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SNSの盛衰を理解するための 感染的に回復するSIRモデルをいた アプローチ 学東京 中萌奈 雅樹 川島幸之助 1
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May 19, 2020

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  • SNSの盛衰を理解するための感染的に回復するSIRモデルを⽤用いた

    アプローチ  

    ⾸首都⼤大学東京  ⽥田中萌奈  会⽥田雅樹  川島幸之助  

    1

  • 2

    研究背景  

    Google  Trendsから得られるSNS(MySpace)に関する  検索数のデータを⽤用いて,サービスの盛衰を調べる事で  他のSNSの盛衰の予測に応⽤用できないか?  

    • ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)   インターネット上の交流を通して社会ネットワークを  構築するサービス  

     代表的なサービスにfacebookやtwitter• Google  Trends  

     特定のキーワードの検索件数の増減を時間的な推移で  確認できるサービス  

     検索数が最⼤大の時を100とし0~100のスケールで表⽰示  

    [1]  J.  Cannarella  and  J.  A.  Spechler  :  Epidemiological  modeling  of  online  social  network  dynamics,  arXiv:1401.4208  [cs.SI].  参考⽂文献  

  • 3  

    SIRモデル  

    ddtS(t) = − βS(t)I(t)

    NddtI(t) = βS(t)I(t)

    N− γI(t)

    ddtR(t) = γI(t)

    I

    S

    R

    β

    γ

    感染   免疫獲得  

    β :γ :S(t) + I(t) + R(t) = N

    感染率  

    隔離率  

    S:  感受性⼈人⼝口(健康な⼈人)  I:  感染⼈人⼝口(感染者)    R:  隔離⼈人⼝口(免疫獲得者)  

    • SIRモデル(感染病の流⾏行行過程を記述したモデル)  

     感受性⼈人⼝口は感染⼈人⼝口との  接触により感染  

     感染⼈人⼝口は⼀一定の率で隔離⼈人⼝口に移る    

     ⾮非ユーザーは友達がユーザーになることにより⾃自分もユーザーへ  

     アクティブユーザーは⼀一定の率でノンアクティブユーザーへ    

    S:  ⾮非ユーザー  I:  アクティブユーザー  R:ノンアクティブユーザー    

    先⾏行行研究  

    ※アクティブユーザー  =  Google  Trends  のデータで表される検索者(話題にする者)  ※ノンアクティブユーザー  =  知っていて検索しない者(話題にしない者)    

    Susceptible   Infected   Recovered  

  • 4  

    irSIRモデル  

    ddtS(t) = − βS(t)I(t)

    NddtI(t) = βS(t)I(t)

    N−vI(t)R(t)

    NddtR(t) = vI(t)R(t)

    N

     友達が興味をなくせば,⾃自分もなくなる     I→Rの遷移は次に流⾏行行するサービスの利⽤用者からの誘い(接触)による   ユーザーが興味をなくす=他サービスのユーザーとなる  

    I

    R免疫獲得  

    I

    S

    R

    β

    ν

    感染   免疫獲得  

    サービスA   サービスB  重なる  

    先⾏行行研究  

  • 5

    MySpace  

    • MySpace   ⾳音楽,エンターテイメントを中⼼心としたSNS  

     英語圏ではfacebookに抜かれるまで最⼤大規模  

    MySpaceのデータを  SIRモデルおよび  irSIRモデル(ir=infectious recovery)に当てはめる  

    先⾏行行研究  

  • 0.0494 0.0179   354   1.49 0   17451

    6

    Myspace  

    SIRモデル   irSIRモデル  

     実データと各モデルの挙動との誤差(残差平⽅方和SSE)が  最⼩小になるときのパラメータ       を検出  

    β,γ (ν ),S0,I0,R0

    0.0589 0.0276 93.2 0.0998 0.567

     irSIRモデルがよりSNSの盛衰の動きに適している  

    β

    ν

    S0

    SSE

    I0

    R0

    β

    γ

    S0

    SSE

    I0

    R04375.9

    先⾏行行研究  

    I

    S

    R

    β

    γ

    感染   免疫獲得  

    I

    R免疫獲得  

    I

    S

    R

    β

    ν

    感染   免疫獲得  

  • 7

    facebook予測  

     2014年1⽉月4⽇日までのデータを⽤用いると2015年から2017年の間にピークの20%以下まで衰退  

    • facebook予測  

    先⾏行行研究  

    but  

     少しのデータの違いで予測に影響   facebookはメッセンジャーアプリなどの連携があり利便性が⾼高く,早急な衰退は考えづらい  

    • MySpaceで予測の正確性を調査  

    7

    facebookの予測は正確性に⽋欠ける.正確性のある予測を⽬目指し,単純に衰退しなかったSNSの推移を分析することで予測の⽅方法を⾒見見いだす  

  • 8

    mixi  

     2004年にサービス開始し⽇日本最⼤大規模(2011年頃)のSNS  

     近年ユーザー達はfacebookやtwiHerへ移⾏行行  • Google  Trends  mixi  data  

     ピークを過ぎた後,再び  盛りあがりと衰退を繰り返す  

     新機能やサービスの追加が⼀一因である  

     07-‐6-‐26:mixiモバイルで  天気ニュース配信  

    mixiは単純に衰退しなかったようなデータを持つ  

  • ②③

    ④⑤⑥

    9

    mixiの盛衰を記述するモデル  

     再び盛り返すポイント①~⑥を指定  

    I

    R免疫獲得  

    I

    S

    R

    β

    ν

    感染   免疫獲得  

    I + n

    R − n

    I

    Rn⼈人戻す  • てこ⼊入れ時  

    S

    β

    ν

    盛り返す効果を考慮した評価モデルの概要   盛り返す=てこ⼊入れ  がある時にR→Iに  n  ⼈人戻すことで表す   irSIRモデルのその他のパラメータについては  

    • 変更しない(案1)  • 変更するが必要最⼩小限(案2)  

  • 10

    案1(irSIRモデルのパラメータ不変)評価結果  

     初期の区間でのβ,νを⽤用いると直後のポイント間のデータを除き  irSIRモデルとの挙動に合わない  

  • i i+1

    11

    案2(irSIRモデルのパラメータを変える)の⽅方針  

     i番⽬目の盛り返す点(現時点)と次のi+1番⽬目に盛り返す点に挟まれた領域に注⽬目   初期時点(2004/01)  から現時点(i番⽬目に盛り返す点)までの挙動を単⼀一のirSIRモデルでパラメータ推定する.   その時のパラメータを⽤用いてi番⽬目とi+1番⽬目の間の曲線に合うように,RからIに戻す⼈人数nを決める.  

    • ⽅方法2  

  • 12

    案2(irSIRモデルのパラメータを変える)の⼿手順  

     ⻘青:irSIRモデルのパラメータを決めるための曲線   ⾚赤:予測された曲線  

    ⻘青で求められたパラメータで⾚赤の予測  

  • 13

    案2(irSIRモデルのパラメータを変える)の⼿手順  

     ある時点まで分かっているデータまでをirSIRモデルにフィッティング  させる.そこで求められたパラメータでその後の予測が可能.  

  • 14

    まとめと今後  

    正確な予測を⽬目指しmixiのデータを⽤用いて再び盛り返す際のデータの傾向を調査  

     SNSにおいて興味をなくしたユーザーを取り戻すために新機能やサービスなどを追加すると想定しその効果を考慮して予測する

     盛り返す際にRからIに戻す量nは,その時点の「てこ⼊入れの効果」を表す  

     「てこ⼊入れの効果」がその後に及ぼす影響は,現時点で明らかになっているデータから予測できる  

     てこ⼊入れがサービスの減衰を遅らせている  

    facebookを新たに予測し  mixiとfacebookの移り変わりの関係について調べる  

    • 今後  

    • まとめ  

  • 15

    ご清聴ありがとうございました