YAMATO: ウェアラブル屋内フロアマップ生成システム 奈良先端科学技術大学院大学(NAIST) 柏本 幸俊,安本 慶一 ※YAMATO = Yielding A floor MAp system by a smarT phOne
Dec 02, 2014
YAMATO:ウェアラブル屋内フロアマップ生成システム
奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)柏本 幸俊,安本 慶一
※YAMATO = Yielding A floor MAp system by a smarT phOne
概要
超音波センサガジェットとスマートフォンによる屋内フロアマップ自動生成手法の提案 ユーザが日常的に所持可能な安価なデバイスによるフロアマップ生成
ユーザがデバイスを身につけて通常どおりの行動することで自動的にフロアマップ生成
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目次
1. 背景
2. 関連研究
3. 提案システム
4. まとめと今後の予定
/ 333
屋内ナビゲーションへの注目
屋内ナビゲーションを行うには屋内フロアマップが必要
屋内フロアマップ
♪~
複雑な地下街
目的地までのナビ
/ 334
屋内フロアマップ作成の問題点
屋内フロアマップは通常,施設管理者が作成
Google インドアマップ
問題点
提供されるのは大型施設のみ
屋内フロアマップが存在しない場合,• ユーザによる作成が必要• 安価で負担の少ない作成方法が必要
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目次
1. 背景
2. 関連研究
3. 提案システム
4. まとめと今後の予定
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屋内ナビゲーションに向けた建物ネットワーク構造の抽出[1] スマートフォン内蔵センサ(加速度センサ,角速度センサ,無線LAN)よりユーザの移動軌跡の推定
複数の移動軌跡の共通部分より建物ネットワーク構造を抽出
スマートフォンのみで建物の構造を抽出可能
部屋の配置が不明だとナビゲーションは不可能
[1] 建物内移動情報の部分マッチングに基づく建物構造生成, DICOMO2013
✔
✘
トイレはいったいどこ?
/ 337
画像処理による屋内マップ作成[2] ユーザが撮影した屋内地図画像より作成
画像処理により壁位置を抽出
写真を1度撮影するのみで屋内マップを入手可能
画像処理における抽出不足や誤抽出
画像処理不可能な場合は手動編集
実際と異なる縮尺
✔
✘✘
屋内マップ
画像処理
撮影アップロード
[2] クラウドソーシングによる屋内構造地図情報の構築と収集, 信学技報,2011-11/ 338
本研究のアプローチ
オープンストリートマップ(OSM)
ボランティアで屋外地図を作成
ユーザが自主的にGPSロガを購入
ユーザの移動軌跡より地図作成
GPSロガ
OSMの様に屋内マップを作成
• 安価なデバイスによる作成
• 身につけて歩きまわるだけで自動作成
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目次
1. 背景
2. 関連研究
3. 提案システム
4. まとめと今後の予定
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提案システムの概要
(特徴3)スマートフォン(加速度,方位センサ)
サーバ
屋内フロアマップ
(特徴1)センサガジェット
(特徴2)超音波センサ互いに反対方向に2つ(壁-壁の距離を測定)
部屋形状データ
他ユーザからの提供
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課題と解決方針
(課題)安価・小型デバイスによる少データ量・低精度
超音波センサ
サンプリング周波数:10Hz 定常誤差:10%(回折波などによる)
(解決方針)
部屋形状を長方形として推定
分散特徴量による壁位置の推定
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スマートフォン内蔵センサセンサガジェット
超音波センサ
マップ生成
部屋形状推定 フロアマップ部屋の位置調整
加速度センサ方位センサ
フロアマップ生成2ステップ
Step1. 部屋形状の推定Step2.接続関係によるフロアマップ生成
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プロトタイプデバイス(データロガ)
計測データをcsv形式でmbed内部FLASHに記憶
サンプリングレート
加速度・方位センサ:100kHz 超音波センサ:10Hz
計測データをPython2.7で処理
加速度センサ
方位センサ
超音波センサ
NXPmbed
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説明に用いる実験環境
実験環境:280 cm x 300 cm 実験シナリオ:データロガーを持ち,部屋の中で適当に歩行
実験時間:6分間
300cm
280cm
北
θ=方位角
超音波センサ
ユーザ
実験風景
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部屋形状推定の概要
目的
超音波・方位センサを用いて部屋を長方形としてサイズを推定
処理ブロック
超音波センサ 方位センサ300cm
280cm
壁の位置データ収集
壁方向の推定部屋サイズ
算出
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超音波センサ+方位センサ
方位センサで超音波センサの向きを測定
距離データと計測した方向を紐付け
超音波センサ
ユーザ北
距離
(CM
)角度(度)
測定距離-角度データ
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壁方向の推定
目的
収集データより壁クラスタ(=壁-壁距離のみのデータ群)を抽出
方法
分散特徴量の算出
移動窓による壁クラスタの抽出
壁の方位の推定
壁の位置データ収集
壁方向の推定部屋サイズ
算出
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角度毎の分散特徴量を利用した壁データの抽出(1/2) 超音波センサが壁と垂直=角度毎の距離分散が小
超音波センサが壁と垂直以外=角度毎の距離分散が大
θ
θ
𝑑𝑑1 + 𝑑𝑑2
0°
0° 45°
𝑑𝑑1
𝑑𝑑2
𝑑𝑑1 + 𝑑𝑑2
分散小
分散大
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0100000200000300000400000500000
0 100 200 300
角度毎の分散
角度(度)
分散ー角度データ
0
1000
2000
3000
4000
5000
0 100 200 300
距離
(cm
)
角度(度)
測定距離ー角度データ
角度毎の分散特徴量を利用した壁データの抽出(2/2)
北0°
270° 90°
180°
分散小
0° 90° 180° 270°
壁クラスタ
/ 3320
壁方向の推定
目的
収集データより壁クラスタ(=壁-壁距離のみのデータ群)を抽出
方法
分散特徴量の算出
移動窓による壁クラスタの抽出
壁の方位の推定
壁の位置データ収集
壁方向の推定部屋サイズ
算出
/ 3321
0
50000
100000
150000
200000
250000
300000
350000
400000
450000
500000
0 100 200 300
角度毎の分散
角度(度)
分散ー角度データ
移動窓による壁クラスタの抽出
移動窓
(移動窓に含まれる測定点数)≧3
壁クラスタ
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壁方向の推定
目的
収集データより壁クラスタ(=壁-壁距離のみのデータ群)を抽出
方法
分散特徴量の算出
移動窓による壁クラスタの抽出
壁の方位の推定
壁の位置データ収集
壁方向の推定部屋サイズ
算出
/ 3323
0
50000
100000
150000
200000
250000
300000
350000
400000
450000
500000
0 100 200 300
角度毎の分散
角度(度)
分散ー角度データ
壁の方位の推定
90° 180° 270° 340°
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部屋形状推定の概要
目的
各壁クラスタの平均距離より部屋サイズを算出
処理ブロック
データ壁方向の推定
部屋サイズ算出
300cm
280cm246cm
282cm
推定値
真値
距離誤差• 東西方向:18cm• 南北方向:34cm方位誤差• 10°
誤差要因• 壁設置の本棚
壁クラスタ毎の平均測定距離より算出
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スマートハウスでの実験
部屋名 真値 推定値
寝室 257 x 611 230 x 443
リビング 353 x 641 324 x 383
寝室
リビング
クローゼット
玄関
キッチン
611
641
257
353誤差要因• 壁設置障害物の影響• 超音波が到達不能
(単位: cm)
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スマートフォン内蔵センサセンサガジェット
超音波センサ
マップ生成
部屋形状推定 フロアマップ部屋の位置調整
加速度センサ方位センサ
フロアマップ生成2ステップ
Step1. 部屋形状の推定Step2.接続関係によるフロアマップ生成
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接続関係によるフロアマップ生成概要
目的
部屋サイズデータと部屋接続関係データよりフロアマップを生成
処理
R3 R2R4
R1
部屋サイズデータ
R2
R1
部屋接続関係データ
R1北:R2R2南:R1
接続関係に基づいた
部屋の整列
完成フロアマップ
R3 R4R2
R1
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部屋接続関係の推定
目的
超音波・方位・加速度センサより部屋間の接続関係を推定
処理ブロック
超音波センサ
加速度センサ
方位センサ
ドア通過検出
ユーザの移動方位(ex.南に移動)
ユーザの状態推定( ex. 歩行)
R2
R1
部屋接続関係データ
R1北:R2R2南:R1
R2
R1
ユーザ R2→R1
ドア
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ドア通過の検出
超音波センサの計測距離の時間変化
例:ユーザがR2→R1移動
R2
R1ユーザの移動
計測距離
時間
ドア通過に伴う変化ドア
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実験
環境: NAIST A棟 4階
実験条件:各部屋のサイズ・接続関係
アルゴリズム設計・実行環境:Ubuntu 12.04, Python2.7 結果
通路
学生居室
会議室
安本先生
秘書室
玉井先生
荒川先生
正解屋内マップ 生成された屋内マップ
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目次
1. 背景
2. 関連研究
3. 提案システム
4. まとめと今後の予定
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まとめ
超音波センサガジェットとスマートフォンによる屋内フロアマップ自動生成手法の提案
小型・安価なウェアラブルデバイスによるマップ生成
部屋形状を長方形として推定
各部屋の接続関係を用いた屋内マップ生成
今後の予定
部屋サイズ推定精度の向上
障害物が存在する部屋への対応
超音波が届かない広い部屋への対応
長方形でない部屋への対応
システム全体の評価
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