機械工学は、日本のあらゆる製造技術分野を 支えています。また、航空宇宙分野での課題 解決にも貢献しており、機械などに用いられ る工業素材の力学特性の精査、医療・福祉の 技術的対応、地球規模の環境問題対策など、 機械工学の果たすべき役割は増大する一方で す。次世代の機械技術者には、従来の学問体 系に加えて、情報、電気・電子、経営システ ムなどのさらなる工学知識とスキルが求めら れています。 本専修は 6 コースを設定し、次世代の創造 的エンジニアを育成します。目指すのは、さ まざまな分野で技術課題の解決にリーダーシ ップを発揮できる専門技術者、研究者です。 そのため、自然科学の知識を基礎に、機械工 学の専門分野を構成する力学諸分野の知識を 習得します。問題発見・解決力と、総合的に 現象を解明する力、「ものづくり」に必要な コミュニケーション力も養成します。 本専修は、航空のメカニズムを学ぶだけでは なく、実際に航空機を操縦し、大空を翔るこ とで、専門的、実学的に工学のカリキュラム を履修することができ、卒業時には理工学士 の学位を取得することができます。 大学 4 年間で自家用操縦士および事業用操 縦士免許の取得を目指していますが、エアラ インパイロットになるという道だけではなく、 機械工学の高度な知識と「自家用操縦士」免 許を活かし、航空業界や製造業で「飛べるエ ンジニア」として学んだ知識を生かす道も開 けるのが特徴です。 エアラインパイロットを養成するだけではな く、機械+航空の素養を持ち、航空産業エン ジニアとして航空業界を支える「飛べるエン ジニア」を育成するために、堅実で多様なカ リキュラムを組んでいます。 本専修では、 3 年次までパイロット・エン ジニア共通のカリキュラムで学び、 3 年次 の必修科目の中で自家用操縦士のライセンス 取得を目指します。4年次進級時にパイロッ トを目指すか、エンジニアとして卒業するか を選択します。 1 年次は、ライセンス取得に不可欠な「航 空無線」「航空管制」など航空関連科目を受 講しながら、エンジニアの基礎となる力学を はじめとした入門科目を学びます。 2 年次は、航空法、航空力学、航法、航空 気象など専門的かつ実学的な分野を学びなが ら、熱、流れ、機械、材料といった、主要な 力学を学びながら航空機に関わる技術を身に 付けます。 3 年次は、 2 年次までに学んだ、航空力学、 航法、航空気象などの知識の理解を深めなが ら、最先端の航空機素材であるカーボンファ イバーの材料強度や、流体力学など、専門的 なカリキュラムを学びます。また、必修科目 で自家用操縦士のライセンス取得を目指しま す。 4 年次は、パイロットを目指す学生は事業 用操縦士課程に進み、飛べるエンジニアとし て卒業する学生は卒業研究を行います。 ①ヒューマンロボティクスコース 現在、ロボットは産業界だけでなく家庭にも 導入されつつあります。特に介護補助のため の福祉ロボットに対する需要は、計り知れま せん。次世代のロボットを開発し、発展させ る知識と技術を身に付けます。 ②マテリアルプロセッシングコース 製造加工技術の革新は、機械工学の大きなテ ーマのひとつです。本コースでは、新素材の 開発とその加工法を学ぶのはもちろん、地球 環境にも配慮しながら、先端的加工技術開発 に貢献できる感性豊かな人材を育成します。 ③環境・エネルギーコース 環境と調和した省エネ技術、エネルギー変換 技術、燃焼生成物の低減、再生可能なエネル ギーの有効利用など、環境に優しい資源循環 型エネルギー社会を構築するための技術開発 をリードする人材を育成します。 ④航空宇宙コース 十分な耐久性、安全性、信頼性が要求される 航空機および宇宙往還機などは、機械工学の 各分野の先端技術が結集されています。本コ ースでは、こうした航空宇宙工学関連分野に 貢献できる人材を育成します。 ⑤材料物性・強度コース 機械や構造物は大型化、高性能化しており、 これを構成する機械部品に対する高強度化、 軽量化、高機能化の要求は高まる一方です。 こうしたニーズに応える信頼性の高い機械を 設計できる人材を育成します。 ⑥デジタルエンジニアリングコース CAD/CAM/CAEなどのソリューション技 術、PDM/LCM/CEなどのマネジメント 技術は、機械技術者にとって不可欠です。 「ものづくり」に大きく貢献する、デジタル エンジニアリング関連の知識を習得します。 機械工学科 Department of Mechanical Engineering 次世代の機械技術者とパイロット、航空産業エンジニアを育成 機械工学専修 航空操縦学専修 学びの特色 学びの特色 飛行実習 Class Pick Up 専門領域を超えて学べる 横断的なカリキュラム 航空機を操縦し、 専門的・実践的に学ぶ 創造力を備えたエンジニアを 育成する 6 コース 日本の空で、日本人による パイロット教育を実現 「ものづくり」に必要な コミュニケーション力を育成 航空業界を支える 「飛べるエンジニア」を育成 ※カリキュラムおよび科目名は、変更になる場合があります。 1 年次必修科目「フレッシュマンズフ ライト」では、初めて操縦桿を握り、 5 時間の操縦実習に挑みます。 2 年次必修科目「初等操縦実習Ⅰ」では、 5 時間の操縦実習を通じて、航空力学 など座学で学んだ内容を実体験し、理解 を深めます。 1 年次から操縦実習を実施 3 年次には、自家用操縦士ライセンス 取得を目指して必修科目「初等操縦実習 Ⅱ・Ⅲ」を受講します。約 4 か月、60 時間の操縦実習では、ファースト・ソロ (単独飛行)、ナビゲーション、夜間飛行 など、やや高度な飛行訓練に臨みます。 エアラインパイロットを目指す学生は、 4 年次に約 1 年間事業用操縦士課程、 多発限定変更課程、計器飛行証明課程の 訓練を受講します。事業用操縦士課程、 多発限定変更課程、計器飛行証明課程の 訓練は法政大学飛行訓練センター(航空 従事者指定養成施設)で実施しています。 自家用操縦士課程 事業用操縦士課程 Faculty of Science and Engineering Student ’ s Voice 小川 直哉さん 機械工学科 4 年 山梨県立甲府南高等学校出身 複合材料研究室所属 入学した時には、ロボティクス関連の分野 を学ぼうと考えていました。しかし機械工 学には、熱、制御、流体、材料など多くの 要素があることを知り、なかでも機械の元 になる材料が最も大事な分野だと感じ、現 在は 2 種類の材料を組み合わせた「複合 材料」を専門に研究しています。複合材料 は、強度や特徴を変えられる自由度の高さ が奥深く、とても面白い分野です。卒業研 究は、鳥が航空機に衝突するバードストラ イクによって、エンジンや機体に使用され ている複合材料CFRP(炭素繊維強化プラ スチック)がどのように損傷するかをテー マに取り組んでいます。将来は複合素材を 使った機械の設計に携わりたいと考え、大 学院で研究を続けていきます。 法政大学理工学部は自由に学べる場所です。 講義や研究以外にも、私は国家資格である 高圧ガス製造保安責任者免状取得に取り組 み、合格することができました。幅広い分 野を学んでみようという好奇心を持って入 学してほしいと思っています。 入学後に出合った 複合材料の面白さ。 幅広く学ぼうとする 好奇心が大切です さまざまな産業や社会問題への 活用が期待される機械工学 個性豊かな6コース 「パイロット」と 「飛べるエンジニア」を育成 専門知識を深めながら ライセンス取得を目指す 航空機を支える 機械工学に強いパイロットに 4 3 Hosei University Faculty of Science and Engineering 2017