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九州大学・同大学病院 医学教育学・臨床教育研修センター 新納宏昭、土本晃裕、坂本竜一、林正康、赤司浩一 地域包括医療に邁進する 総合診療医育成 未来医療研究人材養成拠点形成事業 「リサーチマインドを持った総合診療医の養成」 2017年12月16日 第5回未来医療合同公開フォーラム
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地域包括医療に邁進する 総合診療医育成 · 7 5月31日 医療技術の費用対効果(1)概論 福田治久 8 6月7日 医療技術の費用対効果(2)費用の測定

Sep 17, 2019

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九州大学・同大学病院

医学教育学・臨床教育研修センター

新納宏昭、土本晃裕、坂本竜一、林正康、赤司浩一

地域包括医療に邁進する総合診療医育成

未来医療研究人材養成拠点形成事業「リサーチマインドを持った総合診療医の養成」

2017年12月16日 第5回未来医療合同公開フォーラム

Page 2: 地域包括医療に邁進する 総合診療医育成 · 7 5月31日 医療技術の費用対効果(1)概論 福田治久 8 6月7日 医療技術の費用対効果(2)費用の測定

領域別専門医

一次医療(診療所)

二次医療(中小病院)

三次医療(大学病院)

地域 医療機関

(葛西龍樹 2013を改変)

プライマリ•ケア

総合診療専門医

新専門医制度

地域医療を担う総合診療専門医

(医療、保健、福祉、介護)

総合的な診療能力

地域を診る能力

新内科専門医

地域包括ケアシステム

専門医療

先進先端医療

リサーチマインド

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九州大学 総合診療医養成プログラム- リサーチマインドを持った総合診療医の養成 -

総合的な診療能力 地域を診る能力

卒後

6ヶ月

(H29年度:6名)

(H29年度:3名)

卒前(H29年度:349名)

双方向的な指導体制

診療参加型

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九州大学 医学科カリキュラム

地域医療教育カリキュラム(卒前)

1. 総合診療・地域医療(旧「プライマリ・ケア入門」、2年生、H20年~)

2. 総合診療(旧「プライマリ•ケア」、4年生、H9年~)

3. 地域包括ケアシステム(4年生、H26年~)

4. 地域医療実習(5年生:H24年~;6年生:H25年~)

各班4、5人

H26年

週2日

H27年

1週間

H28年

1週間

H29年

1週間

地域中核病院(1~3名) 診療所(1~3名)

医学科5年生(全員)地域医療実習

H26年

4週間

H27年

4週間

H28年

4週間

H29年

4週間

医学科6年生(3〜5名)地域医療実習

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かかりつけ医の役割を述べることができる

訪問診療で行われる内容を説明できる

訪問看護で行われている内容を説明できる

病院・診療所外来や地域医療現場でのプライマリケアについて述べることができる

地域に多く見られるcommon diseaseや慢性疾患の包括的管理方法について説明できる

地域で急速に進行している高齢化に関連し高齢者に特有な病態・疾患について説明できる

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(平成28年度・平成29年度実習学生)

地域医療実習前後の意識変化 (1)

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地域医療における医師と他の医療専門職との連携について説明できる

地域での疾病予防・健康維持増進のための保健所活動について説明できる

患者さんやその家族の方と上手に意思疎通が行える

他の医療スタッフと上手に意思疎通が行える

地域住民の方と上手に意思疎通が行える

地域で実際に行われている救急医療やターミナルについて述べることができる

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地域医療実習前後の意識変化 (2)

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将来、どのような場所に定着して働きたいですか(都市vsへき地) 将来、地域医療に従事したい

地域医療はやりがいを感じる仕事だ

地域医療に従事している医師に魅力を感じる

地域医療に従事している医師は忙しそうだ

地域医療実習前後の意識変化 (3)

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病診連携・病病連携について説明できる

地域医療を担う意欲・使命感を持っている

地域医療実習前後の意識変化 (4)

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総合診療医に必要なスキルの習熟度- 定量的尺度を用いた総括的評価 -

地域包括ケア関連 分野別の診療力

習熟

度(5

段階

評価

0

0.5

1

1.5

2

2.5

3

3.5

4

4.5

初年度

2年目

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回数 月日 講義内容 講師

1 4月12日 ヘルスサービスリサーチにおける因果関係 馬場園 明

3 4月19日 測定指標と研究デザイン 馬場園 明

4 4月26日 バイアス・交絡 馬場園 明

2 5月10日 医療の質とは 鴨打 正浩

5 5月17日 医療の質の測定 鴨打 正浩

6 5月24日 臨床指標(Quality Indicator) 鴨打 正浩

7 5月31日 医療技術の費用対効果 (1) 概論 福田 治久

8 6月7日 医療技術の費用対効果 (2) 費用の測定 福田 治久

9 6月14日 医療技術の費用対効果 (3) 効果の測定 福田 治久

10 6月21日 「医療安全」と「医療の質」 鮎澤 純子

11 6月28日 医療安全における定量的評価(1) 鮎澤 純子

12 7月5日 医療安全における定量的評価(2) 鮎澤 純子

13 7月12日 医師ー患者コミュニケーションの定量的評価(1) 萩原 明人

14 7月19日 医師ー患者コミュニケーションの定量的評価(2) 萩原 明人

15 7月26日 保健医療分野におけるプログラム評価 萩原 明人

ヘルスサービスリサーチ講義 (H29年度)- 医療経営・管理学講座の講師陣 (5名) -

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プログラム受講者(卒後)のフィードバック

<PG全体への満足度>

満足している

やや不満足

全受

講者

に対

する

割合

半分弱理解できた

半分以上理解できた

<ヘルスサービスリサーチ講義>

1. プログラム全体に対しての参加者の満足度は昨年度とほぼ同様の結果となった。

小児科領域の不十分な指導体制への課題は残ったものの、総合診療ローテーション

にて他分野を学ぶ機会を得たことで実践力については全般的に底上げが見られた。

2. 地域包括ケアへのリサーチマインド涵養を目指したヘルスサービスリサーチ講義に

関しては、学内外での臨床経験の豊富さなどの相違が理解度に影響を与えた。

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■ プログラム12:30〜 開催挨拶

12:40〜 第1部 基調講演講演1 演題:全ての職種が参加する地域包括的な糖尿病治療

演者:医療法人社団シマダ 嶋田病院 内科部長 赤司 朋之講演2 演題:三重県の地域医療・地域包括ケアにおける三重大学の役割

演者:三重大学大学院医学系研究科 臨床医学系講座家庭医療学分野 教授 竹村 洋典

13:45〜 第2部 報告とディスカッションテーマ「地域包括ケアに邁進する総合診療医のリサーチマインドの涵養」

【シンポジスト】九州大学大学院医学研究院 医学教育学講座 教授 新納 宏昭九州大学大学院医学研究院 医療経営・管理学講座 教授 鴨打 正浩福岡県 保健医療介護部 医療指導課 医師・看護職員確保対策室

室長 間野 彰彦【コメンテーター】

医療法人社団シマダ 嶋田病院 内科部長 赤司 朋之三重大学大学院医学系研究科 臨床医学系講座家庭医療学分野 教授 竹村 洋典

14:55〜 閉会挨拶

総合診療医シンポジウム- 地域包括ケアとリサーチマインド - (2017年3月25日開催)

場所 九州大学医学部臨床小講堂2

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事業終了後の計画と未来像・将来像

● 専門医・医学博士として専門性を保

ちながら、複数臓器に関連する病態に

対応できる総合診療医

● 地域医療の諸問題を把握し、科学

的に分析•評価し、多職種連携による改

善を能動的に目指す質の高い地域包括

ケアシステムを実現する力のある総合

診療医

● 結婚・出産後、総合診療医としての

技術を身につけて地域医療へ貢献が期

待できる女性総合診療医

● 学生の地域医療への意識向上を目

指し、診療参加型臨床実習のさらなる充

実を図る。

● 本事業で定着した診療科横断的ロー

テーション研修は、新専門医制度での指

導体制として継続される。

● 大学院大学の特色をいかしたヘルス

サービスリサーチ教育は、地域医療

フィールドでの諸問題を分析•評価・改善

へ導く資質を備えたリーダー的医師の育

成に使用される。

● 本事業での講義などは、結婚・出産

後、女性医師の地域医療へのキャリアパ

スをサポートするツールとして使用される。

未来像・将来像

終了後の計画