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指を下方向に滑らせるように 小指のプリングを弾こう! このメイン・フレーズのような人差指・中指・小 指によるレガート・プレイでは、小指のプリング がポイントになる。小指はもともと指の力が弱 いので、プリング時の発音が小さくなりやす いが、このフレーズは使用弦が 1弦のみなの で、小指をネックの下方向に滑らせる感じで弦 に引っ掛けるとハッキリ発音できるはずだ(1)。ただし、この時にフィンガリングの軸指と なる人差指がしっかり押弦していることが大切 で、人差指の押弦が弱わまると1 弦がネックか ら落ちて音が途切れてしまうので注意しよう。 小指と人差指の両方の動きを気をつけながら、 レガートを力強く滑らかに弾いてみてほしい。 人差指を2 弦に伸ばして 余弦のミュートを行なうべし メイン・フレーズのような超ワイド・ストレッチ を弾き慣れていないギタリストは、どうしても 左指が大暴れしているような大きな動きになっ てしまい、2 弦などに誤 って触れてノイズが発 生することが多い。そのため余弦のミュートに も注意する必要があるのだ。基本的には、人 差指の先端が 2 弦に触れて余計な振動を抑え ると良い(写真①)。超ワイド・ストレッチ では、このように人差指を 2 弦に伸ばすのはか なり大変だと思う。しかし、ノイズの多い演奏 は絶対にNGなので、ネック裏に置いた左手 親指の位置や向き、さらにネックの握り込み方 を研究して、人差指で余弦のミュートを的確に 行なってみてほしい。 腱鞘炎【 註 】 に注意しな がら、練習しよう! ~コラム18 ~ ジョージ・リンチは、著者に最も影響を与え たギタリストの 1人だ。彼はパワー・コードに も強烈なビブラートを掛けて、ギター・リフを 表情豊かにプレイする。また、常識では想像 がつかないようなタイミングでフレーズを弾き 始めたり、アクセントを入れることがあるのだ。 著者は個人的に、この“リフが歌っているこ と ”と“ 独 特なタイム感 ”の 2 点が彼の 独自 性だと思っている。実は著者自身、今だに彼 のプレイを正確に分析できないのだ。しかし、 逆に言えば、それだけ奥が深いプレイを披露 していると言えるので、ぜひチェックしてみて ほしい。 著者・小林信一、かく語りき ジョージ・リンチ編 ドッケン 『トゥース・アンド・ネイル』 1984年に発表された2ndアル バム。哀愁感のあるメロディと攻 撃的なギターが絶妙なバランスで せめぎ合うL.A.メタルの名盤。 リンチ・モブ 『Wicked Sensation』 (輸入盤) ジョージ・リンチがドッケン脱 退後に結成したバンドのデビュー 作。よりヘヴィでアグレッシブな ギター・プレイが炸裂している。 的確にストレッチして、2 弦をミュートしよう! 人差指が 2 弦に触れていないと、ノイズ音が発生しやすい。 ミュートでは右手も活用しよう。 【腱鞘炎】修行好きなスーパー・マゾ系ギタリストの天敵。一度炎症を起こすと再発しやすくなるので注意が必要だ。練習に没頭することは良いことだが、こまめに休憩を入れるように心掛けるべし !
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地獄 入隊編 051-110 再々 - Rittor Music · 2018. 9. 11. · LYNCH MOB WICKED SENSATION . Title: 地獄_入隊編_051-110_再々 Author: 額賀正幸 Created Date: 20180911081930Z

Mar 13, 2021

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Page 1: 地獄 入隊編 051-110 再々 - Rittor Music · 2018. 9. 11. · LYNCH MOB WICKED SENSATION . Title: 地獄_入隊編_051-110_再々 Author: 額賀正幸 Created Date: 20180911081930Z

指を下方向に滑らせるように小指のプリングを弾こう! このメイン・フレーズのような人差指・中指・小指によるレガート・プレイでは、小指のプリングがポイントになる。小指はもともと指の力が弱いので、プリング時の発音が小さくなりやすいが、このフレーズは使用弦が1弦のみなので、小指をネックの下方向に滑らせる感じで弦に引っ掛けるとハッキリ発音できるはずだ(図1)。ただし、この時にフィンガリングの軸指となる人差指がしっかり押弦していることが大切で、人差指の押弦が弱わまると1弦がネックから落ちて音が途切れてしまうので注意しよう。小指と人差指の両方の動きを気をつけながら、レガートを力強く滑らかに弾いてみてほしい。

人差指を2弦に伸ばして余弦のミュートを行なうべし メイン・フレーズのような超ワイド・ストレッチを弾き慣れていないギタリストは、どうしても左指が大暴れしているような大きな動きになってしまい、2弦などに誤って触れてノイズが発生することが多い。そのため余弦のミュートにも注意する必要があるのだ。基本的には、人差指の先端が2弦に触れて余計な振動を抑えると良い(写真①~③)。超ワイド・ストレッチでは、このように人差指を2弦に伸ばすのはかなり大変だと思う。しかし、ノイズの多い演奏は絶対にNGなので、ネック裏に置いた左手親指の位置や向き、さらにネックの握り込み方を研究して、人差指で余弦のミュートを的確に行なってみてほしい。腱鞘炎【註】に注意しながら、練習しよう!

~コラム18~

 ジョージ・リンチは、著者に最も影響を与えたギタリストの1人だ。彼はパワー・コードにも強烈なビブラートを掛けて、ギター・リフを表情豊かにプレイする。また、常識では想像がつかないようなタイミングでフレーズを弾き始めたり、アクセントを入れることがあるのだ。著者は個人的に、この“リフが歌っていること”と“独特なタイム感”の2点が彼の独自性だと思っている。実は著者自身、今だに彼のプレイを正確に分析できないのだ。しかし、逆に言えば、それだけ奥が深いプレイを披露していると言えるので、ぜひチェックしてみてほしい。

著者・小林信一、かく語りきジョージ・リンチ編

ドッケン『トゥース・アンド・ネイル』 1984年に発表された2ndアルバム。哀愁感のあるメロディと攻撃的なギターが絶妙なバランスでせめぎ合うL.A.メタルの名盤。

リンチ・モブ『Wicked Sensation』(輸入盤) ジョージ・リンチがドッケン脱退後に結成したバンドのデビュー作。よりヘヴィでアグレッシブなギター・プレイが炸裂している。

的確にストレッチして、2弦をミュートしよう! 人差指が2弦に触れていないと、ノイズ音が発生しやすい。

ミュートでは右手も活用しよう。

【腱鞘炎】 修行好きなスーパー・マゾ系ギタリストの天敵。一度炎症を起こすと再発しやすくなるので注意が必要だ。練習に没頭することは良いことだが、こまめに休憩を入れるように心掛けるべし!