レスキューロボットコンテスト 升谷 保博 (大阪大学) 1999年5月21日 システム制御情報学会研究発表講演会
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はじめにこの発表の内容は「ロボットと教育研究会」
(大阪科学技術センター,委員長: 浅田稔)の有志
田所諭(神戸大)大須賀公一(京都大)永井清(立命館大)升谷保博(大阪大)金田忠裕(大阪府高専)関森大介(明石高専)
がまとめた「レスキューロボットコンテストの提案」
に基づいている.
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阪神淡路大震災→ 救命救助システムの立ち遅れが露呈
研究者/技術者にできることは何か? レスキューロボット機器研究会
災害が同時多発することを考えると,自治会や各家庭に機材を配備すべき
レスキューに対する普段の心構えが大切
「喉元過ぎれば熱さ忘れる」
「啓蒙」活動も重要
背景: レスキューの側面
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背景: レスキューの側面 (2)
類似例: ライフセービング選手権
水難救助の技術向上と啓蒙・広報
レスキューロボットRC分科会「創造性教育を通したレスキュー技術発展の可能性」
(代表者:大阪大学宮崎文夫)
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背景: 教育・ロボコンの側面
ロボットコンテストが依然盛ん.
マンネリとの意見もあるが,定着・浸透と考えるべき.
ホビーとしてのロボット
20年前のマイコンと同じ状況か?
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提案
災害救助に対する啓蒙のために「レスキューロボットコンテスト」を実現しよう.
科学技術庁が中心に2001年に計画している「ロボット創造国際競技大会」(旧称: ロボリンピック)の新規競技として採用されることを狙っている.
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レスキューロボコンの意義(3) 教育
社会性のある動機付け
問題設定を主催者が与えるのではなく,参加者自身が考える余地がある.
科学技術
若者の柔軟な発想で新しい機器の発明の可能性
新しい研究分野,新しい産業を生む可能性
社会
啓蒙
技術的な成果の還元の可能性
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検討すべき課題
不謹慎・不愉快であるという批判を受けるかも.
趣旨を明確に提示する必要がある.
安易な考えでレスキューを取り上げたのではない.
困難な課題を実現するために,継続性と求心力を保つ一つの手段としてコンテストという形を取っている.
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検討すべき課題 (2) リアリティ.
リアルすぎると不快な思いをする人がいるかもしれない.
単純化しすぎると迫力がない.
難易度
問題のモデル化のレベルによってさまざまに変えることができる.しかし,そのさじ加減は難しい.
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検討すべき課題 (3) 評価
競技とともにプレゼンテーションを課しそれも評価の対象にすることを提案する.
参加者支援
リアリティや技術開発を重視したテーマにした場合は,従来のロボットコンテストと比べて技術的,経済的に難しいかもしれない.
• 標準部品 (モータ,コントローラ,無線,カメラなど)• キット
• 講習会
• 完成品を使う部門
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競技者は人形が出す信号(音,熱,色,臭い,CO2)をもとに,瓦礫外部から様々なセンサ,ロボットなどを用いて,人形の座標を同定する.
人形には圧力センサや加速度センサが装着されており人形へのダメージの少なさも評価の対象となる.
動きが少ないので,演出の工夫が必要.
探索のコンテスト (2)
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掘削・運搬のコンテスト (2) 家屋倒壊現場を模擬した競技フィールドの瓦礫の中に被災者を模擬した人形を埋める.
人形の位置は正確に与えられているとする.
機械やロボットによって人形を掘り出し,フィールド内に設けられた所定の位置に人形を運搬する.
操作できる人は2人.
遠隔操縦式あるいは自律式.
台数,寸法,重量,パワーなどに制約を設けない.
人形へのダメージの少なさも評価の対象とする(間接的な制約).
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統合型コンテスト (2) 街の災害現場を模擬した競技フィールドの瓦礫の中に被災者を模擬した人形を埋めておく.
競技者は遠隔操縦式の機械やロボットを用いて,現場へ接近し,人形が埋まっている位置を同定する.さらに人形を瓦礫の中から掘り出し, フィールドに設けられた位置に人形を運搬する.