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page 1 Smaart v7 を使ってみよう」セットアップと測定の基本 Smaart v7.2 対応版 このガイドは、基本的な測定と Rational Acoustics Smaart v7 で具体化された動作コンセプトをご紹介するもので す。本書はとことん研究するためのものではなく、Smaart のシングルチャンネル機能やデュアルチャンネル機能の基 礎に精通するための出発点になるよう、基本的な測定のセットアップに関するコンフィギュレーションと操作の方法を ご案内するものです。 Smaart の旧バージョンや他のアナライザーを使った測定経験の有無に関わらず、Smaart v7 の測定を設定する手順 に慣れるためにぜひ本書をお読みください。単純な 2 チャンネルの入出力を想定していた旧バージョンとは異なり、 Smaart v7 は、複数の入出力チャンネルを持つ複数の入出力デバイスと同時に連携して動作することができます。この ため Smaart v7 はどんな測定をするかを想定しておらず、最初に起動したとき動作設定はされていません。しかし初 期設定がすめば、Smaart は旧バージョンと同じように以降のセッションでもその測定コンフィギュレーションを保持 します。 ご注意ください ! 無料デモ版の場合、Smaart は測定コンフィギュレーションを次のセッションまで保持 することができないので、使用するたび設定し直さなければなりません。これも練習だとお考えください。 本書は業務用音響機器と実践的なエンジニアリングの基本を理解されている方を対象にしています。また概念をより 深くご理解いただくための推奨参考文献のリストを巻末にご紹介しています。 Rational Acoustics LLC およびその販売代理店は、この製品を不適切に使用したことに起因する機器の 損傷に責任を負うことはありません。本書でご紹介した測定を試す前に、あらゆるシステムコンポーネント の入力および出力レベル、インピーダンス、接続の基本ルールをご理解、ご確認ください。
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Smaart v7 を使ってみよう」セットアップと測定の基本オペレーティングシステム…Mac OSX 10.5 (Leopard) または10.6 (Snow Leopard) CPU…Intelプロセッサ

Jul 18, 2020

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「Smaart v7を使ってみよう」セットアップと測定の基本Smaart v7.2対応版

 このガイドは、基本的な測定と Rational Acousticsの Smaart v7で具体化された動作コンセプトをご紹介するもので

す。本書はとことん研究するためのものではなく、Smaartのシングルチャンネル機能やデュアルチャンネル機能の基

礎に精通するための出発点になるよう、基本的な測定のセットアップに関するコンフィギュレーションと操作の方法を

ご案内するものです。

 Smaartの旧バージョンや他のアナライザーを使った測定経験の有無に関わらず、Smaart v7の測定を設定する手順

に慣れるためにぜひ本書をお読みください。単純な 2チャンネルの入出力を想定していた旧バージョンとは異なり、

Smaart v7は、複数の入出力チャンネルを持つ複数の入出力デバイスと同時に連携して動作することができます。この

ため Smaart v7はどんな測定をするかを想定しておらず、最初に起動したとき動作設定はされていません。しかし初

期設定がすめば、Smaartは旧バージョンと同じように以降のセッションでもその測定コンフィギュレーションを保持

します。

ご注意ください ! 無料デモ版の場合、Smaartは測定コンフィギュレーションを次のセッションまで保持

することができないので、使用するたび設定し直さなければなりません。これも練習だとお考えください。

 本書は業務用音響機器と実践的なエンジニアリングの基本を理解されている方を対象にしています。また概念をより

深くご理解いただくための推奨参考文献のリストを巻末にご紹介しています。

Rational Acoustics LLCおよびその販売代理店は、この製品を不適切に使用したことに起因する機器の

損傷に責任を負うことはありません。本書でご紹介した測定を試す前に、あらゆるシステムコンポーネント

の入力および出力レベル、インピーダンス、接続の基本ルールをご理解、ご確認ください。

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page 2 Getting Start with Smaart v7Basic Setup and Measurement Release 7.2

はじめに…ソフトウェアをインストールして認証する…3

推奨コンピューターハードウェア…3

ソフトウェアを登録する…3

基本コンセプト…4

シングルチャンネル測定 vs デュアルチャンネル測定…4

時間領域と周波数領域での分析…4

FFT…5

デュアルチャンネル 対 シングルチャンネル…5

時間領域 対 周波数領域…5

Smaart v7のオブジェクト指向プログラムアーキテクチャ…6

測定に合わせて Smaart v7を設定する…6

音声入出力デバイスを設定する…7

測定グループを構成する…8

Smaart v7の GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)…9

動作モード…9

GUIの概要…10

ナビゲーション…10

スペクトラム測定…11

スペクトラムの操作機能…12

RTA…12

スペクトログラフ…12

使用例…13

伝達関数測定…16

マグニチュード…16

位相…17

コヒーレンス…17

伝達関数の設定…18

ライブ IR…19

ディレイロケーターとディレイトラッキング…19

使用例:スピーカーをイコライジングする…19

データ管理…21

インパルス応答測定 …22

インパルス応答モードの設定…23

Log / Lin / ETCの表示…25

周波数領域の表示…25

インパルス応答モードのスペクトログラフ…26

ホットキー(アクセラレータキー)一覧…27

付録…27

測定コントロール…27

ディレイコントロール…27

データストレージとファイルの操作…27

表示コントロール…27

自己ヘルプ:回答のありか…29

推奨参考文献…29

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はじめに…ソフトウェアをインストールして認証する

 Smaart v7をコンピューターにインストールするには、(Windowsの場合は)Windowsインストーラを起動するか、

(Mac OSの場合は)ソフトウェアのバンドルをアプリケーションフォルダにドラッグしてください。

推奨コンピューターハードウェア

 Smaart v7はさまざまなハードウェア構成のコンピューターで動作しますが、新たにインストールされる場合は下記

を最小環境として推薦します。

Windowsの場合

オペレーティングシステム…Microsoft XP、Vista、Windows 7 (32bitおよび 64bit)

CPU…Intelプロセッサ 2GHz デュアルコア相当以上

RAM…2GB以上

ビデオ…専用ビデオ RAM128M以上のグラフィックプロセッサ、ディスプレイ 1024× 600以上

サウンドハードウェア…OS互換の ASIOまたはWav/WDMドライバ対応サウンドハードウェア

Macの場合

オペレーティングシステム…Mac OSX 10.5 (Leopard) または 10.6 (Snow Leopard)

CPU…Intelプロセッサ 2GHz デュアルコア相当以上

RAM…2GB以上

ビデオ…専用ビデオ RAM128M以上のグラフィックプロセッサ、ディスプレイ 1024× 600以上

サウンドハードウェア…OS互換の CoreAudioドライバ対応サウンドハードウェア

ソフトウェアを登録する

 インストールして最初に Smaart v7を起動するとアクティブ化画面が表示され、インストールの認証に必要な 10桁

の、コンピューター固有のMachine ID(マシン ID)が表示され、Activation Code(アクティブ化コード)の入

力を要求されます。Machine IDはコンピューターを識別するための固有のコードです。同じく Activation Codeはその

Machine IDを持つコンピューターでだけ機能する固有のコードです(SmaartLive v5の PICによく似ています)。

 インストールしたコンピューターがインターネットに接続されている場合はここで Activate Online Nowを選べ

ば、アクティブ化に必要なコードを入手することができます。またはMachine IDを書きとめておき、他のコンピューター

で http://my.RationalAcoustics.comにアクセスし、アクティブ化に必要なコードを入手してください。

 どちらの場合も Smaart v7のライセンスナンバー(20桁の英数字:XXXXX - XXXXX - XXXXX - XXXXX)を入力し、

ライセンスを登録するユーザーアカウントのパスワードを設定しなければなりません。Smaart v7のライセンスを登録

したことがない場合は新しいユーザーアカウントとパスワードを設定してください。(Smaart6のライセンスアカウン

トなど)ユーザーアカウントがある場合は既存のアカウントを選択して登録してください。Smaart v7は、1つのライ

センスで 2台のコンピューターにインストールすることができます。さらに Rational Acousticsまたは販売代理店で追

加ライセンスを購入することもできます。

Smaartソフトウェアは単一の「ユーザー」、つまりひとりの個人またはひとつの団体に使用が許諾されま

す。一つのライセンスでインストールできるコンピューターは、そのユーザーが所有しているものに限りま

す。Smaart v7のインストールについてくわしくは「Smaart v7のインストールとアクティブ化」をご

参照ください。

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page 4 Getting Start with Smaart v7Basic Setup and Measurement Release 7.2

基本コンセプト

 Smaartを用途に合わせて効率的に操作するには、広範囲におよぶシステム測定の概念と業務用音響技術の実務に関

する知識が必要です。そのすべてをカバーすることはできませんが、このセクションでは Smaart v7の動作と用途を

理解するための役に立つ重要なコンセプトをいくつかご紹介します。

 またこれらのコンセプトをより深く理解する役に立つ推奨参考文献のリストも、付録として巻末にご紹介しています。

シングルチャンネル測定 vs デュアルチャンネル測定

 Smaartは本質的に 2種類のまったく異なる測定を行います。一方がシングルチャンネル測定(信号分析)、もう一方

がデュアルチャンネル測定(特性分析)です。

 シングルチャンネル測定はシステムのある一点で信号を調べるもので、まさに信号分析測定と呼べるでしょう。その

動作は信号のレベルや周波数成分などを数値化して、スペクトラム(RTAとスペクトログラフ)や SPL測定として表

示することです。シングルチャンネルなので、電気的プローブ(分岐信号)または音響的プローブ(マイク)から来る

信号の内容を直接調べることになります。シングルチャンネルという方法は絶対的な測定であり、「この信号では 1kHz

のエネルギーがどの程度になるのか」、あるいは「この会場のこの場所における音圧レベルはいくつなのか」といった

疑問を解決する役に立ちます。

 デュアルチャンネル測定は、2つの信号を比較してその関係を調べます。Smaartの実用例では、システムの入力信

号(リファレンス)信号と対応する出力(測定)信号を比較して、通過する信号に対してシステムがどう作用している

かを調べています。まさにシステム特性測定と呼ぶにふさわしく、Smaartではデュアルチャンネル測定に立脚してシ

ステムの周波数特性(伝達関数)とインパルス応答の両方を測定します。デュアルチャンネルという方法は(入力対出

力の)相対的な測定であり、「このシステムのクロスオーバー周波数はいくつなのか」、「ブースト /カットの周波数は

いくつなのか」、「メインスピーカーのエネルギーがこのマイクに到達するのはいつなのか」といった疑問を解決する役

に立ちます。

 シングルチャンネルとデュアルチャンネルの測定には、それぞれの強みと弱みがあります。それを理解しているつま

り何を測定しているのか、より重要なことに何を測定していないのかを理解している人にとって特に強力なツールにな

ります。アナライザーを使うとき測定の種類を間違えたり混同してしまったために、その結果から誤った決定を下して

しまうことはよくあるのです。

 Smaart v7では、「グループ」と呼ばれるコンフィギュレーションを設定することから測定プロセスが始まります。

この段階でご要望通りにシングルチャンネル(スペクトル)とデュアルチャンネル(特性)の測定を指示することにな

るのです。

時間領域と周波数領域での分析

 時間領域分析と周波数領域分析の相関的な強みと違いを基本的に理解することは、Smaartが提供する測定パワーに

とても大きく影響します。解決しようとする問題に応じて複数の観点(領域)から測定結果を調べられるということは、

信号やシステムの特性を分析するプロセスにとても役に立ちます。Smaart v7の主要な動作モード(リアルタイムとイ

ンパルス分析)はそれぞれ、時間と周波数どちらの領域でも測定結果を表示することができます。

 時間領域分析は、時間経過にともなう信号やシステムの特性を調べることをいいます。信号の時間領域プロット(振

幅対時間)は、サウンドエディターにとってとても重要な波形ビューを表示します。システム特性の時間領域表示であ

るインパルス応答は、システムを通過することによる信号の遅延や、複数段階に遅れて到達する信号(反射や残響)の

有無を表示します。

 周波数領域の分析は、信号やシステムの特性を周波数ごとに調べるためのものです。信号の周波数領域プロット(振

幅対周波数)は、音の内容を特定したりフィードバックを探すときにとても役に立つスペクトルビューを表示します。

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システムの特性を示す周波数領域の表示(伝達関数または周波数特性)は、システムの音的な成分はもちろん、周波数

ごとの時間 /位相特性を見るためにも最適です。

 下図は、時間領域と周波数領域の表示を有効利用したすばらしい例で、調査されたシステムの特性がはっきり現れて

います。周波数特性測定の下側のグラフは、リニアな間隔で連続するマグニチュードトレスで、ディップやピークを描

いています。しかし徴候としてリプルが現れています。その原因はシステム特性の時間領域表示ではっきり見て取れま

す。周波数領域に見られるくし形フィルターのリプルの原因が、インパルス特性で二番目に到着した音であることは明

らかです。

FFT

 Smaartでは、時間領域ビューと周波数領域ビューの間でデータを変換するとき、高速フーリエ変換(FFT)と逆フー

リエ変換(IFT)を使っています。実際には FFTが時間領域の波形から一部を取得して、信号のその部分に含まれる周

波数を表示しているのです。Smaartを操作するのにこの数学的なプロセスをこまかく理解する必要はありませんが、2

つの領域でデータが逆比例、つまり「周波数分解能 = 1/時定数(FR=1/TC)」という関係にあることを知っておくと役

に立ちます。いいかえれば、スペクトラムデータの分解能を上げるには、入力信号のタイムスライスを大きくしなけれ

ばならない、ということなのです。

 ここで特に注目すべきことは、Smaart v7の伝達関数測定では FFT設定のデフォルトが MTW(複数時間窓)である

ことです。MTWでは固定長のFFTを1つだけ使うのではなく、周波数が上がるごとに短くなる複数のFFTを使用します。

この効率的なプロセスによって 60Hz超で 1/48oct以上の安定した分解能と、高い周波数で遅れてきた反射データへの

感度が上がるコヒーレンス関数を持った伝達関数データを提供します。次ページの図は MTWと 16kの単一 FFT設定

で作った、同じ伝達関数の測定結果を比較したものです。MTWの方が低域の解像度が良く、16kのトレスでは高域の

解像度が過剰になっていることがわかります。

 FFTについてくわしくは、SmaartLiveの Tech Note「SmaartLive における FFT を基本にした音響測定の基本」をご

参照ください。

時間領域 対 周波数領域

振幅 vs時間

振幅 vs時間

マグニチュード vs周波数

マグニチュード &位相 vs周波数

波形

インパルス応答

スペクトラム

周波数特性(伝達関数)デュアルチャンネル 対 シングルチャンネル

信号分析

特性分析

図 1:デュアルチャンネル測定とシングルチャンネル測定における時間領域と周波数領域の表示

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page 6 Getting Start with Smaart v7Basic Setup and Measurement Release 7.2

Smaart v7のオブジェクト指向プログラムアーキテクチャ

 新しい Smaart v7のプラットフォームで最も強力な側面のひとつが、オブジェクト指向というプログラムアーキテ

クチャです。実際このプログラムでは、個別に動作する多くのコードモジュールが相互連携しています。データ収集は

入力モジュールが処理し、シングルチャンネル測定とデュアルチャンネル測定はそれぞれスペクトラムオブジェクトと

特性オブジェクトが扱い、グラフ表示や GUI(グラフィック・ユーザー・インタフェース)はそれぞれ別のオブジェク

トが受け持つ、といったぐあいです。

 このアーキテクチャはスケーラブルで、ユーザーの要求に合わせて測定環境を簡単に変更することができます。実際

にコンピューターと音声 I/O(入力 /出力)ハードウェアが許すかぎり多くの、シングルチャンネル測定(スペクトラム)

とデュアルチャンネル測定(特性)を動作させることができるのです。

 このことはまた、Smaartの測定プロットがグラフ表示されたデータそのものとは別のオブジェクトであることも意

味します。この関係によって表示パラメーター(平滑化、バンド分割、スペクトログラフ表示範囲、コヒーレンスブラ

ンク、トレスの色)を変更したとき、新しい設定に合わせてデータを再計算したり再処理する必要がないというメリッ

トがあります。

測定に合わせて Smaart v7を設定する

 Smaart v7の測定プロセスは、シングルチャンネル測定(スペクトラム)とデュアルチャンネル測定(特性)を設定

することから始まります。このセクションでは、測定に合わせて Smaartを設定するプロセスと機能をくわしくご紹介

します。

 簡単な 2チャンネル入出力を想定した旧バージョンとは異なり、Smaart v7には複数の入出力を持つ複数のデバイス

を同時に接続することができます。このため Smaart v7は入出力の能力や測定の必要条件を想定していないので、最

初に起動したときは初期動作が設定されていません。しかし初期設定すれば旧バージョンのように、以降のセッション

でもその測定コンフィギュレーションを保持します。

無料デモ版の場合、Smaartは測定コンフィギュレーションを次のセッションまで保持することができな

いので、使用するたびに設定し直さなければなりません。

 Smaart v7はコンピューターの OSで認識できる wav、CoreAudio、ASIOドライバに対応するデバイスから入力信

号を受けることができます。実際には同時に複数の音源から複数の信号を受けることができます。(ただし ASIOのみ

一度にアクセスできるのは一台だけです)

図 2:MTWと単一の 16k FFTによる伝達関数

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 Smaart v7を起動すると、左のスプラッシュ画面が表示されます。

この画面が表示されている間、Smaartは OSに対応する入出力デバ

イスをチェックしています。ここで Smaartは入力デバイスのリスト

を作成し、一度検出されたデバイスはそれ以降起動したときにたとえ

接続されていなくても、コンフィギュレーションに表示されたままに

なります。

入出力デバイスを Smaartのコンフィギュレーションリストに表示させるには、起動時にコンピューター

に接続しておき、プログラム実行中にアクセスできる状態にしておいてください。

音声入出力デバイスを設定する

 このコンフィギュレーションで測定を作成したり実行するためのデバイスを使う必要は

ありませんが、Optionsメニューから開く Audio Device Optionsダイアログで設定するこ

とができます。ここではデバイスのサンプリング周波数とビット深度 (全デバイスとも同

じ設定にしなければなりません)を調整したり、デバイスとそのチャンネルに「わかりや

すい名前」を付けます。この名前は個々の測定に合わせて設定された信号やチャンネルを

識別するときに便利です。さらにデバイスを「無視」させることもできます。Smaartの他

のダイアログで表示させない、あるいはデバイスリストから外してしまうこともできます。

デバイスを選択して Settingsボタンをクリックすると、各入力用の別画面が表示され、キャ

リブレートしたり、マイク補正カーブ (マイクメーカー、あるいはユーザー作成したもの

をタブ区切りのテキストファイルで読み込みます ) を割り当てることができます。

 Audio Device Optionsダイアログへは Optionsメニューで Audio Device Optionsを選択して、またはホットキー [Alt/

Opt + A]でアクセスします(「ホットキー」は Smaart内蔵のキーボードコマンドです)。

図 3:Optionsメニュー

Optionsメニューの Audio Device Optionsダイアログ

一時的に無視させて他のデバイスリストに表示

させたくないものはここをクリックしてチェッ

クをつける

デバイスと各チャンネルに「わかりやすい名

前」を付けることができる

読み込んだデバイスのステータスが表示

される (OKは正常に接続したもの、N/C

は接続されていないもの

名前を入力したら最後に[Enter]を押してく

ださい。押さないと名前は保持されません。

図 4:Optionsメニューの Audio Device Optionsダイアログ

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page 8 Getting Start with Smaart v7Basic Setup and Measurement Release 7.2

測定グループを構成する

 Smaart v7で測定するには、測定コンフィギュレーションを作らなければなりません。この

作業は Measurement Configオプションダイアログで行います。Optionsメニューからアクセ

スするかホットキー [Alt/Opt + G]、またはユーザーインターフェースのコントロールエリアに

ある測定コンフィグボタンをクリックすると、その画面が開きます。

 すでに説明した通り、Smaart v7は固定された測定トポロジーではなく、オブジェクト指向

アーキテクチャによって使用可能な音声入出力チャンネルから望むかぎりたくさんのシングル

チャンネル測定(スペクトル)やデュアルチャンネル測定(特性)のオブジェクトを構成することができます。さらに

測定は個別に、また同時に、要望通りに動作させることができます。

 Measurement Configダイアログでは、測定

オブジェクトを定義してグループに入れます。

 このダイアログの左側には、測定コンフィ

ギュレーションがツリー表示されています。こ

こでは Spectrum Groupと Transfer Function

Groupに入れられた各測定を表示、作成、コピー、

削除したり内容を確認することができます。

 このツリーはまた、この画面左側の Groupタ

ブをナビゲートまたは選択するときにも使いま

す。

 一度グループを作るとツリーから選択した

り、(スペクトルの場合は)New Spectrum

Measurement、(特性の場合は)New TF

Meadurementボタンをクリックしてそのグルー

プに新しい測定を追加することができます。 

 Spectrum Groupに新しいシングルチャンネルの測定を設定するときは、使用する入出力デバイスと入力チャネルを

選びます。Response Groupの中に新しいデュアルチャンネル測定を設定するときは、使用する入出力デバイスに加え、

「Mea ch」(測定チャンネル)と「Ref ch」(リファレンスチャンネル)を選びます。どちらの場合もドロップダウンメニュー

には、デバイスや入力チャネルに付けた「わかりやすい名前」が表示されます。

特性測定の測定チャンネルとリファレンスチャンネルは、ひとつの入出力デバイスから選択してください。

 測定グループは Measurement Configダイアログのタブビューで管理します。メイン・ユーザー・インターフェース

での表示順を変更する、入力信号を選択する、各トレスの名前や色を変える、(New Averageボタンをクリックして)

ライブ「アベレージ」測定を設定する、といったことができます。ライブアベレージは、グループ内でアクティブになっ

ている測定の平均から計算されます。

図 5:測定コンフィグボタン

図 6:測定システムを設定、制御、適応させる強力なインターフェースMeasurement Configダイアログ

図 7: New Inputボタンをクリックして新しいシングルチャンネル測定を作成する 図8: New Pairボタンをクリックして新しいデュ

アルチャンネル測定オブジェクトを作成する

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 Measurement Configダイアログで構成された測定オブジェ

クトは、基本的にそれ自体が完成された Smaartの測定エン

ジンで、定義可能な測定パラメーターセットを持っています。

このため必要に応じて各測定パラメーターにアクセスできる

よう、グループ内のオブジェクトそれぞれの「タブ」が作ら

れます。Measurement Configで調整可能なグローバルまた

は個別の測定パラメーターについては、本書後半で測定タイ

プごとに説明します。

特性測定は比較的簡単に設定できて同時に複数を動作

させることもできますが、Smaart v7の新しいユー

ザーの皆さんには(これまで経験をお持ちでも)シン

プルな設定で測定を始め、複数同時測定の管理に慣れるにしたがってゆっくりコンフィギュレーションを構

築して行くことをおすすめします。

Smaart v7の GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)

 このセクションでは Smaart v7ユーザーインターフェースの基本部分を見ながら、主なナビゲーションツールと概

念を説明します。v7の特徴や機能が拡張されるにしたがって強化されて行く部分ですが、ここでご紹介する標準的な

レイアウト、ナビゲーションツール、枠組みが変わることはないでしょう。

動作モード

 Smaartは 2つの異なる測定モード、リアルタイムモードとインパルス応答モードで動作します。どちらのモードも

周波数領域と時間領域両方のデータを測定して、表示する機能を持っていますが、基本的な違いは動作の主な目的です。

リアルタイムモードは効率的にスペクトル測定や特性測定をキャプチャーする環境として設計されています。複数を同

時に実行することができ、特に現場でのシステム調整やミキシング作業のために最適化されています。インパルス応答

モードは、システムや環境の音響特性を測定して調査するための、強力で直観的なツールセットを提供するよう設計さ

図 9:ライブアベレージの設定を表示しているMeasurement Configダイアログダイアログの

Groupタブビュー

図 10:リアルタイムモードのインターフェース

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page 10 Getting Start with Smaart v7Basic Setup and Measurement Release 7.2

れています。Smaart v7のインパルス応答モードには、AcousticToolsソフトウェアから多くの機能が搭載されて(そ

して今後も拡張し続ける予定で)いるので、旧バージョンよりもかなり充実しています。

GUIの概要

 リアルタイムモードとインパルス応答モードの GUIの一般的な配置は 9ページ下部と上の図の通りです。

 どちらのモードも画面右側にコントロールエリアがあり、さらにリアルタイムモードでは左側にデータストレージエ

リアがあります。しかしどちらのモードでも GUIの大部分を占めるのはプロットエリアです。このエリアのいちばん

上にはカーソル表示フィールドがあり、マウスカーソルがデータプロット上にあるときはその座標をグラフの種類に

よって振幅、周波数または時間で表示します。Optionsダイアログの Generalタブから、カーソル表示部に波長やノー

ト IDを表示させるよう設定することもできます。

ナビゲーション

 Smaart v7のナビゲートする、制御する、設定するときは GUIを操作します。基本的

な操作方法はマウス、メニューまたは Optionsダイアログ、ホットキーの 3つです。た

いていは同じ機能を複数の方法で制御することができます。特定の方法が別の方法より

便利な場合(たとえばキーボードを操作しにくいタブレット PCを使っている場合など)

には特に重要でしょう。ホットキー機能の全リストは、ソフトウェアのヘルプファイル

でいつでも参照できます。

 Smaart v7の GUIは、主要な相互作用モードとしてマウスで制御するよう構築されて

います。コントロールエリアのボタンやデータストレージエリアはもちろん、プロット

エリアではさらに「クリック&ドラッグ」を使います。各モードにあるさまざまな操作機能の多くは、測定タイプをく

わしく紹介するセクションで説明します。ここでは、特に測定とモードの選択、表示の制御に関する制御機能を解説し

ましょう。

測定の選択

 どちらのモードでもデータウインドウで表示する測定やプロットの種類を、プロット左上のプロットタイプのラベル

からドロップダウンメニューで選択することができます。

図 12:リアルタイムモード用データウインドウのプロット選択機能

図 11:インパルスモードのインターフェース

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ウインドウレイアウトの選択

 コントロールエリアのレイアウト選択ボタンでデータウインドウの数(1ま

たは 2)を選択することができ、また伝達関数の場合はオプションのライブイ

ンパルス応答(Live IR)の表示を ON/OFFすることもできます。分割表示のと

きは一方がアクティブになっているグラフ、もう一方が選択されたグラフであ

るとみなします。RTA、マグニチュード、位相のウインドウを 2つ表示している場合、対応する Measurement Config

タブからお好きなプロットを割り当てることができます。2つのうちどちらが選ばれているかはプロットを囲む余白の

色で表します。

リアルタイムモードのコントロールエリアとデータストレージエリアは、常にアクティブなデータウインド

ウの測定タイプに合わせて変化します。

 リアルタイムモードではレイアウト選択ボタンのすぐ上に、標準のプリセット測定

ビューを呼び出す 2つのボタンがあります。Spectrumボタンをクリックするとデータウ

インドウが 1つになり、選択したデータタイプとして RTAが表示されます。Transferボ

タンをクリックするとデータウインドウが 2つに分割され、上側に位相、下側にマグニチュードが表示されます。

モード選択

 測定モードは、コントロールエリアのモードボタン、Modeメニュー、ホットキー[I]または[R]で切り替えるこ

とができます。

ズームする

 ホットキー [Ctrl / Cmd] +左クリック &ドラッグで表示範囲を選択する「なげなわ」ズーム、または右クリック &ドラッ

グでプロットの一部を拡大表示する機能があります。ズームコマンドにもホットキーがあります。

どのデータプロットでも x(水平)軸または y(垂直)軸をクリックすると、ズームした画面をデフォルト

に戻すことができます。

スペクトラム測定

 Smaartのシングルチャンネル・スペクトラム測定では、システムを通過する音声信号のスペクトル成分を調べるこ

とができます。この測定は SRの現場でフィードバック周波数を見る、騒音暴露レベルを測定する、映画館用システム

を最適化するなど、全般的な信号モニター業務に特に有用です。

図 13:リアルタイムモードのレイアウト選択ボタン

図 14:プリセットビュー

ラベルをクリックすると Optionsダイアログの Spectrumタブが開く

スペクトラム測定のグローバル設定

スペクトラムの各測定

グループを選択するボタン全測定に作用する停止 /開始ボタン

このボタンをクリックすると測定の表示、非表示を切り替えることができる

図 15:スペクトラム測定のコントロールエリア

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 Smaartのスペクトラム測定で取得したデータは、標準的な RTA(リアル・タイム・アナライザー)プロットとして、

あるいは時間経過を含めた三次元(レベル対周波数対時間)プロットで表示することができます。

スペクトラムの操作機能

 一度設定すると、各スペクトラム測定が Spectrumコントロールエリアに項目として表示されます。ここでは右端の

をクリックしてアクティブにする測定を選んだり、信号の入力レベルをモニターしたり、トレスの表示/非表示を

切り替えることができます。

スペクトラム測定のグローバル設定

 デフォルトでは、スペクトラムオブジェクトはす

べてグローバルでユーザー設定可能な同一の表示パ

ラメーター(FFT、平均化、ウェイトカーブ、スケール)

を使います。グローバル設定は Measurement Config

ダイアログで変更しますが、そのうちスケールと平

均化はスペクトラム測定のコントロールエリアでも

設定することができます。

 平均化とウェイトカーブを変更するときは、Measurement Configダイアログの各測定用タブを開いてください。

RTA

 RTA、リアルタイムアナライザーは、オーディオプロフェッショナルにはおなじみのツールです。スケールと平均化

を選択すれば、業務に合わせて測定の分解能と反応を調整することができます。

スペクトログラフ

 プロオーディオのエンジニアがスペクトラムをみるとき、歴史的にみても RTAが圧倒的によく使われていますが、

このデータを示すもう一つの方法があります。それは音声認識、振動分析、(潜水艦での)水中音響学といった分野で

特に有名で長年にわたって一般的に使われてきました。Smaartのスペクトログラフ表示(またはスペクトログラムと

いう名前の方がよく知られているでしょう)は、時間経過にともなう信号のスペクトルを描いたものです。このハイブ

リッド表示のグラフは連続したスペクトル測定の結果で、一つの軸で周波数、もう一方の軸で時間、色でレベルを表

図 16:Group Managerダイアログに表示されるスペクトラム測定のグローバル設定

図 17:スペクトラムの RTAでスケールと平均化を調整する

スケール

平均化数

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スレッショルド調整ハンドル

高い方のスレッショルド

低い方のスレッショルド

周波数

時間

図 18:スペクトログラフのスレッショルド

します。Smaartでは、グラフに表示するデータのス

レッショルドレベルを決めることで制御します。低

い方のスレッショルドを超えた周波数はプロットに

表示され、レベルが高くなるにしたがってダークブ

ルーから緑、黄色、オレンジ、赤と変化していきます。

高い方のスレッショルドを超えるレベルの周波数は

白で表示されます。

 有用なスペクトログラフを作る鍵は、表示のダイ

ナミックレンジ設定です。スレッショルドの設定に

よってあるスペクトルデータが表示または非表示に

なるのです。ダイナミックレンジが広すぎると表示

がぼんやりして重要な特徴を見逃すこともあるで

しょう。ダイナミックレンジが狭すぎたり、スレッ

ショルドが低すぎるまたは高すぎても、データをすっ

かり見落とすことになるかもしれません。

 Smaart v7の強力な新機能の一つは、RTAとスペクトログラフのプロットで左の軸上にあるスレッショルド調整ハン

ドルです。このハンドルでスペクトログラフのスレッショルドを動的に調節することができ、しかもデータを取得し直

す必要はありません。

 さらに Smaart v7のスペクトログラフは最新のスラ

イス(スペクトラム測定)を履歴として保持し、スク

ロールすることで画面から消えてしまった古いデータ

を表示させることができます。Optionsダイアログの

Spectrumタブで履歴の数(Sliees in History)やスラ

イスの高さ(Slice Height)を調整することができます。

複数のシングルチャンネル測定を同時に実行していても、Smaartは「アクティブな」スペクトラム測定

だけをグラフに表示します。

使用例

 よく実行されるスペクトラム測定、「現実世界」の使用例を二つ紹介します。最初は RTAとスペクトログラフを使っ

て周波数成分、特にフィードバック周波数を調べます。二つ目はスペクトログラフを使って、境界付近で直接音と反射

音が作用して発生する相互作用パターン(くし形フィルター)を調べます。

フィードバックの識別

 この例では、シンプルな音響システムでボーカルマイクをルーティングしています。スペクトラム測定にはミキシン

グコンソールの出力信号を使います。

図 19: Optionsダイアログのスペクトログラフ設定

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フィードバックトーン

一定のトーンはスペクトログラフ上でまっすぐな線として表示される

図 21: RTAとスペクトログラフのプロットに表示されたフィードバック

ボーカルマイクのゲインをフィードバックが発生するまで上げる

ボーカルマイクスピーカー

アンプ

ミキサー

USBまたはFireWire

ライン入力

音声 I/O

音響環境

図 20:フィードバックをモニターするためのシステム構成

 フィードバックのトーンは、RTA表

示に現れた 1.24kHzの垂直のバーで確

認できます。しかしフィードバックと

同時にシステムを通過する他の信号も

あるので、スペクトログラフのプロッ

トで縦にまっすぐ表示される垂直ライ

ンでフィードバックを識別する方が簡

単です。

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スペクトログラフで相互作用のパターンを調べる

 以下は、スペクトログラフでスピーカーシステムのカバレージと相互作用パターンを調べる簡単なテクニックです。

簡単にいえばピンクノイズでシステムを刺激するのです。ピンクノイズを使うと、スペクトログラフのプロットはすべ

ての周波数で似たようなレベル色になるはずです。この状態で測定マイクをリスニングエリア中移動させます。反射に

よって発生する可聴くし形フィルターなどの相互作用が原因でレベルが変動すると、マイク信号のスペクトログラフプ

ロットに相互作用パターンとして見ることができます。パターンが強調されるようダイナミックレンジを調節するとい

いでしょう。

図 22:相互作用を調査するためのシステム構成

ミキサー

アンプ

音響環境

スピーカー測定マイク

マイク入力 USBまたはFireWire

音声 I/Oシグナル

ジェネレーター出力

ダイナミックレンジ

が広すぎる

ダイナミックレンジ

を調整する

図 23:スペクトログラフのプロットに現れたくし形フィルターの相互作用パターン

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伝達関数測定

 伝達関数は、入力(リファレンス)信号をその出力(測定)信号と比較することで、システムの周波数特性を定義す

るデュアルチャンネル測定です。この測定はマグニチュードと位相で二つの信号の差を表示し、システムのプロセシン

グ作用を周波数の関数として描写します。

 Smaartの伝達関数測定では、音響システムの電気的な部分(EQ、ミキサー、プロセッサーなど)と電気音響的な部

分(スピーカーとその環境およびドライブするエレクトロニクス)のどちらでも、さまざまな部分の周波数特性を調べ

ることができます。これらの測定は、スピーカーの設計、機器の評価、イコライゼーション、システムの最適化など多

くの用途にとても有用です。

 Smaartの伝達関数測定データは、3つのプロット /ウインドウに 4つのトレスで表示されます。4つのトレスとは、

マグニチュードとコヒーレンス(この 2つは同じウインドウ)、位相、ライブ IR(時間領域プロット)です。

伝達関数測定の保存データに含まれるのは、マグニチュードと位相、コヒーレンストレスです。ライブ IRは、

キャプチャーされません。

マグニチュード

 マグニチュードウインドウは、伝達関数(周波数特性)のマグニチュード部分とコヒーレンストレスの両方を表示し

ます。マグニチュードプロットでは、中心の 0dBラインとの差でゲインとアッテネートが表示されます。

入力信号 出力信号

システム

測定信号(スペクトラム)

リファレンス信号(スペクトラム)

伝達関数

図 24:伝達関数

ゲイン(ブースト)

アッテネート(カット)

0dBライン

図 25:伝達関数のマグニチュードトレス

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 マグニチュードトレスを上下にクリック &ドラッグすると、垂直方向に移動することができます。

位相

 位相プロットは、伝達関数測定の位相部分を表示します。このプロットはリファレンス信号と測定信号の差を(度で)

表示することで、全体の相対的な時間差を周波数ごとに表示し、フィルタリングやシステムの極性による位相シフトの

徴候を示します。位相プロットは 360度を超えると「循環」します。つまりプロットのいちばん上(180度)といち

ばん下(-180度)は同じ場所なのです。下図の位相トレスは、プロットのいちばん下を突き抜けていちばん上につながっ

ています。

 位相トレスを垂直にクリック &ドラッグすると、0度の位置を変えることができます。0度の位置に関わらず、位相

トレスは標準の「折り返しあり」表示形式で 360度の範囲を示します。

コヒーレンス

 コヒーレンストレスは一連の測定 /平均化にわたる伝達関数データの安定性を示すもので、Smaartでは 0%(コヒー

レンスが悪い不安定なデータ)から 100%(とても安定したデータ)までの百分率で表されます。伝達関数の平均化が

「instantaneous」に設定されていると、コヒーレンスは計算されません。

 コヒーレンストレスは、マグニチュードウインドウの上側半分に表示されます。

 コヒーレンスが下がる一般的な原因は三つあります。一つ目は測定システムの問題で、最も多いのが測定遅延が正し

く設定されていない場合です。二つ目は環境ノイズによって測定が汚染されている、S/N比が低い状態です。三つ目は

極端な反射によって、測定システムの直接音対反射音比が低下した状態です。コヒーレンストレスは、測定中はシステ

ムの明瞭度をかなりよく示し、システムや測定の品質を反映した格好の材料です。

プロットは± 180度

で連続している

図 26:伝達関数の位相トレス

図 27:伝達関数のコヒーレンストレス

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 Smaartにはブランク機能があります。設定したブランキングスレッショルドよりコヒーレンスが低い周波数の伝達

関数データを表示させない機能です。この機能は Optionsダイアログの Transfer Functionタブで、またはマグニチュー

ドプロットのハンドル(右上にあるコヒーレンススケールの脇にあります)で設定してください。

伝達関数の設定

 スペクトラム同様、伝達関数測定もデフォルトのままならグローバルの FFT、平均化、

平滑化などを使いますが、Measurement Configダイアログの各測定用タブでグローバ

ル設定を無視するよう設定することもできます。設定の方法は Smaart v7ヘルプファイ

ルをご参照ください。

平均化

 平均化は測定を安定させ、無相関ノイズを排除する役に立ちます。Smaart v7では、低めのレベルで平均化 (2、4、8、

16)する場合は標準の FIFO(First In, First Out)を使いますが、それ以上(1秒、2秒など)になるとアキュムレーター

に切り替わります。アキュムレーターは以前の大きな FIFOの安定性を大きく改善するもので、音響測定では好んで使

われています。

平滑化

 Smaart v7は、伝達関数トレスのリプルを減らして、データカーブの一般的な傾向を見やすくするため「分数オクター

ブ」平滑化アルゴリズムを採用しています。

図 28:伝達関数のコントロール

平滑化

1/3 oct

1/6 oct

1/12 oct

1/24 oct

1/48 oct

なし

図 29:平滑化 

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ライブ IR

 伝達関数ではライブ IRを見ることができます。この表示

はリニアスケールの時間領域インパルス応答ビューで、画

面の中央が伝達関数にかけられた測定遅延時間です。ライ

ブ IRは Optionsダイアグラムの Transfer Function タブで設

定することができます。

 ライブ IR測定はリニア (デフォルト )、対数、ETCで表示することができます。プロット左上角のドロップダウン

メニューで切り替えてください。

ディレイロケーターとディレイトラッキング

 伝達関数は、システムへの入力信号と対応する出力信号を比較することで計算されます。たいてい、プロセッサーの

レイテンシーやシグナルディレイ、音響的な通過遅延の結果、システムを通過するときに何らかの遅延が発生します。

伝達関数オブジェクトには、入力 /リファレンス信号をその出力 /測定信号に合わせて遅らせるための測定用ディレイ

があります。このため Smaartには、インパルス応答を測定するための内蔵「ディ

レイロケーター」機能があり、最も高いピークに対する時間、つまり通常は直接音

の到達時間に対するディレイタイムが算出されます。測定コントロールの Findボ

タンをクリックすると、この機能を測定オブジェクトごとに呼び出すことができま

す。

 または、各測定オブジェクトに測定遅延を継続的に追跡させることもできます

(Live IRと同じ基本機能を使います)。実行するときは各測定のコントロールエリアで Trackボタンまたはインジケー

ターをクリックします。

ディレイトラック機能はプロセッサのリソースを消費するため、測定ディレイが変わらない(マイクやス

ピーカーを活発に移動していない)場合は、この機能を OFFにして測定ディレイを一度だけ検出させると

良いでしょう。

使用例:スピーカーをイコライジングする

 この例ではまずスピーカーの伝達関数を測定して次に、全体の特性が「フラットになる」ようイコライザーを調整し

ます。ここではマルチチャンネル I/Oを使い、イコライザーの測定(ミックス出力と EQ出力の比較)とスピーカーシ

ステム全体の測定(ミックス出力とマイク出力の比較)を同時に行います。この例では各測定を個別に、つまり順番に

実行してもかまいません。

図 30:ライブ IRの設定

図 31:ライブ IRウインドウ

図 32:伝達関数のコントロールオブジェクト

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 この例では以下のハードウェアを使います。

ミキサー

EQ アンプ

音響空間

スピーカー

ミックス出力 /EQ入力

シグナルジェネレーター出力

音声 I/O

EQ出力

マイク入力

測定マイク

USBまたはFireWire

EQ測定タブで平均化数を小さくして

平滑化なし、グラフ反転(inverted)

に設定する

図 33:伝達関数測定の構成例

システム全体 (Mic One)とイコライザー (EQ)の測定用セットアップ

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 この構成では、まず図 34のような測定結果が出ました。

 次にスピーカーの特性トレスをキャプチャーし、EQを調整してその結果をトータルシステムのアクティブな「マイ

ク 1」測定に結果として表示させます。EQ測定のグラフが上下逆さになっているため、保存した特性トレスに合わせ

て直接 EQを設定することができます。これでフィルターの帯域幅と周波数の微調整がしやすくなります。

データ管理

 リアルタイム GUIの左側にあるデータストレージエリアは、データトレスをキャプチャーしたり、操作する場所です。

データストレージエリアは表示されているアクティブデータウインドウの種類に合わせて、コントロールエリアと同じ

ようにスペクトラム(RTA)と伝達関数のデータ用に別々に用意されています。

 データストレージエリアにキャプチャーされたトレスは、プログラムの終了や起動によって消えることがないよ

う、Smaartの専用のファイルに記憶されます。データストレージエリアからデータを削除するときは、そのデータを

図 34:最初に実施したスピーカーと EQの伝達関数測定

EQ スピーカー(マイク 1)

図 35:伝達関数測定…最初のスピーカー特性(保存されたもの)、EQトレス(上下反転したもの)とイコライジングされたスピーカー

青…反転したイコライザー特性紫…イコライジングしていないスピーカーの特性緑…イコライジングしたスピーカーの特性

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記憶しているスロットを選んでハイライトにし、削除するだけです。またデータスロットを選

び、Infoまたは Moreボタンをクリックして開いたウインドウで Saveをクリクすると、そのデー

タを自由にアクセスできるデータファイルとして任意のフォルダに保存することもできます。

Saveボタンをクリックすると、トレスをファイルとして保存することができます。データファ

イルの保存先フォルダを選ぶようプロンプトが表示されます。

 保存された Smaart の .ref、.srf、.trfデータを読み込むこともできます。つまり旧バージョン

の Smaartで作られたデータも読み込めます。データスロットを選択して Moreボタンの下にあ

る Loadをクリックし、保存した位置からファイルを選択してください。Smaart v7では、.rgp(レ

ファレンスグループ)として保存されたデータを開くことができません。

Smaart v7のデータは、スペクトラム(.srf)と伝達関数(.trf)それぞれが別のフォーマッ

トで保存されます。保存されたデータの種類を素早く特定できて便利でしょう(古い .ref

ファイルは拡張子でデータの種類を示していませんでした)。

 トレスをキャプチャーするときは Captureボタンまた

は[スペース]ホットキーを押し、名前を付ける (また

は自動的に割り当てられた名前をそのまま使う )と、デー

タストレージエリアに新しいデータスロットが追加され

ます。キャプチャーしたデータに関する情報を見たり、表示パラメーターを操

作するときは、Infoボタンをクリックして Trace infoダイアログボックスを開

きます。あるいはデータスロット上にマウスカーソルを置くと、そのスロット

にキャプチャーされたデータの基本情報を表示するツールチップが開きます。

データスロットはドラッグ &ドロップで並べ替えることができ、Moreボタン

をクリックして New Folderを選択するとフォルダを作ることもできます。

 複数のライブ測定を行っているとき、Capture Allボタンをクリックすると

すべてのアクティブな測定を同時にキャプチャーすることができます。キャプ

チャーされたデータは、データスロットに新しく追加されたデータフォルダにま

とめて記憶されます。

 保存されたデータトレスの平均を取るときは、Moreボタンから Trace Average

ダイアログを開きます。これで次のスロットに平均トレスが記憶されます。

トレスの平均機能では同じ FFT測定設定で保存されたトレスだけが平均化

されます。

インパルス応答測定 

 インパルス応答モードはシステムや環境の音響特性を測定して調査するための、強力で直観的なツールセットを提供

するよう設計されています。Smaart v7のインパルス応答モードは、AcousticToolsソフトウェアから多くの機能を取

り入れたため、旧バージョンよりも拡張されています(そして今後も拡張し続けます)。

 このモードではまた、標準的な .wavまたは .aiff(Mac)音声ファイル形式に保存された以前のインパルス応答測定(ま

たはほかの時間領域情報)を分析することもできます。

図 36:データストレージエリア

図 37:Data InfoダイアログとControlダイアログ

図 38:Trace Averageダイアログ

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インパルス応答モードの設定

 このモードでは、設定された中から任意の特性測定を選び、測定パラメーター(主には FFTサイズ /時定数)を設定し、

Startボタンをクリックしてデータを取得すれば、インパルス応答を測定することができます。あるいは Fileメニュー

から保存されたファイルを選んで開くこともできます。

 キャプチャーまたは開いたインパルス応答測定でも、分析するために下記の表示ツールを使うことができます。

 インパルス応答モードの GUIでいちばん上にあるのは、インパルス応答全体を表示するリニアビューです。このナ

ビゲーターウインドウは、下のデータウインドウでズーム表示する時間領域を選ぶために使います。リアルタイムモー

ドと同じように、ズームウインドウにクリック &ドラッグしたり、データ軸をクリックしてズームを解除してください。

インパルス応答を測定するとき重要なことは、十分な強度のある基準信号を使うこと(探している信号を測

定結果にはっきり見えるようにするため)、時定数を(反射の減衰を含めて)測定する全体的なシステム特

性の少なくとも 5倍になるよう長く設定することです。

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インパルス応答を測定するときは

設定されている特性測定を選択する

信号レベルを調整する

そして Startボタンをクリックする

FFTサイズと TC(時定数)を設定する

このウインドウで下のメインプロットで拡大表示する範囲を選択

このメインプロットウインドウではインパルス応答

測定のリニア(拡大表示)ビューが表示される

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Log / Lin / ETCの表示

下側のウインドウは拡大表示用で測定の全体あるいは一部を

さまざまな方法で表示することができる

拡大表示ウインドウは標準の

シングルウインドウ、デュアルウインドウボタン

で数を選択することができる

各測定ビューはドロップダウン表示選択メニュー

で切り替えることができる

デュアルウインドウ表示を選択した状態

このウインドウでは 1/24 octで平滑化された

周波数領域ビューを選択

周波数領域の表示

対数スケールのインパルス応答を表示したときの様子

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インパルス応答モードのスペクトログラフ

このウインドウはスペクトログラフ表示を選択している

左の軸にはスペクトログラフ表示のための

ダイナミックレンジコントロールが現れる

インパルス応答表示と

スペクトルグラフ測定

は、Optionsダイアグラ

ムの Impulse Response

タブで設定する

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付録

ホットキー(アクセラレータキー)一覧

測定コントロール

[G] シグナルジェネレーターの On/Off

[O] 選択した測定の On/Off

[Ctrl/Cmd] + [O] すべてを Onにする(選択したタイプの全ライブ測定を開始する)

[Ctrl/Cmd] + [Alt] +[O] すべてを Offにする(選択したタイプの全ライブ測定を停止する)

[V] 再平均化する

ディレイコントロール

[D] ディレイトラッキング(選択された伝達関数測定のディレイトラッキング On/Off)

[Ctrl/Cmd] + [D] すべてのディレイトラッキングを開始(すべてのアクティブな伝達関数測定に適用)

[L] ディレイ検出(選択された伝達関数測定)

[Ctrl/Cmd] + [L] すべてのディレイを検出(アクティブな伝達関数測定すべてに適用)

[,<] ディレイを伸ばす(選択された伝達関数測定)

[.>] ディレイを短くする(選択された伝達関数測定)

データストレージとファイルの操作

[Space] トレスをキャプチャーする(選択したグラフで最前面にあるトレスをキャプチャー)

[Shift] + [スペース ] すべてをキャプチャー (選択したグラフでアクティブになっている測定を新しいフォルダ

オブジェクトにキャプチャーする )

[Ctrl/Cmd] + [Shift]

+ [スペース ]

再キャプチャー (選択したグラフの前面にあるトレスをキャプチャーし選択したスロット

の内容を上書きする )

[Cmd/Ctrl] + [Shift] + [H] キャプチャーされた全データトレスを非表示にする

[Cmd/Ctrl] + [L] リファレンスファイル ( .ref, .srf, .trf) からデータを読み込む

[Ctrl/Cmd] +[S] ファイルに保存(動作モードに応じて .wavまたは .srf/trf)

[Del] 選択したストレージスロットをクリアする

[Ctrl/Cmd] + [Shift] + [Del] 選択したストレージスロットをすべて削除する

[Ctrl/Cmd] + [C] ASCIIにコピーする (選択した静的トレスを ASCIIテキスト形式としてOSのクリップボー

ドにコピーする )

表示コントロール

[C] コヒーレンスとレスの表示 /非表示切り替え (伝達関数のみ )

[I] インパルス応答モード

[R] リアルタイムモード

[S] スペクトラム測定

[T] 伝達関数測定

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[Ctrl/Cmd] + [I] ライブ IR(表示 /非表示)

[M]トレスを移動 (ペインへのグラフ割当を変更 ) する (複数の同種グラフを表示しているとき、

選択したグラフの最前面のトレスに適用 )

[Y] Y軸のオフセットを解除(選択したもの)

[Ctrl/Cmd] + [Y] Y軸をオフセット(すべて)

[Z] 重なり順を切り替え(前へ)

[Shift] + [Z] 重なり順を切り替え(後ろへ)

[+] Y軸を拡大表示

[-] Y軸を縮小表示

[Ctrl/Cmd] + [+] X軸と Y軸を拡大表示

[Ctrl/Cmd] + [-] X軸と Y軸を縮小表示

[Ctrl/Cmd] + [Alt] + [+] X軸を拡大表示

[Ctrl/Cmd] + [Alt] + [-] X軸を縮小表示

[↑ ] 上へスクロール、または折り返しあり位相表示を回転

[↓ ] 下へスクロール

[→ ] 左へパン

[← ] 右へパン

[Ctrl/Cmd] + [↑ ] 前面のトレスを上へ移動 (選択したグラフの前面にあるトレスを 1dB上げる )

[Ctrl/Cmd] + [↓ ] 前面のトレスを下へ移動 (選択したグラフの前面にあるトレスを 1dB下げる )

 Smaartのホットキーの完全な最新リストは、ヘルプファイルをご参照ください。

[Ctrl/Cmd]は Macでは[Cmd]キー、Windowsでは [Ctrl]キーです。Windowsの Altキーは、Optionキーに割り当て

られます。

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自己ヘルプ:回答のありか

 最後に、皆さんはエンジニアやオペレーターとして、ご自身のある用途における質問に答える責任があります。この

プロセスをお手伝いするために、Rational Acousticsは以下の情報を提供します。

1. ソフトウェアのヘルプファイルをお使いください。Smaartの機能と特徴に関する役に立つ情報がたくさん

あり、検索もしやすくなっています。

2. RationalAcoustics.comの Smaartユーザーフォーラムをご利用ください。(ただし英語のみです)

3. Smaartトレーニングセッションもあります。

4. 以前発行された Smaartと SmaartLiveのマニュアルや技術資料をご覧ください (http://www.rationalacoustics.

com/pages/New_Documentarium)。技術資料の一部は日本語でもご用意しています。(www.otk.co.jp)

5. 本書巻末に紹介した推奨文献をお読みください。

6. 電子メールで Rational Acousticsにご連絡ください。(音響特機でもご質問を承っています。)

推奨参考文献

D. Davis, C. Davis: Sound System Engineering, 2nd edition. Carmel, IN: SAMS. 1994.

M. Mehta, J. Johnson, C. Rocafort: Architectural Acoustics: Principles and Design. Upper Saddle River, NJ:

Prentice Hall. 1999.

American National Standard: Specification for Sound Level Meters, ANSI S1.4‐ 1983. New York, NY: Acoustical

Society of America. 1983.

R. Cabot, B. Hofer, R. Metzler: Standard Handbook of Video and Television Engineering: Chapter 13.3: “Nonlinear

Audio Distortion”, 4th edition. McGraw‐ Hill Professional. 2003.

OSHA Standard: Occupational Noise Exposure, OSHA 1910.95. Washington, DC: Occupational Safety & Health

Administration. 1996.

Criteria for a Recommended Standard Occupational Noise Exposure, Revised Criteria 1996, DHHS (NIOSH)

Publication No. 96. Atlanta, GA: National Institute for Occupational Safety & Health. 1996.

Motion Pictures B Chain Electroacoustic Response Dubbing Theaters, Review Rooms and Indoor Theaters,

SMPTE 202M‐ 1998. White Plains, NY: Society of Motion Picture and Television Engineers. 1998.

FFTベースの測定についてさらに興味をお持ちの方には、下記のテキストが有用でしょう。

A. Oppenheim, A. Willsky, S. Nawab: Signals and Systems, 2nd edition. Upper Saddle River, NJ: Prentice Hall

Inc. 1997.

A. Oppenheim, R. Schafer, J. Buck: Discrete Time Signal Processing, 2nd edition. Upper Saddle River, NJ:

Prentice Hall Inc. 1999.

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Smaartに関するお問い合わせは [email protected] までどうぞ。

2011.5.本書の無断複製、転載はお断りいたします。