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≦10万円がひとつの目安
1月1日時点に価値
※このマニュアルについてwebクリエーターやライターの方へのマニュアルを想定している為,棚卸資産の説明は省略していますが,小売店や飲食店などの在庫を持つ業種については,10万円に満たなくても【商品】として,計上する必要があります。
導入 つのステップ
番外編
アンケートで回答頂いた中にそもそも青色申告ってなんなのかを説明して欲しいという意見が多数ありましたので,なるべくわかりやすく解説をしたく思います。ここをもっと解説してほしいなどのご意見は順次解説を入れますので,β版だとおもって,文字の誤謬などはご容赦及び,ご指摘いただければともいます。
※内容については,専門用語などをなるべく排除して,イメージを伝えることに重きをおいているため,実際の法令で定められている用語や,税率などと一部食い違う部分もありますので,あくまで,イメージを捉えるための参考資料と位置づけをしてください。
青色申告のお話
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ステップ1 そもそも青色申告ってなに?
確定申告と青色申告と白色申告毎年3月くらいになると【確定申告】という言葉を耳にします。また青色申告と白色申告なんていう言葉も聞いたことがあると思います。まず【,確定申告】というのは,【青色申告】と【白色申告】を総称した名称です。儲けを確定させて申告するから確定申告なんですね。では,【青色申告と白色申告】の違いは何かと言われれば,一言で言ってしまえば,厳密に計算して申告するのが青色申告,テキトーに計算して申告するのが白色申告ということになります。では,【厳密に計算するというのはどういうことか】というのは,次のページで説明しますが,【青色申告】という名称は昔,申告の用紙が青かった為,青色申告といいます。ちなみに今は青色申告の用紙は下記の様に【カラー】あり,青ではありません
が,昔の名残で【青色申告=厳密な申告】と捉えていただければと思います。(かなりテキトーでも実は青色申告は可能ですが,こちらでいう青色申告は65万控除を受ける事が出来る要件を満たす青色申告だと思ってください。)
ちなみに,売上があまり上がらず,赤字で申告する際には,【何色申告】でしょうか?
【赤色申告】・・・・とは言いません。一番最初に話をしたとおり,【厳密に計算した申告=青色申告】【テキトーに計算した申告=白色申告】ですので,厳密に計算した結果赤字だったという場合は青色申告ですし,テキトーに計算した結果赤字なら白色申告ということになります。
普通に考えると,儲けがでてない赤字ならテキトーに計算してもいいじゃん?と思いがちですが,そうでもありません(青色申告の特典で後述)
現在の確定申告用紙はカラー
※ちなみに,会社の税金である法人税の申告書は青色申告の場合は今でも青色の用紙を使っています。
事業を始めたら最低限知っておきたい青色申告の話
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ステップ1 そもそも青色申告ってなに?
青色申告 厳密な計算
白色申告 テキトーな計算
黒字
赤字
or は関係ない
確定申告
(実際にはテキトーでも青色申告可能です(後述))
事業を始めたら最低限知っておきたい青色申告の話
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青色申告の条件【複式簿記】とは?青色申告=厳密な計算という話を前ページでしましたが,では【厳密な計算】というのはどういうことかというと,青色申告を行うにあたっては,年末に適切な決算書を作成してください。と法律で定められています。その適切な決算書を作るためには【複式簿記】という会計のルールにのっとって,計算することが求められます。では複式簿記とはどういうものかということなのですが,【複式簿記】というものの反対に【単式簿記】というものがあります。必ずしもではないですが,【単式簿記=テキトー=白色申告】,【複式簿記=厳密=青色申告】というイメージをもっていただければと思います。では単式と複式で何が違うのかというと,単式簿記は,例えば,ひとつの事象(収入や支出)に対して,1つの金額とその収入支出を記載しておくのに対して,複式簿記は,1つの事象に対して,2つの金額とその理由を記載しておくものです。例えていうなら,町中を歩いていたら,後ろ姿がとてもスラっとしたイケメンがいたとします。後ろからの一方向でみて,イケメンと判断するだけでもいいのですが(これが単式),正面からも判断し,後ろと前の二方向判断すれば(これが複式),より正確に【イケメン】か否かが判断出来ますよね。当然,前からも判断する分手間はかかるわけですが,より,正確になるという意味で,2重に集計をする【複式簿記】という会計のルールが青色申告の条件になっているわけです。
例 ○△□社に対して10,000円の売上があった
現金 10,000円 / 売上10,000円現金収入 +10,000円を記入
イメージは家計簿だと思ってください。
単式簿記 複式簿記
○△□社 ○△□社
一つの事象に一度だけ記載 一つの事象に二度記載する
事業を始めたら最低限知っておきたい青色申告の話
ステップ1 そもそも青色申告ってなに?
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青色申告の条件【複式簿記】とは?
現金 10,000円 / 売上10,000円○△□社
【現金の増減という側面】と【売上という側面】の二つの視点で金額を集計するので,より正確な計算ができる。
例 ○△□社に対して10,000円の売上があった
事業を始めたら最低限知っておきたい青色申告の話
ステップ1 そもそも青色申告ってなに?
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freeeを導入すれば確定申告が完了??freeeの最大のうたい文句は【会計の知識の無い方でも青色申告が出来る】とうたってます。前ページで解説したように,青色申告をするためには,複式簿記が必要になる。その複式簿記を,【とてもわかり易く】,そして,【日々の入出金を自動で同期し】さらに,【一度設定すれば,自動で分類】してくれるのがfreeeなのですが,このソフトで,確定申告(青色申告)が
完了するのかと言われれば,答えはNOです。freeeというのは,日々の取引を記帳する【会計ソフト】と言われるものです。従来からあるソフトで言えば,【弥生会計】や【勘定奉行】などが,それにあたります。会計ソフトは基本的には事業での儲けである【事業所得】というものを集計しているソフトになります。確定申告の作業は事業以外の儲けがあれば,そちらも集計し,その後,各種の控除額などを考慮して,計算しますので,確定申告をするには,別途の申告作業が必要になります。従って,freee=青色申告ではなく,【青色申告をするにあたって,一番面倒くさい複式簿記による,収入支出の管理】の手間を大幅に軽減してくれるソフトであり,確定申告をするソフトではないと考えてください。
会計ソフトで日々の記帳
freee
申告までの流れ
事業所得
給与所得
不動産所得
配当所得
雑所得
等
確定申告の手続き(イメージ)
所得(もうけ)の集計 控除額の集計
保険料の控除
ふるさと納税
38万の基礎控除
等計算しているはココだけ
事業を始めたら最低限知っておきたい青色申告の話
ステップ1 そもそも青色申告ってなに?
導入 つのステップ
青色申告をする意味はあるのか??売上がまだ少ないフリーランスの方や,赤字が続いている会社様などからは,よく聞かれる質問です。結論から言えば,青色申告はすべきだと思います。まず,青色申告をすると税金の面での特典があります。ネットなどで【青色申告の特典】などと検索をすれば,多くの解説サイトがヒットしますが,これは結構大きいです。次の項目で解説しますが,とても重要です。また,将来的に,銀行から融資を受ける場合には,適切な決算書や,申告書は必須ですし,株式会社等の法人に変更する際にも,フリーランスと法人でどちらが得なのかの詳細な判断ができたりもします。さらに,今までは【白色申告=テキトー】で良かったのですが,2014年1月から,【白色申告も結構ちゃんとして】と変わりした。(詳しくは別項目【白色申告も厳しくなりました】)
したがって,どうせやらなければ,いけないのなら,やる!!ただ,お金と手間をいかにかけずに青色申告をするかがテーマなのだと思います。そのために,freeeを使って,手間を最小限にする,仕組みを構築し,かつご自身にとって青色申告のメリットがどのような事なのかの理解を深めることが大事だと思います。
記帳,管理の手間
freeeの使用料等
< 青色申告の特典
帳簿管理の厳格化
銀行の融資等の説明資料軽減する仕組化
義務
メリット
メリット
事業を始めたら最低限知っておきたい青色申告の話
青色申告する意味あるの?ステップ2
青色申告をする意味は?
導入 つのステップ
青色申告の特典とは青色申告をすると税制的に特典があるということは殆どの方が知っていると思います。青色申告の特典については,沢山ありますが,まず,最低限知っておいていただきたいのは【青色申告特別控除】と【純損失の繰越しと繰戻し】の2つです。今回はこちらの2つに論点を絞って解説します。
【青色申告特別控除】とは
事業の儲けを計算する際にその,厳密さに応じて税金の計算上における経費が10万円か65万円計上出来る制度です。そのため,儲けが出ていれば,経費が多く計上できてとてもお得な特典ですが,儲けが出てないのであれば,メリットのない特典になります。控除できる額について10万円か65万円と控除額に多きな差がありますが,65万円の控除を受けるためには,前項目で解説した【複式簿記】よる適切な決算書等の作成が必要になります。裏を返せばfreeeでしっかり管理していてば,要件を満たすということです。対して,10万円の控除ですが,こちらは,実は,前項目の白色申告で解説した,【単式簿記】による記帳で申告してもいいのです。なんだかややこしくなってきましたが,イメージとしては青色申告とは言うけどテキトーな青色申告もあって,そちらは10万円しか控除が受けることが出来ないというくらいの認識をもってください。
事業を始めたら最低限知っておきたい青色申告の話
ステップ1 そもそも青色申告ってなに?
導入 つのステップ
【青色申告特別控除】とは計算イメージ
売上
白色申告(青色申告特別控除を受けない場合】
儲け(所得金額)
※計算を簡略化する為,基礎控除等の各種控除は未考慮
税金(所得税,住民税)
青色申告特別控除を受ける場合
売上
経費
経費
65万控除
儲け(所得金額)
税金(所得税,住民税)
65万円儲けが減少するので儲けから算出される税金も減る
×税率
×税率
事業を始めたら最低限知っておきたい青色申告の話
青色申告する意味あるの?ステップ2
190万円 28.5万円
所得税5%住民税10%
110万円
300万円
300万円
110万円
125万円
所得税5%住民税10%
18.75万円
導入 つのステップ
【青色申告特別控除】とは前ページ確認したように,青色申告特別控除を受けると儲けの金額が減少するためおのずと税金も減少します。どの程度税金が安くなるのかは,下記を参考にしてみてください。
所得税 住民税 合計
白色申告の場合 95,000 190,000 285,000
青色申告(10万円控除)の場合 90,000 180,000 270,000
青色申告(65万円控除)の場合 62,500 125,000 187,500
儲け(所得金額)が190万円の場合の税金 (各種控除は未考慮,以下同じ) (単位:円)
円お得
所得税 住民税 合計
白色申告の場合 372,500 400,000 772,500
青色申告(10万円控除)の場合 352,500 390,000 742,500
青色申告(65万円控除)の場合 242,500 335,000 577,500
儲け(所得金額)が400万円の場合の税金
円
お得
上記の様に儲けの金額が多くなれば,青色申告の特別控除を受けるメリットは大きくなり,所得金額が1,000万円のケースだと,279,500円もの節税効果があることになります。
青色申告の特典とは
事業を始めたら最低限知っておきたい青色申告の話
導入 つのステップ
【 純損失の繰越しと繰戻し】とは青色申告の特典として,とてもメリットが大きい割には知らない方が多いのが,この純損失の繰越しと繰戻しです(今回は話を単純にするため,繰越しのみお話をします。)こちらの制度は一言で言ってしまえば,【今年の赤字について,3年間黒字と相殺出来る】ということです。確定申告で支払う税金と言うのは,儲け(所得金額)がでなければ,発生しないのです。例えば,青色申告をしたAさんは300万円の赤字でした。対して,白色申告をしたBさんは300万円の赤字でした。という場合には儲けが出ていないので,両者とも税金は発生しないのです。そうすると,ここまでは面倒な計算をしたのに,結局どちらも税金が出ないならAさんは無駄な手間が発生したような気になります。しかし,AもBも翌年になって,事業が軌道に乗り1,000万円の儲け(所得金額)が出たとします。すると,Aは,税金の計算をする際に,初年度の300万円の赤字を2年目の経費と同様に扱うことが出来ます。そうすると,1,000万円の儲け-初年度の赤字300万=700万×税率 167万4,000円の税額ですが,白色申告だと,この様な制度はありませんので,1,000万×税率で276万4,000円となり,なんと109万円も税額が異なるということになるのです。
青色申告の特典とは
事業を始めたら最低限知っておきたい青色申告の話
青色申告する意味あるの?ステップ2
導入 つのステップ
【 純損失の繰越しと繰戻し】とはイメージ
青色申告をしたAの場合
1年目
2年目
赤字300万円
黒字1,000万円
赤字300万円
1年目の赤字と相殺
700万
税金の対象
税金167万4千円
白色申告をしたBの場合
1年目
2年目
赤字300万円
黒字1,000万円
1,000万円
税金276万4千円相殺は
出来ない
万円お得
青色申告の特典とは
事業を始めたら最低限知っておきたい青色申告の話
導入 つのステップ
白色申告も厳しくなりましたこれまでの解説で白色申告は【テキトー】でいいという話をしてきましたが,実は2014年1月から,【テキトー】では駄目になりました。今までは白色申告で儲け(所得金額)が300万以下の白色申告では,申告の根拠となる,計算や,計算の元となった請求書やレシートなどを保存をしなくても良かったのですが,2014年1月からは,保存が義務づけられました。
今まで 2014年1月以降
白色申告( 万円以下) 不要 必要
白色申告( 万円超) 必要 必要
青色申告( 万円以下) 必要 必要
青色申告( 万円超) 必要 必要
計算根拠やレシートなどの保存の対象
結論として,2014年1月以降は白色申告であっても,かなりちゃんと計算をしなくてはいけないことになっているので,どうせなら,青色申告をしたほうがいいということになります。
事業を始めたら最低限知っておきたい青色申告の話
導入 つのステップ
これまで青色申告について色々と話しをしてきましたが,最後に青色申告をするために絶対必要な事は・・・・・
青色申告承認申請書を提出することです!!!!
これを出さないと,たとえ複式簿記で厳密に決算書を作成しても,白色申告になってしまいますので,注意してください。この申請書提出するのも期限がありますので,ご注意を。もし,来年2015年の3月15日に青色申告をしたいのであれば,青色申告承認申請書の提出期限は
今年(2014年)の3月15日です(新規開業した場合等一定の場合には例外も認められています。)
現在2014年度でfreeeを導入されている方は上記期日までに書類1枚の提出の有無で,青色申告か白色申告かが決まってしまいます。これまで記載したような厳密な計算(複式簿記による計算)ができるか,不安であったとしても,とりあえず提出だけは忘れないようにしてください。
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/09.htm
国税庁ホームページ 青色申告承認申請書雛形
事業を始めたら最低限知っておきたい青色申告の話
青色申告をするための手続きは?ステップ3
導入 つのステップ
参考サイト
これまでの解説で【青色申告】がなんとなくでも理解出来たら,下記のサイトを読んでみてください。とても,厳密かつ詳細に青色申告や白色申告について解説がされています。こちらを読んで,理解できる方はそもそもかなり税金に詳しい方かと思いますが・・・
http://bizmakoto.jp/bizid/articles/1302/19/news015.html
事業を始めたら最低限知っておきたい青色申告の話