水水 ODA 2016.4.30 (Sat.) Prepared For STONE Monthly Internal Study Session
水と ODA
2016.4.30 (Sat.)Prepared For STONE Monthly Internal Study Session
発表すること・その背景
背景 今までプノンペンにおける水道事業に関することを何回かに分けて調べてきた。
プノンペンの水道業成功には ODAが大きな貢献を果たしていることが明らかとなった。
発表すること そこで「 ODAが見える。わかる。」 (http://www.jica.go.jp/oda/index.html)を利用し、水関連の ODA事業がどのように行われてきたのかについて調べた。
今回は同サイトより ODA案件のデータセットを抽出し、適宜コード化したものを分析した。その結果を発表する。
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今回使用したデータセット
利用ソース:
「 ODAが見える。わかる。」 (http://www.jica.go.jp/oda/index.html) このサイトで「水資源・防災」に分類されているものを取得して利用した。 データには 1986年から 2015年までの案件が登録されていた。
「 ODAが見える。わかる。」に掲載されている案件は次の要件に該当するものらしい (※今回はかなり過去のデータまで取得できてしまったため若干矛盾 !?)。
技術協力:
2008年 10月 1日以降に開始された案件のうち、本体実施計画の概算額が 2億円以上の新規案件。および、 2001年度以降に事後評価を実施済みの案件。 有償資金協力:
2010年 10月 1日以降に借款契約( L/A)を調印した新規案件、また同日以降に完成した案件。および、 2003年度以降に事後評価を実施済みの案件。 無償資金協力:
2008年 10月1日以降に贈与契約( G/A)を締結した新規案件。および、 2005年度以降に事後評価を実施済みの案件。
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今回使用したデータセット(スクリーンキャプチャ)
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水資源・防災関係の ODA
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水道・給水42%
洪水・治水・ダム
11%
その他47% 536件
水・防災関連 ODA事業
ODAの分類の中で、水道水関連事業は「水資源・防災」というカテゴリに分類されている。
1986年〜 2015年の間に贈与・調印・開始した案件は全部で 536件。そのうち 224件が水道水関連事業に該当する。
224件
58件
254件
注 1:各言葉が案件名に含まれている場合 1とカウント( 1件だけ重複あり)注 2:その他は水災害を除く防災関連
224件ある水道水関連 ODAを事業のタイプ別に分類すると、無償援助が 62%と半分以上を占めていることがわかった。
一方、プノンペンの奇跡で焦点の当たっていた技術協力は全体の 11%に留まっている。
水道水関連 ODA:事業タイプ別の構成
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技術協力11%
有償援助27%
無償援助62%
(25件 )
(138件 )
(61件 )
水道水関連 ODA:事業タイプ別の構成
224件
国別に水道水関連 ODAでの支援回数を見てみると、 1回のみの国から 15回弱の国まで幅広く存在していることがわかる。
上位 10%は順に、中国、エチオピア、ヨルダン、カンボジア、ケニア、スリランカ、タンザニアで、支援回数は 6回以上にも上る。
水道水関連 ODA:国別の構成
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中華人民共和国
ヨルダンケニア
タンザニアインド
エジプト
フィリピンラオスサモア
タイ
モンゴル
ガイアナ
ザンビア
パキスタンベナン
マラウイ
ミャンマー
アフガニスタン
カメルーンジ
ブチ
シリア
タジキスタントンガ
ボリビア
東ティモール
アンゴラ
エリトリアガーナ
コスタリカ
スワジランド
ニカラ
グア
ネパールパラオ
バン
グラデ
シュ
ブルキナフ
ァソ
メキ
シコ
南スーダン
0
2
4
6
8
10
12
14
16
14
12
10
8
7 7 7
6
5 5 5 5 5 5 5
4 4 4 4 4 4
3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3
2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2
1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1
水道水関連 ODA:国別の支援件数(計 224件)10% 37% 53%
水道水関連 ODA:地域別の構成
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224件の水道水関連の ODA支援は 73 ヶ国に対して行われてきた。 地域別に分けると、アフリカ 29 ヶ国、アジア 22 ヶ国、中南米 15 ヶ国、その他 7 ヶ国となっている。
アフリカ29 ヶ国 , 90件
アジア22 ヶ国 , 87件
中南米15 ヶ国 , 32件
支援件数
水道水関連 ODA:地域別の構成(小分類)
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1 ヶ国当たりの平均支援件数を見ると、アジアが最も高く、アフリカが続く。 水道水関連 ODAにおいては、日本がアジア諸国に最も力を入れていることが示唆される。
また、アフリカの中でも、北、東、南アフリカには平均的により集中的な支援を行っている様子が伺える。水道水関連 ODA:地域別の構成( 224件@73ヶ国)
東欧太洋州
南米中米中東
中央アジア南アジア
東南アジア東アジア
南アフリカ西アフリカ中央アフリカ
東アフリカ北アフリカ
0 5 10 15 20 25 30 351
1418
1416
317
3318
1218
1332
15
166
95
25
82
68
57
3
1.02.33.0
1.63.2
1.53.44.1
9.02.02.32.6
4.65.0
1 ヶ国当たりの支援件数 国数 ODA支援件数
アフリカ29 ヶ国90件
Ave 3.3件 /国
アジア22 ヶ国87件
Ave 4.0件 /国
中南米
その他
水道水関連 ODA:年次推移
1986年
1991年
1994年
1996年
1998年
2000年
2002年
2004年
2006年
2008年
2010年
2012年
2014年
0
5
10
15
20
25
1 1 17
3 5 6 8 7 5
148 10 11 9 7
13 11
3
21
13 14 16 17
94
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水道水関連 ODA:支援件数の年次推移
水道水関連 ODA支援件数は、変動はあるものの、増加基調にあると言える。
Ave: 8.6
水道水関連 ODA:地域別年次推移
1986年
1991年
1994年
1996年
1998年
2000年
2002年
2004年
2006年
2008年
2010年
2012年
2014年
0
5
10
15
20
25 アフリカ (29 ヶ国 ) アジア (22 ヶ国 ) 中南米 (15 ヶ国 ) その他 (2 ヶ国 )
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水道水関連 ODA:支援件数の地域別年次推移
水道水関連 ODA支援件数の年次推移を地域別に分けてみると、どの地域に対してもほぼコンスタントに毎年支援が行われていることがわかる。
Ave: 8.6
水道水関連 ODA:事業タイプ別年次推移
1986年
1991年
1994年
1996年
1998年
2000年
2002年
2004年
2006年
2008年
2010年
2012年
2014年
0%10%20%30%40%50%60%70%80%90%
100%
合計 (224件 )技術協力 (25件 )有償援助 (61件 )無償援助 (138件 )
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水道水関連 ODA:事業タイプ別累積割合(%)
水道水関連 ODA支援件数の年次推移の累積割合を事業タイプ別にわけてみると:1. 技術協力は 2008年を境に急増している。2. 有償援助は 2000年から向こう 10年間ほぼ実施されていない。3. 無償援助は毎年コンスタントに実施されている。
水道水関連 ODA:地域別事業タイプの割合
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技術協力12%
有償援助14%
無償援助73%
技術協力8%
有償援助43%
無償援助49%
技術協力9%
有償援助31%
無償援助60%
水道水関連 ODA支援件数を地域別に事業タイプごとに見てみると、有償援助の占める割合に地域差があることがわかる。アジア地域は有償援助の割合が最も高い。
年次的な支援の地域差は観察されていないので、これは地域固有の特徴と考えられる。
水道水関連 ODA:地域別事業タイプの割合(%)
アフリカ(90件 )
アジア(87件 )
中南米(32件 )
水道水関連 ODA:地域別事業タイプの割合(小分類)
14
水道水関連 ODA支援件数を地域の小分類ごとに事業タイプにわけて見てみた結果は下表の通り。
アジアにおいては中東を除き満遍なく有償援助が行われている一方、アフリカでは北アフリカを除くとほぼ有償援助が行われていない。
水道水関連 ODA:小分類地域別事業タイプの割合(%)
東欧 (1件 )大洋州 (14 件 )
南米 (18 件 )中米 (14 件 )中東 (16 件 )
中央アジア (3件 )南アジア (17 件 )
東南アジア (33 件 )東アジア (18 件 )
南アフリカ (12 件 )西アフリカ (18 件 )中央アフリカ (13 件 )
東アフリカ (32 件 )北アフリカ (15 件 )
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
100%64%
61%57%
88%67%
29%55%
22%67%
83%92%
88%20%
29%6%
14%13%
6%12%
25%6%8%13%13%
7%33%
29%
33%65%
33%78%
8%11%
67%
技術協力 有償援助 無償援助
アフリカ
アジア
中南米
その他
無償援助 (138件 )
有償援助 (61件 )
技術協力 (25件 )
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
48%
21%
44%
31%
61%
28%
14%
16%
12%
7%
2%
16%
アフリカ アジア 中南米 その他
水道水関連 ODA:事業タイプ別地域構成
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水道水関連 ODA支援件数を事業タイプごとに地域の構成を見てみても、有償援助の半分以上がアジア地域に対して行われていることがわかる。
水道水関連 ODA:事業タイプ別地域構成(%)
今後調べたいこと・ディスカッション
今後調べたいこと 金額をデータに組み込む時間がなかったため、金額データを組み込む データで見られた事象を定性的な情報と組み合わせて分析する
ディスカッション P.9:国数で割るだけでなく、人口で支援件数や金額を割ってみてもおもし
ろいかもしれない P.10:年次推移とその時々の情勢やイベントなどと見比べながら分析してみては
P.10:支援件数だけでなく金額で推移を見てみては P.10: 3年間の移動平均などで見てみるとより傾向がはっきりするかも P.12:技術協力と無償支援というものが今後の ODAの中心になっていくのだろうか
P.14:アジアや北アフリカに有償支援が多いのは裕福な国だからなのだろうか。それとも外交的な戦略に基づくのだろうか
支援のタイプの決定方法などが気になる
水と ODA( CONTINUED?)
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