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News Letter 2018年12月1日号(Vol.12) 佐川急便株式会社
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Contents ・佐川急便の貨客混載事業について ・「佐川女子」写真集発売!
地域の活性化、社会課題の解決に貢献する「貨客混載事業」
人口減少に伴う輸送需要の減少や労働力不足が深刻な課題となっている地方等において、人流・物流サービスの持続可能性を確保するため、異なる輸送モード(鉄道やバス、タクシー、トラックなど)が連携した貨客混載事業の取り組みが広がっています。
本事業は、地域の交通インフラの維持、観光・産業の振興、物流の効率化、労働環境の改善など、経済・環境・社会の統合的解決に貢献するものです。 今回は、佐川急便が取り組んできた貨客混載事業の実績をご紹介いたします。
貨客混載事業に係る規制緩和等
旅客自動車運送事業者は旅客の運送に、貨物自動車輸送事業者は貨物の運送に特化してきた従来のあり方を転換し、両事業の許可をそれぞれ取得した場合には、乗合バスについては全国で、貸切バス、タクシー、トラックについては過疎地域において、一定の条件のもとで事業の「かけもち」(貨客混載)を行うことができる措置が講じられました(2017年9月施行)。 また、「改正物流総合効率化法」(2016年10月施行)により、鉄道輸送においても、貨客混載輸送やモーダルシフトなどが促進されるなど、貨客混載事業の適用範囲が広がってきました。 ≪得られる効果≫ ・交通インフラ及びネットワークの維持、活性化 ・観光や産業の振興 ・物流効率化、生産性向上 ・交通機関の連携・効率化による環境負荷の低減 ・トラックドライバー不足への対応 など
貨客混載事業を行う際の許可基準の変更
2017年8月以前 2017年8月以降
乗合バス 350kg未満の荷物を運ぶことが可能
350kg以上の荷物を運ぶことが可能
貨物自動車運送事業許可を取得、貨物の運行管理者の選任が必要 ※350kg未満の荷物を運ぶ場合は今までどおり許可不要、貨物の運行管理者の選任も不要
貸切バス 旅客運送に特化 荷物も同時に運ぶことが可能に (貨物自動車運送事業許可を取得することが条件) ※過疎地域に限定
タクシー 旅客運送に特化 荷物も同時に運ぶことが可能に (貨物自動車運送事業許可を取得することが条件) ※過疎地域に限定
トラック 貨物輸送に特化 人も同時に運ぶことが可能に (旅客自動車運送事業許可を取得することが条件) ※過疎地域に限定
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事例紹介① 鉄道との連携(実証実験)
【事業内容】 JR北海道と連携した宅配便貨物の輸送 【事業開始】 実証実験 2018年11月 本格稼働 2019年春予定 【対象区間】 JR稚内駅~JR幌延駅 【内容】 JR北海道が管轄する宗谷線 稚内駅~幌延駅間で、旅客列車に宅配便荷物と旅客を混載し
て輸送する。天塩郡幌延町で1日に配達する荷物を専用ボックスに入れ、宗谷線の客車内に
積み込んで、稚内駅から幌延駅まで運ぶ。幌延町を担当するドライバーが駅で専用ボックスを取り降ろしする。11月21日には、現地で実証実験を行いました。
運用フロー
実証実験の様子
専用ボックスをトラックからホームへ運ぶ 列車への積み込み
座席に専用ボックスを担当者が設置 座席に固定された専用ボックス
幌延駅での取り降し作業 電動式台車で階段を昇降して輸送
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事例紹介② 乗用タクシーとの連携
【事業内容】 山城ヤサカ交通と連携した宅配便貨物の集配(乗用タクシーによる荷物の集荷は全国初)【事業開始】 2018年10月29日 【対象エリア】 京都府相楽郡笠置町
【内容】 相楽郡笠置町を事業エリアとする「山城ヤサカ交通」との貨客混載事業。当社京都精華営業所で山城ヤサカ交通担当者が配達荷物を受け取り、タクシー車両に配達荷物を積み込み後、旅客業務を開始します。旅客業務を行う以外の時間帯を活用して荷物の集荷・配達を行います。
運用フロー
事例紹介③ バスとの連携 (観光振興)
【事業内容】 路線バス会社3社との貨客混載事業による手ぶら観光サービスの提供 【事業開始】 2017年9月8日 【対象エリア】 愛媛県松山市、八幡浜市、宇和島市、今治市 【内容】 愛媛県内のバス会社3社との貨客混載事業を通じて、愛媛県内を周遊する観光客の手ぶら観
光を推進するサービス「バスパ」を開始。しまなみ海道のサイクリストに向けた「しまなみ海道手ぶらサイクリング」サービスと連携して、サイクリストの手荷物に対する不安・心配を取り除きます。
運用フロー
①観光客がチェックアウト時に提携ホテルで預けた荷物を、当社ドライバーが集荷。バス会社の車庫で集荷した荷物を預ける ②バス会社の車庫で、各都市間の路線バスの荷室に手荷物を積み込む ③路線バスが各都市間を輸送 ④バス会社の車庫で、送られてきた荷物を当社ドライバーがお預かりし、各市内の提携ホテルに届ける
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これまでに取り組んだ貨客混載事業
鉄道を活用した貨客混載事業
開始時期 2017年4月 実施地域 新潟県六日町市~上越市
実施事業者 北越急行、佐川急便
当社六日町営業所~上越営業所間の輸送荷物をトラック輸送から列車での輸送にシフト。豪雪地帯での定期運行による安定した幹線輸送の実現、モーダルシフトによる環境負荷低減を図る。
開始時期 2019年春本格稼働予定(2018年11月~実証実験中) 実施地域 JR稚内駅~JR幌延駅
実施事業者 JR北海道、佐川急便
JR北海道が管轄する宗谷線 稚内駅~幌延駅間で、旅客列車に宅配便荷物と旅客を混載して輸送。配達荷物を専用
ボックスに入れ、宗谷線の客車内に積み込んで、稚内駅から幌延駅まで運び。幌延町を担当するドライバーが駅で専用ボックスを取り降ろしする。
バスを活用した貨客混載事業
開始時期 2017年3月 実施地域 東京都~千葉県
実施事業者 東京空港交通、佐川急便
リムジンバスを活用して貨客混載事業を展開することで、都心から成田空港を結ぶバスの乗車券と手荷物当日配送サービスをセットにした商品展開。
開始時期 2017年8月 実施地域 岐阜県高山市~長野県松本市
実施事業者 国土交通省中部運輸局、濃飛乗合自動車、アルピコ交通、佐川急便
高山市~松本市間の観光客向けの手荷物輸送サービス。両都市間を結ぶ高速バスで手荷物を輸送し、観光客の利便性向上、当該地域の観光の活性化に貢献。(2017年11月中旬までの実証実験)
開始時期 2017年9月 実施地域 愛媛県松山市、八幡浜市、宇和島市、今治市
実施事業者 伊予鉄道、宇和島自動車、瀬戸内運輸、佐川急便
愛媛県内のバス会社3社との貨客混載事業を通じて、愛媛県内を周遊する観光客の手ぶら観光を推進するサービス「バスパ」を開始。しまなみ海道のサイクリストに向けた「しまなみ海道手ぶらサイクリング」サービスと連携。
開始時期 2018年2月 実施地域 秋田県秋田市~男鹿市、秋田県由利本荘市~にかほ市
実施事業者 秋田中央交通、羽後交通、佐川急便
路線バスの座席に当社の宅配便荷物を搭載し、旅客事業と並行して貨物輸送を実施。集配エリア~営業所間の移動時間が短縮されることで配達業務の効率化、従業員の労務負担の軽減につながる。(2018年3月までの実証実験)
タクシーを活用した貨客混載事業
開始時期 2017年11月 実施地域 北海道旭川市
実施事業者 旭川中央ハイヤー、佐川急便
旭川市米飯地区を運行する乗合タクシーの旅客業務の合間に、タクシーの運転手が宅配便荷物を配達する事業。当社の新たな輸送モードの構築、地域活性化を目指した取り組み。
開始時期 2018年6月 実施地域 大阪府~京都市内
実施事業者 エムケイタクシー、JALエービーシー、佐川急便
貨客混載事業による手荷物即日配送サービスを3社協同で開発。「MKスカイゲートシャトル」に乗客と一緒に手荷物を搭載し、京都・大阪を観光する来訪者にとって利便性の高いサービスを提供。
開始時期 2018年10月 実施地域 京都府相楽郡笠置町
実施事業者 山城ヤサカ交通、佐川急便
京都府南部を事業エリアに持つ山城ヤサカ交通と宅配事業の生産性向上、地域の交通インフラ活性化を目的に事業展開。タクシーの運転手が乗用タクシーの旅客事業の合間に集配業務を行う。なお、荷物の集荷を乗用タクシーで行うことは全国で初めての試み。
開始時期 2018年11月 実施地域 北海道上川郡当麻町
実施事業者 HEYタクシー、佐川急便
上川郡当麻町を事業エリアとする「HEYタクシー」との貨客混載事業。当社担当者がHEYタクシーに配達荷物を運び、HEYタクシー担当者はタクシー車両に配達荷物を積み込み後、旅客業務を開始。旅客業務を行う以外の時間帯を活用して荷物の配達を行う。
開始時期 2018年11月 実施地域 北海道天塩郡幌延町
実施事業者 天塩ハイヤー、佐川急便
天塩郡を事業エリアとする天塩ハイヤーとの貨客混載事業。当社担当者が天塩ハイヤーに配達荷物を運び、天塩ハイヤー担当者はタクシー車両に配達荷物を積み込み後、旅客業務を開始。旅客業務を行う以外の時間帯を活用して荷物の配達を行う。
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「佐川女子」写真集発売!
佐川急便の女性従業員が元気に働く様子やプライベートで見せる素顔をなどを収めた「佐川女子」写真集が発売されました。
定価:1,500円(税抜) 発売日:2018年12月10日 判型/頁:B5判/128頁 佐川女子55人の魅力的な瞬間を切り取り、紹介されている素敵な1冊です。
掲載内容に関するお問合せは下記までご連絡ください 佐川急便株式会社 広報課 Tel:03-3699-3614 Mail:[email protected]
バックナンバーは下記のURLからご覧になれます http://www.sagawa-exp.co.jp/company/letter.html
前号のコンテンツ(2018年11月1日号) ・佐川男子・佐川女子を輩出する教育・研修制度 ・「佐川男子カレンダー2019」発売中!