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北東アジア地域自治体連合 NEAR | NEAR Leading the Era of Northeast Asia 2014. 1-2 NEAR News 特別寄稿 NEAR事務総長 I 議長団体・全羅南道知事 I 中国山東省省長 I 日本島根県知事 I モンゴル国ウムヌゴビ県知事 I ロシア連邦トゥヴァ共和国対外経済庁庁長 今月の動静 NEAR活動 I 事務局ニュース I 会員自治体の動静 I 会員自治体の行事日程 企画取材 慶尚北道の文化振興プロジェクト NEAR 会員探訪 韓国 忠清北道 I ロシア連邦ハバロフスク地方 NEAR 海外派遣公務員 寄稿 中国湖北省 葉劍雯 I 日本国兵庫県 池上卓久 I モンゴル国ゴビスンベル県 シジル・アリョンジョル ロシア連邦トゥヴァ共和国 オンダル・サヤン Vol. 55 NEAR News 浦項市の迎日台と日の出 北東アジア地域自治体連合 The Association of North East Asia Regional Governments
20

NEAR news vol.55 (JPN)

Jul 27, 2016

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Page 1: NEAR news vol.55 (JPN)

北東アジア地域自治体連合The Association of North East Asia

Regional Governments

北東アジア地域自治体連合 NEAR | NEAR Leading the Era of Northeast Asia2014. 1-2

NEARNews

特別寄稿NEAR事務総長 I 議長団体・全羅南道知事 I 中国山東省省長 I 日本島根県知事 I モンゴル国ウムヌゴビ県知事 I ロシア連邦トゥヴァ共和国対外経済庁庁長

今月の動静NEAR活動 I 事務局ニュース I 会員自治体の動静 I 会員自治体の行事日程企画取材 慶尚北道の文化振興プロジェクトNEAR 会員探訪 韓国 忠清北道 I ロシア連邦ハバロフスク地方NEAR 海外派遣公務員 寄稿 中国湖北省 葉劍雯 I 日本国兵庫県 池上卓久 I モンゴル国ゴビスンベル県 シジル・アリョンジョル ロシア連邦トゥヴァ共和国 オンダル・サヤン

Vol. 55

NEARNews

浦項市の迎日台と日の出

北東アジア地域自治体連合The Association of North East Asia

Regional Governments

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Vol. 5515 16 17

「NEAR News」は会員自治体のニュースを伝え、情報を共有するNEARの公式なメッセンジャーとして創刊されました。NEARの活動状況、会員自治体動静、関連国際動向、各種の寄稿、お知らせなどの内容で定期的に発刊しており、会員自治体及び関連機関に無料配布し、NEARホームページにも掲載されます。「NEAR News」は会員自治体がともに作っていくニュースレターであり、NEARと北東アジア地域に関心を持つ方はどなたでも参加できます。「NEAR News」に掲載を希望する原稿や斬新なアイデアをお持ちの方はNEAR事務局までご連絡いただくようお願いします。

NEAR News

ロシア連邦ハバロフスク市「ハバロフスクの池」

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北東アジア地域自治体連合は

北東アジア6カ国(日・中・韓・蒙・露・北朝鮮)76の広域自治体(71会員自治体、5オブザーバー自治体)で構成される北東アジア地域における代表的な地方外交協力体であると同時に、国際的な機構でもあります。北東アジアの共同繁栄を基本理念とする連合憲章を採択し、経済・人文、教育文化交流、環境、防災、国境地区協力、科学技術、観光、海洋漁業、鉱物資源開発・調整、エネルギー・気候変動、女性・児童、生命・医療産業、農業などの様々な分野で幅広い交流・協力プログラムを展開してまいりました。欧州最大の地方政府協力機構であるAER(欧州地域会議)、R-20 (気候行動地域)など国際的な機構との交流を活性化し、パートナーシップの締結、共同事業の推進など、北東アジアを越えて、世界中と繋がる国際協力ネットワーク構築の先頭に立っています。

NEARの門戸は開かれています。

北東アジア地域に位置し、連合の設立趣旨に賛同する広域自治体は、連合の総会の承認を経て参加することができます。

北東アジア地域自治体連合The Association of North East Asia

Regional Governments

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特別寄稿 NEAR事務総長 特別寄稿

特別寄稿

北東アジアの共同繁栄に向けて

以前にも増して北東アジアの平和と安定が大きく脅かされた2013年が過ぎ、躍動感あふれる「午

年」の2014年を迎えるようになりました。

世界経済は2008年に発生した世界金融危機から少しずつ回復しつつありますが、2014年に入り、

新たに「デフレの危機」という憂慮とともに、米国の量的緩和縮小によって新興国を中心に金融危機

が再び発生するのではないかとの懸念が再び頭をもたげています。

欧米地域に比べて相対的に被害が小さかった北東アジアは早いスピードで回復に向かっており、

平和と共同繁栄というビジョンの下で共同体を形成していく中、一方では歴史認識や領土紛争とい

った政治的な葛藤や対立の様相が徐々に激しくなっています。

幸いなことは、各国政府が対立している状況の中においても、地方政府の間では持続的な交流と

協力が維持されており、政府間の対立の構造を緩和させるために、大きな役割を果たしている点で

す。北東アジアは、世界のどの地域よりも地方自治体間の交流と協力が活発なところですが、日・中・

韓3国の地方自治体の交流状況を見てみると、韓中が518件、日韓が187件、日中が354件と、計

1,059件に上っています。また、韓国とロシアが44件、韓国とモンゴルが32件それぞれ締結され草の

根交流の幅が着実に広がっています。

北東アジアで今後期待される要素としては、中国は「中華復活の夢」と海洋大国化戦略を強調して

おり、ロシアは新東方政策とともにエネルギー、物流など極東地域の開発に重点を置いて周辺国と

の協力を強化していることのほか、日本は新国家建設とともにアベノミクスを通じた経済活性化を図

っていることが挙げられます。また、韓国は創造経済政策とともに、いわゆる「新北方政策」を活発に

展開していく計画であり、指導者交代後、体制を安定させることができない北朝鮮も経済建設に力

を入れているだけに、交流と協力の可能性は大きくなっています。

懸念される要素としては、国家間の政治的な問題が解消される兆しがなく、北東アジア地域の発

展に大きな障害になっていることのほか、気候変動に伴う台風、津波、地震、噴火などの自然災害

や大気汚染、微細粒子状物質、砂漠化、放射能流出などの環境悪化のような過去には見られなか

った危機が次第に深刻化していることが挙げられます。

このような期待、並びに危機の克服のためには、超国家的な政策で地域間の協力と交流を拡大

することが必須です。今日の世界は国家が政策を主導する時代から、地方政府が政策を主導・先

導し、結果的として国家を参加させる時代に進んでいます。つまり、地方の競争力が国の競争力に

なる時代になっているのです。

今年は北東アジアの地域間の均衡発展を模索し、経済、文化、人文、環境など、会員自治体が主

催する国際行事への積極的な参画を通じて、実質的な成果を収める年になることを期待します。

金在孝(キム・ジェヒョ)

NEAR事務総長 

NEAR NEWS Vol. 554

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議長団体・全羅南道知事 特別寄稿

共同協力を通じて

北東アジアの中心国家を目指す尊敬する北東アジア地域自治体連合の会員の皆様!

2014年、新しい年が明けました。皆様のご多幸と、希望される全てのことが達成されることをお祈り

致します。

北東アジア地域自治体連合は1996年に創設され、約18年を経る間、会員自治体の相互理解や交

流を深めるために取り組んで参りました。このような取り組みを通じて、北東アジアの共同繁栄と持続

可能な発展を模索するといった大きな成果を上げています。北東アジア地域自治体連合と会員自

治体の発展のためにご尽力くださいました関係者の皆様に心から感謝申し上げます。

また、昨年9月、全羅南道にて開催された第9回NEAR実務委員会が成功裏に開催されるようご協

力して頂きました事務局と会員自治体にも改めて感謝申し上げます。

皆様もご存知の通り、世界は今交通・通信の発達、国家間の交流などによって変化を遂げながら、

多くの情報を共有しています。最近、世界の主要国の関係を見ると、一国の主導で経済的かつ政

治的な分野に関する問題が決まるわけではなく、政策の懸案ごとに競争と協力が共存する多極化

現象が現れています。このような変化の中で、北東アジア地域が世界で交流と協力の中心になるた

めには、社会・経済・文化などお互いの多様性を認めると同時に、協力を強化していくことが何よりも

求められると思っております。

既に多くの歴史学者は世界を牽引する発展の軸が北東アジアに移動してきており、21世紀は北東

アジアがリードしていくだろうと述べています。

我々北東アジアは、他の地域よりも高い発展潜在力を持っています。石炭や天然ガス、石油をは

じめとする豊富な鉱物資源と技術を有し、経済力では世界GDPの30%を占めるなど、その存在感と役

割の重要性はますます高まっています。これを基に、より自信を持ち、会員自治体が知恵を集め、

交流と協力を強化していけば「真のパートナー」となることができ、国と人類の発展にも貢献できると

考えます。

これからも、引き続きNEARに対するご支援とご関心をお願いするとともに、今年、全羅南道にて開

催されるNEAR総会に多くの会員自治体が参加してくださることを期待します。

ありがとうございます。

朴晙瑩(パク・ジュンヨン)

議長団体・全羅南道知事 

特別寄稿

The Association of North East Asia Regional Governments 5

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2014年となり、春節を迎えようとする意味深い時に、中国山東省の人民政府と9700万人の住民を

代表し、NEAR会員自治体及び事務局の皆様に新年のご挨拶ができることを光栄に思います。

山東省は中国東部沿岸に流れる黄河の下流に位置し、悠久な歴史を誇る中華文明の重要な発

祥の地です。人口は全国2位、経済総量は全国3位と、経済・文化・海洋分野における「大省」であ

り、中国で最も大きな発展潜在力と活力を有している地域の一つです。

山東省は常に北東アジア各国との友好関係を重視しており、積極的にNEARの開催する様々な行

事に参加してきました。また、NEAR事務局の手厚い支援の下、2008年には山東省で第7回の総会

を成功裏に開催し、海洋漁業文化委員会の創設会議をはじめとする三回の海洋関連フォーラムに

ついては、皆様から肯定的な評価をいただきました。改めて、大きなご支援をしていただきました皆

様に感謝申し上げるとともに、これからもNEAR会員自治体と事務局が、引き続き我が省の協力や交

流に関心と支持を寄せていただくことをお願いいたします。山東省も各地域の先進的な経験に学

び、友好交流と実質的な協力を展開し、北東アジア地域の繁栄と発展のために貢献できることを望

んでいます。

現在、山東省は東アジア海洋協力のプラットフォームの建設を進めているところです。これは中国

の李克強総理が2013年10月に開かれたASEAN+3(日中韓)会議で提案したものであり、NEAR会員

自治体及び海洋科学研究機構や企業の積極的な参加を歓迎するとともに、友好促進と協力拡大

で皆が相互扶助し、良い結果を得ることを期待します。

最後に、皆様が良いお年を迎えられますとともに、全てが順調であることをお祈りいたします。

山東省 省長

郭樹淸(グオ・シュチン)

中国山東省省長

友好交流と実質的な協力の拡大

特別寄稿 中国山東省省長 特別寄稿

NEAR NEWS Vol. 556

Page 7: NEAR news vol.55 (JPN)

新年のお慶びを申し上げます。

北東アジア地域の相互発展を目指して設立された北東アジア地域自治体連合(NEAR)は、間もなく20周年

を迎えることになります。会員自治体も6カ国71自治体に増え、北東アジアの国際組織として大きく発展してき

ました。

自治体間のネットワークをより強固なものとするためには、会員自治体の相互理解を深めることが必要です。

島根県では、北東アジア地域の将来を担う若い世代の方たちが、各地域を相互に理解し、北東アジア地域

で新しいネットワークを作ることを目的として、2002年から「北東アジア交流の翼 in しまね」を開催しております。

このプログラムでは、課題テーマについて、各国の青年が自らの体験などをもとに活発な意見交換を行い、国

ごとに考え方の違いがあることや、それぞれが抱えている課題を学びます。宿泊体験や様々な交流活動を通し

て、自分らしく生きるとはどういうことかを考える意義深い時間を過ごし、言葉や文化の違いを越えた友情の絆が

結ばれています。

参加青年の皆さんが、こうしたプログラムを通して得られた国際感覚を今後の活動に生かし、北東アジア地域

のネットワーク作りの新たな担い手となり、リーダーシップを発揮していただけることを期待しております。

今後も、島根県では、NEAR教育・文化委員会の事業の一環として、こうした青年交流事業などを行い、会員

自治体の相互理解を一層深め、北東アジアの安定と平和に貢献したいと考えております。

引き続き、会員自治体の皆様のご協力をお願いいたします。

さて、島根には、世界遺産「石見銀山遺跡」や世界認定された「隠岐ジオパーク」など、全国的にも著名な歴

史遺産や自然がたくさんあります。特に縁結びで有名な出雲大社では、60年に1度の「大遷宮」が行われてお

り、昨年は海外や日本全国からたくさんのお客様に島根へお出でいただきました。皆様も是非、歴史や文化、

自然など魅力あふれる島根にお越しください。

溝口 善兵衛日本島根県知事 

北東アジアの安全と平和に貢献する

日本島根県知事 特別寄稿 特別寄稿

The Association of North East Asia Regional Governments 7

Page 8: NEAR news vol.55 (JPN)

特別寄稿 モンゴル国ウムヌゴビ県知事, ロシア連邦トゥヴァ共和国対外経済庁庁長 特別寄稿

尊敬するNEARの会員自治体の皆様に新年のご挨拶をする機会を得たことを大変嬉しく存じます。

思い出がたくさん詰まった2013年が過ぎ行き、2014年を迎えました。2013年に我々の協力関係はよ

り発展的なものとなりました。

ウムヌゴビ県は2011-2012年にNEAR事務局に職員を派遣したことがあり、分科委員会や国際フォ

ーラムといったNEARの行事にも積極的に参加し、これらを通じて会員自治体との交流・協力を深め

ました。

我々はNEARの会員自治体であるという自負心をいつも持っています。2014年も会員自治体の間

での交流・協力がより発展し、多くの成果を挙げることを期待しております。

皆様、明けましておめでとうございます。

旧正月を迎え、ロシア連邦トゥヴァ共和国対外経済庁を代表しまして新年のお慶びを申し上げま

す。皆様、明けましておめでとうございます。NEARの会員自治体の皆様、皆様のますますのご健勝

とご多幸をお祈りいたします。

また、私は個人的にもロシア連邦トゥヴァ共和国対外経済庁職員を代表し、新年のご挨拶を差し上

げたいと思います。改めて、新年明けましておめでとうございます。

NEAR会員自治体の皆様が新たな一年を楽しく迎えられ、計画されていることの全てが成し遂げら

れるとともに、常に健康でよい生活を営まれることをお祈りいたします。

また、新年には、寛大で、いつも幸運と成功があなたとともにあり、家庭は温かく、喜びに満ち溢れ

ることを祈念いたします。皆様と皆様の家庭に幸福と繁栄がともにあることを願います。

ロシア連邦トゥヴァ共和国大統領が出張中のため、チルギチ・オンダルが代理を務めました。

バドラー

モンゴル国ウムヌゴビ県知事 

チルギチ・オンダル

ロシア連邦トゥヴァ共和国対外経済庁庁長

交流協力を通じた発展を期待する

新年の幸福と繁栄

NEAR NEWS Vol. 558

Page 9: NEAR news vol.55 (JPN)

NEAR活動 / 事務局ニュース今月の動静

NEAR活動

今年で12回目を迎える防災分科委員会が3月10日に日本の兵庫県神戸市にて

開催される予定となっている。今回の分科委員会では兵庫県の防災・東日本大震

災復興支援に関する説明、アジア防災センター(ADRC)、国際防災復興協力機構

(IRP)といった国際防災機関の関係者との意見交換、JICA関西の防災人材育成活

動が行われる計画であり、また別途「地域防災力の向上」というテーマで広域防災

センタ-が実施している防災訓練も体験する予定である。その後、現場視察では

兵庫県広域防災センターの視察や地震体験などが行われる。

分科委員会の活動報告 - 第10回経済人文交流分科委員会

第12回防災分科委員会の開催 - 日本国兵庫県(3. 10~3. 13)

第10回経済人文分科委員会の記念写真

事務局ニュース

1月14日、中国吉林省から王志偉(ワン・ジウェイ)外事弁公室副主任を代表とする外

事代表団がNEAR事務局を訪問した。

今回の訪問は、吉林省とNEARのより緊密な協力と連携強化を目標としたもので、金

事務総長は吉林省外事代表団の訪問に歓迎の意を表するととともに、NEAR及び事

務局の現況並びにNEARへの加入手続きにつき詳細に説明し、吉林省のNEAR加入

と2014年第10回総会への参加を要請した。

これに対し、王副主任は事務局側の歓待に感謝を表し、2014年の総会において吉

林省がNEARへ加入できるように最善を尽くしたいと答えた。

吉林省は中国の東北地域に位置し、人口約2750万人、面積18.74万㎢で、中心都

市は長春となっている。

特に、吉林省は北朝鮮、ロシアと境界を接し、北東アジアにおける交流協力の中心

として期待されている。

中国吉林省の外事代表団、NEAR事務局を訪問

2013NEAR年次報告書では、2013年に開かれた実務委員会、各分科委員会の詳細

な内容と2014年度に開催が予定されている防災、教育文化、スポーツ、国境地区協

力、観光、生命医療産業など7つの分科委員会の日程が紹介されている。また、会員

自治体間の交流・協力を活性化するため、会員自治体の青少年(14~18歳)を対象に実

施した第一回NEAR青少年エッセイコンテストの内容や若年層の失業問題解消と自治

体間の交流を目的としたPioNEARの成果のほか、NEARの活動PRを目的とした広報映

像の制作にかかる内容が含まれている。

このようにNEARの主要活動を体系的に整理した「NEAR 2013年次報告書」を昨年と

は異なり、6つの言語(中国語、日本語、韓国語、モンゴル語、ロシア語、英語)で発刊

し、各会員自治体と関連機関に配布し、NEARのステータスをより高めることとなった。

2013年次報告書の発刊・配布

第10回経済人文交流分科委員会が12月11日から13日までの三日間、韓国の済州

道で開催された。今回の分科委員会は「由緒ある伝統の町の持続可能な発展事例

及び町の優秀企業、協同組合の管理・発展事例」というテーマで中国や日本、韓国、

モンゴル、ロシアの5カ国29自治体から67名が参加した。

歓迎挨拶で朱洛榮(ジュ・ナギョン)慶尚北道行政副知事は、慶尚北道は9回に渡る

分科委員会の開催を通じて、会員自治体の交流を活性化するため弛みない努力をし

てきており、分科委員会を拡大改編することで更に内容を充実させ、交流と協力を強

化していくとした。引き続き行われた慶尚北道内のマウル企業(コミュニティ・ビジネス)

や協同組合の事例報告では、地域共同体の収益ビジネスを通じて所得及び雇用が

提供されることから、地域の発展に繋がるチャンスになるということが紹介された。

また、崔光植(チェ・グァンシク)前文化体育観光部長官によるシルクロード及び韓流

ロードにかかる特別講演が行われた後、各会員自治体の事例及びテーマ発表に対

する質疑応答と討論が実施され、マウル企業の運営において、優秀な人材の発掘が

何よりも難しく、また地域の問題を探し出し、住民が協力して問題解決を模索すること

が重要であると理解できる契機となった。

日 付 内          容3月 10日 (月) 参加者の登録

3月 11日 (火)

人と防災未来センターの視察兵庫県の防災と東日本大震災復興支援に関する説明国際防災機関などの関係者との意見交換JICA関西防災人材育成活動歓迎交流会

3月 12日(水) 兵庫県内視察3月 13日(木) 出国

■ NEAR 防災分科委員の日程

The Association of North East Asia Regional Governments 9

Page 10: NEAR news vol.55 (JPN)

今月の動静 会員自治体動静

湖北省 - 中国

山東省 - 中国

青森県 - 日本

2013海外華僑青少年ウィンターキャンプ– 華中師範大学で開催

中国初、海洋植物を導入した 「青島世界園芸博覧会」 が4月25日に開場 

「十和田湖冬物語」 の開幕

2013年12月17日午前、中国国務院が主催し中国語教育の中心地である

華中師範大学が主管する2013海外華僑青少年ウィンターキャンプ「中国の

ルーツを探す旅」 - 中国語文化キャンプの開幕式が華中師範大学の科学

講堂で開かれた。パナマ、タイ、インドネシア、日本などから来た150人の青

少年(12~18歳)と華僑学校の教師らが参加し、参加者の年齢は12歳から18

歳となっている。中国語文化ウィンターキャンプは15日間行われ、主催側は

参加者らのため、中国歴史文化、三国時代の文化、湖北の地理文化といっ

た言語の学習課程や中国書画、紙工芸、餃子作り、中国語歌教室など多彩

な中国文化行事を準備した。

湖北省外事弁公室華僑業務処の胡斌(フ・ビン)処長は、同弁公室を代表

しウィンターキャンプの参加者らに心から歓迎の意を表した。胡処長は「湖北

省は春秋戦国時代の楚文化の発祥地であるとともに、中国文化の重要な一

部分であり、楚国は有名な詩人の屈原や劉備、関羽、張飛のように三国時

代を代表する歴史的な人物を輩出した」と説明した。また、参加者らが中国

文化と言語を学べる今回の機会を大事にし、美しい楚国で大きな成果を上

げ、自らのレベルをアップさせ、中国文化が世界各国文化と交流することで、

お互いの手本にするためにも、より多くの国と人たちが豊かで多彩な中国文

化、楚国に対して理解を深めて欲しいと強調した。

青島世界園芸博覧会が今年4月

25日から10月25日まで約6ヶ月間開

催される。現在、博覧会場の基礎工

事が終わった状況で、会場内の施

工や運営関連業務の準備をしてい

るところである。

世界園芸博覧会は山東省青島市

の百果山森林公園に位置してお

り、計画面積は241haとディズニーラ

ンド約2個分の規模である。また、東

・北・西の三面が山に囲まれており、

7つの主要建築群があり、建築物の

総面積は10.6万㎡となっている。

世界園芸博覧会が中国の海岸都

十和田湖は、十和田八幡平国立

公園に位置し、冬には雪と氷にお

おわれた神秘的なたたずまいを見

せる。

 この十和田湖畔で開催される

「十和田湖冬物語」は、青森県の

冬季観光の振興を図るため、1999

年2月に初めて開催された。今で

は、東北の冬を代表するイベントの

ひとつとなっており、今回で16回目

を数える。

今年度は2014年2月7日~3月2日の約1ヶ月の日程で開催が予定されて

おり、期間中は、白銀の世界を色鮮やかに染める打ち上げ花火を始め、

光で彩られた雪像やかまくら、雪灯籠など、雪と光に包まれた幻想的な空

間で、郷土芸能や青森の食を楽しむことができる。

会員自治体の動静

市で開催されるのは今回が初めてで、海洋植物の展示も世界初である。世界

でも特色ある20種の大型藻類や8mに達する巨大は海藻を展示する予定。ま

た、今回の博覧会は中国の5000年の園芸・造景文化を凝縮して公開する予

定であり、各地から取り寄せられた不思議な花や草も展示される。このほか、5

大陸37カ国、1つの国際機関など世界各地からの参加者達にも新たな環境

配慮の理念を伝えると期待される。

十和田湖冬物語

富山県 - 日本

第18回 NOWPAP 政府間会合の開催

2013年12月4日(水)~6日(金)、NOWPAP(北西太平洋地域海行動計

画)の政府間会合が富山県で開催された。会合には日本、中国、韓国、

ロシアの政府代表など約40名が参加し、日本海及び黄海における海洋ご

み問題への対策や、関係国間の協力等について協議が行われた。

NOWPAPはUNEP(国連環境計画)が提唱する地域海行動計画の一つ

で、日本海及び黄海の海洋・沿岸環境の有効な利用、開発、管理を目的

とした取組み。日本、中国、韓国、ロシアが参加して1994年に採択され、

2004年にはNOWPAPの「本部事務局」であるRCU(地域調整部)が富山と

韓国・釜山に共同設置された。RCU富山事務所は日本海側初の国連機

関であり、富山県はNOWPAPの活動を支援している。 会場内部の施工

博覧会の鳥瞰図

NEAR NEWS Vol. 5510

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今月の動静 会員自治体動静

慶尚北道 - 韓国

浦項市、投資誘致説明会を成功裏に開催

1月22日、浦項市はソウルCOEX

インターコンチネンタルホテルで国

内約100の中堅企業や不動産投

資専門家、在ソウルの浦項出身ビ

ジネスマンなど約300人が出席した

中、投資誘致説明会を開催した。

投資誘致説明会では、浦項運河

が竣工されるとともに、今年末にKTXが開通することによってソウルから浦

項へ2時間台で移動できるようになるため、「今や浦項も首都圏である」とい

うテーマで、浦項運河周辺のホテル用地や水辺の商店街、テーマパークと

いった商業用地33,988㎡、浦項国家産業団地「ブルーバレー」を始めとす

る6つの産業団地12,226,699㎡、今年分譲する予定である5,022世帯のマ

ンションや特級ホテルなど不動産投資に対する投資条件を紹介した。

特に、昨年末の開通とともに、浦項の新たなランドマークとして注目され

ている浦項運河の場合、T9海洋プロジェクトと海洋新都市建設計画を通じ

て、周囲の水辺空間に対する投資のメリットを強調するとともに、浦項市は

「いつでも、どこにでも行きます」、「最後まで責任を持って処理します」「些

細なことも解決します」をモットーに、投資誘致に向けた万全の体制を構築

し、入居企業に与える多様なインセンティブや他の地域との差別化を図っ

た浦項だけのワンストップ行政サービスなどを強調した。

朴承浩(パク・スンホ)浦項市長は、「浦項だけの投資インセンティブ開発

とともに、いつでもどこでも駆けつける投資誘致説明会を通じ、浦項の魅力

第18回NOWPAP政府間会合(富山県)

を伝え、浦項により多くの投資が行われるよう最善を尽くしたい」とし、「些

細なことの一つでも、全てに対して確実に最後まで責任を持つ姿勢で、感

動を与える投資誘致戦略を通じ、良い結果を出したい」との意志を示した。

浦項市投資誘致説明会

浦項運河開通記念水上パレード

全羅南道 - 韓国

莞島国際海藻類博覧会の開催準備

1月24日、全羅南道は道下の市・郡の観光課

長、関係公務員など約40人が出席した中、2014

年度の主要観光施策説明会を開き、莞島国際

海藻類博覧会を成功裏に開催するため、お互

いに協力することで合意した。

今回の説明会では、道と市・郡において協力と

共助が必要な施策を中心に進行された。主な施

策は、全羅南道や市・郡が出資し、造成された

観光振興基金(120億ウォン)による観光宿泊施設融資、住民主導型観光共

同体である「観光ドゥレ※」の新規立ち上げ、観光資源開発事業の推進(82

件、1109億ウォン)、観光分野施設への投資誘致、国内外の共同観光マーケ

ティングや広報など、総計23の事業となっている。

また、今年4月11日から1ヶ月間開催される莞島国際海藻類博覧会の事前

広報と開催成功のため、道・市・郡が博覧会と連携した広報・マーケティング

・受け入れ体制などの協力について議論した。

イ・スンオク全羅南道観光文化局長は「麗水世界博覧会や順天湾国際庭

園博覧会といった国際的なイベントの開催で高まった全羅南道のイメージを

さらにアップさせるために、観光現場の最前線である市・郡と協力し、より実り

多いものとなるように努力したい」と述べた。

※ドゥレとは、本来「農繁期に互いに協力するための集落内での組織」を指

す言葉であったが、転じて「共同組織」といった意味で使用される。

国際海藻類博覧会マスコット

クラスノヤルスク - ロシア

第11回クラスノヤルスク経済フォーラム開催

第11回のクラスノヤルスク経済フォーラムが2月

27日から3月1日までクラスノヤルスク市にて開催

された。2日間に渡り開催された今回のフォーラ

ムには、政府関係者を始め、ロシア内外の経済

をリードする企業やNPOから約1500人、マスコミの関係者が約300人参加し

た。今回の経済フォーラムでは、クラスノヤルスク州の経済発展を目標とし

て、北部地域の橋梁建設、ボグチャンスキー地域の建設木材産業地区建

設、航空交通インフラの構築などが議論された後、引き続いて2018年までの

戦略的な国家社会、経済発展イニシアチブ、社会制度的な改革や生活の

質の向上に向けた経済成長の新たなモデルに関して、討論が行われた。

The Association of North East Asia Regional Governments 11

Page 12: NEAR news vol.55 (JPN)

今月の動静 会員自治体の行事日程

March2014.3

April2014.4

Sunday Monday Tuesday| 会員自治体の行事日程 |

1

■自治体名 : 韓国 蔚山広域市

■行事名 : 第11回太和江国際マラソン大会

■期 間 : 4. 6

■場 所 : ウルサン太和江沿岸

■連絡先 : 蔚山メイル新聞

T. +82-52-271-8701

6 7 8

13 14 15

20 21 22

■自治体名 : 韓国 光州広域市

■行事名 : 2014東アジア文化都市フォーラム

■期 間 : 3 ~ 10月

■連絡先 : 文化首都政策官室

T. +82-62-613-3421

2 3 4

■自治体名 : 日本 兵庫県

■行事名 : 防災分科委員会

■期 間 : 3. 10 ~ 13

■場 所 : 兵庫県

■連絡先 : 兵庫県防災企画課

T. +81-78-362-9870 F. +81-78-362-9914

9 10 11

NEAR NEWS Vol. 5512

Page 13: NEAR news vol.55 (JPN)

今月の動静 会員自治体の行事日程

Wednesday Thursday Friday Saturday

■自治体名 : 韓国

■行事名 : 第11回国際グリーン・エネルギーEXPO

■期 間 : 4. 2 ~ 4

■場 所 : 大邱市 EXCO

■連絡先 : グリーンエネルギーEXPO事務局

T. +82-53-601-5371 http://www.energyexpo.co.kr/kor/

■自治体名 : 韓国 大田広域市

■行事名 : 大韓神経科学会 春季学術大会

■期 間 : 4. 4 ~ 5

■場 所 : 大田市DCC

■連絡先 : 韓国神経科学会

T. +82-2-737-6530

■自治体名 : 韓国 釜山広域市

■行事名 : 第32回釜山演劇祭

■期 間 : 4. 4 ~ 20

■場 所 : 文化会館、市民会館など

■連絡先 : 釜山広域市国際協力課

T. +82-51-888-3541

2 3 4 5

■自治体名 : 韓国 大邱広域市

■行事名 : 第11回韓国消防安全博覧会

■期 間 : 4. 9 ~ 11

■場 所 : 大邱市EXCO

■連絡先 : FIREEXPO 事務局

T. +82-53-601-5364

■自治体名 : 韓国 全羅南道

■行事名 : 2014莞島国際海藻類博覧会

■期 間 : 4. 11 ~ 5. 11

■場 所 : 莞島郡 莞島港

■連絡先 : (財)2014 莞島国際海藻類博覧会組織

委員会 T. +82-61-550-5427

■自治体名 : 韓国 大田広域市

■行事名 : 韓国高分子学会 春季学術大会

■期 間 : 4. 9 ~ 11

■場 所 : 大田市DCC

■連絡先 : 韓国高分子学会

T. +82-2-568-3860

9 11 12

■自治体名 : 韓国 大田広域市

■ 行事名 : 国際賢者アジア太平洋総会(2014 IMC)

■期 間 : 4. 19

■場 所 : 大田市DCC

■連絡先 : 大田広域市国際協力課

T. +82-42-470-3696

■自治体名 : 韓国 大邱広域市

■行事名 : 第13回大邱国際光学展(DIOPS)

■期 間 : 4. 16 ~ 18

■場 所 : 大邱市EXCO

■連絡先 : 大邱市

T. +82-53-350-7830

■自治体名 : 韓国 釜山広域市

■行事名 : 2014釜山国際原子力産業展

■期 間 : 4. 16 ~ 18

■場 所 : BEXCO

■連絡先 : 釜山広域市国際協力課

T. +82-51-888-3541

16 18 19

■自治体名 : 中国 山東省

■行事名 : 第2回アジア太平洋ニューメディアサミッ

トフォーラム

■期 間 : 4. 25

■場 所 : 済南市

■連絡先 : 山東放送局

T. +86-531-81695220

23 24 25 26

■自治体名 : ロシア クラスノヤルスク

■行事名 : 第11回 クラスノヤルスク経済フォーラム

■期 間 : 2.27 ~ 3.1

■場 所 : クラスノヤルスク市

■連絡先 : 担当者: ベラ・ソルダトヴァ

T. +7 (909) 916-11-34 E-mail : [email protected] www.krasnoforum.ru

■自治体名 : 日本 鳥取県

■行事名 : 鳥取マラソン2014

■期 間 : 3. 14

■場 所 : 鳥取市

■連絡先 : 鳥取県未来づくり推進局鳥取力創造課

T. +81-857-26-7248 F. +81-857-26-8196

2/27 2/28 1

■自治体名 : 韓国 大邱広域市

■行事名 : 第19回 韓国国際繊維機械展(KORTEX)

■期 間 : 3. 5 ~ 7

■場 所 : 大邱市 EXCO

■連絡先 : KORTEX 事務局

T. +82-53-601-5223 http://www.kortex.or.kr/

■自治体名 : 韓国 大邱広域市

■行事名 : 2014 大邱国際繊維博覧会(PID)

■期 間 : 3. 5 ~ 7

■場 所 : 大邱市 EXCO

■連絡先 : PID 事務局

T. +82-53-560-6520 http://www.previewin.com

■自治体名 : 韓国 済州特別自治道

■行事名 : 2014済州野の火祭り

■期 間 : 3. 7 ~ 9

■場 所 : 済州市セビョルオルム(新しい星の山)

■連絡先 : 済州市

5 7 8

■自治体名 : 韓国 光州広域市

■行事名 : SWEET 2014

(再生可能エネルギー国際専門展示会)

■期 間 : 3. 12 ~ 14

■場 所 : 金大中 コンベンションセンター

■連絡先 : 光州広域市国際協力課

T. +82-62-613-3923

■自治体名 : 韓国 済州特別自治道

■行事名 : 第1回 国際電気自動車EXPO

■期 間 : 3. 15 ~ 21

■場 所 : 済州国際コンベンションセンター

■連絡先 : 済州特別自治道庁スマートグリッド課

T. +82-64-710-4412

12 13 14 15

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Page 14: NEAR news vol.55 (JPN)

企画取材 慶尚北道の文化振興プロジェクト

慶尚北道の文化振興プロジェクト

NEAR会員自治体である慶尚北道は、シルクロードプロジェクトやPOST慶州-イスタンブー

ルEXPO、世界水フォーラム、セマウル運動の世界化などの事業を推進することで、文化

のグローバル化に向けた慶尚北道の取り組みと成果を会員自治体と共有し、今後慶尚北

道において会員自治体間のネットワーキングや文化交流がさらに活性化するために力を

入れている。

海洋シルクロード2014

慶尚北道は昨年、慶州-イスタンブール間のシルクロード探検隊の実施に成功したが、引き

続いて今年は海洋シルクロードを探検する計画を立てている。

海洋シルクロードは、海洋水産部と共同で海洋大国であった新羅の「海のシルクロード」に再注

目し、朝鮮半島の海洋国家宣言に向けた「国家海洋シルクロード探検隊」を実施する予定だ。

10月3日、慶州を出発する海洋探検隊は中国の寧波や広州、ベトナムのダナン、インドネシア

のジャカルタ、マレーシアのマラッカ、インドのカルカッタやカリカット、スリランカのコロンボ、オマ

ーンのマスカット、イランのバンダレ・アッバースまで8カ国10の沿岸港を結ぶ1万6,000kmの海路

を探検しながら、イランとトルコの陸路4,000kmを移動しイスタンブールに行く計画だ。

海洋シルクロードプロジェクトは、国際化・開放化・海洋探検の精神に再注目し、東西洋の多様

な文化交流、クリエイティブな海洋産業発展、海洋国民のルーツを探すことが主な目的である。

シルクロードプロジェクト

NEAR NEWS Vol. 5514

Page 15: NEAR news vol.55 (JPN)

企画取材 慶尚北道の文化振興プロジェクト

「第7回世界水フォーラム キックオフ会議」 開催

慶尚北道や大邱市、国土交通部、世界水フォーラム組織委員会は2015年度の世界水フォーラ

ムで議論する議題を決めるキックオフ会議を5月13日から15日までソウル市と大邱市で開催した。

「第7回世界水フォーラム会議」は2015年に慶尚北道と大邱市にて開かれる予定となっている。

今回のキックオフ会議は、第7回世界水フォーラムの準備段階から世界中の水の専門家とのネッ

トワークを構築し、彼らとともに協力して水問題に対する議論の場を作っていくという点から、非常

に意味深いものになると期待される。

*世界水フォーラム : 世界水会議(World Water Council: WWC)が主管し3年毎に開催される世界水フォーラムは、水に

関する全ての論点について議論するもので、世界最大の水関連国際行事である。

世界水フォーラム

トルコを魅了した「韓流大長征、イスタンブール-慶州世界文化エキスポ閉幕」

トルコのイスタンブールで「韓国ブーム」を巻き起こした「イスタンブール-慶州世界文化エキスポ

2013」が23日間の日程を終え、昨年9月22日に閉幕した。

イスタンブール-慶州世界文化エキスポ2013組織委員会によると、韓国文化がイスタンブールで旋

風を巻き起こし、観客が大幅に増加し、閉幕当日まで約480万人が訪れるなど、行事は成功裏に幕

を閉じた。最終日、欧州の歴史を物語るアヤソフィア博物館(東ローマ帝国時代の大聖堂)の前で行

われた閉幕式には慶尚北道の金寛容(キム・グァンヨン)知事、イスタンブールのカディル・トプバシュ

市長、共同組織委員長と組織委員、両国の文化芸術人、外交使節団など約1000人が参加した。

特に、この場でエキスポのハイライトである「イスタンブール-慶州世界文化エキスポ2013共同宣言

文」が公表された。この宣言文には、今回のエキスポの意味や成果とともに、「文化は疎通と繁栄の

道であり、人間の精神的価値と生活の質を高めてくれるため、東西南北が文化交流をしながら未

来に向かうべきだ」というメッセージが込められている。一方で、慶尚北道は9月30日に開かれた「イ

スタンブール-慶州世界文化エキスポ2013成果報告会」で、慶州世界文化エキスポとシルクロード

プロジェクトを連携させ、2015年にシルクロード国家を招待し、慶州で「シルクロード文化エキスポ」を

開催することを決定した。

イスタンブール - 慶州世界文化エキスポ、成功裏に開催

世界中に巻き起こったセマウル運動ブーム

セマウル運動の本家である慶尚北道は、セマウル世界化財団を設立することで世界貧困撲滅の実

践モデルとして評価されているセマウル運動を単なる援助事業ではなく、先進国との差別化を図った

韓国型の援助開発モデルとして確立し、国際的なODA事業の実践モデルとして普及させている。

昨年、セマウル世界化財団はアジアやアフリカの5カ国に約90名のセマウルリーダー海外ボランティ

ア団を選抜・派遣し、15のモデル地区造成事業するとともに、大学生・医療隊・セマウルリーダー等で

構成される3つのチーム90余名を選抜し、アジア3カ国で医療ボランティア及び環境改善ボランティア

を目的とした大学生セマウル海外ボランティア団派遣事業を実施した。

また、アフリカや中南米といった低開発国の指導者(100人)と留学生(100人)を招き、セマウル精神に

基づいた意識改革、農業技術など現場実用教育研修をするために外国人指導者招聘しセマウル研

修事業を推進したほか、2007年には大学生セマウル海外ボランティア団を創設し、セマウル運動のグ

ローバル化に乗り出した。これまでに、地域の大学生約430人がベトナムやカンボジア、インドネシア、

エチオピアなどで活動し、2010年からは韓国国際協力団(KOICA)と共に、エチオピア・タンザニア・ル

ワンダのアフリカ3カ国を中心にセマウル運動を普及させている。

セマウル運動のグローバル化事業の拡大

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Page 16: NEAR news vol.55 (JPN)

NEAR会員探訪 韓国 忠清北道

1

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3

4

5 6

韓国 忠清北道

世界の中で共にある忠清北道

国際通商部門の機能強化 - 1992年から国際化・グローバル時代を見通し、世

界全域を対象に12カ国22地域の自治体と姉妹・友好提携を行い、交流協力の

ために努めて来ており、実質的な共同発展のパートナーとして関係を築いていく

ために姉妹・友好提携を行う一方で、新たな拠点地域を探して交流の多角化を

目指し、米国・日本・中国など五大洋六大陸で交流の分野を拡大している。

ウェルビーイング休養の最適地・忠清北道 - 小白山国立公園、月岳山国立公

園、俗離山国立公園のほか、清州市の興徳寺跡と古印刷博物館、清原郡の大

統領別荘であった青南台と上水ハーブランド、丹陽郡の丹陽八景、忠州市の中

央塔公園と水安堡温泉、堤川市の清風文化財団地が広く知られている。

世界に飛翔する朝鮮半島の中心・忠清北道

「生命と太陽の地・忠清北道」を世界的なブランドとして定着させ、コスメ・ビュー

ティー産業を忠清北道型の未来成長の原動力として育てている。

その中でも、「2013年五松コスメ・ビューティー博覧会」は忠清北道で開催された

行事としては最多の来場者数(118万人)を記録し、最も成功した博覧会として評

価されている。100年の未来成長産業としてコスメ・ビューティー産業を確実に取

り込み、将来の「K-ビューティー」韓流文化の震源地が忠清北道となる可能性を

揺ぎないものとして固める契機となった。この余勢を駆って、コスメ・ビューティー

専門産業団地の造成、コスメ広報販売館の設置、ビューティー産業振興条例制

韓国の中央部に位置する忠清北道の人口は約160万人、面積は7,406㎢と韓国の7.4%を占めており、3市9

郡154邑・面・洞の行政区域がある。韓国の中では海に接していない唯一の内陸道であるため、夏は高温

多湿、冬は寒冷乾燥の温帯温順気候で季節の変化が明確であるだけでなく、農産物が豊富で、品種も多

様である。

バイオバレーの中心、忠清北道!

定などを通じて、コスメ・ビューティー産業の研究、生産、流通の中心地としての

基礎を整えている。

また、「2013忠州世界ボートレース選手権大会」は、2009年8月のFISA(国際ボー

トレース連盟)総会で大会誘致に成功し、2013年8月25日から9月1日まで82ヶ国

から2000余名が参加し、最も多くの観覧客が訪れた最高の大会として記録され

た。今後も、継続してボートレースを含む水上スポーツ競技を誘致・開催する一

方、2014年仁川アジア競技大会など、他の大会のボートレース種目の競技場と

しても積極的に活用する計画である。

五松は新再生エネルギー産業をリードしており、韓国の軸として育成される予定

であり、世界的なバイオバレーの中心になっている。

特に、今年9月26日から10月12日まで忠清北道五松で開催される国際バイオ産

業エキスポでは、2002バイオエキスポ以降における忠清北道のバイオ産業クラス

ター構築の成功、創造経済の新たなモデルであるコスメ・ビューティー博覧会の

成果など、過去10数年間尽力してきた忠清北道のバイオ産業の力を知ることが

できる。また、2015槐山世界農産業エキスポは、高付加価値な未来成長の原動

力として、全国最初の有機農フードバレーの造成、環境配慮型農業研究センタ

ーの設置、有機農生態村の建設を行い、「生態的な生き方~有機農が市民と出

会った」というテーマで、2015年9月18日から10月11日まで開催され、有機農に対

する意識転換と参画を促すなど、有機農に特化した忠清北道の建設の基盤を

作る契機になるとみられる。

1. 清風文化財団地 2. 中原弥勒寺跡 3. 舟論聖地 4. 五松コスメ・ビューティー博覧会開幕式

5. 世界ボートレース選手権大会メダル授与式 6. 2014 五松国際バイオ産業エキスポ, 2015 槐山世界農産業エキスポ

国際バイオ産業エキスポの鳥瞰図及び2014シンボルマーク

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Page 17: NEAR news vol.55 (JPN)

NEAR会員探訪 ロシア連邦ハバロフスク地方

ロシア連邦ハバロフスク地方

ハバロフスク地方はロシアの極東地域に位置し、北にはサハ共和国(ヤクーチア)及びマ

ガダン州、西部にはアムール州、南西部にはユダヤ自治区と中国、南東部には沿海地

方と境界を接している。

また、北東部から東部はオホーツク海と、南東部は日本海と接している。ハバロフスク地

方は、主要地域のほか、いくつかの島でできているが、その中で最も大きいものがシャン

タル諸島である。ハバロフスク地方の海岸線は長さ約2500kmであるが、島々を含めると約

3390kmとなる。同地方の面積は787,633km²であり、ロシアの自治体の中では4番目に位

置し、総人口は2014年現在、133万8966人である。

ハバロフスク地方は水産資源が豊富である。主にロシアの排他的経済水域での漁獲量

の7割以上が同地方で水揚げされ、残りの3割は海岸付近での海水魚、或いは淡水魚で

ある。

産業・生産はハバロフスク地方の経済に重要な位置を占めている。地域産業をリードす

る分野は、生産量、科学技術、先導的な潜在力を持つ労働力を基礎として行われる機械

・装備、科学工業、自動車生産、電気・電子装備、冶金・金属製品の生産が主流となって

いる。

最近、安定的かつ権限のある行政部や良い財政状況など、この地方は投資家のため

に最も有利な条件を整備している。法的リスクの水準もロシアで3番目で低くなっているた

め、投資家のための最適な法的環境が特徴である。

なお、先日NEAR国際フォーラムをハバロフスク地方の地方都であるハバロフスク市で

2014年夏頃に開催することで合意したところである。

極東の物流中心!

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Page 18: NEAR news vol.55 (JPN)

中国湖北省 葉劍雯 · 日本国兵庫県 池上卓久 寄稿

あっという間に私達は新

年を迎えました。

年末年始に新年が始まる

頃、我々は一年を振り返っ

てみるものです。

昨年、幸いにも私は韓国

にあるNEAR 事務局に派

遣される幸運を得て、第9

回実務委員会を始めとして

農業分科委員会、経済・人文交流分科委員会など

様々な行事に参加しました。また、NEARニュース

やホームページ関連業務をしながら、各会員自治

体が持っている特徴と発展状況を理解することで、

見聞や視野を広げることができました。この場をお

借りして、私の業務に支持と支援をしていただいた

中国側会員自治体の実務者には心から感謝申し

上げます。

また、事務局は我々派遣公務員が多様な韓国文

化を体験することができるよう配慮してくださいまし

た。慶州の神秘的で優雅な遺跡、全羅南道の魅力

的な韓国の味、済州道の広く青い海など、それら

全てのものが、私の異国生活を多様で豊かなもの

にしてくれました。事務局のイ・ヘジョン中国専門委

員をはじめとする全ての同僚の配慮と寛大さに感

謝申し上げます。

私は韓国に来てから、ある詩の句節にもあったよ

うに一人でイヤホンをつけたまま、浦項の道や海辺

を歩きながら思索にふけたり、時には自分の好きな

本を心ゆくまで読んだりし、私に与えられてた平和

な一年の時間を有り難く感じました。

新しい年が始まったばかりの今、私は新しい年に

期待しています。新年にも皆様がご健康、ご健勝

でおられることを祈念いたします。

今年は皆様に中国の湖北省へお越しいただき、

美しくて広大な峡谷の三峽や道教の聖地の武当

山、少数民族の特色が生きている恩施地域をご覧

いただく機会をお持ちいただければ幸いです。

葉劍雯 中国湖北省

NEAR 海外派遣公務員 寄稿

NEAR会員自治体の皆様、こんにちは。

私は2012年4月に日本国兵庫県からNEAR事

務局へ派遣された池上卓久と申します。

私は大学で中国近代史を専攻して以来、上

海で一年間留学、広州(中国)で二年間勤務

するなど、今までの自分にとっては外国と言え

ば中国であり、それ以外の北東アジアの国々

には一度も行ったことがない程でした。

そのような私が韓国へ赴任することになり、当

初は韓国語も全くできず、右も左も分からない状態で、自分なりに苦労

もしましたが、金在孝事務総長をはじめとする事務局の皆様の温かな

支えもあり、なんとか今日まで無事に勤務してきました。そうして日々過

ごす中、以前は正直自分にはあまり縁がないと思っていた韓国につい

て、徐々に理解を深めることができました。

モンゴル、ロシアについても、日本で勤務している際に仕事で多少関

係したことがあったものの、一般的な知識以上のものを持っているとは

言い難かったので、NEAR行事や日常業務はもちろんのこと、モンゴ

ル、ロシアの派遣公務員と机を並べて勤務し、普段交わす他愛のない

会話などを通じて、その文化や考え方に触れることができたことは、自

分にとって大きな収穫でした。

このように、事務局での勤務を通じて、中国一辺倒であった自分の視

野を北東アジア全体に広げられたことは、今後の人生の中で大きな財

産になると考えます。

また、日本側会員自治体の皆様に、様々な場面で助けていただいた

ことも大切な思い出の一つです。日常業務から当方の無理な依頼ま

で、どのようなことにも丁寧かつ真摯に対応いただける姿は、所属する

自治体や立場は違えども、同じ日本の地方公務員として頼もしくもあり、

また誇らしくも感じました。

これからの北東アジア、そして世界の発展において、様々な課題に直

接対応しなければならない地方自治体の役割はさらに重要性を増し、

活動の範囲も拡大することが必然的な流れと言えます。

それだけに、今後も急速な国際化の進展が予想される中、我々が新

たな問題などに直面した時、普段は目に見えない地方自治体間の「横

の繋がり」が大きな意味を帯びてくるものと思います。

そのためにも、会員自治体の皆様にはNEARの発展のため、可能な

範囲内で、引き続きご尽力いただくことをお願いしますとともに、会員自

治体以外の皆様にもより一層の関心をお寄せいただければ幸いです。

最後になりましたが、この二年間で関わってくださった全ての皆様に、

改めて心から感謝申し上げたいと思います。

ありがとうございました。

池上卓久 日本国兵庫県

NEAR 海外派遣公務員 寄稿

NEAR NEWS Vol. 5518

Page 19: NEAR news vol.55 (JPN)

NEAR 海外派遣公務員 寄稿 モンゴル国ゴビスンベル県 シジル・アリョンジョル · ロシア連邦トゥヴァ共和国 オンダル・サヤン 寄稿

NEAR会員の皆様、こんにちは。

私はシジル・アリョンジョルといい、

モンゴル国のゴビスンベル県の国

際交流担当者として勤務していまし

たが、2013年度にNEAR事務局へ

派遣、勤務することになりました。

初めて韓国に来た時、1年間とい

う期間は長いと感じられましたが、

今は振り返ってみると、瞬きをする

間に時間が経ってしまったようです。この間、NEAR事務局

の行事、実務委員会、分科委員会、会員自治体の行事或

いはその関連情報などをモンゴルの全会員自治体に伝達

し、参加を促進するといった業務を主に担当しながら、多少

ではありますが、会員自治体間の交流・協力活動を支援で

きたことについて、遣り甲斐を感じました。

 また、韓国で社会生活をするとともに、韓国文化や生活

様式を身に付け、韓国語も勉強する機会を得ました。私は

事務局で、韓国、ロシア、日本、中国の公務員達とともに勤

務しながら、彼らを通して、多くのことを知り、特に海外から

の派遣公務員と一緒に勤務しながら、友人のように過ごせ

ることができ、嬉しく思います。また、派遣期間中、色々な面

で助けてくれたモンゴル専門委員のルハン・ヒシクジャルガ

ル姉さんに感謝申し上げます。

 私は、私たちの友好関係が北東アジアの協力、友好交

流の発展に寄与するものだと確信しています。モンゴルの

全住民を代表して、NEAR事務局の全職員、会員自治体の

住民に対して、健康と幸運を願うとともに、NEARの活動、会

員自治体の限りなき発展を祈念いたします。

シジル・アリョンジョル モンゴル国ゴビスンベル県

こんにちは。

私は2013年にロシアを代表して、

NEAR事務局の海外派遣公務員とし

て選抜されたサヤンです。

派遣期間中、韓国で色々と多くの

興味深い行事がありましたが、金在

孝事務総長とロシアの会員自治体

を訪問し、会員自治体の長官級会

談をアレンジしたことが特に思い出

に残っています。私が事務局で仕事をしながら、国際会議と

意見交換などを通じて多くの経験を積ませてくれるとともに、

韓国語を勉強し、韓国文化に触れる良い機会を与えてくれ

たことに関して、事務局に心から感謝申し上げます。また、

私はここで韓国の同僚だけではなく、他国の多くの新しい友

人達と出会うことができました。このような経験、言語、友情

は常に私とともにあるでしょう。

 NEARは新しい時代に不可欠なもので、北東アジアの経

済的、文化的側面において、№1でかつ唯一の組織だと考

えています。人々が言うように、21世紀の権力の中心となる

北東アジアの統合の過程において、NEARが一つの役割を

占めるようになれば、私としては光栄です。

 特に、事務局の所在地である慶尚北道、事務局の幹

部、そして私の業務と平穏な生活を支援してくれる尊敬す

べき同僚達に感謝いたします。海外派遣職員達が帰国し、

自分の業務をする時にも、私達の友情が続いていくことと期

待します。

 NEAR会員自治体の互恵協力と成功を祈念し、事務局と

同僚達の新たな成功、発展、そして各自が定めた新しく高

い目標へ到達できることを心から願います。

オンダル・サヤン ロシア連邦トゥヴァ共和国

The Association of North East Asia Regional

Governments

昨年3月から1年間、NEAR行事(実務者ワークショップ、分科委員会、実務委員会)への参加を通じNEAR事務局の一

翼を担ってきた各国の派遣公務員が3月を以って帰国する。

The Association of North East Asia Regional Governments 19

Page 20: NEAR news vol.55 (JPN)

北東アジア地域自治体連合The Association of North East Asia Regional Governments(790-834)慶尚北道浦項市南区芝谷路394(芝谷洞601番地) 浦項 テクノパーク本部棟3階

T. +82-54-223-2317 F. +82-54-223-2309 E-mail [email protected] Homepage www.neargov.org

The Association of North East Asia Regional Governments