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17 写真 探究学習・ALでどのような生徒を育てるのか、学校 の教育活動はどのように改善されるのかを、コアメンバーが 発表した。 追跡リポート 探究学習開発・推進 最終報告 探究学習・AL開発のフロー 研究協議日 内容 2016.10.21 第1回検討会 「学習の意義・目的の明確化」 場所:同校・第二会議室 2016.11.16 第2回検討会 「学習のコンセプトの作成」 場所:同校・第二会議室 2016.12.14 第3回検討会 「学習のコンセプトの具体化」 場所:同校・第一会議室 2017.01.25 第4回検討会 「各教育活動におけるカリキュラム案の作成・検討」 場所:同校・第一会議室 2017.02.24 第5回検討会 「探究学習・ALのカリキュラム決定とその実施のた めのto doの整理」            場所:同校・第一会議室 2017.05.01 全体共有 「ベネッセコーポレーションとの協働開発の最終報告」 ─「主体的・対話的で深い学び」 (アクティブ・ラーニング)の実践に向 けて─                    場所:同校・第一会議室 18 June 2017
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Aug 04, 2020

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カリキュラム・マネジメント委員

会を中心に、探究学習・ALを通し

て育てたい生徒像と各教育活動の関

係、具体的な取り組み内容を話し合っ

てきた龍谷大学付属平安中学校・高

校(図)。17年度になると、同委員会

のコアメンバーが、同校の全教師が

出席する校内会議で、探究学習・A

L化する教育活動とその内容を発表

した(写真)。校内に探究学習・AL

のカリキュラム開発の成果を周知・

共有することで、全教科・科目で、「習

得・活用・探究」といった学びの過

程全体を通して実現する探究学習・

ALの観点での授業改善に取り組ん

でいくこと、また、行事やイベント

を中心とした問題解決型の探究学習

と教科学習を有機的に結びつけてい

くことを求めた。こうして、探究学習・

ALは学校のすべての教育活動を改

善していく軸として、全校体制で取

り組まれていくこととなった。

 

校内会議の後、コアメンバーが、

この半年間の活動を改めて振り返っ

た。そこでは、次のような成果や課

題が語られた。

 「一番の成果は、他教科の先生の指

導の内容、担当外の教育活動のねら

いがよく分かるようになったことだ。

個々の教育活動を点で終わらせずに

線でつなげて、生徒が学びの意味や

自分の生き方を様々な角度から、し

かも他者との対話の中で深め、広げ

られるような指導を模索し続けたい」

 「議論の中で、どうすれば参加者

が熟考し、意見を出しやすくなるか

など、学びを深める会議のつくり方

を学べたことは予想外の収穫だった。

ほかの先生の意見を聞くことで成長

できた。他者との対話を通して成長

する感動をぜひ生徒にも伝えたい」

 「学校力向上には、年間目標の達成

に向けて、学年、分掌、教科が各々

でPDCAサイクルを展開すること

が必要だと痛感した。教師間の連携

を密にすることで、個々の教師の力

量が相乗的に発揮される強い組織を

つくる時期に本校は来ている」

 

同校の教師たちは、「探究学習」と

いう新しい学びをつくる過程の中で、

教師としてのこれからのあり方を、

まさに主体的・対話的に深く考え、

自らの内面につくり上げたのだ。

5月●全体共有

検討委員会のメンバーが、

全教師に開発の成果を共有

写真 探究学習・ALでどのような生徒を育てるのか、学校の教育活動はどのように改善されるのかを、コアメンバーが発表した。

追跡リポート

探究学習・ALを検討する中で、

これからの教育という問いを立てる

探究学習及びアクティブ

ラーニング(以下、

AL)の開発と、

教育活動全般の改善に取り組む

龍谷大学付属平安中学校

高校。開発の成果を校内に周知し、いよいよ実践をスタートさせる。

「探究学習」  

  開発・推進

最終報告

探究学習・AL開発のフロー図

研究協議日 内容

2016.10.21 第1回検討会「学習の意義・目的の明確化」 場所:同校・第二会議室

2016.11.16 第2回検討会「学習のコンセプトの作成」   場所:同校・第二会議室

2016.12.14 第3回検討会「学習のコンセプトの具体化」  場所:同校・第一会議室

2017.01.25 第4回検討会「各教育活動におけるカリキュラム案の作成・検討」場所:同校・第一会議室

2017.02.24 第5回検討会「探究学習・ALのカリキュラム決定とその実施のためのto doの整理」           場所:同校・第一会議室

2017.05.01 全体共有「ベネッセコーポレーションとの協働開発の最終報告」─「主体的・対話的で深い学び」(アクティブ・ラーニング)の実践に向けて─                   場所:同校・第一会議室

18 June 2017

Q7-313-00 2017 年度 VIEW21高校版 6月号 18頁 CMYK

新組06/02南部

色校06/13南部 - -/-

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 「何を学ぶか」に加えて、「どのよ

うに学ぶか」を重視した学びの実現、

「主体的・対話的で深い学び」(アク

ティブ・ラーニング)の実践、さら

に、教科や学年を超えた教育活動を

支える組織運営の改善をねらいとす

る「カリキュラム・マネジメント」

が問われる中、ベネッセコーポレー

ションとの「探究学習」(アクティブ・

ラーニング)の協働開発は、本校が

取り組んできた高大接続教育等を検

証・整序する機会となった。「建学の

精神を土台にした探究学習を目指す」

という方針の下、その開発・推進に

向けて「体系的な組織運営でコンピ

テンシーの育成」を掲げ、下図のよ

うな概念構成を意識した。その上で、

学年、教科、分掌におけるPDCA

サイクルの実践を方向づける意味で

「カリキュラム・マネジメント委員会」

を組織した。

 “チーム平安”による社会に開か

れた学校づくりを通じて、私学とし

てのレゾン・デートルとなる「建学

の精神を具現化する人間教育を実践

し、時代に即応する教育展開の下、

確かな授業力に基づく伸びの実感が

感じられ、毎年、成果が可視化でき

るのと同時に、社会に通用する人間

づくりに邁進する」ことを再確認し

つつ、「〇〇大学に何人入ったかでは

なく、時代に即応するカリキュラム

とサポート体制を整えた上で、学校

全体が一丸となって、生徒一人ひと

りの夢に向けて努力し、社会に役立

つスキルと人間力を身につけさせて、

進路実現する」ことを目的化し、分

掌、学年、教科におけるPDCAサ

イクルを定着させた。授業内外にお

ける学びの創造を通した他者との協

働、指示待ちからコーチングやファ

シリテーションを通した自発的な取

り組み等も念頭に置きながら、月1

回のペースで研究協議を重ね、従前

の取り組みを「知識習得+活用型探

究」と「問題解決型探究」にカテゴ

リー化した。前者は、既習事項の暗

記・理解・リピートを軸としたリテ

リング(再話)、ミニ・ディスカッショ

ン、ミニ・ディベート、企画・提案、

即興で話すといったアプローチであ

り、後者は、行事やイベントを通し

て特定テーマについての書籍を読み、

背景知識を蓄え、課題を抽出、解決

に向けての意見を書き、議論を重ね

て納得解に向けて発表、プレゼンテー

ションするアプローチのことである。

 

評価については、個別教科の知識

理解を問う客観テストによる「ドメ

イン準拠評価」並びに、課題発見・

解決型で納得解・最適解を求める「ス

タンダード準拠評価(パフォーマン

ス評価)の融合が不可欠だが、前者

に傾きやすい5教科については本校

オリジナルの「5教科CAN

DO

リスト」(生徒が年2回、各自を振り

返る学校評価の一種)をさらに精査

していくことで改善を促している。

 

アクティブ・ラーニングを通じた

探究学習に向けて、今後、さらに留

意すべき事項を挙げておく。

•生徒に問題解決型探究の意義を十

分伝えた上で、日頃の教科学習にお

ける基礎・基本の徹底を図る。

問題解決型探究と講義式授業との

バランス、授業進度に配慮する。

ペアワークやグループワークにお

いて、すべての生徒をモニターする

ことはできない。評価につながる客

観的事実はメモしておくなどの工夫

が必要である。

生徒がグループワークになじめる

ように人間関係に配慮する。役割を

イメージさせ、全員参加を促す。

パフォーマンス評価、ルーブリッ

クによる評価等、多元的評価指標へ

の理解の共有を促進。英語はCAN

−DOリストとの整合も不可欠。

教師の評価に加えて、生徒の自己

評価や相互評価を取り入れる。

 

次期学習指導要領に関する「答申」

では、学校の教育目標を踏まえた教

科横断的な視点と内容、質の向上、

さらには必要な人的・物的資源等と

して外部の資源も含めた活用が言及

されている。今回のコラボレーショ

ンは、前例踏襲主義への挑戦であり、

現状を見つめ直すことができる絶好

のチャンスであった。   

 

科学技術の革新とともに、労働市

場のグローバル化による高度人材へ

の需要増加、内外の産業構造も多様

化している。生徒個々の潜在能力を

最大限に引き出し、複雑化する地球

レベルの問題に果敢にチャレンジし、

納得解を導ける背景知識、論理的思

考力、課題発見・解決能力を育める

メソッド開発へのネクスト・ステー

ジは今、始まったばかりである。

主体的・対話的で深い学び

(アクティブ・ラーニング)を通じた

探究学習の実践に向けて

─ベネッセコーポレーションとの協働開発を終えて

PDCA サイクルの確立→思考力・判断力・表現力→人格陶冶 → 進路保証

学習指導要領の改訂/教科横断的アプローチ/大学入試の素材研究

ソフト構造:チーム学校学校文化 / 風土 / 同僚性

cf. 「高等学校基礎学力テスト」(仮称)「大学入学希望者学力評価テスト」(仮称)

入試広報戦略 → 生徒募集

input < learning outcomes

(2016 年9月3日 国際教育学会、京都大学、神戸大学、同志社大学共催公開シンポジウム「教育を科学する」拙稿より)

    [学習者自律]

アクティブ・ラーニング

• 教材研究• 教科教育法 cf. 英語教育• 研究授業• 授業参観• 研究論集•グローバル教育• ICT教育•キャリア教育

• 経営目標• 教育目標• 教員採用 / 養成 / 研修• 学年 / 学級運営• 高大連携

teaching < learning

[多元的・総合的評価]

学習履歴、パフォーマンス評価

ルーブリック、ポートフォリオ評価等

校長補佐 

平井正朗

ひらい・まさあき

総括(寄稿)

生徒指導

授業開発

ハード構造 ハード構造

進路指導

組織開発教員 ⇔ 生徒

教育内容教育課程

学習評価学校評価

学習方法指導方法

June 201719

Q7-313-00 2017 年度 VIEW21高校版 6月号 18頁 CMYK

新組06/02南部

色校06/13南部 − −/−

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−Q7-313-00 2017 年度 VIEW21高校版 6月号 19頁 CMYK

新組06/02南部

色校06/13南部 − −/−

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