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山口市指定文化財概要 ~ 名勝・天然記念物 ~
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名 称 所在地 ページ
名勝 白石山しらいしやま
徳地引谷 2
天然記念物
宮野みやの
のミツガシワ自生地じせいち
宮野下 2
糸いと
米よね
の大おお
ムク 糸米 3
竜王社りゅうおうしゃ
のムクノキ巨樹群きょじゅぐん
宮野上 3
洞とう
海寺かいじ
のカヤノキ 上小鯖 4
舟山ふなやま
八幡宮はちまんぐう
のイチイガシ 仁保下郷 4
柏 崎かしわざき
のクロガネモチ 小郡下郷 5
四し
十じゅう
八はっ
瀬せ
川がわ
のゲンジボタル 小郡四十八瀬川流域 5
善ぜん
城寺じょうじ
のタブノキ 秋穂東 6
福ふく
楽寺ら く じ
のソテツ 秋穂西 6
二に
の宮みや
の大杉おおすぎ
徳地堀 7
西さい
宗そう
寺じ
の大おお
ヤマザクラ 徳地伊賀地 7
船ふな
路じ
の大おお
カツラ 徳地船路 7
徳とく
佐さ
八幡宮はちまんぐう
のしだれ桜ざくら
阿東徳佐中 8
角かく
太郎たろう
ユズ 阿東徳佐中 8
船ふな
平山ひらやま
群生ぐんせい
のレンゲツツジ 阿東徳佐上 9
極楽寺ごくらくじ
のウスギモクセイ 阿東嘉年上 9
朝倉あさくら
八幡宮はちまんぐう
のイヌマキ 朝倉町 10
徳とく
佐さ
船ふな
平山ひらやま
のユウスゲ群生地 阿東徳佐上 10
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名 称 白石山しらいしやま
指 定 日 昭和 33年 11月 3日
所 在 地 山口市徳地引谷
所有者・管理者 山口市
ア ク セ ス 白石口バス停から白石山登
山口まで南へ約 0.9㎞
駐 車 場 あり
概 要
白石山は標高 540.8mの山で、一帯は花崗岩室で奇石が大石の累積によって成り立つ珍しい
岩山である。山頂近くには大きな岩穴があり、この洞内には清水が一年中多量に湧き出して、ハ
イキング、キャンプ等を催すのに最適である。頂上からの眺めは遠く周防・長門の山はもとより、
石見の山々も見られ遠くは瀬戸内海も一望できる。
名 称 宮野みやの
のミツガシワ自生地じせいち
指 定 日 昭和 40年 3月 20日
所 在 地 山口市宮野下 3303番地
所有者・管理者 法明院
ア ク セ ス 本宮野バス停から西へ
徒歩約 14分
駐 車 場 あり
概 要
法明院裏の約 320㎡の池に自生している。ミツガシワは、リンドウ科の多年生水草でシベリア、
カラフトなどの寒冷地に多く生える北方系植物である。葉は複葉で 30㎝ばかりの葉柄の先に 3つ
の小葉をつけており、それが紋所の「三柏」に似ている。花は、20cm くらいの花軸の頂上に漏斗
状の白い小花が群がり咲く。南限地は九州の阿蘇山であったが絶滅したため、現在の南限自生
地は山口県になっている。
山口県では下関市勝山城址の池と、この宮野に自生しているだけであるが、徳佐の洪積層の
泥炭中からミツガシワの化石が発見されている。漢名を睡菜といい、古くは薬用に使用されてい
た。
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名 称 糸いと
米よね
の大おお
ムク
指 定 日 昭和 50年 8月 1日
所 在 地 山口市糸米 2丁目 3番 15号
所有者・管理者 西糸米町内会
ア ク セ ス 市保健センター前バス停から南東へ
徒歩約 8分
駐 車 場 なし
概 要
この大ムクは、西糸米公会堂の敷地内にある。もとこの地に
は大歳社という社祠があって、この樹はその神木という。大歳社
は、明治 41年(1908)に市内八幡馬場の今八幡宮に合祀されたといわれ、現在も樹下に石祠があ
る。幹は直立し、根元周囲 7.5m、目通り周囲 4.6m、樹高は約 25mである。地上 8mのところで分
岐し、それより先の枝の分岐は端正で、枝葉はよく繁り、典型的な樹冠を形成していて樹形は美
しい。幹の基部は、やや板状の発達が見られるが、これはこの種の老樹にしばしば見られるもの
である。
ムクノキは、本州中部以西に生ずる暖地性の落葉樹で、大樹となるものが多く、エノキとともに
全国的に神の依代として信仰されることが多い。
名 称 竜王社りゅうおうしゃ
のムクノキ巨樹群きょじゅぐん
指 定 日 昭和 50年 8月 1日
所 在 地 山口市宮野上 494番地
所有者・管理者 旧竜王社
ア ク セ ス 新橋バス停から北へ徒歩約 5
分
駐 車 場 なし
概 要
竜王社の境内、社殿の西側に 3本、東側に 1本、社前に 1本あり、最大は、西側の樹で、根元
周囲約 8.1m、目通り周囲約 5m、樹高約 25mであるが、下部に一部損傷があり、内部は多少空洞
になっているようである。地上 4mのところで 3つに分岐し、二大枝となっている。この樹に接して 2
番目の大樹がある。これは根元周囲約 7.5m、目通り周囲約 4.3m、樹高約 19mである。地上 2m
の部分で直径約 0.8m におよぶ大枝があったものが折損し、その木部は空洞化している。樹冠は
上部で折損している。社前の樹は、目通り周囲約 3.9m で損傷があり、直径の割に樹高は低く、横
に枝を張っている。社西側の樹は、目通り周囲約 2.8m、樹高約 21mである。社東側の樹は、目通
り周囲約 2.5m である。西側の 2 樹は特に大きく、このように一か所にまとまって 5 本の大樹があ
るのは珍しいといわれる。
ムクノキは、エノキとともに全国的に神の依代としての信仰があるが、竜王社のムクノキもその
ような考えで保護されてきたものであろう。
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名 称 洞とう
海寺かいじ
のカヤノキ
指 定 日 昭和 57年 3月 2日
所 在 地 山口市上小鯖 530番地
所有者・管理者 洞海寺
ア ク セ ス 県道山口・防府線中村橋交差点から
防府方向へ 1.4㎞
駐 車 場 あり
概 要
洞海寺境内の東側にあるカヤノキは、目通り周囲 4.5m、樹高約
22mで、円錐状の典型的な樹形をなし、幹にはイタビカズラやナツヅタが這い上がっている。また
幹の上部にはフウランが着生している。幹の基部に多少の腐朽部はあるが樹勢は旺盛である。
カヤノキは、イチイ科に属する針葉樹で、温暖帯に多く野生し、県下でもいたるところで見られ
る。材は木目が美しく、弾性に富み、碁盤材としては最も高級なものである。種子は、内部の胚乳
から高級な食用油がとれ、精進料理の油として使われる。洞海寺のカヤノキも毎年多くの種子が
採れるという。
カヤノキの大木は野生のものはほとんど伐採され、わずかに社寺に残っているだけであり、洞
海寺のカヤノキは、独立樹として県内最大のものと思われる。
名 称 舟山ふなやま
八幡宮はちまんぐう
のイチイガシ
指 定 日 平成 16年 4月 22日
所 在 地 山口市仁保下郷 1140番地
所有者・管理者 舟山八幡宮
ア ク セ ス 仁保市バス停から北西へ徒歩約 4分
駐 車 場 あり
概 要
舟山八幡宮の社背林は、コジイ群落の良好な樹林であったが、
現在は若齢林になっている。このイチイガシだけが残され、推定樹
齢は 300~400年のものといわれている。根元周囲約 4.6m、目通り
周囲約 4.3m、樹高約 20mで上部が一部折損しているが、樹勢は旺盛である。
イチイガシは中国南部から日本の本州(関東地方南部以西)まで分布するブナ科の常緑高木
で、生長はやや遅いが寿命は長く、直径 3.5m、樹高は 30mに達し、樹皮は暗褐色・灰褐色で、大
きくなると所々剥離して波状紋ができる。葉は互生、有柄、倒披針形ないしは広倒披針形で長さ 5
~10cm、先端は急に尖り、下半部は徐々に狭まる。葉の裏面は黄褐色の星状毛を密生する。雌
雄同株。5 月頃の新枝の下部に尾状花穂の雄花を、上部に 3 個の雌花をつける。堅果は秋に熟
し、楕円形で長さ 2cm内外、上部に淡褐白色の星状毛を密生する。
材は堅く建築材、器具材として適し、堅果は渋みが少ないためか、食用に使用していたらしく、
遺跡からよく出土している。社寺などには古くから植栽されていたものと思われる。
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名 称 柏 崎かしわざき
のクロガネモチ
指 定 日 昭和 57年 3月 20日
所 在 地 山口市小郡下郷 3352番地
所有者・管理者
ア ク セ ス 赤坂バス停から北へ徒歩約 5分
駐 車 場
概 要
小郡柏崎の個人宅内にあるクロガネモチは、根元周囲が 5.5mあり、幹は根元近くで 2 本に分
岐し、目通り周囲は 2.6mと 1.6mである。樹高は約 16mあり、県内最大級の巨樹である。モチノキ
科に属し、雄樹なので果実はつけない。
名 称 四し
十じゅう
八はっ
瀬せ
川がわ
のゲンジボタル
指 定 日 昭和 57年 3月 20日
所 在 地 山口市四十八瀬川流域
所有者・管理者 山口市
ア ク セ ス
駐 車 場
概 要
四十八瀬川流域の柳井田付近から釜ヶ淵付近に至る一帯は、6 月下旬になると、草むらや木々
の間にゲンジボタルが群生し、初夏の夜空を飛び交わす。
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名 称 善ぜん
城寺じょうじ
のタブノキ
指 定 日 昭和 57年 1月 7日
所 在 地 山口市秋穂東 6422番地
所有者・管理者 善城寺
ア ク セ ス 秋穂バス停から東へ徒歩
約 8分
駐 車 場 あり
概 要
本堂前庭にあって根元周囲 5.4m、地上 2.8mのところで分枝し、上部は切損していて樹高は高
くないが、枝張りは半径 8mから 9mあり四方に広がっている。県下で有数の巨木名木である。幹
の下部に空洞があり、中に弘法大師坐像が安置されている。
タブノキの花は 4~5 月頃に咲き、果実は直径 1cm くらいで 7 月頃に黒紫色になる。樹皮や葉
は粉末にして水を加えると粘り、線香の粘結剤になる。材は船材、家具材になる。
名 称 福ふく
楽寺ら く じ
のソテツ
指 定 日 昭和 57年 1月 7日
所 在 地 山口市秋穂西 1987番地
所有者・管理者 福楽寺
ア ク セ ス 天田バス停から東へ徒歩約 5分
駐 車 場 あり
概 要
本堂前庭に雌雄 2 株があり、本堂に近い方が雌木で大
きく、根元周囲 6m、株の主幹は地上 50 ㎝付近で幹の周
囲 2.3m、主幹の樹高は 6.8m、東西にほぼ水平にでた支
幹の幹囲はそれぞれ 1.5mと 1.2mあり、東に伸びた支幹は雄株間を通り抜けている。
雄株は根元付近の根元周囲が約 4.5mである。多数の支幹がこみあっているので、主幹の測
定は困難である。樹高は約 3mである。
ソテツは九州南部から沖縄に自生するソテツ科の常緑低木で、杉や松と同じ裸子植物樹木で
ある。 同じ裸子植物樹木の中で、最も原始的な存在で、生きた化石ともいわれている。
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名 称 二に
の宮みや
の大杉おおすぎ
指 定 日 昭和 33年 11月 3日
所 在 地 山口市徳地堀 3572番 2号
所有者・管理者 出雲神社
ア ク セ ス 二の宮バス停から北へ徒歩約 6分
駐 車 場 あり
概 要
この大杉は、根元の周囲 12.5m、目通り周囲 7.2m、樹高 43mの
直立した老樹であるが、幹内に空洞は見られず樹勢は旺盛で、北
側は社叢が密なので枝は南に偏って伸びている。古くから高杉大
明神とも呼ばれていた出雲神社(周防二の宮)の御神木で、玉垣を巡らし大切に保護されている。
名 称 西宗寺さいそうじ
のオオヤマザクラ
指 定 日 平成 6年 4月 22日
所 在 地 山口市徳地伊賀地 882番地
所有者・管理者 西宗寺
ア ク セ ス 沖ノ原バス停から東へ徒歩約 1分
駐 車 場 あり
概 要
西宗寺の大ヤマザクラは樹高約 13.4m、主幹の目通り周囲 3.5m、根元周囲 4.3mで地上約 3.2
mのところからほぼ均一に四方に枝分かれし、姿の整った樹形を保っている。例年 4 月中旬頃に
重花弁で淡紅色の美しい花をつけるヤマザクラで、県下一の大樹である。
名 称 船ふな
路じ
の大おお
カツラ
指 定 日 平成 7年 4月 24日
所 在 地 山口市徳地船路
所有者・管理者 石鎚神社
ア ク セ ス 深瀬バス停から北東へ 2.6㎞
駐 車 場 あり
概 要
主幹の根元周囲 10.3m、目通り周囲 7.8m、樹高 23m、樹齢約
300年の大樹である。カツラは落葉広葉樹で、鳥取県、島根県など
に多く山口県では錦町常国の巨木 2 本が記録されている。カツラの大木はよく川辺などに生育
し、非常に寿命の長い樹木であり各地で天然記念物に指定されている。船路の大カツラは山口県
内でも最も南に位置し、そのうえ巨木であることから貴重なものとして天然記念物に指定された。
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名 称 徳とく
佐さ
八幡宮はちまんぐう
のしだれ桜ざくら
指 定 日 昭和 48年 7月 20日
所 在 地 山口市阿東徳佐中
所有者・管理者 徳佐八幡宮
ア ク セ ス JR徳佐駅から東へ徒歩約 5
分
駐 車 場 あり
概 要
徳佐八幡宮のしだれ桜は、文政 8年(1825)に氏子有志によって植栽されたと伝えられる。昭和
9 年に国の名勝として指定を受けたが、その後多くが枯死したため昭和 31 年に指定を解除され
た。
その後補植や、往時の老木からの実生や接木による増殖が行われ、昭和 48 年に当時の阿東
町によって天然記念物に指定された。現在も往年の「徳佐桜」の姿へ戻そうと努力が重ねられて
いる。
名 称 角かく
太郎たろう
ユズ
指 定 日 昭和 48年 7月 20日
所 在 地 山口市阿東徳佐中
所有者・管理者
ア ク セ ス JR徳佐駅から東へ徒歩約 5分
駐 車 場 なし
概 要
明治 33 年に椿角太郎氏が島根県鹿足郡木部村の正法寺にあ
った核無し柚子の穂木を数本持ち帰り、接木したところ、明治 40年
ごろから結果するようになった。果実は平たい球形で、きわめて小型であるが、食酸量はふつうの
柚子と変わらない。地元の人は角太郎の名に因んで「角太郎ユズ」と呼んで親しんでいる。
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名 称 船ふな
平山ひらやま
群生ぐんせい
のレンゲツツジ
指 定 日 昭和 48年 7月 20日
所 在 地 山口市阿東徳佐上
所有者・管理者 山口市
ア ク セ ス JR船平山駅から徒歩約 10分
駐 車 場 あり
概 要
船平山はレンゲツツジの群生地として有名で、5 月の初中旬頃に赤い花が美しく咲きそろう。レ
ンゲツツジは日当たりのよい草地に生える落葉性のツツジで、北海道から九州にかけて分布する
が、県内では阿武郡や玖珂郡の山間部にややまれに産する。ここの船平山のように群生すること
は珍しく貴重である。
レンゲツツジのなかには葉の下面が粉白色をしているものがあり、これをウラジロレンゲとして
区別する場合もある。船平山のレンゲツツジには、この型のものが多く見られる。
名 称 極楽寺ごくらくじ
のウスギモクセイ
指 定 日 平成 17年 3月 18日
所 在 地 山口市阿東嘉年上 442
所有者・管理者 極楽寺
ア ク セ ス JR船平山駅から北へ約 9km
駐 車 場 あり
概 要
このウスギモクセイは、約 350年生、目通り 3mで、県内のモクセイ
の中でも有数の巨木であり、樹勢が盛んで、樹枝が美しい。また 9 月下旬頃になると淡黄色の小
さな花をつける。
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名 称 朝倉あさくら
八幡宮はちまんぐう
のイヌマキ
指 定 日 平成 29年 8月 22日
所 在 地 山口市朝倉町 3番 14号
所有者・管理者 朝倉八幡宮
ア ク セ ス 総合庁舎前バス停から北へ徒歩約 15分
駐 車 場 あり
概 要
樹高 15.5m、地上高 1.5mの幹囲 2.9mで、県下のイヌマキの中
でも最大級の大きさである。雄株で 6月頃に開花する。
イヌマキはマキ科の常緑針葉高木で、関東地方南部以西の本
州、四国、九州、沖縄などに広く天然分布する。材が非常に堅く、根も深いため庭園、公園などに
広く植栽され、生垣または防風樹としてよく用いられる。
名 称 徳とく
佐さ
船ふな
平山ひらやま
のユウスゲ群生地ぐんせいち
指 定 日 平成 30年 11月 12日
所 在 地 山口市阿東徳佐上
所有者・管理者 山口市
ア ク セ ス JR船平山駅から徒歩約 10分
駐 車 場 あり
概 要
船平山の山頂から南にフォーク状に伸びる 2つの尾根の斜面にユウスゲが群生している。
ユウスゲはススキノキ科(ワスレグサ科)の多年草で、本州、四国、九州に分布する。花はレモ
ン黄色で、7~9月の夕方明るい中に開き、翌日正午には閉じる。
山口県レッドリストで絶滅危惧Ⅱ類に選定されており、県内には自生地は少なく、船平山のよう
に広い面積で群生している例は珍しく貴重である。
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