情報化時代のヘルスケア産業を 創り出すために - Minister of … · 2018-12-07 · 4 フィンランドの実際 ehr (kanta), pcehr (omakanta), phr (kanta phr) を一体運用

情報化時代のヘルスケア産業を 創り出すために

黒田知宏 京都大学医学部附属病院 医療情報企画部

現状分析

EHR/PHRを核として…

�3次世代医療基盤 の 全体像

EHR

EMR EMR EMR EMR

PHR

Patient ControlledEHR

（PC-EHR)

？

？

企業・研究者

匿名加工情報・ 統計情報の提供

同意に基づく 顕名情報提供

各種PHR系 サービス事業者

次世代医療基盤

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■ フィンランドの実際 ■ EHR (KANTA), PCEHR (OMAKANTA), PHR (KANTA PHR) を一体運用 ■ KANTA PHR に IoT機器接続 を 認める 意向 ■ PHR情報 の 医療目的利用 を 認める 意向

■ 次世代医療基盤法の実際 ■ 医療情報等（2条）は あらゆる健康情報 を 含み医療情報取扱事業者（3条）は 医療機関 に 限らない

■ 本人同意の下で PHR事業者等に顕名情報を提供できる

次世代医療基盤の全体像

個人同意に基づく本人情報を使ったサービスと 匿名加工情報活用サービスを組みあわせ可能

PHR系 サービス の 基盤として有効

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■ Preventive Care : 予防ケア ■ 自分のためにモニタリング・自己管理

■ Post-Acute Care : 急性期後ケア・検査も含む ■ 術後リハビリ・在宅検査等 : 主にEMRへ送信

■ Chronic Care : 慢性期ケア ■ 睡眠管理等 : 自己管理と医療者によるモニタリング

在宅健康管理 の 三類型

Preventive Post-acute Chronic

Self-managedPHR ✓ ✓

Managed by physicians EHR ✓ ✓

無病息災 より 一病息災

「意識高い系」 　だけがアクセス

技術的課題が多く 　短期間のアクセスになる

有病者は全員アクセス 　長期間アクセスが続く

EHR と PHR が ともに必要

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■ 診療報酬で通信基盤はカバー ■ 認定事業者に送付も可能 ■ あらゆる機器を接続可能

遠隔モニタリングシステム と 次世代医療基盤

認定匿名加工 医療情報作成事業者

Server

送付を委託

通知書手渡し

CPAP/HOT

あらゆる機器に 適用可能

IoT-PHR 基盤 が 実現

8AI と データ 入力機械可読

Machine Readable

人間可読 Human Readable

機械由来 Machine Origin

人間由来 Human Origin

センサデータ

構造化

入力

データ

電子カルテ

電子カルテは何も本質を変えていない

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■ 入力系から　人という低速・低周波数・不確実なメディアを排除　　　　　　　することで、大量データの利用を可能にする

AI と データ を 繋ぐ : IoT

機械可読 Machine Readable

機械由来 Machine Origin Internet of Things

機械由来 の 客観的数値データ を 機械可読 な形で 直接保存

�10遠隔モニタリング の 基本構造 : IoT

Terminal

Server

CPAP/HOT

機械由来 の 客観的数値データ を 機械可読 な形で 直接保存

しかも手間いらず！

11IoT時代の医療 : ソーシャルホスピタル

Lifelog

リハビリ記録体内埋め込みセンサ

緊急通報

遠隔モニタリング 後方支援

Proc IEEE EMBC (2013)

Proc IEEE EMBC (2013)

Int J Disabil Human Dev (2013) e-Textileセンサ

オンライン・AI 診療（介入）

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■ EHR・PHR を 統合した 次世代医療情報基盤 の 形成へ ■ PHR系サービスがビジネスの核になる

■ 無病息災より一病息災 ■ ユーザの利用モチベーションが維持される ■ 遠隔モニタリングシステムが活用できる

■ 手入力からIoTへ ■ 入力系から人を排除して良いビッグデータを ■ 遠隔モニタリングはIoT環境そのもの

現状分析 : まとめ

ヘルスケアITの環境は整いつつある

課題 と 取り組み

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■ 産の課題 ■ 「ヘルスケア産業」 という 逃げ腰 ■ 情報技術を知らない 医療機器メーカ

■ 官の課題 ■ 薬のルールでソフトを統制する愚 ■ 同時に満たせない複数のルール ■ 医療IDの日常活動への適用の推進

■ 学の課題 ■ 供給できない求められる情報 ■ 供給できない求められる人材

現状の課題

医療ソフトウエアを取り巻く現状■ ソフトウエア開発と流通の実際

■ ソフトウェア開発 : 一人の天才が産み出す（革新的であるほど） ■ ソフトウェア評価 : レーティングサイトで評判を見る ■ ソフトウェア流通 : オンラインで個人がダウンロード

ここにギャップ

■ プログラム医療機器の必要要件 ■ ソフトウェア製造 : GMP基準に従った製造管理 ■ ソフトウェア評価 : PMDAが審査 / GHSマーク取得 ■ ソフトウェア流通 : 認可製販業者が実施

■ 違法・不適当なソフトウェアが流通しがち ■ 革新的ソフトウェアが実用化されにくい

医療ソフトウエアを取り巻く現状■ 医療ソフトウエアの種類と要件

■ プログラム医療機器 ■ 薬機承認・届出が必要 ■ 治験・試験が必要

■ ヘルスソフトウエア ■ GHSガイドライン

■ 何れにも該当しない？ ■ ウォーキング支援とか…

使って貰いたいけど、 これって、届け出必要？

試験とか治験とか どうすればいいの

INCUBATOR

わたしが 引き受け ましょう

医療ソフトウエアの市販化への「インキューベーター」が必要！

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■ 情報技術 を知らない 医療機器 メーカ ■ 医療機器認証を楯に取った情報セキュリティ対策拒否

■ 薬機法 承認 ≠ 3省3ガイドライン 充足 ≠ RFC 充足 ■ 薬機認証機器が ガイドライン違反

■ 薬機法 ＝ 薬のルールで機器・ソフトを制御 ■ クリーンルームでプログラミング？ ■ 前向きのビッグデータ治験？

医療機器 を 取り巻く 課題 と ルール

入口から出口まで一貫した 医療ソフトの法制を

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■ 次々作られるID ■ マイナンバー : 行政目的 ■ 医療ID : 医療目的 ■ ○○ID : ○○ 目的

■ 健康情報 ■ カルテ・健診 ■ 渡航歴・救急記録 ■ 日常健康ログ

医療ID を 取り巻く話題

利用を禁じない 手立てが必要不整合

活動記録医療記録

医療に閉じないIDを

�19医療用 人工知能 の 抱える 課題

EHR

AIの一生

如何に正しい教科書を 創り出せるか

成長するものを どう評価するのか

臨床的に正しい 情報科学的に構造化された

臨床BigData

医学と情報学の基礎を修め 臨床医学現場のニーズを知る 医学と情報学の研究者

京都大学医学部・京大病院 の 蓄積

ビッグデータEMR

育った人材が ICT医療の 推進者に

育った人材が 医療用AIの 産みの親に

20情報化時代 の 京大 病院 : 人工知能 の 学校

電子カルテ・DWH・バイオバンク

A病 C症教師データセットを クラウド型AI基盤へ

教師データ 訓練された AI

テスト データ

MDとSEのチームが 電子カルテから 教師データを構築

AI利用 最先端医療京大の認証

治験 データ PMDAの承認

先進医療の推進

京都大学 医療AI学科 クラウドキャンパス

教師データ構築を通じて 人材を育成

ICT先進医療を 推進する 医療者を育成

生まれたての AIアルゴリズム

NICT ソーシャル・ビッグデータ利活用アプリケーションの研究開発 （2016～2018）等 で検討中

�21データヘルスサイエンス を 支える人材

データヘルスサイエンス研究・新事業

質量とも充分な医療データ

データ活用を統制する倫理

データを活用できる技術

医基法 文科省 産業界

悉皆・網羅的健康データ

社会の信頼を得る仕組み

データを知り・使える力

アクセル人材

ブレーキ人材

基盤人材

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■ 「中核」となる施設の要件 ■ 臨床医学と情報科学の基礎を教えられる「教育力」 ■ 医療情報の癖と法制の綾を教えられる　「現場力」 ■ 学生に実践の材料と機会を与えられる　「情報資産」

データヘルスサイエンス の 教育現場

情報基盤の整った大学病院■ 情報科学研究・教育の専門家が病院現場の情報処理に従事 ■ 詳細で客観的なデータが分析可能な状態で十分蓄積 ■ 新科学を創出する産官学連携活動に対する意欲と実績

2018.11.29 関西健康・医療創生会議 で報告・議論予定

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■ 既存プラットフォームを活用する施策 ■ 次世代医療基盤 を PHR と みたてて ■ 医療等ID を PHR 適用可能に

■ 一病息災サービスを育てる施策 ■ 在宅医療用IoT機器の基盤整備 ■ 医療機器化を「逃げない」事業の支援

■ 参入障壁を引き下げる施策 ■ 製品化までワンストップの評価・認定制度の整備 ■ セキュリティ対策・機器評価の支援環境の整備

今後執るべき施策の方向

日本の強み （センサ産業） を活かすために