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本宮勇事務所 〒799-1527 今治市長沢甲 1045 番地 6 TEL0898-47-1393 FAX0898-47-1693 愛媛県議会議員 ほんぐういさむ 県政レポート 発行所  no. 83 発行 平成 23 年 11 月 20 日 1 東日本大震災を踏まえた緊急防災対策の推進 (1)県単独緊急防災対策 道路改良の促進、危険箇所の解消 原発から半径 30 血圏域内の県管理道路 津波浸水想定区域内の県管理道路 上記の圏域、区域を除く県内全域の緊急輸送道路 急傾斜地尚壊危険区域内の津波被害が想定される地区 における一時避難場所への避難路の整備等 広域災害発生時の緊急輸送ルート確保等のための計画策定 伊方原発事故発生時の避難拠点となる三崎港の耐震化等 津波遡上による浸水等被害が想定される河川護岸の改修等 津波による浸水等被害が想定される水門、護岸等の整備 地震等発生時に避難や緊急輸送等を担う港湾施設の改良 地震や豪雨による被害が想定されるがけ崩れ防災対策 ダム管理庁舎及び放流ゲートの耐震点検 河川堤防、水門・樋門の耐震点検 防災拠点港湾等(東予港、松山港、宇和島港)の耐震診断 医療施設耐震化臨時特例基金を活用した医療施設の耐震化 学校施設の耐醇化促進及び避難所指定を受けている体育館等の 耐震診断の前倒し実施 モニタリングポストの増設等 本庁、地方局等への衛星インターネットの導入 災害拠点病院への DMAT 活動に必要な医療機器等の整備 ため池ハザードマップの作成支援 2 東日本大震災関連対策の推進 衛生環境研究所等への食品等放射性物質検査機器の整備 住宅用太陽光発電システムに対する補助制度の創設 えひめ愛顔の助け合い基金を活用した被災地学校の本県への 修学旅行に対する助成 被災者生活再建支援基金への出捐 県内で就農を希望する被災者への支援 3 当面する課題への対応 年末資金の確保[融資枠 60 億円] 円高対策等のための緊急経済対策特別支援資金の追加[融資枠 180 億円] 愛媛ブランド牛の開発 本県産はだか麦の優良種子の緊急確保 松山南部トンネル(仮称)の建設 地域医療再生基金の積み増し 主な基金活用事業 県立中央病院、県立新居浜病院、市立宇和島病院の機能強化 県立医療技術大学の教育体制強化のための機器整備 地域の状況等を踏まえた医療提供体制の充実・強化 がん患者の在宅緩和ケア推進モデル事業の実施検討 自治体立病院等への新たな医師派遣の仕組みの構築 看護師等の職場定着支援と看護力の強化 介護職員等へのたん吸引等研修の実施 子どもを見守るための公園等への防犯カメラ等の整備 みなら特別支援学校分校の設置に伴う教育環境整備等 新居浜特別支援学校の校舎新築設計、仮設校舎の賃借  1 緊急避難路の確保 2 災施設の又急整備 3 河川・港湾施設等の耐震点検 (2)学校・医療施設の耐震化の促進 (3)防災体制の強化 (1)産業の振興 (2)医療・福祉の充実 (3)教育の充実 733,535 万円 704,645 万円 187,760 万円 49,000 万円 161,974 万円 9,930 万円 1,060 万円 41,500 万円 180,400 万円 24,950 万円 10,650 万円 14,230 万円 3,700 万円 8,000 万円 7,800 万円 2,179 万円 5,617 万円 9,000 万円 364 万円 1,771 万円 9,959 万円 134,408 万円 3,555 万円 6,148 万円 7,050 万円 117,504 万円 151 万円 1,368,644 万円 150,000 万円 720,000 万円 13,923 万円 520 万円 105,000 万円 150,188 万円 95,721 万円 1,044 万円 2,089 万円 250 万円 3,000 万円 1,143 万円 4,118 万円 2,231 万円 3,972 万円 2,170 万円 409,724 万円 275,421 万円 19,500 万円 7,796 万円 21,094 万円 893,342 万円 190,687 万円 5,716 万円 愛媛県議会 平成23年度9月補正予算の概要 9 月補正予算の規模 ◯一般会計補正予算額 ◯企業会計補正予算額 2,235,560 万円 1,027 万円 [累計 63,191,098 万円] [累計 6,359,109 万円] 2,236,587 万円[累計 81,537,384 万円] 合   計 県政を もっと身近に!! ホームページ http://www.i-hongu.jp  E メール [email protected] ツイッター http://twitter.com/honguisamu みなさまのご意見をお待ちしております。
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no. 愛媛県議会議員 ほんぐういさむ 緊急防災対策を実施するとと … · 支援というかたちにしようと、「えひめ愛...

Nov 15, 2020

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Page 1: no. 愛媛県議会議員 ほんぐういさむ 緊急防災対策を実施するとと … · 支援というかたちにしようと、「えひめ愛 皆さんから寄せられた寄付金は、「被災

   本宮勇事務所〒799-1527 今治市長沢甲 1045 番地 6TEL0898-47-1393 FAX0898-47-1693

愛媛県議会議員

ほんぐういさむ              の県政レポート発行所 

no.

83発行

平成 23年 11 月 20 日

1 東日本大震災を踏まえた緊急防災対策の推進

(1)県単独緊急防災対策

 道路改良の促進、危険箇所の解消  原発から半径 30 血圏域内の県管理道路  津波浸水想定区域内の県管理道路  上記の圏域、区域を除く県内全域の緊急輸送道路 急傾斜地尚壊危険区域内の津波被害が想定される地区  における一時避難場所への避難路の整備等広域災害発生時の緊急輸送ルート確保等のための計画策定

 伊方原発事故発生時の避難拠点となる三崎港の耐震化等 津波遡上による浸水等被害が想定される河川護岸の改修等 津波による浸水等被害が想定される水門、護岸等の整備 地震等発生時に避難や緊急輸送等を担う港湾施設の改良 地震や豪雨による被害が想定されるがけ崩れ防災対策

 ダム管理庁舎及び放流ゲートの耐震点検 河川堤防、水門・樋門の耐震点検 防災拠点港湾等(東予港、松山港、宇和島港)の耐震診断

 医療施設耐震化臨時特例基金を活用した医療施設の耐震化 学校施設の耐醇化促進及び避難所指定を受けている体育館等の  耐震診断の前倒し実施

 モニタリングポストの増設等 本庁、地方局等への衛星インターネットの導入 災害拠点病院へのDMAT 活動に必要な医療機器等の整備 ため池ハザードマップの作成支援

2 東日本大震災関連対策の推進

 衛生環境研究所等への食品等放射性物質検査機器の整備 住宅用太陽光発電システムに対する補助制度の創設 えひめ愛顔の助け合い基金を活用した被災地学校の本県への  修学旅行に対する助成 被災者生活再建支援基金への出捐 県内で就農を希望する被災者への支援

3 当面する課題への対応

 年末資金の確保[融資枠 60 億円] 円高対策等のための緊急経済対策特別支援資金の追加[融資枠 180 億円] 愛媛ブランド牛の開発 本県産はだか麦の優良種子の緊急確保 松山南部トンネル(仮称)の建設

 地域医療再生基金の積み増し 主な基金活用事業  県立中央病院、県立新居浜病院、市立宇和島病院の機能強化  県立医療技術大学の教育体制強化のための機器整備  地域の状況等を踏まえた医療提供体制の充実・強化  がん患者の在宅緩和ケア推進モデル事業の実施検討  自治体立病院等への新たな医師派遣の仕組みの構築  看護師等の職場定着支援と看護力の強化 介護職員等へのたん吸引等研修の実施 子どもを見守るための公園等への防犯カメラ等の整備

 みなら特別支援学校分校の設置に伴う教育環境整備等 新居浜特別支援学校の校舎新築設計、仮設校舎の賃借                          

1 緊急避難路の確保

2 災施設の又急整備

3 河川・港湾施設等の耐震点検

(2)学校・医療施設の耐震化の促進

(3)防災体制の強化

(1)産業の振興

(2)医療・福祉の充実

(3)教育の充実

733,535 万円

704,645 万円

187,760 万円49,000 万円161,974 万円

9,930 万円1,060 万円

41,500 万円180,400 万円24,950 万円10,650 万円14,230 万円

3,700 万円8,000 万円7,800 万円

2,179 万円

5,617 万円

9,000 万円364 万円1,771 万円9,959 万円

134,408 万円

3,555 万円6,148 万円

7,050 万円117,504 万円151 万円

1,368,644 万円

150,000 万円720,000 万円13,923 万円520 万円

105,000 万円

150,188 万円

95,721 万円1,044 万円2,089 万円250 万円3,000 万円1,143 万円4,118 万円2,231 万円

3,972 万円2,170 万円

409,724 万円

275,421 万円

19,500 万円

7,796 万円

21,094 万円

893,342 万円

190,687 万円

5,716 万円

愛媛県議会平成23年度9月補正予算の概要東

日本大震災現地報告

九月補正予算の内容

平成二三年度

   上半期活動報告

多難な時代でも

明日を夢見る!

 今回の補正予算は、東日本大震災の経験から、

地震や津波への対策や原子力災害対策を緊急に

講じるため、国の措置を待つことなく県単独で

緊急防災対策を実施するとともに、「えひめ愛顔

(

えがお)

の助け合い基金」などを活用した被災

地等支援対策に切れ目なく取り組むほか、中小

企業金融対策や農林水産業の振興など、今年度

の後半において実施する必要のある施策を厳選

して編成されています。

 主な内容として、まず一番は、東日本大震災

を踏まえた緊急防災対策の推進。一つに、県単

独緊急防災対策として、地震・津波・原子力災

害に備えた緊急避難路等の道路改良の促進や危

険箇所の解消。二つに、河川護岸や海岸保全施設・

港湾施設の整備、がけ崩れ防災対策等に取り組

みます。二番目には、県立学校や医療施設の耐

震化促進です。三番目には、防災体制の強化と

して、モニタリングポストの増設、災害拠点病

院へのDMATの活動に必要な医療機器などの

整備、そして、ため池ハザードマップの作成を

支援します。

 二つ目の柱として、東日本大震災関連対策。

一つ目が、食の安全・安心対策として、衛生環

境研究所などへの食品等放射性物質検査機器の

整備。二つ目には、再生可能エネルギーの普及

支援として、住宅用太陽光発電システムに対す

る補助制度を創設します。三つ目として、被災

地等支援対策として、被災児童の修学旅行に対

する助成の拡充を行い、被災者生活再建支援基

金に追加の出捐する予定です。

 三本目の柱は、当面する課題への対応。一つに、

産業の振興として、円高などにより厳しい経営

環境にある中小企業者を支援するための融資枠

を拡大します。また、年々評価が高まっている「甘

とろ豚」にならい、新たな愛媛ブランド牛の開

発に踏み切ります。そして、日本一の生産量を

誇るはだか麦の優良種子を確保をします。二つ

目に医療・福祉の充実として、地域医療再生基

金を活用した医療機関の機能強化やがん対策の

推進、介護職員等へのたん吸引等研修の実施、

子どもを見守るため公園などへの防犯カメラ等

の整備を行います。三つ目に教育の充実として、

みなら特別支援学校の分校設置に伴う教育環境

の整備、新居浜特別支援学校の校舎新築設計な

どを進めます。

 この結果、九月補正予算総額は、一般会計で

二二三億五、五六〇万円、企業会計で一、〇二七

万円、合計で二二三億六、五八七万円となりま

した。

 予算規模は、昨年度とほぼ同規模ですが、過

去一〇年間で最大の規模の一般会計の予算額に

なっています。

 今回の県単独緊急防災対策は、大変厳しい財

政状況ではありますが、大震災を受けて県民の

不安感や関心が高まっている折り、県の姿勢を

明確にするために、ぎりぎりまで捻出しました。

ちなみに、平成七年の阪神・淡路大震災時も五

三億円の補正予算を計上していますが、今回は

それを上回る七〇億円規模の予算となりました。

 また、条例などの議案については、東日本大

震災の被災地に派遣する警察職員の特殊勤務手

当特例を設けるための条例改正などが提案され

ました。

平成二三年度九月補正予算

     についての解説

9 月補正予算の規模◯一般会計補正予算額◯企業会計補正予算額

2,235,560 万円1,027 万円

[累計 63,191,098 万円][累計 6,359,109 万円]

2,236,587 万円[累計 81,537,384 万円]合   計

県政をもっと身近に!!

ホームページ http://www.i-hongu.jp  Eメール [email protected]ツイッター http://twitter.com/honguisamuみなさまのご意見をお待ちしております。

 愛媛県民の温かい思いやりの気持ちを

支援というかたちにしようと、「えひめ愛

顔の助け合い基金」が設置されました。

四月一四日から寄付受付が始まり、現在、

二億円弱のお金が県民や企業から集まっ

ています。

 皆さんから寄せられた寄付金は、「被災

地への災害ボランティア派遣の費用」「愛

媛県と被災県の児童の交流活動費」「被災

県の児童の愛媛県への修学旅行支援」な

どに使われます。

 また、助成にあたっては、学識経験者

等で構成する「基金運営委員会」により、

公平・公正かつ被災者ニーズに則した支

援が行なわれます。

 また、九月県議会で、被災地の高校生

が本県への修学旅行と県内生徒との交流

を図る費用を助成するため、七、〇五〇万

円の補正予算が組まれました。

 この事業を活用して、岩手県の大槌高

校のほか宮城県三校、福島県六校などを

含む計一〇校、約一、二五〇名が愛媛に

来県します。県民挙げて被災地の学生た

ちを温かく迎えたいと思います。

 このほか、愛媛みかんジュース提供事

業、被災地児童生徒などとの愛顔の交流

支援事業など、一一事業に取り組みます。

 なお、個人の方は個人住民税及び所得

税の寄付金控除、法人の場合は全額損金

算入ができます。

 詳しくは、愛媛県のホームページをご

参照下さい。

「えひめ愛顔の助け合い

     基金」の設置

えひめ笑顔の助け合い基金ホームページ

http://www.pref.ehim

e.jp/h20100/egao-kikin/index.htm

Page 2: no. 愛媛県議会議員 ほんぐういさむ 緊急防災対策を実施するとと … · 支援というかたちにしようと、「えひめ愛 皆さんから寄せられた寄付金は、「被災

[4月]11 日 県議選当選15日 今治市忠霊塔清掃17日 今治自然塾除幕式20日 愛媛県監査委員会議21日 自民党県連議員総会28日 東予農業共済組合理事会

[5月]10 日 愛媛県議会議員協議会11日 県監査委員就任17日 今治地区食品衛生組合総会19日 愛媛県農業共済連理事会24日 東予農業共済組合通常総代会25日 愛媛県離島振興協議会(議長代理で祝辞)28日 ノーベル賞受賞鈴木章先生祝賀会31日 今治商工会議所表彰式

[6月] 2日 愛媛県議会県内視察(松山市・新居浜市など) 9日 四国四県監査委員協議会10日 今治地方局意見交換会13日 日中友好議員連盟役員会19日 自衛隊今治地区父兄会総会20日 6月定例県議会23日 愛媛拉致議連総会29日 今治地区柔剣道大会

[7月] 5日 愛媛県議会経済企業委員会 6日 四国電力原子力本部視察 7日 愛媛県議会スポーツ議連表彰式17日 大三島「鶴姫まつり」20日 今治市農業委員に就任29日 伊東豊雄建築ミュージアム落成式30日 宮窪水軍レース大会

[8月] 1日 県議会地域活性化特別委員会 6日 おんまく開幕セレモニー15日 愛媛県戦没者追悼式20日 今治市岩田健「母と子のミュージアム」    オープニング式典21日 佐々木幸也氏叙勲祝賀会24日 自民党県連幹部役員会

[9月] 4日 日本会議今治支部総会 5日 東予農業共済組合視察研修   (鳥獣害対策について) 7 日 全都道府県監査委員協議会連合会講習会11日 トマトバレーボール大会19日~ 今治市敬老会26日 県議会防衛議員連盟勉強会

平成23年度上半期活動報告平成23年度上半期活動報告

▲5月8日 湯の浦子供まつり

▲9月 11 日 第 11 回トマトバレーボール大会

▲今治農業委員証

▲9月2日 自民党知事陳情(今治)

▲4月 17 日 今治自然塾オープンに竹下景子さんも来今

▲7月 29 日 伊東豊雄ミュージアム落成

▲全国監査委員講習会受講票

▲5月 28 日 ノーベル賞受賞鈴木章先生と

◀5月 24 日東予農業共済組合総会

▲8月 20 日 今治市岩田健母と子のミュージアム

▲9月 19 日以降、各地区で敬老会

 このたびの東日本大震災によりお亡くなりになった皆様のご冥福をお祈り申し上

げますとともに、すべての被災者の皆様方にお見舞いを申し上げます。

 二〇一一年三月一一日は、われわれ日本の社会にとどまらず、人間社会のあり方

について根源的な問題を突きつける日となりました。マグニチュード九・〇の巨大

地震、二〇メートルを超える津波の襲来、そして原子力発電所の深刻な事故が次々

と発生し、「想定」のはかなさを、これほど無残なかたちで露呈させたのは、過去

に例がありません。

 震災日が三月一一日だったことから、あの九・一一と比較して事態の深刻さを語

られることがありますが、そこには決定的な違いがあります。九・一一は人間がつ

くり出した「人と人」、「国と国」との利害や対立の中で起きた「事件」でした。しかし、

今回の大震災は、人類の発生以前からある「地球」によっておこされた「警鐘」だ

ということです。

 三・一一大震災は、「豊かさ」「利便性」「安全」といった幸福の尺度が、いかに

もろいものだったかを私たちに知らせました。そして、人間に対して「この地球と

いう自然と、いかに寄り添いながら暮らしていくのか」ということを根本的に問う

ているのであり、そこを読み取らない限り、災害や事故への教訓は導き出されない

と思います。

 今回の巨大地震と大津波は、人々の生活を一瞬にして壊滅させましたが、その社

会が抱えている少子高齢社会や過疎、人口減少や産業の空洞化などの「問題」を一

緒に消し去ったわけではありません。そして、あまりの被害の大きさや原発事故が

その不安を加速度的に増大させています。

 こうした危機に陥った時、リーダーがとるべき最も大事なことは、人々に安心と

希望を与え、進むべき方向性を明確に示すことですが、国政の混乱と停滞がこの不

安をさらに大きなものにしたのだと思います。

 民主主義国家において、政治に《一〇〇%の正解》はありません。どんなに自分

が素晴らしい政策だと思っていても、立場の違う方から見れば反対の意見が必ずと

いっていいほど出てきます。反対意見の一つひとつを手間を惜しまず洗い出しなが

ら、どういう言葉で説明し、納得してもらえるのかを探ります。―

極論すると、

政治家の仕事はそこにかかっていると思います。

 原子力発電への存続に賛否があるように、政治判断は時として大きな《対立軸》

を生み出します。しかし、その解決方法は議論を尽くすしかありません。時間はか

かっても、この国のエネルギー政策をどういう方向に持っていくかを、国民的議論

の土俵にのせていくしかありません。

 被災地には、災害に強く、エネルギー効率や産業効率の良い「新しい街づくり」

の計画が必要です。土木・建築だけでなく、コンピュータから農業に至る、あらゆ

る産業が「新しい街づくり」への関わりを持つことになるでしょう。「がんばろう

日本」がかけ声だけに終わらないよう、私たち愛媛県民も、同時代に生きる同じ人

間の義務として、東日本の再興を支援していくことが必要だと思います。

 七月一八日から三日間、県議会同期の河野忠康県

議、赤松泰伸県議と一緒に宮城県の被災地を訪問し

ました。

一八日、一〇時三〇分に松山空港を出発、伊丹空港

経由で仙台空港に到着。佐藤仁一元岩出町長、県危

機管理課筒井主任らの出迎えを受け、レンタカーで

早速現地調査を開始しました。

 到着した仙台空港は、空港本来の機能が発揮でき

ていませんでした。空港周辺にも瓦礫が山積みになっ

ています。至るところに積まれた瓦礫の山を見ると、

長い時間が必要だと感じました。

 宮城県山元町は、海岸沿いの六行政区の全域と丘

通り四行政区の一部(二四九四世帯、七五四三人の

区域)が水没。亡くなった方が約六百人。家屋被害

は全壊が約二千棟(うち流出千棟)、大規模半壊が約

五百棟と、たいへん大きな被害を受けています。

 宮城県亘理町は、死亡した方が二五〇人でした。

ほとんどの地域の水はひきましたが、排水が低下し、

一部の田んぼには水が引かれていません。しかし、

幹線道路の大部分の瓦礫は撤去され、通行できるよ

うになっているので車窓からは分からないのですが、

残っている住宅もほとんどが住める状態ではありま

せん。

 訪問二日目。七時三〇分に仙台市内のホテルを出

発。高速道路を利用し、約二時間で南三陸町に到着

しました。途中の道路沿いに設置されている仮設の

コンビニで弁当を購入。隣に仮設ATM(現金預け払

い機)が設置されていましたが、設置場所はトラッ

クの荷台でした。

 南三陸町は、役場のすべてが被災したので、プレ

ハブの仮設庁舎が設置されています。佐藤仁南三陸

町長の出迎えを受けました。避難人員約三千四百人、

亡くなった方・行方不明者が約六〇〇人に上ります。

町民の半数以上にあたる八七一九人が避難者となり、

建築物三、三三〇戸が被害を受けました。

 町の中心部は壊滅状態。電気・水道などのインフ

ラは、四か月後にようやく復旧したところです。国

からの明確な指示もないため、復興への青写真が描

けない現状で、地域に合った制度認可、緩和を要望

されていました。

 そのあと、南三陸町立歌津中学校を訪問。阿部友

昭校長から津波時の避難状況、被災後の対応状況な

どについていろいろと話を聞かせていただきました。

三月末に教員の異動が行われたのですが、子供たち

のために人事異動を一年凍結してもらいたかったの

が残念だと語られていました。

 夕刻、仙台空港から大阪に向かいました。台風の

影響もあり、着陸できない場合は羽田空港まで引き

返すという条件での搭乗となりましたが、何とか大

阪に到着できました。

 翌日は、午後二時三

〇分から開かれる今治

市農業委員会総会に出

席するため、大阪空港

九時五五分発の飛行機

で帰ってきました。

「東日本大震災」が問いかけていること

▲被害を受けた体育館 ▲仮設コンビニ

▲被害を受けた線路

▲仮設 ATM

▲街のすべてが津波で被害

▲被害を受けた自動車

東日本震災

現地視察

▲瓦礫の山

 六月定例県議会に提案された補正予算

は、東日本大震災の発生を受けて、切れ

目のない被災地支援を行うとともに、本

県独自の防災対策の見直しへの着手や、

「えひめ愛顔(えがお)の助け合い基金」

を活用した新たな被災地等支援対策、国

の第一次補正予算への対応のほか、雇用

対策や環境対策など当面措置を必要とす

る経費が計上されました。

 第一に、本県独自の防災対策。地域防

災計画の見直しに着手。初動体制の確保

のための資機材の整備を進めます。

 二つ目は、本県の影響への対応。県産

農林水産物や工業製品の放射線測定体制

の整備、県産品、特にかんきつ類について、

県産品の海外への安全・安心PRなど、

風評被害へ対応します。また、本県向け

の旅行商品支援を強化するほか、マダイ

等の養殖用餌料高騰への対応に取り組み

ます。

 三つ目は、被災地等支援対策。「えひめ

愛顔(えがお)の助け合い基金」を積み

増ししています。また、基金の活用事業

として、被災地高校生の本県への修学旅

行に対して助成します。(詳しい内容は4

ページをご覧下さい)また、国の第一次

補正予算を受け、被災地での災害ボラン

ティアコーディネート支援や、本県に避

難している児童生徒等の就学支援等の充

実も図ります。

 その結果、六月補正予算総額は、一般

会計二九億七、一七三万円、企業会計四

四四万円、合計二九億七、六一七万円と

なりました。

六月定例県議会報告

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   本宮勇事務所〒799-1527 今治市長沢甲 1045 番地 6TEL0898-47-1393 FAX0898-47-1693

愛媛県議会議員

ほんぐういさむ              の県政レポート発行所 

no.

83発行

平成 23年 11 月 20 日

1 東日本大震災を踏まえた緊急防災対策の推進

(1)県単独緊急防災対策

 道路改良の促進、危険箇所の解消  原発から半径 30 血圏域内の県管理道路  津波浸水想定区域内の県管理道路  上記の圏域、区域を除く県内全域の緊急輸送道路 急傾斜地尚壊危険区域内の津波被害が想定される地区  における一時避難場所への避難路の整備等広域災害発生時の緊急輸送ルート確保等のための計画策定

 伊方原発事故発生時の避難拠点となる三崎港の耐震化等 津波遡上による浸水等被害が想定される河川護岸の改修等 津波による浸水等被害が想定される水門、護岸等の整備 地震等発生時に避難や緊急輸送等を担う港湾施設の改良 地震や豪雨による被害が想定されるがけ崩れ防災対策

 ダム管理庁舎及び放流ゲートの耐震点検 河川堤防、水門・樋門の耐震点検 防災拠点港湾等(東予港、松山港、宇和島港)の耐震診断

 医療施設耐震化臨時特例基金を活用した医療施設の耐震化 学校施設の耐醇化促進及び避難所指定を受けている体育館等の  耐震診断の前倒し実施

 モニタリングポストの増設等 本庁、地方局等への衛星インターネットの導入 災害拠点病院へのDMAT 活動に必要な医療機器等の整備 ため池ハザードマップの作成支援

2 東日本大震災関連対策の推進

 衛生環境研究所等への食品等放射性物質検査機器の整備 住宅用太陽光発電システムに対する補助制度の創設 えひめ愛顔の助け合い基金を活用した被災地学校の本県への  修学旅行に対する助成 被災者生活再建支援基金への出捐 県内で就農を希望する被災者への支援

3 当面する課題への対応

 年末資金の確保[融資枠 60 億円] 円高対策等のための緊急経済対策特別支援資金の追加[融資枠 180 億円] 愛媛ブランド牛の開発 本県産はだか麦の優良種子の緊急確保 松山南部トンネル(仮称)の建設

 地域医療再生基金の積み増し 主な基金活用事業  県立中央病院、県立新居浜病院、市立宇和島病院の機能強化  県立医療技術大学の教育体制強化のための機器整備  地域の状況等を踏まえた医療提供体制の充実・強化  がん患者の在宅緩和ケア推進モデル事業の実施検討  自治体立病院等への新たな医師派遣の仕組みの構築  看護師等の職場定着支援と看護力の強化 介護職員等へのたん吸引等研修の実施 子どもを見守るための公園等への防犯カメラ等の整備

 みなら特別支援学校分校の設置に伴う教育環境整備等 新居浜特別支援学校の校舎新築設計、仮設校舎の賃借                          

1 緊急避難路の確保

2 災施設の又急整備

3 河川・港湾施設等の耐震点検

(2)学校・医療施設の耐震化の促進

(3)防災体制の強化

(1)産業の振興

(2)医療・福祉の充実

(3)教育の充実

733,535 万円

704,645 万円

187,760 万円49,000 万円161,974 万円

9,930 万円1,060 万円

41,500 万円180,400 万円24,950 万円10,650 万円14,230 万円

3,700 万円8,000 万円7,800 万円

2,179 万円

5,617 万円

9,000 万円364 万円1,771 万円9,959 万円

134,408 万円

3,555 万円6,148 万円

7,050 万円117,504 万円151 万円

1,368,644 万円

150,000 万円720,000 万円13,923 万円520 万円

105,000 万円

150,188 万円

95,721 万円1,044 万円2,089 万円250 万円3,000 万円1,143 万円4,118 万円2,231 万円

3,972 万円2,170 万円

409,724 万円

275,421 万円

19,500 万円

7,796 万円

21,094 万円

893,342 万円

190,687 万円

5,716 万円

愛媛県議会平成23年度9月補正予算の概要東

日本大震災現地報告

九月補正予算の内容

平成二三年度

   上半期活動報告

多難な時代でも

明日を夢見る!

 今回の補正予算は、東日本大震災の経験から、

地震や津波への対策や原子力災害対策を緊急に

講じるため、国の措置を待つことなく県単独で

緊急防災対策を実施するとともに、「えひめ愛顔

(

えがお)

の助け合い基金」などを活用した被災

地等支援対策に切れ目なく取り組むほか、中小

企業金融対策や農林水産業の振興など、今年度

の後半において実施する必要のある施策を厳選

して編成されています。

 主な内容として、まず一番は、東日本大震災

を踏まえた緊急防災対策の推進。一つに、県単

独緊急防災対策として、地震・津波・原子力災

害に備えた緊急避難路等の道路改良の促進や危

険箇所の解消。二つに、河川護岸や海岸保全施設・

港湾施設の整備、がけ崩れ防災対策等に取り組

みます。二番目には、県立学校や医療施設の耐

震化促進です。三番目には、防災体制の強化と

して、モニタリングポストの増設、災害拠点病

院へのDMATの活動に必要な医療機器などの

整備、そして、ため池ハザードマップの作成を

支援します。

 二つ目の柱として、東日本大震災関連対策。

一つ目が、食の安全・安心対策として、衛生環

境研究所などへの食品等放射性物質検査機器の

整備。二つ目には、再生可能エネルギーの普及

支援として、住宅用太陽光発電システムに対す

る補助制度を創設します。三つ目として、被災

地等支援対策として、被災児童の修学旅行に対

する助成の拡充を行い、被災者生活再建支援基

金に追加の出捐する予定です。

 三本目の柱は、当面する課題への対応。一つに、

産業の振興として、円高などにより厳しい経営

環境にある中小企業者を支援するための融資枠

を拡大します。また、年々評価が高まっている「甘

とろ豚」にならい、新たな愛媛ブランド牛の開

発に踏み切ります。そして、日本一の生産量を

誇るはだか麦の優良種子を確保をします。二つ

目に医療・福祉の充実として、地域医療再生基

金を活用した医療機関の機能強化やがん対策の

推進、介護職員等へのたん吸引等研修の実施、

子どもを見守るため公園などへの防犯カメラ等

の整備を行います。三つ目に教育の充実として、

みなら特別支援学校の分校設置に伴う教育環境

の整備、新居浜特別支援学校の校舎新築設計な

どを進めます。

 この結果、九月補正予算総額は、一般会計で

二二三億五、五六〇万円、企業会計で一、〇二七

万円、合計で二二三億六、五八七万円となりま

した。

 予算規模は、昨年度とほぼ同規模ですが、過

去一〇年間で最大の規模の一般会計の予算額に

なっています。

 今回の県単独緊急防災対策は、大変厳しい財

政状況ではありますが、大震災を受けて県民の

不安感や関心が高まっている折り、県の姿勢を

明確にするために、ぎりぎりまで捻出しました。

ちなみに、平成七年の阪神・淡路大震災時も五

三億円の補正予算を計上していますが、今回は

それを上回る七〇億円規模の予算となりました。

 また、条例などの議案については、東日本大

震災の被災地に派遣する警察職員の特殊勤務手

当特例を設けるための条例改正などが提案され

ました。

平成二三年度九月補正予算

     についての解説

9 月補正予算の規模◯一般会計補正予算額◯企業会計補正予算額

2,235,560 万円1,027 万円

[累計 63,191,098 万円][累計 6,359,109 万円]

2,236,587 万円[累計 81,537,384 万円]合   計

県政をもっと身近に!!

ホームページ http://www.i-hongu.jp  Eメール [email protected]ツイッター http://twitter.com/honguisamuみなさまのご意見をお待ちしております。

 愛媛県民の温かい思いやりの気持ちを

支援というかたちにしようと、「えひめ愛

顔の助け合い基金」が設置されました。

四月一四日から寄付受付が始まり、現在、

二億円弱のお金が県民や企業から集まっ

ています。

 皆さんから寄せられた寄付金は、「被災

地への災害ボランティア派遣の費用」「愛

媛県と被災県の児童の交流活動費」「被災

県の児童の愛媛県への修学旅行支援」な

どに使われます。

 また、助成にあたっては、学識経験者

等で構成する「基金運営委員会」により、

公平・公正かつ被災者ニーズに則した支

援が行なわれます。

 また、九月県議会で、被災地の高校生

が本県への修学旅行と県内生徒との交流

を図る費用を助成するため、七、〇五〇万

円の補正予算が組まれました。

 この事業を活用して、岩手県の大槌高

校のほか宮城県三校、福島県六校などを

含む計一〇校、約一、二五〇名が愛媛に

来県します。県民挙げて被災地の学生た

ちを温かく迎えたいと思います。

 このほか、愛媛みかんジュース提供事

業、被災地児童生徒などとの愛顔の交流

支援事業など、一一事業に取り組みます。

 なお、個人の方は個人住民税及び所得

税の寄付金控除、法人の場合は全額損金

算入ができます。

 詳しくは、愛媛県のホームページをご

参照下さい。

「えひめ愛顔の助け合い

     基金」の設置

えひめ笑顔の助け合い基金ホームページ

http://www.pref.ehim

e.jp/h20100/egao-kikin/index.htm