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GDC 2013 Localization Summit SCE & Blizzard セッション紹介 報告者: 矢澤竜太 Kakehashi Games)
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GDC 2013 LOC-SUMMIT 報告会 SIG-GLOCALIZATIOn

Jul 02, 2015

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Ryuta Yazawa

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GDC 2013 Localization Summit

SCE & Blizzard セッション紹介 報告者: 矢澤竜太 Kakehashi Games)

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高速自己紹介

矢澤竜太です。 去年に続いて GDC 行ってきました。 この SIG の世話人です。 ローカライゼーション大好きっ子です。

ファミ通.com さんで 『LYEのゲーム翻訳地獄道』 → やらせてもらってます

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扱うセッション

Implementing Blizzard's localization

vision in real time

(Blizzard のローカリビジョンをリアルタイムに

実現するために)

Return on Investing in a

Robust Localization database

(堅牢なローカリデータベースの費用対効果)

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プレゼンの概要

ここんとこ

毎年やってる

ツールネタ

去年と今年で

何が違うの?

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去年との違いは

去年だってツールの話はあった

「データベース化 & 自動化」の話

Square Enix 社 Moomle Blizzard 社 Ubisoft 社 サウンド管理ツール Critek 社 (とにかく始めてみた系)

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今年の特徴

コスト削減効果を数字で示した 大掛かりなツールを開発した事例

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キーワード

最後に数字が出せる=正義 Starting Lean (ちっさく始めろ!) プロジェクトをまたいだデータ標準化 ボトルネックの把握と解決

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セッションの骨子

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数字大公開! データ標準化の夜明け! バージョンはデータ単位で管理!

おしながき

[ 1 ]

[ 2 ]

[ 3 ]

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数字!

データベース移行は… →品質向上のため? →楽するため? いいえ。

コスト削減のため

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数字! SCEE の場合

合計 17.5 人週の作業を削減 プロジェクトあたり

$ 65,320 のコスト削減!

タスク inFAMOUS2 (改善前)

Resistance Burning Skies (改善後)

削減時間

台本準備 78.5 時間 56 時間 22.5 時間

音声チェック 465 時間 (ダウンロードして再生)

62 時間 (ストリーム再生)

403 時間

アセット検証 80時間 24分 79.5時間

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標準化!

特定プロジェクト用でないシステム SCEE は 3rd パーティへ提供している Blizzard は複数タイトルで採用開始

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バージョンはデータで管理

ファイル管理→データ管理へ ”文字列単位でのバージョン管理は もはやフツーだよね” (昨年の矢澤のCEDECプレゼン参照)

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バージョンはデータで管理

データベースの話 CEDECのプレゼンから、バージョン管理の単位についての部分を引用

翻訳文字列 = コードの書かれた 1 ファイル 翻訳ファイル 1 つ = プログラムのフォルダー1 つ

翻訳テキスト 1 列

翻訳ファイル 1 つ

フォルダー 1 つ

コード 1 行

ファイル 1 つ

フォルダー 1 つ

訳文の文字

※2012 年CEDEC資料「ゲームに使える翻訳支援ツールの要件」より

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要するに…

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骨子おわり

発表されていた部分のうち ポイントはここだけです

コレ以降は矢澤の考察と小ネタ

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語られなかったけれど 読み取れる事と その理由

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着手の決め手は

ソンナモノなかった (のではないか) 誰も文句を言わない規模で自動化開始 実績を出しつつ拡張 スケーラビリティは(おそらく)考慮

❝最近特に重要になっていることは、コストのかかる「ローカリゼーションとツール構築」を正当化するための理由を報告すること。何がどれくらい効率化に繋がったのかをしっかり伝える❝ - Activision Blizzard William Barnes 氏

❝継続的にローカリゼーションツールに投資することには目に見える利益がある❝ - Sony Computer Entertainment Europe Chris Burgess 氏

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開発側データ構造の標準化

プロジェクトをまたいで使うには データの繋ぎ目部分で標準化が必要 コンテンツパイプラインの最適化の話 SCEE は 3rd パーティにも提供中

※画像はイメージです

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アクセス/編集のしやすさ

一部の人だけが特定の条件を満たした マシンでしか触れないデータは悪 当事者が直接アクセスできる すべては敏捷性のため

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文字通り内製ツール

両社とも、社内の人員が開発している 「いつでも連絡が取れる同僚」 であることがすごく大事 要件は変わっていくし 継続的な作業が前提だから

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補足: Blizzard 社が導入した 興味深い機能

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マイルストーンブランチ対応

ID+原文文字列を軸にTimestump比較 ブランチ ↔ メイン間で翻訳同期 →新しい!

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自作翻訳支援ツール統合

既存訳文と用語集の対訳データベースをいつでも翻訳者が参照できる “タイトルがデカイので無いと無理”となって作ったそうな 過去訳の一元的検索機能 と 用語対訳の自動提示機能だけ

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オチ

こんなにすごい Blizzard 社 でも『World of warcraft』は途中まで Excel で翻訳管理してたそうです 死ねると思います

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まとめ

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よーく振り返ろう

Project 終了後に見直し $ を払って関与者を巻き込み ツールを作って費用対効果検証

振り返りから始まってる

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お金は大事だよ

かけた予算をちゃんとリクープ 何度も使うほどコストの回収は容易に Project 毎に手を入れずに済むように

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開発チームの関心を!

ローカライズチームだけの話じゃない! プロジェクトをまたいだ導入を可能にするには開発側の体制変更が生じる 開発サイドへの Evangelize も継続的に

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開発チームの関心を!

You can lead a horse to water,

but you can't make it drink.

馬を水場まで連れて行くことはできても、 水を飲ませることはできない

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AAAタイトル以外の開発者が ここから学べる教訓?

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GaaS vs AAA

「サービス化したゲーム」の管理は 「超巨大 AAA ゲームの SimShip」とは 違うベクトルでとても難しい ローカライズアセットの管理ノウハウは 属人的になっていく傾向がある (矢澤経験談)

プロジェクト横断的に使うことを前提に するのなら、小規模 (GaaS) タイトルを 複数抱えるところも検討していくべき事項

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おしまい

@lye_ @kakehashigames

[email protected] www. KakehashiGames.com/

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リンク集

ローカリゼーションシステムの改善は どのようなメリットを生むのか【GDC2013】 (ファミ通.com)

『Diablo III』のローカライズを支えた“LocTool”【GDC2013】 (ファミ通.com)

ゲームに使える翻訳支援ツールの要件 (CEDEC 2012 矢澤スライド) (Slideshare)

GDC 2012 LocSummit 報告会矢澤スライド(Slideshare)