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Mechanical Design & Analysis Co. Design & Analysis Co. Mech D & A News 解析データ(FD付き)申込書 返信先 FAX:0424-82-5106 (株)メカニカルデザイン 担当

Apr 22, 2018

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Mechanical Design & Analysis Co.

【1】はじめに近年、建築・土木あるいは自動車などのような組立構造物を扱う分野において、構造物の軽量化と高剛性化を両立させるため、はりによるFEM解析の高度化が求められるようになってきています。しかし、はり要素は部材を線に退化させた要素であるため、引張と曲げ以外の断面性能、あるいは断面性能に及ぼす非弾性などの効果を合理的に扱うためには、補足的な配慮をする必要があります。今回は、はりの断面の塑性化に着目し、理論解あるいは実測値と比較した結果を紹介します。

【2】鉄骨構造物の特徴鉄骨構造に用いられる鋼材の特長は、重量に対して強度の比が高い点にあります。例えばFig.1は、代表的な鋼材であるI形鋼の断面を示します。I形鋼はフランジとウェブと呼ばれる部分から構成されています。いま、強軸と一般に呼ばれるy軸まわりの曲げを考えたとき、フランジはどのように機能するでしょうか? Fig.2は断面二次モーメントに関する平行軸の定理を説明する図です。高さh,幅bの長方形断面を考えたとき、その図心を通るy軸まわりの断面二次モーメントは(1)式のようになります。

3y

1I bh

12 ・・・(1)

また、y軸に平行でy軸から距離e2だけ離れたy2軸に関する断面二次モーメントは、長方形の断面積をAとするとき、(2)式のようになります。

2

2y y 2I I e A ・・・(2)

すなわち、図心からe2だけ離れた位置に断面積Aのフランジが配置されることによって、重量の増加を抑えつつ大幅な断面二次モーメントの向上、すなわち曲げ剛性の強化が図れることを示しています。

Fig.1 I形鋼の断面形状 Fig.2 断面二次モーメントに関する  平行軸の定理

I形鋼あるいはH形鋼はこのように優れた断面形状をもつ鋼材ですが、国内では1920年(大正9年)に建造された日本興業銀行に米国製のH形鋼が用いられたのが最初と言われています(1)。国内でH形鋼が生産されるようになるには、戦争をはさみ1962年(昭和37年)まで待たなければなりませんでしたが、1963年には建築物の高さ制限が撤廃され、またその翌年には耐火被覆を施した鉄骨造の建築物が認められるようになりました。

これらの結果、鋼材の使用量が急激に増加すると共に、今日では、塑性化を許容する合理的な設計法が求められるようになってきました。今回は、塑性設計と呼ばれるこのような設計法の基本となる塑性ヒンジの発生について検討します。

【3】はり断面の塑性化Fig.3に示すように降伏応力がσYで一定、すなわち加工硬化のない鋼材に曲げを与えると、塑性化による曲げ応力の分布の変化はFig.4に示すようになります。このときの鋼材に発生する曲げモーメントと曲率の関係をFig.5に示します。まずFig.4の(a)は弾性状態にある曲げ応力の分布です。部材表面の応力が最大となり、直線的な応力分布となります。図中(b)は表面の応力が降伏応力σYに達した状態です。このときの曲げモーメントをMYとします。

フランジ

ウェブ

フランジ

z

y

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Fig.3 加工硬化のない材料

【4】塑性ヒンジの発生とはりの塑性設計静定はり、すなわち外力の釣合条件のみによって支点反力や曲げモーメントが定まるはりでは、上述のような塑性ヒンジを生ずると剛性を失い、破壊に至ります。しかし不静定はりでは、最も応力が厳しい断面で塑性ヒンジを生じたとしても崩壊せず、曲げモーメントの再配分が生じます。この結果、次に厳しい断面が全塑性化するまで荷重は上昇し、結局、十分な数の塑性ヒンジが形成されて全体剛性が失われるまで崩壊には至りません。

Fig.5 塑性化による曲げモーメントの飽和Fig.4 曲げ応力の分布と塑性化

Fig.6 不静定はりの崩壊に至るまで(2)

部材の曲げを更に増大すると、塑性化した領域は表面から内部に広がり、曲げ応力の分布は(c)のようになります。この結果、曲げモーメントと曲率の関係はFig.5のC点に示すように直線から外れますが、まだ増大傾向を示します。

Fig.4の(d)は、はりの中立軸まで塑性化が進行し、断面が全塑性化した状態です。加工硬化がないので、曲げモーメントはこのときの値MPで飽和し、それ以降の領域では曲率が自由に増加できることを示しています。このような全塑性化した断面を塑性ヒンジと呼びます。

例えばFig.6は日本建築学会の指針(2)に示される不静定はりの崩壊の例です。図中、MPが全塑性モーメントを示します。この例では、はりの左側から1/3の点Bに載荷された結果、最初は左端A、次に載荷点B、最後に右端Cで塑性ヒンジを生じ、崩壊に至ることがわかります。図中にはこれらの塑性ヒンジが発生する時点での反力が規格化されて表示されています。

載荷点における荷重-変位関係をFig.7に示します。本図からわかるように最終的な崩壊荷重は降伏開始の荷重の約1.3倍となっており、耐力性能の面で粘りを期待することができることがわかります。

このような不静定構造物の終局崩壊荷重を想定した設計法を塑性設計と呼び、今日では合理的な手法として適用が認められています。なお、Fig.6およびFig.7に示される理論解の詳細を、補遺として巻末に示します。

この問題を、Fig.8およびFig.9に示すような2種類の断面についてFEMで解析しました。ソルバーにはMSC.Marcを使用し、円管には要素タイプ78(薄肉閉断面はり要素)、I形鋼には要素タイプ79(薄肉開断面はり要素)を適用しました。

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【5】塑性ヒンジ解析の応用例5.1 柱材の軸力による座屈解析Fig.10に柱材に圧縮方向の軸力を加えた解析の例を示します。断面形状はH鋼であり、細長比をパラメータとして検討しました。このうち細長比が120と180のモデルは長い柱材であり、座屈荷重はいわゆる弾性のオイラー座屈の荷重に相当します。すなわち、軸力によって断面に生ずる一様な応力が降伏応力に到達する前に、臨界荷重を迎えます。

これに対して細長比が60のモデルは短い柱材です。この場合はオイラー座屈の臨界値が高いために、断面の一様な降伏が先行します。すなわち座屈荷重は降伏応力に断面積を乗じた値となります。これらいずれの場合も先行の数値解(3)に一致する結果を得ました。またFig.11は細長比60のモデルについて、繰返し荷重を与えた解析の例です。この場合も良好な結果が得られました。

5.2 K形筋違ラーメンの繰返し負荷Fig.12に、より複雑な形状をもつ構造について解析した結果を示します。この例に対しては実測値(3)が与えられており、FEM解はこれを概ねトレースする結果となりました。なお最近では、橋脚のような柱材について、より詳細な解析手法が取りまとめられるに至っており、この種の解析が実用水準に到達していると判断できます(4)。

Fig.9 I形鋼(薄肉開断面はり要素)Fig.8 円管(薄肉閉断面はり要素)

参考文献(1)若林,鉄骨構造学詳論,丸善,1985.(2)日本建築学会,鋼構造塑性設計指針,丸善,1975.(3)藤本他,筋違付鉄骨ラーメンの弾塑性解析に関する研究,日本建築学会論文報告集,209,pp.41-51,1973.(4)日本橋梁建設協会,鋼製橋脚の弾塑性有限変位FEM解析マニュアル,1998.(5)土木学会,構造力学公式集,丸善,1986.

表紙:四天王立像,東大寺戒壇堂,8世紀中頃.

これらの要素は図中に示すように薄肉の断面の弧長方向に積分点を有し、塑性化に代表されるような非弾性の挙動を表現することができます。

先のFig.7の図中に、このFEM解を理論解とあわせて示します。なお参考までに、要素タイプ52(3次元弾性はり要素)をUBEAMオプションを用いて非線形化した結果もあわせて示します。いずれも概ね理論解と一致する結果となりました。

Fig.7 載荷点における荷重-変位関係

h=500

b=200

tw=10

t f=16

t=9

d=300

*MSC.Marc はエムエスシーソフトウェア株式会社殿の製品です。

0

2

4

6

8

10

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5

δ/(Mpl2/6EI)

P/(Mp/l )

理論解

Marc#52(UBEAM)

Marc#78(円管)

Marc#79(I形鋼)

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Fig.10 柱材の軸力による座屈 Fig.11 柱材の繰返し負荷

-60000

-40000

-20000

0

20000

40000

60000

-4 0 4 8 12

変位[mm]

荷重[kg]

Marc

数値解(3)細長比60

Fig.12 K形筋違付ラーメンの繰返し負荷

-100000

-50000

0

50000

100000

-30 0 30 60変位[mm]

荷重

[kg]

Marc

実測値(3)

0

20000

40000

60000

0 4 8 12変位[mm]

荷重[kg]

Marc

数値解(3)細長比60断面の一様塑性化

細長比120弾性オイラー座屈

細長比180弾性オイラー座屈

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Mech D & A News 解析データ(FD付き)申込書返信先 FAX:0424-82-5106 (株)メカニカルデザイン  担当 文書課 大川宛

  お名前貴社名・御所属  御住所 〒  TEL・FAX TEL              FAX            E-mail           

注:納品書兼請求書は弊社様式で商品と共に送付致します。代金の振込手数料はお客様の負担とさせて頂きます。

  通信欄

御希望の項目に○を付け、金額を記入して下さい。いずれもFD付きの価格です。

内容の詳細は弊社ホームページを御覧下さい。・自励振動の解析 (vol.95-1.1) ¥  5,000・接触による応力集中 (vol.95-1.2) ¥  5,000・凝固プロセスの解析 (vol.95-2.1) ¥  5,000・大ひずみ粘弾性球の衝突解析 (vol.95-2.2) ¥ 20,000・非ニュートン流体の解析 (vol.95-3.1) ¥ 15,000・粘弾性解析の基礎モデル (vol.95-3.2) ¥ 10,000・熱衝撃応力の厳密解 (vol.95-4.1, 4.2) ¥ 10,000・ボルト締結の健全性評価 (vol.96-1) ¥ 10,000・ロール圧延の解析 (vol.96-2) ¥ 20,000・表面張力の解析 (vol.96-3.1) ¥ 20,000・浮遊体の固有振動解析 (vol.96-3.2) ¥ 10,000・衝撃応答の解析 (vol.96-4) ¥ 15,000【Vol.95-1~Vol.96-4】2年分一括 ¥ 90,000・接触による応力の集中と減衰 (vol.97-1) ¥ 20,000・MARCユーザ・サブルーチン支援キット (vol.97-2)  ¥ 50,000・弾塑性材料試験支援キット (vol.97-3) ¥ 30,000・流体連成振動解析 (vol.97-4) ¥ 10,000・MARC K7による流体解析 (vol.98-1) ¥ 20,000・2次元の線形補間/応力の座標変換 (vol.98-2) ¥ 10,000・陰解法と陽解法による振動解析 (vol.98-3) ¥ 10,000【Vol.97-1~Vol.98-3】2年分一括 ¥ 90,000・中空材料の塑性座屈問題-LS-DYNAによる解析 (vol.01-1) ¥ 10,000・単軸試験によるゴム材料モデルの推定

-ABAQUS/MSC.Marcによる解析- (vol.01-2) ¥ 10,000・陰解法と陽解法による非線形構造解析の実際 (vol.02-1) ¥ 20,000・はり解析における諸問題- その1 線形問題 - (vol.02-2) ¥ 10,000・Excelによる弾塑性材料データの作成 (vol.02-3) ¥ 30,000・陰解法と陽解法によるロール圧延の解析 (vol.02-4) ¥ 30,000【Vol.01-1~Vol.02-4】2年分一括 ¥ 90,000【最新刊】はり解析における諸問題

-その2 塑性ヒンジの解析- (vol.03-1) ¥ 30,000小 計   ¥消費税(5%) ¥合 計 ¥

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株式会社 メカニカルデザイン〒 182-0024 東京都調布市布田 1-40-2アクシス調布 2階

TEL 0424-82-1539 FAX 0424-82-5106

E-mail:[email protected]

※ABAQUS は ABAQUS・Inc. 殿の製品です。  

※LS-DYNA の国内販売元は株式会社日本総合研究所殿です。

※MSC.Marc はエムエスシーソフトウェア株式会社殿の製品です。