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Googleearthを利用したドット標本調査法による 土地利用面積調 … · 2.ドット標本調査の手法...

Jun 28, 2020

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Page 1: Googleearthを利用したドット標本調査法による 土地利用面積調 … · 2.ドット標本調査の手法 ドット標本調査手法は、先述したように古くから提案されているポイントサンプリング法の一

オケージョナル・ペーパーNo44

Googleearthを利用したドット標本調査法による

土地利用面積調査について

一古典的な統計調査手法を用いた新しい面積調査技術と調査結果の紹介一

2014年10月

法政大学

日Z旗統計研究所

Page 2: Googleearthを利用したドット標本調査法による 土地利用面積調 … · 2.ドット標本調査の手法 ドット標本調査手法は、先述したように古くから提案されているポイントサンプリング法の一

Googleearthを利用したドット標本調査法による

土地利用面積調査について-古典的な統計調査手法を用いた新しい面積調査技術と調査結果の紹介一

神宮司一誠(元農林水産省統計部勤務)

lはじめに

ここでいう「ドット標本調査法」とは、ポイントサンプリング手法の-種で、緯度。経度等の

組合せによって地図上から無作為に抽出した地点での土地利用を属性調査法で現地調査し、標本

地点における対象属性の“出現割合”から対象地域の“土地利用面積割合”と“面積”を推計す

る手法のことである。

この手法は方法論的には、古くから知られた古典的な調査手法であるが、統計調査として実施

するとなると、標本抽出と現地アクセスのための正確な地図や空中写真を必要とし、更にそれら

の維持、更新等に要する経費、労力もかかることが課題で、本格的な調査手法としては使われて

こなかった。しかし、近年、インターネット上での電子地図Googleearthが出現したことによっ

て、Excelのセル上で緯度、経度を格子状に組み合わせて発生させた標本地点に自動的にサンプ

ル名を付し、それらの標本をGoogleearth上に直接的に表示できるようなった。筆者らは、これ

ら「古典的な統計手法」と「最新の技術革新」を組み合わせ、信頼性の高い土地利用統計を効率

的に作成できるシステム開発に取組み、この度、誰でも利用可能な標本抽出。配置システム及び

集計システムを完成させた。この手法は、従来のように母集団の編成整備をする必要がなく、標

本は全ての属性面積の大きさに応じて確率的に比例抽出されること、調査は属性調査法によるた

め標本地点で属性面積を求積する必要もないこと等からこれまでの様々な統計的な面積調査上の

課題が一気に解決した。

この調査手法は開発途上国ばかりではなく先進国においても客観的対地標本調査法に基づく調

査の実施や既存の調査法による調査結果の検証を可能にする手法になり得ると考えている。

本レポートは、このドット標本調査手法とこれまでの適用結果についての概要を紹介するもの

である。経過的には、今回の法政大学日本統計研究所のオケージョナルペーパーとして収録され

るに当り、これまでの経済統計学会の関東支部月例会(2014年5月10日)及び全国研究大会(2014

年9月12日)での発表、質疑応答などを踏まえ、5月の月例会での発表資料を-部加筆修正して、

再構成したものである。

2.ドット標本調査の手法

ドット標本調査手法は、先述したように古くから提案されているポイントサンプリング法の一

種である。ポイントサンプリングの手法について、FrankYatesは著書("sAMPLINGIvmTHoDsfoI

CENSUSANDSURVEYS",London,1949)の中で次のように説明している。

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Page 3: Googleearthを利用したドット標本調査法による 土地利用面積調 … · 2.ドット標本調査の手法 ドット標本調査手法は、先述したように古くから提案されているポイントサンプリング法の一

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この手法は単純簡明で、Yatesがいうように「作物統計調査に大変ふさわしい手法である」と

された手法であるが、この本が書かれた時期は、まだ地図がよく整備されておらず、空中写真も

入手困難な時期であり、統計調査手法として、実務的に利用することはできなかった。しかし、

Googleearthの出現によって、この手法を応用したドット標本調査手法が可能であることが分か

り、この手法開発に着手した。2011年5月のことであった。この調査手法をドット標本調査手法

と呼ぶ理由は、インターネット時代にふさわしい用語にしたいという思いがあったこと及び上に

紹介したようなPointsampling手法を大幅に単純化したためである1.属性調査のシンプルさと

Googleearthの操作性の良さがこのドット標本調査法を作り上げている。■■

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図1:小さな地域でのドット標本配置のイメージ(JICA筑波国際センター付近)

’Pointsamp1ing手法を応用した土地利用調査法の先行事例としては、EUでGISを使って試行されているが(LUOASとして知られている)、統計的手順としては、マスターサンプリング手法やクラスターサンプリングの

手法を導入し、標本調査地点の抽出や現地調査(野帳)は複雑なものとなっている。

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図1は、小さな地域でのドット標本を系統的に配置を示した図である。それぞれのドット標本

は、その「位置」とそこでの「土地利用のカテゴリー」を示している。宅地、道路、田畑等に位

置している標本、即ちカテゴリー別の標本割合は、調査対象地域におけるそれらの土地利用の「構

成割合」を表し、土地利用面積が推計できる仕組みになっている。これは狭い地域の図であるが、

広い地域でも直接応用できる手法である。

備考:標本抽出の方法について

ドット標本をどのように抽出配置するかについては、上にみたような系統抽出の方法が実務的には一般

的と考えられる。即ち、抽出誤差も小さく、標本管理も易しい。標本抽出法には、この外に下の参考図

1のように無作為抽出法で配置する方法もある。この手法は理論的ではあるが、標本数が少ないと標本

の位置的偏りが生じる場合が多い。参考図2は、上の図1の系統抽出法と参考図1の無作為抽出法の折

衷的抽出法で、図1の系統抽出法で配置された各正方格子の内側から1個の標本を無作為抽出法で抽出

したものである。両者の方法論的弱点の回避を狙った手法であるが、精度については、これまでのモン

テカルロシミュレーション結果等を踏まえて判断すると、図1の系統抽出法が一番よくなっている。詳

細については、現在、実際の図上でモンテカルロシミュレーション等を行っている段階である。

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参考図1:無作為抽出法

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参考図2:系統&無作為抽出法

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3.ドット標本調査の手順

この調査手法を用いて農作物の作付面積調査を行う場合は、図2に示すように4つのステップ

により調査を行うこととしている。第1ステップはドット標本の抽出で、三つのサブステップか

らなっている。①調査対象地域と標本数の決定、②Excelsheet上でのドットサンプルの作成、③

Googleearth上への標本配置の三つである。第2ステップは準備調査で、Googleearth上での土

地利用調査である。この調査は配置された各標本地点をGoogleearth上での判定で非耕地と耕地

に分ける作業であり、現地調査必要標本数を縮減するために行う調査でもある。第3ステップは

現地調査である。作付面積調査を実施すべき時期に耕三地面積に落ちた標本ドットの所へ赴き、栽

培されている作物名を調査することである。第4ステップは集推計である。

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図2:ドット標本調査手法の流れ

第1ステップでのドット標本をGoogleearth上に配置する手順は、図3に示した。これは、

JICAで行われた海外集団研修に用いたものである。図3の中の最初の横長の表に対象地域名、対

象地域の総面積、標本数、標本のスタート地点(緯度。経度)と最終地点(同)についてのデー

タさえ入力すれば、次の黄色の表頭、表側を持った表の各セルに、自動的、瞬間的に緯度、経度

の組合せにより格子状の標本地点が生成され、その表の中に示したようなイメージでGoogle

earth上に配置される仕組みである。抽出された標本は、継続標本として、数年間固定すること

も考えられる。母集団編成を必要とせず、無階層、-段抽出法で調査することになる。この設計

段階ではGoogleearth上に対象地域の境界線があることと、別途信頼できる対象地域の総面積が

あることが必要である。この境界線と総面積がない場合は、自らGoogleearth上に境界線を引き、

総面積をプラニメータ等で求積する必要があるが、総面積については、1ドット当り面積を先に

決めておけば2,ドット数からも計算できる。なお、このドット標本調査法における標本数は、対

象カテゴリーの普及率と目標精度によって決まるが、詳細は後述する(6ページ)。

2この面積を例えば10ha,l00ha,l000ha等と整数になるように面積とnを定めておくと、数えるだけで面積が計算できることになる。

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図3:標本抽出に必要な1帳票及びGoogleearth上に表示されたドット(ピン)図(筑波)

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第2ステップは準備調査である。これは、第3ステップでの現地調査効率を上げるために予め

Googleearth上の標本地点での土地利用状況が耕地であるか否かということを目視判定するもの

である。準備調査における調査カテゴリーは原則的には、非耕地と耕地に加えて分類不明

(tentativereserve)を設定しておくと、作業がスムーズに進む。耕地面積を本地、畦畔別に把握し

たい場合は、そのためのコードを設定する必要がある。ここでのGoogleearthの役割は、予備調

査とはいえ土地利用判定に用いられることであることから、Googleearthの画像はできるだけ新

しく、雲もなく解像度は高いことが望まれる。調査整理表のイメージは、表1と同じである。

第3ステップは現地調査で、作物が栽培されている時期に実施する調査である。第2ステップ

で耕地面積と判定された標本地点で作物名を現地で確認する調査する作業である。表1は、現地

調査整理表で、黄色でマークした部分は米が栽培されていることを示している。図4は現地調査

中の研修生の様子で、背後に収穫前の水田がみえる。ここでのGoogleearthの役割は現地案内地

図となるものである。従って、その現地案内図としての役割を果たせればよく、必ずしも新しい

ものである必要はない。土地利用の変化や形状の変化は生じていても問題はない。現地調査はそ

のような変化が生じていることを前提とした調査でもある。第2ステップで分類不明となってい

た標本はこの段階で正しく分類できることになる。

表1:現地調査鑿琿表(2012年9月)CategoⅣ|code

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図4:現地調査中の研修生

(背後に収穫前の水田が見える)

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なお、Googleearthには、現在地からドット標本へ行くためのナピゲーション機能がついてお

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Page 7: Googleearthを利用したドット標本調査法による 土地利用面積調 … · 2.ドット標本調査の手法 ドット標本調査手法は、先述したように古くから提案されているポイントサンプリング法の一

り、これも不慣れな地域では役立つ機能である。調査地点での調査項目は1項目であり、また、

エリアフレーム調査の場合のように実測調査を行う必要はないので、非標本誤差は起こりにくい。

農家等を煩わすこともない。

第4ステップは表1での調査結果を用いての集推計である。調査項目は1項目であったが、多

数の推計値が得られる。推計及び精度計算のための数式は、下に示される通りで、属性調査法の

ため非常に簡単であるが、対象地域のカテゴリー別の割合(鶚=力)からそれらの面積を推計するためには、先述したようにその対象地域の総面積(肋が分かっている必要がある。なお、9は、(1-p)

により計算される。

計算式:鋳遁『=等〃=pwj禦轌誤差鯖ントノSE=,/5m

これらの計算式により計算された推計値及び標準誤差は、表2に示すとおりである。

表2:作付面積の推計結果(2012年9月)

ドット数|シェア(%)|推定{道(ha)|イ票準誤差’CV

畦畔 4 4.2 2.0 48-41

住宅地等 14 14.6 4 3.6 244

道路(アスファルト) 14 14.6 4 3.6 244

道路(土) 48.44 4.2 2.0

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水稲 34-4 8 4.8 14.033

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果樹 98.51.01.0 ロ

芝 ロ 9.4 Z 2.9 31-4

不イ乍付-地 7 7.3 2 2.6 36.0

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以上がドット標本調査手法の基本的な流れと考え方である。僅か24haの地域を対象にした事例

であるが、この調査手法は市町村や国を対象とした場合でも全く同じ手順で適用できる。また、

表2では、畦畔面積も推計できており、米の作付面積は畦畔面積を除いた純粋の作付面積として

推計できている。このような細かいところまで推計できることはドット法による属性調査法の大

きな特色と考えることができる。

なお、第1ステップにおける標本数の決定方法については、一般的には実際の標本数は調査に

投入できる人員数、予算を見積もることが先決であるが、理論的には母変動係数と目標精度の二

つのファクターによって計算できる。即ち、この調査に必要な標本数は、通常の標本調査と同様

に、必要標本数=母変動係数2÷目標精度2=C2/CIZ4tm2により計算できる。この式を用いた場合、

耕地面積のシェア(割合)が小さいと多くの標本数が必要と計算されるが、注意しなければなら

ないのはここで計算される標本数は、いわゆる「準備調査段階」で必要とされる標本数であると

いうことである。そこで、この準備調査が机上で行われること、その準備調査の結果から次のス

テップである現地調査での必要な標本数が分かることを考慮すると、現地調査必要標本数は、必

要標本数に耕地面積率を乗じた値となり、この結果、現地調査必要標本数は極めて少なくなるこ

!ごツト数 シェア(%) 推定{画(hEl) 採躯誤差 CV

畦畔 4-2 20 4B、4

作宅地等 14.E 3.6 24.4

道路(アスファルト) LLE 3.6 24.4

道路(_迫) 4.2 Z.0 48.4

迩概用水lI ]、0 LO 98

その他 7.3 2-6 36-(

水,稲 34.4 4.8 14.1

つまいも 0.0 0.0

だいず 0.0 0.0

J<>さい 2.1 1.4 69.$

采1打 1.0 1.[】

9.J【 29

不作付・」也 7.3 2.6

Total 96 100 2エ1 0-0 0-0

Page 8: Googleearthを利用したドット標本調査法による 土地利用面積調 … · 2.ドット標本調査の手法 ドット標本調査手法は、先述したように古くから提案されているポイントサンプリング法の一

とが分かり、調査の効率性が高い調査手法であることが分かる。これを耕地面積のシェアと目標

精度の両者から計算した必要標本数を具体的に示したのが表3である。

表3耕地面積のシェア別。目標精度別必要標本早見表

現地`捌森標本数目標Wf度(CV,%)別必要標本数非排地面菰率排地面蔵率

5 10q=(1-p) 61

■■ 10Bロ

993969.9UO 1,10039,6000.010 0.990 IluUUO

39Z 981,08954.41`Ⅲ 19.600 4.9000.9800.02(】

388 97lfU7835.926 12,933 3.2330.97()0.0:l【】

9131.067 3840.960 26,667 9,600 2,‘IOU(104〔】

951,056 】800-950 7.600 1.900Ⅱ1.1110.05U

91011.0()0 Il6U0.900 IOp000 3.600 9【)【)0.1【〕(]

85567 9J14 1M【〕2,267O」5(】 0.850 6。296

[8101BB9 BU9IU[IOO0.80【】 1.600(〕・HKOIq L`阯川

70280233 77820593 9:130.300 0.700

240 BIH600 667L667 150().60(】0..100

荷56 20C 500.500 100 10()1.11】0.5()()

'1067 160小川0.`10【】 74】 2,70.60(】

6m333 120130.700 0.:10【】 176 171

2025 22210(I lBIu0.800 0.20【】 278

10 10]]]0-900 0.10【) [23 川 11

4.ドット標本調査法に基づく調査結果

この調査手法を用いて、国内の都道府県、市町村、諸外国を対象とした調査を多数試みてきた。

以下はその中のいくつかの事例である。

(1)神奈川県鎌倉市、三浦市、平塚市での調査結果

2011年11月に行った神奈川県鎌倉市、三浦市、平塚市での耕二地面積の調査結果(標本数2600)

は、図5の通りであった。ドット標本調査はGoogleearth上で行ったもので現地調査は行ってい

ないものであるが、このドット標本調査の結果は、各市町村がGISを用い、必要に応じて現地確

認調査を行って調査した全数調査結果である「都市計画基礎調査(2005年)」と非常に近似してい

る。

鄙、⑭

副引⑭

2,000

1,800

1,600

議'1積600

国(

餌①|

[『

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『ト〔

山⑫〔

■ドット標本調査法(Google

earlJh利用)

■都市計画基礎調査(2005

年)

■固定資産課税台帳集計値

(2009年)

■農林統計(2005年)

へ内LUリ-

-1門□。。。~ヨヘ

日司百m●

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:■400

200

 ̄■ザq~ ̄上り■■ ̄

目1コIヨゴ●

■農業センサス(2010年)【■IロT戸

平塚市鎌倉市 三浦市

図5:耕地面積の推計結果(鎌倉市、三浦市、平塚市。2011年11月作成)

lソi地面枇率 J1:排」1h面111率 ロ隙析度((W'1A)ガリ必製腋本数 現地剤江除本数

q-(

~芒掴一=戸口」.句E-Qp

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備考:このグラフの中で、農業センサス結果はいずれの市も共通して小さくなっているが、これは農業セ

ンサスでは、規模の小さな農家の耕地面積は調査されておらず、また調査対象となった農家も必ずしも正

確に回答してくれないためと考えられる。更に属人調査として行われていることから、市町村レベルで見

た場合は出入り作による誤差も考えられる。しかし、農業センサスでは、全体の耕地面積を正しく求める

ということは目的にしていないので、このような差についてあまり拘る必要はないのではないかと思われ

る。固定資産課税台帳の集計値も小さくなっているが、台帳面積に「縄伸び」があったり、台帳上は山林

で、現況が耕地であったりした場合にこのような現象が生じると考えられる。農林統計調査とは基本的に

一致すべきと考えられるが、農林統計の場合、調査の推計単位は都道府県段階となっており、市町村段階

では少ない標本数となり、なかなか正確に推計することが困難とされている。従って、市町村段階ではこ

の程度の乖離が真値との間で生じることは止むを得ない限界とされている。専門家が見れば全数調査にも

ドット標本調査にも固有の問題があるかも知れず、真値は一体いくらかという問題になると議論はなかな

か収まらないが、ドット法は共同でチェックすることも可能であり、標本数と分布率のデータに基づいて

精度計算もできることからかなりのところまで相互の乖離問題を解決できるのではないかと考えている。

(2)タンザニアの調査結果

2012年1月にタンザニアを対象に本手法を用いてGoogleearth上での土地利用調査を行った

(標本ドット数2,368)。図6は、ドット標本調査法による州別土地面積の推計値の正確性をみた

ものであるが、推計の結果はタンザニアの公式数値と非常に近似したものとなった。

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00000000000

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図6:タンザニアにおける州別土地面積の公式値と推計値の関係

図7は、図6を相関図にしたものである。非常に高い相関関係が確保されており、このことか

ら土地利用統計調査結果についても、真値と推計値との間の相関関係は高くなっているものと推

定される。

脇ト

嶋頂

、一Ⅲ醐稚Bk

1s5

1.

Page 10: Googleearthを利用したドット標本調査法による 土地利用面積調 … · 2.ドット標本調査の手法 ドット標本調査手法は、先述したように古くから提案されているポイントサンプリング法の一

100 議鑿讓一

愚鷺轤一塞鑿|・議一蕊慧》

聿鐇塵塵轤鑿鑿一

巨圖舞禰騨凰蓬二一一翠騨篭

蕊蕊薫

鐘鑿鑿臺》鬘

9.0

8.0 論--「

00000

76543

誤廻葹鑿一圦笙

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;錘■可戸田

000

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210

0.01.02.03.04.05.0 6.07.08.09.0

公式面積%

図7:タンザニアにおける州別公式面積とドット推計値の相関図

図8は、同じ標本を用いて土地利用割合を推計した結果である。1地点1項目の調査でありな

がら、多様な項目についての推計値が得られることが分かる。また、この結果は、図7の結果か

ら正確に推計されることが想定できることから、タンザニアにおける土地利用の実態を正確に表

していると思われる。

河川・湖沼,7.2

耕地かも,3.2

図8:タンザニアにおける土地利用割合(%)

備考:タンザニアのケースは、ドット標本調査法を開発して間もない頃の調査結果である。この当時は

まだ、Excelシート上で発生させたドットをGoogleearthへ表示するマクロを開発しておらず、1標

本ずつ手入力で表示させていた。この手作業は大変な作業であったが、このドット標本をGoogleearth

上にマクロで一括表示できるようにしたのは、2012年10月であった。また、当初の段階では、ドット

間の東西間の距離計算は、各ドットの緯度を考慮して計算すべきところ、対象地域のほぼ中央地点の緯

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度から簡便に計算していた。各ドットの東西間の距離計算を全ての標本について緯度上の位置を考慮し

て計算するようにしたのは2013年2月であった。更に、これらExcel上での標本地点作成作業、Google

earthへの自動配置を連動するようにしたのは、2013年11月で、調査結果の集推計作業のマクロ化を

完成させたのは2013年12月であった。これにより当初の段階に比べるとかなり快適な調査システムと

なった。その後も改善を続け、2014年9月段階では改善すべきところはほとんど改善することがで

きた。

(3)タイの調査結果

2013年8月にタイを調査対象として行った準備調査の結果(標本ドット数999)は、表4,5

及び図9,10,11の通りである。現地調査は行っていない。

表4は、タイの土地利用調査結果を示したものである。耕冒地面積について、田、畑の面積のみ

ならず、山中畑、魚養殖田等特殊な項目についての調査を試みたことも分かる。カテゴリーの設

定で自分の興味のある項目について推定できることもこの手法の特色である。図9及び図10は

これらの結果を土地利用図、土地利用割合グラフとして描いてみたものである。

一一…-…民…量=二国=|皀皀二皇国局面EM沼謂詞需|忌目扁呂目呂目|冨焉爲房二○ I’1[

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15

16

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18

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色.

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34 lIIltI12111Ul41s4tI

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土1世矛'1用区分Codeと色区分-43

44

耕地面iTfjiH

耕地畑・樹園地1-006 凸1

二3 411

J'J’11,-5p

■_‘懸田(MajorricG)51

::.:||,儘山中畑2-54 」’410

豊麟畔耕i幽内樹木3-gs JJlU1IJUl

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燕樹画地力、t,7-:!jillillllⅢzS 1I1」fFllUIIJI,

魚義尻立田8-m JlIO胆■’0151 」IllJlllll

:;』llIil,|、||』,山・森・草原・河川・湖沼4-口,ll9l住宅.道路.工場5-s4

::サィllllIM:雲その他不順0-:;』‘,1,,,.,,

」|_上距'’1159

フ0 d1Jl6414

;:l1rrll71

表4:GoogleEarth上でのタイの土地利用

土地利用区分 Dotl変数 面稲(ha)率(%) 標準誤差 0V

耕地面稲 517 ヨ1.8 26.5540859 1.5[:'01915 3-1

耕地畑・樹園地 246 24.6 12.6350387 1.36307 5.5

田(Maiorrice) 184 18.4 9.450,859 122642 6.7鹿K潅個裂燕

山中畑

■■

0.5 256,817 ロ、啄牢旦坦 44.6

畦畔。耕地内樹木 43 4.3 20208,625 0164212 14.9

樹園地かも 32 3.2 1.643,628 0.55711 17.4

魚菱殖田 7 0.7 359,544 0.26391 37.7

山・森・草原・河川・湖沼 451 45.1 23.1640877 1.57446 35

住宅・道路・エ場 27 2.7 1,386,811 0.51306 19.0

雲・その他・不明 4 0.4 205,453 0.1998 49.9

合計 gglg '00.0 51,3120000

住宅。道 雲・その

土地利用区分 Codeと伍し区分

耕地畑・樹園地

田(MajorricG) 11患区解旧裂泰

山中畑 由

畦畔・耕地内樹木 《’

樹園地かも 7

魚護殖田 rIl

山・森・草原・河川・湖沼 4

山中畑,

畔q漸内樹木,4.3

住宅・道路・工墹 r

雲・その他・不明

[I]

18.40.7 も,3.2

図10:タイにおける土地利用割合図9:タイにおける土地利用区分図

表5は、ドット標本調査結果から作成した表9から水田の本地と水田の畦畔。樹木等を再集計

10

エ地利用区分 DC上座数 寧(冊) 面祇(ha) 標準誤差

耕地 菰

鹿E鰯個暑講

耕地畑・樹園地

田(Majorrice)

山中畑

畦畔・耕地内樹木

樹園地かも

魚養殖田

0-64212

0.55711

山・森・草原・河jIl・湖沼 23.164.87 1.57J146

住宅・道路・エ場

雲・その他・不明

合:十

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し、畦畔等を含む水田面積を推計したものである。本地は945万ha、畦畔等は159万ha、水田面

積は1104万haとなった。

図11は、このようにしてドット標本調査法で推計した水田面積とタイの公式統計でのMajor

riceの作付面積(2011年)を比較したものである。タイの作付面積には畦畔面積等が含まれてい

るといわれており、このことを考慮して比較するとやや低く推定されているが、ドット標本調査

結果には標本誤差が含まれており、現地調査をしていないものである。また、Googleearth上で

のカテゴリー判定は、2年余りタイに住み作物統計調査に従事したJICA専門家の経験があるとは

いえ筆者一人で行ったものであり、現地の専門家からチェックしてもらったものではない。その

ことを考慮すると過少、過大推計について結論を出すには早計と思われる。しかし、ここで得た

結果は、このような方法で比較すれば、各国での統計値がどの程度信頼できるものであるかどう

か客観的に判定できることが示唆されていると考えている。

なお、畦畔率(畦畔面積等/水田面積)は、14.4%と推計される。この値については、タイの中

央平原の水田状況から見るとやや高いものとなっているが、北部、東北部、南部等の水田状況を

含めて判断すると妥当な推計値ではないかと考えている。

表5:水田面積の推計(田十畦畔等)

誤差Dot度数’率(%) 面積(ha)区分 CV

本地(Majorrice) 184118.41197450,85911.216.7

水田

畦畔・樹木等 3.111,592,26410.5117.731

合計 215121.5111,043,12311.316.0

LOOOha

12,000

10,000

8,000

6,000

4,000

2,000

1,592

10,4009,451

Majorrice(OAE2011) OultiVatedland(paddy)+Dyke(Dot2013)

図11:推計結果と公式統計との比較

(4)マダガスカルの調査結果

2013年8月にマダガスカルで行った調査結果は、2013年8月にマダガスカルで行った調査結果は、表6,表7,図11,図12の通りであっ

た。標本数は、6,000で設計したが、実際に配置された標本数は6,064であった。設計値よりや

や多く配置されたのは、マダガスカルの面積に問題があるのではないかと推定している。面積は

全国値と州別合計も合っていないからである。

11

区分 Dot度数 率(%) 面積(ha) 誤差 CV

水田

本地(Majorrice)

畦畔・樹木等

184

31

18.4

3-1

9.450.859

1,592,264

1.2

0.5

6.7

17.7

215 21.5 11.O43u123 1.3 6.0

1q400

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表6:マダガスカルの土地利用面積

標準誤

ドット

シェア

(%)推定値(ha)区分 コード CV

非耕地 5478 90.3 0.379 0.4 53,031,087I

耕地(畑) Z 269 0.264 2,604,1194.4 6.0

畦畔(畑) 3 27 0.4 0.085 19.2 261,380

水田 4 105 1.7 0.168 9.7 1,016,478

畦畔(水田) 5 22 0.4 0.077 21.3 212.976

暫定(分類不明) 8 137 2.3 0.191 8.4 1,326,261

低解像 NI 26 0.4 0.084 19.6 251,699

計へロ

6064 100.0 58,704,000

夢P

メニー

LandUseinMadagascar

onGoogleearth

August2013

DotSamphngMethod

干円-- ■In

dW1ひ凸Mn■aTj■q■=ご ̄・ロ'ご『

11■

1,1

ロロ⑭UU1UI

ロェコ■

■E■■

鵬:

!

■■

L■■

PII111I

図11:マダガスカルの土地利用図

12

区分 二一卜ドット

シェア

(%)

標準誤差

CV 推憲値(ha)

非耕地 5478 90.3 0.379 0.4 53,031,087

耕地(畑) 269 4.4 0.264 6.0 2,604,119

畦畔(畑) 0.4 0.085 19.2 26】、380

水田 lC 1.7 0.168 9.7 1,016,478

畦畔(水田) 0.4 0.077 2L3 212,976

暫定(分類不明 2.3 0.191 8.4 1,326,261

低解像 0.4 0.084 19.6 251,699

合計 6OG 100.0 58,704,000

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マダガスカルの米作付面積統計(2009)ha

l,800,0001,600,0001,400,0001,200,0001,000,000800,OOO60qOOO400,000200,000

(、RCN)

巴応轄

BCQ坐綻興

埋祀壜○訶自

(抑絲蝋)

鰹桓迄」糸

(抑絲躯)

(」悪、+

」涯噌)鰐若

図12:ドット推計結果と公式統計(2009)との比較

図12は、米の作付面積についてドット標本調査による推計結果と公式の統計値を比較したも

のである。米の作付面積といってもドット標本調査の推計値は、圃場の形状から水田であろう、

水田には通常作(highseason)の米が作付されるであろうという前提で推計した値で、陸稲

(Uplandrice)及び2期作(Secondrice)の面積を含んでいないものである。公式統計値は、これ

らを含んでいるものである。水稲は、通常作と2期作を合計したものである。これらの面積の中

には、畦畔面積が含まれていると思われる。比較の評価については、標本誤差を考慮しても公式

統計値はやや過小推定になっているのではないかと考えられるが、ここに示したドット標本調査

結果のデータは、タイの場合と同じく準備調査段階で得たものである(Googleearth上での数値

で、まだ現地調査を行っていないもの)ことから、断定することはできない。ドット標本調査を

行ったのは2013年8月であったが、調査比較年を2009年としたのは、Googleearth上の標本地

点の画像取得年次が2009年と推定3されたためである。

表7は、図11のデータを基に標本ドット数を州別に集計したものである。

表7マダガスカルにおける州別。カテゴリー別ドット標本数集計表

Non-

0ultivated

lnn」

cultivated

(JMRj)'し.wIiW("dl1iWiylT…vol『..:M・ロ TotalIand

lII円1--ハ

(4) (9)(1) (2) (3) (5) (6) (7) (8)

Total 5,478 6,064269 27 105 13722 26

Antsirana 406 14 ロ

FM Z 4331

アンタナナリボ州

アンツィラナナヅ'1

フィアナランツ了鮒

マハゾャ菰州

トアマシナ州

トヴリアラ淵

AntanararIvo 408 106 1013017137131601

Mahaianga 1,521 22 【1 17 1,5882 17 Bi

Toamaslna 6711181.2118141191171729

Fiararantsra 891 50

百■

611,02827 7 3}8

図13マダガスカノレの

州区分(ウィキペディア)Toliara 1,581 59 12 1.6852 2 27 Bi

3Googleearthの画像はいつ取得されたものか表示されている。マダガスカル全体の平均画像取得年次を推定す

るため、別途100標本抽出してこのGoogleearthの画像取得平均年次の推定調査を行った。

13

()ultJvnfpdDyk6

(Upland)

LoYvland(pad

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LowTDt日1

(1) (2) (3) (4〕 〔5】 (6) (7) (8) (9)

Total 5-478 269 27 105 22 137 26 6.064

Antsirana 406 14 43

」k■

門」ILdmu【drIVU 408 106 30 601

Mahaianga 11521 22 17 1.588

Toamaslna 671 18 18 729

FiamaranfR園 891 50 27 3[ 1028

Toliara 1581 59 12 27 1.685

Page 15: Googleearthを利用したドット標本調査法による 土地利用面積調 … · 2.ドット標本調査の手法 ドット標本調査手法は、先述したように古くから提案されているポイントサンプリング法の一

5.要約及び今後の展望と課題

(1)要約

ドット標本調査手法は、伝統的な属性調査法とExcel及びGoogleearthを組み合わせた調査

手法である。これまで高度な手法とされてきた従来の日本の面積調査と同じ「対地標本実測調査」

であるが、それとは異なったタイプの単純な調査手法である。しかし、客観的かつ効率的に面積

調査を実施できる手法である。特に母集団編成、標本抽出段階において、フレームは設定する必

要がないことから、大幅な経費節減と労力軽減を実現できるようになっている。現地調査段階で

は、調査項目がひとつであり、しかも計測を必要としなくなったことから測定に関する非標本誤

差が生じ難くなっている。推計段階では、標本調査法に基づく客観的な推計値と精度計算結果が

得られ、土地利用図が作れ、多項目推計ができるようになっている。システムの操作も簡単で、

誰もが短時間で習得できるものである。

(2)発展的可能性

このような単純な調査でも広範囲の調査をすることは、費用と労力の面から現地調査がネック

となり、個人的に実施することは現実的には不可能である。しかし、全体的な体系の中では準備

調査と位置づけているGoogleearth上の土地利用調査に限定すれば、多少のタイムラグはある

ものの個人でも居ながらにして国内各地のみならず諸外国の土地利用調査までスピーディにで

きるようになった。更にGoogleearthは、時間スライダーのボタンを持っており、この機能を

使うと過去に遡及して土地利用調査ができる。広範囲について同一時間に遡及することはできな

いが、市町村単位程度であれば、それが可能であり、過去からのパネル調査を実現できることと

なっている。また、調査地点で複数項目の属性調査を行い、毎年。毎季節の継続標本調査とすれ

ば、ピボットテーブルを用いての空間的。時間的クロス集計も可能である。また、「点」で調査

するこのドット標本調査手法は奥が深く、単収調査のための坪刈調査への応用等様々な調査上の

アイデアを提供してくれている。

このドット標本調査手法に関連しているGoogleearthの改善。発展はもちろんのこと、伝統

的な統計調査手法、ピッグデータ、オープンデータ、リモートセンシング、GIS、GPS、スマー

トフォン、タブレット等の利用に関する新たな研究動向にもめざましいものがある。それらのイ

デアや手法を学ぶことにより、本手法の更なる発展も期待できると思われる。

(3)普及の状況

このドット標本調査手法については、JICA集団研修の中で2011年以来毎年紹介してきてい

るが、2012年になってEAO(国連食糧農業機関)からも注目され、APOAS(、Oのアジア太

平洋地域事務所)や専門家会議等でのプレゼンがなされるようになってきた。2013年には農林

水産省のODA予算により、セネガル、ナイジェリア、マダガスカルで米面積調査がパイロット

的に実施されている。また、本にも紹介された(齋藤昭編著(京都大学特命教授、農林水産省前

統計部長)『「農」の統計にみる知のデザイン」2013年4月農林統計出版)。更に、2014年にな

ってからは経済統計学会の中でも関心が示された。

14

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(4)普及への課題

このような新しく単純な面積調査手法が多くの国々や地域に実際に普及していくためには、

「調査技術論」だけでは解決できない多くの課題(余りに簡単過ぎる手法であることや、伝統的

手法からなかなか抜け出せない傾向がある等)があるが、更なる普及に努めて参りたい。

6.謝辞

このドット標本調査手法の開発にあたっては、多くの方々との幸運な出会いがあり、多くのご

協力を頂いた。特に2011年のJICA海外集団研修のカリキュラム検討過程でこのドット法のア

イデアを提供され、その後もいつも激励して下さっている農林水産省の上倉健司氏(現JICA専

門家)、2012年にタンザニアで初めて出会い、Excelsheet上に作成したドット標本をマクロで

KMLファイルを作成し、Googleearth上に一括表示できるようにして頂いたJICA専門家の

HakanYnksel氏、2013年に標本抽出作業の一連化、集計表の作成処理段階でのマクロ作成を

ご指導頂いた農林水産省の三宅康弘氏、2014年に系統抽出以外の標本抽出法とモンテカルロシ

ミュレーションについての示唆を与えて頂いた農林水産省の空閑信憲氏のご協力がなければ到

底ここまで完成させられなかったと感謝している。また、本手法が、海外諸国、RAO等の国際

機関でも知られるようになったのは、JICA海外集団研修の外、JICAのM&Eプロジェクト(タ

ンザニア)、農林水産省のODA予算により米統計改善に取り組むアフリカライス、国連機関で

あるEAO本部やRAOアジア太平洋地域事務所等に勤務する多くの方々からこの新しい調査手

法に深い関心を頂いたお蔭であり、関係者の方々に深く感謝している。

最後に、最近、関心が深まってきている「位置情報と統計分析」との関連において、このGoogle

Earthを利用したドット標本調査手法について、「統計調査段階における位置|青報の利用」とい

う視点から関心を頂き、経済統計学会での発表を勧められ、また、このような形で、日本統計研

究所のオケージョナルパーパーとして編集してして下さった森博美法政大学教授に心から感謝

申し上げたい。

2014年10月1日

15

Page 17: Googleearthを利用したドット標本調査法による 土地利用面積調 … · 2.ドット標本調査の手法 ドット標本調査手法は、先述したように古くから提案されているポイントサンプリング法の一

[参考文献]

齋藤昭編著2013年4月農林統計出版「農」の統計にみる知のデザインR368-376

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FrankYates1949LondoncHAREsGRlFFIN&coLID“A”ILnVUAmZYmDS/blCEiViSl〔ノ囚泓jVDSURPEXy

津村善郎1956年6月岩波書店標本調査法

神宮司一誠GoogleEarthを利用したドット標本調査法による土地利用面積調査について

2014年9月『第58回全国研究大会報告要旨集」経済統計学会287-88

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http:"www.fno、orロ/fileadmin/temDlates/raD/files/Proiect/ExpertMeetinE17Feb2014/P1-1DotsamD]

inEmethodfbrDlantedareaestimationusinEGooEleearthlandusesurvevFAORAPl7Feb

2014.pdf

lmprovingFoodSecuritylnfbnnationinAhicaAfficaRice&MinistryofAgricultlJre,Forestryand

Fislleries,Japan(July2013)RfceP7oc/b/crio〃5hm′e)ノzlsi"92力eDorSmZpノノ"gMb的o`α"‘GoogJeEa7坊

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Sm72pJJ"gM9仇ocノ

Google社Googleearth(フリー版)

16

Page 18: Googleearthを利用したドット標本調査法による 土地利用面積調 … · 2.ドット標本調査の手法 ドット標本調査手法は、先述したように古くから提案されているポイントサンプリング法の一

別添参考資料

ドット標本調査法の特色

ドット標本調査法の特色は、これまでの「対地標本実測調査法」に比べても「面接調査法」に

比べても効率的である。精度も必要な標本数を調査することにより、調査精度も十分に確保され

る。これまでの調査に比べて、非標本誤差がほとんど生じないと考えられる。

EUのポイントサンプリング方式に比べても効率的である。EUでパイロット調査という位置づ

けで行われているポイントサンプリング法は、標本をポイントで抽出しながらも伝統的な調査手

法に拘っている傾向がみられ、標本抽出段階(階層分け。2段抽出法の採用)、実査段階(定義分

類の複雑さ、クラスター標本の採用)、推計段階(精度計算)においても手順が複雑となっており、

必ずしもシンプルで効率的な手法とはなっていないからである。これに比べると、ドット標本調

査法は、調査の設計、調査、集計の各段階の業務内容が非常にシンプルであり、人材育成に要す

る時間もほとんどかからないと考えられる。また、ドット標本は、当然のことながら坪刈調査を

したい作物に当った標本のところで、坪刈等による単収調査もできる。単純平均値は推計値とな

る。

このドット標本調査法の特色を作付面積調査の工程に沿って整理すると、下の表のとおりであ

る。この新しい面積調査方法は、従来の面積調査において、課題とされてきた多くの事項を解決

していることが分かる。

ドット標本調査法の調査エ程別検討表

備考ドット標本の役割、意義調査工程

調査対象地域について、標本調査用の抽出単位を編成すること母集団編成

を、統計調査の専門用語で「母集団編成」という。ドット標本調

査法は、Googleearth上で、ドット標本を直接抽出する方法であ

「母集団編成」 う概念がなくなり、従来 れることから、 と ̄

の し、

に要していた莫大な時間と労力が全く不必要となった。また、

|ま、Web上でフリー版が提供されており、従来のGoogleearth

地図データの購入。利用費が不要となり、ここにはほとんど経費

が掛からないこととなった。

Googleearthを利用することについて、使われている地図の新し

さや更新頻度が問われることがあるが、作付面積調査に利用する

場合は、地図の新しさそのものはあまり気にしなくてもよい。古

くても標本地点に行き、標本地点が特定できるだけの新しさが備

わっていれば十分と思われる。標本地点が住宅地に変化していた

り、耕作が放棄されていたりしていたとしてもそのことだけで、

地図が古い、使えないと判|断する必要はない。実際のGoogle

earthは比較的新しく、更新頻度も高いので、作付面積調査に支

障が生じることはほとんどない。

なお、ドット法は属|生調査法であることから、ポイントクラスタ EUのLUCA

17

調査工程 ドット`標本の役割、意義 備考

母集団編成 調査対象地域について、標本調査用の抽出単位を編成すること

を、統計調査の専門用語でF母集団編成」という。ドット標本調

査法は、Googleearth上で、ドット標本を直接抽出する方法であることから、従来のF母集団編成Iという概念がなくなり、これ

に要していた莫大な時間と労力が全く不必要となった。また、

Googleearthは、Wbb上でフリー版が提供されており、 従来の

地図データの購入。利)|」費が不要となり、ここにはほとんど経費

が掛からないこととなった。

Googleearthを派llj]することについて、使われている地図の新し

さや更新頻度が問われることがあるが、作付而積調査に利用する

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くても標本地点に行き、標本地点が特定できるだけの新しさが備

わっていれば十分と,思われる。標本地点が住宅地に変化していた

り、耕作が放棄されていたりしていたとしてもそのことだけで、

地図が古い、使えないど|:lⅡ釿する必要はない。実際のGoogle

earthは比較的新しく、更新頻度も高いので、作付面積調査に支

障が生じることはほとんどない。

なお、ドット法は属性調査法であることから、ポイントクラスタ EUのLIJCA

Page 19: Googleearthを利用したドット標本調査法による 土地利用面積調 … · 2.ドット標本調査の手法 ドット標本調査手法は、先述したように古くから提案されているポイントサンプリング法の一

_サンプル型の調査やメッシュフレーム型の変量調査法に比べ Sでは、「線フ

て母変動係数が大きくなり、従って必要標本数が多くなり、調査 レーム]のテス

の効率や精度から問題があるのではないかと思われがちである。 卜も行ってい

そこで、様々な大きさのメッシュフレームを作成し、母変動係数 る。どのような

の変化をみたところ、メッシュを大きくすることにより母変動係 結果になった

数は緩やかに小さくなるものの、著しく小さくなることはなかつ かは承知して

た。また、この傾向から、メッシュフレームを限りなく小さくし いないが、メッ

て行けばドットフレームの母変動係数と一致することも容易に シュフレーム

想像できることから、ドット標本調査において、必要標本数が大 の場合と同じ

きくなるという懸念はないと考えている。ただ、耕地面積調査を 傾向となるの

想定した場合、耕地面積率の小さいところでは、多くの必要法本 ではないかと

数が計算されるが、後述するように現地調査必要標本数はそれほ 考えている。

ど大きくならないので、心配ないと考えている。

日本の農水省のエリアフレームはメッシュフレームであるが、田

及び畑面積を補助変量とする比推定法を採用しているため、耕地

面積、水稲作付面積については著しい設計効果を実現している。

反面、比推計効果が出にくいその他の作物では、推計を行ってい

ない。

階層分け 階層分けは、標本数を節約したり精度を向上させる意義を持つ 階層分けの目

の場合、 調査対象地域全体に、無作為系統柚が、 ツト標本調査

や、

出法で標本を配置するため、特に階層分けをして、精度の維持を

図る必要性はなくなった。また、ドット標本調査では、作付面積 表章単位

調査を行う場合、個々の標本単位に現地調査が必要な標本と必要 調査管理

でない標本を予めGOO日leearth上で予備調査することが可能で 精度向上

ある。この予備調査を事前に行っておくと現地調査に要する時

問、労力、経費が大幅に節約できることになる。なお、この過程

における調査の工夫をすることで、土地利用調査ができるという

面も持っている。

標本抽出法として、一般的には2段抽出法が採用されることが多標本抽出法

い。この理由は、リスト作成に必要な労力を削減して、標本抽出

の効率を上げるためである。ドット標本調査の場合、そもそも、

スト作成の必要がなく、標本はプログラムで自動的に抽出される

ので、2段抽出をする必要はない。1段抽出法となるため、推計

式は非常に単純となり、しかも精度は高くなるメリットを持って

いる。

ドット標本調査に必要標本数は、調査の対象となる作物の作付分必要標本数

布率と目標精度を考慮しながら、統計的に決定するが、予算、労

力に配慮し、実行可能な調査規模にすることが重要である。ドッ

卜標本調査には多くの標本が必要と考えられることが多いが、調

査結果の精度は必ず計算できるので、まずは実行可能な標本規模

を定めて調査することが重要である。

属性調査の場合、変量調査の場合と異なって、おおおよその作付

分布率が分かっていれば、必要標本数の計算ができるので、調査

の設計がしやすいことも特縦色のひとつである。

18

_サンプル型の調査やメッシュフレーム型の変量調査法に比べ

て母変動係数が大きくなり、従って必要標本数が多くなり、調査

の効率や精度から問題があるのではないかと思われがちである。

そこで、様々な大きさのメッシュフレームを作成しぃ母変動係数

の変化をみたとでろ、メッシュを大きくすることにより母変動係

数は緩やかに小さくなるものの、著しく小さくなることはなかっ

た。また、この傾liEljから、メッシュフレームを限りなく小さくし

て行けばドットフレームの母変動係数と一致することも容易に

想像できることから、ドッi、標本調査において、必要標本数が大

きくなるという懸念はないと考えている。ただ、耕地面積調査を

想定した場合、耕地面積率の小さいところで|ま、多くの必要法本

数が計算されるが、後述するように現地調査必要標本数はそれほ

ど大きくならないので、心iWi{ないと考えている。

日本の農水省のニリアフレームはメッシュフレームであるが、田

及び畑面積を補助変量とする比推定法を採用しているため、耕地

面積、水稲作付面積については著しい設計効果を実現している。

反面、比推青-効果が出にくいその他の`作物で}ま、推計を行ってい

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かは承知して

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の場合と同じ

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ではないかと

考えている。

階層分け 階層分けは、標本数を節約したり精度を|句上させる意義を持つ

が、ドット標本調査の場合、調査対・象地域全体に、無作為系統抽

出法で標本を配置するため、特に階層分けをして、精度の維持を

図る必要性はなくなった。また、ドッi、標本調査では、作付面積

調査を行う場合、個々の標本単位に現地調査が必要な標本と必要

でない標本を予めGOO臼leearthl2で子鰯備調査することが可能で

ある。この予胤傭調査を事前に行っておくと現地調査に要する時

間、労力、経費が大'偏に節約できることになる。なお、この過程

における調査の工夫をすることで、ゴー地利用調査ができるという

而も持っている。

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表章単位

調脊管理

精度向上

標本抽出法 標本柚lLII法として、一般的には2段抽出法が採用されるこ」:が多

い。この理Fhは、リスト作成に必要な労力を削減して、標本抽出

の効率を上げるためである。ドット標本調査の場合、そもそもリ

ス:、作成の必要がなく、標本はプログラムで自動的に抽出される

ので、2段抽出をする必要はない。1段抽出法となるため、推計

式は非常に単純となり、しかも)精度は高くなるメリットを持って

いる。

必要標本数 ドット標本調査に必要標本数は、調査の対象となる作物の作付分

布率と目標精度を考慮しながら、統計的に決定する が千予算、労

力に配慮し、実行可能な調査規模にすることが重要である.ドッ

卜標本調査には多くの標本が必要と考えられることが多いが、調

査結果の精度ほ必ず計算できるので、まずは実行可能な標本規模

を定めて調査する垣とが重要である。

属性調査の場合、変量調査の場合と異なって、おおおよその作付

分布率が分かっていれば、必要標本数の計算ができるので、調査の言44言1-カミ1.K:つ司一ぃテレガL、11寺1缶.のプハレーー)-て$おZzi

Page 20: Googleearthを利用したドット標本調査法による 土地利用面積調 … · 2.ドット標本調査の手法 ドット標本調査手法は、先述したように古くから提案されているポイントサンプリング法の一

作付率と目標精度から検討する必要標本数の早見表は作成済み 7ページ参照。

である。調査項目によっては現地調査必要標本数も計算できる。

必要標本数を決めると、次に抽出間隔を決める必要がる。この場抽出間隔

合、調査対象地域の面積(管内面積)を必要標本数で除し、その

値をrで開くと抽出間隔となる距離が計算される。この距離1こつ

いての抽出間隔を、緯度、経度間隔に換算して、抽出間隔を計算

した。この場合、緯度により経度間隔の距離が異ならないように

緯度、経度を組み合わせた標本抽出表が生成されるようにした。

ドット標本調査法における標本抽出は、上述のようにExcel上で標本抽出 Ynselプログラ

緯度と経度と組み合わせて抽出するので、非常に効率的になっ ムは本調査用

た。従来のように、母集団編成過程で作成される抽出単位のリス に開発された

卜の存在を前提としない抽出法であるためである。 もので、億劫に

ドット標本調査法では、Googleearth上における標本ドットの位 なりがちな標

Ⅲ途作成したあるが、この作業は、 Zをピンで示しておく必要が置 本抽出作業の

グラムによりExcel上の標本抽出一覧表力[(

〕うプYiIkRel,,とし 問題を一気に。ロ

ら直接的にGooEleearth上に標本名称付のピンを表示できるよ 解決した。IT

うになったことから、標本抽出作業が非常に簡素化された。 専門家の

また、ドット標本は、固定しておいても農家等に迷惑がかかるよ 百分1rnnYU1<RP1

うなことは皆無であることから、一度抽出した標本は固定して数 氏が作成。

年間、あるいは半永久的に主要することが妥当と考えられる。 (2012年10

月)。

抽出した標本の位置を地方に知らせる手段としては、ファイル化標本通知

された標本地点を調査担当者にメールで送る手法とHP上で閲

實できるようにしておく手法の二つを考えており、従来の調査の

ように印刷して配布する必要はなくなったので、ここでも大幅な

労力軽減ができることとなった。

ドット標本調査における調査表は、1調査地点における調査項目調査表

数が1項目であり、その地点に作付けされている作物名(作物

コード)を記入するだけであるので、調査表は極めて簡単なもの

となる。このため数年間は使えるような調査票にしておくことが

考えられる。

調査表に関連して、調査項目をどのように設定するかの問題があ

る。できるだけ多くの作物コードを準備した方が面白いのではな

いかと考えている。

実査の時期は、作季に合わせて決める必要がある。年2回調査実査の時期

しなければならない場合も生じる。

実査には地図と調査票を携行して行く。この場合、地図読みの技実査

術と標本地点に行って実際に調査を行うという使命感が必要と

なる。標本を固定すれば、初年度の調査では、調査地点の特定に

困難があるかも知れないが、2年目からは調査地点に行くことも

簡単になると思われる。地図の解像度が低い場合は、調査が困難

となるが、その場合は、調査不能としてもよい。

ドット標本調査は、農家面接も実測も必要としないことから、調

査地点の農家に迷惑をかけることもない。

19

作付率と目標精度から検討する必要標本数の早見表は作成済み

である。調査項目によっては現地調査必要標本数も計算できる。

7ページ参照。

抽出間隔 必要標本数を決めると、次に抽出間隔を決める必要がる。この場

合、調査対-象地域の面積(管内面積〉を必要標本数で除し、その

値をrで開くと抽出間隔となる距離が計算される。この距離につ

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した。この場合、緯度により経度間隔の距離が異ならないように緯[霞経摩弁糸'二|み今わイナキ標本5ITll}'1表が4=成されるようにした穴

標本抽出 ドット標本調査法における標本抽出は、上述のようにExcel上で

緯度と経度と組み合わせて抽出するので、非常に効率的になっ

た。従来のように、母集団編成過程で作成される抽出単位のリス

トの存在を前提としない抽出法であるためである。

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また、ドット標本は、固定しておいても農家等に迷惑がかかるよ

うなことは皆無であることから、一度柚}」」した標本は固定して数

年間、あるいは半永久的に主要することが妥当と考えられる。

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(2012年10

月)。

標本通知 柚IILた標本の位置を地方に知らせる手段としては、ファイル化

された標本地点を調査担当者にメールで送る手法とHPlzで閲

寛できるようにしておく手法の:2つを考えて垢り、従来の調査の

ように印刷して配布する必要はなくなったので、区こでも大I隔な

労力軽減ができることとなった。

調査表 ドット標本調査における調査表は、1調査地点における調査項目

数が1項目であり、その地点に作付・けされている作物名(作物

コード)を記入するだけであるので、調査表は極めて簡単なもの

となる。このため数年間は使えるような調査票にしておくことが

考えられる。

調査表に関連して、調査項目をどのように設定するかの問題があ

る。できるだけ多くの作物ニードを準`備した方が面白いのでザよな

いかと考えている。

実査の時期 実杳の時期↑よ、作季に合わせて決める必要がある。年2i1L11調査

しなければならない場合も生じる。

実査 実査には地図と調査票を携行して行く。この場合、地図読みの技

術と;標本地点に行って実際に調査を行うという使命感が必要と

なる。標本を固定すれば、初年度の調査では、調査地点の特定に

困難があるかも矢Ⅱれないが、2笙目からは調査地点に行くことも

簡単になると思われる。地図の解像度が低い場合は、調査が困難

となるが、その場合Iま、調査不能としてもよい。

ドット標本調査は、農家面接も実測も必要としないことから、調

査地点の農家に迷惑をかける■ともない。

Page 21: Googleearthを利用したドット標本調査法による 土地利用面積調 … · 2.ドット標本調査の手法 ドット標本調査手法は、先述したように古くから提案されているポイントサンプリング法の一

作物の確認が取れればよいだけであるので、多少離れたところか

らでも実査ができる。田畑の地形が複雑であっても、斜面になっ

ていても問題はない。混作の場合は、混作されているそれぞれの

作物名を調査記入することで解決される。ウエートは考えない。

なお、GOO日leearthには、標本地点に行くルートをナビゲートし

てくれる機能が備わっており、これを利用すると便利である 「●

GPS内臓のスマートフォン等を使うと更に便利となる ■。

実査の最小単位をどうするかも興味のあることである。農水省の

約束事項では1a以上の耕地集団を対象とするとしているが、ド

ツト標本調査の場合、リスト作成の必要がないので、そのような

下限を設定する必要性は低い。屋敷内畑(キッチンガーデン)等

の面積把握も可能である。下限を設定する必要性がないことの意

義は大きいかも知れない。

集推計 ドット標本調査の推計式、及び精度計算式は、二項分布の場合と この調査にお

同じ式であり、計算式が非常に簡単になっている。 ける特別の集

集計は、Excelを用いて行う。集計項目が少ないので、特にプロ 計システムを

グラムを作成して集計する必要はないと考えられる。調査、集計 作成する必要

項目は少ないが、作物の作付面積については、栽培されているほ はなく、エクセ

とんどの作物が出現する可能性があり、希少作物などの動向も分 ルの基本的な

かる可能性がある。推計される作付面積は、畦畔面積と区別して 集計機能を利

推計できる。このことは、坪刈による単収推計を行う時に都合が 用するだけで

よい。なお、個々の作物の作付面積を推計するには、調査対象地 十分と考えて

域の面積(管内面積)が必要となる。これについては、別途公式 いたが、アプリ

値を入手する必要がある。公式値がなければ、プラニメータ等を 力でのパィロ

使って、プリントしたGoogleearth上で求積する必要がある。 ツト調査が開

プラニメータがない場合は、Web上の求積アプリ(Google

planimeter等)の使用、ヘロンの公式等を使った求積、1ドッ

始されたため、

統一化の観点

ト当り面積からの推定が考えられる。境界線が分からない場合 から集計シス

|ま、統計調査上の境界線を暫定的に描く必要がある。 テムを作成し

分析 継続標本にしておくと、土地利用の移動、作物栽培のローテーシ た。(2013年12

ヨンが分かるので、データ蓄積を図りつつ、そのような視点から 月)

分析を行うことが望ましい。

単収調査 現地調査で各標本地点において栽培されている作物名が分かる。

との関連 坪刈調査を行う必要がある作物については、この地点で坪刈を実

性(1) 施することもできる。いずれの作物もそこでの坪刈結果の単純平

均値がそのまま対象地域の推定単収となる。坪刈が予算等の都合

でできない場合は、その付近の単収を周辺農家から聞き取る手法

に替えても同様のことがいえる。単収調査のための特別の抽出枠

とリストを作成し、そこから改めて確率比例抽出作業を行う必要

はない。 ト標本調査法は、単このようにドッ 収調査の面でも威力

を発揮する.

単収調査をする場合の標本数の決め方については、単収について

の分散を推定し、別途定めた目標精度との関係で決めるのが通常

である。この場合、例えば水稲の場合、坪刈に必要な標本数と面

20

I乍物の確認が取れればよいだけであるので、多少離れたところか

らでも実査ができる。田畑の地形が複雑であっても、斜面になっ

ていても問題はない。混作の場合は、混作されているそれぞれの

作物名を調査記入する ことで解決される。ウエートは考えない。

なお、Goop垣earthには、標本地点に行くルートをナビゲートし

てくれる機能が備わっており、これを利用すると便利である〃

QPR1大'1歳のスマー、、フラ1-ン竺浄伸弓上爾lアイ爾釆11レプF〆

実査の最小単位をどうするかも興味のあるrとである。農水省の

約束:事項では1a以」この耕地集団を対象とするとしているが、ド

ット標本調査の場合、ソスト作成の必要がないので、そのような

下限を設定する必要`性は低い。屋敷内畑(キッチンガーデン)等

の面積把握も可能である。下限を設定する必要性がないことの意

義は大きいかも知れない。

集推計

分析

ドット標本調査の推計式、及び精度計算式は、::項分布の場合と

|可じ式であり、計算式が非常に簡単になっている。

集計は、]Bxcelを用いて行う。集計項目が少ないので、特にプロ

グラムを作成して集計する必要はないと考えられる。調査、集計

項目は少ないが、作物の作付面積については、栽培されているほ

しん>のイノセ』力hWIl王目ヨース可~台陰』畦7J):)bW)気÷ノ」>wii三111hナ?”の調,1台if、ノキユド.

かる可能性がある。推計される作付面積は、畦|畔面積と区別して

推計できる。正のことは、坪刈による単収推計を行う時に都合が

よい。なお、`個々の剛作物の作付面積を推計するには、調査対象地

域の面積(管内面積)が必要となる。これについては、別途公式

値を入手する必要がある。公式値がなければ、プラニメータ等を

使って、プリントしたGoogleearth上で求積する必要がある。

プラニメータがない場合は、Web上の求積アプリ(Googleplanimeter等)の使用、ヘロンの公式等を使った求積、1ドッ

ト当り面積からの推定が考えられる。境界線が分からない場合

は、統計調査上の境界線を暫定的に描く必要がある。

継続標川更にしておくと、土地利用の移動、,作物栽培の積'一テーシ

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始されたため、

統一‐化の観点

から集計シス

テムを作成し

た。(2013年12

月)

単収調査

との関連

'性(1)

現地調査で各標本地点において栽培されている作物名が分かる.

坪刈調査を行う必要がある作物については、この地点で坪刈を実

施することもできる。いずれの作物もそこでの坪刈結果の単純平

均値がそのまま対象地域の推定単収となる。坪刈が予算等の都合

でできない場合は、その付近の単収を周辺農家から聞き取る手法

に替えても|司様のことがいえる。単収調査のための特別の抽出枠

とリストを作成し、そこから改めて確率比例抽出,作業を行う必要

はない。このようにドット標本調査法は、単収調査の面で餡>威力

を発揮する。

単収調査をする場合の標本数の決め方については、単収について

の分散を推定し、別途定めた目標精度との関係で決めるのが通常

である。この場合、例えば水稲の場合、坪刈に必要な標本数と面

Page 22: Googleearthを利用したドット標本調査法による 土地利用面積調 … · 2.ドット標本調査の手法 ドット標本調査手法は、先述したように古くから提案されているポイントサンプリング法の一

積調査で出現する水稲に当っているドット標本数は必ずしも-

致せず、坪刈標本数が多くなる時もあれば少なくなる時もあるこ

とが想定される。このような場合は、面積調査で出現した標本数

で実施するか、必要度合に応じて、増減調整を行う必要がある。

その増減調整の方法は、別途の機会に説明する。一般的に考える

と単収の分散は比較的小さいので面積調査で出現する標本数の

中で確保されるものと思われる。作付率の小さい作物では確保が

難しい場合があると考えられる。単収は主産地で実施することを

考えると、別途単収調査用の標本を抽出することも考えられる。

単収調査|なお、ある県や市町村で水稲の坪刈調査をする場合、これまで上

との関連|の説明では、面積調査の結果を利用して、水稲に当ったドット標

性(2)|本で坪刈を実施するという方法であった。しかし、この方法では、

坪刈調査としての標本数を独立に抽出できないことになる。

そこで、標本数を例えば30とした場合に、当該市町村(例えば

新潟市)から30の標本を抽出する方法は、本文5ページの図3

の中の表に示した対象地域の面積の欄に水稲作付-面積(当年の面

積が分からない場合は前年のものでもよい)を記入し、標本数の

欄に抽出したい標本数、例えば30と記入し、その市町村の範囲、

若しくは水田ある地帯の範囲を緯度。経度で面積調査の場合の同

様に指定すれば、水稲のあるところに30の標本が当っているこ

とになる。確率の問題であるから、きっかり30にはならないか

も知れないが、この手法を知っておくと他の作物の坪刈を含めた

応用ができると考えられる。

l参考:5ページの図3の中の表参照I

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、 範囲を含 指定してもよ_--

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V坪刈対象作物の必要標本数を記入する。この地坪刈対-象作物の必要標本数を記入する。この地域で20の標本の標本

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したい時は、30と記入する。したい時は、30と記入する。、一一

 ̄ ~ ̄.~ ̄

本来、対象地域面積(管内面積)を記入することを想定しているが、坪刈・象地域面積(管内面積)を記入することを想定しているが、坪刈

対象作物の面積を記入する。例えば、この地域には約8haの水稲作付面積の面積を記入する。例えば、この地域には約8haの水稲作付面積

があるので、ここに0.08と記入する。で、ここに0.08と記入する。

 ̄ 、---

21

し燕.」…JJJIinHjYIjHiJLH薫:~宅一二一二1--があるので、ここに008と記入する。--

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致せず、坪刈標本数が多くなる時もあれば少なくなる時もあるこ

とが想定される。このような場合は、面積調査で出現した標本数

で実施するか、必要度合に応じて、増減調整を行う必要がある。

その増減調整のノIブ法は、別途の機会に説明する。‐般的に考える

と単収の分散は比較的小さいので面積調査で出現する標本数の

巾で確保されるものと思われる。作付率の小さい作物では確,保が

難しい場合があると考えられる。単収は主産地で実施することを

考えると、別途単収調査用の標本を抽出することも考えられる。

単収調査

との関連

性(2)

なお、ある県や市町村で水稲の坪刈調査をする場合、これまで」こ

の説明では、面積調査の結果を利ハ]して、水稲に当ったドット標

本で坪刈を実施するという方法であった。しかし、この方法では、

坪刈調査としての標本数を独立に抽出できないことになる。

そこで、標本数を例えば30とした場合に、当該市町村(例えば

新潟市)から3()の標本を柚{iする方法は、本文5ページの図3

の中の友に示した対象地域の烹積の欄に水稲化付面積(当年の面

積が分からない場合は前年のものでもよい)を記入し、標本数の

欄に抽出したい標本数、,例えば30と記入し、そのiii町村の範囲、

若しくは水11]ある地帯の範囲を緯度・経度で面積調査の場合のI司

様に指定すれば、水稲のあるところに30の標本が凶↑っているこ

とになる。確率の問題であるから、きっかり30にはならないか

も知れないが、この手法をズ'1っておくと他の作物の坪刈を含めた

応」LHができると考えられる。

[参考:5ページの図3の中の表参照]

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Page 23: Googleearthを利用したドット標本調査法による 土地利用面積調 … · 2.ドット標本調査の手法 ドット標本調査手法は、先述したように古くから提案されているポイントサンプリング法の一

オケージョナル。ペーパー(既刊一覧)刊行年月タイトル号

統計に係る個人情報の秘密保護について

若年層における雇用状況と就業形態の動向一『就業構造基本調査』のミクロ

データによる実証分析

社会生活行動から見た若年層の不安定就業化。無業化の分析

国勢調査による従業地把握の展開と従業地別就業データの意義

無償労働の評価と世帯生産サテライト勘定

エンゲルとザクセン王国統計

第一次統計基本計画と政府統計の直面する課題

エンゲルとプロイセン統計改革

エンゲルと1875年ドイツ帝国営業調査

調査形態論再論

統計を規定する諸要因との関連から見た時空間個体データベースの可能性

について

位置'|寶報を用いた調査票情報の情報価値の拡張とその分析的意義について

ジオコード情報の活用による統計の把握精度改善の試み

統計的マッチングによる疑似パネルデータの作成と精度検証

駿河国人別調沼津。原政表再論

ザクセン王国統計協会(1831-50年)

ザクセン王国における初期人ロ・営業統計

フィンランドのビジネス。レジスター

エンゲルのザクセン王国統計局退陣をめぐって

フランスのビジネス。レジスター

タウンページ情報を用いた事業所の自然。社会動態の把握

疑似景況パネルによる予想パフォーマンスの計測

場所特性変数の付加による個体レコードの拡張について

フランスの新人ロセンサスにおける詳細な統計結果の推計方法

一ウェイト付けの方法を中心に-

昭和15年農林統計改正と調査票情報について

1855年ザクセン王国営業調査について

EstimationoftheStart-up,ClosureandRelocationRatesofLocalUnits

村是調査における調査様式の展開

明治31年内閣訓令第1号乙号と調査票情報

データ統合の視点から見た調査票情報の意味について

2006.08

45

11

2006.12

2008.03

2009.06

2009.10

2009.12

2010.01

2010.02

201003

201103

678901234

111122222

2011.04

2011.06

2011.09

2011.11

201201

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2012.02

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2012.05

201207

2012.11

2012.12

5678901234567

2222233333333

201303

2013.04

2013.07

2013.09

2014.01

2014.05

201408

890123

334444

オケージョナル・ペーパーNo.44

2014年10月1日

発行所法政大学日本統計研究所

〒194-0298束京都町田市相原4342

I1elO42-783-2325、2326

FaxO427832332

jsri@admhoseLacjp発行人森博美

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鱗朧再生紙使用