が発刊されました。 ファイザーは、VHO-netの支援、ワークショップや地域学習会などの会場提供や設営、交通費や宿泊費の支援、分科会のサポートなどを行い、ネットワークづくりを支える事務局として、「ともに生きるための側面からのサポート」を続けています。

VHO-net との出会いは2005年。オストミー協会本部の事務局に入ったばかりで、患者団体の関係づくりについて考えていた私は、ワークショップのテーマである「つなぐ」の文字を見た瞬間、その言葉に強く惹かれました。実際、参加してみると、医療従事者、患者、支援者が立場の違いを越えて同じテーブルに着き、ひとつのテーマについて自主的に話し合うというスタイルが自分の感覚とぴったりマッチして、まさに私が求めていた場所でした。以来、参加を重ね、今では中央世話人をはじめ、いくつかの役割を担っています。それによって、新たな気づきや学ぶことも多く、役を担うことで新たな気づきや学ぶことも多く、自信にもつながりました。医療従事者、患者、支援者がひとつのネットワークをつくり、一緒になって課題に向き合えるのは、ファイザーの支援の力であり、VHO-net の一番の魅力。これからも、お互いが尊重しあい、学び合ってより良い活動が続くよう、また、私個人としてもVHO-netで培った経験やスキルを活かし、もっとたくましい患者団体にしていけたらと考えています。

VHO-net での経験を患者団体の糧に横浜市オストミー協会 幹事VHO-net中央世話人・ワークショップ準備委員・地域学習会運営委員山根 則子さん

ワークショップ参加の皆さん

webでもご覧いただけます ▼ http://www.vho-net.org/

ヘルスケア関連団体(   

)     ワークショップ

VHO

INTERVIEW 〜参加者の声〜

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社員による社会貢献活動ひとりの力を、大きな力に

社員による社会貢献活動    マッチングギフトプログラム/ボランティア活動支援プログラム

ひとりの力を、大きな力に。〜社員による社会貢献活動ファイザーでは、社員一人ひとりの社会貢献への気持ちをバックアップする制度を設けるほか、全国の事業所や事業部門が地域で行う様々なボランティア活動を応援しています。

『マッチングギフトプログラム』は、社員の個人的な意思に基づく寄附に対し、会社が同額を当該団体に別途寄附することにより、社員の善意を倍にして社会へ還元することを目的とした制度です。 2016年度は、発展途上国や戦争・内戦で被害を受けている国の子どもの支援、国内の病気を抱える子どもの支援、動物愛護活動をしている団体等に対し、社員の気持ちを倍にしてお届けしました。 また、『災 害 支 援マッチングギフトプログラム』は、国内外で発生した地震・台風などの自然災害で被災した人たちを支援するために社員から寄附を募り、さらに会社も同額をマッチングし、社員の気持ちを倍にして被災地に届ける制度です。2016年4月に発生した熊本地震への支援として社員から11,564,059円が集まり、会社が11,935,941円をマッチングし、総額23,500,000円を義援金として

 ファイザーでは、社員が余暇や休暇を利用して自主的に参加しているボランティア活動の非営利団体に対し、備品や器材などの購入資金やイベント開催の事業費などを会社が援助することによって、社員がより積極的・効率的に活動できるよう資金を支援する

『ボランティア活動支援プログラム』を設けています。 プロキュアメント・トランザクション・センターの森山由香は、月に2回、1回あたり3時間の電話相談ボランティアをしています。所属する団体は24時間365日利用者の相談に応じ、相談時間は1人当たり約30分。多種多様な相談が年々増加しています。

拠出しました。義援金はNPO法人に寄附され、被災地での支援活動や復興作業に役立てられています。

 森山はこのプログラムを利 用し、新しいシュレッダーを購入しました。

「研修で使用する書類には個人情報が掲載されていることもあり、個人情報を含む書類を破棄するのに大変役立っている」と、喜びの声を寄せています。 ファイザーは、今回のケースのように、社員による地域での自主的なボランティア活動を支援しています。

社員の寄附金に会社が同額を上乗せして届ける

マッチングギフトプログラム

社員の社会貢献活動を応援する

ボランティア活動支援プログラム

2016年度マッチングギフトプログラム寄附先団体

活動分野別出費割合

子どもの健全育成を図る活動(海外)57.3 %

子どもの健全育成を図る活動(国内)4.9 %

動物愛護37.8 %

購入したシュレッダー

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社員による社会貢献活動    ミューチャルヘルスフード/「東京ヤマソン」に参加

ひとりの力を、大きな力に。〜社員による社会貢献活動

 ファイザー・ファーマ名古屋工場では、2008年7月から社員食堂で「ミューチャルヘルスフード」を提供しています。ミューチャルヘルスフード(以下、ミューチャル)は、社員の健康に考慮したヘルシーメニューで価格に一定の金額が上乗せされており、喫食した社員は、その上乗せ金額分を自動的に寄附することができます。社員がミューチャルを食べることで、貧困国の子どもたちの栄養不足と、栄養過多になりがちな私たち日本人の双方が健康になることを目指しています。

「東京ヤマソン」は約40Kmの山手線沿いを3~4人のチームで1周するファンドレイジングイベントです。参加費は、公益財団法人 プラン・ジャパンに寄附され、フィリピンの小学校・幼稚園の衛生・災害対策事業の費用に充てられます。ファイザーでは、社内のイントラネットに紹介された「東京ヤマソン」の情報を見た

社員が参加者を募り、多くの有志社員が参加しました。 参加したマーケティングチームの和田 晃典は、

「社会貢献活動に参加したいとの気持ちは以前からありましたが、きっかけを見

この健康的な食事と社会貢献が同時にできる仕組みは、より多くの社員が利用できるように工夫され、現在は毎月500食ほどの利用によって約1万円の寄附が集まっており、特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンターを通じて、パレスチナの子どもたちの栄養失調予防活動の一助になっています。また、当寄附は「マッチングギフトプログラム」にも申請されているので、寄附金も、社員の気持ちも倍にして届けられます。

出せずにいました。イベント告知を見て興味がわき、周囲の社員に声をかけるとすぐに同じ思いの社員が集まり、全員お揃いのユニフォームを作成して参加しました。約12時間、一緒に歩いたメンバーとは強い絆ができ、社会貢献以外にも得るものは多くあったと感じています。次回はより多くの社員を巻き込んで参加したいと思います」と、感想を語りました。ひとつのきっかけ、ひとりの呼びかけから、社内でも、ボランティア・チャリティの輪が広がっています。

お互い(=ミューチャル)に健康な生活ができるように

ミューチャルヘルスフード

支援の気持ちをチームでつなげる

「東京ヤマソン」に参加

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社員による社会貢献活動    授業の支援と注射用練習機器の無償提供/サンタクロース・ボランティア

 ファイザーでは、食物アレルギーから子どもたちを守るための様々な支援をしています。2015年2月に立ち上げた「Everybody HEROES PROJECT」は、小学校の教職員に対する食物アレルギーの授業支援プログラムで、子どもから保護者まで、食物アレルギーの正しい理解が広まることを目的としています。そのプロジェクトのひとつとして、専 用のW e bサイト「エビバディヒーロー」に、教育現場での助けとなる様々な動画を用意しています。 また、2015年3月には文部科学省の協力のもと、アナフィラキシー※補助治療剤である注射用機器の練習用トレーナーを、全国52,000校に無償提供しました。 練習用トレーナーとは、救急救命が必要な際に用いられるアナフィラキシー補助治療剤の注射用機器の使い方を、日頃から繰り返して練習できる針の付いていないデモ機です。それまでファイザーでは、学校教育関係者の要望に対しては、練習用トレーナーの貸し出しのみという形で対応していました。しかし近年、食物アレルギーを持つ子どもが増加しているという調査の報告などにより、対処についての世論の

 毎年12月になると、ファイザーの社員はクリスマスにちなんだ扮装で病院を訪れ、入院中の子どもたちにプレゼントを届けています。これは、認定NPO法人「難病のこども支援全国ネットワーク」の活動へのサポートとして、2003年から行っている取り組みで、

関心が次第に高まり、それと同時に、学校教育関係者からは、練習用トレーナーを常に身近に置いてトレーニングを重ね、いざという時に迅速に対処したいという 環境整備に関する多くの要望が寄せられました。 この要望を受け、社内では様々な検討がなされ、いくつかの課題を解決した結果、文部科学省が配布する食物アレルギーの研修資材に、練習用トレーナーを同梱するという形で、全国の学校に1本ずつ配布することが実現しました。加えて2016年10月には、日本保育保健協議会に、およそ5,000本の練習用トレーナーを無償提供し、教職員や保育士の児童に対する救急救命トレーニングに役立てられています。 アナフィラキシーが起こらないよう、食事などに注意をしていても完全になくすことは難しく、アナフィラキシーの徴候や症状が認められた緊急時の対応が、子どもたちのその後の健康状態を左右します。これらの支援により、万が一の際でも、適切な対応につながることをファイザーは願っています。

重い病気を抱える子どもたちに、少しでも夢と笑顔をプレゼントできればという思いで続けています。 2016年は、12月7日から22日の間にのべ26名の社員が、サンタクロース、トナカイ、クリスマスツリーに扮し、10か所の病院に伺いました。過去14年間で、このプログラムを通じて入院中の子どもたちに手渡されたプレゼントは、約29,200個。プレゼントを手にして嬉しそうに笑顔を浮かべる子どもたちや、優しい表情の保護者や職員の方々から、社員も毎年、たくさんの「元気」や「喜び」をいただいています。

子どもたちを食物アレルギーから守るために

学校における授業の支援と注射用練習機器の無償提供

入院中の子どもたちと保護者の方々に夢と笑顔をプレゼント

サンタクロース・ボランティア

Everybody HEROES PROJECT Webサイト http://minnahero.jp/

※発症後、極めて短時間のうちに全身性にアレルギー症状が出る反応

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さらに救急救命の技術の向上と人命救助に対する意識が高まりました。 これら一連の取り組みが評価され、2016年の9月9日に東京消防庁から表彰を受け、渋谷消防署からは、AEDの普及等、救急業務協力者に贈られる「救急業務協力者感謝状」をいただきました。また府中オフィスは、府中消防署から2年連続で表彰され「救急部長賞」を受賞しました。

社員による社会貢献活動    サマー・サイエンス・スクール/東京消防庁から感謝状

 愛知県武豊町にあるファイザー・ファーマ名古屋工場では2000年から、毎年夏に小学生を対象に、科学の不思議とおもしろさを伝える「サマー・サイエンス・スクール」を開校しています。今回は町内の小学5年生50名を対象に、2016年8月27日に開催しました。内容は、前半が薬に関する講義、後半が実験コーナーで、講師や実験の指導には、社員がボランティアを務めました。 科学実験のテーマは「錠剤をつくろう」で、「製薬企業の工場で実際に作っている錠剤がどのようにしてできるのか?」、「錠剤は自分でも作れるのか?」、「材料で錠剤の何が変わるのか?」などについて、幅広く

 ファイザーでは、全国すべてのオフィスにAEDを設置しており、本社ウェルネスセンターおよび各地のセールスオフィスにおける衛生委員会が、AEDを含む救命に関する講習を企画し、希望者に対して実施していました。 2014年、出勤中の2人の社員による人命救助のエピソードがインターネットで共有され、それをきっかけに多くの社員から「自分たちも人命救助の基本を学びたい」という声があがりました。これを受け、社内で検討を重ねた結果、2015年に各地の消防署ならびに日本赤十字社が実施する普通救命講習を、本社の希望者および、全国のセールスオフィスに所属する約3,000名の社員が受講することを決定。多くの社員が救命技能認定証を取得することができ、

学んでもらうことを目的としました。 今回、子どもたちは、昨年大好評だった発泡錠の作成に挑戦。講義のときには少し堅い表情だった子どもたちも、実験になると目を輝かせてミッションに取り組んでいました。 実験後のアンケートからは、「薬に興味を持ちました」、「科学はとても楽しいなと思いました」、「またサイエンススクールに参加したい」などのコメントが多くあり、子どもたちにも楽しい時間を過ごしてもらえたようです。

錠剤づくりの体験を通して、科学の面白さを伝える

サマー・サイエンス・スクール

AED(自動体外式除細動器)使用など救急救命の普及に貢献

ウェルネスセンターと府中オフィスに東京消防庁から感謝状

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 「リレー・フォー・ライフ(以下RFL)」は、がん患者さんを支援するアメリカ発祥のチャリティーイベントで、現在、日本国内では約50か所、世界各国でも開催されています。参加者は、「がんは眠らない。がん患者さんは24時間戦っている」というメッセージを掲げ、24時間夜通しでメンバー交代をしながら襷をつないで歩き続け、またイベント会場ではチャリティー物販や、さまざまな出店もあり、大いに賑わいをみせます。RFLに参加することをモチベーションとしている小児がんの患者さんも多くいます。 2014年、ファイザーの開発部門の有志が参加することから始まったRFLへの支援は、2016年に3年目を迎えました。ボランティアの輪は社内で年々広がりを見せ、2015年では30名を超え、2016年は40名以上が参加し、開発部門のみならず、部門を超えた多くの社員が参加する一大イベントとなりました。 2016年は5月に筑波、9月に駒場で、それぞれが思いを込めて、24時間歩き続けました。両イベントには、がんサバイバーや患者会、ご家族、NPO関係者、病院職員、製薬会社の社員など多くの参加者が集まりました。苦しみを持つがん患者さんや、患者さんを支える方々と語り合うことによって、参加したメンバー

は、患者さんの生活の実態や患者さん目線に立った思考の重要性など、多くのことを学びました。 この活動をリードしている開発部門の北村 篤嗣は、

「雨の日や気温の高い中で長時間歩くのは、楽なことではありませんが、この活動について語りながら、また、患者さんのことを思いながら深夜に黙々と歩いていると、時間が経つのはあっという間でした。このイベントでは、毎年新しいことを学ばせていただいています。今年は、とある場面で、複数のがん患者さんと新薬の開発について話をする機会があり、わたしたち製薬企業への期待を大いに感じました。一人でも多くの方がRFLに参加して活動を盛り上げていくことができれば、がん患者さん支援の大きな力となると思います。ボランティアは、“自分がしてあげる”という気持ちではなく、“自分が参加することで、何かを得て持ち帰ることができる”という視点に立てば、その一歩を踏み出せます」と振り返ります。RFLを通してのがん患者さんへの支援は、これからも続いていきます。

今年も筑波と駒場を舞台に24時間完歩

多くの方々から学びを得るがん患者支援チャリティーイベント「リレー・フォー・ライフ」

社員による社会貢献活動    リレー・フォー・ライフ

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第35回ファイザー医学記事賞医学・医療に関する優れた記事を表彰

第35回ファイザー医学記事賞    医学・医療に関する優れた記事を表彰

 2016年度は、全国の新聞に掲載された医学・医療関連記事115点の中から、大賞2点、優秀賞4点が選出され、同年9月29日に『第35回ファイザー医学記事賞』の発表および贈呈式が行われました。 大賞の新潟日報社『がんと向き合う―あんしんネット '15~'16』は、「この記事を通じてがんのことを読者が知り、気持ちの備えになるような情報を提供したい」という、記者の皆さんの熱い想いがこもった連載でした。同じく大賞の北國新聞社『 一から分かる認知症』は、認知症の症状、治療、地域連携、若年性認知症の就労、車の運転、服薬管理といった、患者さんとその家族の日常生活において

多いに参考となる連載でした。 また、優秀賞では、超高齢社会の医療、地域医療、生殖医療、筋電義手など、最新の医療情報について取り扱った連載が選出されました。審査員は、記者の皆さんの多角的な取材によってもたらされた新たな医療情報や人間エピソード、啓発性についても高く評価しました。 今後もファイザーでは、医学・医療問題と真摯に向きあい、地道な取材活動をされている全国の記者の皆さんによって、適切で質の高い医学記事が届けられることを願い、また、記者の方々の励みとなるよう当賞を継続してまいります。

真実を伝えることが、豊かな世界へとつながるように。ファイザーは、医学・医療の現実が適切な報道によって一般の人々に正しく理解されることを願い、 医学・医療記事を表彰する賞として「ファイザー医学記事賞」を設けています。これまでの受賞記事は190点を超え、表彰した連載の一部は単行本としても出版され、その数は50 冊以上にのぼります。

第35回ファイザー医学記事賞 受賞記事

一般の読者を対象にした全国の新聞に、2015年4月から2016年3月までに掲載された医学・医療関連記事115点より選定。評価項目は、(1)着眼点(2)構成(3)的確でバランスのとれた情報(4)啓発性(5)感動・説得力の5項目。

大 賞 『がんと向き合う―あんしんネット '15~'16』   新潟日報社 : 報道部社会保障班大 賞 『一から分かる認知症』             北國新聞社 : 竹本豊、竹森和生優秀賞 『超高齢社会の医療 第3部 迷いの向こうに』  京都新聞社 : 南部支社 多和常雄   文化部 高野英明、松尾浩道、吉永周平優秀賞 『医人創造~鳥取大地域医療学講座の挑戦~』   山陰中央新報社 : 伊藤英治、山根行雄、狩野樹理優秀賞 『生殖医療 命が始まるとき』          中国新聞社 : 生殖医療取材班優秀賞 『夢をつかむ~筋電義手の子どもたち』 毎日新聞社 : 桜井由紀治

今回の受賞記事は次の6点です(会社名五十音順・敬称略)。

受賞者の皆さん

書籍化された受賞作

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公益財団法人 ファイザーヘルスリサーチ振興財団四半世紀にわたりヘルスリサーチの研究助成事業と交流の場を提供

公益財団法人

ファイザーヘルスリサーチ振興財団    四半世紀にわたりヘルスリサーチの研究助成事業と交流の場を提供

日本社会における、ヘルスリサーチの振興を目指して。ファイザーヘルスリサーチ振興財団は、当時のファイザー製薬株式会社が基金を拠出し、1992 年3月に設立された公益財団法人です。保健医療・福祉分野における科学技術の進展を国民のQOL の向上に結び付けることを目指し、『ヘルスリサーチ』をその振興事業の対象として掲げています。

 現在、研究助成事業では、国際共同研究および国内共同研究(年齢制限なし・満39歳以下)の3つのカテゴリーに対する助成を行っています。2016年度

(第25回)は、公募による160件の中から国際共同研究8件、国内共同研究31件(年齢制限なし-15件、満39歳以下-16件)の合計39件、助成総額5,629万円の研究案件が採択されました。 これまでの採択研究は、下記ホームページをご参照下さい。

[第23回ヘルスリサーチフォーラム] 研究者自身による助成研究成果報告および毎年のテーマに沿って公募される一般演題の研究報告の場として、保健医療分野をはじめ、経済学、法学、社会学などの社会科学分野の研究者、さらにはヘルスリサーチに関心のあるジャーナリストや一般の方々も参加できるユニークなフォーラムです。第23回を数え

る今年は、「医療・介護・福祉のパラダイムシフト」をテーマに、2016年12月3日(土)、千代田放送会館にて開催されました。フォーラム後には、平成28年度研究助成受賞者への贈呈式も行われました。

[第13回ヘルスリサーチワークショップ] ヘルスリサーチの裾野を広げていくために、医療関係者だけにとどまらない多彩な人材による“出会いと学び”を目的としたヘルスリサーチワークショップを毎年1月に開催し、これまでに268名の方々が参加されました。第13回目を迎えた今年のテーマは、

「未来を変える~ネコ型ロボットと共生する時代へ~」。奥田知志氏(日本バプテスト連盟東八幡キリスト協会牧師)と尾藤誠司氏(東京医療センター教育研修部臨床研修科医長)による基調講演で幕を開け、その後、分科会、全体討論と2日間にわたるワークショップが開催されました。

ヘルスリサーチフォーラムの様子

ワークショップ分科会の様子

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グローバルファイザー世界各地で展開する企業市民活動

グローバルファイザー    世界各地で展開する企業市民活動

さまざまな支援を、人に、世界に、環境に。グローバルファイザーでは、適切な医療が受けられない地域への支援のようなヘルスケアに関係する活動のみならず、環境への配慮、企業活動における透明性の推進、ダイバーシティの推進を含めた職場環境の整備などを通じて、企業市民として社会に貢献するための様々な取り組みを行っています。これらの取り組みは、各国政府や各地のNGO・NPO と協働し、世界各地の課題解決に向けて一緒に活動しています。ファイザーのグローバルな企業市民活動の中から、代表的な取り組みを紹介します。

 伝染性の眼病・トラコーマは、失明の原因としては、世界でも最も多いものと言われていますが、公衆衛生の改善や地域の保健教育、抗菌薬による治療などによって撲滅することができます。ファイザーは1998年、Edna McConnell Clark 財団とともに、インターナショナル・トラコーマ・イニシアティブ(ITI)を設立し、以来、500万回分の抗菌薬の提供によって、世界33カ国、1億人以上の患者さんが治療されました。こうした活動によって、2012年のオマーンをはじめ、ガンビア、ガーナ、イラン、モロッコ、ベトナムが、WHO により、トラコーマ排除国として認定されました。

失明の最大の原因・トラコーマ撲滅

環境保全への取り組み

インターナショナル・トラコーマ・イニシアティブ

グリーン・ジャーニー

 より健康な社会の実現のために、「グリーン・ジャーニー」という3つの環境課題にフォーカスした取り組みを行っています。

気候変動への配慮:革新的な技術を利用し、温室効果ガスの減少を目指しています。生産過程での工夫:リサイクルやパッケージの見直しを通じ、製造過程で生じる環境への影響を最小限にしています。水資源の管理:可能な限り水の再利用や水の使用を制限し、水資源を効果的に活用しています。

「グローバル・ヘルス・フェローズ」は社員がそれぞれの専門性を活かし、国際的な開発機関で行う短期ボランティアプログラムです。主に、サプライチェーンやビジネス機能の最適化、期待される健康予防に関するプログラムを担当し、これまでに340人の社員が44か国でプロボノとして活躍しています。またこのプログラムを通じて、ファイザーは40以上の国際開発組織とパートナーシップを組んでいます。*プロボノ:社会人が自らの専門知識や技能を活かして参加する社会貢献活動

 HIV/AIDS の患者さんの日和見感染症を防ぐために、患者さんが罹りやすい2種類の真菌性感染症の治療薬を、発展途上国の政府やNGOに寄附しています。 南アフリカでスタートしたこのプログラムは、現地の医療関係者に診断と治療のための訓練を行い、これまでに63か国、6,000以上の施設に18億米ドル以上の医薬品を提供しています。

社員が国際開発機関でプロボノ* として活躍

途上国の HIV/AIDS 患者の日和見感染症治療

グローバル・ヘルス・フェローズ

ジフルカン・パートナーシップ・プログラム

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ファイザー株式会社 〒151-8589 東京都渋谷区代々木3-22-7 新宿文化クイントビル 広報部 www.pfizer.co.jp

COM84H001

バリュー(価値規準)

私たちは、9つの価値規準を遵守します。

integrity(誠実と高潔)

quality(クオリティ)

leadership(リーダーシップ)

performance(業績改善)

community(善き市民)

collaboration(コラボレーション)

innovation(革新)

customerfocus

(顧客志向)

respectfor people(人間尊重)

企業としての、また社員としての活動の基盤に、9つのバリュー(価値規準)があります。 ファイザーは、社員が 遵守すべき9つのバリュー(価値規準)を掲げています。私たちは、この価値規準に則った活動こそが企業の成長発展の源であると考え、日々の事業活動がバリューに基づいているかどうかを常に見直し、実践しています。 バリューの一つである“Communi ty(善き市民)”は、

「私たちが働き、生活している全てのコミュニティーをより良くするために、積極的な役割を果たします」というものです。

▼スローガン