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身近になったデジタルモードJT65 HF からEME まで (JARL奈良県支部大会 2017312) JS3CTQ 稲葉浩之
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Apr 22, 2018

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Page 1: 身近になったデジタルモードJT65 HF からEME まで · jt65とは •eme(月面反射通信)などの超微弱電波での通信用に開発されたデ ジタルモードの一種。米国の物理学者テイラー博士k1jtが開発。

身近になったデジタルモードJT65HF からEME まで

(JARL奈良県支部大会 2017年3月12日)

JS3CTQ 稲葉浩之

Page 2: 身近になったデジタルモードJT65 HF からEME まで · jt65とは •eme(月面反射通信)などの超微弱電波での通信用に開発されたデ ジタルモードの一種。米国の物理学者テイラー博士k1jtが開発。

JT65とは

• EME(月面反射通信)などの超微弱電波での通信用に開発されたデジタルモードの一種。米国の物理学者テイラー博士K1JTが開発。

• オリジナルのJT65モードはテイラー博士の「WJST」というソフトに含まれているが、現在は多数の派生ソフトが存在する。

• 2004年頃、前身のJT44がバージョンアップされてJT65となり、占有周波数帯域の違いでJT65A JT65B JT65Cの3つのサブモードがある。

•一般的にHF/50MHzではJT65A、144/430MHzではJT65B、1200MHzupではJT65Cが使用されている。

•単にJT65という場合は、 HF/50MHzで使用されるJT65Aのことをいう。

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JT65モードの特長

• CWで交信するのに必要な信号強度より10dB低いレベルの信号でもQSOが可能。(CWの限界はS/N-20dB程度、JT65の限界はS/N-32dB)

•相手局と1分ずつ交互に送信してQSOを行う。一方が奇数分に送信、もう一方が偶数分に送信する。

• タイミングを合わせてQSOするため、パソコンの時計を正確に合わす必要がある。(誤差1秒以内を推奨)

•毎分0秒から約48秒間送信、あるいは受信し、(受信の場合は)、残り約12秒間※で受信信号をデコードする。※使用しているパソコンの性能によりデコード時間は左右される。※EMEの場合は遅延が約2.5秒あるので、デコード時間は10秒以内

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JT65モードのメリット

•耳では聞こえない程微弱な信号でも交信が可能。

•白/黒がはっきりする。(ミスコピーはほとんどない)

•海外とのQSOにおいても英語力は不要。取っつきやすい。

• デジタルモードなので、電信をマスターする必要もない。

•常にリグに張り付いている必要がない。QSO中の離席も可能。

•交信記録は自動的に保存されるため、管理が容易。

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JT65モードのデメリット

•運用にはパソコンが必須なので、たとえば移動運用にもパソコンを携行する必要がある。またモービル走行運用は実質的に不可能。

• QSOに時間がかかる。通常は4~6分。途中がスムーズに行かないとさらに時間がかかる。そのため、コンテストなどでの使用は現実的では無い。(EME除く)

• 1分間かけて送信できる任意文字数は最大でも13文字。よってラグチューなどには適していない。

•耳で聞いて解読する通信ではないため、同一周波数で複数局が送信すると、分離が難しい。(デコードができない)。

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JT65の歴史• 2004年頃にJT65モードを搭載したWJST ver.4がリリースされ、それまでの

JT44モードに取って代わった。この時代はまだEME(月面反射通信)やMS(流星反射)で主に使用されていた。

• 2006年頃からHF帯での運用が始まったが、当初はネット上で組んだスケジュールQSOが多く、モードもJT65Bが主流だった。

• 2007年頃に14076kHz/JT65Aが定着した。しかしこの頃は通常パワーで運用する局が多く皆強かった。またWSJTと比べて格段に使いやすいJT65-HFが登場し一気に広まっていった。

• その後徐々にローパワー運用が定着していき、また14MHz以外のバンドでの運用も多くなり、今に至っている。

• 2015年、1.9MHz帯でのデジタルモードの占有周波数帯域幅が200Hzに拡張され、JT65Aモードでの運用が可能になった。(135kHz、475kHz帯もOK)

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JT65を運用するためのソフトウェア

JT65モードを運用するためにはパソコンとソフトが必須

(現状、無線機にキーボードを接続しても運用できない)

• WSJT 基本ソフト。JT65A B Cの他、FSK441、JT4などを搭載。

• WSJT-X HF帯通信を主眼にしたソフト。JT65、JT9、QRA64などを搭載。

• JT65-HF HF帯でのJT65(A)モードの運用に特化させたソフト。

• JT65-HF HB9HQX Edition JT65-HFをさらに使いやすく改良したソフト。

• JTDX WSJT-Xのデコード性能を改良したソフト。

• その他にも数種類ある。

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JT65を運用するために必要な機材

• SSBモードが運用できる無線機(10W機でも可)

• アンテナ(小型でも可)

•パソコン(OSはWindows、 Lunux、Mac OS)

• JT65用の通信ソフトウェア(WSJTなど)

•無線機とパソコンを接続するケーブル(またはインターフェース)。最近のHF機はUSBケーブル1本でパソコンと接続できる。少し前のHF機だとインターフェース(市販/自作)を介して接続する。

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セットアップ例 (IC-7300 + WSJT-X)

無線機とパソコンの接続はUSBケーブル1本でOK

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通信ソフトウェアの例 (WJST-X)

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WSJT-Xの設定画面

設定の詳細はインターネットで月刊FB NEWSなどをご参照ください。

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JT65でのQSOその1 まずは受信から

•無線機の周波数をJT65運用局がよく出ているところに合わせる。7041(国内)7076(海外)、14076、21076kHzあたり。

•運用モードはUSB(もしくはUSB-D)を選択し、受信帯域幅は3kHzに設定する。(アナログ機で帯域設定が不可能な場合は、2.4kHz等のままでよい)

•パソコンの内蔵時計を誤差1秒以内に合わせて、ソフトを立ち上げる。

•バンドがオープンしていれば、受信局が次々にデコードできる。

•初めの数日間はワッチに徹してQSOの手順を覚えると良い。

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受信例 (デコード画面)

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受信例 (ウォーターフォール画面)

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IC-7300のスコープで見るJT65のスペクトラム

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受信できているのに文字が出ない

•無線機の運用モードがUSB(もしはくUSB-D)になっていない。

• ソフトウェアの運用モードがJT65(A)になってない。

• ソフトウェアの音声入力ポート選択が間違っている。

•受信局の電波がJT65(A)の信号ではない。

•パソコンの内蔵時計の誤差が3秒以上ある。

•同一周波数でパイルアップになっている。(信号が重なっている)

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JT65でのQSOその2 CQ局を呼んでみる

•事前に、ダミーロードなどを使用し、正常に送信できるか確認する。

•交信手順を理解した後、CQを出している局をコールしてみる。CQ局が偶数分送信(1st)の場合は、自局は奇数分に送信。CQ局が奇数分送信(2nd)の場合は、自局は偶数分に送信。

•応答があった場合、S/Nレポートが送られて来るので、次回の送信でこちらからはR+S/Nレポートを返す。そしてQSOを進行させる。

•他局に呼び負けた場合は、そのQSOが終わるのを待つか、別のCQ局を探す。

• コールしたのに再度CQを出された場合は、複数の原因が考えられる。(原因は後述)

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QSOの手順例1 (基本QSO - 6分コース)

1st局 (N7IH)

CQ N7IH CN87

JS3CTQ N7IH -15

JS3CTQ N7IH RRR

JS3CTQ N7IH 73

(または CQ N7IH CN87)

2nd局 (JS3CTQ)

N7IH JS3CTQ PM74

N7IH JS3CTQ R-12

N7IH JS3CTQ 73

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基本QSOの例

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QSOの手順例2 (短縮QSO - 4分コース)

1st局 (N7IH)

CQ N7IH CN87

JS3CTQ N7IH -15

JS3CTQ N7IH RR73

2nd局 (JS3CTQ)

N7IH JS3CTQ PM74

N7IH JS3CTQ R-12

(N7IH JS3CTQ 73)

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QSOの手順例3 (超短縮QSO - 2分コース)

1st局 (3Y0Z)

CQ 3Y0Z JD15

JS3CTQ 3Y0Z R-15

(次の局) 3Y0Z R-18

2nd局 (JS3CTQ)

3Y0Z JS3CTQ -20

3Y0Z JS3CTQ 73

3Y0Z (次の局) -22

3Y0Z (次の局) 73

GLではなく、S/Nレポートを付加してコールする(DXペディション局とのQSOの例)

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CQ局をコールしても応答が無い場合

• こちらからの電波が届いていない。→アンテナの方向を合わせる。出力を少し上げる。別の局を探す。

•複数局が同じ周波数でコールしてパイルアップになっている。→しばらく様子を見る。または次回スプリットで呼ぶ。

•自局のパソコンの時計の誤差が大きく、相手局がデコードできない。→パソコンの時計がズレていないか確認する。(誤差3秒以上はNG)

•自局の電波が歪んでいる。→モニター機能をオンにして確認する。→もう1系統、別にセットアップできれば、自局の電波を受信してみる。

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JT65でのQSOその3 CQを出してみる

• QSOに慣れたら、自局からCQを出してみる。

•空いている周波数にダイヤルを合わせる。もしくは、TXトーン周波数を空いている周波数に設定する。

• 1st(偶数分送信)か2nd(奇数分送信)を決めて、 CQを出す。送信局の少ないシーケンス(1st/2nd)で出した方が呼ばれやすい。

• うまく呼ばれたら応答する。複数局から同時に呼ばれた場合は、QSOしたい局を選択して応答する。呼ばれなかったら再度CQを出す。

• QSOを完了させる。

• その後連続して呼ばれた場合は、さらに応答するか、もう止めるかを判断する。

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複数局から呼ばれた例

(LY2xx OF5x RA4xxxの3局から呼ばれ、OF5xをピックアップした)

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HFでのQSOに慣れたらEMEにトライしてみよう

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JT65でEMEにトライ

•過去の月面反射通信はCWモードで行われていたためハイパワーと大型アンテナ(例1500W、4列2段の八木)が必要だった。

• JT65モードが主流になってからは、過去に比べて少ないパワーと小型アンテナでのQSOが可能になった。

•大型局が相手なら、50Wに2列八木もしくはシングル八木でもQSOが可能。

• 144MHz、430MHzでのEMEはJT65Bモードを使用するので、JT65Bモードを搭載しているソフトで運用する。(例WJST)

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2mEMEを行うための最低限の設備

• リグ 144MHz SSBが運用できるトランシーバー(50W)

• アンテナ 9~10エレ八木(ブーム長2WL=4m)×2本

• プリアンプ 無くても良い (プリアンプを入れなければ聞こえない局には50Wでは届かないことが多いため)

• ローテーター 無くても良い (月の動きはスローなので、手回しでも対応できるため)

• ソフトウェア WSJTを推奨 (WSJT-Xでも対応可能)

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WJSTのセットアップ

HF帯通信での通常のセットアップに加え、下記が必要

• モードはJT65Bを選択する。(144MHz、430MHz)

• ディープサーチデコーダーをオンに設定する。(データの入ったcall3.txtファイルがインストールされているか確認)

• Sync(同期回数)はゼロに設定する。(これにより、1度も同期しなくてもデコードできる)

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EME用通信ソフトウェアの例 (WJST)

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WJSTのセットアップ例

ポイント・OptionsのID intervalはゼロに設定・ModeはJT65Bを選択・バンドは144(432)を選択

(Dopを正確に計算させるため)

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WJST-Xのセットアップ例

ポイント・TXトーンは1270Hzに設定(固定)・Lock Tx=Rxのチェックを外す・Submode B (JT65B)を選択・Sh(Shorthand)にチェックを入れる

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N0UKチャット

http://www.chris.org/cgi-bin/jt65emeA

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まずはEMEでのQSOの要領を覚える

• N0UKチャットを閲覧すると、QSOの手順が大体解る。

• HF帯でのQSOと異なり、レポートはTMO形式。ただし、JT65モードではTとMは使用されず、Oのみを使用する。

• HF帯でのQSO の様にS/Nレポートを送ることはほとんど無い。

• 「RO」、「RRR」、「73」はショートハンドで送る。(コールは付加しない)

• 「RR73」は一切ない。(RRRと73は必ず別シーケンスで送る)

• QSOの最後に13文字以内の任意メッセージを送るケースは少ない。

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N0UKに書き込むとき

自局のIDには、なるべくアンテナと出力を付加

(この表記をよりどころにしてSKDの申し込みがある)

例 「JS3CTQ/4x11/500」アンテナが4x11エレで出力が500W

○ JS3CTQ/8x15/QRO QRO=EME標準出力

× JS3CTQ/2x10/QRP QRPはNG、50Wなら50と明記する

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Live CQ

http://www.livecq.eu/

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430MHzはHB9Qロガー

http://www.hb9q.ch/hb9q/ (ログインが必要)

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QSO方法は2種類

• スケジュールQSO

N0UK(またはHB9Q)チャットで周波数、1st/2ndを打ち合わせて開始

(1stは偶数分に送信、2ndは奇数分に送信)

• ランダムQSO

CQを出している局を呼ぶ

または、自局がCQを出して呼んでもらう(自局がCQを出す場合は、N0UK (またはHB9Q)チャットに書き込む)

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いつ運用するか

144MHzは毎日アクティビティがあるが、Dgrdが概ね-3.0以下の日がロスが少なくベター

←月の位置

←Dgrd値

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フィルターの設定 (144MHz、IC-9100の例)

•通常運用 (CQ or Search)時はBW=1300Hzを推奨(中心周波数±650Hz) <できるだけUSB-Dモードを使う>

•目的信号のすぐ隣にQRM等がある場合はBW=500Hzに絞る

•自らCQを出す場合は、BW=2400も有効

• USB-DのFIL1をBW=2400, SHIFT=0に設定

• USB-DのFIL2をBW=1300, SHIFT=-150に設定

• USB-DのFIL3をBW=500, SHIFT=0に設定

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フィルターの設定例

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QSOの手順 (スケジュールQSO)

1st局 (N7IH)

JS3CTQ N7IH CN87

JS3CTQ N7IH CN87 OOO

RRR

73

2nd局 (JS3CTQ)

N7IH JS3CTQ PM74

RO

73

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QSOの手順 (ランダムQSO)

1st局 (N7IH)

CQ N7IH CN87

JS3CTQ N7IH CN87 OOO

RRR

73

2nd局 (JS3CTQ)

N7IH JS3CTQ PM74

RO

73

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QSO例 CQ局を呼ぶ

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移動での50W EMEの例 (JN4JGK局)

144MHz(左)、430MHz(右)ともに数局ずつのビッグガンとのQSOに成功

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移動での50W EMEの例 (JN4JGK局)

リグはIC-7100単体。144MHz-50W、430MHz-35W

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受信だけなら、さらに小型アンテナでも可能

JA3BIN局の2x7エレ(ブーム長わずか2.4m)、100局以上の受信に成功

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2m DXCC

2017年3月現在、JAでは8局が受賞

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ステップアップ

• まずは手持ちの設備で受信にトライ(月の出から15度、月の入りまでの15度なら仰角可変なしでも可)

• CQが見えたらコールしてみる (1st/2ndに注意)もしくは、ビッグガンにSKDを申し込む

• QSOにトライ (コンディションの良い週末はできるだけ運用する)

•仰角ローテーターを配備

•最新リグの配備、直下型プリアンプの配備

• アンテナの増強(多段化、ロングブーム化、HV対応化)

• (1アマを取得し)リニアアンプの配備、QRO変更申請

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クロス八木は必要か

クロス八木、もしくはH偏波+V偏波を装備していると、単偏波に比べて有利 (2m DXCCの獲得を目指すならば必須)

(理由)ジオメトリックローテーションとファラデーローテーションによって偏波が回転するため、送信に使った偏波でいつも相手局が受信できるとは限らない

↓現在の主流はH偏波+V偏波のデュアル受信・クロス八木のHとVに同軸2本で給電するか、HとVを分けて立てる

・偏波回転アンテナも有効

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最後に

• 144MHz、430MHz共に、50Wと2列八木でEMEは可能。

• まずはチャレンジしてみることが重要

•成功すれば、大きな感動が待っている

• グレードアップもまた楽しい

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