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~知的障害関係施設利用者の ご家族へのアンケート調査結果から~ 社団法人 長野県知的障害福祉協会
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~知的障害関係施設利用者の ご家族へのアンケート …~知的障害関係施設利用者の ご家族へのアンケート調査結果から~ 社団法人...

Jun 04, 2020

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Page 1: ~知的障害関係施設利用者の ご家族へのアンケート …~知的障害関係施設利用者の ご家族へのアンケート調査結果から~ 社団法人 長野県知的障害福祉協会

~知的障害関係施設利用者の ご家族へのアンケート調査結果から~

社団法人 長野県知的障害福祉協会

Page 2: ~知的障害関係施設利用者の ご家族へのアンケート …~知的障害関係施設利用者の ご家族へのアンケート調査結果から~ 社団法人 長野県知的障害福祉協会

書:下伊那郡阿智村 夢のつばさ 伊藤元晃さん

はじめに・・・

「 I am OK, You are OK 」という言葉がある。「お互いが心地良い」という状

態を指し示す言葉である。

ここで、僕らは立ち止まって考える。本当に僕らは、施設と言う現場で、知的

障害者、自閉症者という方とおつきあいをしながら、「 I am OK, You are OK 」

という関係で働き、給料を頂いているのかと。

僕らの仕事は、その方が幸福になるために、個々にあった支援を提供するとい

うものだ。幸福を提供するという支援が、自分たちの幸福も作り出すという仕事

である。だから「 I am OK, You are OK 」なのだ。

しかし、幸福はときに不公平だ。妻の我慢に支えられて、夫が幸福になってい

たり、会社員の不満が鬱積しているのに社長が豪遊していたり‥、そして知的障

害者、自閉症者の我慢が施設職員の自己満足を支えていたりと。

施設職員、障害当事者、家族、この3者が、お互い少しずつ公平に我慢し合い、

ほどほどの公平な幸福を享受できることが、僕らにとっての「 I am OK, You are

OK 」なのだろう。

今回の家族アンケートから、その「はじめの一歩」の一助を頂けたらと思って

いる。

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平成20年度 知的障害関係施設(通園/通所/入所/グループホーム/ケアホーム) 利用者のご家族へのアンケート調査結果

Ⅰ 調査の概要

1 目的

長野県知的障害福祉協会では、よりよいサービス(人権侵害のない支援、質の高い支

援技術、家族との連携と家族支援等)の提供をめざし、知的障害関係施設を利用されて

いる利用者の家族の方が、①提供されているサービスに対してどのように感じていらっ

しゃるのか、また②そのサービス提供に対してどのくらい満足を頂いているのか、また

③施設は、家族の方々にはどのような支援や情報提供をしているか等を把握するための

ものです。

本来なされるべきは、知的障害当事者の方々に対する直接的な満足度調査であるわけ

ですが、その障害特性ゆえに、質問に対する適切な答えは、対面での聴き取り方式でな

ければ得ることができません。いずれは、長野県知的障害福祉協会としても取り組んで

いかなくてはならない課題でありますが、今回の調査は、利用者の方の代弁者として、

家族の方にその思いを記入していただくなかで、当事者の方々の思いを反映していきた

いと考えています。

2 対象者

長野県知的障害福祉協会加盟利用者の家族

3 調査実施期間

平成20年10月27日~11月15日

4 調査方法

各施設で利用者の家族へ配布し、回収は指定封筒にて各自直接協会へ郵送。

5 配布数

2,209通

6 回収数(率)

1,451通 (回収率65.7%)

2

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問 5 施設には、利用者さ

の気持ちをわかってくれ

(相談できる)職員がい

すか?

いますか?

問1 利用者さんが

日常生活に困ったと

職員に助けてもらえ

Ⅰ.基本的なサービスの提供についてお聞きします

問2 職員は他の利用者の方々と同

じように分け隔てなく利用者さんに

接してくれますか?

き、

ていますか?

3

問4 職員は、利用者さんに丁寧(乱暴

な言葉の使用、命令、体罰等をしない

に接してくれていますか?

問6 職員の支援や施設の

活動は、利用者さんが穏やか

な、安定した、生きがいのあ

る生活を送るために役立っ

問3 施設の職員は、

利用者さんの気持ち

を尊重していると思

ていますか?

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Ⅰ基本的なサービス

大不満・不満6%

大満足・満足67%

どちらとも言えない分からない27%

◆施設が提供しているサービスについて満足との評価は67%

13%

19%

13%

23%

13%

11%

8%

0% 10% 20% 30%

①職員数不足、 職員の資質格差への不満②支援等に対する悩み、要望③分からないので家族の判断

④よく見てもらっている、 感謝している⑤支援計画、支援内容等が良い⑥職員の資質が良い(利用者、家族に対する 対応や挨拶等)⑦本人が満足している

職員がたりない!  質の低い職員がいる! ●職員のぎりぎりの人数でのサービスなので時には思うようなサービスがうけられない場合が多々ある。

●職員の交代や転職が多く利用者が戸惑ってしまう。

●申し訳ありませんが、能力に応じてランク分けして欲しいです。

●日ごろ職員の方には大変ご苦労頂きよくして頂いていると思いますが、時折職員のなかに言葉使いや対応の仕方が温かみのないように感じることがあります。支援に慣れてきたころに特にそう感じます。「何もわからない世話のかかる人」ではなく寄り添い尊重した言論にしてほしいと思ったことがあるのも事実です。

個々に合った支援をしていない

●個人に合った活動がほしい。

●本人は言葉が出ないので本人から聞くことができませんが親ですので子どもの代わりに言わせてもらえばもう少し気持ちをわかってくれる職員さんが必要だと思います。

●子どもは何もできませんが、ただ施設の中でぼーっと過ごしているのを見ると何かやれることがあるのじゃないかと見てしまいます。

●利用者が自分の考え、意思を表現するのが不都合。あるいは心を閉ざしているなど自分から相談できる状況でない。障害状況のため、現職員も困惑している面もありこのような障害状況の利用者に対して、精神科医等のアドバイス等も必要ではないかと思います。(このような事は、基本的サービス外になるのでしょうか??)

●基本的なサービスは良いですが、やはり、個人的な”こだわり”にどこまで対処してもらえるのか。

本人の訴えがわからない・・信じるしかない弱い立場

●本人が訴えることなく現状はどうなっているのか正直分かりません。長年接している職員は気持ちを分かってもらっているのではと思っています。

●毎日を見ているのではないのではっきりしたことはわからないのですが、「はい」の様になってほしいと願いを込めて書きました。

●まだ年齢が幼いためもあるのですが、園での出来事や本人がどのような対応を受け、どう感じているのかを伝える手段がないので、何かにつけて施設側を信頼するしかなく、弱い立場だと感じます。

大満足・満足67%の分析をしてみると、満足との回答の中にもこんな複雑な思いが隠れていました・・

具体的な  生の声・・・

※さらに①+②+③=45%のご家族の不安や不満を取り上げてみました

4

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ただきとても助かっています。

☆子供の事を思って接しても

らえありがたいと思っていま

す。又、子供も自発的に仕事に

向かえる体制が出来ている。

動に、範として現れている。

しております。

進んできたり。

が・・・可哀想にとれます

5

基本的なサービス提供に関する自由筆記より

☆利用者は職員を信頼し担当が

長ければ絆も生まれる。家族に

とってそういう職員さんには大

変ありがたく感謝しておりま

す。家族ともどもあの職員さん

がいてくれれば安心だと頼りに

☆興奮したりで大変かと思い

ますが職員さんは良くやって

くれていると思います。会話も

楽しんだりしながらやってい

☆基本的なサービスの問い

1~6は、毎日のサービスの

中で行動で示してくれてい

ます。利用者の人格尊重・平

等に手助けをしてくれる。利

用者を呼ぶとき~さんと呼

んでます。施設長の毎日の行

☆マニュアル通りの支援とは程遠い

実情です。子供の将来、自立のため

にといいながら、手をかけてくれな

いのが自立支援とは疑問です。親が

行ったときに、掃除・衣類の整理・

その他をやってきます。親の負担に

変わったということでしょうか。あ

る部屋では、だいぶ変わりましたが、

能力的には限界もあり関係的に衰え

☆人間誰も気分の良いとき、そ

して悪いときがあります。そし

て保護者がそばにいるときと、

いなくなった時の態度が変わ

ります。(ひがみでしょうか?)

ボクのこと嫌いなのかなぁ?

と語る息子のせつない気持ち

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ますか?

すか?

や情報提供があります

Ⅱ.家族支援、家族との関係についてお聞きします

問7 利用者さんの個別支援計画

や生活の様子について十分な説明

か?

か?

6

問10 訪問や面会・帰省には、制限や

規制はないですか?

問12 第三者委員など外部

の苦情窓口にも相談できる

問9 施設管理者や職員

は、家族の要望や不満に

きちんと対応してくれま

ことを知っていますか?

問11 家族の精神面を支え

るようなサポート(支援方法、

障害や家族の状況に対する理

解や共感、情報提供等)があり

問8 家族の要望や不満、利

者さんに関する心配なことを

言いやすい雰囲気があります

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Ⅱ家族支援、家族との関係

大満足・満足62%

どちらとも言えない分からない29%

大不満・不満9%

施設と家族の関係の満足度は62%!

32%

10%

21%

15%

13%

9%

0% 10% 20% 30% 40%

①支援等に対する悩み、要望②職員数不足、 職員の資質格差への不満③その他

④支援計画、支援内容等が良い⑤家族へのサポート状況が良い⑥職員の資質が良い(家族に対する対応や挨拶等)

施設とのコミュニケーション不足・保護者の高齢化

 ●情報などはこちらから聞かないと説明・提供などありません。管理者(施設長)がもう少し保護者と共に利用者の気持ちをゆっくりしっかり話し合える時、時間が欲しいと思います。

●意思疎通が図れていれば、対外の問題は解決するのだと思いますが、家族側がしっかり承知して施設に発信していくことが大事だと思います。

●見てもらっているという立場からあまり強いことはいえないが年々介護が必要になってくる。利用者を見るにつけ施設もそれにあわせた運営を強く望みたい。

●利用者の高齢化・保護者が親から兄弟にまた身寄りが遠く離れてしまい、帰省先がなくなった利用者が多くなっている。     ●親亡き後が心配になります。

    ●子供が自立できる様考えてほしい。

    ●こちらからお願いする事には、非常に丁寧にやって下さ    るのですが、積極的とは言えません。

家族側のガマンとあきらめ・・・・・

●親として要望したいことは数多くあるが、うち大部分は、「お世話になっているから物を申す立場にない」ものと我慢しているというのが本音

●心が打ちとける前に職員が代わってしまうので言っても仕方がないとあきらめてしまうこともありますし、職員体制が充分でないのでは。職員側にしても対応しきれない部分があることでしょう。

●職員は利用者とともに食堂で食事をしているが妥当なのか。職員の給料には食事代が含まれているのでしょうか。

本人の訴えがわからない・・信じています

●管理・指導者を信じていますから、このような回答になりました。日々お世話になります。

  ●ある程度おまかせてきな所があるので反省しています。

     ●分からない、子どもから聞くことが出来ない。

     ●今後とも現状維持にてお願いします。

ご家族の要望や不満  抜粋したもの・・

しかし・・・半分以上の方が

※さらにさらに①+②+③=52%を取り上げました

7

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家族支援、家族との関係についてに関する自由筆記より

☆以下の標準類が用意されており、

家族支援について理解させていま

す。①個別支援計画書②生活状況報

告書③健康診断実施報告書④医療

の近況報告書⑤金銭出納書 家族

総会終了後の家族との話し合いに

①~⑤の標準類を基に話し合いを

しています。

☆分からないことがあればすぐ電

話して聞くようにしていますし、ど

の職員でも快く対応して下さりう

れしく思っています。

☆第三者委員会の役割、窓口等

が分からず文章などで説明をお

願いしたい。心配り頂き大変感

謝しております。保護者が高齢

になってきました。今後の対応

をどうするべきかと考えるよう

になりました。

☆以前に比べて家族の金

精神的負担が増しており

8

銭的

ます

☆日ごろは大変お世話になっ

ております。特にこのごろは

利用者の親も大変年をとって

おり入退院の繰り返しになり

利用者への帰省や面会等にい

かれず大変申し訳なく思って

いますが施設の職員様には一

言も言われず利用者も自分の

家と思って生活しているよう

ですので安心しております。

☆保護者会等出席していますが、

詳しい説明会などあり有難いと

思っています。

☆色々と説明もありますが、

私には分かりにくいので何と

も言えません。

☆職員の方の人間性(大変な仕事

と思いますが)心がない。

☆相談を第三者委員にした場

合、もしも施設の方にもれたら

とこわくて出来ません。

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Ⅲ.総合的な感想について

お聞きします

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Ⅲ総合的な満足度は・・

大不満・不満7%

どちらとも言えない分からない23%

大満足・満足70%

問題点は こんなところ・・・

実に70%の方から満足と評価をえられました

9%

15%

18%

7%

7%

6%

16%

23%

0% 5% 10% 15% 20% 25%

①職員数不足、 職員の資質格差への不満②支援等に対する悩み、要望③自立支援法に関連しての悩み等④その他

⑤よく見てもらっている、 感謝している⑥支援計画、支援内容等が良い⑦職員の資質が良い(利用者、家族に対する 対応や挨拶等)

職員さんに問題を感じるのです! 

●施設が大きくなる(人員が多くなる)につれ、親と職員の関係が薄くなっていくようで寂しく感じる。皆さん忙しすぎるのかなぁ??

●利用者あっての職員であること忘れかけていることが多い。ボタンつけもしない、小さなほころびも直さない・・・人がいる(支援員)

●施設について第三者が監督してもらう必要もありますね。今のとこは開所からスタッフと同じ気持ちできたという思いがあります。でも他方ではいじめやしめつけといった施設もありえるわけで施設の名を記名して今回のように直接アンケートに答えられるシステムも大事だと思います。物言わぬ障害者や物言えぬ保護者を支えてもらうという意味でそれにはアンケート項目ももう少し具体性がほしいです。問題ある施設にはよく調べていただきたいです。

●職員さんが自分の仕事を再確認していただきたい(保育の知識がない人・お金の為に仕事をしている人)がいるような気がします。

支援体制にも問題があります!

●人数的にも規模が大きくなり、昔(?)の様な、コミュニケーションを取る場が少なくなってきたのでは?と思ったりします。全体的なコミュニケーション作り、各ホームの利用者同士のコミュニケーション作りは、どうなっているのでしょう?

●専門的な立場からの支援が弱い。

●身体、精神障害に比して知的は社会の認知度が低いため将来子どもが成長し社会に入っていけるのか、施設になじまない人たちの受け入れ、これも大きな課題だと思っています。

●知的障害児・者の希望など(グループホーム・労働など)そのまま受け入れて果たしてその子の幸せにつながるのか不安に感じる。

●以前より外へ出かける事がなくなり、施設の皆様と職員の方と話をする事がほとんどなくなり、子どもたちの楽しみが少なくなり、何かただ毎日通っているだけのような気がします。

自立支援法になってから!?

●利用者に対するサービスが、支援法に縛られて柔軟に対応できない 場合があり、施設が行政と利用者の狭間で悩んでいることがあるの ではないか心配です。

    ●自立支援法になって職員の数がめっきりと減りました。     その中での支援がいろいろと多く手が足りないと思います。     重度障害者のもっと選択肢を広げてもらいたい。

 が・・ やはり

満足と答えていただいた6割の方がこんなご意見を

お持ちでした

今後は・・・・・・・

●施設に言いたいことも言えないようなこともあります。サービス利用料とかいろいろお金がかかるのでなにか作業できることをやらせてほしいと思います。

    ●家族としてはどうしても多少は受身の気持ちがありますが、     現在の程度でありがたいと感謝しています。

    ●施設を大きくすることより、もう少しきめ細かく子どもの                 将来を考えてほしいと願っています。

④④

※さらにさらに  さらに・・・ ①+②+③+④ =63%を 取り上げました

10

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☆施設

大変御

まぐる

況の中

頑張っ

を申し

ためい

場合に

とも相

ります

☆とても

気持ちの

命子ども

えてくれま

と考

☆障害

ついて

足です

質が下

する熱

総合的な感想より

11

長さんを始め職員の皆様には

世話様になっております。目

しく変る支援制度、厳しい状

で良いサービスが出来る様に

てくださる職員の皆様に感謝

上げます。又利用者が高齢な

つ病気、寝付いたりになった

心配しております。今後施設

談をしていきたいと思ってお

☆いつも不安です・・・事務的で・

明るい施設で職員の皆様も

良い優しい人たちで一生懸

たちを見ていい方向へと考

す。

☆利用するに当たって、随分迷いま

したが日々家では経験することので

きないことを園で体験してどんどん

成長していく子どもの姿をみている

と、入園させてとてもよかったと思

います。園全体で子どもはもちろん、

私のこともサポートして下さり職員

の皆さんには感謝しています。

えつつ満足している次第です。

☆職員の皆様、日夜、利用者に

対して一生懸命世話をしている

姿にいつも感謝しております。

☆自立支援法に移行してから、就職、

と、まったく余裕がなく、ジョブコー

ついて、就職できるような人にはいい

うが、重度の利用者は、おいてけぼり

う感じ、レクリエーション的な物も無

スポーツ的な物も無く、太ってこまり

親がいなくなって、今行っている、ス

ツクラブなど、行けなくなったらメタ

ックなどと、笑っていられない。障害

る人ほど、メタボリック対策が必要だ

を持っている子供達に

の施設の対応はやや満

が以前に比べて職員の

がっている(障害者に対

意・理解が不足?)

・・

仕事

☆親だけではとうてい出来ない事を、

職員さんが一生懸命取り組んでくれ

ています。何か、施設に役立つことは

チが

と思

とい

く、

ます。

ポー

ボリ

の有

!!

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総合的に判断して

不満・大不満との

答えから・・・・・

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アンケート回答としては小数であった不満・大変不満だが・・

  基本的サービス・家族支援、家族との関係      の中から(大不満・不満のご意見)  ●職員の意識が低く障害者を支援する人とは思えないことがある。支援にゆとりがないように見える。

●職員によって口調がだめ。利用者が来てくれているだけでお金が入ってくる(市町村)から良いと考えている。施設長がいるので困り者である。利用者は色々な障害があり一人一人みんな違うので目配り・気配りを職員の方達に望みます。

●施設管理者は保護者にボランティアを求め協力とはき違えているように感じる。福祉とは!何か?原点に戻って勉強してほしいです。

●本人支援以上に大変な家族支援まで、それを望める状況ではないと思っている。少なくとも本人支援において、熱意を感じたい!

●利用者の支援を要望したところで職員の人数や時間に限度があり希望通りなんかやってもらえるとはとうてい無理なことだと思います。

●施設を利用できている事で家族も助かるし安心して日々生活出来感謝していますが、お互い遠慮ばかりして言いたいことも言えないようでは何も変わらないと思うし、一番かわいそうなのは利用者さんなのでは・・・

●個別支援計画の進渉状況や結果・評価がなく実施に疑問を感じる。個別支援計画を提出するのみである。家族の不満や要望を出しても即できない理由を言い聞いたふりをしているだけである。

●職員の意欲、能力に差があり対応に違いがある。

        総合的な満足度の中から       (大不満・不満のご意見)  ●親にとってたとえ重度の子であってもかけがえのない命です。病気や怪我などに対する意識が薄れていると思います。また、親しみを子に持っていないように思います。挨拶や名前を呼ぶ姿が見えません。

●個性を大切にしてほしい。

●施設や職員が管理しやすい利用者を作らないでほしい。

●同じ事を人が変わるたびに聞かれたり、説明したりしている。個人のケア計画や支援計画を、職員間で話し合っているとは思えない。職員一人一人は良い方なのに、施設全体として熱意、向上心が伺えない。

●態度が悪い。預かってやっているという上から目線である。

●利用者の指導について、職員共通意識をもってあたってほしい。

●仕事だからという感じで事務的な雰囲気がする。

●共通した考え方がとられていないのと、新規施設長のため古参職員の発言・行動に意見が言えず指揮命令が不十分であることが今後の利用者処遇に大きな違反が生じないか一番心配されるところです。もっと障害者福祉について勉強してほしい。

●親と子どもよりも先生方を友達と思いまして、また人からの勧められた施設に入りましたが、この頃心ここにあらずの行動を子がとるようになり、何があの子をそうさせているのか?とつらいことで前のように明るくたくましくなってほしいと思いますが・・・・・。

こんなにも 不満や、不安は   あるのです

13

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はたして、なにが問題か?

1.施設は、本当に「知的障害のある子を授かった家族」の連帯の

アンケートの回答からは、「信頼したい」けれど、「なかなか

ない」、また「意見交換をしたい」のだが、「なかなかその機会

できない」、そんな家族の方の姿が浮かんでくる。

また、「家族の一員を施設に預けている」という現実ゆえに

理なお願いはできない」「施設(職員)のこれ以上の負担になるよ

という姿も浮かんでくる。

これでは、家族は「孤立」してしまう、本来は施設は「孤立

の場になることが重要な役割であるはずである。

2.施設は、本当に質の高い支援を提供しているか?

「あの職員を何とかしてほしい」「ひどい対応をする職員がいる

いる。質が低いのは、特定の職員であり、特別であるのだと自

がらの、発言のようにも感じる。

確かに、10年前、20年前の、5倍10倍の福祉人材を必

って、(しかも若年労働者は減少している)、均質な、しかも良

難しくなっていることは事実である。

これからますます産業構造の変化にともなって、異業種から

ろう。

想定される職員間格差を埋めるような研修システムは、用意

3.施設は、「お世話になっています」「ありがとうございます」と

家族に支えられて、その立場に安住していないか?

その人がその人らしく生きていくための自己実現は、自己選

になされるのだが、当然それは、異なる意見が折り合ったり、

の結果である。

「苦情は、最高の贈り物である」という言葉が指し示すのは

会を与えるということなのだが、「お世話になっています」「あ

の氾濫のなかでは、施設関係者は自らの過ちや傲慢さ、鈍感さ

頓着に、変わり映えのな仕事を毎日繰り返すだけだろう。

「人は誰でも幸福になっていいんだ」と当事者も家族も大き

ることが必要なのである。

14

場になっているか?

情報を得ることができ

、時間を設けることが

、「お願いしたくても無

うなことは言えない」

」しがちな家族の連帯

」そんな苦情が届いて

分自身に言い聞かせな

要としている日本にあ

質な人材を得ることは、

の転職も増え続けるだ

されているだろうか?

話す

択と自己決定の

貼り合ったりし

、苦情こそが変

りがとうござい

に気付くことな

な声で、自己主

連続上

ながら

革の機

ます」

く、無

張でき

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こん

どう

たとえ

こんな

どうだ

課題解決のために

1.風通しの良い施設に!

職員間同士、上司と部下間、各施設間…、家族

事者を囲む多くの人間関係の全てにおいて、フラ

ができる環境を作り上げていこうではないか!「

「繋がり」を。

県協会の代表者

が集うテーマなし

のぶっちゃけトー

クの場を設け、施設

間、施設長間の連携

を深める。

とえば…

な努力は…

だろう

2.職員間格差を限りなく小さく!

支援の質の底上げを図るのは意外に難しい。人

だの、ということに関して、そもそも理解しよう

研修を企画して、効果を上げなくてはいけないか

いられない。もっとも効果的な研修方法はなにか

てはならない。

ば…

試みは

ろう

施設業務の中で最も基

本的な業務であり、しかも

その支援姿勢がそのまま

表現されるのが支援記録

である。「記録の書き方」

の研修は、その職務態度を

変容させるきっかけにな

るのではないか。

代表者が、それぞ

れの施設における

人材育成の方法を、

裏も表も全て語り

合いながら、それぞ

れに良いところ、参

考になるところを

吸収し合う。

15

と施設職員、施設長、当

ンクに、分け隔てなく話

孤立」ではなく「連帯」

「本人中心の支

援」の視点が育ち、

かつ施設のオリジ

ナリティーが上手

に表現されるよう

な企画に、県協会と

して取り組む。

権だの、本人中心の支援

とする姿勢が乏しい方の

らだ。しかし、挫けては

?研究し続けていかなく

知的障害福祉の

職場の魅力を伝え

るDVDを製作す

る。

施設単独では困

難な当事者や家族

職員のエンパワメ

ントが進むような

アンケート調査を

県協会としてさら

に取り組む。

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私さえ我慢すれば、みんなが幸せになれる。そんな幸せは嘘っぱちだ。

幸せというのは、みんなが少しずつの我慢をして、みんながほどほどの幸

せをつかんでいく、これが本当の幸せだ。

僕たちも、そしてJさんも、Yさんも、それをするために生まれてきている。

は彼

の録

に入

声で

気が

好み

Yさ

局選

ある

J君

く。

…。

さん

デオ

てい

オ見

んや

さん

入れ

『私さえ我慢すればの幸せ』 長野県知的障害福祉協会長 宮下 智

さんは、私が仕事をしている事務室のとなり、宿直室に頻繁に出入りをする。そこに

の大好きなビデオテープ(水戸黄門の録画したものとかNHKおかあさんといっしょ

画とか)といつでも使用できるビデオデッキがあるからなのだが、誰もいない宿直室

って、なぜか彼は落ち着けない。

Jさん、好きなビデオ見ていいんだよ。選んでごらん、選べるよね」の声かけにも大

「アワワワワ!」を繰り返し、ビデオデッキを指差すばかりである。

は、この宿直室、小ぢんまりとした和室のせいもあって、家庭的な雰囲気がして、人

高いのである。Jさん以外にも、MさんやYさんがよく訪れる。そして大概自分のお

のビデオを見ている。Mさんなら帰省での家庭の様子を撮影した<お家ビデオ>だし、

んなら彼女の父親がちんどん屋を演じて大活躍した<収穫祭ビデオ>だ。

Jさん、どれを見ようか?」

かなか決まらない。とんだり、跳ねたり、部屋の出入りを繰り返したり…、そして結

んだのは<収穫祭ビデオ>だ。

え!これでいいの?水戸黄門じゃないの?」J君の答えは明快なYES、「アウ」で

ころが、流れ始めたビデオを10秒も見ないうちにJ君は宿直室を出て行こうとする。

の身体を止めようとする私。振り払って出て行こうとする彼。数秒間のやりとりが続

J君の顔が苦渋で一杯になる。

Jさん 強度な行動障害を呈する自閉症スペクトラム範疇の方、男性、35 才。発語はない。 選択方法 ビデオテープには、録画した番組の画像が貼ってあることで、選択が容易になっている。 反復運動 気持ちがザワザワして落ち着かない時、大声とともに、彼は両足ジャンプを繰り返したり、スキップ状に走ったりする。 理解言語レベル 障害が重いといわれる彼でも、4~5 才レベルの会話は十分理解可能である。 見続けられないことの理解方法 選択しても選択しても結局見続けないということは、その選択が間違っているということである。 身体の弛緩 人間の身体は気持ちが通じない時には、緊張し、力が入っていることが多い。しかし、逆に気持ちが通じた時には、身体はリラックスし緩むものなのである。 水戸黄門 勧善懲悪の内容も好きだが、番組の提供がパナソニックであることも大好きな要因である。

僕の本当の気持ちわかってよ!」彼は表情で身体でそう訴えている。……そうか!…

Jさん。本当は水戸黄門のビデオ見たいんだよね。でもいつもこの部屋に来ると、M

やYさんがいてJさんの見たいビデオと違うビデオを見ているんだよね。<収穫祭のビ

>とか<お家ビデオ>とか。」「Jさん、自分の好きなビデオを見たいのに、待っててねっ

つも言われちゃうんだよね。」「そうだよね、Jさんはこの部屋では自分の好きなビデ

ちゃいけないんだって思っちゃったのかな?」「自分の好きなビデオかけちゃうとMさ

Yさんにわるいって思っているんだよね。迷惑がかかるって」

さんの身体がやっと緩む。

この部屋はみんなの部屋だよ。皆が好きなビデオが見れるんだよ。今日はMさんもY

もいない。Jさんの本当に好きなビデオを見ようよ。」

さんは、これで安心できたのか、すっと水戸黄門のビデオを選ぶとデッキにテープを

、宿直室の出入口の戸をおもむろに閉めてどかっと腰を下ろした。

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Page 18: ~知的障害関係施設利用者の ご家族へのアンケート …~知的障害関係施設利用者の ご家族へのアンケート調査結果から~ 社団法人 長野県知的障害福祉協会

Yさんは、その日、担任の職員と一緒に出かけた外食から戻ったその後から目を硬く閉

じ続け、大きく身体を前後に揺すり続けていた。

よく原因が解らぬまま、したがって彼女の状態も改善しないままもう一週間が過ぎてい

た。睡眠時間も短くなっていた。そこでやっと支援の始まりである。まずは、きっかけに

なっていると思われる外食の風景のチェックである。

「外食どんなだった?」

「前回オムレツで大変喜んだものですから、そんなに喜ぶんだったらと、今回もオムレ

ツと思って、Yさんに聞いたら、ウンとうなずいてくれたものですから……。でもオムレ

ツは食べてくれなかったんです。それじゃあと私の牡蠣フライをとあげたんですけれど、

最初口に入れて、その後全部出してしまいました。それじゃあと今度は店を替わって、う

どんにしたら、こちらは全部食べてくれました。」

Yさんが目を閉じるときは、物事の解決を自分一人でやろうとしている時だということ

を私たちは今までの経験から知っている。外食のことで言えば、その気持ちは、「せっかく

外食に連れて行ってくれているんだから、いろいろわがままを言っちゃいけない。これ以

上の迷惑をかけちゃいけない。」ということになる。これを前提に遅ればせながら、Yさん

と話しが始まった。

「Yさん、外食に出かけた時に、何か思うようにいかなかったことがあったかな?」

Yさんは、「もういいわよ、一人にしておいてよ、一週間も放っておいて」とでも言うよ

うに、余計に目を硬く閉じ、手を振り払って離れて行く。そこで今度は膝の上に座らせて

…。

「Yさんさあ、いまYさんのお心の中にあること、とっても言いにくいことなんだよね。

でもさあ、昔、Yさんと約束したよね。やってもらいたいこと、したいこと何でも言って

いいよって。これ以上言っちゃいけないって思っているかもしれないけれど、ぜひ教えて

欲しいなあ。全然心配いらないよ。迷惑だなんてこれっぽっちも思わないよ。」「せっかく

頼んでくれたオムレツを食べなくて、担任に嫌われたと思ったかな?お店を二つも行かせ

ちゃって迷惑かけたって思ってるんでしょ。もうそんなわがままを言う人は連れて行って

もらえないって心配しているのかな?」「全然そんな心配いらないよ。おかげでYさんの思

っていることがよくわかったって嬉しく思っているよ。」「だいたいほら、本当にオムレツ

とかうどんとか食べたかったの?違うんじゃない?」「本当はいなり寿司を食べたかったん

じゃないの?」話は聞いているが、ほとんど表情が動かないYさん。

次の日、これを受けて担任との話。

「Yさんの本当の気持ちわかんなくてごめんなさい。オムレツもうどんもウンと返事を

してくれたから、いいと思って頼んだんだけど、ちょっと私の押し付けだった?きっとそ

うだったんだよね。ごめんなさいね。もっとゆっくり、じっくり聞いてあげればよかった

んだよね。」「やっぱりいなり寿司が食べたかった?」

Yさんがウンとうなずく。

「そうなのかあ、ごめんね、気がつかずに。今度いっしょに食べようねえ。楽しみにし

ているよ。」「オムレツ食べなかったことも、お店二つ行ったことも全然迷惑じゃなかった

よ。Yさんがそうやって教えてくれたから、Yさんのことがまた少し余分にわかるように

なったよ。」「ありがとう。」

次の日、Yさんの目は開いた。

必にじ開 選 はのたフしいもらは 迷 るけ障りだ 被 と悪こにる 謝 が外にるるはあ 肯 にるわし考る

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さん 気持ちが通じない時にはず目をつぶる。ひどい時は何日もそれが続く。通れば、また目がパチッとく。女性、40才代。

択内容 食べなかったオムレツ、ウンとうなずいたもの本当の気持ちではなかっことが推測される。カキライも口に入れることをたといっても希望ではな。二軒目で食べたうどん怪しい。うどんが正解な、その後目をつぶること無いだろう。

惑感 自分のわがままと思われ行動が、周りに迷惑をかていると感じている知的害者は意外にも多い。周がそれを知らないだけ。

害的思考 「自分のことを駄目だ」思っている人は、物事をく悪く考える。例えば、この事例のように、すぐ嫌われたと思うのであ。

罪の言葉 間違ったらごめんなさい普通の人間関係だが、以に思い知的障害者に真剣自分の非を認めて謝罪すことは難しいものであ。しかし、謝罪すること、対等の人間関係の証でる。

定的伝達 やり直しを失敗と考えず、教えてくれたと理解す、間違ったのではなくて、かるようになったと理解ていく、そんな新しい思回路の構築が重要であ。

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※ 他にも多くの皆様から色々なご意見、感想、悩み等

お寄せいただきました。

今後の課題とさせていただきます。

― ご協力ありがとうございました。-

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