Top Banner
® 27 Multimeter IEC 61010 CAT III Meters October 1998 Rev. 2, 12/03 (Japanese) © 1998-2003 Fluke Corporation, All rights reserved. Printed in U.S.A. All product names are trademarks of their respective companies.
30

Multimeter - Flukeassets.fluke.com/manuals/27______umjpn0200.pdf製品寿命期間での保証と責任の限定について Fluke 20、70、80、170 および 180 シリーズ DMM

Jan 15, 2020

Download

Documents

dariahiddleston
Welcome message from author
This document is posted to help you gain knowledge. Please leave a comment to let me know what you think about it! Share it to your friends and learn new things together.
Transcript
Page 1: Multimeter - Flukeassets.fluke.com/manuals/27______umjpn0200.pdf製品寿命期間での保証と責任の限定について Fluke 20、70、80、170 および 180 シリーズ DMM

®

27 Multimeter

IEC 61010 CAT III Meters 用 October 1998 Rev. 2, 12/03 (Japanese) © 1998-2003 Fluke Corporation, All rights reserved. Printed in U.S.A. All product names are trademarks of their respective companies.

Page 2: Multimeter - Flukeassets.fluke.com/manuals/27______umjpn0200.pdf製品寿命期間での保証と責任の限定について Fluke 20、70、80、170 および 180 シリーズ DMM

製品寿命期間での保証と責任の限定について

Fluke 20、70、80、170 および 180 シリーズ DMM (デジタル・マルチ・メーター) は、製品の寿命期間内で材質上および製造上に欠陥は有りません。ここで

言う「寿命」とは、Fluke が製品の製造を停止した後 7 年とします。保証の期間は製品の購入日から少なくても 10 年間と定義します。この保証には、ヒュ

ーズ、使い捨て電池、不注意、使用上の間違い、汚染、改造、DMM の仕様範囲外での使用による故障を含む事故もしくは異常な操作や取り扱いによって損傷

したと Fluke が認めた製品、または機器部品の通常の摩耗および引裂は、この保証の対象になりません。この保証は機器の最初の購入者に対する保証で、譲

渡することはできません。

この保証は購入日から起算して 10 年間、LCD も保証の対象となります。それ以降 Fluke は、DMM の寿命期間内で、その時点での部品購入価格に基づいた

料金で LCD をお取り替えいたします。

最初の購入者としての権利を立証し、購入日を証明するため、製品に同梱されている登録カードの必要事項を記入して返送していただくか、Fluke のウェブサ

イト http://www.fluke.com (英語) で製品を登録してください。Fluke は独自の判断により、無料の修理、交換、または Fluke 認定販売代理店で適当な国際価

格で購入された欠陥製品に対する購入価格の払い戻しをいたします。ある国で購入された製品が修理のため他の国へ送られた場合、Fluke は、購入者に修理パ

ーツ/交換パーツの輸入費用を請求する権利を保有します。

製品に問題があると認められる場合は、最寄りの Fluke 認定サービス・センターへご連絡いただき、返送の許可情報を入手してください。その後、問題個所の

説明と共に製品を、送料および保険料前払いで、最寄りの Fluke 認定サービス・センターへご返送ください。Fluke は輸送中の損傷には責任を負いません。Fluke は、この保証の規定によって修理または交換された製品の弊社からの返送料を負担いたします。この保証によって規定されていない修理を行う場合、Fluke は製品の修理前に費用の見積もりを提出し、承認を得てから修理と送料の請求書を送らせていただきます。

本保証は購入者の唯一の救済手段であり、ある特定の目的に対する商品性または適合性に関する黙示の保証をすべて含むがそれのみに限定されない、明白なま

たは黙示の他のすべての保証の代りになるものです。データの紛失を含む、あらゆる原因またはいかなる理論に起因する、特殊な、間接的、偶然的または必然

的損害または損失に関して、それが保証の不履行、または、契約、不法行為、信用、若しくは他のいかなる理論に基づいて発生したものであっても、Fluke は

一切の責任を負いません。Fluke 認定再販者は、より大きな保証または異なった保証をFluke に代わって行う権限を持っていません。ある国または州では、黙

示の保証の除外制限、または、偶然的若しくは必然的損害の除外または制限を認めていません。したがって、本保証の上記の制限および除外規定はある購入者

には適用されない場合があります。本保証の規定の一部が、管轄の裁判所またはその他の法的機関により無効または執行不能と見なされた場合においても、そ

れは他の部分の規定の有効性または執行性に影響を与えません。

Fluke Corporation Fluke Europe B.V.

P.O. Box 9090 P.O. Box 1186

Everett WA 98206-9090 5602 B.D. Eindhoven

U.S.A. The Netherlands

Fluke のウェブサイトもご利用ください: WWW.Fluke.com (英語) 日本語サイト: http://www.fluke.com/jp

ウェブサイトでの登録:register.fluke.com

Page 3: Multimeter - Flukeassets.fluke.com/manuals/27______umjpn0200.pdf製品寿命期間での保証と責任の限定について Fluke 20、70、80、170 および 180 シリーズ DMM

i

目次

項目 ページ

安全にご使用いただくために......................................................................................... 1 操作機能......................................................................................................................... 4 本器の使用方法例........................................................................................................... 8 AC/DC 電圧.......................................................................................................... 8 AC/DC 電流.......................................................................................................... 8 抵抗およびダイオード試験/導通試験 ................................................................... 9 抵抗測定...................................................................................................... 9 ダイオード試験および導通試験 .................................................................. 9 コンダクタンス..................................................................................................... 9 漏れ試験 ............................................................................................................... 10 アナログ・バー・グラフの応用......................................................................................... 11 アナログ・バー・グラフの使用方法 ........................................................................ 11 応用例: ゼロ点調整 .............................................................................................. 12 応用例: 接点の跳ね返り ....................................................................................... 12 応用例: コンデンサーのチェック......................................................................... 12 応用例: 雑音の多い抵抗の測定 ............................................................................ 15

Page 4: Multimeter - Flukeassets.fluke.com/manuals/27______umjpn0200.pdf製品寿命期間での保証と責任の限定について Fluke 20、70、80、170 および 180 シリーズ DMM

27 ユーザーズ・マニュアル

ii

保守 ............................................................................................................................... 15 電池の取り付けおよび交換 ............................................................................. 16 ヒューズの試験 ............................................................................................... 18 ヒューズの交換 ............................................................................................... 18 一般的な保守................................................................................................... 19 サービス ........................................................................................................................ 21 仕様 ............................................................................................................................... 22

Page 5: Multimeter - Flukeassets.fluke.com/manuals/27______umjpn0200.pdf製品寿命期間での保証と責任の限定について Fluke 20、70、80、170 および 180 シリーズ DMM

安全にご使用いただくために

1

安全にご使用いただくために

本器をご使用になる前に、この項に記載されている注意事

項を必ずお読みください。本器は、EN 61010-1:1993、ANSI/ISA S82.01-1994、CAN/CSR C22.2 No. 1010.1-92 過電圧カテゴリー III に準拠しています。本器は、このマニュアルの記載事項に従って取り扱ってください。これを怠る

と、保護機能が損なわれる場合があります。

• 「警告」は、ユーザーに危険を及ぼすような条件や行

為であることを示します。

• 「注意」は、本器または試験機器に損傷を与える可能

性のある条件や行為であることを示します。

W警告

感電あるいは人身事故を防ぐため、以下の注意事

項に従ってください。

• 本器を使用する前に、本器にひび割れ、欠損

したプラスチック部、ケースに損傷がないか

を調べてください。端子周辺の絶縁部分が損

なわれていないことを確認してください。

• テスト・リードの絶縁部に損傷がないか、金

属部がむき出しになっていないか、または導

通を調べてください。不良なテスト・リード

は、本器の使用前に交換してください。

• 本器の作動に異常がみられた場合には、使用

を中断してください。保護機能が損なわれて

いる場合があります。疑わしい場合には、本

器を修理に出してください。

• 爆発性ガスや蒸気、粉塵の環境下では、本器

を使用しないでください。

• 端子間あるいは端子とアースの間に、定格電

圧 (1000 V) を超える電圧を加えないでください。定格電圧は本器に記載されています。

• 毎回使用の前に、既知の電圧を測定すること

により、本器の作動を確認してください。

• 必ず指定の交換部品を使用してください。

• 感電の危険性があるため、AC 30 V rms、 AC 42 V pk、または DC 60 V を超える電圧を扱うときには細心の注意を払ってください。

• プローブを使用する際には、必ず指を保護

ガードの手前に置いて作業をしてください。

• テスト・リードは、接地側を接続してから通

電側を接続してください。接続を切り離すと

きは、最初に通電側から切り離します。

• 本器を使用する前に、電池収納カバーが閉じ、

ネジ締めされていることを確認してくださ

い。

Page 6: Multimeter - Flukeassets.fluke.com/manuals/27______umjpn0200.pdf製品寿命期間での保証と責任の限定について Fluke 20、70、80、170 および 180 シリーズ DMM

27

ユーザーズ・マニュアル

2

• 電池収納カバーを開ける前に、テスト・リードを外してください。

• 本器の電源は、9 V 電池 1 個を本器内に正しくセットして、お使いください。

• 使用機器の安全指針を厳守してください。

• 電流を測定する前に、本器のヒューズを調べてください (「ヒューズの試験」参照)。

• テスト・リードが 10 A あるいは 40 mA 入力端子に接続されている場合には、プローブを電圧源には接触させないでください。

• 間に合わせのヒューズの使用およびヒューズ収納部を短絡させないでください。

• 感電あるいは人身事故を引き起こすおそれのある過った読みを防ぐため、電池消耗インジケーター (M) が表示された場合には、ただちに電池を交換してください。

• 本器は水深 1 メートルまでの耐水性があります。電圧を入力に接続する前に、機器の周辺、ロータリー・ノブ内、またロータリー・ノブの下、入力アウトレットおよびボタンの表面にある水分はすべて、取り除いてください。

本器および本書において使用される国際記号が表 1 で説明されています。

表 1. 国際電気記号

O

オフ (電源) スィッチ位置 J

アース

| オン (電源) スィッチ位置 W

マニュアルの情報を参照

B AC (交流) T 二重絶縁 (保護クラス II)

F DC (直流) I ヒューズ

D AC または DC M

電池

Page 7: Multimeter - Flukeassets.fluke.com/manuals/27______umjpn0200.pdf製品寿命期間での保証と責任の限定について Fluke 20、70、80、170 および 180 シリーズ DMM

安全にご使用いただくために

3

表 2. 入力端子および限界値

機能

入力端子

赤色リード 黒色リード

画面の読みの

最小値

画面の読みの

最大値

最大入力

C I VOD COM 0.001 V 1000 V 1000 V

J F VOD COM 0.1 mV 320.0 mV 1000 V

O (nS)

VOD VOD

COM COM

0.1 e 0.01 nS

32.00 Me

32.00 nS 1000 V 1000 V

S VOD E 0.001 V 2.08 V 1000 V

A COM 0.01 A 20.00 A* 11 A 1000 V 速断ヒューズ**

A E U COM 0.01 mA 320.0 mA 44/100 A 1000 V 速断ヒューズ**

M N U COM 0.1 µA 3200 µA 44/100 A 1000 V 速断ヒューズ**

*10 A は連続、20 A までの過負荷に対しては最長 30 秒間 **保護ヒューズ

Page 8: Multimeter - Flukeassets.fluke.com/manuals/27______umjpn0200.pdf製品寿命期間での保証と責任の限定について Fluke 20、70、80、170 および 180 シリーズ DMM

27

ユーザーズ・マニュアル

4

操作機能

下記の特徴については、表紙裏に記載されているイラスト

番号と対比させてお読みください。

A デジタル表示画面

3200 カウントの液晶表示で、小数点は自動調整されます。読み取りは毎秒 2 回更新されます。電源投入時に全表示部分が点灯し、簡単な自己診断テストを行います。

B 機能選択ロータリー・スイッチ

本器には、10 種類の機能があり、必要な機能をこのスイッチで選択します。電源 OFF もこのスイッチで行います。各機能のレンジについては「仕様」を、また入力端子およ

び限界値に関しては表 2 を参照してください。

C DC 電圧

J DC ミリボルト

I AC 電圧

F AC ミリボルト

O 抵抗 (e)、コンダクタンス (1/e) は ナノ・ジーメンス (nS)

S 導通あるいはダイオード試験

A DC ミリアンペア、アンペア

M DC マイクロアンペア

E AC ミリアンペア、アンペア

N AC マイクロアンペア

C VOD 電圧、抵抗、ダイオード試験

入力端子

ロータリー・スイッチが AC または DC の電圧 (mV も含む)、抵抗、ダイオード試験の設定時に使用する入力端子です。

D COM コモン端子

全測定に使用されるコモンまたはリターン端子です。

E U mA/µA 入力端子

ロータリー・スイッチが mA または µA 設定時に、 320 mA (AC または DC) までの電流測定に対して使用される入力端子です。

F A A 入力端子

ロータリー・スイッチが mA/A 位置 (AC または DC) 設定時に、連続 10 A (20 A までの過負荷に対しては 30 秒間) までの電流測定に対して使用される入力端子です。

Page 9: Multimeter - Flukeassets.fluke.com/manuals/27______umjpn0200.pdf製品寿命期間での保証と責任の限定について Fluke 20、70、80、170 および 180 シリーズ DMM

操作機能

5

G RANGE R 手動レンジ・モード・

プッシュボタン

一度押すと手動レンジ・モードに入り、再度押すと現在の

レンジからその上のレンジに移ります。2 秒間押し続けると自動レンジに戻ります。ロータリー・スイッチを他の位

置に回した場合にも、本器は自動レンジに戻ります。自動

レンジを表す表示は存在しないため、手動レンジの表示が

消えている状態により自動レンジであることを示します。

ロータリー・スイッチを OFF から任意の ON の位置にする間、RANGE ボタンを押している (1 秒以上) と、どの機能でも手動レンジが選択されます。

H REL L 相対モード・プッシュボタン

一度押すと、相対モードに入り、画面に表示された読みを

記憶し、表示はゼロとなります。もう一度押すと記憶され

ている値が更新されます。2 秒間押し続けると相対モードが解除されます。相対モードでは、デジタルの読みが記憶

され、記憶された読みとそれに続く読みの変化 (差分) が表 示 さ れ ま す 。 例 え ば 、 保 存 さ れ た 読 み が 15.00 V で、現在の読みが 14.10 V の場合は、画面に -0.90 V と表示されます。アナログ・バー・グラフによって、実際の読み (14.10 V) が連続的に表示されます。差が 3999 カウント (過負荷入力なしの場合) を超えた場合は、OF (桁溢れ) が表示されます。相対モードでは手動レンジが選択され、レンジを変えると自動的に相対モードを終了しま

す。

I MIN/MAX モード・プッシュボタン

一度押すと、MIN/MAX (最小値/最大値) モードに入ります。もう一度押すと、MIN と MAX 表示を交互に切り替え

ます。2 秒間押し続けると MIN/MAX モードを解除します。デジタルの読みの最小値および最大値が記憶され、どちら

かを任意に選んで表示できます。HOLD/RESET ボタンを押すと、MIN/MAX の読みが消去され現在の入力値が表示

されます。MIN/MAX モードでは手動レンジが選択されるため、予想される最大入力値が記録できるレンジを選択し

てください。レンジを変更すると以前に記録された MIN/MAX の読みは消去されます。レンジあるいは機能が

変更されない限り、MIN/MAX モードを終了しても以前に

記録された読みは消去されません。MIN/MAX モードでは、Touch Hold モードは無効になります。

W警告

感電あるいは人身事故を防ぐために、危険な電圧

が負荷された回路が放電したかどうかを調べる

ために、Touch Hold モードを使用しないでください。Touch Hold では、不安定な読み、あるいは雑音の多い読みを捕捉することはできません。

Page 10: Multimeter - Flukeassets.fluke.com/manuals/27______umjpn0200.pdf製品寿命期間での保証と責任の限定について Fluke 20、70、80、170 および 180 シリーズ DMM

27

ユーザーズ・マニュアル

6

J HOLD H Touch Hold モード・

プッシュボタン

一度押すと、Touch Hold モードに入ります。この Touch Hold では安定した読みを捕捉し、画面上に保持します。測定が困難で危険を伴う回路の測定を行っている際

に、プローブに注意を集中することが可能になり、必要な

時にはいつでも画面上の数値を見ることができます。安定

した新しい測定値が得られる毎に、本器はビープ音を発

し、 画面上の数値は自動的に更 新されます。 このボタンを押して手動で更新することもできます。

Touch Hold モードを解除するには、2 秒間押します。ロータリー・スイッチを OFF から任意の ON の位置に合わせる際に、HOLD を 1 秒以上押し続けると、HOLD ボタンを押した場合にのみ新規の読みが更新され、自動 Touch Hold 更新機能は無効になります。この機能は、ある特定の時間に読みを記録し、その値を保持したい場合に

役立ちます。

K MIN 最小モード表示

本器が MIN/MAX 記録モードにあることを示します。表示されている数値は、リセットされてから、あるいは MIN/MAX モードに入った後の最小のデジタルの読みを示します。操作に関しては、第 9 項を参照してください。

L MAX 最大モード表示

本器が MIN/MAX 記録モードにあることを示します。表示されている数値は、リセットされてから、あるいは MIN/MAX モードに入った後の最大のデジタルの読みを示します。操作に関しては、第 9 項を参照してください。

M L 相対モード表示

本器が相対モードにあることを示します。表示されている

数値は、相対値 (現在の読みと以前に保存された読みの差) を示します。操作に関しては、第 8 項を参照してください。

N H Touch Hold モード表示

Touch Hold モード使用時に点灯します。操作に関しては第 10 項を参照してください。

O Mke 抵抗表示

Ω および k もしくは M が、使用されている抵抗値の範囲

として表示されます。

P nS コンダクタンス・レンジ表示 (nS)

抵抗値測定機能の一番上のレンジは、コンダクタンス・レ

ンジとして使用されます。コンダクタンスは、nS (ナノ・ジーメンス) で表示されます。1000 nS は Me に変換され

Page 11: Multimeter - Flukeassets.fluke.com/manuals/27______umjpn0200.pdf製品寿命期間での保証と責任の限定について Fluke 20、70、80、170 および 180 シリーズ DMM

操作機能

7

ます (例: 2 nS は 500 Me に変換されます)。32 Me を超える抵抗値の測定に使用します。e を選択し、テスト・リードを切り離し、RANGE ボタンを 2 回押してください。操作に関しては第 7 項を参照してください。

n アナログ・バー・グラフ表示

入力信号をアナログ的に表示します。31 個のセグメントが、入力の増加に従って左側から順番に点灯します。裏表

紙の内側の表示を参照してください。マイナス記号 (-) は、入力の極性が負であること を示します。 毎秒 25 回更新されます。

o 小数点位置/レンジ表示

小数点位置およびその下にある数字 (3、30、300) により、使用中のレンジが示されます。

p R 手動レンジ表示

手動レンジ・モード、あるいはレンジが 1 つだけの機能が選択された場合に表示されます。この表示が現れていない

状態は、本器が自動レンジにあることを示します。起動時

には自動レンジになります。自動レンジでは測定レンジは

自動的に選択されます。操作に関しては第 7 項を参照してください。

q M 電池電圧低下表示

機能選択ロータリー・スイッチを新しい位置に合わせる毎

に、電池の電圧がチェックされます。

W警告

感電または人身事故を引き起こすおそれのある過っ

た読みを防ぐため、電池電圧低下表示 (M) が表示された場合には、直ぐに電池を交換してください。

r − 負極性表示

入力が負の時に自動的に現れます。

s 過負荷表示

入力が入力回路に対して過大であることを示します。 小数点位置は測定レンジに依存します。

t 桁溢れ表示

相対モードにおいて計算された差が大きすぎて表示でき

ない (3999 カウント以上) ことを示します。入力は限界値以内であることを示します。

Page 12: Multimeter - Flukeassets.fluke.com/manuals/27______umjpn0200.pdf製品寿命期間での保証と責任の限定について Fluke 20、70、80、170 および 180 シリーズ DMM

27

ユーザーズ・マニュアル

8

X ビープ音機能 (図には載っていません)

ビープ音機能は、ビープ音、クリック音、あるいは連続音

を発生します。ダイオード試験モードでの音による指示、

プッシュボタンを操作する場合、Touch Hold モードにおいて新規の読みが表示された場合などに使用されます。

立て掛け用スタンドの調整

立て掛け用スタンドを把手として使用するには、このスタ

ンドを少し (約 2.5 cm または 1 インチ) 引き起こして端を引き出し、反対側の溝にはめ込んでください。

本器の使用方法例

AC/DC 電圧

すべてのレンジにおいて、入力インピーダンスは約 10 MΩ で 100 pF 未満の容量が並列に入っています。供給源が高抵抗をともなった回路に対して AC または DC 電圧の測定を行う際に、回路負荷による測定の誤差が生じる

ことがあります。測定回路の供給源抵抗が 10 Ke 未満の場合には、その誤差はほとんど無視できる程度 (0.1 % 以下) となります。

Touch Hold モードにおいて 320 V を超える電圧を測定する場合には、漂遊電圧の影響を最小にするために手動で

レンジを選択してください。

AC/DC 電流

W警告

感電あるいは人身事故を防ぐため、以下の注意事

項に従ってください。

• アースに対する開路電位が 1000 V を超えるような回路内での電流測定は決して行わ

ないでください。

• 電流測定の前に、本器のヒューズをチェック

してください (「ヒューズの試験」参照)。

• 本器を回路に接続する前に回路の電源を

切ってください。必ず、本器を回路と直列に

接続してください。測定に合った適切な端

子、機能、レンジを使用してください。

アーク放電およびそれによる事故を防ぐために、

保守の項に記載されている指定ヒューズのみを

使用してください。

すべての電流レンジはヒューズによって保護されていま

す。電流レンジにおけるおおよその端子抵抗は、A に対して 0.1 e、mA に対して 5.6 e、µA に対して 500 e です。

端子抵抗にまたがって発生する電圧は、バードン電圧と呼

ばれます。ヒューズが切断した場合には、このマニュアル

の保守の項にあるヒューズの交換方法を参照してくださ

い。

Page 13: Multimeter - Flukeassets.fluke.com/manuals/27______umjpn0200.pdf製品寿命期間での保証と責任の限定について Fluke 20、70、80、170 および 180 シリーズ DMM

本器の使用方法例

9

抵抗およびダイオード試験/導通試験

注意

本器あるいは測定機器への損傷を防ぐために、抵

抗測定、導通試験、あるいはダイオード試験を行

う前に、回路の電源を切り離し、すべての高電圧

コンデンサーを放電させてください。

抵抗測定

テスト・リードの抵抗が、320 e レンジにおける測定の確度に影響を与える場合があります。誤差を決定するには、

テスト・リード同士を接触させテスト・リードの抵抗を測

定します。テスト・リードの抵抗値を測定値から差し引い

て補正するか、あるいは相対モードを使用して画面表示を

ゼロに合わせてください。標準のテスト・リードを使用す

る場合、誤差は通常 0.1~0.2 e です。

ダイオードおよびトランジスタを回路から外さずに回路

内抵抗の測定を行うことができる場合があります。 32 Me 未満のレンジにおいて発生するフルスケール測定電圧は、シリコン・ダイオードあるいはトランジスタの接

点に高い順方向バイアスをかけることはありません。使用

できる最大のレンジ (32 Me を除く) を用いることにより、ダイオードあるいはトランジスタの接点における電圧

発生の可能性を最小にすることができます。32 Me レンジにおけるフルスケール測定電圧は、ダイオードあるいは

トランジスタに高い順方向バイアスをかけます。

ダイオード試験および導通試験

ダイオード試験においては、0~+2.08 V のレンジのみが使用可能です。本器のテスト用電流出力によって、試験機

器間に電圧が発生します。2.08 V を超える電圧あるいは接触させていないテスト・リード・ペアは、過負荷状態 (OL) を発生させます。負の入力は負符合付きで表示され、ゼロ

にはなりません。ダイオード試験機能 RG において信号発生器は、入力が 0.1 V 未満の場合には連続音、入力が 0.7 V のしきい値を下まわった場合にはビープ音が 1 回鳴ります。

機能選択ロータリー・スイッチをダイオード試験/導通試験位置に合わせることにより、音による導通試験を行うこ

ともできます。測定された抵抗値が約 270 e 未満の場合に連続音が鳴ります。間断的な導通は不規則なビープ音を

発生させ、トラブルシューティングに役立ちます。不規則

なビープ音は、測定された抵抗値がしきい値 (270 e) に非常に近い場合には、周辺雑音によっても発生

することがあります。測定された抵抗値が約 270 e から 2600 e の場合には、順方向バイアスの場合と類似した短いトーンが発生します。測定された抵抗値が、約 36 ke 未満の場合にはスケール上に読みが表示されます。

コンダクタンス

コンダクタンスの測定は、機能選択ロータリー・スイッチ

を抵抗 (e) 機能に合わせることによって行うことができます。コンダクタンス用レンジは、手動レンジを選択した

Page 14: Multimeter - Flukeassets.fluke.com/manuals/27______umjpn0200.pdf製品寿命期間での保証と責任の限定について Fluke 20、70、80、170 および 180 シリーズ DMM

27

ユーザーズ・マニュアル

10

場合にのみ設定することが可能です。自動レンジでは、コ

ンダクタンス用レンジを設定できません。コンダクタンス

用レンジは、コンダクタンス (1/e: 抵抗の逆数) の測定、高抵抗値 (32 M e を超える抵抗) の測定の両方に使用できます。

高抵抗値の測定は誘導雑音の影響を受けやすいので、十分

なシールドが必要になる場合があります。コンダクタンス

の測定値はナノ・ジーメンス (nS) で表示されます。1000 を、表示されているナノ・ジーメンスの値で割ることに

よって、Me に変換 (1000 nS は Me に等しい) することができます。例えば、2 nS は 500 Me (1000/2) に対応します。

漏れ試験

コンダクタンス用レンジは、受動素子に対する漏れ試験に

応用できるため、抵抗測定に実用上応用することができま

す。例えば、ダイオード、ケーブル、コネクター、プリン

ト回路ボードなどの漏れを検知することができます。いず

れの場合にも試験電圧は DC 2 V 未満です。

ケーブルおよびプリント回路ボードなどの純抵抗性の部

品に対する漏れ試験は、ごく簡単です。抵抗機能を選択し、

手動でレンジをコンダクタンス・レンジ (nS) に合わせてください。テスト・リードを部品の試験位置に接続しコン

ダクタンス単位で漏れ値を読み取ってください。

注記

コンダクタンス用レンジにおいては、通常どこに

も接触していないテスト・リードによる小さな残

留値が存在します。正確な測定を確保するため

に、汚れのないテスト・リードを本器に接続し (テ

スト・リードはどこにも接触させないで)、ナノ・

ジーメンスで残留値を読み取ってください。この

後、測定で、読みからこの残留値を差し引いて測

定値の補正を行ってください。この補正は相対

モード (REL) では自動的に実行されます。

ダイオードの漏れ試験を実行する場合には、ダイオードの

接点において逆方向バイアスをかける必要があります。ダ

イオードのアノードを COMMON 入力端子に接続し、カソードを volts/ohms/diode 試験端子に接続してください。負荷される試験電圧による漏れは、コンダクタンスの単位

で読み取ることができます。

高電圧用のダイオード部品は、通常、コンダクタンス用レ

ンジにおいて順および逆方向の抵抗差を測定することに

よって試験することができます。このようなダイオード部

品は、ダイオード試験あるいは抵抗モードでは試験できな

いような大きな順方向電圧降下をもたらします。

Page 15: Multimeter - Flukeassets.fluke.com/manuals/27______umjpn0200.pdf製品寿命期間での保証と責任の限定について Fluke 20、70、80、170 および 180 シリーズ DMM

アナログ・バー・グラフの応用

11

アナログ・バー・グラフの応用

アナログ・バー・グラフは、セグメントの集まりによりアナログ計器の指針の動きを模倣するものです。このバー・グラフはアナログ指針と同じように機能しますが、針の動きが持つ固有な機械的オーバーシュートはありません。

負 (-) 表示は、負極性の DC 電圧測定を行った場合にバー・グラフの左端に表示されます。入力信号が、ゆっくりと変化する DC 電圧であるとすると、正極性の入力がゼロから増大するとともにバー・グラフのセグメントが点灯し、入力の大きさに比例して左から右へ点灯セグメントが増していきます。入力レベルが徐々に減少する場合には、入力が減少するとともに点灯セグメント数が減っていき、入力レベルがゼロに達した瞬間に、- 表示が点滅します。さらに入力が減少すると、- 表示が点灯し、左から右へ点灯セグメントが増していきます。最初のセグメントは、20 カウント以上の値を意味します。

5 個毎のセグメントはその間のセグメントより若干大きく、10 個毎のセグメントはさらに大きくなっていることに注目してください。これらの大きなセグメントは、バー・グラフ表示を一目で認識するのに役立ちます。10 個毎の一番大きなセグメントは、表示を 3 等分しています。つまり、32.00 V レンジにおいて 11 個のバー・グラフのセグメントが点灯している場合には、入力電圧は 10~11 V となります。また、320.0 V レンジにおいて 11 個のセグメントが点灯している場合には、入力電圧は 100~110 V となります。選択したレンジにおいて入力が 3000 カウント以上になった場合には、バー・グラフの右端に矢印が表示さ

れます。手動レンジ表示 (R) が点灯していない場合には、約 3260 カウントを超えると自動的に次の高いレンジに切り替わります。

アナログ・バー・グラフの使用方法

アナログ・バー・グラフは、調整および特定な信号の診断を実行する際に最も役立ちます。バー・グラフの反応は素早く正確であるため、最終的な調整から数 % の確度内に簡単に設定することができます。バー・グラフによって大まかな調整を素早く行い、3200 カウントのデジタル表示によって最終的な調整を行います。

アナログ・バー・グラフは、信号レベルが急速に変動して、デジタル表示の数字が点滅し役立たない場合などの特定信号の診断に役立ちます。従来の電圧 /抵抗メーター (VOM) の針と同様に、アナログ・バー・グラフはゆっくりと変化している信号や、その傾向を見るのに便利です。さらに本器の自動レンジでは、レンジが切り替わった場合にも信号をモニターすることが可能です。

アナログ・バー・グラフを使用した診断手順の多くは熟練を必要とします。静電容量のチェックおよび雑音の多い抵抗の測定などを行う場合は、ある時間内で発生する信号パターンの善し悪しを注視しなければなりません。このため、アナログ・バー・グラフの反応および動きに慣れることは、信号パターンの正確な理解に不可欠です。問題のある部品の測定を行う場合には、正常であることが分かっている部品の測定を行った場合のバー・グラフの反応と比較してください。

Page 16: Multimeter - Flukeassets.fluke.com/manuals/27______umjpn0200.pdf製品寿命期間での保証と責任の限定について Fluke 20、70、80、170 および 180 シリーズ DMM

27

ユーザーズ・マニュアル

12

応用例: ゼロ点調整

本器のバー・グラフはゼロ点調整に最適です。調整がゼロ

に近づくに従って点灯セグメントが消えていき、やがてす

べて消えます。入力レベルがゼロから 10 カウント以内になると、- 表示が点滅します。入力がゼロに近づくかあるいは正負極間で揺れ動く毎に、この点滅が表示されま

す。この - 表示に注視し、表示されたら、調整の方向を反対方向にします。この手順を 1~2 回繰り返して、ほぼゼロの入力レベルを設定し、その後デジタル表示によって

正確にゼロに合わせることができます。

応用例: 接点の跳ね返り

振動を受けると、リレー接点は跳ね返って開放される場合

があります。コンピューターを含めた多くの種類の機器に

対するトラブルシューティングでは、この断続的に発生す

る問題を調べることが、必要となります。リレー接点が疲

労してくるとこの接点の跳ね返り問題は悪化するため、早

期診断が重要となります。

接点が跳ね返って開放されると、抵抗値が瞬間的にゼロか

ら無限大になり、再びゼロに戻ります。通常の携帯用デジ

タル・マルチ・メーターでは、画面表示を更新するのに 300 ミリ秒以上かかります。従来の VOM 針では、接点の跳ね返りの瞬間に少しだけ振れますが、針の動きに対する慣性

により、針の動きは正確とはいえません。

しかし、アナログ・バー・グラフは接点が開放された場合、

最低でも 1 つのセグメントが点灯します。アナログ針は反応までに 3 ミリ秒間の切断を必要としますが、アナログ・バー・グラフは、短時間の接点の跳ね返りを 0.2 ミリ秒まで検知できます。

応用例: コンデンサーのチェック

電圧/抵抗メーター (VOM) は、簡単なコンデンサーのチェックによく使用されます。コンデンサーのキック・テ

ストにおいては、コンデンサーが VOM の入力端子間に接続されると、抵抗モードでの VOM 針は開放 (抵抗無限大) から短絡 (抵抗ゼロ) にすばやく振れます。VOM の電池によってコンデンサーが充電され、針はゆっくりと開放 (抵抗無限大) の位置に戻ってきます。より小さな容量のコンデンサーをチェックするには、より高い抵抗レンジを使用

します。

本器の抵抗測定機能におけるアナログ・バー・グラフを使用

して、自動レンジ・モードで同様なチェックを行うことが

可能です。コンデンサーが本器の入力端子間に接続される

と、アナログ・バー・グラフは一瞬に短くなり、その後コン

デンサーの容量の大きさに依存して低いレンジに切り替

わります。コンデンサーが充電されるとともに、バー・グ

ラフはゆっくりと最大の 31 セグメントまで伸び、必要ならば高いレンジに切り替わります。0.1 µF のような小さな容量のコンデンサーに対しては、32 Me レンジのみが使用されます。

Page 17: Multimeter - Flukeassets.fluke.com/manuals/27______umjpn0200.pdf製品寿命期間での保証と責任の限定について Fluke 20、70、80、170 および 180 シリーズ DMM

アナログ・バー・グラフの応用

13

手動レンジ・モードにおける固定されたレンジを使用する

場合には、アナログ・バー・グラフがゼロからフルスケール

に達するのに要する時間から、近似的な静電容量値を示す

ことができきます。表 3 には、種々の抵抗レンジにおける充電時間に対する典型的な静電容量値が記載されていま

す。非常に小さな値をもつコンデンサーに対しては、コン

ダクタンス (nS) モードを使用してください。

Page 18: Multimeter - Flukeassets.fluke.com/manuals/27______umjpn0200.pdf製品寿命期間での保証と責任の限定について Fluke 20、70、80、170 および 180 シリーズ DMM

27

ユーザーズ・マニュアル

14

表 3. 静電容量とフルスケールまでの時間

抵抗レンジ

静電容量値 320 e 3.2 ke 32 ke 320 ke 3.2 Me 32 Me

10,000 µF 4 秒 33 秒 5 分 ext ext ext

1,000 µF nil 4 秒 30 秒 ext ext ext

100 µF nil nil 3 秒 28 秒 ext ext

10 µF nil nil nil 3 秒 25 秒 ext

1 µF nil nil nil nil 2 秒 15 秒

0.1 µF nil nil nil nil nil 2 秒

ext = 長時間、nil = 指定無し

Page 19: Multimeter - Flukeassets.fluke.com/manuals/27______umjpn0200.pdf製品寿命期間での保証と責任の限定について Fluke 20、70、80、170 および 180 シリーズ DMM

保守

15

応用例: 雑音の多い抵抗の測定

ほとんどのデジタル・マルチメーターは非常に敏感なた

め、抵抗を測定する間、50 mV に達するような回線雑音には対応できません。このような場合には、デジタル表示は

読み取り不能になります。一方、アナログ針の場合は、雑

音により針は左右に振れますが、その機械的な慣性のおか

げで、振れが平均化されかなり安定した抵抗値が残ること

になります。

本器の抵抗測定回路は、通常のデジタル・マルチメーター

よりも、はるかに柔軟に AC 雑音に対応できるように設計されています。AC 1 V に達するような雑音が存在する場合にでも、 2 ke の読み取りは十分に可能です。 AC 2 V までの雑音に対しても 1 Me の読みが得られる場合があります。このような雑音は、約 50 カウントの変化およびバー・グラフの振動として現れます。

保守

W警告

感電あるいは人身事故を防ぐため、以下の注意事

項に従ってください。

• ケース内に水分が入り込まないようにして

ください。

• テスト・リードを外しケースを開く前に、す

べての入力信号を取り外してください。

• 本器の部品を交換する場合には、必ず指定の

交換部品のみを使用してください。

• 電池収納カバーを閉じる前に、ヒューズ収納

カバーが所定の位置にあることを確認して

ください。

• 本器を使用する前に、電池収納カバーが閉

じ、ネジ締めされていることを確認してくだ

さい。

アーク放電およびそれによる事故を防ぐために、

保守の項に記載されている指定ヒューズのみを

使用してください。

Page 20: Multimeter - Flukeassets.fluke.com/manuals/27______umjpn0200.pdf製品寿命期間での保証と責任の限定について Fluke 20、70、80、170 および 180 シリーズ DMM

27

ユーザーズ・マニュアル

16

電池の取り付けおよび交換

本器は、9 V 電池 (NEDA 1604、6F22 または 006P) 1 個によって駆動します。図 1 を参照し、以下の手順に従って本器の電池を交換してください。

1. ロータリー・スイッチを OFF に合わせ、テスト・リードを取り外します。

2. 本器の裏面の立て掛け用スタンドを引き上げ、電池収納カバーから 4 本のネジ (#6 X 32、Pozi-drive) を取り外します。

3. 本器の裏面から電池収納カバーを真直ぐに引き上げ外します (電池収納カバーの横にあるコイン挿入溝を使います)。

4. 電池を取り出します。

5. 新しい電池を電池コネクターに差し込み、収納部に電池を挿入します。

6. 電池収納部スペーサーおよびカバーを本器に取り付け、ステップ 2 で取り外した 4 本のネジを締めます。ネジを締める際には、電池収納カバーをしっかりを押

さえてください。

Page 21: Multimeter - Flukeassets.fluke.com/manuals/27______umjpn0200.pdf製品寿命期間での保証と責任の限定について Fluke 20、70、80、170 および 180 シリーズ DMM

保守

17

F2

F1

zp1f.eps

図 1. 電池およびヒューズの交換

Page 22: Multimeter - Flukeassets.fluke.com/manuals/27______umjpn0200.pdf製品寿命期間での保証と責任の限定について Fluke 20、70、80、170 および 180 シリーズ DMM

27

ユーザーズ・マニュアル

18

ヒューズの試験

W警告

感電あるいは人身事故を防ぐため、以下の注意事項

に従ってください。

• 電池やヒューズを交換する前に、テスト・リー

ドとすべての入力信号を取り外してください。

• 電池収納カバーを閉じる前に、ヒューズ収納カ

バーが所定の位置にあることを確認してくださ

い。

• 本器を使用する前に、電池収納カバーが閉じて、

ネジ締めされていることを確認してください。

アーク放電およびそれによる事故を防ぐために、

表 4 に記載されている指定ヒューズのみを交換に使用してください。

1. ロータリー・スイッチを Ω 位置に合わせます。

2. テスト・リードを z 入力端子から A 入力端子に接続します。

3. 画面に 0.1~0.3 e が表示されます。これにより、F2 (11 A、1000 V 速断) ヒューズを試験します。

4. 1 本のテスト・リードの端を A 入力端子から mA/µA 入力端子に移します。

5. 画面に 5.3~6.0 e が表示されます。これにより、F1 (44/100 A、1000 V 速断) ヒューズを試験します。

6. ステップ 4 または 5 で、画面に OL (過負荷) が表示された場合は、該当するヒューズを交換します。

ヒューズの交換

W警告

人身事故を防ぐため、間に合わせのヒューズの使

用やヒューズ収納部を短絡させることは避けて

ください。

図 1 を参照し、以下の手順に従って本器のヒューズを試験し交換してください。

1. 前記の電池交換のステップ 1~4 を実行します。

2. ヒューズ収納カバーを引き下ろして取り外します。

3. 壊れたヒューズを取り外し (あるいは疑わしいヒューズの導通を試験し)、必要に応じて同じ大きさで同じ規格のヒューズを取り付けます。

4. ヒューズ収納カバーを元の位置に戻します。

5. 前記の電池交換のステップ 6 で指示されている通りに、電池収納部スペーサーおよびカバーを本器に取り

付けます。

Page 23: Multimeter - Flukeassets.fluke.com/manuals/27______umjpn0200.pdf製品寿命期間での保証と責任の限定について Fluke 20、70、80、170 および 180 シリーズ DMM

保守

19

表 4. 交換用ヒューズ

名称 説明 部品番号 数

F1 W

F44/100 A、 1000 V AC/DC ヒューズ

943121 1

F2W

F11A、1000 V AC/DC ヒューズ

803293 1

W 安全確保のため、指定のヒューズのみを使用してください。

一般的な保守

湿らせたやわらかい布と薄めた洗剤を使用してケースを

清掃してください。研磨材あるいは溶剤などは使用しない

でください。

本器は内部装置を保護するように密閉されています。十分

な密閉度を保持するために、開閉は電池またはヒューズ収

納部のみとしてください。

指定されている性能を維持するために、一年に一度、有資

格技術者に依頼して本器を校正し密閉部品 (部品番号: 738112) を交換してください。本器の校正あるいは修理に関しては、最寄りのサービス・センターに問い合わせるか、

あるいは本器のサービス・マニュアル (部品番号: 690206、

英語) を参照してください。交換部品に関しては、表 5 を参照してください。

表 5. 交換部品

名称 説明 部品番号 数量

BT1 9 V 電池 696534 1

H6 ネジ PH 6-32 x 3/8 682070 4

MP11 ケース足部 654335 1

MP12 把手 (立て掛け用スタンド)

744474 1

MP14 電池収納カバー 670585 1

MP15 電池収納部 O リング 697185 1

MP16 電池収納部スペーサー 665023 1

MP61 ヒューズ収納カバー 665031

TL75* テスト・リード・セット 1

AC72 アリゲーター・クリップ・

セット 1

TM1 ユーザーズ・マニュアル 690203 1

TM2 サービス・マニュアル 690206 1

*アクセサリー番号

Page 24: Multimeter - Flukeassets.fluke.com/manuals/27______umjpn0200.pdf製品寿命期間での保証と責任の限定について Fluke 20、70、80、170 および 180 シリーズ DMM

27

ユーザーズ・マニュアル

20

MP12

F1

F2

MP61

MP15

MP16

MP14

H6

BT1

MP11

zp2f.eps

図 2. 交換可能部品

Page 25: Multimeter - Flukeassets.fluke.com/manuals/27______umjpn0200.pdf製品寿命期間での保証と責任の限定について Fluke 20、70、80、170 および 180 シリーズ DMM

サービス

21

サービス

下記の電話番号で弊社までお問い合わせ下さい。

日本:03-3434-0181 米国:1-888-99-FLUKE (1-888-993-5853) カナダ: 1-800-36-FLUKE (1-800-363-5853) 欧州:+31 402-675-200 シンガポール:+65-738-5655 その他:+1-425-356-5500

ワールド・ワイド・ウェブにある弊社のホームページもご覧

ください。アドレスは、www.fluke.com (英語のみ) です。

Page 26: Multimeter - Flukeassets.fluke.com/manuals/27______umjpn0200.pdf製品寿命期間での保証と責任の限定について Fluke 20、70、80、170 および 180 シリーズ DMM

27

ユーザーズ・マニュアル

22

仕様

機能 レンジ 分解能 確度*

3.200 V 0.001 V ±(0.1 %+1)

C 32.00 V 0.01 V ±(0.1 %+1) 320.0 V 0.1 V ±(0.1 %+1) 1000 V 1 V ±(0.1 %+1)

J 320.0 mV 0.1 mV ±(0.1 %+1)

320.0 e 0.1 e ±(0.3 %+3)** 3.200 ke 0.001 ke ±(0.2 %+1)

O 32.00 ke 0.01 ke ±(0.2 %+1) (nS) 320.0 ke 0.1 ke ±(0.2 %+1)

3.200 Me 0.001 Me ±(0.2 %+1) 32.00 Me 0.01 Me ±(1 %+1) 32.00 nS 0.01 nS ±(2 %+10)

S 2.080 V 0.001 V ±(1 %+1) 代表値

40 Hz~2 kHz 2 kHz~10 kHz 10 kHz~30 kHz

3.200 V 0.001 V ±(0.5 %+3) ±(2 %+3) ±(4 %+10)

I 32.00 V 0.01 V ±(0.5 %+3) ±(2 %+3) ±(4 %+10) 320.0 V 0.1 V ±(0.5 %+3) ±(2 %+3) ±(4 %+10) 1000 V 1 V ±(1 %+3) ±(3 %+3) 規定なし

F 320.0 mV 0.1 mV ±(0.5 %+3) ±(2 %+3) ±(4 %+10)

** オフセット補正のためのREL (∆) 機能使用時

Page 27: Multimeter - Flukeassets.fluke.com/manuals/27______umjpn0200.pdf製品寿命期間での保証と責任の限定について Fluke 20、70、80、170 および 180 シリーズ DMM

仕様

23

機能 レンジ 分解能 確度* バードン電圧 (代表値)

32.00 mA 0.01 mA ±(0.75 %+2) 5.6 mV/mA

A 320.0 mA 0.1 mA ±(0.75 %+2) 5.6 mV/mA

10.00 A 0.01 A ±(0.75 %+2) 50 mV/A

M 320.0 µA 0.1 µA ±(0.75 %+2) 0.5 mV/µA

3200 µA 1 µA ±(0.75 %+2) 0.5 mV/µA

E 32.00 mA 0.01 mA ±(1.5 %+2) 5.6 mV/mA

40-1000 Hz 320.0 mA 0.1 mA ±(1.5 %+2) 5.6 mV/mA

10.00 A 0.01 A ±(1.5 %+2) 50 mV/A

N 320.0 µA 0.1 µA ±(1.5 %+2) 0.5 mV/µA

40-1000 Hz 3200 µA 1 µA ±(1.5 %+2) 0.5 mV/µA

* 確度は ±([読みの %] + [最小桁の数字]) で表されます。

基本的な電気特性確度は、校正から一年間、18 °C~28 °C の温度範囲、相対湿度 95 % 未満の条件で規定されています。交流変換はすべて、AC 結合および平均値の応答型で、また正弦波入力に対して真の実効値になるように補正されています。

レンジは、複数のレンジを持つすべての機能において自動または手動を選択できます。ダイオード試験機能において、試験

抵抗が約 270 e 未満の場合には連続音が発生します。

Page 28: Multimeter - Flukeassets.fluke.com/manuals/27______umjpn0200.pdf製品寿命期間での保証と責任の限定について Fluke 20、70、80、170 および 180 シリーズ DMM

27

ユーザーズ・マニュアル

24

機能

過負荷保護*

入力インピーダンス (代表値)

コモン・モード除去比 (1 ke 不均衡)

ノーマル・モード除去比

C 1000 V rms 10 Me と並列して <100 pF >120 dB (直流、50 Hz、60 Hz) >60 dB (50 Hz、60 Hz)

J 1000 V rms 10 Me と並列して <100 pF >120 dB (直流、50 Hz、60 Hz) >60 dB (50 Hz、60 Hz)

I 1000 V rms 10 Me と並列して <100 pF(AC 結合)

>60 dB (直流~60 Hz)

F 1000 V rms 10 Me と並列して <100 pF(AC 結合)

>60 dB (直流~60 Hz)

開回路試験電圧 フルスケール電圧

O 1000 V rms 3.2 Me まで 32 Me あるいは nS

<2.8 V dc <420 mV dc <1.3 V dc

*最大 107 V Hz

任意の端子とアース間の最大電圧 機能 ヒューズ保護

1000 V mA または µA A

44/100 A 1000 V 速断ヒューズ 11 A 1000 V 速断ヒューズ

Page 29: Multimeter - Flukeassets.fluke.com/manuals/27______umjpn0200.pdf製品寿命期間での保証と責任の限定について Fluke 20、70、80、170 および 180 シリーズ DMM

仕様

25

デジタル表示 .................................................................... 3200 カウント、2 回/秒で更新

アナログ表示 .................................................................... 31 セグメント、25 回/秒で更新

作動温度 ........................................................................... -15 °C~55 °C、使用寸前まで 20 °C の環境下にあった場合

は、-40 °C に対して 20 分間

保管温度

電池無し......................................................................... 電池有り.........................................................................

-55 °C~85 °C -55 °C~60 °C

電磁適合性........................................................................ 3 V/m の RF 電磁場で全てのレンジおよび機能 (mV AC を 除く) に対し、全確度 = 規定の確度 + レンジの 1.0 %。 mV AC に対しては、全確度 = 規定の確度 + レンジの 1.5 %。(EN 61326-1:1997)

温度係数 ........................................................................... 0.1X (規定の確度)/ °C (<18 °C あるいは >28 °C)

相対湿度 ........................................................................... 0 %~95 % (0 °C~35 °C) 0 %~70 % (35 °C~55 °C)

電池 .................................................................................. 9 V、NEDA 1604、6F22 あるいは 006P

電池寿命 ........................................................................... 1000 時間 (代表値)

衝撃、振動、耐水性.......................................................... MIL-T-28800 による様式 A、クラス 2 機器

寸法 (高さ X 幅 X 長さ) .................................................... 5.6 cm X 9.5 cm X 20.3 cm (2.2 in X 3.75 in X 8 in)

重量 .................................................................................. 0.75 kg

高度 ..................................................................................

安全性 ...............................................................................

最高 2000 m

ANSI/ISA S82.01-1994、CAN/CSA C22.2 No. 1010.1:1992、1000 V 過電圧カテゴリー III に準拠。UL3111-1。

Page 30: Multimeter - Flukeassets.fluke.com/manuals/27______umjpn0200.pdf製品寿命期間での保証と責任の限定について Fluke 20、70、80、170 および 180 シリーズ DMM

27

ユーザーズ・マニュアル

26