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http://repository.osakafu-u.ac.jp/dspace/ Title 家庭を中心とするシステムズ・アプローチでの肯定的意味変換の 意味 Author(s) 倉石, 哲也 Editor(s) Citation 社會問題研究. 1992, 42(1), p.1-17 Issue Date 1992-10-31 URL http://hdl.handle.net/10466/6658 Rights
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Title 意味 - CORE · ダイムに基づく援助者の立場がサイバネティックス認識論によってはじめ 図l 図2 問題への円環市五丘(そじっ1) 図2で、援助者

Jun 02, 2020

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http://repository.osakafu-u.ac.jp/dspace/

   

Title家庭を中心とするシステムズ・アプローチでの肯定的意味変換の

意味

Author(s) 倉石, 哲也

Editor(s)

Citation 社會問題研究. 1992, 42(1), p.1-17

Issue Date 1992-10-31

URL http://hdl.handle.net/10466/6658

Rights

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家族を中心とするシステムズ・

アプローチでの肯定的意味変換の意味

倉石哲也

1 はじめに

今日の社会の構造的な変容の中で、家族の福祉的機能への期待は高 V¥O

と同時に、家族を支えるための補完的機能として社会サービスも模索の中

で整備されようとしている。こういった家族をとりまく福祉サービスの変

容の中で、専門的機能としての家族という生体をどのようにとらえ、援助

を行うことを通じて家族機能を促進すればよいのだろうか。筆者は肯定的

意味変換の有効性についてすでに報告しているが、今回は、システムズ・

アプローチの中での肯定的意味変換の意義を再度とらえ直したしU九具体

的には、家族の中で生じる問題を家族システム論の立場からとらえなおし、

問題解決のためのシステムズ・アプローチを行う際の援助の立場を明確に

する。その上で肯定的意味変換の援助方法としての意義と実践モデル化に

ついて考察する。

2 システム論と社会福祉実践

システム論は1970年代以降、社会福祉実践の統合化の議論とおして様々

な紹介がなされてきた (2)(九システム理論が他の社会福祉方法論と異なーるの

は、理論ではなく認識であるといわれている点であるヘそこでは、個人の

抱える福祉課題を個人と社会環境との相互作用的関係性の中でとらえると

いう概念が提唱され、関係調整を目的とするソーシャルワークの分野では

実態理解の機軸となる理論モデルを提供している(ば九しかし、それはあく

までも問題を現象的に理解する概念モデルとしての紹介であって実践モデ

ルとはなり得ていない。

今回は、家族システムズ・アプローチの観点から、家族の中で起こる問

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社会問題研究・第42巻第 1号('92.10.31)

題のとらえ方を、家族システムの認識論からとらえ直し、問題への認識論

的接近を試みたい。そして認識論の点から肯定的意味変換の意義を考え

る。

3 家族システムズ・アプローチのおける家族問題の認識論

家族援助モデルの初期においては、レインの考え方のように家族や患者

の周りの環境的因子が患者の病因の強化因子であるとされてきた(九レイ

ンの報告以前にも、精神分析学にみられるように、家族という存在は、治

療の進行を阻害するものとしてとらえられ、援助者は関わらざるもの、無

視すべき存在であったへ現に精神分析療法では、家族病因論が認識論と

してとらえられでも、援助者は家族との接触は治療の過程では行うべきで

はないとの指針が明確である (9)。

しかしながらこうした精神分析的な流れとは別に、心理療法の台頭の中

から、また個人アプローチの限界からクライエントの持つ症状を彼個人に

のみ因子を求めず、彼の存在するコンテクストを視野にいれる治療過程が

重視されるようになってきた。このような流れの中で家族療法は、人間の

不適応行動に対してこれまでとは異なった「相互関係j という視点を提供

するようになった(則。相互関係の視点を実証的に提唱したのは、レインを

はじめクライン、ウィニコット、そしてアッカーマンが代表的にあげられ

る。一方アメリカではこの時期に行動主義が臨床に影響を与え始めており、

家族という集団のコミュニケーションの相互作用に注目した実証的な研究

が増え始めた。この視点も精神分析的な視点とは異なり、不適応問題を個

人の心的ダイナミックスにその要因を求めず、外部環境との相互の関係か

ら学習されたものとして理解されていたO しかしながら実証研究の前提と

なる仮説は、クライエントの密接な関係を持つ家族との相互関係に誤った

学習過程が存在したとし kう「家族病因論j の立場が主であったO つまり結

果として家族という有機体を構成しているコミュニケーションの相互作用

を取り上げ、その特徴的な部分を抽出・分類し、診断の対象とする作業に

なっていたのである(IlXl九

-2-

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家族を中心とするシステムズ・アプローチでの

肯定的意味変換の意味(倉石)

この分野でもっとも著名な研究は、ベイツンの「精神分裂病の理論化に

向けてjの論文である。この研究成果によって、家族構成員間の相互作用

が不適応行動(この場合は症状)と密接な関わりがあるという、精神分析

にはなかった視点が実証的に証明され、これまで精神分析的な認識論だけ

であった精神療法全般の認識の拡大を迫る影響を与え始めた制。

ベイツンの認識論はその後サイバネティックス認識論として家族療法な

どの臨床の説明に用いられるようになったO 当時のサイバネティックス認

識論は、従来の直線的思考に対して循環的思考を採用しているという点が

強調されていたO この認識論は基本的に「形態維持指向j の考え方が主流

であり、家族コミュニケーションに存在する「症状改善のための援助者か

らの指示を無効化するパターンJ (形態を変化させようとする援助者の指

示を無能化・排除し、家族の現在の形態を維持しようとする働き)に注目

することに焦点がおかれていた。外部を排除する家族システムを一時的に

閉鎖システムとしてとらえ、閉鎖システムとしての家族病因論が前提であ

り、 「治療者=新しい平衡状態をつくる者、家族=一定の間違った平衡状

態を維持している者j という図式で家族病因論が認識されていたO

この視点を修正する理論はマルヤマの提唱した「第二サイバネティック

スj という視点である。マルヤマはそこで以下の二点を提唱したo (1)家

族というシステムは、形態維持的指向性だけでなく、形態発生的指向性を

普遍的に持つシステムである。 (2)循環的な思考に従って治療過程を考慮

すれば、治療者が行う常識的な治療行為は形態維持的な効果を生むことが

多い、という視点である(13)。前者の解説によって、家族が患者を作り出す

ことで閉鎖的に家族形態を維持している、といった誤った解釈は少なくな

り、家族システムに対して基本的な認識が作られた。問題は後者であるの

(1)を前提とするならば援助者は家族システムの形態発生的指向性を邪魔

しないように関わることが求められる。従来援助者は、家族システムとい

う制御不可能なシステムを制御する(問題解決を行う)ために介入を試み

ていると理解されていたO しかし、マルヤマのサイバネティックス認識論

をもってすれば、援助者は、家族という制御可能なシステムに制御不可能

-3-

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社会問題研究・第42巻第 1号('92.10.31)

な(または制御を妨害する、遅延させる)状況を演出する存在として理解

されよう。つまり援助者は家族システムに同次元から直線的に自らが治療

的な行為を行うのではなく、援助者自身がメタポジションを保ち自らの家

族システムへの働きかけとシステムの反応を制御すべきなのである。この

新たな視点にたてば家族への認識は180度変換されることになる。家族は

「病因jではなく、自らも変化を指向する「最も有効な治療的社会資源j と

認識されるO ソーシャルワーク実践で従来より提唱されている「社会資源

としての家族jがより理論的に実証される積極的理解がここで可能となる

のではないだろうか。そして、援助者の関わりも実証的理論的両レベルか

ら実践モデルとして導き出されるのである。つまり、治療の指標や目的さ

えも、援助者によって一方通行的に決定されるものではなく、治療の対象

となる家族システムによって援助者の働きかけの相互応答の中から決定さ

れるという自己決定の原則が理論的に遵守されることになる。システムズ・

アプローチの認識に立つ以九援助者は治療的な変化を引き起こす|媒体j

として位置づけられるのである。

また心的ダイナミックスへの病因論から相互作用モデルへと移行してい

た病因論さえもサイバネティックス認識論の提供により実は直線的な思考

に片寄っていたことに気づきが与えられた(図い図 2)。援助者自身は家

族システムが本来備えている形態発生機能と形態維持機能、つまり自律的

機能に影響を与え、その結果何らかの変化を余儀なくされる家族システム

が再び援助者(システム)に影響を与えるという相互影響、円環的なパラ

ダイムに基づく援助者の立場がサイバネティックス認識論によってはじめ

図l 図2問題への円環市五丘(そじっ 1)

図2で、援助者

は問題を円環的

に理解している

が家族システム

を「原因j とす

る、直接的視点

問題への直踊自守安立

(影響 i均五人 有国論 ~\ 心IfJ 'i/パ一三二,-~

竺どう;- ,1イナ"何¥、一一一-戸jiJJ官/L学習) ¥結果 J ¥)〆

(

)

(円瑞守思考)

く精神分析・学習理論モデル〉 く相互作用モヂ/し〉に立っているω

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家族を中心とするシステムズ・アプローチでの

肯定的意味変換の意味(倉石)

て可能になったのである(図 3)。こ |図 3 問題~の円離帯近(その2)

のように導き出されたシステムズ・

アプローチにおいてサイバネティッ

クス論に立脚する援助者はクライエ

ントの不適応問題をどのように理解

することが可能だろうか。

家族システムには形態維持指向と

vpej くサイハネティソクスモデJl.>

形態発生指向が同時に存在している。一方、問題の発生時期を考えると、

子どもの成長過程を始めとして、新しい生活場面への適応期、家族メンバー

の増減期など家族メンバーに何らかのストレスが生じる時期が臨床的に多

く見られる。このようなストレスが家族メンバーに生じる時期は家族の形

態発生(形態変容)が求められる時期と考えられる(附則。形態発生期に家

族メンバーに逸脱行動が生じるということは、形態発生に対するフィード

パックが家族システム全体に働いていると考えられる。ここで形態発生と

両極の働きをするフィードパック機能が形態維持機能である(16)。つまり、

これまで否定的に扱われてきた逸脱行為は家族が成長するプロセスの中で、

形態変容を一時的に遅らせるものではあるが、家族システム全体の維持を

考えるとそのフィードパックに意味がある、と肯定的な要素として位置づ

けられる。これは「症状が家族システムの機能上必要であるために、家族

の機能として形態維持指向のフィードパック回路が存在しているj という

旧来の考えを「症状は家族システムの進化の過程で形態発生を抑制し、か

つシステムの形態維持を果たすために現れるフィードバックの一部であるj

と置き換えることができる川18)。一つの事例をもとに具体的に考えてみる c

中学3年で過喚起症候群になった娘とその家族を例にとると、この家族は

心理的物理的にも自立を試みている娘に対し、娘の早すぎる自立行為(親

に反発ばかりする、自分本意に甘える等)を認めようとしない母親が存在

し、父親は両者を持て余していたO 症状は娘本人のみがコントロール可能

であり、この点では自立している。しかも病気というラベルのおかげで母

親は娘により親的に関わることが可能であり、かっこれまでにみられない

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社会問題研究・第42巻第 1号('92.10.31)

父親の母子関係への試行錯誤の関与が可能となった。この家族システムで

は、娘の自立期という新しい家族形態の発生期に、母親のこれまでの家族

形態(父親の介入しない母子関係)を維持しようという動きと、それと同

時に形態発生に必要な父親の新しい役割(母子への指導的な介入)を見い

だすための試行錯誤も形態維持的な動きである。このように家族メンバー

の中に新しい変化が生まれる際には他のメンバ一個人のレベルからの家族

システム全体への変化の抑制作用が起こるO 変化に対する抑制作用(不変

化)はシステムとしての家族の形態維持機能である。

このように考えると家族システム内で起きるどの作用も家族システムの

存在のためには有益なものであり、問題とされる症状や家族病因の根元と

されてきた親子関係、夫婦関係すらも肯定的にとらえることが可能となる。

これらの理解はさらに次のような理解を可能にする。家族システムが形

態発生指向を内在するシステムである以上、家族自体が自律的な変化を引

き起こすことが最も治療的であり、そのためには治療のコンテクストと家

族システムの内的変化を統合することによって治療システム自体をより自

律的機能を備えた自己生産的システムとして機能させることができると考

えられる (19)。逸脱行動自体は社会的に評価できるものではない、が逸脱行

動の発生そのものは家族システムの視野からは肯定的に意味のあることで

あったO しかし家族の形態変容と形態維持という自律的機能システムが逸

脱行動を結果的に制御できず、家族システムの崩壊にいたるケースも経験

される O 本来意味を持った逸脱行動が制御不可能なものに増幅する過程に

は、家族システムへの外部からの侵入がある。開放システムとしての家族

は外部環境との関係が必然、的に生じるが、逸脱行動が発生した場合にはそ

れが中心となって外部システムとの関わりが変化する。逸脱行動をめぐる

周囲の関わりは様々であり、善意として行われた介入・接触が家族の本来

備えている制御システムに悪影響を与えることはこれまでにも報告がされ

ている側 O 家族システムの崩壊は、少なくとも発生時期には意味を持つ問

題に対する、自律的機能を弱める外部システムからの介入の結果であると

考えると、家族システム内で制御されている逸脱行動に専門的援助を試み

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家族を中心とするシステムズ・アプローチでの

肯定的意味変換の意味(倉石)

る我々はどのような媒体となるべきであろうか。家族と援助者からなる援

助システムが自律的機能を添えた生産的システムとなり、家族システムの

自律的変化を引き起こす方法はいかにあるべきか。このような考えに基づ

き肯定的意味変換の援助の可能性について次ぎに考察するc

4. 認識論と肯定的意味変換(肯定的意味変換の意味)

援助者が家族システムの自律的変化を引き起こすためには、家族の存在

する環境または治療のコンテクストに自律的変化が起こり得る土壌を作ら

なければならない。 rソーシャルワーカーは、例えば滋養的な環境づくり

をはかるとともに、環境の変化が個体に与える影響を利用しながら個体の

対処能力を高める。さらにその個体がより能動的・主体的に環境に働きか

けるようになれば、環境の側の応答性を再度問題とする。このような流動

的・循環的な活動を通じて、個体の「うまくいきる力j と「うまくいきら

れる力Jの醸成をはかつて行くのであるJ(21)。つまり援助者が家族システム

の自律的な変化をひき起こすためには、自律的変化の土壌を治療のコンテ

クストに作り出さなければならなしh 自律的変化の土壌を作り出すという

ことは、家族システムに対し家族形態変容機能の醸成をはかり形態維持機

能を縮小する、つまり変化への防衛を軽減させることにも通じるものであ

るO 援助者とクライエントとの間で導き出された土壌は、クライエントに

とって適合的であり、そこに付与された土壌の意味はクライエント、家族

システムにとっても迎合できるものであるはずである O 逆にいえばそういっ

た自律的変化が可能な土壌を援助者が作り出すことによって、逸脱行動に

対し肯定的な意味が付与される(もしくは否定的な意味が付与されない)

ような土壌を作り出すことで、その土壌に導き出されたクライエント・家

族システムは自律的変化が可能となるのである。変化への地媒としての援

助者は、自律的な変化が可能となるような土壌を形成することによっての

み家族システム全体に形態変容を発生させる触媒となり得るのである。そ

こではどのようにクライエント・家族システムに迎合される、適合的な変

化への土壌を形成すればよいのだろうか。家族に適合的な土壌形成には、

-7-

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社会問題研究・第42巻第 1号('92.10.31)

クライエント・家族自身の置かれている文化や生態系の中にこちらから入

り込み、クライエント家族の生態系に即した援助構造やサポートシステム

を展望し、あるいは作り出してゆくケースマネージメント的発想が必要で

ある。

では援助者は家族システムのどこに変化の土壌を求めればよいのだろう

か。 MRI派は家族システムに対する問題解決の連鎖的相互作用に対する理

論モデルを構築した (22)。このモデルが重視するのは、 「なぜ問題が生じた

かJとか「誰が問題なのかj ということよりも、 「なぜ、問題が現在も維持

されているのかj という点である。そして、利用者は問題に対処しようと

しないために問題が生じるのではなく、むしろ問題に対して自分達なりの

解決を行おうとしているが故に問題が維持されている。問題の内容がどの

ようなものであれ、ある問題が利用者のシステムで繰り返し反復される場

合には、それを維持する循環的な連鎖的交互作用過程がクライエントに生

態系に存在すると考えるのである。

システムズ・アプローチを行う際には、利用者だけでなく家族システム

に、次々と問題が頻発する場合がある。このような出来事は、家族システ

ムにおける循環を維持する上でどれも適合的であることは先ほどから述べ

ていることである。つまり問題維持の連鎖的循環というメカニズムに注目

することで、 「問題」とみなされてきた現象に肯定的な意味を付与するこ

とが可能となる。つまり問題が維持されていると思われる連鎖的相互作用

を家族システムで注目することこそが、問題を肯定的にとらえることにな

り、問題に対する枠組み、認識が変化することで家族システムの自律的変

化への手がかりが見いだせるのではないだろうか。

5.宵定的意味変換と家族システムの変化

家族システムの変化の土壌を導き出す努力によって、具体的には家族シ

ステムにこれまでとは異なった認識の枠組みを与えることにより、援助者

は変化のにない手としての立場から解放される。変化のにない手から解放

されれば結果として家族システムには二次的な変化が発生することになる O

-8-

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家族を中心とすーるシステムズ・アプローチでの

肯定的意味変換の意味(倉石)

「変化せよ (00してみてはどうですか)Jとのメッセージはとりもなお

さず家族システムの現状を否定するポジションに援助者が立つことを意味

する。がしかし、反対に家族の現状に対する肯定的な意味付けは、 「必ず

しも変化する必要はないjという NoChangeの姿勢を可能にする。ここ

で、クライエント家族が援助者の「変化しなくてもよしリという指示に抵

抗や反発を示せば、家族は援助者の指示と正反対のこと (Change)を起こ

さざるを得なf.;¥o また、かりに家族に何の変化も生じなかったとしても

「それは援助者の指示に従った結果jとみなされる O いずれにしても援助者

との聞に問題解決をめざした関係が芽生えるのである。結局、現状が必ず

しも悪いものではない、家族システムの維持という観点からは優れて適合

的、従って健康な反応だ、という立場をとることにより、援助者はクライ

エント家族全員と逆説的な変化が可能な治療コンテクスト上の土壌を確立

することができる (Joining)のである。むろん、そのための家族内の既存

の勢力構造や役割関係を尊重し、決してそれを無視したり、非難したりし

ないという態度が必要なことはし tうまでもなしh このように援助者が家族

システムの現状を肯定的にとらえることによって、逆説的に現状の変化を

誘導することになる。

家族システムの循環的相互作用に働きかけることによる援助者との家族

システムとのチームワークの形成、逆説的な変化といったいわば 2つの自

律的変化に加え、家族システムに肯定的意味を付加することは次のような

変化をも導き出す。

家族システムで起こる連鎖的相互作用は家族メンバーの誰もが問題解決

への努力として無意識的に行われているものである。援助者から肯定的な

意味を付加されることにより、無意識に行われていた連鎖的相互作用は抵

抗なく家族内で意識化される。逆にいえば、もし援助者から現状の連鎖的

相互作用を非難されるとすれば、家族は「われわれの努力を認めようとし

ない援助者jに対し、 「努力を認めさせるためにj または「われわれ家族

を否定する援助者の指示を無効にするためにlさらに同じ連鎖的相互作用

を続けようとする。特にこういった抵抗は無意識的に家族システム全体の

-9-

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社会問題研究・第42巻第 1号('92.10.31)

変化に抵抗する家族メンバーを中心にして連鎖的相互作用は繰り返すとい

う形で現れる。肯定的な意味を付与され自律的変化の土壌を醸成された家

族システムは、同時に自ら連鎖的相互作用に注目するようになる。しかし

ながら彼らが注目する連鎖的相互作用はそれ自体は意味を持つが、結果的

に問題が解決されていない機能不全を起こしている交互往復である。ここ

で家族メンバーは問題が解決されていない交互往復に気づくことそのもの

が自律的変化への手がかりになるのである。例えばわれわれが普段の生活

で無意識的に行っている癖を考えてみる。望ましくない癖も普段は無意識

に行っていることが多くそれだからこそ継続しているのである。しかし、

周囲からこの癖を(例えば姿勢が悪しけ指摘されれば、その瞬間癖は意識

化され修正される。(この場合周囲からの指摘は直接的に肯定的な意味は

付与されていないが指摘した人物と本人との聞に肯定的な人間関係が成立

している、つまり否定的な指示を聞き入れる土壌が前提として存在する o )

もし、指摘が聞き入れらない人聞から指示されれば意識化されても素直に

やめるどころかさらにエスカレートさせ、その人間を困らせることもある。

この癖のように、継続している交互作用の機能不全に気づき受け容れるこ

とで家族システムは自ら機能的なつまり問題解決が行われるような交互作

用を自律的に形成させることにつながるのである。機能不全を起こしてい

る形態維持的な指向が意識されることによってシステムは機能的な形態維

持を指向する。この指向の過程で形態発生的な指向が起こる、つまりその

時点でもっとも適合的な(家族メンバーの成長やそれぞれの現状に適合す

る)家族システムが自律的に形成されるのである。

このように肯定的意味変換は援助関係の形成、そして援助者の指示に抵

抗することによる変化と援助者の指示を受け入れ機能不全が意識化させる

ことによる変化を結果的に導き出すのである。

では次に肯定的意味変換が家族システムの自律的変化を及ぼす具体例を

提示し、考察を深める。

-10ー

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6.事例研究

クライエント-中学 3年女子

主訴-不登校、過呼吸発作

家族を中心とするシステムズ・アプローチでの

肯定的意味変換の意味(倉石)

経過・本人は約 1年前に同級生との喧嘩が原因で不登校となり、登校

しても呼吸不全となることから以後保健室登校が続いている。本人が

養護教諭に両親の不満を訴え続けるため、家族内に問題があると判断

した養護教諭が家族面接を勧め、両親、本人で来所する O 父親はサラ

リーマン、母は専業主婦である。治療・処遇はまずラポール形成に重

点を置き、行動療法的アプローチの形成化を行ったところ段階的に授

業を受けるようになる。しかし、両親、特に父親の意見に本人はこと

ごとく反発し、家庭内では父親が本人に学校のことを話せる雰囲気に

ないとのことであったO ここでは、両親本人間の話し合いが機能的に

行われるように援助者は肯定的意味変換を念頭に介入を行った。(養

護教諭、担任ともに、家庭内での父親の陰の薄さを指摘していた。

「お父さんがしっかりしてくれれば、本人も落ちつくと思いますがj と

いうように。おそらく父親にも教諭らのメッセージは伝えられている

だろう。)

(援助者一以下W):4月からの新学期の生活のために春休みの過ごし方

が先ほどから話にでているので一度はみなさんで計画などを考えてみ

て下さい。(退出)

父-そうだなあ

本人向かい合っていた体を横に向け拒否的な態度を父親に示す)

父: (娘の態度を見て取って)あんまり無理を言っても駄目だから、早

起きの訓練をして、あと勉強とかは本人に任せよう。

母-参考書は持ってるの?

本人・一つもなし1からねー

父;勉強はお前に任せるけど、早起きなど口で言ったことは実行しない

と駄目だぞ。(やや強め)

-11ー

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社会問題研究・第42巻第 l号('92.10.31)

本人-わかってるわよ、うるさいなー(語気荒い)ホンマに

母-どうしてそういう言い方しかできないのO そんな口のききかたして

いいの(笑いながら)

本人-別にいいゃん、これくらい(トーンダウン) ふん(母にも背中

を向ける)

父-まあ、いいじゃない。とりあえず、決めたことなんだから早起きは

ちゃんとやるんだぞ先ほどと変わりトーンはソフト)

本人-無視

父・わかったの? きちんと生活しないと修学旅行も行けないぞ(夏の

短期留学)

本人・成績が良かったら大丈夫よ

父・学校にも行けてないのに何言ってるんだ、。(トーンはソフト)

本人-はいはい、わかってます。(はぐらかすように) いちいちホン

マにうるさいな

父・母しょうがないなあ一、というあきらめのような表情)

W,入室;どうですか

父-なにか、意志が全然、ないようで、返事も暖昧です。ゃるのかやらん

のかわかりませんわ o 早起きぐらいのことでも要求する方が間違っ

てるんでしょうかねC

w.彼女の返事はどうでしたか

父-なんかふにゃふにやして、わかってるのかどうか......。

w.そんな時、説得されててお父さんはどんな気持ちになりますか?

父-私の説得が甘いのかな、駄目だなあと思いますね

w.そうですか。私も、話しは聞いていましたが、確かにお父さんの言

われるとおり彼女はお父さんを意気消沈させる名人のようですね。上

手にすねたり、 「わかってるわーj と少し言葉をあらげたり、横を向

いて無視したりと、相手をかわす、意気消沈させるいろいろな「子j

を持っています。それにお母さんの笑いのタイミングもそうですが、

-12-

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家族を中心とするシステムズ・アプローチでの

肯定的意味変換の意味(倉石)

緊張を和らげてくれてますし、お父さんも彼女の態度を察知して、説

得をうまくトーンダウンさせていますね。お父さんお母さんのチーム

ワークで話し合いは続きます。お互い無意識に、言い争いにならない

工夫をしてるようですね。そのチームワークでもう一度彼女の「子j

を確認したいので、話し合いを続けて下さい。(本人に)君も自分の

「手jがどれほどお父さんを困らせるか確認してごらんO

父: (少し真剣な顔で)わかりましたO

本人-そんなん、ゃれ言われたらできへんわ-

w.退出

父-もう、お前の手には乗らないぞ。

本人-そんなこと言われてもー(因った表情で)

父-お父さんの言うことをきけばいいんだ

本人-横を向いて無視しようとする

父-それがお前の悪い態度なんだ。やめなさい(強く)

本人-向き直る

(父の説得が続く)

父-ぶつぶつ言ってもだめだぞ。話しがわかったら返事をしなさい。

本人-はい

(この間母親は終始黙って、父子問のやり取りを見守っていた。笑い

によって緊張を下げるようなことはなかった)

小考察

援助者は娘の態度を、父親を困らせるじようずな手を持っている、とい

うことで娘を批判せず、しかも父親に娘のその態度で父は一歩下がってい

るという無意識の関わりを指摘するのに成功している。この場合、援助者

の指示が娘からも父からも批判されないことが、ふたりのやり取りを変化

させる土壌づくりにまず必要であろう。なぜなら相互作用は二者間の産物

であり、当事者に受け入れられることが父娘システムの自律的変化への足

がかりとなるからである。

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社会問題研究・第42巻第 1号('92.10.31)

また、援助者が退室前に本人に伝えたメッセージにより、援助者や父へ

の抵抗のパターンとして用いていた態度が、援助者に指示されることで抵

抗の意味をなくしてしまっている O この援助者の指示に抵抗するには抵抗

をやめるしか娘には方法がないのである。そのために娘は「やれといわれ

たらできへんJと戸惑いを見せているのである。

父親は援助者に父親の権威を下げられることなく、これまでの機能不全

を起こしていた自分の関わりへの指摘を受けた。娘の前で権威を下げられ

なかった父親にとって「もう一度確認してくださ Lリという援助者の指示

は援助者の意図通り、 「もう娘の手には乗らないでくださしリという援助

者のメッセージとして受けとめられ、その後の父親の態度を機能的なもの

へと変化させたのである。援助者の指示は父親にも受け入れられ、無意識

の意識化を起こすことに成功している。

また母親も、無意識の笑いを指摘された。しかし援助者からの指摘も

「緊張を作る父親とそれを下げる母親親.のおかげげ、で

ムワ一クでで、すoJと肯定的にとらえられることでで、、母親にも受け入れられ

笑いを意識化させると同時にそれが話し合いの緊張を下げてしまっている

という機能不全さに気づき自らそれをやめることになった。

このように援助者からの指示、メッセージはどれも家族メンバ一家族シ

ステムに受け入れられるように配慮されたものであったの肯定的な意味を

付与されたメッセージを受け入れることで家族システムは変化の土壌を形

成し、自ら機能的な関わりを模索する形態上の変容を自律的に見せ始めた

のである。

7.考 察

本稿では家族システムズ・アプローチを考える際の肯定的意味変換のも

つ意義について事例を交え考察を行ってきた。事例研究でもわかるように

家族メンバーが揃う面接では二者問、三者間での葛藤表出の場面は避けて

通れない面接過程で、ある O しかし、葛藤表出場面はそれぞれの家族メンバー

が援助者を自分の見方に引き寄せようという駆け引きを行っている場面で

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家族を中心とするシステムズ・アプローチでの

肯定的意味変換の意味(倉石)

ある。援助者がどちらかの家族メンバーを支持すればもう一方は傷つきそ

の時点から援助者を含む家族への拒否的な態度で同席面接が困難になるこ

とを援助者は皆経験している O 肯定的意味変換はこうした家族の葛藤に巻

き込まれない、すなわち援助者の機動制が確保され易いという利点を 3つ

めに持つO 家族面接で見られる葛藤は、夫婦に典型的にみられる二者間で

の関係性での葛藤である。例えば、親子の間で言い争いが起きた場合、子

どもが「お父さんは何もわかっちゃいなしリといったとする。父親も「わ

しにはわからんj と無視するような場合、もし援助者が父に「もう少し耳

を傾けて聞く努力をj と指図したり、または、息子に「お父さんにわかる

ようにはなしてごらん!と諭したり、一方に指導したとする O 一方への指

導のメッセージは、同時にもう一方への非難の意味も含むことになる。援

助者は父子間の葛藤に巻き込まれ、支持した方としか援助関係が結べなく

なるO 勿論父子へ「もっとお互いに理解し合えるようにjというようなメッ

セージを送ることは両者と対立することになるのである。この場合肯定的

意味変換を使用することによって、葛藤に巻き込まれず、しかも両者と関

係を成立させる機会をつくる。例えば「二人ともとても純粋に自分の気持

ちをぶつけていますね。本当の話し合いはそんなに簡単にわかり合うこと

ではなく、理解し得ないところから始まります。無理に自分を曲げて理解

したふりをしないでくださし¥]とか「お父さんは、息子さんに話をさせる

のが上手ですね。おとうさんがわからいほど息子さんは説明できる機会が

あるのですからjとか「息子さんがお父さんに期待している現れですね、

これだけ自己主張できるのはjである。ここで断っておきたいことは、こ

れらの介入が同時に効果があるわけではない。それぞれのメッセージの後

の反応を予測した上でどのメッセージがその後の介入に生かされるのかを

判断しなければならない。また、この場合、父子に受け入パられるために

は、彼らのお互いへの感情、話し合った結果への思いなど;確認した上で

「一"一気持ちだから……(上記の意味付けのうちの一つ)Jと導入して行

かなくてはならなV¥0 (この、家族に合う意味変換、及び情報からの意味

付けについては理論化へもう少しの検討が必要である。次回の報告とした

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社会問題研究・第42巻第 l号('92.10.31)

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援助者の関わり一つで、家族システムは抵抗も変化も示す。それは家族が

持つ特性というよりも援助者と家族とが作り上げる治療上のコンテクスト

の産物であることをわれわれは常に確認していたい。

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