Top Banner
みなさまに支えられ、ファイザー日本法人は 2018 年に日本で創業 65 周年を迎えました。 2017 年 の 社会貢献活動を ご報告します Pfizer Corporate Citizenship Report ファイザー企 業 市 民 レ ポ ート 2017 創業当時の工場(神戸) ヘルスケア 関連団体 への支援 社員の ボランティア 活動 医学記事賞 ヘルス リサーチ への助成 市民活動 への助成
20

Pfizer Corporate Citizenship Report ファイザー企業市 …¿なさまに支えられ、ファイザー日本法人は 2018年に日本で創業65周年を迎えました。2017年の

May 17, 2018

Download

Documents

nguyen_duong
Welcome message from author
This document is posted to help you gain knowledge. Please leave a comment to let me know what you think about it! Share it to your friends and learn new things together.
Transcript
Page 1: Pfizer Corporate Citizenship Report ファイザー企業市 …¿なさまに支えられ、ファイザー日本法人は 2018年に日本で創業65周年を迎えました。2017年の

みなさまに支えられ、ファイザー日本法人は2018年に日本で創業 65 周年を迎えました。

2017年 の社 会 貢 献 活 動 をご 報 告しま す

Pfizer Corporate Citizenship Report

ファイザー企 業 市 民 レポート2017

創業当時の工場(神戸)

ヘルスケア関連団体への支援

社員のボランティア

活動

医学記事賞ヘルス

リサーチへの助成

市民活動への助成

Page 2: Pfizer Corporate Citizenship Report ファイザー企業市 …¿なさまに支えられ、ファイザー日本法人は 2018年に日本で創業65周年を迎えました。2017年の

1

ファイザーは革新的な医薬品の開発と提供を通じて、一人でも多くの患者さんが生活を取り戻し、ご家族とともに喜びを分かち合うことができるよう貢献していきたいと考えています。

さらに、社会を構成している企業市民として、医薬品の提供だけでは十分に果すことができない課題にも目を向け、それらが少しでも解決されるような活動を支援しています。その上で、

「真に実効性のある社会貢献とは何か」という点を追求し、一方的な援助や一過性の支援ではなく、さまざまな立場の方々の視点に立ち、長期的な展望のもと、継続的に活動していくことを目指しています。ファイザーの社会貢献活動は、経済的側面や人的側面での支援、ファイザーのさまざまな人材や資源を活用した支援など、多岐にわたります。会社主導の活動として、患者団体などの相互連携を深めるための支援である「ヘルスケア関連団体のネットワークづくりへの支援(VHO-ne t)」や、NPO等への助成「ファイザープログラム~心とからだのヘルスケアに関する市民活動・市民研究支援」、医学・医療の現実が適切な報道により一般の人々に正しく理解されることを願い、新聞連載記事を表彰する「ファイザー医学記事賞」などがあります。

また、社員が行うボランティアに対する支援や、国内外の大規模な自然災害が起きた際に、社員が寄せる寄附金と同額以上の金額を会社も支出する「マッチングギフト」など、社員の気持ちに寄り添った活動と合わせ、幅広い分野での社会貢献活動を展開しています。

ファイザー日本法人は多くの方々に支えられ、2018年に創業65周年を迎えることができました。“Working together for a healthier world より健康な世界の実現のために”、

私たちは患者さん、そのご家族、医療関係者、ビジネスパートナー、地域社会、全ての皆様に大きく貢献できる会社として、これからも成長して参りたいと考えています。

2017年の活動を報告するこの「企業市民レポート」で、ファイザーの社会貢献に関する考え方と活動についてのご理解を深めていただけますと幸いです。

2018年3月ファイザー株式会社 代表取締役社長

原田 明久

ファイザー株式会社 会社概要

● 設  立 1953年8月1日● 社 員 数 4,861名● 事業内容 医療用医薬品の製造・販売・輸出入● 所 在 地 本社:東京都渋谷区代々木3-22-7 新宿文化クイントビル

Page 3: Pfizer Corporate Citizenship Report ファイザー企業市 …¿なさまに支えられ、ファイザー日本法人は 2018年に日本で創業65周年を迎えました。2017年の

2

「Working together for a healthier world:より健康な世界の実現のために」ファイザー株式会社 代表取締役社長 原田明久

人に、地域に、世界に ファイザーの社会貢献活動の概要ファイザープログラム~心とからだのヘルスケアに関する市民活動・市民研究支援 • 一般社団法人 SAVE TAKATA [岩手県]  • 認定特定非営利活動法人 エンパワメントかながわ [ 神奈川県 ]

ヘルスケア関連団体(VHO)ネットワークづくりのためのきめ細やかな支援  第17回ヘルスケア関連団体(VHO)ワークショップ 「わたしたちの団体の価値に気づき、価値を高める」をテーマに開催

ひとりの力を大きな力に 社員による社会貢献活動

   

横浜パッケージセンター設立25周年医学・医療に関する優れた記事を表彰 「第36回ファイザー医学記事賞」公益財団法人 ファイザーヘルスリサーチ振興財団による医師・研究者・医療関係者への研究助成Global Pfizer 世界各地で展開する企業市民活動

家族団体

すべての人が健康で、心豊かに暮らせる社会であるように。その願いを叶えるため、ファイザーは、患者さんや障がいのある方々、そのご家族、医療関係者をはじめ、市民団体や災害被災地等への支援など、国内外の各地において、幅広い社会貢献活動を展開しています。

ファイザー(日本)

保健医療分野の研究者

地域社会

社会的な受け皿がないために心身のケアを

受けられない人

一般生活者

患者団体

中堅世代の方々

障がい者団体

メディア

人に、地域に、世界にファイザーの社会貢献活動の概要

Global Pfizer

市民活動への助成

ヘルスケア関連団体への支援

ヘルスリサーチへの助成

社員のボランティア

活動

医学記事賞

16

15

1

17

2

18

3

7

11

目 次

主な支援対象

• 社員の寄附金に会社が同額以上を上乗せしてお届け 「マッチングギフトプログラム」• 希少・難治性疾患の認知度の向上のために 「レアディジーズデイ」社員が千羽鶴を提供• 貧困に苦しむ子どもの自立支援のために 「東京ヤマソン」に今年も参加• 東京・埼玉を舞台に今年も24時間完歩 広がる社員の参加がん患者支援チャリティーイベント 「リレー・フォー・ライフ」• 小学生にくすり作りを体験してもらい、科学の面白さを伝える 「サマー・サイエンス・スクール」• 入院中の子どもたちと保護者の方々に夢と笑顔をプレゼント 「サンタクロース・ボランティア」

Page 4: Pfizer Corporate Citizenship Report ファイザー企業市 …¿なさまに支えられ、ファイザー日本法人は 2018年に日本で創業65周年を迎えました。2017年の

3

 ファイザープログラムは、「心とからだのヘルスケア」に取り組む市民活 動・市 民 研 究 を 支援する助成事業です。2000年の創立以来、疾 病 や 障 が いを抱える方をはじめ、生活困

窮 者や公 的 制 度の狭 間で支 援を必 要とする方々など、従来の「ヘルスケア」の枠で捉えられないような対象者を支援し、また、最長3年間の継続制度、多くの助成プログラムでは対象とならない人 件 費や家 賃・光 熱 費 等をカバーするなど 、先駆け的な取り組みを続けてきました。2013年からは、主に中堅世代(30歳代〜50歳代)にターゲットを絞り、公的な支援の対象となりにくい世代における、心身のケアに関する課題に取り組む市民活動・市民研究のさらなる発展を応援しています。本年度は、新規助成7件、継続助成7件を選出し、合わせて14件のプロジェクトに3,000万円を助成することと

贈呈式で挨拶する原田社長

団体の活動内容に聞き入る参加者

贈呈式会場内の様子

ファイザープログラム

中堅世代における心身のケアを課題に取り組む市民活動・研究を支援全国からの応募数は96件、選考委員による厳正な選考の結果、2017年度の助成対象プロジェクトが決定し、12月に都内で贈呈式を開催しました。

● ファイザープログラム~心とからだのヘルスケアに関する市民活動・市民研究支援

なりました。 ファイザーは、このような支援を通じて、革新的な医薬品の開発と提供だけでは十分に果たすことのできないヘルスケアの課題にも取り組み続け、より健康な世界の実現のために貢献していきたいと考えています。 

Page 5: Pfizer Corporate Citizenship Report ファイザー企業市 …¿なさまに支えられ、ファイザー日本法人は 2018年に日本で創業65周年を迎えました。2017年の

4

就労者 2.1%

介護者・看護者・支援者 4.2%生活困窮者 5.2%

災害被災者・児・家族 5.2%引きこもり/ニート等の

当事者・家族 7.3%

子育て親 7.3%依存症当事者・家族 7.3%

「ファイザープログラム」2017年度助成対象プロジェクト一覧新規助成(助成1年目)

活動

研究 プロジェクト名 団体名 所在地 助成額

(万円)

1 ●   ひきこもり状態にある中堅世代への農業を通じた心とからだの健康自立支援事業 一般社団法人 SAVE TAKATA 岩手 230

2 ●  ● 中堅世代の加害者家族の支援モデルの構築 特定非営利活動法人 World Open Heart 宮城 300

3 ● 中堅世代のひきこもりの人々が気楽に集まるソーシャルカフェ〜 「35カフェ」 特定非営利活動法人 光希屋(家) 秋田 210

4 ● ● 若者支援団体で活動する中堅支援者への支援 一般社団法人 若者協同実践全国フォーラム(JYCフォーラム) 東京 220

5 ●   中高齢のろう者にこころのかがやきを 特定非営利活動法人 サイレントJAPAN 東京 150

6 ●   中堅世代の病と生活困難者への自立に向けた寄り添い型支援 特定非営利活動法人 NPOホットライン信州 長野 170

7 ●   ● 孤立する難民と地域社会の市民をつなぐ関係構築プロジェクト 特定非営利活動法人 名古屋難民支援室 愛知 220

助成総額〔7件・合計〕 1,500万円

(2017年度の助成期間は、2018年1月1日〜12月31日です)継続助成(助成2年目)

活動

研究 プロジェクト名 団体名 所在地 助成額

(万円)1 ● 生活困窮者を中心とした健康改善及び中間的就労事業 特定非営利活動法人 仙台夜まわりグループ 宮城 190

2 ●   埼玉県西部地区における未就学時期の難病児子育て応援プロジェクト 社会福祉法人 はなみずき会 埼玉 253

3 ● ●  デートDVの実態から中堅世代の生きづらさと適切な支援方法を明らかにするための研究 認定特定非営利活動法人 エンパワメントかながわ 神奈川 168

4 ● ● DV被害等による生きづらさを抱えた女性のための居場所づくり事業

認定特定非営利活動法人 女性と子ども支援センターウィメンズネット・こうべ 兵庫 156

5 ● ひきこもり援農隊が沖縄コーヒーを創る 特定非営利活動法人 ウヤギー沖縄 沖縄 300

(助成3年目)

6 ●   セクシャル・マイノリティの中堅世代困難層に向けたHIV検査同行とサポート クライシスサポートセンター nolb 東京 288

7 ●   障がい児とその家族を支えるための「家族の再生」プロジェクト

特定非営利活動法人 文化・福祉・人権サポート アエソン 兵庫 145

助成総額〔7件・合計〕 1,500万円

(2017年度の助成期間は、2018年1月1日〜12月31日です)

助成決定書の贈呈

疾病患者・児・家族17.7%

その他 6.1%

市民・住民15.6%

障がい者・児・家族9.4%

女性9.5%

2017年度ファイザープログラム応募団体支援対象の分類

ファイザープログラム

女性 4.2%社会的困難を抱える人(社会的弱者)4.2%

在住/在留外国人 4.2%

Page 6: Pfizer Corporate Citizenship Report ファイザー企業市 …¿なさまに支えられ、ファイザー日本法人は 2018年に日本で創業65周年を迎えました。2017年の

5

 「SAVE TAKATA」は、2011年3月、東日本を襲った大震災の翌日、代表となる佐々木信秋さんをはじめ、当時、首都圏に在住していた陸前高田市出身者が、現地の状況の把握と、情報発信のためにホームページなどを立ち上げることから活動を開始しました。以後、物資支援のマッチングから避難所の運営、イベント運営のサポートなど、被災地で必要とされた、ありとあらゆることに取り組みました。震災復興支援からスタートし、時間の流れとともに支援のフェーズも変遷するなかで、団体の活動は「農業」「IT 事業」「教育」につながる若者事業の三本柱に集約されてきました。

 農業の中心であるりんごとの出会いは2013年の秋、農家から出荷に適さない品物を買い取って、ジュースやジャムなどに加工して販売する事業から始まりました。「近隣の農家と関わるうちに、りんご作りの担い手不足や生産量の減少といった、りんご農家が直面している問題を知ることになりました」と、理事である松本玄太さん。「加工食品を作っても、元々のりんごがなくなっては意味がない。歴史ある

『米崎りんご』を作り続け広めるためには、担い手の育成が必要だ」と気づき、SAVE TAKATAはりんご作りに取り組むようになりました。 時を同じくして東京の就労支援団体から、自立支援プログラムの一環として農業体験合宿の受け入れ

理事 松本玄太さん

りんご収穫の様子収穫したりんご

一般社団法人 SAVE TAKATA [ 岩手県 ]

りんご作りを通じて困窮者の自立支援と地域活性化の実現へ

● ファイザープログラム 2017年度新規助成~プロジェクト紹介

要請がありました。当初は人手不足の農村部の担い手として、地域の外からひきこもりの若い方々を招き入れ、農作業を行っていました。2015年に生活困窮者自立支援制度が始まると市の社会福祉協議会から、同地区におけるひきこもり対策への相談が寄せられるようになりました。その中で見えてきたのは、震災で職を失い、新しい仕事を探すものの一時的なものばかりで安定した仕事が得られず、結果として閉鎖予定の仮設住宅でひきこもり状態になり次のステップに進めなくて困窮する、被災地ならではの中堅世代の姿でした。 「この方々が一歩前に踏み出すことができれば、これまでの社会での多くの経験が活かせるのではないか」SAVE TAKATA は、団体の活動案内が載ったダイレクトメールを陸前高田市の全戸に配布しました。反響は徐々に表れ、これまでに当事者やその家族などから10件以上の問い合わせがありました。

「私たちの畑だけでなく、近隣のりんご農家へ手伝いに出向くことで、地域との良好な関係を育むことができました。今後はファイザープログラムの助成を活かし、りんご作りを通じて、地域が抱える課題が解決され、困窮者が自立していく環境を作っていきたいですね」と語る松本さん。りんご作りによって、地域のひきこもりの中堅世代が外に出るきっかけとなり、りんご農家の方々など地域住民ともつながっていく。SAVE TAKATA はりんご作りを通じて、自立支援のサポートと地域産業の発展の両立をめざし、活動を続けていきます。

ファイザープログラム

ひきこもり状態にある中堅世代への農業を通じた心とからだの健康自立支援事業

Page 7: Pfizer Corporate Citizenship Report ファイザー企業市 …¿なさまに支えられ、ファイザー日本法人は 2018年に日本で創業65周年を迎えました。2017年の

6

小冊子「デートDV白書」

性を模索しました。その結果 2011 年、「デートDV110 番」の電話相談を開設しました。ポスターや専用サイトなどさまざまな方法で告知しフリーダイヤルにしたところ、多くの相談が寄せられるようになりました。  当初は未成年者からの相談が多いと想定していましたが、思いもよらず、中堅世代からもさまざまな相談が寄せられるようになりました。これらの相談により、暴力や経済的困窮、大きな心因的負担、過去に受けた家族からの虐待など、中堅世代の被害者の置かれている状況の深刻さが浮き彫りになりました。この現状を発信するとともに、中堅世代におけるデートDVの被害もなくしていきたいと考え、2015 年度のファイザープログラムに応募。助成の初年度には、これまでの電話相談の記録を分析して「デートDV白書」という小冊子を作成しました。 助成2年目にあたり阿部さんは、これまでに蓄積された相談内容の分析をさらに進めるとともに、電話対応時に活用している記録シートを改訂することで、相談員のアセスメント力の向上などに取り組むことにしています。「最近では中堅世代の男性被害者からの深刻な相談も増えています。寄せられる相談への対応スキルを上げることで、より適切な支援につなげられるように、スタッフと力を合わせて取り組んでいきたいと思います」と、助成2年目にかける思いを語りました。

 子どもへの暴力の防止について取り組むため2004 年に設立された「エンパワメントかながわ」。理事長の阿部真紀さんは、恋人間の暴力である

「デートDV」について問題意識を持つようになりました。「恋人間の暴力について当時はあまり問題視されてきませんでしたが、団体を設立する半年前にメディアがデートDV について取り上げたことで、その実態が少しずつ明らかにされてきました」と阿部さんは当時を振り返ります。 問題の事象に「デートDV」という名前がついたことをきっかけとして問題の啓発を進めることができれば、世の中の理解が深まり多くの問題を解決することができるとの思いで、さまざまな取り組みをスタートさせました。そのひとつとして、デートDVを演じる寸劇やワークショップなどを交え、その予防について訴えるプログラムを開発し、教育現場において実践しました。プログラムでは「人はそれぞれが対等の関係、お互いを大事にしあうこと」をテーマとしました。

 啓発活動の成果が上がる一方で見えてきたのは、高校生の間で既にデートDV が起きているという現実でした。その実態を目にして、リーフレットの作成など普及活動を更に推進すると同時に「予防だけでは足りない。相談体制をつくって両輪として防止対策を推進しよう」と、新たな方向

ファイザープログラム

デートDVを根絶して誰もが対等で暴力のない社会を目指し

認定特定非営利活動法人 エンパワメントかながわ [ 神奈川県 ]

ファイザープログラム 2017年度継続助成~プロジェクト紹介 ●

理事長 阿部真紀さん

活動のシンボルスプリング

グリーンリボン

デートDV の実態から中堅世代の生きづらさと適切な支援方法を明らかにするための研究

Page 8: Pfizer Corporate Citizenship Report ファイザー企業市 …¿なさまに支えられ、ファイザー日本法人は 2018年に日本で創業65周年を迎えました。2017年の

7

http://www.vho-net.org/

ヘルスケア関連団体(VHO)への支援

 情報誌「まねきねこ」の制作・発行

ファイザーは、ヘルスケア関連団体のネットワークを支援するため、団体等の情報を独自で取材・発行する情報誌「まねきねこ」を、ヘルスケア関連団体、医療福祉関係者、行政などに配布しています。誌名の「まねきねこ」は、第1回ヘルスケア関連団体ワークショップで誕生したマスコットキャラクターで、人を招き、ネットワークを広げようという意味を込めて名付けられました。「まねきねこ」は「VHO-net」のウェブサイトからダウンロードし、どなたでも読むことができます。

ウェブサイトVHO-netの運営支援ヘルスケア関連団体ネットワーキングの会(VHO-net)は、会員団体相互の理解を深め、より多くの方々に各団体の活動を知ってもらうために、ウェブサイト「VHO-net」(http://www.vho-net.org/)を運営しています。団体の紹介をはじめ、ワークショップの報告、VHO-net の活動成果など、さまざまな情報を掲載しています。

疾病や障がいに関わる民間団体には、患者団体・障がい者団体・家族団体・セルフヘルプグループ・支援団体などがあり、それぞれが独立した活動を行っています。しかし、より良い医療・福祉の実現には、団体の規模や歴史の違い、医療・疾患・当事者・家族・医療従事者といった枠組みを越えた交流も必要です。ファイザーは、このような団体を「ヘルスケア関連団体=VHO:Voluntary Healthcare Organization」と総称し、各団体の自主性を尊重しながら、日常活動のサポートやネットワークづくりを支援しています。

進行役スキルアップ研修会それぞれの活動の中で行われる会議や VHO-net地域学習会においては、進行役の役割が重要であることから、そのスキルアップを目的とした研修会を開催しています。 

ウェブサイトVHO-net

情報誌「まねきねこ」

ファイザーは、ヘルスケア関連団体の自主性を尊重し、自立を願う気持ちとともに、さまざまな支援を行っています。

ネットワークづくりへの支援

VHO-netワークショップ等の開催を支援

日常活動への支援

VHO-netワークショップ

地域学習会地域学習会

合同会議 など

進行役スキルアップ研修会ウェブサイトサポート

勉強会 など

ウェブサイト「VHO-net 」の

運営支援情報誌

「まねきねこ」の制作・発行 など

ワークショップ等の開催を

支援

日常活動への支援

ネットワークづくりへの

支援

2001 年にスタートした年に一度の VHO-net ワークショップ。そして地域でも活動を行いたいという思いから、2004 年に関西地区で始まった地域交流会は、やがて全国に広がりました。現在は「地域学習会」として、地域ごとの課題の解決や情報交換などの場が創設され、全国規模での活動と各地域の活動を併せてネットワークしていくための活動が行われています。また、各地域学習会で話し合われた内容について、地域を越えて共有し、それぞれの地域学習会の前年度の事業報告と次年度に向けた企画について議論・承認するために、年に1度の合同会議も開催。ファイザーは、地域学習会や合同会議を円滑に進めるために、学習会の運営方法や会場の提供・設営、ファシリテーション支援などを行っています。

● Voluntary Healthcare Organization(略称:VHO)

VHO-netのさまざまな支援

Page 9: Pfizer Corporate Citizenship Report ファイザー企業市 …¿なさまに支えられ、ファイザー日本法人は 2018年に日本で創業65周年を迎えました。2017年の

8

社会における団体の位置付けを意識したテーマ  10 月 14 日〜 15 日、都内のファイザー研修施設において、17 回目となるワークショップが開催されました。今回のテーマは、「わたしたちの団体の価値に気づき、価値を高める」。日常の活動を自分自身だけでなく、会員、他団体といったさまざまな視点から見直すことにより、団体の価値に気づき、そしてさらにその価値を高めるために何が必要か。歴史や規模など、異なる背景を持つヘルスケア関連団体の「価値」について、また社会が団体に求めていることについて、改めて考えるテーマとなりました。

気づきを獲得し、大きな学びを培う場に 初日の午前中ではまず、「認定 NPO法人 ささえあい医療人権センター COML(コムル)」理事長の山口育子さんによる「患者力を高める活動とは〜27年間の患者支援団体の経験を通して〜」と題した基調講演がありました。電話相談、医療を支える市民養成講座の開設、子どもに向けた「いのちとからだの 10か条」発行など、山口さんが団体を通じて行ってきた数々の活動の経緯と実状、さらにそこから発展し、新たに展開する活動について語られました。患者と医療者が協働できるために、より良いコミュニケーションを根付かせたいという信念に基づく山口さんの行動力と COML の活動は、参加者にとって大きな刺激になりました。

第17回ヘルスケア関連団体(VHO)ワークショップ

今年のテーマは「わたしたちの団体の価値に気づき、 価値を高める」ヘルスケア関連団体(VHO)への支援活動の一つであるワークショップ。今年も、全国各地から集まった患者団体、障がい者団体などのリーダーと医療福祉関係者が議論を交わし、交流を深めた2日間となりました。

ヘルスケア関連団体(VHO)への支援

ワークショップ ●

発表に聞き入る参加者

講演する山口育子さん

Page 10: Pfizer Corporate Citizenship Report ファイザー企業市 …¿なさまに支えられ、ファイザー日本法人は 2018年に日本で創業65周年を迎えました。2017年の

9

 午後の分科会では6グループに分かれ、基調講演の感想を話し合った後、講演と今回のテーマから、改めて自分の団体の価値について考え、その価値を高めるために必要なものとは何か、各グループで具体的な議論が進みました。  

 

 分科会終了後、ファイザーの有志により結成されている空手部協力のもと空手道の演武会が開かれ、VHO-net メンバーによる形の演武と試し割りが披露されました。演武者の中には難病を発症してから空手を始めた方もおられます。病気の発症でさまざまな活動への意欲が薄れてしまった時もあったそうですが、空手を通じてスポーツができるという喜びを実感し、日々の仕事も頑張れるようになったという声が聞かれました。 続いて行われた懇親会は多くの笑顔に包まれ、参加者同士が親睦を深める時間になりました。 2日目は、各グループによるまとめの発表と質疑応答が行われ、団体の存在自体が価値のあることではないかという気づきや、価値を高めるために団体が発信を続けていくことの大切さ、その具

体的なアイデアなどが発表されました。全体討論と総括でも、今回のワークショップで得たことを、団体の活動にどのように活かしていくかについて議論を深め、参加者からは、「学びの多い2日間だった」「2日間で得たものを今後の活動で活かしていきたい」との意見がありました。

VHO-net のネットワークづくりを支援 VHO-net では、年に 1 度のワークショップをはじめ、全国9地域で開催されている地域学習会、各地域学習会の運営委員による合同会議、交流学習会なども行われ、その活動はさらに広がっています。さまざまなプロジェクトが生まれ、2009 年には患者の視点で疾患や治療についてまとめた「患者と作る医学の教科書」を出版。2013年から始まった

「信頼されるピアサポートプロジェクト」では、ヘルスケア関連団体のリーダー、医師、看護師で構成されたチームによる議論が続けられ、2015 年には

「VHO-net が考えるピアサポート5か条」が発刊されました。  ファイザーは、VHO-netの支援、ワークショップや地域学習会などの会場提供や設営、交通費や宿泊費の支援、分科会のサポートなどを行い、ネットワークづくりを支える事務局として、「ともに生きるための側面からのサポート」を続けています。

息の合った空手道演武会

全体討論の様子

分科会での討論の様子

団体の枠を越えて課題に取り組む参加者

ヘルスケア関連団体(VHO)への支援

Page 11: Pfizer Corporate Citizenship Report ファイザー企業市 …¿なさまに支えられ、ファイザー日本法人は 2018年に日本で創業65周年を迎えました。2017年の

10

 国際医療福祉大学大学院に勤務していた当時、恩師であり大学院長であった開原成允(かいはら しげこと)先生主催の公開講座「乃木坂スクール」の運営に携わっていました。

“患者さんから学ぶ”というこの講座の企画を通じて、さまざまな患者団体などとのネットワークができ、お付き合いさせていただくようになりました。この講座をきっかけとしてファイザーともつながり、VHO-net の学習会やワークショップに参加するようになりました。それ以来、メンバーの患者団体のリーダーの方々を講師に招き、看護学生たちに患者さんの生の声を届けています。また、VHO-net の患者と医療関係者で編成されたプロジェクトチームで発刊した「患者とつくる医学の教科書」の編纂に私も深く関わり、学生の教材にするなど、VHO-net で得たつながりは、教育の現場でも活かされています。 VHO-net の活動には、メンバーである患者団体や障がい者団体等のリーダーが主体的に参加し、団体をマネジメントするリーダーがスキルアップを目指すというオリジナリティ

●第1回(2001年) 「活動に駆り立てるもの、越えるもの」 ~出会いを中心に~

●第2回(2002年) 「ひとりの気づきはみんなの気づき」  ~会の運営・後継者育成、資金調達、PR活動など~

●第3回(2003年) 「自分づくり、ひとづくり」~人材育成を中心に~

●第4回(2004年) 「未来に向けて、充実と広がり」 ~今、あなたにできること~

●第5回(2005年) 「つなぐ」~医療関係者とのより良い関係~

●第6回(2006年) 「患者力」~医師とのパートナーシップ~

●第7回(2007年) 「情報活用術」~収集と提供の方法を考える~

●第8回(2008年) 「つたえる」~正確な情報を伝えたい人たちに~

VHOワークショップ これまでのテーマ

VHO-net の活動は、支援の本質を考える場横浜市立大学 大学院医学研究科 看護学専攻長 医学部看護学科 教授・VHO-net中央世話人松下 年子さん

ヘルスケア関連団体(VHO)への支援

●第9回(2009年) 「つづける」~chance・challenge・change~

●第10回(2010年) 「集う・たのしむ・見つける」  ~これまでを振り返り、未来のために~

●第11回(2011年) 「もったいない!VHO-netの活かし方」●第12回(2012年) 「共に」~ピアサポートの未来

●第13回(2013年) 「社会資源としてのピアサポート」●第14回(2014年) 「協働」●第15回(2015年) 「軌跡・継続・変革」●第16回(2016年) 「わたしの目指すリーダーとは」●第17回(2017年) 「わたしたちの団体の価値に気づき、価値を高める」

ワークショップ ●

を感じます。リーダーの皆さんはとてもエネルギッシュで、今年 10 月のワークショップでも建設的な議論が続き、リーダーの方々の更なるスキルアップにつながったと感じました。このような活発なディスカッションも、メンバー同士の信頼関係があってこそ。いろいろなことを相談し合える関係ができていることも、会の強みだと感じます。これだけの管理者が一堂に会する場は大変貴重ですので、今後も各団体の力をより高めていくために必要なマネジメント力を磨き、リードしていくためのスキルとはどういうものなのかを見極めていくと、VHO-net はさらに良いネットワークになっていくのではないかと思います。 支援とは、求められたことを何でもしてあげればいいというものではなく、その人のできない部分をサポートし、自立するための選択を示し、その“さじ加減”が大切であると、私は医療従事者の立場から考えています。私にとってVHO-net は、「支援」ということを考えるうえで、原点に戻ることができる場でもあります。

INTERVIEW~VHO-net参加者の声~

懇親会で親睦を深める参加者 ワークショップ参加の皆さん

Page 12: Pfizer Corporate Citizenship Report ファイザー企業市 …¿なさまに支えられ、ファイザー日本法人は 2018年に日本で創業65周年を迎えました。2017年の

11

ひとりの力を大きな力にファイザーでは、全国各地でボランティア活動を展開する社員一人ひとりの気持ちをバックアップするさまざまな制度を設けています。

 「マッチングギフトプログラム」は、社員の個人的な意思に基づく寄附に対し、社員の申請に基づき会社も同額以上を当該団体に別途寄附することにより、社員の善意を倍にして社会へ還元することを目的とした制度です。 高齢者福祉、子どもの健全育成を図る活動、動物愛護活動等、公共の福祉を目的として活動している団体に対して2017年も寄附金を拠出し、社員の気持ちを倍にしてお届けしました。 メディカル・インフォメーショングループに所属する中村淳子は当プログラムを活用し、飼い鳥を飼えなくなった方から保護するという活動を展開している「認定NPO法人 TSUBASA」への支援を2011年から行っています。その支援は寄附金の提供だけにとどまらず、この団体の施設に出向いて鳥のケージを掃除し、鳥の食事の世話やおもちゃ作りをする活動にも取り組んでいます。また、当団体の特徴的な活動である“鳥の適正な飼養に関する啓発活動”のサポートもしています。 「元々動物好きで、その動物たちに貢献できること

はないかと考えた結果、TSUBASAの活動を知ることになりました。残念ながらインコやオウムなどの飼育に関する知識の普及はあまり進んでいないと言われることがあります。犬や猫に比べてサイズが小さく、大きな声で吠えたり鳴いたりしないので飼いやすいという誤解のもと、飼育をはじめる方も多いようです。正しい知識を普及していくことが、人もインコたちも幸せに暮らしていくために非常に重要で、その活動に少しでも貢献できることは、自身の喜びにつながります。会社のサポートも心強く、今後もこの支援を継続していきたいと思います」と中村は話します。 ファイザーでは、このような社員の自主的なボランティア活動を支援しています。

社員の寄附金に会社が同額以上を上乗せしてお届け

マッチングギフトプログラム

2017年度マッチングギフトプログラム寄附先団体

活動分野別出費割合

子どもの健全育成を図る活動(海外)55.0 %

子どもの健全育成を図る活動(国内)6.1 %

動物愛護38.9 %

● マッチングギフトプログラム

社員による社会貢献活動

鳥のケージを掃除 社員の名前が記されたたすき

Page 13: Pfizer Corporate Citizenship Report ファイザー企業市 …¿なさまに支えられ、ファイザー日本法人は 2018年に日本で創業65周年を迎えました。2017年の

12

 毎年2月の最終日は、「世界希少・難治性疾患の日(レアディジーズデイ)」です。希少疾病の中には治療法が見つからず、研究が進んでいない疾患が数多くあります。こうした疾患の認知度の向上を目指し、各地でイベントが企画され、運営されています。 ファイザーでも、「希少疾病や難治性疾患の患者さんのために、少しでも役に立てるようなことでできることは何か?」というテーマについて社内で議論が重ねられました。アイデアとして浮かんだのは社員それぞれがオレンジ色の折り鶴を折り、それらを集めることでインパクトのあるものを作り上げ、疾患の認知向上に少しでも貢献していきたいということでした。その結果、2017年2月28日の世界希少・難治性疾患の日に合わせ、「千羽鶴レンド・

 1周約40kmのJR山手線沿いを歩き、29の駅を全て巡るファンドレイジング・イベント「東京ヤマソン」。2010年に第1回が開催されたこの会では、参加費や寄附金がプラン・インターナショナルを通じ、貧困に苦しむ子どもたちの自立支援など、さまざまな取り組みに活用されています。 2016年に参加した和田晃典は、都合が合わなかったり、体力的に不安であったりということで参加が叶わなかった多くの社員の声を聞いていました。そこで、2017年の2度目の参加の際に社員から寄附金を募ったところ、当日に参加できない101人から善意が寄せられました。寄附金を拠出した社員はそれぞれの名前をたすきに記し、善意の想いを込めました。当日は和田を含め14人の社員が東京

ヤマソンに参加。天候に恵まれず厳しいコンディションでしたが、お揃いのユニフォームを身にまとい、115人の想いの詰まった

ア・ハンド・キャンペーン(Lend a Hand Campaign)」の実施につながりました。  本社および全国のセールスオフィスの社員にキャンペーンへの参加を呼びかけ、1,775羽の折り鶴が集まり、多くの社員の想いがひとつとなりました。これらの折り鶴は、「特定非営利活動法人 ASrid (アスリッド)」に提供され、同団体が2017年に開催した世界希少・難治性疾患の日のイベント会場に展示され、希少疾病の認知向上のために役立てられました。 私たちはこのような活動を通じ、患者さんの心に常に心を寄せるとともに、さまざまな医療ニーズについて幅広く知ることが重要だと考えています。

たすきとともに全29駅での写真撮影を完遂し、貧困に苦しむ子どもたちに善意が届けられました。たすきのアイデアについては、東京ヤマソン運営者の方からも取材を受け、イベントのCEOからも感謝の言葉をいただきました。 これからも東京ヤマソンへ参加し、子どもたちの支援につなげていきます。

希少・難治性疾患の認知度の向上のために

「レアディジーズデイ」社員が千羽鶴を提供

貧困に苦しむ子どもの自立支援のために 

「東京ヤマソン」に今年も参加

● マッチングギフトプログラム レアディジーズデイ/東京ヤマソン ●

社員による社会貢献活動

全国から集まった折り鶴

101人の社員の想いを背負って歩いた14人

社員の名前が記されたたすき

Page 14: Pfizer Corporate Citizenship Report ファイザー企業市 …¿なさまに支えられ、ファイザー日本法人は 2018年に日本で創業65周年を迎えました。2017年の

13

 がんの啓発と征圧を目指し、がん患者や家族、支援者らで勇気と希望を分かち合うチャリティーイベント「リレー・フォー・ライフ(以下RFL)」は、世界約30ヶ国、約6,000ヶ所で開催されています。イベントにはチャリティー物販などさまざまな出店もあり、毎年大いに賑わいをみせます。2017年、RFLは日本で1 0 周 年を迎え、全 国 4 9ヶ所でイベントが開催されました※。がん患者さんは24時間、がんと向き合っています。「がんと闘う人たちの命を祝福し(Celebrate)、亡くなった人たちを偲び

(Remember)、がん征圧のために力を合わせて立ち向かう(Fight Back)」という3つのテーマを胸に、社員は24時間夜通しでたすきをつないで歩き続け、がん患者さんの支援につなげました。 ファイザーのRFLへの支援は、2014年に開発部門の有志が参加することから始まり、2017年に4年目を迎えました。ボランティアの輪は社内で年々広がりを見せ、開発部門のみならず、多くの社員が参加する一大イベントとなっています。2017年には、東京と埼玉の会場で多くの社員が、がんサバイバーや患者会、ご家族、NPO関係者、病院職員、他の製薬会社の社員の方々と24時間交流しました。 東京のイベントに参加した社員は、アクセサリー販売や駄菓子のつかみどりなどを出店し、テントに訪れたたくさんの方々と交流するとともに、24時間

で136kmを完歩しました。その結果なんと周回数で1位となり、募金とあわせ、イベントに大いに貢献したとして、実行委員会から感謝状が授与されました。

 埼玉のイベントに参加した栗原弘明は、「社内のWebサイトで、別の社員が参加した際の記事を読み、いつかは参加したいと思っていたことが、2017年に実現することができました。炎天下のなか2日間にわたり全員で歩みを進め、多くの学びを得ることができました。また、出店用テントの後片付けも含め、全てが楽しい思い出となりました。終盤のがん患者さんとのハイタッチでは、私たち医薬品企業の使命を思い出させてくれました。日々できることは少ないかもしれませんが、“患者さんに希望とかけがえのない時間を届けること”、この使命を心に刻みさまざまなことに果敢に挑戦して、これからも先に進んで行きたいと思います」と話しています。 RFLへの参加を通じて、患者さんの生活の実態、患者さん目線に立った思考、革新的医薬品の開発と提供の重要性など、多くのことを学びました。多くのことを学ばせていただくことへの恩返しを含め、RFLを通してのがん患者さんへの支援を、これからも続けていきます。

東京・埼玉を舞台に今年も24時間完歩

広がる社員の参加 がん患者支援チャリティーイベント

「リレー・フォー・ライフ」

●リレー・フォー・ライフ

社員による社会貢献活動

※公益財団法人 日本対がん協会Webサイトより http://relayforlife.jp/ 

埼玉会場の様子

東京会場の様子

Page 15: Pfizer Corporate Citizenship Report ファイザー企業市 …¿なさまに支えられ、ファイザー日本法人は 2018年に日本で創業65周年を迎えました。2017年の

14

嬉しそうに笑顔を浮かべる子どもたち、優しい表情で子どもたちを見守る保護者や医療施設の職員の方々から、社員は毎年たくさんの「元気」や「喜び」をいただいています。

 愛知県武豊町にあるファイザー・ファーマ名古屋工場では地元の小学生を対象に、科学の不思議や面白さを伝える「サマー・サイエンス・スクール」を2000年から毎年夏に開校しています。2017年は武豊町内の小学5年生49名を対象に、8月26日に開催しました。その内容は薬に関するレクチャーや実験で、多くの社員がボランティアとしてイベントを盛り上げました。 実験のテーマは“錠剤を作ろう”。「製薬企業の工場で実際に作っている錠剤がどのようにしてできるのか?」「錠剤は自分でも作れるのか?」「材料で錠剤

 毎年12月になると、社員が医療施設などを訪れ、入院中の子どもたちにプレゼントを届けています。これは「認定NPO法人 難病のこども支援全国ネットワーク」が展開する活動へのサポートとして、2003年から行っている取り組みです。重い病気を抱える子どもたちに、少しでも夢と笑顔をプレゼントできればという想いで、この活動へのサポートを継続しています。 2017年は12月5日から21日の間に、のべ21名の社員が、サンタクロース、トナカイ、クリスマスツリーに扮装し、11ヶ所の病院に訪問しました。過去15年間で、このプログラムを通じて入院中の子どもたちに手渡されたプレゼントは約31,700個にのぼります。

の何が変わるのか?」などについて幅広く学んでもらうことを目的としました。レクチャーの時には少し硬さが目立った子どもたちですが、実験になると目を輝かせ、錠剤作りに取り組んでくれました。 イベント後のアンケートには「実験が楽しかった」「錠剤の作り方や薬についてよく知れてよかった」

「またサイエンススクールに参 加したいです」といったコメントがあり、子どもたちの充実した一日に貢献することができました。

小学生にくすり作りを体験してもらい、科学の面白さを伝える

サマー・サイエンス・スクール

入院中の子どもたちと保護者の方々に夢と笑顔をプレゼント

サンタクロース・ボランティア

サマー・サイエンス・スクール/サンタクロース・ボランティア ●

社員による社会貢献活動全員で記念撮影

サンタからプレゼントのお届け

錠剤作りに取り組む子どもたち

Page 16: Pfizer Corporate Citizenship Report ファイザー企業市 …¿なさまに支えられ、ファイザー日本法人は 2018年に日本で創業65周年を迎えました。2017年の

15

地域に支えられて25年全員が参加し、働きやすい職場環境を実践

横浜パッケージセンター

設立25周年

● ファイザー株式会社横浜パッケージセンター

 1992年の6月に神奈川県横浜市に設立した「横浜パッケージセンター」は地域の皆様に支えられ、2017年に25周年を迎えることができました。この施設では社内で発生するさまざまな資材等の梱包や仕分けと発送、当社主催講演会の案内状や社内ポスターの印刷業務等を行っています。勤務する社員は知的・身体・精神とさまざまな障がいを持ちながらも、一人ひとりの個性を活かしつつチームの和を大切にして、高い品質管理と作業効率を実現しています。また開所以来、神奈川県下の特別支援学校高等部に在籍している生徒さんを実習生として毎年受け入れ、将来の社会参加や自立のためのサポートをしています。これらの取り組みが評価され、2008年には横浜市から、障がいのある人を雇用し、働きやすい職場環境を作るための努力や工夫をしている企業として認定いただき、「ハマライゼーション企業(ヨコハマ・ノーマライゼーション企業の略称)」のグランプリ企業として表彰いただきました。 そしてこの度、センター設立25周年を祝う記念式典が2017年の9月に都内において開催され、同センターで働く社員とそのご家族、行政や特別支援学校、NPO法人などから来賓の方々と、ファイザーの主要な役員が参加し、会場はお祝いムードに包まれました。同センター長・志村研二の開会宣言に続き、

当社の各役員からの挨拶があり、地域の方々に支えていただいたことへの感謝の言葉などがありました。続いて、同センターのOBやOGの方々が登壇されました。前センター長で、立ち上げからご自身の定年まで20年以上にわたり同センターを育てた平野章さんからは、「立ち上げ当初は場所探しや人集めでとても苦労しました。会社に貢献できる組織になったことを嬉しく思います」とコメントをいただきました。 式典の最後には、神奈川県特別支援学校校長会、横浜市健康福祉局、養護学校やNPO法人などから、それぞれ感謝状を贈呈いただきました。また、参加した方々からは「横浜パッケージセンターは雇用するだけではなく、もっとできるという自信を与えて職域を広げてくれています」「実習というと生徒はすごく緊張して怖がりますが、横浜パッケージセンターに 行くと『また行きたい!』『 仕事って楽しいね!』と目を輝かせて帰ってくる。本当に素晴らしい機会を与えていただいています」など、多くの感謝の言葉をいただきました。  同センターは、ファイザーが推進している「ダイバーシティ&インクルージョン」、すなわち、全員参加の環境をつくること、まさにそれを実践する施設です。これからもさまざまな方々に支えていただきながら、地域に貢献したいと思います。

15

横浜パッケージセンターでの作業の様子

25周年を祝ってみんなで乾杯

力を合わせてこれからも

Page 17: Pfizer Corporate Citizenship Report ファイザー企業市 …¿なさまに支えられ、ファイザー日本法人は 2018年に日本で創業65周年を迎えました。2017年の

16

 2017年度は、全国の新聞に掲載された医学・医療関連記事136点の中から、大賞1点、優秀賞5点が選出され、同年9月29日に「第36回ファイザー医学記事賞」の贈呈式が都内で行われました。 大賞の読売新聞東京本社『QOD 生と死を問う』は、在宅医療に重点を置き、自宅での看取り、高齢者救急、意志決定のあり方を深く考えさせる連載でした。 連載の冒頭にQOD(Quality of Death)について、

「生活や人生の質(QOL)を高めようと最期までより良く生きることを支えることが、死の質も高めるという考え方」が解説され、読者にわかりやすく構成されています。審査員は「理想論や情緒的な事例報告に流れず、具体的に書かれている。見せ方など『伝える工夫』もよくなされ、総合力の高い記事である」「わかりやすく死生観を説いている。読者が自分自身にあてはめて考えるきっかけになるのでは」などと講評され、総合点で大賞に輝きました。  

 優秀賞には、ハンセン病の歴史や課題などについての連載や、在宅医療、がん、依存症、日々の健康情報を扱った連載が選出されました。 今後もファイザーでは、医学・医療問題と真摯に向きあい、地道な取材活動をされている全国の記者の方々により、一般の方々に適切で質の高い医学記事が届けられることを願い、また、記者の方々の励みとなるよう当賞を継続して参ります。

第36回ファイザー医学記事賞 受賞記事

一 般の読 者を対 象にした全国の新聞に、2016年4月から2017年3月までに掲載された医学・医療関連記事136点より選定。評価項目は、(1)着眼点、(2)構成、(3)的確でバランスのとれた情報、(4)啓発性、(5)感動・説得力。

(会社名五十音順・敬称略)

大 賞 『QOD 生と死を問う』   読売新聞東京本社 社会保障部 本田 麻由美 飯田 祐子 大広 悠子       手嶋 由梨 小沼 聖実 滝沢 康弘

優秀賞 『家族 らい予防法廃止20年』             熊本日日新聞社 らい予防法廃止20年取材班

優秀賞 『最期まで笑顔で 在宅医療のあした』  山陽新聞社 南條 雅彦 河本 英 大橋 洋平 松島 健

優秀賞 『つながりなおす 依存症社会』   信濃毎日新聞社 「つながりなおす」取材班優秀賞 『丈夫がいいね』          北國新聞社 丈夫がいいね取材班優秀賞 『がん大国白書』 毎日新聞社 医療福祉部取材班 永山 悦子 高野 聡 下桐 実雅子 河内 敏康  野田 武 細川 貴代

ファイザー医学記事賞 受賞記事の書籍

医学・医療の現実を真摯に見つめ、正しく伝える記事を讃えて ファイザーは、医学・医療の現実が適切な報道によって一般の人々に正しく理解されることを願い、医学・医療記事を表彰する賞として「ファイザー医学記事賞」を設けています。本賞は1981年に産声を上げ、審査員をはじめ多くの方に支えられ、現在に至っています。これまでの受賞記事は206点、表彰した連載の一部は単行本としても出版され、その数は50冊以上にのぼります。

第36回ファイザー医学記事賞

    医学・医療に関する優れた記事を表彰 ●

受賞者の皆さん

Page 18: Pfizer Corporate Citizenship Report ファイザー企業市 …¿なさまに支えられ、ファイザー日本法人は 2018年に日本で創業65周年を迎えました。2017年の

17

日本社会におけるヘルスリサーチの振興を目指してファイザーヘルスリサーチ振興財団は、ファイザー製薬株式会社(財団設立当時)が基金を拠出し、1992年3月に設立された公益財団法人です。日本の保健医療と福祉分野における科学技術の進展を国民のQOL(生活の質) の向上に結び付けることを目指し、「ヘルスリサーチ」をその振興事業の対象として掲げています。

 現在、研究助成事業では、①国際共同研究②国内共同研究(年齢制限なし)③国内共同研究(満39歳以下)の3つのカテゴリーに対する助成を行っています。第26回の2017年度は、公募による174件の応募から、国際共同研究8件、国内共同研究30件(年齢制限なし:14件、満39歳以下:16件)の合計38件、助成総額5,692万円の研究案件が採択されました。 これまでの採択研究は、財団のWebサイト※をご参照下さい。

ヘルスリサーチフォーラム 研究者自身による助成研究成果報告、および毎年のテーマに沿って公募される一般演題の研究報告の場として、保健医療分野をはじめ、経済学、法学、社会学などの社会科学分野の研究者、さらにはヘルスリサーチに関心のあるジャーナリストや一般の方々も参加できるユニークなフォーラムです。第24回を数える

2017年は、「共生社会におけるヘルスリサーチ」をテーマに、12月9日、千代田放送会館にて開催されました。フォーラム後には、平成29年度研究助成受賞者への贈呈式も行われました。

ヘルスリサーチワークショップ ヘルスリサーチの裾野を広げていくために、医療関係者だけにとどまらない多彩な人材による“出会いと学び”を目的としてヘルスリサーチワークショップを毎年1月末に開催しています。これまでに301名の方々がこのワークショップに参加されました。 第14回目を迎えた今年のテーマは、「ヘルスリサーチが支える自己選択型医療」。安西法律事務所所長の安西愈(みのる)氏と、患医ねっと代表の鈴木信行氏による基調講演で幕を開け、その後分科会、全体討論と2日間にわたるワークショップが開催されました。 

● 四半世紀にわたりヘルスリサーチの研究助成事業と交流の場を提供

公益財団法人

ファイザーヘルスリサーチ振興財団

 ※公益財団法人ファイザーヘルスリサーチ振興財団Webサイト http://www.health-research.or.jp/activity/researchgrant/index.html

研究助成受賞者への贈呈 ワークショップ分科会の様子

Page 19: Pfizer Corporate Citizenship Report ファイザー企業市 …¿なさまに支えられ、ファイザー日本法人は 2018年に日本で創業65周年を迎えました。2017年の

18

さまざまな支援を世界中の人にグローバルファイザーでは、多くの人々が健康な暮らしを送ることができるよう、企業市民として活動しています。例えば、適切な医療が受けられない地域への支援など各国政府や各地のNGOやNPOと協働し、世界各地の課題の解決を目指しています。ファイザーのグローバルな企業市民活動の中から、代表的な取り組みを紹介します。

 伝染性の眼病・トラコーマは、失明の原因としては、世界で最も多いものと言われていますが、公衆衛生の改善や地域の保健教育、抗菌薬による治療などによって撲滅することができます。ファイザーは1998年に、2020年までにトラコーマを撲滅させることを目指す「非営利団体組織 Edna McConnell Clark財団」とともに、インターナショナル・トラコーマ・イニシアティブ(ITI)を設立しました。以降、500万回分の抗菌薬の提供によって、世界33ヶ国、1億人以上の患者さんが治療されました。こうした活動によって、2012年のオマーンをはじめ、ガンビア、ガーナ、イラン、モロッコ、ベトナムが、トラコーマ排除国としてWHO により認定されました。

失明の最大の原因・トラコーマ撲滅途上国の子どもたちにワクチンをインターナショナル・トラコーマ・イニシアティブ

Gavi ワクチンアラインス

ファイザーは、Gavi(世界ワクチン予防接種同盟)による画期的なプログラムである「Advance Market Commitment(AMC)」の後援を受け、2025年までに途上国の子どもたちに最大7億4,000万回のワクチンを提供することを約束しました。 AMCは、ワクチンを手頃な価格で安定供給し、開発途上国向けのワクチンの製造能力の開発と拡大を促進し、持続可能な市場を創造するプログラムです。 ファイザーは、従来では10年から15年ほど要していた途上国でのワクチン導入に際し、米国やEUで導入後1年以内に、途上国での小児予防接種プログラムに採用できるようになったことを誇りに思っています。 世界的なヘルスケアへの真の挑戦を目指すファイザーは、守るべき子どもたちに手の届く価格でワクチンを提供するために不可欠な、AMCなどの民間とのパートナーシップを構築しています。

 「グローバル・ヘルス・フェローズ」は社員がそれぞれの専門性を活かし、国際的な開発機関で行う短期のボランティアプログラムです。社員は期間中に、サプライチェーンやビジネス機能の最適化や、期待される健康予防に関するプログラムを担当し、必要性が高く、人々が本当に必要とする医療サービスへのアクセス、品質や効率を向上させることに貢献します。これまでに340人の社員が44ヶ国でプロボノ※として活躍しています。またプログラムを通じ、ファイザーは40以上の国際開発組織とパートナーシップを組んでいます。  ※プロボノ:社会人が自らの専門知識や技能を活かして参加する社会貢献活動

 HIVならびにAIDSの患者さんの日和見感染症を予防するために、患者さんが罹りやすい2種類の真菌性感染症の薬剤を、発展途上国の政府やNGOに寄附しています。南アフリカで2000年にスタートしたこのプログラムでは、現地の医療関係者に診断と治療のためのトレーニングが行われます。これまでに63ヶ国、6,000以上の施設に18億米ドル以上の医薬品を提供しています。

社員が国際開発機関で活躍

途上国の HIV/AIDS 患者の日和見感染症治療

ジフルカン・パートナーシップ・プログラム

世界各地で展開する企業市民活動 ●

グローバルファイザー

グローバル・ヘルス・フェローズ

Page 20: Pfizer Corporate Citizenship Report ファイザー企業市 …¿なさまに支えられ、ファイザー日本法人は 2018年に日本で創業65周年を迎えました。2017年の

ファイザー株式会社 〒151-8589 東京都渋谷区代々木3-22-7 新宿文化クイントビル 広報・社長室 www.pfizer.co.jp

COM84I001

バリュー(価値規準)

私たちは、9つの価値規準を遵守します。

integrity(誠実と高潔)

quality(クオリティ)

leadership(リーダーシップ)

performance(業績改善)

community(善き市民)

collaboration(コラボレーション)

innovation(革新)

customerfocus

(顧客志向)

respectfor people(人間尊重)

企業としての、また社員としての活動の基盤に、9つのバリュー(価値規準)があります。 ファイザーは、社員が 遵守すべき9つのバリュー(価値規準)を掲げています。私たちは、この価値規準に則った活動こそが企業の成長発展の源であると考え、日々の事業活動がバリューに基づいているかどうかを常に見直し、実践しています。 バリューの一つである“Communi ty(善き市民)”は、

「私たちが働き、生活している全てのコミュニティーをより良くするために、積極的な役割を果たします」というものです。

ファイザー企 業 市 民 レポート2017

▼スローガン