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シューマンの「子供の情景」作品15に関する演奏解釈(1)
新山真弓'(平成6年9月20日受理)
はじめに
演奏で、音楽を表現するということは、いったいどう
いうことなのであろうか?
演奏家が作品を演奏するにあたり、原曲本来の骨組み
等を考えるなか、 「こう表現したい」 「このように弾きた
い」という普遍的根拠は何かという問題にぶつかる。
「演奏する」ということは、聴き手に音楽を伝える異体
的な表現である。しかし、その前に、作品においての
「作曲者の創作意図」がある。聴き手にとって、その演
奏に感動を覚えたということは、演奏家個人の能力によ
る独創的なものと考えられがちであるが、演奏家が自身
の技巧や音楽性のみにゆだねる演奏が、はたして、共鳴
と納得を与えられるであろうか?
演奏家は、作曲者がその曲に託した思いを正しく理解
し、さらに、演奏家の主張を加味し訴えていくことこそ
演奏家としての使命であると思うのである。したがって
演奏する前にその作品を客観的に理解すること、すなわ
ち「楽曲を分析する」というプロセスを経るということ
が、たい-ん重要になってくるのではないであろうか?
なぜならば、 「楽曲分析」とは、弾き手・聴き手の意
恩にかかわらず、音楽表現のための普遍的な言葉を楽譜
から読むことだからだ。この過程を経て、はじめて演奏
家は、より一層表現の充実へとつながっていくと確信す
るのである。
それでは、どういった「楽曲分析」を行えば、演奏解
釈の糧となるのであろうか?
一般的に「楽曲分析」とは、形式や和声、形態などを
研究することと思われがちである。また、その域で留まっ
ている分析が多いように思われる。しかし、それが実際
に演奏するうえで、 「本当に役立っているかどうか」と
いうと必ずしも肯定できないのである。また、演奏する
にあたり、取り組む作品の分析を研究したうえで、演奏
に入るという過程をふむという教育が、まだまだなされ
ていないのが現状ではないであろうか。また、見方をか
えれば、本来、演奏することと分析することを平行して
いくべきところ、なかなかそれが進んでいないのは、
「具体的な分析方法が見つからなかった」とも言えるの
ではないであろうか?
今回、私がアナリーゼの研究に取り組む気になったの
は、保科洋氏の「音楽における表現の基礎について」の
論文に出会い、その講義を受け、長年求め続けてきた、
具体的な分析法に巡り会い、学んだからである。今まで
の分析法と大きく異なる点は、 「音符本来の持っェネル
ギ-」に着目し、 「作曲者の創作意図の大部分を音符に
よって表現し得る」という結論を導き、それを知ること
により、分析する側のすべての人が、その作品を同次元
で理解できるということである。
その原理にしたがい、今回は、シューマンの「子供の
情景」作品15 (第1曲~第4曲)を研究楽曲として取り
上げてみた。これ以後、この紀要においてはこの原理に
基づき、いろいろな楽曲を分析していく予定である。
まずは、小論より「基礎的考え方、分析法」を引用し
つつ、実際に分析を進める。
1.音楽表現の基礎について
『「リズム・旋律・和声」の音楽構成上の三要素が、
表現のための三要素でもあることに案外気付いていない
ことが多い。そこで、音楽の三要素と表現がいかにかか
わっているかを整理し、それによって、導き出される原
則を音楽表現の基礎として位置づける。 (要約)』 (注1)
とあるように、まずは音楽表現には二つの立場があり、
とくに『作者の創作意図に演奏家自身の解釈を加味して、
具体的に音として表現する』 (注2)ことが、音楽表現の
基礎となると言われている。
そして、楽譜を形成している要素を音符についてのみ
考えた場合『(1)音の長短の要素(2)昔の高低の要素
(3)音の重なりの要素』(注3)に集約されるとある。した
がって、 『強弱記号・音色・速度記号・歌詞を省いても、
音符のみで、作者の意図している表情の大意は十分に伝
えられ、この音符の三要素が単独または複合して音楽的
内容を表現し得る機能を内包している(要約)』 (注4)と
あるように、音符に託された内容を理解するところから
考えていく。
上記の三要素が、どのような機能をもっているか-I
『(1)音の長短;音は、全てのエネルギーを内存し、そ
の量(質)に応じて場を支配する。すなわち、 "長い音
ほどそのエネルギーは大きい(多い)。この結果、音の
長短の組合せは、その状態に応じてエネルギーにゆらぎ
.兵庫教育大学(実技教育研究指導センター)
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を生じる。このゆらぎが(緊張-緩和)一昔のグループ
化-フレーズ形成と発展し、これらを手がかりに作者の
感性のゆらぎの一端を推し量ることができる。
(2)音の高低:隣接する二者を、高低の観点からみた場
合、先行者から後続者へ移行する状態には、上行・下行・
同時持続の三通りのみである。
この、三種の状態が存在すること自体が、二音間に何ら
かのエネルギーのゆらぎが内存し、隣接する二音の後続
者は先行音のエネルギー状態によって規制される。この
ようにして、派生したエネルギーのゆらぎは、そのあり
さまに応じて(緊張-緩和)一昔のグループ化-フレー
ズ形成と発展する。そこで、緩和に焦点をあてて図形を
分類すると、
(a)下行緩和
≡≡三三
(a-1)放物線型
!-!!\-う
<二二二一
(a-2)
SSS表i=た!-二二二二二二-
(b)上行緩和
国墓i
二二二二=-
(b-1)ブランコ型
\--\ー!ヲ
-二二二二二=-
(b-2)
一一!!ヲ
<二二二::-
(a-3) Cb-3)
(C)同音持続緩和
〉
二二二二二-
(C-1)
.
<二二二二二-
(C-2)
㌔--- >
<二二:::-
(C-3)
㌔--㌔-ぅ一一!!- --
-二二二二二=- <二二=- -二二二二二一
このように、音の高低もそれ自体でフレーズ(グループ)
作成機能を持っており、それを手掛りに創作意図を知る
ことができる。
(3)音の重なり;二音以上が時間的に同時に響く状態を音
の重なりと呼ぶ。隣接する二つの音の重なりは、その状
態に応じて(緊張く-緩和) -グループ化-フレーズ形
成につながる。この緊張度の種類は以下のように大別さ
れる。
㈹含有音程の協和度によるもの
不協和(緊張) -より協和(緩和)
(B)旋律その他に非和声音-解決を含むもの
倍音・掛留(緊張) -解決(緩和)
(C)調性内部での質的な違いによるもの
(和音の機能)ドミナント(緊張) -トニック(緩和)
変化和音(緊張) -解決(緩和)
昔の重なりもまた、単独にフレーズ作成機能を持ってい
る。 (要約)』 (注5)
2.分析方法
まずは、重点(音の長短・高低・重なり)を見つける
ことから始める。
i
それを基に重点を含む最小単位のグループを見つける
(グルーピング)0
i
グル-プの関連性を見つけ、どこまでがひとまとまりか、
ということからフレーズを考える(フレージング)0
以上に基づいて、最終的にディナミーク、アゴーギグ
etc.を決定する。
ここで、グループ分けと重点の見つけ方について検討
してみよう。 「グループを見つけるのが先か」 「重点を見
つけてからグループ分けをするのか」は、たいへん難解
な問題である。一つの見当として、音型・リズムetc.か
ら形でグループを見つけるということは大切である。た
だし、かならずそのなかに重点があるかどうかを確認し
なければならない。つまり、重点が一つあれば1グルー
プ、二個以上あれば2グループ以上ということになる。
重点がなければグループではない。
重点が先に見つかれば(例えば、倍音etc.)、その影
響範囲がどこまでなのか-その前後を調べることが大切
である。
とくにピアノ曲の場合は、 (R.H.)だけではなく
(L.H.)の分析もそれぞれ整理したうえで、実際に演奏
する場合はトータルした解釈が大切である。
((L.H.)は、必ずしも(R.H.)の抑揚と同じではない。)
分析上、重点の三要素を次のように記す。
[音の長短・ ・ ・△
音の高低・・・×
音の重なり・ ・○
グル-ビング・フレージングは以下のように表示する
[グルーピング
フレージング
非和声音を以下のように記す。
倍音・・・・(侍)
経過音・・・(経)
刺しゅう音・ (刺)
先取音... (先)
掛留・・・・(掛)
持続音を(持)とし、奏法は、 ※と記す。
分析方法に基づき、実際に、 「子供の情景」の分析に
移るが、前述の説明のように、 「作者の意図は大部分が
音符のみでも表現できる」という証明のため、全ての指
示記号を取り去った状態に楽譜をもどす。 (以下、楽譜
を参照のこと。)
シューマンの「子供の情景」作品15に関する演奏解釈
3.分析
第1曲:異国から
(a)-(b)-(a′)の3部形式。
全体として、 (L.H.)の3連音符が最後まで持続してい
るため、統一性があり、穏やかで、組曲の序としてふさ
わしい感じの曲である。
(グルーピング)
(a) (1小節)
(R.H.) 1小節単位で、 4分音符2つのグループ
とスキップのリズムと4分音符のグループに分け
られる。重点は1拍目で× (高低)。
1. 3. 5小節のグループでは、 2拍E]に跳躍
させるために、 1拍日にウエイトがかかる。
2. 4. 6小節のグループでは、リズムのエネ
ルギーと昔の高さから推察して、重点は1拍目×
(高低)0
7-8小節も、 1. 3.-5小節のグル-プと同
様に考えられる。
(L.H.) 1拍ずつ3達音符で1グループを形成し
ている。 (R.H.)とは異なり、重音ではじまり
(○)、 1オクターブ上に跳躍するために、 1拍目
に×のウエイトもかかる。さらに、 Bass音の8
分音符に注目すると、 △のウエイトも含まれてい
る。
(b) (9 -14小節)
くR.H.) 9-12小節では、 1小節ずつ1グループ
を形成。
(a)の重点と異なる点は、同じ4分音符2つで
形成されているグループであるが、重昔になって
いることがわかる。したがって、 ○のウエイトが
かかる。
14小節は、
(1)スキップのリズム1拍を1グループとする
と、 1拍日に重点△×がかかる。
(2) 1小節を1グループと考えると、 1拍目に
×の重点がかかる。
という2つの考え方ができる。しかし、どちら
も間違いではなく、演奏解釈を進める上で問題は
an
くL.H.) (L.H.)を2声と考えてみると、
(1)内声の3達音符を1グループとする(重点
の考え方は前述通り)0
(2) Bassのメロディ-は、 (a)の(R〕H.)の重
点と同様に考える。
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(フレージング)
(a) 1-2、 3-4小節は全く同型であり、 (R.H.)
は2グル-プ、 (L.H.)は4グループが1フレー
ズをっくっている。このフレーズの中心は、
(R.H.)は2小節目1拍目であり、 (L.H.)は1
小節2拍目の借用和音である。
総合的に考えて、 (R.H.)のメロディーの流れ
にしたがって、 (LH.)は、 (R.H.)のフレ-ズ
の中心にもっていくための助けとなっている。
奏する時には、 fis音に向かってcresc.する。そ
の時、 (L.H.)の2拍日の3連音符がぬけないよ
うに気をっけ、 (R.H.)の下行形に伴い、 (L.H.)
も共にdimする.
しかし、組曲の第1曲ということも考慮に入れ、
はじめから、あまりディナミ-クをっけすぎない
ようにすると良い。
とくに、内声はひかえる。外声と内声の音量差
は(彰>②>(参とする。
1-2、 3-4小節は同音同型のフレーズであ
るが、まったく同じ音量での演奏は単調になるの
で、たとえば、 3-4小節は音量をひかえ次フレー
ズが効果的に奏せるように考える。
(1)>(2)
※
5-8小節は、カデンツァの完結により1フレー
ズとする。
(I-IV-V-I-T-S-D-T)
前の2つのフレーズと比較してみると、
(R.H.) 6小節1拍目は、 fis音ではなくe音に、
(L.H.) 5小節2拍日は、 cis音ではなくh音に下
行している。つまり、 (R.H.) 6小節1拍目のe
音は、直前のg音のエネルギーが減少しているか
らなのである。また和音も、 1小節2拍目の借用
和音が、 6小節目ではI6に変化し、緊張度も低
い。
したがって、 1-2小節より5-6小節のはう
が盛り上がりは小さい。
5-8小節のフレーズの中心は、 (L.H.)の内
声の掛留と和音V, (D)から、 7小節1拍目と
考えられる。
(a)を奏する時には、以上のようなことを考慮し、
3フレーズ日の音量は前1、 2フレーズよりも出
しすぎないようにすると良い。
b 9-10、 ll-12小節は和音の完結により、ほぼ同
型の2フレーズと考えられる。
(L.H.) Bassのメロディーの完全5度下行のエ
ネルギーが大きいため、完全4度の封峰が起こり、
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さらに、スキップのリズムを発生させている。
13-14小節も前フレーズのリズム型から考えて、
1フレーズとみてとれる.このフレーズは、
(L.H.)の跳躍が見られない。これは、前の2つ
のフレーズのエネルギーの勢いのなごりの形で、
(b)の末尾となっている。
各フレーズの中心は、 10. 12小節の1拍日であ
り、とくに9.11小節2拍目の(R.H.)ち(L.H.)
の3連音符もぬけぬようにもっていくと良い。
(b)では、転調していることに注目する。そして、
(a)の(R.H.)のメロディーラインが、 (L.H.)に
移っていることも考慮し、 (a)よりは太めの音で、
かなりたっぷりした音量で奏することが、曲の雰
囲気を一転させるのに効果的である。
また、 2フレーズ目は、 1フレ-ズ目を3度下
行した同型であり、 G durへ戻しているので音量
は(彰>②である.
3フレーズ目では、 (R.H.)のメロディーがさ
らに3度下行したところより始まり、 (L.H.)は
順次下行形から考えて、もっと音量をひかえるべ
きである。
したがって、 ①>②>③となる。
14小節の(R.H.)のスキップのリズムは、前
5小節間の勢いの余りから起こったと同時に、再
現部の(R.H.)のメロディーの暗示でもある。
スキップのリズムとは言え、その力も衰えている
ので、 dim.,rit.していく。
(a′ )に入ると、前に進んでいく演奏はさけ、
あっさりと奏する。
とくに、 21-22小節は、曲全体のエネルギーが
消滅するように、 7-8小節のdim.より多く、
また、 nt.をたっぷりかけると良い。
子供の情景
I_異国カ、らR.シューマン
Op.15
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シューマンの「子供の情景」作品15に関する演奏解釈
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第2曲:珍しいお話
(グルーピング)
(a) (1小節)
(R.H.) (L.H.)のリズムに注目すると、 J i
で1グループを形成している。このは
と同じエネルギーであると考えられる。
6小節3拍~7小節2拍までのグループは、
(R.H.)の1小節3拍~2小節2拍目までと、 5
小節3拍~6小節2拍までは、 」はのグループ
の変形である。
7小節3拍~8小節のグループは、倍音のエネ
ルギーが大きいため、 」 Ijの形に治まりきらず、
掛留のニュアンスが強く、 」」となっている。
また、 (R.H.)と(L.H.)のメロディーがユニ
ゾンになっている。
(b) (-12小節)
(a)のグルーピングの」 l」と同様に考えることがで
きる。
(a′ ) (-20小節)
(a) (b)と同様に考えられる。
とくに、 17-20小節のグループの第1音は、筒
音になっていることに注目する。
(フレージング)
(a)カデンツァの完結、また、最高音がそれぞれ4拍
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目に表れているという一致点から、 2グループが
1フレーズと考えられる。
さらに、 2フレーズずっで、前半・後半を形成
している。
最初のフレーズの(R.H,)装飾音符は、アフ
タクトのIの和音のエネルギーの勢いから発生し
たものである。
したがって、けっして装飾音を強張せず、アフ
タクトの和音をしっかり奏した残りの力で、軽く
奏する。さらに、装飾された8分音符をスタッカー
トすると、一層軽快なリズムになる。
1拍目裏の16分音符の刺しゅう音は、装飾音の
勢いがあまり発生し、そのグループ全体のエネル
ギーが、最高音のh音-と跳躍させている。その
時、 1小節3拍~2小節2泊の(L.H.)のリズ
ムは、このフレーズ前半の勢いが治まらず、発生
している。
次のフレーズの抑揚も、考え方は全く同様であ
るが、前フレーズのエネルギーを受け、 a音-d
音に跳躍してはじまり、下行形で蓄わえられた力
が、最高音g音まで7度跳躍させている。
したがって、奏する時には、前フレーズより全
体的に音量を増した抑揚をっけると良い。
2小節3拍~3小節2泊までの下行形は、とく
にぬけないよう、しっかりcresc.してg音へもっ
ていく。
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3フレーズ目は、 1フレーズ目と全く同音同型
であるが、 2フレーズ目の勢いが大きいため、最
初に戻るという感じではなく、一度、 2フレーズ
目のエネルギーを治め、さらに、 4フレーズ目に
もっていく気持ちで奏すると良い。
4フレーズ目は、倍音(a)の最高音も表れ、
(R〕H.) (L.H.)もユニゾンで上行していること
により、 (a)のクライマックスのフレーズと考えら
れる。とくに、 7小節3拍目の倍音から8小節に
かけては、掛留的ニュアンスが強い。
したがって、 7小節の上行形はしっかりcresc.香
かけ、最後の8小節2拍で治めれば良い。 (a)のフ
レーズの強弱は、 ①>②>(診>④の音量にすると
効果的である。
(b)フレーズの分け方、考え方は、 (a)と同様であり、
2フレーズに分けられる。
(R.H.) (L.H.)のユニゾンが終始見られるこ
とにより、片手のみより、メロディーのエネルギー
は倍加している。
特徴としては、倍音の出現が多い-10小節
のフレーズでは、 9小節3拍目に両手に表れてい
る。これは、前6つの8分音符の勢いがすぐに
fis音に治まりきれず、 g音の倍音を生み出してい
る。
また、この部分の骨組みとなるメロディーを考
えると、」(e)上白g)」 (fis) 」(e)のようにな
る。これを色づけすると、譜面のようになるが、
10小節1-2拍の(L.H.)は、それまでの勢い
のなごりが8分音符の下行形に表れている。
次のフレーズは、前フレーズのエネルギーが大
きいため、下行形で治まりつつあるものの、倍音
がしばしば発生し、掛留的ニュアンスが強い。
したがって、譜面には抑揚としてつけているが、
奏する時には、前フレーズはかなりしっかりどの
音も奏する。次フレーズは、全体的に音量を抑え
て、最後の8分音符3つ(12小節のfis-e-d)
で、 dim.だけではなく、かなり、 rit.すると再現
部に入り易い。
(a′ ) 12小節3拍目は(a)の最初と異なり、 (R.H.)
に刺しゅう音、 (L.H.)に経過音が発生している。
これは、 (b)の末尾の勢いがなかなか治まりきれ
ない残りのエネルギーから発生したものである。
Fi
したがって、 (a)の最初のIの和音のようにしっ
りと入ることはできない。ゆえに、 PPで軽く
し、 13小節1拍目に入ってからin tempoに戻
と良い。
(a′ )の前半は全体的に音量をひかえる。
16小節3拍からのフレーズは、 (a)のそれとは
異なり、和声も最後まで完結せず、音型もひたす
ら上行し、その上行のエネル幸一が減少しないよ
うに、 17小節3拍目にスキップのリズムで、勢い
をっけている。
さらにその後も上行し続け、 19-20小節の倍音
によるエネルギーの増加から、 2フレーズではな
く、 1フレーズと見てとれる.
したがって、 (R.H.) (L.H.)のユニゾンによ
メロディーをしっかり奏して、 19小節までcres
していく。
20小節は両手共に掛留となっているので、それ
での上行形のcresc.を治めるには、 nt.せざる
得ない。具体的には、 20小節1拍目を少し長め
延ばし、 2拍目でぬくと良い。
シューマンの「子供の情景」作品15に関する演奏解釈
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