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Sangyo2008 13

Nov 02, 2014

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Akao Koichi

 
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情報産業・職業論⑬情報産業・職業論⑬

第 3 部 情報産業の現在第 2 回情報産業と“標準”

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パソコンパソコン OSOS のシェアのシェア

米 Net Applications 社調べ。 2008 年 2 月発表

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WindowsWindows の独占禁止の独占禁止 ??

•米商務省, EU ,公正取引委員会などが「独占」の疑いで調査を実施

•OS とブラウザなどの「抱き合わせ」などで是正命令を下したが, Windows のシェアそのものには言及せず

•Windows のシェアは正当な競争の結果として,得られたものだから

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ほぼ独占のメリットほぼ独占のメリット

•パソコンを購入する際, OS の差異を気にしなくてもよい ( パソコンが「家電」的になるほど,初心者の敷居の低さを考慮すると重要 )

•ファイルの交換,知識の共有,インストラクションなどで,多くの人と「資産」を共有できる

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ほぼ独占のデメリットほぼ独占のデメリット

•OS のアップデートなどで,供給元企業の思惑に振り回されてしまう

•Office ソフト,ブラウザ,日本語入力メソッドなど,パソコンの使い方まで, OS メーカーに支配されてしまう

•競争商品が市場から排除されがち

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““ 標準化”とは標準化”とは

•情報 ( 通信 ) 技術において,ユーザーの利害を決定づける要素

•標準化がなされず,市場に複数の規格が乱立すると,不利益を被るユーザーが出る危険性

•標準化されると,安心感は得られるが,競争が阻害される危険性も

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次世代次世代 DVDDVD の規格競争の規格競争

• 規格競争して誰が困るのか ?( 誰が何のために次世代 DVD を必要としているのか ?)

• 録画可能機 ( レコーダー ) と再生専用機 ( プレーヤー ) ,デジタル家電分野とパソコン周辺機器,北米・日本・欧州など競争の局面は多面的

• DVD の正統な進化形としての「 HD DVD 」と独自技術の「 Blu-ray Disc 」

• 市場の初速で「 HD DVD 」が敗退。 「 Blu-ray Disc 」の勝利が早々に確定

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家庭用ビデオカセットレコー家庭用ビデオカセットレコーダーダー

• '75/5 ソニー, βマックス初号機「 SL-3300 」発売(22万 9800円 )

• '76/10 日本ビクター, VHS ビデオカセッター「 HR-3300 」発売 (25万6000円 )

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規格競争の分水嶺規格競争の分水嶺

• 1984 年ごろ•主要ビデオメーカー ( 映画会社 ) はβ と VHS を併売。ただし“非合法ビデオ”は VHS のみ• β は高画質がウリだが, VHS は「 3倍モー

ドで 6 時間」を実現 (β は標準で 1 時間 )• 初期採用者 ( マニア ) は β を支持したが,追随者 ( フォロワー,一般人 ) は VHS に雪崩を打つ

1984 年の新聞広告

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イノベーターイノベーターイノベーター:革新的採用者アーリーアダプター:初期採用者アーリーマジョリティ:初期多数採用者 (*)レイトマジョリティ:後期多数採用者 (*)(*二つを「フォロワー」 )ラガード:採用遅滞者

ロジャース『普及学―技術革新の普及過程』でのモデル

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メディアの普及メディアの普及

• 90%超のメディア:テレビ,携帯電話– いわば「基幹的・普遍的メディア」– ラガードや意図的不保持者も常に存在する

• 50%前後のメディア :DVD ,ゲームなど– 選択的メディア。後期多数採用者は慎重

• 10%程度のメディア: CSテレビなど– 嗜好的メディア。せいぜい初期採用者止まり– 多数採用者 ( フォロワー ) に不可欠なものでは

ない

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初期採用者の矜持初期採用者の矜持• 自らが規格競争の消費者側の「当事者」とし

て参加していること自体を楽しんでいる• 規格戦争に“勝利”するために,クチコミなど

で周りに追随者を作るように努力するが• もし規格戦争に敗れたとしても,自己責任に帰する

• 「自分に“見る目”がなかっただけさ ヽ (´ ・` ) ノ フッ・・・ ( 笑 ) 」

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ネットワークの外部性ネットワークの外部性•ネットワーク型サービスにおいて,同じ規

格を採用する加入者数が増えれば増えるほど, 1利用者の便益が増加する現象– 交換,貸与,助言などの便益

• 利用者が増えることによって、ますます利用者が増える正のフィードバックが発生する

•最終的にはバンドワゴン効果 ( 勝馬に乗る ) で,一つの規格が地滑り的に定着– Winner takes all の収穫逓増の法則に

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クリティカル・マスクリティカル・マス

•ネットワークの外部性などが作用し,加入者数の少ない間はなかなか普及しないが,加入者数がある閾値を超えると一気に普及するといった現象がある。その閾値をクリティカル・マスと呼ぶ

• クリティカル・マスを超えた場合,そのサービスや規格が「デファクト・スタンダード」 ( 事実上の標準 ) になる可能性が大きく開ける

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標準化の過程標準化の過程

• デジュア (de jure) スタンダード– リリース以前に標準化作業。 ISO(国際標準

化機構 ) による公告• デファクト (de facto) スタンダード

– 事実上の標準。リリース後の競争の結果として,特定の規格が勝者となる

• 家電は一般的にデジュアだが,コンピュータとの融合によりデファクト重視の傾向も

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CDCD ・・ LD/DVD/LD/DVD/ 次世代次世代DVDDVD

• CD ・ LD→デファクト。さまざまな規格が登場したすえに勝者に。 LD は 1 対 13からの逆転

• DVD→デジュア。標準化組織 (DVDフォーラム ) による規格策定

• 次世代 DVD→デファクト• 「消費者の混乱を回避するため,規格統一を」の意見は正しいのか ?

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デジュアの帝国デジュアの帝国――放送放送

•放送―予め放送規格を ( ほぼ ) 世界的に統一。どんな制度で放送を実施するかは国による

• デジタル放送も国際的な規格が先にありきだが,伝送規格は 5規格 (DVB 欧州規格, ATSC 北米規格, ISDB 日

本方式,中国方式… )• 日本方式を採用したのはブラジルのみ

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デジュアの欠点デジュアの欠点• 規格策定・特許権料の分配方法をめぐる関係者

の合意形成に時間を要する• 合意形成中・規格策定後の技術革新を規格に反映しづらい

• 独自拡張がしづらく,製品・サービスが似たようなものになるので,競争が促進しづらい( 製品・サービスの価格が高止まりになる傾向 )→コンピュータの世界はこれらを嫌いデファク

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むすんでひらいてむすんでひらいて

•むすんで (closing)― 独占・閉鎖・ビジネス•ひらいて (opening)― 共有・開放・公共性

•①開放→閉鎖→再開放パターン•②開放→閉鎖 ( ブラックボックス化 ) パ

ターン•③閉鎖→開放パターン  ( パブリックドメ

イン )

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UNIXUNIX

• AT&T Bell Lab. が開発• FreeBSD (Berkeley Software Distribution)• Bell Lab. が BSD の機能を取り込み, SystemⅤ系 UNIX を開発→ Unix System Lab. 社に移管し,ソースコード公開を制限

• DEC , HP , IBM がオープン・ソフトウェア・ファウンデーション (OSF) を設立して対抗

• UNIX クローン ( 外観は同じで中身は別物 ) としての Linux

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BASICBASIC

• FORTRAN派生言語。 64 年にダートマス大学で開発された簡易言語→パブリックドメイン化

• ステートメント・関数など 27 語→ PC-8001 で 143 語・ PC-8801 で 294 語と拡張

•各社各様に独自の拡張命令を追加し,方言だらけの言語に。基本的命令以外での移植性は薄かった ( とくに画像表示関係 )

• 8ビット機時代は ROM BASIC が主流

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マイコンキット「マイコンキット「 AltairAltair 」」

• 1974 年,インテル「 8080 」 MPU開発

• 1975 年, MITS 社がマイコンキット「 Altair 」

• 256バイト RAM ,トグルスイッチで入力

•内部のバス仕様を公開

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マイクロソフトマイクロソフト BASICBASIC

• BASIC を, 8080CPU を搭載した Altair(MITS社 ) 向けに書き直す (Micro-soft BASIC) 。 Windows時代も Visual Basic を引き継ぐ

• OS でも, Seattle Computer Products 社がCP/M(8080 用 ) を改良した 86-DOS の権利を購入し, IBM PC向けに PC-DOS(後に MS-DOS) を供給

• NEC にも PC-9801 シリーズで MS-DOS の開発・供給契約し,独壇場に

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IBM PC 5010IBM PC 5010

• 1981 年発売

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IBM PC ATIBM PC AT

• IBM PC AT アーキテクチャ ('83 年 ) 。仕様のすべてを公開。互換機メーカー,周辺機器メーカーがライセンス無料で利用可能

•閉鎖的な Macintosh(OS+ハード ) ,独自MPU にこだわる日本メーカー (NEC:80286採用機発売は 86 年 ) に比べてアドバンテージ

• DOS/V 規格出るも,日本では Windows95以降にハードが統一 ( 一方で,価格競争の遠因 )

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TRONTRON プロジェクトプロジェクト

• 日本電子工業振興会。 CPU から OS までカバー。 The Real-time Operating-system Nucleus 。 TRON協議会でI , C ,B,Mの 4種類

• 1989 年:教育用コンピュータに採用決定• 米通商代表部 (USTR) がスーパー 301条 ( 経済制裁発動条項 ) の対象品目への追加の意向

•教育用コンピュータへの採用取り消し• 日本独自の OS に対する牽制

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BTRONBTRON 「超漢字」「超漢字」• 正式名称 : B-right/V• パーソナルメディア

社• 推定利用人口 :5万人• ファイルの実体 ( 実身 ) とオブジェクト( 化身 ) の概念

• 13万字が扱える独自の漢字コード

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MSXMSX

• マイクロソフトとアスキーが 83 年に提唱。松下電器産業・ソニーなど家電メーカーも賛同した 8ビット家庭用パソコンの世界標準規格

•孫正義は一時はソード・デジタルリサーチなどと組み,別規格推進を唱えるも,最後は合流

• NEC の PC-9801(16 ビット機 ) などが市場牽引• 家庭用では,任天堂「ファミリーコンピュー

タ」が席巻 (Basic も動かせた )

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異機種間通信方法異機種間通信方法

• OSI(open system interconnection) が80 年代末,専門家集団の協議を経て,プロトコルが ISO(国際標準化機構 ) で策定され,デジュア・スタンダードに

• 電子メールも X.400 MHS(Message Handling System) として標準化。日本では JUST PC 規格。ノベルもNetWare(SPX/IPX) で MHS をサポート

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OSIOSI参照モデル参照モデル

• より緩やかな規格•汎用性高い規格•工夫の余地ある規格

TCP/IP が事実上の標準に

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TCP/IPTCP/IP の標準化の標準化

• RFC(Request for Comments:コメントのお願い ) =誰もが参加できる開かれた意思決定。スピーディ。技術の急速な進歩に即応できる。知的所有権も共有( オープンソースの原点 )

• ( 比較 )ISO の標準化作業→選出された限られた専門家集団による閉ざされた意思決定。所属企業・団体の思惑もからみ,遅延がちで足して二で割る標準化

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特許権をめぐる軋轢特許権をめぐる軋轢• GIF―Unisys 社が「 LZW( Lempel Ziv

Wilch)圧縮法」の特許権を主張• JPEG―Forgent Networks 社が同様の主張。 Compression Labs から継承 (ISO国際規格 )

• MPEG-3 Audio―独フラウンホーファー研究所 (Fraunhofer IIS-A) などが 99 年 9 月からライセンス料徴収 ( 同 )

• MPEG-4―同 LA が 2002 年 9月から徴収。無料サービスや少数配布からは徴収せず ( 同 )

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標準化戦略の転換標準化戦略の転換•国家主導・企業 ( コンソシアム ) 主導の「専門家合議型」標準化作業の終焉 ?

• 1社による猪突猛進型 (MS スタイル )→伽藍• オープンソース型→バザール• 何らかのランドマーク〈伽藍〉が存在しない

ところにバザール〈市〉は成立しない•バザールが繁栄しないと伽藍の力も削がれる