1 SketchUpとComicStudioで 3D下絵を使ってみよう
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SketchUpとComicStudioで
3D下絵を使ってみよう
はじめに この解説について背景等を描くのにたくさんのアタリ線を引いたり、構図の検討に手間に感じることは少なくないと思います
また、3Dの画像を使おうと思ってソフトを触ってみたものの機能を覚えるのが大変だったり、重い通りの画ができなかったりで挫折した人も多いのではないでしょうか
では アタリとして3Dを使うのはいかがでしょうか?アタリとしてなら簡単な箱や基準となる線さえ作れればいいので複雑な機能を覚える必要がないのではないでしょうか
使用ソフトについてこの解説で Google SketchUpとComicStudio/illustStudioを使います
SketchUpはネット検索のGoogleが無償配布している3Dソフトです建築系に機能を絞った構成で比較的覚えやすいかと思いますhttp://sketchup.google.com/
ComicStudio/illustStudioは株式会社セルシスが販売している漫画作画やイラストを描くソフトです ComicStudioのPro,EXそしてilluststudioには3Dモデルデータを読み込んで下絵として利用できます
また 両ソフトの連携をしやすくするためにGoogle SketchUp用のプラグイン export_CSDを作成しましたSketchUp上のカメラや線等の3D表示をそのまま ComicStudioで再現することを目標に開発しました どうぞご利用くださいhttp://yukimi.moemoe.gr.jp/2
プラグインの使い方http://yukimi.moemoe.gr.jp/で配布しているファイルをダウンロードしWindows の場合:C:/Program Files/Google/Google SketchUp 7/PluginsMacOSXの場合:起動ドライブの/ライブラリ/Application Support/Google SketchUp 7/SketchUp/Pluginsにコピーして SketchUpを再起動すれば『Plugins』メニューに『ComicStudioデータ書き出し』が追加されます
メニューを実行するとファイル保存のダイアログが表示されるので適当な名前をつけて保存してください今のところWindows上ではファイルパスに日本語を含む場合うまく保存できないようです ご注意ください。ComicSturioでファイル>読み込み>3Dで先ほど保存した拡張子 CSDのファイルを開いてください
SketchUpの基本ツールSketchUpに用意されてるツールの基本的なものを紹介しておきます1.選択2.長方形 (ドラッグして長方形を描く)3.線 (クリックした点の間に線を引く)4.円 (ドラッグの開始点を中心に円を描く)5.円弧(3点クリックで 始点 終了点 曲線の曲がり具合を設定)6.ポリゴン(ドラッグの開始点を中心にする多角形を作成 ツールを選んだ時に数字を入力すると 角の数を指定できます)7.移動/コピー(選択形状をドラッグで移動します windwsならCtrl Macならoptionキーを押すとコピーモードになります)8.プッシュ/プル(選択した面を押し出して立体化します)9.回転(選択形状を回転します 最初のクリックで回転の中心 次のクリックで基準を指定)10.オービット(画面の中心を軸にカメラ位置を回転)11.パン表示(カメラ位置を画面と平行移動)
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選択ツールはマウスの動かし方によって動作が違ってきます右方向にドラッグすると四角の枠内に完全に入った形状が選択されます
逆に 左方向にドラッグすると枠内に一部分でも入った形状は全て選択されます(背面で見えてない形状も含む)
またダブルクリックすると形状と隣り合ってる面や線がトリプルクリックで一体となっている形状全てを選択できます
また マウスの中ボタン(ホイールボタン)を使うとオービットやパン表示ツールを使わなくても カメラの位置を移動できます中ボタンドラッグでカメラ回転 Shiftキーを押しながら中ボタンドラッグで平行移動
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中ボタンドラッグ Shift+中ボタンドラッグ
作画の流れ私の拙い作画で大体の流れを例示してみます
今回は写真のようなシーンを描いてみることにしました慣れてる方でも面倒に感じるたりするのでないでしょうか?
斜めの屋根
大きさの違う窓
等間隔の柱
階段
まず3Dで形状を作る前に大体の基準となるパーツのサイズをラフを書いて決めておくといいでしょう3Dは基準となるものを作っておかないと迷子になってしまいます
構図の要素になりそうな箱型をいくつか配置して構図を決定します
SketchUpの立体作成は長方形ツール等で平面を作って プッシュ/プルツールで押し出して立体にする といった操作が基本になります
形状を作成した時に数値を入力すると 形状の作成するサイズ等を指定できます例えば長方形を作った時に 2,2 ENTERとキー入力すると2m×2mの平面になります
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SketchUpの形状作成は地面や形状の表面などをソフトが判別してくれます そして面や線が重なる位置に作られたものは 合体した形状として作られます目的の形を作り終わった後は『グループ化』を使って 形状をひとまとめにするといいでしょう。
グループ化した形状は選択ツールのクリック選択で全体が選択でき移動等もやりやすくなります。
グループ編集
おおまかな形状の配置が終わったらカメラを移動させて構図を決めます表示>アニメーション>シーンを追加 でその時点のカメラ位置を記憶できます
記憶されたシーンは画面上部にタブとして保存され タブをクリックすることで保存したカメラ位置に戻ることができます
作業しやすいカメラ位置で作業しながら 記憶したシーンに戻って見た目を確認するといった感じで細部を調整するといいでしょう
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3D形状の作成が終わったら プラグインで書き出してCSDのファイルをComicStudioに読み込みます。
CSD書き出しプラグインは 線も形状として読み込むようにしてあります3Dソフト上で無理に正確な形状を作ろうとせずに 基準線だけ作っておいて後は手書きで など 効率化のバランスをは考えないといけないかもしれません
基準線さえあれば 消失点を求めたりパース定規を設定するのも楽ですね
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