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青少年を心豊かに育んでいくためには、生活や活動の拠点となる家庭はもとより
地域全体の活力が欠かせない。活力のある地域には、特徴としてそこに住む人々が
協働意識を持って、魅力ある地域づくりに向けて、主体的に取り組む姿が見られる。
こうした地域づくり、まちづくりを通して地域を活性化させ、地域本来の持つ教
育力を向上させていくには、先ず、牽引役となるリーダーの企画力を高めることが
必要である。また、さらには地域の行政・学校・企業・ボランティア等、様々な主
体をコーディネートできる人材の育成が欠かせない。
全国の市町村教育委員会を対象とした調査では、これらのリーダー養成を実施し
ている割合は極めて低い結果となっている。住民主体のまちづくりを進める際の問
題点としては、リーダーの不足、課題としては、特にコーディネートできる人材の
育成を挙げた回答が多い。
1.事業の趣旨
Ⅰ企画力・コーディネート力の育成に向けて
《参 考》
【企画・運営面】
まちづくりのリーダーの育成・養成講座⇒「実施している」 9.3%
生涯学習の成果を活かした住民主体のまちづくりの問題や課題
「まちづくりリーダーとなる人材が不足」 36.5%
「住民活動をコーディネートする職員の育成」 52.8%
【調査対象】
人口1万人以上30万人未満の市町村から抽出された
1,215の市町村教育委員会
平成15年度地域活性化施策推進費調査~文部科学省委託調査
生涯学習の推進による住民主体のまちづくりに向けて
~地方都市再生のための人材基盤等地域力整備のための調査研究 報告書~
平成16年3月 財団法人 日本システム開発研究所
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あなたもまちづくりプランナーⅠ 企画力・コーディネート力の育成に向けて
まちづくりの活動は「地域にこうなってほしい」「地域をこう変えたい」という「思
い」発の活動である。その過程では、活動の趣旨や必要性などを対象者や地域社会
に示し、共感を得ることが不可欠となる。
何よりも地域愛が企画者や対象者にないとそこからの前進は望めない。もう一度、
地域を振り返ってみることから始めてみよう!
2.まちづくりの企画力・コーディネート力
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昨年度からの継続事業として、次のような流れに沿って事業展開することにした。
インタビューゲームから、総括としての講演までの流れとそれぞれのねらいを示し、
日程を決定した。
3.事業の構想
インタビューゲーム 仲間づくり、自分のまちの再認識
まちづくり実践事例 まちづくりの実際の理解
体験プログラム紹介 まちづくりへの興味・関心
地域プログラム体験 「見て・触れて・体験」→驚き、意欲
地域プログラムづくり 企画力、コーディネート力の育成
評価・振り返り 学びの意識化
まとめ・総括 学びの共有化
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あなたもまちづくりプランナーⅠ 企画力・コーディネート力の育成に向けて
《事業実施に当たっての配慮事項》
【企画・運営面】
① 多彩な講師を招き、プログラムに変化をもたせ、参加者への刺激とな
るようにする。
② 参加者が地域プログラムを肌で感じられるように、現地での体験活動
を必ず取り入れる。
③ 事業の開始から総括までを理論に基づいた一連の流れとなるように工
夫する。
④ 地域プログラムの内容が重複しないように講師を選定する。
【参加者に対して】
① 企画力とコーディネート力を育成する。
② 既成概念に捕らわれない地域づくりへの発想や思考を拡大する。
③ 地域プログラムを体験することにより、地域づくりへの興味・関心を
更に引き出す。
④ 参加者同士や講師とのネットワークをつくり、今後へつなげる。
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