OpenStack OpenStack 最新動向 最新動向 2016/2 2016/2 日本 日本 OpenStack OpenStack ユーザ会 ユーザ会 吉山あきら 吉山あきら
OpenStack OpenStack 最新動向最新動向2016/22016/2
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目次● OpenStack って何?
● OpenStack って何が良いの?
● OpenStack って何が良くないの?
● OpenStack って誰が作ってるの?
● OpenStack って誰が使っているの?
OpenStack って何?
OpenStackとは
クラウド基盤ソフトウェアを開発するプロジェクトです。– 似ているシステム
● Amazon Web Services (AWS)● Google Compute Engine● Microsoft Azure
– 似ていない点● 上記は「クラウドサービス」● OpenStack は「クラウドサービス基盤ソフトウェア」の
開発プロジェクト
クラウドサービス
そもそもクラウドって何?ざっくり言うと● ネットワーク経由で
遠隔の計算機リソースを● ユーザーが自分自身で
確保・管理する
コンピュータの利用形態です。
更に、一般的なIaaS、PaaS等は
● 外部システムが操作しやすいAPIを持つ
のが特長です。
バッチ等のソフトウェアでシステムの構築や破棄が可能、即ち
「Software-Defined」
なシステムに最適です。
クラウド
ユーザー
Web
API外部システム
旧来のホスティングサービス
VPSユーザー
Web
OpenStack って何が良いの?
プロジェクトがオープンです。● 多数のIT企業やユーザ組織、個人が開発に参加
しています。– 1つの主要開発元企業が開発を主導するプロジェクトでは
ありません。
– 各種プロジェクトリーダーはOpenStackで開発実績のある人なら誰でも立候補でき、現役の開発者全員による選挙で選ばれます。
– 各種資産管理は非営利団体(OpenStack Foundation)がやっています。
プロジェクトがパワフルです。● 開発コミュニティが巨大です。
– 開発者数:128社 1,185人(Libertyリリース)※1
● 開発プロジェクトが多数あります。– サービス基盤:30、ライブラリ:2
– インストーラ:5、OSパッケージ化:2、その他:11
– Big Tent 入りしていないプロジェクトも多数あります。
● 半年に一度、新バージョンをリリースしています。※2
– 最新の安定版は Liberty リリースです。
– 現在の開発版は Mitaka リリースです。4/8 頃正式リリース予定です。
※1:http://stackalytics.com/?release=liberty&metric=emails
※2:http://releases.openstack.org/
Big Tent って何?● いわゆる「公式プロジェクト」的な意味合い
– 以前は「Integrated(統合)」「Incubated(育成)」というプロジェクト区分があり、Integratedになるまでのハードルがありました。
– 外部プロジェクトが増え、上記のシステムではプロジェクト管理が難しくなってきました。
➔上記の区分を廃止し、「Big Tent」が生まれました。
● Big Tent の条件
– OpenStackのミッションに合っている事– 他のプロジェクトとの相互運用性がある事– プロジェクト参加者が継続的かつ複数の組織からである事– 4つのOpen(Open Source、Open Community、
Open Design、Open Development)がある事
● 各コンポーネントの完成度は個別に調査が必要– 新しい「プロジェクト ナビゲーター」が参考になります。
OpenStack Foundation 参画組織● プラチナ8社、ゴールド18社、企業スポンサ122社※1
– 総合ITベンダー● IBM, HP Enterprise, DELL, Ericsson, 富士通, 日立, Huawei, NEC, Oracle,
Lenovo,
– 特化型ITベンダー● Intel, Nokia● EMC, NetApp, Nexenta, SolidFire, SanDisk, WD, 他● Cisco, Juniper, Arista, Brocade, A10, F5, PLUMGrid, Midokura, 他● Canonical(Ubuntu), Red Hat, SUSE, Wind River, 他● Aptira, InwinSTACK, Mirantis, EasyStack, CloudBase, SwiftStack, 他● Symantec, Virtuozzo, Vmware, 他
– ネット企業● Rackspace, DreamHost, Yahoo!, NTTコミュニケーションズ, PayPal, GoDaddy,
Google Cloud Platform, 他
– 学術組織● CERN, 他
http://www.openstack.org/foundation/companies/
ソフトウェアがオープンです。● プロジェクトの成果物は100% OSSです。
– Apache ライセンスで企業も使いやすいです。● GNU GPLのような制約がありません。● 自社製品に組み込みやすいです。
– サービス基盤はもちろん、運用系などの周辺機能も全てOSSです。
● 中心機能だけOSS、他は商用というオープンコア戦略ではありません。
– Python というスクリプト言語で開発されています。● クローズソース化に向いていません。
ソフトウェアがスケーラブルです。● 小規模〜大規模システムまで対応します。
– サービス単位で分割されたコンポーネントの集合体で構成されています。
● コンポーネント間は REST API による粗結合です。● 遠隔サイト間でのコンポーネント連携も可能です。
– 各コンポーネントもスケーラブルな分散システムになっています。
● サーバ台数を増やす事で容量や性能を向上しやすいです。(スケールアウト)
➔「スモールスタート」に適しています。
日付はMitakaリリースの例 http://docs.openstack.org/releases/schedules/mitaka.html
OpenStack リリースサイクル(6ヶ月)
OpenStackデザインサミット2015/10/26〜30
開発マイルストーン#1
2015/12/4
開発マイルストーン#2
2016/1/22
開発マイルストーン#3
2016/3/4
リリース候補#1〜#3
2016/3/18〜4/1
安定版リリース2016/4/8
5週間
7週間
5週間
2〜4週間
1週間
3週間
IaaS系 ストレージ系
基盤運用系
フロントエンド系
PaaS系
OpenStack コンポーネント群(Liberty)
ユーザー
Web
オブジェクト
VMテンプレ
自動構築
ネットワーク
認証 計測
ビッグデータ
DBaaS IaaS
物理マシン
ボリューム
コンテナファイルシステム
リソース検索
DNSaaS
鍵管理
メッセージキュー
新規コンポーネント
OpenStack コンポーネント群(Mitaka)
ユーザー
IaaS系
ネットワーク
IaaS
物理マシン
コンテナ
新規コンポーネント
ストレージ系
オブジェクト
VMテンプレ
ボリューム
ファイルシステム
バックアップ
PaaS系
ビッグデータ
DBaaS
DNSaaS
メッセージキュー
メッセージキュー2
ジョブワークフロー
基盤運用系
課金
サービス統制管理正常性
テスト
フロントエンド系
Web
自動構築
ネットワークサービス自動構築
監視
Appカタログ
オートスケーラー
認証 計測リソース検索 鍵管理
OpenStack って何が良くないの?
インストールが難しいです。● OpenStackは多数のコンポーネントで構成されており、設定も
コンポーネント分必要です。● OpenStackは良い自動構築ツール(インストーラ)が長い間
ありませんでした。– Devstack は昔からありましたが、開発環境用です。
– Triple-O は一般受けしませんでした。
➔ ここ1年で改善されてきました。– RDO の packstack は使いやすいです(冗長構成は無理)。
– Puppet, Chef に加え、Ansible で OpenStack を構築する為のプロジェクトが Big Tent 入りしました。
– Docker コンテナで自動的に OpenStack 環境を作るプロジェクトが Big Tent 入りしました。
– Mirantis社製のインストーラがOpenStackの Big Tent 入りしました。
新バージョンの目玉機能がない事があります。
● 半年毎に新バージョンをリリースしている=新機能毎に新バージョンをリリースしている訳ではないので、特に目玉機能がないリリースが存在します。
● 半年間の開発サイクルの3回めの開発マイルストーンに間に合わなかった新機能は先延ばしになります。– 例外が認められる事もあります(FFE)。
● 複数コンポーネントが関係する新機能の投入タイミングがずれる事があり、新機能が整うまでに1年以上かかる事もあります。
コンポーネントによっては開発速度が遅いです。
● オープンな議論で今後の開発の方向性を決めるので、単一企業の開発に比べて開発方針決定が遅いです。
● クラウド基本機能から周辺機能に開発を広げてきたため、PaaS、監視サービス系、運用系等は現状未熟です。
● 各社は自社に関連するコンポーネントを開発するので、関連企業が少ないコンポーネントの開発者が少ない事があります。
● 各コンポーネントの完成度が分かり難かったです。➔改善しました(次頁参照)。
プロジェクトナビゲーター
http://www.openstack.org/software/project-navigator/
機能がイマイチな所があります。● 機能構成がスッキリしていない所があります。
– 増築を続けた旅館のように機能拡張を続けた結果、設計や仕様に一貫性のない箇所が一部あります。
● イマイチな機能を作り直す事が結構あります。– IaaS基盤など、古くからあるコンポーネントほど作り直された箇所は多いです。
– 機能を作り直した結果、古い機能が段階的に廃止される事も結構あります。
– REST API を作り直したけどコミュニティに受け入れられず、廃止した事もあります。
OpenStack Compute (Nova)
OpenStackObject Storage
(Swift)
OpenStack コンポーネント群(当初)
ユーザーオブジェ
クト
VMテンプレ
ネットワーク
認証
IaaS
ボリューム
オブジェクト
認証
IaaS系 ストレージ系
基盤運用系
フロントエンド系
PaaS系
OpenStack コンポーネント群(Liberty)
ユーザー
Web
オブジェクト
VMテンプレ
自動構築
ネットワーク
認証 計測
ビッグデータ
DBaaS IaaS
物理マシン
ボリューム
コンテナファイルシステム
リソース検索
DNSaaS
鍵管理
メッセージキュー
新規コンポーネント
OpenStack って誰が作ってるの?
Liberty での開発貢献度(レビュー数)
http://stackalytics.com/?release=liberty&project_type=openstack&metric=marks
Liberty での開発貢献度(コミット数)
http://stackalytics.com/?release=liberty&project_type=openstack&metric=commits
OpenStack って誰が使ってるの?
主要海外事例● 金融
– Bloomsburg, VISA● 工業
– BMW, インテル
● 学術
– CERN● ネットビジネス
– CIsco(WebEx), eBay, エスクペディア, PayPal,ウォルマート, Yahoo!
● ホスティング
– GoDaddy, Huawei, IBM, Rackspace
● 放送
– コムキャスト, タイムワーナー・ケーブル,
● テレコム
– AT&T, SKテレコム, ドイツテレコム, ベライゾン
http://www.openstack.org/user-stories/
主要国内事例 ※アルファベット順
● 富士通● GMOインターネット
● NEC● NTTコミュニケーションズ
● NTTドコモ
● NTTリゾナント(Goo)● 沖縄オープンラボ● サイバーエージェント● 楽天● Yahoo! Japan
まとめ
OpenStack とは● オープンでパワフルな
クラウド基盤開発プロジェクトです。● オープンでスケーラブルな
クラウド基盤ソフトウェア群です。● 国内外の事例が多数あります。
– 金融、ネットビジネス、ホスティング、放送、テレコム、工業…
● 課題もあります。
➔開発者募集中!
ご清聴ありがとうございました。ご清聴ありがとうございました。
参考● OpenStack
– http://www.openstack.org
● Mitaka リリーススケジュール
– https://wiki.openstack.org/wiki/Mitaka_Release_Schedule
● Stackalytics– http://www.stackalytics.com/
● ロードマップ– http://www.openstack.org/software/roadmap/
● プロジェクト一覧– http://git.openstack.org/cgit/openstack/governance/tree/reference/proje
cts.yaml● プロジェクトチーム
– https://wiki.openstack.org/wiki/Project_Teams
参考(続き)● The OpenStack Blog: OpenStack Technical Committee Update
– http://www.openstack.org/blog/category/technical-committee-updates/
● OpenStack Summit Tokyo 2015
– https://www.openstack.org/summit/tokyo-2015/
● OpenStack Days Tokyo 2015
– http://openstackdays.com/