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1 コア・クリニカル・クラークシップ SYLLABUS 2020年度 大阪医科大学
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Aug 11, 2020

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コア・クリニカル・クラークシップ

SYLLABUS

2020年度

大阪医科大学

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コア・クリニカル・クラークシップ

SYLLABUS

   2020年度

医学教育センター

寺﨑 文生

大阪医科大学

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Core Clinical Clerkship

目 次

1. コア・クリニカル・クラークシップを始めるにあたって…………………………… 1

2. コア・クリニカル・クラークシップ実習心得………………………………………… 3

3. 医学生の臨床実習において、一定条件下で許容される基本的医行為……………… 6

4. 実習中の感染予防とその対策…………………………………………………………… 7

5. 実習中の針刺し・切創・血液・体液汚染事故における対処………………………… 8

6. 学事予定表………………………………………………………………………………… 9

7. コア・クリニカル・クラークシップ班別表・ローテーション表…………………… 10

8. 初日集合場所一覧表……………………………………………………………………… 12

9. コア・クリニカル・クラークシップ自己評価(eポートフォリオ)……………… 13

10. コア・クリニカル・クラークシップに対する学生の評価(eポートフォリオ)… 14

11. Significant Event Analysis<SEA>(eポートフォリオ)…………………………… 15

12. コア・クリニカル・クラークシップにおけるパフォーマンス評価………………… 16

13. コア・クリニカル・クラークシップ要領

消化器コース…………………………………………………………………………… 26

循環器コース…………………………………………………………………………… 38

神経コース……………………………………………………………………………… 44

運動器コース…………………………………………………………………………… 54

精神科コース…………………………………………………………………………… 62

小児コース……………………………………………………………………………… 67

産婦人科コース………………………………………………………………………… 86

呼吸器・血液・腫瘍コース……………………………………………………………… 94

総合コース……………………………………………………………………………… 107

耳鼻・口腔コース……………………………………………………………………… 128

眼科・代謝内分泌コース……………………………………………………………… 135

腎・泌尿器コース……………………………………………………………………… 141

皮膚・形成コース……………………………………………………………………… 149

14. 建学の精神……………………………………………………………………………… 156

15. 3つのポリシー…………………………………………………………………………… 157

16. カリキュラムマップ……………………………………………………………………… 160

17. コンピテンス&コンピテンシー………………………………………………………… 161

18. 学則別表1………………………………………………………………………………… 162

19. 授業科目履修認定方法および学習の評価・進級・卒業に関する規則……………… 164

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コア・クリニカル・クラークシップを始めるにあたって

医学教育センター長 寺﨑 文生

「クリニカル・クラークシップ」とは、学生が主体となり患者との関わり合いの中から

臨床医学を学ぶ「診療参加型」の臨床実習方式である。2012年の発表された世界医学教

育連盟(WFME)グローバルスタンダードによれば、教育期間の約 3分の 1、概ね 2年間が

要求されている。実習期間で言えば約 70週間である。本学の新カリキュラムではコア・

クリニカル・クラークシップ 44週、アドバンスト・クリニカル・クラークシップ 22週の

計 66週を設けている。

臨床実習の大幅増は社会のニーズでもある。患者の目線からすると、医師が十分な知識

を有していることは大前提として、確実な技能、さらにはコミュニケーション能力に優れ、

豊かな人間性と優しさを求めている。医師の評価について医師自身と患者で対比したとき、

知識や技能以外の部分はおそらく患者の方がより重視している。臨床医学、医療が対人間

であるのだから当然の結論である。本学の掲げたコンピテンスには、臨床能力や医学知識

とともに多職種連携・コミュニケーション、倫理とプロフェッショナリズムを挙げている。

特に後者は是非クリニカル・クラークシップで身につけてもらいたい事項である。一方、

クリニカル・クラークシップにおいて医学科学的知識を軽視しているわけではない。CBT

のクリアが知識をすべて担保するものではない。臨床医学、実地医療に要求される知識に

限りはない。コア・クリニカル・クラークシップは基本的にコース別になっているが、各

科のいわゆる「-ology」を軽視していない。長い歴史のなかで成立したそれぞれの膨大な

学問体系が無視されてよいはずがない。

コア・クリニカル・クラークシップの学習は、自学自習が基本である。これまでの教育

のなかで active learning がいくつか取り入れられているものの、臨床実習は自学自習

そのものである。症例や患者自身から学んだことをいかに消化できるかが勝負である。そ

れらで得たものは、医師として一生の宝物になるであろうし、今後医師として生きていく

なかのコアな部分を形成するであろう。

コア・クリニカル・クラークシップに続いて、アドバンスト・クリニカル・クラークシ

ップ、国家試験の合格を経て、初期臨床研修、さらには専門医研修とつながっていく。国

家試験という関門があるものの、これらは医学・医師教育において一貫したものでなくて

はならない。したがって卒前教育は、卒業時に「少しできる」ミニ医師の育成を目指すも

のではない。しかし、実際的に患者と接する第一歩であるコア・クリニカル・クラークシ

ップは、将来臨床家を目指す学生諸君にとって極めて重要になるであろう。

実習中は特に安全対策を万全にしてもらいたい。感染症の患者、針刺し事故等病院には

危険に満ちている。また諸君の態度、服装などについても注意が必要である。実習の心得

を遵守し、実り多いクリニカル・クラークシップになることを切望する。

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コア・クリニカル・クラークシップ

一般目標

学生は医療チームの一員として診療に参加することで臨床能力を高め、将来臨床医とし

て必要な基本的な知識、技能、態度を習得する。

到達目標

1) 担当患者と良好な人間関係を保ち、適切な医療面接により診断、治療に必要な情報

を聴取できる。

2) 身体所見を正しくとり、カルテに記載できる。

3) 必要な検査を選択して結果を解釈し、診断へのプロセスを組み立てることができる。

4) 診断から治療計画を組み立てることができる。

5) 鑑別疾患を列挙できる。

6) 患者の有する精神的・社会的問題点を整理できる。

7) 症例検討会等で担当患者についてのプレゼンテーションができる。

8) 許可された医行為を実施できる。

9) チーム医療に寄与できる。

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コア・クリニカル・クラークシップ実習心得

この心得は本学学生が本学附属病院等で実習を行うにあたり、遵守すべき一般的事項を

定めたものである。

本学の理念と病院の理念

本学は教育において「高い知性・知識と社会に対する積極的な対応」を、附属病院は

「社会のニーズに応える安全で質の高い医療を皆様に提供するとともに良識ある人間性豊

かな医療人の育成」をそれぞれの理念としている。コア・クリニカル・クラークシップは、

上記の理念に到達するために設定されたカリキュラムである。

附属病院ではこの理念の下で医師・看護師・薬剤師、技術員、事務職員等がチームワー

クを組み、安全で質の高い医療を患者さんに提供している。学生は病院内の教職員の指示

や注意に従い、附属病院の運営を阻害するようなことがあってはならない。

注意事項等

1. 集合時間及び集合場所

各コースで定められた時間・場所に集合する。場所は前もって確認しておき、時間を

厳守する。予定表は各コース別に記載の通りであるが変更がある場合は指導医から伝達

される。やむを得ず遅刻又は欠席をする場合は指導医に連絡する。

2. 服装・身だしなみ

不適当と認められた場合は実習を受けられない場合がある。

1) 服装は清潔にして患者さんに不快感を与えないように心掛ける。

2) 清潔な服・白衣を着用する。

3) 清潔な靴を履く。

・実習を受けるのに適した動きやすく清潔なものにすること。

・スリッパ、サンダル、クロックスタイプの履物認めない。

4) 所定の名札をつける。

5) ケイシータイプ以外の通常の白衣を着る時はネクタイを着用する。

・夏季(クールビズ期間)はこの限りでない。

・但し、白衣の下には、襟付きのシャツを着用すること。

・Tシャツの着用は認めない。

6) 白衣の前ボタンはしめる。ボタンをはずして白衣をなびかせて歩かない。

7) その他の服装については、必ず指導医の指示に従う。

8) 手術室においては備え付けの学生用手術衣を着用する。

また手術室に入る際は清潔な靴をはくこと。

9) 頭髪はなるべく短くきれいに整髪する。

派手な色や髪型は避け、爪と共に常に手入れをしておく。

10) ひげは剃ること。

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3. 言葉遣い

1) 患者さんへは勿論のこと、他職種の職員に対しても丁寧な言葉を使う。

2) 患者さんは名前で呼ぶ。

おじいちゃん、おばあちゃんなどと呼んではいけない。

3) ポケットに手を突っ込んだまま話をしない。

4. 患者さんとの対応

1) 患者さんには誠意と親しみを持って対応する。

2) 患者さんから診断名、病状、検査結果、治療方針等について質問された時は、直

ちに返答しないで指導医の指示に従う。

5. 守秘義務

1) 患者さん個人及び病気に関する情報を他に漏らしてはいけない。

2) 個人情報保護に留意し、これに関する附属病院の規程を遵守する。

6. 診療録・医療用器具等の取扱い

診療録、指示書、その他の書類、画像、診療用器械器具、薬品などをカンファレンス

以外に所定の場所から持ち出してはならない。またそれらを撮影してはいけない。

7. 評価表及び出欠表

1) 出欠表には毎日担当指導医の検印又はサインをもらい、コース終了後の翌週初め

に教育センターヘ提出する。

2) 各コースの実習毎にコア・クリニカルクラークシップに対する学生の評価、自己

評価、SEA をeポートフォリオにて入力して、最終週の週末までに教育センターヘ

提出する。

3) コア・クリニカルクラークシップは実習であり、全てに出席しなければならない。

病気等で出席できない場合は、規程の様式に従って教育センターに提出する。

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医学生の服装について

本学附属病院における医師の服装は以下のように定められています。清潔感を与える服装に心がけてくださ

い。【学生はこれに準ずること】

清潔感を与える服装【男性】

ヘアスタイル 髪の色は黒に近い色(他人が見て自然な色) 髪は清潔に保つ 長い髪は避ける 整髪料は無臭のもの

爪 短く切り清潔にする

アクセサリー 身に付けない 結婚指輪は可、ピアスは不可 時計は目立つものを使用しない(大きさ・色・形・厚み)

名札 必ず着用 ぶら下げずに左胸に固定 不要なシール・アクセサリーをつけない 名札のストラップは首に掛ける

ユニフォーム 規定のユニフォームを使用する 白衣を使用時は前ボタンを留める Yシャツは派手な色を避ける ケイシー着用時は、色・柄付のTシャツを避ける 清潔であること スラックス丈は床につかない ジーンズは不可

ポケット 多くのものを詰め込まない

靴下 派手な色、柄物を避ける 素足は不可

靴 靴音がしないもの 清潔で活動的な靴 スリッパ、クロックスタイプ・サンダルは不可 派手な色のものは履かない つま先クローズの靴でバックベルトは禁止

その他 食堂では診察着を着用しない 手術着、検査着は手術室、検査室以外では着用しない 眼鏡は自然で顔になじむ物(おしゃれ眼鏡は禁止) 香水は不可 タバコの臭いは不可

清潔感を与える服装【女性】

ヘアスタイル 髪の色は黒に近い色(他人が見て自然な色) 髪は清潔に保つ 肩につく長さの髪は束ねてピンで留める 看護師の長い髪はまとめる 整髪料は無臭のもの

髪留め 黒、茶系で飾りがなく光らないもの 輪ゴムは黒か茶色

化粧 パール系は避けて、濃すぎない 口紅は自然で健康的に見える色 香水は不可。香りの強い化粧品は避ける

爪 短く切り清潔にする マニュキアは不可

アクセサリー 身に付けない 結婚指輪は可、ピアスは不可

時計は目立つものを使用しない(大きさ・色・形・厚

み)

名札 必ず着用 ぶら下げずに左胸に固定 不要なシール・アクセサリーをつけない 名札のストラップは首に掛ける

ユニフォーム 規定のユニフォームを使用する 白衣を使用時は前ボタンを留める ケイシー着用時は、色・柄付のTシャツを避ける 清潔であること スラックス丈はくるぶしまでとする ジーンズは不可

ポケット 多くのものを詰め込まない

靴下 派手な色、柄物を避ける ストッキングは肌色 ハイソックスは黒色(事務員) 素足は不可

靴 靴音がしないもの 清潔で活動的な靴 スリッパ、クロックスタイプ・サンダルは不可 ヒールや派手な色のものは不可 つま先クローズの靴でバックベルトは禁止

カーディガン 色は黒、紺、白 移動時のみ着用

その他 食堂では診察着を着用しない 手術着、検査着は手術室、検査室以外では着用しない 眼鏡は自然で顔になじむ物(おしゃれ眼鏡は禁止) タバコの臭いは不可

※診察や処置等の手指消毒が必要な場合は、指輪や腕時計は

はずしてください。

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実習中の感染予防とその対策

実習中、感染性疾患に感染する可能性が高いとともに、患者様に感染性疾患を伝播する

危険性も高い状況にあります。感染性疾患は自分自身や患者様にとって、時には致死的と

なることもあるため実習中は以下の注意事項を守ってください。

1. 自分自身の健康チェック

実習当日の朝、体調不良の場合は、教育センターに連絡の上、実習に参加する前に保

健管理室に連絡してください。また実習中に体調、気分不良となった場合は、指導医に

報告し、保健管理室に来てください。普段から自分自身の健康管理に注意してください。

低栄養の予防、過労防止、睡眠・休養の確保、生活リズムの維持、適切な水分補給を心

がけましょう。

2. ワクチン接種

4 種感染症(麻疹・風疹・流行性耳下腺炎・水痘)や B 型肝炎の抗体価が無い又は低

い場合はワクチン接種をしてください。接種後は速やかに保健管理室に書類を提出して

ください。接種確認ができない場合、臨床実習に出席できない場合があります。

3. 感染性の疾患に罹患した場合、疑わしい症状がある場合

学校保健安全法に定める疾患、他の感染性疾患に罹患した場合、あるいは疑わしい症

状がある場合は、学校を休み、直ちに保健管理室に電話で報告し指示を受けてください。

受診希望の場合でも、病院に直接来院せず、保健管理室に電話で相談してください。こ

の場合の欠席(出席停止)については、不利にならないよう配慮します。これらの疾患

の中には、成人が発症すると重症化することもありますので注意してください。

【学校保健安全法で定める感染症】

インフルエンザ、百日咳、麻疹、流行性耳下腺炎、風疹、水痘、咽頭結膜炎、結核、

腸管出血性大腸菌感染症、流行性角結膜炎、急性出血性結膜炎、感染性胃腸炎

4. 切創・針刺し事故・血液汚染事故が発生した場合

直ちに受傷部位、曝露部位を洗浄し、指導医、保健管理室に報告してください。その

血液、体液等に感染症がない場合も保健管理室に報告してください。(『実習中の針刺

し・切創・体液汚染事故における対処』を参照)

5. 手洗い、うがい、マスクの着用

1) 病棟内への出入り時、食事や作業の前後、外出後などは十分に手洗いとうがいを

しましょう。

2) 石鹸を使用し、両手に全ての面を最低 10秒間こすりあわせて、流水の下で洗い

流します。大学病院内では易感染者が多いので、その周辺のものに接触する場合は、

その前後に手洗いを行いましょう。手拭はペーパータオルや温風乾燥機が望ましく、

タオルの共用は避けた方が良いでしょう。

3) マスクは気道粘膜の乾燥を防ぎ、直接飛沫による感染をある程度防ぐ効果があり

ます。咳症状など体調不良の場合は、マスクを着用して実習を行ってください。

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多くの患者様に接する機会の多い医療現場は、いかなる部門にかかわらず、血液・体液曝露のリスクにさ

らされている環境です。事故原因は個人の不注意・過失だけではありません。 実習中に事故が発生してしまった場合、直ちに以下の手順で対処して下さい。また、その血液・体液等に

感染症がないと判っていても、保健管理室に事故の旨を報告して下さい。

抗原抗体検査を行い自分の感染状況を知りワクチン接種をするなど、日頃から感染を防ぐ対策に努めましょう。

針刺し・切創・血液・体液汚染

事故発生

応急処置後、指導医、保健管理室に

発生状況、経過を適時報告する

応急処置

・針刺し・切創後は直ちに、流水により充分洗浄する

・目・鼻などの粘膜部分は、水または生理食塩水にて洗浄する

・口腔内は含嗽する

直ちに作業を中止・応急処置の

後病院事務部医事課で『針刺し

事故の診療録(労災カルテ)』作

成。2 時間以内に第 1回目の抗

HIV薬を服用、以後 1ヶ月の予

防内服で感染予防が可能。 ※「可能性」

例)HIV患者が入院している病棟で、誰に用いたか分からない針での事故

外来で定期的観察

0W、2W、4W(1M)、

12W(3M)、24W(6M)

病院事務部医事課で『針刺し事故の診

療録(労災カルテ)』作成

平日:総合診療科受診

16 時以降:翌日総合診療科受診(※感染源が

HBs抗原陽性で被汚染者の HBs 抗原、抗体が不

明、または陰性の場合は 48時間以内に受診す

る)

*所定の提出書類(①療養の給付請求書、②負傷届、

③エピネット)を病院事務部医事課で受け取り、

できるだけ詳しく記入。

①は、学生は提出不要、②は保健管理室、③は感染対

策室に提出する。(負傷年月日の一週間以内を厳守)

*汚染源の HBs 抗原、HCV抗体、肝機能が判れば、結

果またはコピーを診療時に提出。

*処置・治療は、原則として当事者のコストは不要

HBs抗原陽性患者

の汚染事故

HCV 抗体陽性患者

の汚染事故

HBs 抗原陰性・HCV 抗体

陰性患者の汚染事故

汚染源不明

の汚染事故

原則として、HBs

抗原陽性・HCV陽性

患者の汚染事故と

して扱うため、

外来で定期的観察

0W、2W、4W(1M)、

8W、12W、24W(6M)

外来で定期的観察

0W、2W、4W(1M)、

12W(3M)、24W(6M)

HIV 抗体陽性あるい

はその「可能性」が

高い場合は附属病院

の HIV マニュアルに

準じ対応

*被汚染者の HBs抗

原・抗体、肝機能検査

を実施

*被汚染者が HBs抗

原・抗体ともに陰性で

あれば、48時間以内

に高力値 HBs抗体含有

免疫グロブリン(HBIG)

を投与し、必要に応じ

て、HBワクチンを 0、

1、3ヶ月併用し HBV

感染を防ぐ

外来で定期的観察

0W、4W、12W(3M)

被汚染者の HCV 抗体

検査、肝機能検査を

実施

実習中の針刺し・切創・血液・体液汚染事故における対処

患者(汚染源)の感染性の評価

・患者の感染症に関する情報収集し、

HBs抗原、HCV抗体、HIV抗体の検査

結果を確認する。

・患者の感染情報が不明な時は担当医

に汚染源患者の採血検査を依頼し、その

結果で判断することとなる。

*HCV 汚染に対しては、特

異的な予防法がないため、

現状では事実を記録として

とどめ・経過観察を行う。

感染予防としてのインター

フェロンの有効性は確立し

ていないので一般には施行

しない。尚、感染が成立す

る可能性は極めて低率(約

1%)である。万一発症した

場合には、治療を考慮す

る。治癒率は高率である。

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2020年度 学事予定表

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2020年度 コア・クリニカル・クラークシップ班別表(案)

1

a

5

a

9

a

b

b

b

2

a

6

a

10

a

b

b

b

3

a

7

a

11

a

b

b

b

4

a

8

a

b

b

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2020年度 コア・クリニカル・クラークシップ ローテーション表(案)

週数 期間

4週間コース 2週間コース

消化器コース

循環器コース

神経コース

運動器コース

精神科コース

小児コース

産婦人科コース

呼吸器・血液・腫瘍コース

総合コース

耳鼻・口腔コース

眼科・代謝内分泌コース

腎・泌尿器コース

皮膚・形成コース

1.2w 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10a 10b 11a 11b

3.4w 1 2 3 4 5 6 7 8 9 11b 10a 10b 11a

5.6w 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11a 11b 1a 1b

7.8w 2 3 4 5 6 7 8 9 10 1b 11a 11b 1a

9.10w 3 4 5 6 7 8 9 10 11 1a 1b 2a 2b

11.12w 3 4 5 6 7 8 9 10 11 2b 1a 1b 2a

13.14w 4 5 6 7 8 9 10 11 1 2a 2b 3a 3b

15.16w 4 5 6 7 8 9 10 11 1 3b 2a 2b 3a

17.18w 5 6 7 8 9 10 11 1 2 3a 3b 4a 4b

19.20w 5 6 7 8 9 10 11 1 2 4b 3a 3b 4a

21.22w 6 7 8 9 10 11 1 2 3 4a 4b 5a 5b

23.24w 6 7 8 9 10 11 1 2 3 5b 4a 4b 5a

25.26w 7 8 9 10 11 1 2 3 4 5a 5b 6a 6b

27.28w 7 8 9 10 11 1 2 3 4 6b 5a 5b 6a

29.30w 8 9 10 11 1 2 3 4 5 6a 6b 7a 7b

31.32w 8 9 10 11 1 2 3 4 5 7b 6a 6b 7a

33.34w 9 10 11 1 2 3 4 5 6 7a 7b 8a 8b

35.36w 9 10 11 1 2 3 4 5 6 8b 7a 7b 8a

37.38w 10 11 1 2 3 4 5 6 7 8a 8b 9a 9b

39.40w 10 11 1 2 3 4 5 6 7 9b 8a 8b 9a

41.42w 11 1 2 3 4 5 6 7 8 9a 9b 10a 10b

43.44w 11 1 2 3 4 5 6 7 8 10b 9a 9b 10a

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2020度 コア・クリニカル・クラークシップ実習初日集合場所・時間一覧(案)

コース名 集合場所

消化器コース 医局(消化器内科、一般・消化器外科)、午前8時30分(時間厳守)

※月曜日が休日の場合は、火曜日午前7時50分に医局に集合。

循環器コース 76病棟カンファレンスルーム、午前8時30分

神経コース 脳神経外科医局(5号館5階)、午前9時

運動器コース 整形外科医局(6号館2階)、午前9時

精神科コース 精神神経科医局内・集団精神療法室、午前8時30分

小児コース

第5会議室(2号館6階)、午前8時00分

※月曜が休日の場合は、火曜日7時30分(2号館4階第11会議室)

7月~9月および1月については、集合時刻は変更になるため、

事前に小児科医局(内線2356)に問い合わせること。

産婦人科コース 第6会議室(6号館3階)、午前8時

呼吸器・血液・腫瘍コース 77病棟カンファレンス室(7号館7階)、午前9時

総合コース 放射線科カンファレンスルーム(6号館地下)、午前9時

耳鼻・口腔コース 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学医局(総合研究棟8階)、午前8時30分

眼科・代謝内分泌コース 78病棟カンファレンスルーム、午前8時30分

腎・泌尿器コース 腎泌尿器外科:56病棟ナースステーション前、午前8時45分

腎臓内科 :78病棟ナースステーション前、午前7時45分

皮膚・形成コース 79病棟会議室、午前8時30分

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2020年度 コア・クリニカル・クラークシップ レポート

評価の一部となりますので各自入力するように。

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クリニカルクラークシップにおけるパフォーマンス評価

学生は、医学的知識を単に「知っている」だけではなく、その知識をもとに医師として

必要な技能が「できる」ようになる必要があります。知識は、筆記試験で評価することが

出来ますが技能は評価できません。この知識や技能を用いて「できる」ことの評価が、

「パフォーマンス評価」です。

「パフォーマンス評価」とは、「ある特定の状況下で、様々な知識や枝能などを用いて

行われる人の振る舞いを、直接的に評価する方法」です。クリニカルクラークシップでは

医療現場での観察評価すなわち Workplace-based Assessments(WPBA)がパフォーマンス

評価として用いられています。また、単に評価するだけに留まらず、学生にフィードバッ

クし成長を促す狙いもあります。

以下の3評価が評価表(別紙)を用いて行われます。

1) 症例検討評価 CbD(case-based discussion):回診、症例検討などで行う。

学生が担当している入院患者の報告を指導医に行い、指導医との間で議諭しその内容

が評価されます。最初に学生は、担当患者を指導医の前でプレゼンテーションを行います。

次に、指導医から、臨床評価、今後の検査、コンサルテーション、治療などの計画、プ

ロフェッショナリズム等について聞かれるので議論を行います。評価後にフィードバッ

クを受けます。

2) 手技観察評価 DOPS(direct observation of procedural skills):採血や手術などの

手技で行う。

実際の診療手技を学生が行うときに、指導医が評価します。

3) 短縮版臨床評価 Mini-CEX(mini-clinical evaluation exercise):病歴聴取や身体診

察時に行う。

学生が患者から病歴聴取や身体診察を行う際に、指導医が学生の行動を評価します。

具体的には、学生が指導医の前で臨床行為(病歴聴取、身体診察)を行い、指導医にそ

のサマリーを報告し、診断と治療方針を述べます。指導医の評価後にフィードバックを

受けます。

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実習担当者による学生評価の方法

【Case-based Discussion】

☛症例検討評価表 Case-based Discussion(CbD):学生が実際の担当症例のプレゼンテ

ーションを行い、指導医と討論を行なって,主に学生の臨床判断や臨床推論能力について

指導医が評価する。評価項目は下記。

1.カルテ記載

2.臨床アセスメント

3.検査、専門家との相談

4.治療の提示

5.今後のフォローの立案

6.プロフェッショナリズム

7.総合的な臨床判断

☛評価の基準

1.カルテ記載:カルテを、形式に従って記載している。記載すべき情報を記載している。

思考内容がわかる。他職種や患者を初めて診る医師にもわかりやすい内容。

カルテ記載は、各科の記載方法に従う。POS(Problem Oriented

System:問題指向型方式)に沿って、検査から診断、治療までの過程をカルテに

記載する方法を指導している科はそれに従う。プロブレムごとにどのような経過をたど

ったかを記録し、記載はSOAP形式で行っても良い。実際のカルテに記載させなくて

も可。

2.臨床アセスメント:妥当な鑑別診断を挙げている。十分な根拠に基づいて診断をつけ

ている。診断名と矛盾する情報を考察している。重症度や病型を評価している。

3.検査、専門家との相談:適切な検査計画を立てている。専門家と相談すべき点を挙げ

ている。

4.治療の提示:妥当な治療計画を立てている。治療の有益性がリスク・コストを上回る

かどうか意識している。治療効果判定方法を考えている。

5.今後のフォローの立案:診断・治療・教育プランを立てている。(入院中)退院に向

けてのゴールを考えている。(外来)適切な通院期間を指示している。異常があればど

うしたらいいか、患者に具体的に指示している。

6.プロフェショナリズム:患者を尊重した医療を行っている。患者に害を与えない、生

じた害を最小限にすることを第一にしている。

7.総合的な臨床判断:患者にとって最善と思われる行動をとり、計画を立てている。エ

ビデンスを踏まえ、論理的な判断をしている。

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☛評価方法

①学生に CbD評価をする日時を知らせる。

②学生の記載したカルテを見ながら、学生に患者のプレゼンをさせる。その後で、患者に

ついて CbD評価項目に基づき、ディスカッションする。

③CbD 用紙に評価を記入する。3点以下は学生が標準に達するような改善が必要であるこ

とを意味する。

④評価表に指導医と学生の氏名を書く。

⑤CbD結果は、評価表中に記載評価表中に記載し、医学教育センターに提出する。

【Direct Observation of Procedural Skills】

☛手技観察評価表 Direct Observation of Procedural Skills(DOPS):クリニカールク

ラークシップの手技技術評価のための簡単な評価表として使用されている。 DOPS では、

臨床的な設定(シミュレーション、ロールプレイ、SP に対して、あるいは入院病棟、外

来、当直、救急など)において、学生が採血などの手技を実施する様子を観察し評価する。

評価項目は下記。

1.適応、解剖、手技の理解を理解している

2.インフォームドコンセントを取る(理解している)

3.技術的能力

4.清潔手技

5.安全への配慮

6.手技後の管理

7.コミュニケーションスキル

8.プロフェッショナリズム(患者の尊重)

9.全体としての手技を行う能力

☛評価の基準

1.適応、解剖、手技の理解:その手技が今必要な理由を説明できる。行為の概要を説明

できる。起こりうる合併症とその予防法・対処法を説明できる。

2.インフォームドコンセント:(必要なら)患者への自己紹介をしている。患者にこれ

から何をするかを分かり易く説明している。合併症とその対策について、患者を過度に

不安がらせないように説明している。

3.技術的能力:手技実施部位(穿刺・切開部位)を正確に決めている。正確かつ適切な

速さで施行できる。うまく行かない場合に、その理由を推測した上で試行錯誤している。

合併症が起こった場合に、速やかに必要な対処をしている。

4.清潔手技:スタンダードプリコーション、CDC ガイドライン、院内ガイドラインに則

った感染予防・消毒をしている。清潔なものを清潔なまま保持している。不潔にならな

いように注意している。万一不潔にしてしまった場合にすぐ気付き、不潔なものとして

適切に扱っている。

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5.医療安全に十分に配慮している。

6.手技後のマネジメント:止血など事後の確認をしている。針・不潔物品の片づけを適

切に行っている。採取検体検査オーダーを正しく速やかに出している。カルテに記載す

べきことを記載している。手技が不成功に終わったときに適切に対処している。

7.コミュニケーションスキル:準備時、開始時、終了時など要所で患者に声をかけてい

る。家族が付き添う場合、家族の心配に配慮した声かけをしている。スタッフが行動し

やすいように声をかけている。

8.プロフェッショナリズム:成功・不成功よりも、患者に害を与えない、生じた害を最

小限にすることを第一にした行動をとっている。患者が苦痛や不安や羞恥心を感じてい

ないか注意している。

9.全体として手技を行う能力:安全性(失敗・合併症の対策)、正確性、患者への配慮、

スタッフへの配慮、失敗したときの原因自己分析。

☛評価方法

①手技を実施する前に、手技の手順や起こりうる合併症とその予防法・対処法について、

学生とディスカッションする。学生の予習が不十分であれば、学生の施行を中止して見

学だけにする。

②手技の手順や学生が手技を実施する状態を直接観察する。

③DOPS 用紙に評価を記入する。3点以下は学生が標準に達するような改善が必要である

ことを意味する。

④できるだけ間を置かずに、印象が残っているうちに、手技について学生に直接フィード

バックをする。“ダメ出し”だけではなく、良かった点も挙げる。

⑤評価表に指導医と学生の氏名を書く。

⑥DOPS結果は、評価表中に記載し、医学教育センターに提出する。

例.血圧測定(聴診法)

①適応、解剖、手技を理解していること

②インフォームドコンセントを取る

これから血圧を測定する旨を告げ、リラックスしてもらう。

③適切な準備を行うことができる

血圧計を使用できる状態にセットする。マンシェットの大きさが適切であることを確認

する。

④適切な鎮静ができる

⑤技術的能力

枕や支持台を利用して上腕の位置が心臓の高さとなるように調節する(座位のみ)。十

分に上腕を露出する。肘が曲がらないようにする。(特に座位のときに注意)聴診器の

イヤピースを外耳道の方向にあわせて装着し、チェストピースを適切に把持する。聴診

器を肘窩の上腕動脈の上に置く。(膜型でもベル型でもよい)触診法で決定した収縮期

血圧から 20-30mmHg 上までカフ圧を速やかに上げる。その後、1 秒間に 2mmHg ずつカ

フ圧を下げる。Korotkoff 音が聞こえ始めた値を収縮期血圧とする。Korotkoff 音が聞

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こえ始めても、同じスピードでカフ圧を下げる。Korotkoff 音が聞こえなくなった値を

拡張期血圧とする。ただし、Korotkoff 音が聞こえなくなっても 10mmHg はゆっくりカ

フ圧を下げ、再度聞こえることがないのを確認する。(聴診間隙の確認)それ以後は急

速にカフ圧を下げる。30 秒おいてもう 1 回測定し、2 回の平均値をとって血圧とする。

同様に反対側の血圧を測定する。(初診では必ず両側で測定する)血圧値を正しく述べ

る。(単位 mmHg をつけて、収縮期血圧/拡張期血圧の順に述べる)

⑥清潔手技

⑦適切なときに援助を求めることができる

⑧手技後のマネジメント

必要ならば血圧の値を患者に伝える。次の予定を伝える。

⑨コミュニケーションスキル

全体を通して

⑩プロジェッショナリズム(患者の尊重)

全体を通して

⑪全体としての手技を行う能力

例.静脈採血(真空採血の場合)

①適応、解剖、手技を理解していること

②インフォームドコンセントを取る

患者さんに名前を確認する。採血に関して説明して同意を得る。アルコール過敏症を尋

ねる(過敏性があれば、他の消毒薬を考慮する)。以前に採血等で気分が悪くなった事

がないかなど迷走神経反射の既往を尋ねる。

③適切な準備を行うことができる

採血器具(注射器、注射針、駆血帯、アルコール綿花、採血菅、止血パッド、採血枕な

ど)を用意する。患者氏名と採血管ラベルを照合する。

④適切な鎮静ができる

⑤技術的能力

手袋を左右の手に着用する。シリンジ採血の場合:シリンジと採血針をセットする。同

意を得た方の腕の採血部の中枢側に適切に駆血帯を巻く。穿刺部位を指で触って静脈の

走行を確かめて穿刺予定部位を決める。適切に皮膚消毒する(消毒薬の乾燥を待つ)。

駆血帯を巻いてから速やかに採血にうつる。穿刺直前に採血針のキャップをはずす。穿

刺ポイントの手前の皮膚を少し引っ張る。穿刺針を適切に静脈に穿刺する。シリンジ採

血の場合:採血中、シリンジを穿刺した手でしっかり保持する。シリンジ採血の場合:

シリンジ内への血液の逆流を確かめる。血液の流入がある間、針先をさらに押し込まな

いようにする。シリンジ採血の場合:目的の採血量を引けたら、駆血帯を外して針を抜

き、アルコール綿などで押さえる。針を抜く前に駆血帯を外す。針を抜き、アルコール

綿などで押さえる。採血後、刺入部位を揉まずに軽く圧迫するように患者さんに説明す

る。シリンジ採血の場合:適切に採血管に注入する。針をシャープス・コンテナなどの

容器に廃棄する。消毒に使用したアルコール綿や手袋などを感染性廃棄物として処理す

る。患者さんに止血パッドを渡す。

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⑥清潔手技

消毒が終了した後に穿刺予定部位に触らない。注射針や採血器具の清潔を保つ。

⑦適切なときに援助を求めることができる

⑧手技後のマネジメント

気分不良などの有無を尋ねる。採血部位を圧迫する時間や止血パッドの使い方を説明す

る。異常のあるときは知らせるように伝える。

⑨コミュニケーションスキル

全体を通して

⑩プロフェッショナリズム(患者の尊重)

全体を通して

⑪全体としての手技を行う能力

【Mini-Clinical Evaluation Exercise】

☛短縮版臨床評価表 Mini-CEX:現場の診療またはそれを模した診療の場(入院病棟、外

来、当直、救急、シミュレーション、ロールプレイ、SP など)で,患者と接する一場面

の中で学生が患者と関わる様子を 15~20 分間観察し、診察技能を指導医師に評価しても

らう。主にコミュニケーションスキルや態度などについてのコメントをもらう。評価項目

は下記。

1.病歴

2.身体診察

3.コミュニケーション能力

4.臨床判断

5.プロフェッショナリズム(患者の尊重、自己の限界や法的問題への気づき)

6.マネジメント、治療の提示

7.総合(時間がかかりすぎていないか、このケースを単独で診察できるか)

☛評価の基準

1.医療面接:現病歴で聞くべきこと(症状の部位・性状・程度・経過・状況・増悪寛解

因子・随伴症状・患者の対応)を聞いている。最小限聞くべき他の項目(既往歴・アレ

ルギー・内服薬・女性の月経と妊娠)を聞いている。状況が許せば聞くべき他の項目

(生活状況・家族状況・嗜好など)を聞いている。正確で十分な情報を得ている。

2.身体診察:どんな状況でも取ることが望ましい項目をチェックしている。鑑別診断を

立てるために取るべき項目をチェックしている。患者に何をするかを説明し、不快感や

遠慮に配慮している。

3.コミュニケーション:患者が話しやすいように話を聞いている。視線や表情や姿勢な

どの非言語コミュニケーションで不快感を与えていない。患者の解釈モデルや心理社会

面についても情報を引き出している。患者の理解度を確認している。

4.臨床判断:診断的検査を適切に選択し、指示・実施している。患者にとっての利益と

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コスト・リスクを考慮している。可能性の高い疾患、見落としてはいけない疾患を考え

ている。

5.プロフェッショナリズム:患者に対して敬意、思いやり、共感を示し、信頼関係を形

成している。患者の不快感、遠慮、守秘義務、個人情報につき注意を払っている。自分

にできないことを適切に他のスタッフに相談している。

6.マネジメント:適切な治療方法を選んでいる。アセスメントとプランを患者が納得い

くように説明している。患者が何に注意したらいいか、次にどういう行動をとったらい

いか(次回受診日など)を説明している。

7.総合:優先順序を適切につけている。タイミングがよい。無駄が少なく迅速である。

患者も評価者も納得でき、有効な判断をしている。観察者がいなくてもこの患者を一人

で診察できる。

☛評価方法

①学生と患者のやりとりを直接観察する。診察室に同席するか、カーテンの影に隠れてい

るかは自由である。できるだけ学生と患者の両方の表情を観察する。学生から質問され

たとき、または学生が自分の判断で患者に説明したことに重大な誤りがあるときを除い

て、基本的には評価者は学生の診察に口を挟まない。

②Mini-CEX を記入して下さい。3点以下は学生が標準に達するような改善が必要である

ことを意味する。

③できるだけ間を置かずに、印象が残っているうちに、診察について学生に直接フィード

バックをする。“ダメ出し”だけではなく、良かった点も挙げる。

④評価表に指導医と学生の氏名を書く。

⑤Mini-CEX結果は評価表中に記載し、大医学教育センターに提出する。

【360 度評価 Multi-Source Feedback(MSF)】

☛自分の配置された職場にいる多職種(看護師・技師など)の多人数に評価をしてもらう。

具体的には、その部署の実習責任者に医者を含めて数人の多職種から評価者を選んでもら

って、学生には知らせないで評価していただくのが日本での文化にあっていると思われる。

患者との信頼関係やプロフェッショナルな関係を維持する、言語的コミュニケーション技

術、チームにおいて働く/同僚とともに働く、プロフェッショナリズム/連絡についてにつ

いて評価してもらう。さらに、学生の良かった行動や心配な行動についてコメント欄に記

載してもらう。具体的に例示してもらう。この評価は、教育センター長に集められますが

評価者がレポートに記載したなかで学生の行動が非常に問題があるとされた場合は、詳し

く尋ねることもある。学生へフィードバックする際には評価者の名前は公表されない。学

生の行動のたまたまの一つだけの出来事ではなく終始不安な点があれば記載してもらう。

結果は、評価表中、あるいは該当シートを医学教育センターに提出する。評価者が多数

で用意したシート数(3枚)を超える場合は、適時シートをコピーして増やしてください。

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出欠表カード

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消化器コース

1. コース名等

1) コース名 消化器コース

2) コース責任者 樋口 和秀(消化器内科)・内山 和久(一般・消化器・小児外科)

3) コース主任 福西 新弥(消化器内科)・林 道廣(一般・消化器・小児外科)

4) 指導教員

消化器内科

樋口 和秀、津田 泰宏、富永 和作、竹内 利寿、増田 大介、朝井 章、川上 研、井元 章、

柿本 一城、小倉 健、小嶋 融一、岡田 俊彦、静 貴生

一般・消化器・小児外科

内山 和久、林 道廣、奥田 準二、田中 慶太朗、廣川 文鋭、河合 英、富山 英紀、李 相雄、

朝隈 光弘、清水 徹之介、井上 善博、田代 圭太郎、山本 誠士、鱒渕 真介、革島 悟史

乳腺・内分泌外科

岩本 充彦、木村 光誠、藤岡 大也

2. 一般目標

1) 消化器系の正常構造と機能を理解し、主な消化器系疾患(小児を含む)の病因、病態生理、症候、診

断と治療を学ぶ。

2) 消化器疾患・乳腺疾患・小児外科疾患に関わる医療チームに参加し、医師としての基本的な知識・技

能・態度および思考法を習得する。

3) 乳腺の正常構造と機能を理解し、主な乳腺疾患の病因、病態生理、症候、診断と治療を学ぶ。

4) 外科治療の適応と実際、周術期管理を学ぶ。

3. 到達目標

1) 構造と機能

① 各消化器官の位置、形態と血管を図示できる。

② 腹膜と臓器の関係を説明できる。

③ 食道・胃・小腸・大腸の基本構造と部位による違いを説明できる。

④ 消化管運動の仕組みを説明できる。

⑤ 消化器官に対する自律神経の作用を説明できる。

⑥ 肝の構造と機能を説明できる。

⑦ 胃液の作用と分泌機序を説明できる。

⑧ 胆汁の作用と胆嚢収縮の調節機序を説明できる。

⑨ 膵外分泌系の構造と膵液の作用を説明できる。

⑩ 小腸における消化・吸収を説明できる。

⑪ 大腸における糞便形成と排便の仕組みを説明できる。

⑫ 主な消化管ホルモンの作用を説明できる。

⑬ 歯、舌、唾液腺の構造と機能を説明できる。(☛耳鼻・口腔コース参照)

⑭ 咀しゃくと嚥下の機構を説明できる。

⑮ 消化管の正常細菌叢の役割を説明できる。

⑯ 乳腺の正常構造、機能を説明できる。

2) 診断と検査の基本

到達目標

① 代表的な肝炎ウイルス検査の検査項目を列挙し、その意義を説明できる。

② 消化器関連の代表的な腫瘍マーカー(AFP、CEA、CA19-9)の意義を説明できる。

③ 消化器系疾患の画像検査を列挙し、検査から得られる情報を説明できる。

④ 消化器内視鏡検査から得られる情報を説明できる。

⑤ 生検と細胞診の意義と適応を説明できる。

3) 症候

【黄疸】

① 黄疸の原因と病態を説明できる。

② 黄疸患者の診断と治療の要点を説明できる。

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【腹痛】

① 腹痛の原因と病態(内臓痛・体性痛・関連痛)を説明できる。

② 腹痛患者の診断の要点を説明できる。

③ 急性腹症を概説できる。

④ 腹膜刺激症状(筋性防御・反跳痛・Blumberg 徴候)を説明できる。

【悪心・嘔吐】

① 悪心・嘔吐の原因と病態を説明できる。

② 悪心・嘔吐を訴える患者の診断の要点を説明できる。

【嚥下困難・障害】

① 嚥下困難・障害(嚥下痛を含む)の原因と病態を説明できる。

② 嚥下困難・障害(嚥下痛を含む)を訴える患者の診断の要点を説明できる。

【食思<欲>不振】

① 食思<欲>不振をきたす原因と病態を説明できる。

② 食思<欲>不振を訴える患者の診断の要点を説明できる。

【便秘・下痢(便通異常)】

① 便秘・下痢の原因と病態を説明できる。

② 便秘・下痢患者の診断の要点を説明できる。

【吐血・下血(消化管出血)】

① 吐血・下血の原因と病態を説明できる。

② 吐血・下血患者の診断の要点を列挙できる。

③ 吐血・下血患者の初期治療を概説できる。

④ 黒色便、血便を説明できる。

【腹部膨隆(腹水を含む)・腫瘤】

① 腹部膨隆(鼓腸・腹水を含む)・腫瘤の原因と病態を説明できる。

② 腹部膨隆(鼓腸・腹水を含む)・腫瘤のある患者の診断の要点を説明できる。

【肝腫大・脾腫】

① 肝腫大をきたす疾患を列挙し、その病態生理を説明できる。

② 脾腫をきたす疾患を列挙し、その病態生理を説明できる。

③ 肝腫大・脾腫のある患者における医療面接、診察と診断の要点を説明できる。

【腰背部痛】

① 腰背部痛の原因を列挙できる。

② 腰背部痛を訴える患者の診断の要点を説明できる。

【全身倦怠感】

① 全身倦怠感をきたす原因を列挙できる。

② 全身倦怠感を訴える患者の診断の要点を説明できる。

【発熱】

① 発熱の原因と病態生理を説明できる。

② 発熱患者の診断と治療の要点を説明できる。

【ショック】

① ショックの定義、原因と病態を説明できる。

② ショック患者の診断の要点を列挙できる。

③ ショックの治療を概説できる。

【上部消化管逆流症状】

① 胸やけ、呑酸、悪心、嘔吐の原因と病態生理を説明できる。

② 胸やけ、呑酸、悪心、嘔吐を訴える患者の診断と治療の要点を説明できる。

【乳腺腫瘤】

① 乳腺腫瘤を訴える患者の診断の要点を説明できる。

4) 疾患

【食道疾患】

① 食道癌の病理、肉眼分類と進行度分類を説明できる。

② 食道癌の症候、診断、治療と予後を説明できる。

③ 食道静脈瘤の病態生理、内視鏡分類と治療を説明できる。

☆胃静脈瘤を概説できる。

④ 胃食道逆流症[逆流性食道炎<GERD>]の病態生理、症候と診断を説明できる。

☆Barrett 上皮を概説できる。

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⑤ Mallory-Weiss(マロリー・ワイス)症候群を概説できる。

☆食道炎・食道潰瘍・食道アカラシア・食道破裂・穿孔・Boerhaave 症候群を概説できる。

【胃・十二指腸疾患】

① 胃癌の疫学、病理、症候、肉眼分類と進行度分類を説明できる。

② 胃癌の診断法を列挙し、所見とその意義を説明できる。

③ 胃癌の進行度に応じた治療を概説できる。

④ 消化性潰瘍の病因、症候、ステージ分類、診断と治療を説明できる。

⑤ Helicobacter pylori<ヘリコバクター・ピロリ>感染症の診断と治療を説明できる。

⑥ 胃ポリープの病理と肉眼分類を説明できる。

⑦ 急性胃粘膜病変の概念、診断と治療を説明できる。

⑧ 慢性胃炎を概説できる。

☆萎縮性胃炎を概説できる。

⑨ 胃切除後症候群の病態生理を説明できる。

☆ダンピング症候群を概説できる。

⑩ 肥厚性幽門狭窄症を概説できる。

☆胃巨大趨壁症・胃・十二指腸憩室を概説できる。

☆上腸間脈動脈性十二指腸閉塞症(上腸間膜動脈症候群)を概説できる。

☆機能性ディスペプシア(FD)を概説できる。

☆胃アニサキス症を概説できる。

☆胃腺腫を概説できる。

☆十二指腸乳頭部腫瘍を概説できる。

【小腸・大腸疾患】

① 大腸癌の病理と分類(肉眼、進行度、病期)を説明できる。

② 大腸癌の症候、診断と治療を説明できる。

☆直腸癌・肛門癌・肛門管癌を概説できる。

③ 大腸ポリープの分類、症候、診断と治療を説明できる。

☆大腸腺腫を概説できる。

④ 急性虫垂炎の症候、診断と治療を説明できる。

☆McBurney 圧痛点、Lanz圧痛点を概説できる。

⑤ 腸閉塞(イレウス)の病因、症候、診断と治療を説明できる。

⑥ 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・Crohn(クローン)病)の病態、症候、診断と治療を説明できる。

☆腸結核を概説できる。

☆消化管 Behcet を概説できる。

⑦ 痔核と痔瘻の病態、症候と診断を説明できる。

☆裂肛・肛門周囲膿瘍を概説できる。

☆直腸粘膜脱症候群、直腸脱を概説できる。

⑧ 過敏性腸症候群を概説できる。

☆吸収不良症候群を概説できる。

☆腸リンパ拡張症を概説できる。

⑨ 腸管憩室を概説できる。

☆Meckel 憩室・憩室炎、憩室出血を概説できる。

⑩ 薬剤性大腸炎を概説できる。

☆偽膜性腸炎、出血性腸炎を概説できる。

☆放射線性腸炎を概説できる。

☆非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)による粘膜障害を概説できる。

☆消化管アレルギー、好酸球性胃腸炎を概説できる。

⑪ 消化管ポリポーシスを概説できる。

☆家族性腺腫性ポリポーシス(FAP)、Turcot 症候群、Peutz-Jeghers 症候群、Gardner 症候群を

概説できる。

⑫ 大腸の主な先天性疾患(鎖肛、Hirschsprung (ヒルシュシュプルング)病)を概説できる。

⑬ 腸重積症を概説できる。

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⑭ 消化管カルチノイドを概説できる。

☆消化管神経内分泌腫瘍を概説できる。

☆小腸癌を概説できる。

☆GISTを概説できる。

☆悪性リンパ腫、粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫を概説できる。

☆感染性腸炎(感染性胃腸炎、感染性大腸炎)を概説できる。

☆虚血性大腸炎、血管形成異常(angiodysplasia)を概説できる。

☆消化管アミロイドーシスを概説できる。

【胆道疾患】

① 胆石症の病因、症候、診断と治療を説明できる。★★★

② 胆嚢炎と胆管炎の病因、病態、症候、診断、合併症と治療を説明できる。★★★

☆Charcot3 徴、Reynolds5 徴、急性閉塞性化膿性胆管炎を概説できる。

③ 胆嚢・胆管癌の病理、症候、診断と治療を説明できる。★★★

④ 胆嚢ポリープを概説できる。

☆胆嚢腺筋腫症を概説できる。

⑤ 先天性胆道拡張症と膵・胆管合流異常症を概説できる。

☆原発性硬化性胆管炎を概説できる。

【肝疾患】

① A型・B型・C型肝炎の疫学、症候、診断、治療、経過と予後を説明できる。★★★

☆E型肝炎、伝染性単核球症を概説できる。

② 急性肝炎、劇症肝炎と慢性肝炎の定義を説明できる。

③ 肝硬変の病因、病理、症候、診断と治療を説明できる。★★★

④ 肝硬変の合併症(門脈圧亢進症と肝性脳症)を概説できる。★★★

☆特発性細菌性腹膜炎を概説できる。

⑤ 原発性肝癌の病因、病理、症候、診断と治療を説明できる。★★★

☆肝細胞癌、肝内胆管癌を概説できる。

⑥ アルコール性肝障害を概説できる。★★★

☆アルコール性肝炎を概説できる。

⑦ 薬物性肝障害を概説できる。

☆細胞障害型、胆汁うっ滞型を概説できる。

⑧ 肝膿瘍の症候、診断と治療を説明できる。

☆細菌性肝膿瘍、アメーバ性肝膿瘍を概説できる。

☆寄生虫性肝疾患、肝包虫症、日本住血吸虫症を概説できる。

☆肝嚢胞を概説できる。

☆原発性胆汁性肝硬変★★ 肝内胆汁うっ滞を概説できる。

☆自己免疫性肝炎を概説できる。

☆肝血管腫★★を概説できる。

☆転移性肝癌を概説できる。

☆Budd-Chiari 症候群、特発性門脈圧亢進症、肝外門脈閉塞症を概説できる。

☆ビリルビン代謝異常(Gilbert 症候群、Dubin-Johnson 症候群、Rotor 症候群)を概説できる。

☆脂肪肝★★、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を

概説できる。

☆ヘモクロマトーシス、Wilson 病を概説できる。

【膵臓疾患】

① 急性膵炎(アルコール性、胆石性、特発性)の病態生理、症候、診断と治療を説明できる。★★★

☆仮性嚢胞を概説できる。

② 慢性膵炎(アルコール性、特発性)の病態生理、症候、診断、合併症と治療を説明できる。★★

☆自己免疫性膵炎を概説できる。

③ 膵癌の病理、症候と診断を説明できる。★★★

④ 重症急性膵炎の病態生理、診断基準と治療を説明できる。

⑤ 嚢胞性膵疾患の分類と病理を説明できる。★★

☆膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)、粘液性嚢胞腫瘍(MCN)を概説できる。

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☆膵神経内分泌性腫瘍(インスリンーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ(Zollinger-

Ellison 症候群)、WDHA症候群)を概説できる。

【腹膜・腹壁・横隔膜疾患】

① 腹膜炎の病因、症候、診断と治療を説明できる。

☆急性腹膜炎、細菌性腹膜炎を概説できる。

☆横隔膜下・Douglas 窩膿瘍を概説できる。

☆癌性腹膜炎を概説できる。

② ヘルニアの概念(滑脱、嵌頓、絞扼性)と好発部位を説明できる。

③ 鼠径ヘルニアの病因、診断と治療を説明できる。

☆食道裂肛ヘルニア、大腿ヘルニア、閉鎖孔ヘルニア、腹壁瘢痕ヘルニアを概説できる。

④ イレウスの病因、診断と治療を説明できる。

☆単純性イレウス、麻痺性イレウス、絞扼性イレウスを概説できる。

⑤ 腹部外傷の症候、診断と治療を説明できる。

☆消化管損傷、肝損傷、膵損傷、脾損傷、横隔膜損傷を概説できる。

⑥ 消化器腫瘍の症候、診断と治療を説明できる。

☆腹膜中皮腫、腹膜偽粘液腫、後腹膜腫瘍を概説できる。

☆腸管軸捻転症を概説できる。

☆腸間膜動脈閉塞症、腸間膜静脈血栓症を概説できる。

☆消化管穿孔を概説できる。

☆消化管異物、食道異物を概説できる。

【その他の重要な小児領域の疾患】

① 先天性食道閉鎖症の症候、診断と治療を説明できる。

☆Gross 分類を概説できる。

② 肥厚性幽門狭窄症の症候、診断と治療(Ramstedt 手術など)を説明できる。

☆新生児胃穿孔・破裂を概説できる。

☆先天性十二指腸閉鎖・狭窄症(ダブルバブルサインなど)を概説できる。

③ Hirschsprung 病<先天性巨大結腸症、 腸管無神経節症>の症候、診断と治療を説明できる。

☆先天性小腸狭窄・閉鎖症を概説できる。

☆胎便性腹膜炎を概説できる。

☆腸回転異常症(中腸軸捻転など)を概説できる。

☆乳児下痢症を概説できる。

☆新生児壊死性腸炎を概説できる。

④ 腸重積症の症候、診断と治療を説明できる。

⑤ 鎖肛の症候、診断と治療を説明できる。

⑥ 小児肝疾患の症候、診断と治療を説明できる。

☆新生児肝炎を概説できる。

☆体質性黄疸(Crigler-Najjar 症候群など)を概説できる。

☆肝芽腫(α-フェトプロテイン<AFP>など)を概説できる。

⑦ 胆道閉鎖症の症候、診断と治療(肝門部空腸吻合術など)を説明できる。

⑧ 横隔膜・腹壁疾患の症候、診断と治療を説明できる。

☆横隔膜ヘルニア(Bochdalek ヘルニアなど)、横隔膜弛緩症を概説できる。

☆臍帯ヘルニアを概説できる。

☆臍ヘルニアを概説できる。

☆腹壁破裂を概説できる。

☆鼠径ヘルニア、精巣水瘤を概説できる。

☆尿膜管遺残を概説できる。

【乳腺・乳房疾患】

① 乳腺炎の症候、診断と治療を説明できる。

② 乳癌の症候、診断と治療を説明できる。

☆乳房 Paget病を概説できる。

☆乳腺葉状腫瘍、乳腺管内乳頭腫を概説できる。

③ 乳腺症、乳腺線維腺腫の症候、診断と治療を説明できる。

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【臓器移植】

① 臓器移植の適応、種類、方法を概説できる。

② 肝臓移植(脳死・生体)の適応、方法、成績を概説できる。

4. 評価法

❖ 共通評価表(評価シート)・各科試問・筆記試験・カンファレンス発表の合計点とする。

(点数配分の目安は順に 35%・35%・15%・15%など)

❖ 試問は学生1名につき各科約15分ずつ配分する(例:プレゼン10分、質疑5分など)。

❖ 筆記試験は初日に配布した学習目標、“臨床テキストブック”などから出題。

❖ 試問は第 4 週不可の場合は第 3 週などで行なう。

5. 予習項目

大阪医科大学臨床テキストブック:「消化器コース」全章、「腫瘍コース」消化器腫瘍関連の部分

6. 教科書・参考書

ハリソン内科学 第 4版 Harrison's Principles of Internal Medicine, 18th Edition

内科学(朝倉書店)

新臨床内科学(医学書院)

標準外科学(医学書院)

標準放射線医学(医学書院)

標準小児外科学(医学書院)

必携!消化器内科研修ナビ 樋口和秀・梅垣英次 ヴァンメディカル

ベイツ診察法 第 2版

7. 学習項目

レベル 構造と機能 症候 診断と検査 疾患と治療

Ⅰ 各消化器官の位

置、形態と血管

腹膜と臓器の関係

食道・胃・小腸・大

腸の基本構造

消化管運動の仕組

消化器官に対する

自律神経の作用

肝の構造と機能

胃液の作用と分泌

機序

胆汁の作用と胆嚢

収縮の調節機序

膵外分泌系の構造

と膵液の作用

小腸における消化・

吸収

大腸における糞便

形成と排便の仕組

主な消化管ホルモ

ンの作用

歯、舌、唾液腺の構

造と機能

乳腺の正常構造、

機能

黄疸

腹痛

悪心・嘔吐

嚥下困難・障害

食思<欲>不振

便秘・下痢(便通異

常)

吐血・下血(消化管

出血)

腹部膨隆(腹水を含

む)・腫瘤

肝腫大・脾腫

腰背部痛

全身倦怠感

発熱

ショック

乳腺腫瘤

肝炎ウイルス検査

消化器関連の代表的な腫瘍マー

カー(AFP、CEA、CA19-9)

消化器系疾患の画像検査

消化器内視鏡検査

生検と細胞診

Helicobacter pylori<ヘリコバクタ

ー・ピロリ>

急性虫垂炎(McBurney 圧痛

点、Lanz 圧痛点)

Charcot3 徴、Reynolds5 徴

食道癌

胃癌

消化性潰瘍

大腸癌

大腸ポリープ

腸閉塞(イレウス)

炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・

Crohn(クローン)病)

痔核と痔瘻

胆石症

胆嚢炎と胆管炎

胆嚢・胆管癌

A型・B型・C型肝炎

肝硬変

原発性肝癌

急性膵炎

慢性膵炎

膵癌

食道癌

食道静脈瘤

胃食道逆流症[逆流性食道炎

<GERD>

胃癌

消化性潰瘍

Helicobacter pylori<ヘリコバクタ

ー・ピロリ>感染症

胃ポリープ

大腸癌

大腸ポリープ

急性虫垂炎

腸閉塞(イレウス)

炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・

Crohn(クローン)病)

痔核と痔瘻

過敏性腸症候群

胆石症

胆嚢炎と胆管炎

急性閉塞性化膿性胆管炎

胆嚢・胆管癌

A型・B型・C型肝炎

急性肝炎、劇症肝炎と慢性肝炎

肝硬変

原発性肝癌

アルコール性肝障害

急性膵炎(アルコール性、胆石性、

特発性)

慢性膵炎(アルコール性、特発性)

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レベル 構造と機能 症候 診断と検査 疾患と治療

Ⅰ 腹膜炎

ヘルニア

鼠径ヘルニア

先天性食道閉鎖症

肥厚性幽門狭窄症

Hirschsprung 病

腸重積症

鎖肛

小児肝疾患

胆道閉鎖症

横隔膜・腹壁疾患(小児)

乳腺炎

乳癌

乳腺症、乳腺線維腺腫

膵癌

腹膜炎

ヘルニア(滑脱、嵌頓、絞扼性)

鼠径ヘルニア

先天性食道閉鎖症

肥厚性幽門狭窄症

大腸の主な先天性疾患(鎖肛、

Hirschsprung (ヒルシュシュプル

ング)病)

小児肝疾患

胆道閉鎖症

横隔膜・腹壁疾患(小児)

乳腺炎

乳癌

乳腺症、乳腺線維腺腫

Ⅱ 咀しゃくと嚥下の機

消化管の正常細菌

叢の役割

上部消化管逆流症

状(胸やけ、呑酸、

悪心、嘔吐)

内臓痛・体性痛・関

連痛

急性腹症

腹膜刺激症状(筋

性防御・反跳痛・

Blumberg 徴候)

黒色便、血便

門脈圧亢進症と肝性脳症

ダブルバブルサイン

食道静脈瘤の内視鏡分類

胃食道逆流症[逆流性食道炎

<GERD>]

急性胃粘膜病変

肝膿瘍

重症急性膵炎

嚢胞性膵疾患

イレウス

腹部外傷

消化器腫瘍

肝芽腫(α-フェトプロテイン

<AFP>など)

Mallory-Weiss(マロリー・ワイス)

症候群

急性胃粘膜病変

慢性胃炎

胃切除後症候群

直腸癌・肛門癌・肛門管癌

大腸腺腫

腸管憩室

薬剤性大腸炎

消化管ポリポーシス

消化管カルチノイド

GIST

胆嚢ポリープ

先天性胆道拡張症と膵・胆管合

流異常症

肝細胞癌、肝内胆管癌

アルコール性肝炎

薬物性肝障害

肝膿瘍

転移性肝癌

脂肪肝、非アルコール性脂肪性

肝疾患(NAFLD)、非アルコール

性脂肪性肝炎(NASH)

膵仮性嚢胞

自己免疫性膵炎

重症急性膵炎

嚢胞性膵疾患

急性腹膜炎、細菌性腹膜炎

横隔膜下・Douglas 窩膿瘍

癌性腹膜炎

食道裂肛ヘルニア、大腿ヘルニ

ア、閉鎖孔ヘルニア、腹壁瘢痕

ヘルニア

イレウス(単純性、麻痺性、絞扼性)

腹部外傷

消化器腫瘍

Gross 分類(先天性食道閉鎖症)

Ramstedt手術(肥厚性幽門狭窄症)

新生児胃穿孔・破裂

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レベル 構造と機能 症候 診断と検査 疾患と治療

Ⅱ 先天性十二指腸閉鎖・狭窄症

先天性小腸狭窄・閉鎖症

腸回転異常症(中腸軸捻転など)

新生児肝炎

体質性黄疸(Crigler-Najjar 症候

群など)

肝芽腫

肝門部空腸吻合術

横隔膜ヘルニア(Bochdalek ヘル

ニアなど)、横隔膜弛緩症

臍帯ヘルニア、臍ヘルニア

腹壁破裂

鼠径ヘルニア、精巣水瘤(小児)

乳房 Paget 病

乳腺葉状腫瘍、乳腺管内乳頭腫

Barrett 上皮

食道炎・食道潰瘍・食道アカラシ

ア・食道破裂・穿孔・Boerhaave

症候群

萎縮性胃炎

ダンピング症候群

胃巨大趨壁症・胃・十二指腸憩室

上腸間脈動脈性十二指腸閉塞

症(上腸間膜動脈症候群)

機能性ディスペプシア(FD)

胃アニサキス症

胃腺腫

十二指腸乳頭部腫瘍

腸結核

消化管 Behcet

裂肛・肛門周囲膿瘍

直腸粘膜脱症候群、直腸脱

吸収不良症候群

腸リンパ拡張症

Meckel憩室・憩室炎、憩室出血

偽膜性腸炎、出血性腸炎

放射線性腸炎

非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)

による粘膜障害

消化管アレルギー、好酸球性胃

腸炎

家族性腺腫性ポリポーシス

(FAP)、Turcot 症候群、Peutz-

Jeghers 症候群、Gardner 症候群

消化管神経内分泌腫瘍

小腸癌

悪性リンパ腫、粘膜関連リンパ組

織(MALT)リンパ腫

感染性腸炎(感染性胃腸炎、感

染性大腸炎)

虚血性大腸炎、血管形成異常

(angiodysplasia)

消化管アミロイドーシス

胆嚢腺筋腫症

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レベル 構造と機能 症候 診断と検査 疾患と治療

Ⅲ 原発性硬化性胆管炎

E 型肝炎、伝染性単核球症

特発性細菌性腹膜炎

薬物性肝障害(細胞障害型、

胆汁うっ滞型)

細菌性肝膿瘍、アメーバ性肝膿瘍

寄生虫性肝疾患、肝包虫症、

日本住血吸虫症

肝嚢胞

原発性胆汁性肝硬変

肝内胆汁うっ滞

自己免疫性肝炎

肝血管腫

Budd-Chiari 症候群、特発性門

脈圧亢進症、肝外門脈閉塞症

ビリルビン代謝異常(Gilbert 症

候群、Dubin-Johnson 症候群、

Rotor 症候群)

ヘモクロマトーシス、Wilson 病

膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)、

粘液性嚢胞腫瘍(MCN)、

膵神経内分泌性腫瘍(インスリン

ーマ、グルカゴノーマ、ガストリノ

ーマ(Zollinger-Ellison 症候群)、

WDHA 症候群)

消化管損傷、肝損傷、膵損傷、

脾損傷、横隔膜損傷

腹膜中皮腫、腹膜偽粘液腫、後

腹膜腫瘍

腸管軸捻転症

腸間膜動脈閉塞症、腸間膜静

脈血栓症

消化管穿孔

消化管異物、食道異物

胎便性腹膜炎

乳児下痢症

新生児壊死性腸炎

尿膜管遺残

8. オフィスアワー

【コース責任者】

氏名 所属 内線・PHS E-mail

樋口 和秀 内科学Ⅱ 2372 [email protected]

内山 和久 一般・消化器外科学 3578 [email protected]

【コース主任】

氏名 所属 内線・PHS E-mail

福西 新弥 内科学Ⅱ 2352 [email protected]

林 道廣 一般・消化器外科学 6210 [email protected]

【指導教員】

氏名 所属 内線・PHS E-mail

津田 泰宏 看護学部 3070 [email protected]

富永 和作 内科学Ⅱ 8096 [email protected]

竹内 利寿 内視鏡センター 2352 [email protected]

増田 大介 内科学Ⅱ 6980 [email protected]

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柿本 一城 内科学Ⅱ 2352 [email protected]

朝井 章 中央検査部 2352 [email protected]

川上 研 内科学Ⅱ 2352 [email protected]

井元 章 内科学Ⅱ 6609 [email protected]

小倉 健 内科学Ⅱ 6413 [email protected]

小嶋 融一 内視鏡センター 2352 [email protected]

岡田 俊彦 内科学Ⅱ 6146 [email protected]

静 貴生 内科学Ⅱ 3542 [email protected]

奥田 準二 一般・消化器外科学 6192 [email protected]

日外 知行 一般・消化器外科学 6545 [email protected]

田中 慶太朗 一般・消化器外科学 6207 [email protected]

岩本 充彦 一般・消化器外科学 6201 [email protected]

廣川 文鋭 一般・消化器外科学 6219 [email protected]

河合 英 一般・消化器外科学 6546 [email protected]

富山 秀紀 一般・消化器外科学 3940 [email protected]

李 相雄 一般・消化器外科学 6212 [email protected]

朝隈 光弘 一般・消化器外科学 6196 [email protected]

清水 徹之介 一般・消化器外科学 3440 [email protected]

木村 光誠 一般・消化器外科学 6773 [email protected]

井上 善博 一般・消化器外科学 6704 [email protected]

田代 圭太郎 一般・消化器外科学 6661 [email protected]

山本 誠士 一般・消化器外科学 6204 [email protected]

鱒渕 真介 一般・消化器外科学 3383 [email protected]

藤岡 大也 一般・消化器外科学 3439 [email protected]

革島 悟史 一般・消化器外科学 6193 [email protected]

オフィスアワー日時:

福西 新弥 消化器内科医局

林 道廣 火(16 時-17時)・金(16時-17時)消化器外科医局

9. 初日の集合場所、時間

第一週月曜日 午前 8時 30分(時間厳守)に医局(消化器内科、一般・消化器外科)に集合。

オリエンテーションの後、各班への配属を決める。

※月曜日が休日の場合は、火曜日 午前 7時 50分に医局に集合。

10. コース説明と時間割

* 実習・外来は3名単位、演習・回診は6名単位、講義は12名単位で行う。

* 共通オリエンテーションは毎週または隔週で行う。

* 第 1 週、A,B グループは外科症例、C,D グループは内科症例。

* 共通オリエンテーション時、学習到達目標を手渡す。

* 関連病院【近隣】市立ひらかた病院、北摂総合病院、第一東和会病院、敬任会守口病院。

* 関連病院【遠方】阪和住吉総合病院、四天王寺病院、石切生喜病院、城山病院。

* 消化器内科臓器別カンファ(17 時以降)は自由参加。

* 第2週、A,B グループは内科症例、C,D グループは外科症例(原則)。

* 2 巡目以降の手術実習は希望の手術見学可。

* 3 週目オリエンテーションで、症例の調整を行う(3 例目以降の症例も可)。

* 3、4週目の関連病院は大学近隣。

* 試問は学生1名につき各科約15分ずつ配分する(例:プレゼン10分、質疑5分)。

* 評価シート・各科試問・筆記試験・カンファレンス発表の点数配分の目安は 35%・35%・15%・

15%など。

* 筆記試験は初日に配布した学習目標から出題(または臨床テキストブックなどから出題)。

* 試問は第 4 週不可の場合は第 3 週などに行なう。

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36

9 10 11 12 13 14 15 16 17A 3名

B 3名

C 3名

D 3名

9 10 11 12 13 14 15 16 17A 3名

B 3名

C 3名

D 3名

第1週8:00 8:30

月共通オリエンテーション

病棟患者紹介

手術実習 手術実習病棟実習・自学自

習上部消化管内視鏡検査内科病棟患者回診

病棟実習・自学自習

病棟実習・自学自習 ERCP・胆道処置

消化器外科/乳腺外科カンファレンス 外科 総回診外科初診外来

カルテの書き方上部消化管疾患

講義

内科病棟患者回診 肝疾患 演習自学自習

病棟・自学自習

病棟実習・自学自習 上部消化管内視鏡治療/シミュレーション

上部消化管内視鏡検査 経皮的肝臓処置 腹部エコー 実習

手術実習 手術実習

膵疾患 講義 特別演習注腸造影検査/下部消化管疾患

下部消化管内視鏡内科外来 腹部超音波講義

手術実習 手術実習 外科学 演習ⅠUS下穿刺ハンズオ

ンセミナー 病棟実習・自学

自習関連病院実習 (遠方) 関連病院実習

医学用語 演習小児外科 講

外科初診外来 病棟実習・自学自習

内科 入退院報告腹部血管造影検査

病棟実習・自学自習 消化器内科 総回診 消化管内視鏡検査腹部エコー検査

消化器外科/乳腺外科カンファレンス 外科 総回診自学自習 外科再診外来 内視鏡手術シミュ

レーション実習

第2週8:00 8:30

月共通オリエンテーション

病棟患者紹介

上部消化管内視鏡検査内科病棟患者回診

病棟実習・自学自習

乳癌 講義病棟実習・自学自習 ERCP・胆道処置

手術実習 手術実習

病棟・自学自習

病棟実習・自学自習

膵臓外科 講義 消化管手術 講義

上部消化管内視鏡治療/シミュレーション

上部消化管内視鏡検査 経皮的肝臓処置 腹部エコー 実習

消化器外科/乳腺外科カンファレンス 外科 総回診外科初診外来

内科病棟患者回診 肝疾患 演習自学自習

注腸造影検査/下部消化管疾患下部消化管内視鏡

病棟実習・自学自習

特別演習内科外来 腹部超音波講義

手術実習 手術実習

関連病院実習(遠方) 関連病院実習 病棟実習・自学

自習手術実習 手術実習 外科学 演習ⅠUS下穿刺ハンズオ

ンセミナー

病棟実習・自学自習

腹部エコー検査

消化器外科/乳腺外科カンファレンス 外科 総回診自学自習 外科再診外来 内視鏡手術シミュ

レーション実習医学用語 演習

外科初診外来 病棟実習・自学自習

内科 入退院報告腹部血管造影検査

病棟実習・自学自習 消化器内科 総回診 消化管内視鏡検査

9 10 11 12 13 14 15 16 17A 3名

B 3名

C 3名

D 3名

9 10 11 12 13 14 15 16 17A 3名

B 3名

C 3名

D 3名

第3週8:00 8:30

月共通オリエンテーション

病棟患者紹介

手術実習 手術実習 病棟実習・自学自習

病棟実習・自学自習内科病棟患者回診

ERCP・胆道処置内科症例演習

上部消化管内視鏡検査 病棟実習・自学自習

消化器外科/乳腺外科カンファレンス 外科 総回診自学自習

単孔式手術 講義 肝胆道悪性 講義

内科病棟患者回診 病棟実習・自学自習外科初診外来

病棟・自学自習

上部消化管内視鏡検査 経皮的肝臓処置 腹部エコー 実習

病棟実習・自学自習 上部消化管内視鏡治療/シミュレーション

手術実習 手術実習

下部消化管 講義 特別演習内科外来 腹部超音波講義

病棟実習・自学自習注腸造影検査/下部消化管疾患

手術実習 手術実習

外科学演習Ⅱ 病棟実習・自学自習

関連病院実習 (近隣) 病棟実習・自学自習

病棟実習・自学自習

胃外科 講義自学自習 外科再診外来

内科 入退院報告腹部エコー検査

病棟実習・自学自習 消化器内科 総回診腹部血管造影検査

消化器外科/乳腺外科カンファレンス 外科 総回診外科初診外来 自学自習 外科手技シミュレー

ション実習

第4週8:00 8:30

月共通オリエンテーション

病棟患者紹介

病棟実習・自学自習内科病棟患者回診

ERCP・胆道処置内科症例演習

上部消化管内視鏡検査 病棟実習・自学自習

手術実習 手術実習 病棟実習・自学自習

病棟・自学自習

上部消化管内視鏡検査

病棟実習・自学自習

肝疾患 講義

経皮的肝臓処置 腹部エコー 実習

病棟実習・自学自習 上部消化管内視鏡治療/シミュレーション

消化器外科/乳腺外科カンファレンス 外科 総回診自学自習

内科病棟患者回診 病棟実習・自学自習外科初診外来

内科外来 腹部超音波講義病棟実習・自学自習

外科学演習Ⅲ 特別演習注腸造影検査/下部消化管疾患

手術実習 手術実習

関連病院実習 (近隣)消化器コース

筆記試験

消化器内科 試問一般・消化器・小児・乳腺外科

試問

手術実習一般・消化器・小児・乳腺外科

試問消化器内科 試問

消化管レントゲン講義

腹部血管造影検査

消化器外科/乳腺外科カンファレンス 外科 総回診外科初診外来 自学自習 外科手技シミュレー

ション実習自学自習 外科再診外来

内科 入退院報告腹部エコー検査

病棟実習・自学自習 消化器内科 総回診病棟実習・自学自

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参考:学生の医行為(本コースで学修)

レベル1: 指導医の指導・監視のもとに実施されるべき

水準 医行為

診察の基本

臨床推論、診断・治療計画立案、EBM、診療録作成、症例プレゼンテーション

一般手技

体位交換、移送、皮膚消毒、外用薬の貼付・塗布、気道内吸引、ネブライザー

静脈採血、末梢静脈確保

胃管挿入

尿道カテ挿入抜去

注射(皮下皮内筋肉静脈内)

診療記録

外科手技

清潔操作、手洗い、ガウンテクニック

縫合、抜糸

消毒・ガーゼ交換

検査手技

尿検査

末梢血塗抹標本

血液型判定

超音波検査(腹部)

12 誘導心電図

経皮的酸素飽和度モニター

診察手技

医療面接

診察法(成人・小児・全身・各臓器)(侵襲性、羞恥的医行為は含まない)

基本的な婦人科診察

バイタルサイン

直腸診察

乳房診察

高齢者の診察(ADL評価、CGA)

救急

一次救命処置

レベル 2: 指導医の実施の介助・見学が推奨される

水準 医行為

一般手技

中心静脈カテ挿入、動脈採血・ライン確保

腰椎穿刺

膀胱洗浄

ドレーン挿入・抜去

全身麻酔、局所麻酔、輸血

各種診断書・検案書・証明書の作成

外科手技

手術、術前・術中・術後管理

検査手技

超音波検査(腹部)

エックス線検査、CT/MRI、核医学

内視鏡検査

救急

救命治療(二次救命処置等)

救急病態の初期治療

外傷処置

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循環器コース

1. コース名等

1) コース名 循環器コース

2) コース責任者 石坂 信和(循環器内科)

3) コース主任 星賀 正明(循環器内科)

神吉 佐智子(心臓血管外科)

4) 指導教員

循環器内科 寺崎 文生、宗宮 浩一、伊藤 隆英、神﨑 裕美子、森田 英晃、谷川 淳、

武田 義弘、藤阪 智弘、藤田 修一、宮村 昌利、大関 道薫、坂根 和志、木澤 隼、

山内 洋平

心臓血管外科 勝間田 敬弘、根本 慎太郎、大門 雅広、森本 大成、小澤 英樹、中平 敦士、

打田 裕明、本橋 宣和、小西 隼人、福原 慎二、島田 亮

輸血室 河野 武弘

2. 一般目標

循環器系の構造と機能を理解し、主な循環器系疾患の病因、病態生理、症候、診断と治療を学ぶ。

3. 到達目標

1) 構造と機能

到達目標:

① 心臓の構造と分布する血管・神経を説明できる。

② 心筋細胞の微細構造と機能を説明できる。

③ 心筋細胞の電気現象と心臓の興奮〈刺激〉伝導を説明できる。

④ 興奮収縮連関を概説できる。

⑤ 体循環・肺循環と胎児・胎盤循環を説明できる。

⑥ 大動脈の枝を図示し、分布域を概説できる。

⑦ 頭頚部と四肢の主な動脈を図示し、分布域を概説できる。

⑧ 主な静脈を図示し、門脈系と大静脈系の吻合部を説明できる。

⑨ 毛細血管における物質・水分交換を説明できる。

⑩ 胸管を経由するリンパの流れを概説できる。

⑪ 心周期にともなう血行動態を説明できる。

⑫ 心機能曲線と心拍出量の調節機序を説明できる。

⑬ 主な臓器(脳、心臓、肺)の循環調節を概説できる。

⑭ 血圧調節の機序を説明できる。

⑮ 先天心奇形における循環動態を説明できる。

⑯ 心臓大血管手術に用いる体外循環の機能と原理を説明できる。

⑰ 輸血の適応と合併症を説明できる。

⑱ 血液交差試験を説明できる。

⑲ 血液製剤の種類と適応を説明できる。

⑳ 同種輸血、自己輸血、成分輸血と交換輸血を説明できる。

㉑ 臓器移植の種類と適応を説明できる。

2) 診断と検査の基本

到達目標:

① 心電図の所見を説明できる。

② 胸部エックス線写真と断層心エコー図から心臓・大血管の画像診断を説明できる。

③ 心カテーテル検査(心内圧、心機能、シャント率の測定)と結果の解釈を説明できる。

3) 症候

【ショック】

到達目標:

① ショックの定義、原因と病態を説明できる。

② ショック患者の診断の要点を列挙できる。

③ ショックの治療を概説できる。

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【意識障害・失神】

到達目標:

① 意識障害・失神の原因を列挙し、その病態を説明できる。

② 意識障害の程度評価(GCS<Glasgow coma scale>、JCS)を説明できる。

③ 意識障害・失神をきたした患者の診断の要点を説明できる。

④ 意識障害・失神をきたした患者の治療を概説できる。

【チアノーゼ】

到達目標:

① チアノーゼの原因と病態を説明できる。

② チアノーゼを呈する患者の診断の要点を説明できる。

【浮腫】

到達目標:

1) 全身浮腫と局所性浮腫の原因と病態を説明できる。

② 浮腫をきたした患者の診断と治療の要点を説明できる。

【動悸】

到達目標:

① 動悸の原因を列挙し、その病態を説明できる。

② 動悸を訴える患者の診断の要点を説明できる。

【胸痛】

到達目標:

① 胸痛の原因と病態を説明できる。

② 胸痛患者の診断の要点を説明できる。

③ 胸痛患者に対する初期治療を概説できる。

【呼吸困難】

到達目標:

① 呼吸困難の原因と病態を説明できる。

② 呼吸困難の程度に関する分類を説明できる。

③ 呼吸困難患者の診断の要点を説明できる。

④ 呼吸困難患者に対する初期治療を概説できる。

4) 疾患

【心不全】

到達目標:

① 心不全の定義と重症度分類を説明できる。

② 心不全の原因疾患と病態生理を説明できる。

③ 左心不全と右心不全の診断を説明し、治療を概説できる。

④ 急性心不全と慢性心不全の診断を説明し、治療を概説できる。

【虚血性心疾患】

到達目標:

① 安定狭心症(労作性、冠攣縮性)の病態生理、症候と診断を説明し、治療を概説できる。

② 急性冠症候群(急性心筋梗塞、不安定狭心症)の病態生理、症候と診断を説明し、治療を概説で

きる。

【不整脈】

到達目標:

① 主な頻脈性不整脈(期外収縮<上室性、心室性>、Wolff-Parkinson-White(ウォルフ・パーキンソ

ン・ホワイト)症候群、発作性上室性頻拍症)の心電図上の特徴を説明できる。

② 主な徐脈性不整脈(洞不全症候群〈sick sinus 症候群〉、房室ブロック)の心電図上の特徴を

説明できる。

③ 致死性不整脈の心電図上の特徴を説明できる。

④ 不整脈の治療(抗不整脈薬、電気的除細動、ペースメーカー療法)を概説できる。

【弁膜症】

到達目標:

① 主な弁膜症(僧帽弁疾患、大動脈弁疾患)の病因、病態生理、症候と診断を説明し、治療を概説

できる。

② 感染性心内膜炎の病因、症候と診断を説明し、治療を概説できる。

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【心筋・心膜疾患】

到達目標:

① 特発性心筋症と二次性心筋疾患の定義・概念と病態生理を説明できる。

② 心筋炎の病因と症候を説明できる。

③ 急性心膜炎の症候を説明できる。

④ 心タンポナーデの病因と診断を説明し、治療を概説できる。

【先天性心疾患】

到達目標:

① 主な先天性心疾患(心房中隔欠損症、心室中隔欠損症、動脈管開存、Fallot(ファロー)四徴症)

の病態生理、症候と診断を説明し、治療を概説できる。

【動脈疾患】

到達目標:

① 動脈硬化症の危険因子、病態生理と合併症を説明できる。

② 大動脈解離と大動脈瘤を概説できる。

③ 閉塞性動脈硬化症と Buerger(バージャー)病を概説できる。

④ 大動脈炎症候群〈高安動脈炎〉を概説できる。

【静脈・リンパ管疾患】

到達目標:

① 深部静脈血栓症[DVT<deep vein thrombosis>]の病因と症候を説明し、治療を概説できる。

【肺循環系】

到達目標:

① 肺血栓塞栓症の病因、診断と治療を説明できる。

② 肺高血圧症を概説できる。

【高血圧症】

到達目標:

① 本態性高血圧症の疫学、診断、合併症と予後を説明し、治療を概説できる。

② 二次性高血圧症の病因を列挙し、診断を説明し、治療を概説できる。

4. 評価法

出席、実習態度(服装、礼儀、言葉遣い)、360°評価 20点

共通評価表(評価シート) 20点

症例発表 20点

症例レポート 20点

カルテ記載 20 点

5. 予習項目

1) 構造と機能

心臓の構造と血管の分布域

体循環・肺循環と胎児・胎盤循環

心拍出量の調節機序

血圧調節の機序

輸血の適応と合併症

2) 診断と検査の基本

心電図の基礎知識

胸部エックス線写真と断層心エコー図

3) 症候

動悸、胸痛、呼吸困難の原因と病態

4) 疾患

心不全の定義、重症度分類、原因疾患、病態生理、治療

安定狭心症(労作性、冠攣縮性)の病態生理、症候と診断、治療

急性冠症候群(急性心筋梗塞、不安定狭心症)の病態生理、症候と診断、治療

主な不整脈の心電図上の特徴と治療

弁膜症(僧帽弁疾患、大動脈弁疾患)の病態生理、症候と診断、治療を

高血圧症の診断、合併症、治療

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6. 教科書・参考書

ハリソン内科学(メディカル・サイエンス・インターナショナル)

内科学(朝倉書店)

グレイ解剖学アトラス(エルゼビアジャパン)

専門医のための循環器病学(医学書院)

心臓カテーテル検査・造影・治療法(南江堂)

臨床発達心臓病学(中外医学社)

輸血学(中外医学社)

心臓血管外科テキスト(中外医学社)

ICUブック(メディカル・サイエンス・インターナショナル)

Kirklin/Barratt-Boyes Cardiac Surgery(Saunders)

Braunwald's Heart Disease(Saunders)

Hurst's the Heart(McGraw-Hill Medical)

7. 学習項目(レベル表)

レベル 構造と機能 症候 診断と検査の基

本 病態と疾患 治療

I

心臓の構造

血管の分布域

心臓の興奮<刺激>伝導

体循環と肺循環

心拍出量の調節機序

血圧調節の機序

輸血の適応と合併症

浮腫

動悸

胸痛

呼吸困難

心電図

胸部エックス線

写真

心不全

狭心症

急性冠症候群

不整脈

弁膜症

高血圧症

心不全の治療

安定狭心症の治療

急性冠症候群の治

不整脈の治療

弁膜症の治療

高血圧症の治療

先天心奇形における循

環動態

体外循環の機能と原理

血液交差試験

血液製剤の種類と適応

ショック

意識障害・失

チアノーゼ

断層心エコー図

心カテーテル検

感染性心内膜炎

特発性心筋症と二次性

心筋疾患

先天性心疾患

大動脈解離と大動脈瘤

閉塞性動脈硬化症

深部静脈血栓症

感染性心内膜炎の

治療

先天性心疾患の治

深部静脈血栓症の

治療

心筋炎

急性心膜炎

大動脈炎症候群

8. オフィスアワー

循環器内科 PHS e-mail 質問できる時間帯と場所

宗宮 浩一 6481 in3025 月曜日 15:00-16:00 内科医局

星賀 正明 6496 in1026 月曜日 15:00-16:00 内科医局

心臓血管外科 PHS e-mail 質問できる時間帯と場所

神吉 佐智子 6614 tho064 水曜日 16:00-18:00 胸部外科医局

輸血室 PHS e-mail 質問できる時間帯と場所

河野 武弘 6996 tkohno 水曜日 16:00-18:00 輸血室

9. 初日の集合時間、場所

8時30分に76病棟カンファレンスルームに集合

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10. コース説明と時間割

コース説明

① 循環器コースは循環器内科・心臓血管外科・小児心臓血管外科・輸血室が担当する。

② 12 名のグループを 3 名単位の4つのグループに分割し、実習、回診、講義、演習をグループ毎

に行う。一部の実習や講義は2グループ合同または全員参加する。

③ 共通のオリエンテーションは第 1 週の初日に行い、各オリエンテーションに関してはグループ毎

に必要に応じて行う。

④ 到達目標はオリエンテーション時に配布する。

⑤ 各学生は実習期間を通して内科系と外科系の患者 1 名ずつ(計 2 名)を受け持ち、それぞれの患

者について主治医チームとして診療に参加する。指導医による指導のもとで病歴の聴取、診察お

よびカルテ記載を行う。

⑥ カンファレンスは全員参加とし、受け持ち患者の発表を行う。ただし、18 時から開始される小

児心疾患カンファレンスは自由参加とする。

⑦ 担当患者の手術や検査等には、講義・実習時間を除き、積極的に参加する。

⑧ 病棟実習の時間は主に担当患者を訪床し、診察や検査結果などの確認と評価を行う。

⑨ 受け持ち患者(2例)の診療カルテは 1 週ごとにウィークリーサマリーを作成し、評価を受ける。

⑩ 最終日に受け持ち症例(1例)についてパワーポイントを用いて症例発表し、他学生と指導教員

からの質疑応答を受ける(発表時間:8分、質疑応答2分)。他の受け持ち症例についてはレポ

ートと診療カルテを提出し評価を受ける。

⑪ 実習態度、出席状況、カンファレンスでの発表、実技演習、レポート、症例報告会での発表内容、

カルテ記載についてグレーディングを行い、総合的に評価する。

⑫ 360°評価(担当患者、医師、看護師、その他の医療スタッフによる評価)を出席・実習態度の

評価に組み入れる。

8:00 8:30 9:00 9:30 10:00 10:30 11:00 11:30 12:00 12:30 13:00 13:30 14:00 14:30 15:00 15:30 16:00 16:30 17:00 17:30 18:00 18:30

A 3名

B 3名

C 3名

D 3名

8:00 8:30 9:00 9:30 10:00 10:30 11:00 11:30 12:00 12:30 13:00 13:30 14:00 14:30 15:00 15:30 16:00 16:30 17:00 17:30 18:00 18:30

月オリエンテーション(循内)

オリエンテーション(心外)

患者紹介(循内)

シミュレーション実習(心音の聴診)

心カテカンファレンス 抄読会

第1・4週

病棟実習 心エコー検査

ICU・病棟回診病棟実習

病棟実習講義

(胸部エックス線写真)

心カテカンファレンス

患者紹介(心外)

トレッドミル負荷試験自学自習

手術(1〜2人清潔手洗い)

新患カンファレンス

病棟実習

病棟実習

循環器内科科長回診クリニカル

カンファレンス

病棟実習

特別演習講義

(ペースメーカ)

心カテ

ICU・病棟回診

病棟実習

手術(1〜2人清潔手洗い)

症例検討会・病棟カンファレンス心エコー

カンファレンス心エコー検査

小児先天性心疾患合同カンファレンス心臓血管外科外来実習

心カテカンファレンス

心筋シンチ

病棟実習

木心血管合同

カンファレンス(CVC)

新患カンファレン

心カテ

病棟実習講義

(心電図の読み方)

講義(弁膜症手術・ステ

ント治療)

病棟実習

講義(心周期・心拍出量・心機能曲線)

心エコーカンファレンス心カテ

ICU・病棟回診

病棟実習自学自習

手術(1〜2人清潔手洗い)

病棟実習 ドライラボ(血管縫合実習)

患者紹介(循内)

自学自習シミュレーション実習

(心音の聴診)

シミュレーション実習

(心カテシミュレー

心カテカンファレンス

患者紹介(心外)

トレッドミル負荷試験

病棟実習

自学自習講義

(不整脈の治療)

自学自習手術(1〜2人清潔手洗い)

抄読会(心外)

第1・4週

心エコー検査

循環器内科科長回診クリニカル

カンファレンス病棟実習

病棟実習 心カテカンファレンス心エコー検査

ICU・病棟回診病棟実習

症例検討会・病棟カンファレンス心エコー

カンファレンス

講義(末梢動脈疾患)

講義(大動脈手術)

(大門)

手術(1〜2人清潔手洗い)

新患カンファレンス

心カテ

病棟実習

ICU・病棟回診

病棟実習

病棟実習 特別演習

心カテカンファレンス

心カテ 心エコーカンファレンス心筋シンチ

ICU・病棟回診

病棟実習

病棟実習講義

(虚血性心疾患)

1週目

2週目

自学自習手術(1〜2人清潔手洗い)

講義(術後管理)

ドライラボ(血管縫合実習)

小児先天性心疾患

合同カンファレン心臓血管外科外来実習

新患カンファレン

病棟実習

心カテ

木心血管合同

カンファレンス(CVC)

病棟実習

病棟実習

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8:00 8:30 9:00 9:30 10:00 10:30 11:00 11:30 12:00 12:30 13:00 13:30 14:00 14:30 15:00 15:30 16:00 16:30 17:00 17:30 18:00 18:30

8:00 8:30 9:00 9:30 10:00 10:30 11:00 11:30 12:00 12:30 13:00 13:30 14:00 14:30 15:00 15:30 16:00 16:30 17:00 17:30 18:00 18:30

小児先天性心疾患合同カンファレンス

3週目

4週目

ICU・病棟回診

手術(1〜2人清潔手洗い)

症例発表 試問病棟実習

心カテカンファレンス

心筋シンチ

心カテ

講義(体外循環)

病棟実習

新患カンファレン

心カテ

病棟実習

木心血管合同

カンファレンス(CVC)

心臓血管外科外来実習

病棟実習講義

(心臓MRI)

講義(産学連携)

病棟実習

新患カンファレンス

病棟実習

心カテ

ICU・病棟回診

手術(1〜2人清潔手洗い)

病棟実習 特別演習

抄読会(心外)

第1・4週

病棟実習

循環器内科科長回診クリニカル

カンファレンス病棟実習

心エコー検査 心カテカンファレンス病棟実習

ICU・病棟回診心エコー検査

症例検討会・病棟カンファレンス心エコー

カンファレンス

自学自習

病棟実習

自学自習心カテ

カンファレンストレッドミル負荷試験

手術(1〜2人清潔手洗い)

病棟実習

シミュレーション実習(心カテシミュレー

ター)講義

(心エコー検査の実際)

心エコーカンファレンス心筋シンチ

ICU・病棟回診

手術(1〜2人清潔手洗い)自学自習

病棟実習

心カテカンファレンス

心カテ

病棟実習講義

(小児心臓手術)

講義(血管障害の成り

立ち)

講義(循環器疾患の画

像診断)

心カテ

心臓血管外科外来実習 小児先天性心疾患合同カンファレンス病棟実習

木心血管合同

カンファレンス(CVC)

新患カンファレン

病棟実習

病棟実習

症例演習(心電図)

病棟実習

ICU・病棟回診

手術(1〜2人清潔手洗い)

病棟実習

新患カンファレンス

心カテ

病棟実習 特別演習

抄読会第1・4週

病棟実習

ICU・病棟回診心エコー検査

症例検討会・病棟カンファレンス心エコー

カンファレンス病棟実習

循環器内科科長回診クリニカル

カンファレンス

病棟実習 心エコー検査 心カテカンファレンス

病棟実習

病棟実習講義

(心臓核医学)

心カテカンファレンス

手術(1〜2人清潔手洗い)自学自習

トレッドミル負荷試験

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神経コース

1. コース名等

1) コース名 神経コース

2) コース責任者 黒岩 敏彦(脳神経外科・脳血管内治療科)

木村 文治(神経内科)

3) コース主任 梶本 宜永(脳神経外科・脳血管内治療科)

中嶋 秀人(神経内科)

4) 指導教員

脳神経外科・脳血管内治療科

黒岩 敏彦 教授 [email protected]

宮地 茂 准教授 [email protected]

梶本 宜永 診療准教授 [email protected]

田村 陽史 講師 [email protected]

川端 信司 講師 [email protected]

古瀬 元雅 講師 [email protected]

野々口 直助 講師 [email protected]

池田 直廉 助教 [email protected]

神経内科

木村 文治 専門教授 [email protected]

中嶋 秀人 講師 [email protected]

石田 志門 講師(准) [email protected]

山根 一志 特任助教(准) [email protected]

宇野田 喜一 助教 [email protected]

2. 一般目標

神経系の正常構造と機能を理解し、神経疾患の病因、病態生理、症候、診断と内科的および外科的治療

の基本を学ぶ。

3. 到達目標

1) 構造と機能

一般目標:

神経系の正常構造と機能を理解し、主な神経系疾患の病因、病態生理、症候、診断と治療を学ぶ。

【神経系の一般特性】

到達目標:

① 中枢神経系と末梢神経系の構成を概説できる。

② 脳の血管支配と血液・脳関門を説明できる。

③ 脳のエネルギー代謝の特徴を説明できる。

④ 主な脳内神経伝達物質(アセチルコリン、ドパミン、ノルアドレナリン、グルタミン酸)とその

作用を説明できる。

⑤ 髄膜・脳室系の構造と脳脊髄液の産生と循環を説明できる。

【脊髄と脊髄神経】

到達目標:

① 脊髄の構造、機能局在と伝導路を説明できる。

② 脊髄反射(伸張反射、屈筋反射)と筋の相反神経支配を説明できる。

③ 脊髄神経と神経叢(頸神経叢、腕神経叢、腰仙骨神経叢)の構成および主な骨格筋支配と皮膚分

布を概説できる。

【脳幹と脳神経】

到達目標:

① 脳幹の構造と伝導路を説明できる。

② 脳神経の名称、核の局在、走行・分布と機能を概説できる。

③ 脳幹の機能を概説できる。

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【大脳と高次機能】

到達目標:

① 大脳の構造を説明できる。

② 大脳皮質の機能局在(運動野・感覚野・言語野・連合野)を説明できる。

③ 記憶、学習の機序を辺縁系の構成と関連させて概説できる。

【運動系】

到達目標:

① 随意運動の発現機構について錐体路を中心として概説できる。

② 小脳の構造と機能を概説できる。

③ 大脳基底核(線条体、淡蒼球、黒質)の線維結合と機能を概説できる。

【感覚系】

到達目標:

① 表在感覚と深部感覚の受容機序と伝導路を説明できる。

② 視覚、聴覚・平衡覚、嗅覚、味覚の受容機序と伝導路を概説できる。

【自律機能と本能行動】

到達目標:

① 交感神経系と副交感神経系の中枢内局在、末梢分布、機能と伝達物質を概説できる。

② 視床下部の構造と機能を内分泌および自律機能と関連づけて概説できる。

③ ストレス反応と本能・情動行動の発現機序を概説できる。

2) 診断と検査の基本

到達目標:

① 脳・脊髄 CT・MRI 検査・RI検査で得られる情報を説明できる。

② 神経系の電気生理学的検査(脳波、筋電図、末梢神経伝導速度)で得られる情報を説明できる。

③ 脳血管撮影検査で得られる情報を説明できる。

④ 神経・筋生検で得られる情報を説明できる。

3) 症候

【けいれん】★★★

到達目標:

① けいれんの種類と原因を列挙できる。

② けいれん患者の診断の要点を概説できる。

③ けいれん発作時の初期治療を概説できる。

④ けいれんの予防方法について概説できる。

【意識障害・失神】

到達目標:

① 意識障害・失神の原因を列挙し、その病態を説明できる。

② 意識障害の程度評価(コーマ・スケール)を説明できる。

③ 意識障害・失神をきたした患者の診断の要点を説明できる。

④ 意識障害・失神をきたした患者の治療を概説できる。

【めまい】

到達目標:

① めまいの原因と病態を説明できる。

② めまいを訴える患者の診断の要点を説明できる。

【頭痛】

到達目標:

① 頭痛の原因と病態生理、症候、診断と治療を説明できる。

片頭痛★★★、緊張型頭痛★、群発頭痛

② 頭痛を訴える患者の診断の要点を説明できる。

【運動麻痺・筋力低下】

到達目標:

① 運動麻痺・筋力低下の原因、病態と治療を説明できる。

② 運動麻痺・筋力低下を訴える患者の診断の要点を説明できる。

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【運動失調と不随意運動】

到達目標:

① 小脳性・前庭性・感覚性運動失調を区別して説明できる。

② 振戦を概説できる。

③ その他の不随意運動(ミオクローヌス、舞踏運動、ジストニア)を概説できる。

【歩行障害】

到達目標:

① 歩行障害を病態にもとづいて分類できる。

【言語障害】

到達目標:

① 失語症と構音障害の違いを説明できる。

② 言語障害を病態にもとづいて分類できる。☆

【頭蓋内圧亢進】

到達目標:

① 脳浮腫の病態と治療を説明できる。

② 急性・慢性頭蓋内圧亢進の症候と治療を説明できる。

③ 脳ヘルニアの種類と症候と治療を説明できる。★

4) 疾患

【脳・脊髄血管障害】

到達目標:

① 脳血管障害(脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血)の病態、症候と診断と治療を説明できる。★★★

脳出血★★★として(高血圧性脳出血★★、アミロイドアンギオパチー☆)を含む。

クモ膜下出血★★★として(脳動脈瘤★★、解離性脳動脈瘤)を含み、(脳血管攣縮★、正常圧

水頭症★)にも関連する。

脳梗塞として(心原性脳塞栓症★★、アテローム血栓性脳梗塞、ラクナ梗塞、一過性脳虚血性発

作★★★、脳動脈狭窄・閉塞、内頚動脈起始部狭窄☆☆)を含む。

脳梗塞関連病態として(無症候性脳梗塞、Wallenberg 症候群★★、Weber 症候群、Millard

Gubler 症候群★)を含む。

その他の血管性障害として(脳動静脈奇形★、静脈洞血栓症、脳動脈解離、硬膜動静脈瘻(内頸

動脈海綿静脈洞瘻に関連★)、もやもや病★)を含む。

② 一過性脳虚血発作の病態を概説できる。★★★

③ 脳血管障害の治療とリハビリテーションを概説できる。

tPA治療★★★を含む。

脳卒中後遺症として(仮性球麻痺、嚥下性肺炎、廃用性萎縮、深部静脈血栓症)を含む。

その関連病態として(脳卒中後の急性期・回復期・維持期リハビリテーション)を含む。

④ 脊髄血管障害を概説できる。

【認知症と変性疾患】

到達目標:

① 認知症の病因を列挙できる。★★

② 認知症をきたす主な病態(Alzheimer 病、脳血管性認知症)の病態生理、症候、診断と治療を説

明できる。

認知症として、Alzheimer 型認知症★★★、Lewy 小体型認知症★★、Pick 病★(前頭側頭葉型

認知症)を含む。

③ Parkinson 病の病態生理、症候、診断と治療を説明できる。★★★

Parkinson 病★★★、続発性 Parkinsonism、進行性核上性麻痺★、大脳皮質基底核変性症、本態

性振戦

Huntington 舞踏病と類縁疾患として、Huntington 舞踏病、小舞踏病、捻転ジストニア、痙性斜

頸、書痙を含む。★

Huntington 舞踏病の関連病態として(舞踏運動、アテトーゼ、ジストニア)を含む。

④ 筋萎縮性側索硬化症の病態生理、症候、診断と治療を概説できる。★★★

運動神経変性疾患、脱髄疾患として、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、脊髄性筋萎縮症、多発性硬化

症、急性散在性脳脊髄炎を含む。

脊髄性筋萎縮症の関連病態として、Werdhig-Hoffmann 病、Kugelberg-Welander 病、球脊髄性筋

萎縮症★(Kennedy-Alter-Sung症候群)を含む。

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⑤ 脊髄小脳変性症の病態生理、症候、診断と治療を説明できる。★

脊髄小脳変性症、多系統萎縮症★、痙性対麻痺としては(Machado-Joseph 病★、Shy-Drager 症

候群、オリーブ橋小脳萎縮症、線条体黒質変性症)を含む。

【感染性・炎症性・脱髄性疾患】

到達目標:

① 脳炎・髄膜炎の病因、病態生理、症候、診断と治療を説明できる。★★★

ウイルス性感染症として、脳炎、髄膜炎、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)、HIV 脳症、HTLV-I 関連

ミオパチー(HAM)を含む。

また、関連病態として、単純ヘルペス脳炎を含む。

プリオン病として、Creutzfeldt-Jakob 病を含む。

静脈洞感染症を含む。

髄膜炎として、細菌性髄膜炎★★★、真菌性髄膜炎、結核性髄膜炎★、髄膜炎菌★、神経梅毒★

を含む。

② 多発性硬化症の病態、症候、診断と治療を説明できる。★★

③ 脳膿瘍の病態、症候、診断と治療を概説できる。★★

【代謝性疾患】

到達目標:

① 代謝性疾患の病因、症候、診断と治療を説明できる。

代謝性疾患として、Wilson 病、Wernicke 脳症、ミトコンドリア脳筋症を含む。

ミトコンドリア脳筋症に関連する病態として、MELAS、MERRF、Kearns-Sayre 症候群、Leigh 脳症

を含む。

【白質変性症】

① 白質変性症の病因、症候、診断と治療を説明できる。

白質変性症として、副腎白質ジストロフィー、異染性白質ジストロフィーを含む。

【中毒性疾患】

① 中毒性疾患の病因、症候、診断と治療を説明できる。

中毒性疾患として、一酸化炭素中毒(CO中毒)、低酸素脳症を含む。

【脳・脊髄腫瘍】

到達目標:

① 主な脳・脊髄腫瘍の分類と好発部位を説明し、病態、診断、治療を概説できる。

脳実質内腫瘍として、神経膠腫★★、胚細胞腫★、脳悪性リンパ腫、血管芽腫☆、髄芽腫★を含む。

脳実質外腫瘍として、髄膜腫★★、下垂体腺腫☆、神経鞘腫★、頭蓋咽頭腫を含む。

転移性脳腫瘍として、転移性脳腫瘍★、髄膜癌腫症(癌性髄膜炎)を含む。

頭蓋骨腫瘍として、頭蓋骨腫瘍を含む。

【頭部外傷】

到達目標:

① 頭部外傷の分類を説明できる。

頭部外傷として、脳挫傷★、脳震盪、びまん性軸索損傷、急性硬膜外血腫、急性硬膜下血腫、慢

性硬膜下血腫、脳内血腫、頭蓋骨骨折、髄液漏、外傷性てんかん、高次脳機能障害を含む。

② 急性硬膜外・硬膜下血腫の症候と診断、治療を説明できる。

急性硬膜外血腫★★★、急性硬膜下血腫★

③ 慢性硬膜下血腫の症候、診断と治療を説明できる。★★★

④ 頭部外傷の治療とリハビリテーションを概説できる。

⑤ 脊髄損傷★★

⑥ 骨折 上顎骨骨折★、側頭骨骨折★、頭蓋底骨折☆

【末梢神経疾患】

到達目標:

① ニューロパチーの病因(栄養障害、中毒、遺伝性)と病態の分類と治療を概説できる。

Guillain-Barre 症候群★★、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎、多発性ニューロパチー、遺伝性

運動感覚性ニューロパチー、アミロイドニューロパチー、癌性ニューロパチー、単ニューロパチ

ー★、多発単ニューロパチー★

遺伝子運動感覚性ニューロパチーの関連病態として、CharcotーMarrie-Tooth 病★を含む。

単ニューロパチーとして(Bell麻痺)を含む。

② Guillain-Barre 症候群の症候、診断、治療を説明できる。

③ Bell 麻痺の症候、診断と治療を説明できる。

④ 主な神経痛(三叉・肋間・坐骨神経痛)の診断と治療を概説できる。

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【筋疾患】

到達目標:

① 重症筋無力症の病態、症候と診断、治療を説明できる。★★

② 進行性筋ジストロフィーの病因、分類、症候、診断と治療を説明できる。★★

進行性筋ジストロフィー(Duchenne 型★、Becker 型を含む。

③ 周期性四肢麻痺の診断と治療を概説できる。★★

神経筋接合部、筋疾患には、重症筋無力症、Lambert-Eaton 症候群、進行性ジストロフィー、筋

強直ジストロフィー★、内分泌・代謝性ミオパチー、多発性筋炎、周期性四肢麻痺、悪性高熱症

を含む。

進行性筋ジストロフィーには関連病態として(Duchenne 型、Becker 型)を含む。

④ ミトコンドリア脳筋症の診断と治療を概説できる。★

ミトコンドリア脳筋症(MELAS、MERRF,Kearns-Sayre症候群、Leigh 脳症を含む)

【発作性疾患】

到達目標:

① てんかん(小児を含む)の分類、診断と治療を説明できる。

全般性てんかん(強直間代発作)

単純部分発作、複雑部分発作(側頭葉てんかん、前頭葉てんかん)

② ナルコレプシーを概説できる。

ナルコレプシー、周期性過眠症、けいれん重積状態、汎自律神経失調症(pandysautonomia)

【先天性と周産期脳障害】

到達目標:

① 脳性麻痺の病因、病型、症候とリハビリテーションを説明できる。

② 水頭症の種類、症候、診断と治療を説明できる。

水頭症として 閉塞性水頭症、交通性水頭症、正常圧水頭症★★、くも膜嚢胞を含む。

③ 脊髄空洞症の病態、症状と治療を概説できる。

④ 二分脊椎症の診断と治療を概説できる。

頭蓋破裂(脳瘤)、二分脊椎、髄膜瘤、Chiari 奇形、脊髄空洞症

⑤ 頭蓋骨早期癒合症の病態、症状と治療を概説できる。

狭頭症、Crouzon 病を含む。

4. 評価法

1) 合格点 100点法により行い、60点以上を合格点とする。

2) 評価点の算出・内わけ

パフォーマンス評価 20点

クリニカルクラークシップ後試験 40点

プレゼンおよび試問 40点

3) 再追試験 1)の評価点が60点に満たない場合に再試験を行う。

5. 予習項目

1) 構造と機能

神経系の一般特性

脊髄と脊髄神経

脳幹と脳神経

大脳と高次機能

運動系

感覚系

自律機能と本能行動

2) 診断と検査の基本

脳・脊髄 CT・MRI検査

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3) 症候

けいれん

めまい

頭痛

運動麻痺・筋力低下

運動失調と不随意運動

歩行障害

言語障害

頭蓋内圧亢進

4) 疾患

① 各種脳・脊髄血管障害の病態、症候と診断

脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血、脳動脈瘤、解離性脳動脈瘤、脳血管攣縮、正常圧水頭症

心原性脳塞栓症、アテローム血栓性脳梗塞、ラクナ梗塞、一過性脳虚血性発作、脳動脈狭窄・閉

塞、内頚動脈起始部狭窄、Wallenberg 症候群、Weber症候群、Millard Gubler 症候群)、脳動

静脈奇形、tPA治療

② 認知症と変性疾患の病態、症候と診断

Alzheimer 型認知症、Lewy小体型認知症、Pick 病(前頭側頭葉型認知症)、Parkinson 病、進行

性核上性麻痺、Huntington 舞踏病、筋萎縮性側索硬化症

③ 感染性・炎症性・脱髄性疾患の病態、症候と診断

脳炎・髄膜炎、細菌性髄膜炎、結核性髄膜炎、髄膜炎菌、神経梅毒、多発性硬化症、脳膿瘍

④ 脳・脊髄腫瘍の病態、症候と診断

神経膠腫、胚細胞腫、脳悪性リンパ腫、髄芽腫、髄膜腫、神経鞘腫、転移性脳腫瘍

⑤ 頭部外傷の病態、症候と診断

脳挫傷、急性硬膜外血腫、急性硬膜下血腫、慢性硬膜下血腫、脊髄損傷、側頭骨骨折、頭蓋底骨折

⑥ 末梢神経疾患の病態、症候と診断

Guillain-Barre 症候群、単ニューロパチー、多発単ニューロパチー、CharcotーMarrie-Tooth 病

⑦ 筋疾患の病態、症候と診断

重症筋無力症、進行性筋ジストロフィー、ミトコンドリア脳筋症

6. 教科書・参考書

脳卒中のガイドライン 2015

医学生・研修医のための神経内科学

神経内科ケース・スタディ: 病変部位決定の仕方

続・3 分間神経診察法: 症状から一発診断

脳神経外科学 改訂12版

グリーンバーグ脳神経外科ハンドブック

図解脳神経外科

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7. 学習項目

構造と機能 症候 診断と検査 疾患と治療

Ⅰ 神経系の一般特性

脊髄と脊髄神経

脳幹と脳神経

大脳と高次機能

運動系

感覚系

自律機能と本能行動

けいれん★★★

めまい

頭痛★★★

運動麻痺・筋力

低下

運動失調と不随

意運動

歩行障害

頭蓋内圧亢進★

脳・脊髄 CT・

MRI

RI 検査

脳波、筋電図

末梢神経伝導速

脳梗塞、脳出血★★★

クモ膜下出血、脳動脈瘤★★★

心原性脳塞栓症★★

一過性脳虚血発作★★★

ラクナ梗塞

Alzheimer 型認知症★★★、Lewy 小

体型認知症★★、Pick 病★

Parkinson 病★★★

筋萎縮性側索硬化症★★★

細菌性髄膜炎★★★

多発性硬化症★★

急性硬膜外血腫★★★、急性硬膜下

血腫★、慢性硬膜下血腫★★★

進行性筋ジストロフィー(Duchenne

型★、Becker 型

Ⅱ 言語障害

高次脳機能障害

脳血管撮影検査

神経・筋生検

脳血管攣縮★、正常圧水頭症★

高血圧性脳出血★★、Wallenberg 症

候群★★、 Weber 症候群、 Millard

Gubler 症候群★、脳動静脈奇形★

Huntington 舞踏病★

真菌性髄膜炎、結核性髄膜炎★、髄

膜炎菌★、神経梅毒★、脳膿瘍★★

脊髄損傷★★

Ⅲ もやもや病★、無症候性脳梗塞、

脳血管障害の予防、tPA治療★★

仮性球麻痺、嚥下性肺炎、廃用性萎

縮、深部静脈血栓症★

脳卒中後の急性期・回復期・維持期

リハビリテーション

脊髄性筋萎縮症、多発性硬化症、急

性散在性脳脊髄炎、脊髄小脳変性

症、多系統萎縮症★、Machado-

Joseph 病★、Shy-Drager 症候群、オ

リーブ橋小脳萎縮症、線条体黒質変

性症

脳炎、髄膜炎、亜急性硬化性全脳炎

(SSPE)、HIV脳症、HTLV-I 関連ミ

オパチー(HAM)

Wilson 病、Wernicke 脳症、ミトコン

ド リ ア 脳 筋 症 、 MELAS 、 MERRF 、

Kearns-Sayre 症候群、Leigh 脳症

白質変性症、副腎白質ジストロフィ

ー、異染性白質ジストロフィー

一酸化炭素中毒(CO 中毒)、低酸素

脳症

神経膠腫★★、胚細胞腫★、脳悪性

リンパ腫、血管芽腫☆、髄芽腫★、

髄膜腫★★、下垂体腺腫☆、神経鞘

腫★、頭蓋咽頭腫、転移性脳腫瘍

★、髄膜癌腫症(癌性髄膜炎)

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脳挫傷★、脳震盪、びまん性軸索損

傷、脳内血腫、頭蓋骨骨折、髄液

漏、外傷性てんかん、高次脳機能障

Guillain-Barre 症候群★★、慢性炎

症性脱髄性多発根神経炎、多発性ニ

ューロパチー、遺伝性運動感覚性ニ

ューロパチー、アミロイドニューロ

パチー、癌性ニューロパチー、単ニ

ューロパチー★、多発単ニューロパ

チー★

遺伝子運動感覚性ニューロパチー、

CharcotーMarrie-Tooth 病★、単ニュ

ーロパチーとして(Bell麻痺)

周期性四肢麻痺、重症筋無力症、

Lambert-Eaton 症候群、進行性ジスト

ロフィー、筋強直ジストロフィー

★、内分泌・代謝性ミオパチー、多

発性筋炎、周期性四肢麻痺、悪性高

熱症

ミトコンドリア脳筋症(MELAS、MERRF、

Kearns-Sayre 症候群、Leigh 脳症)、

ナルコレプシー、周期性過眠症、

けいれん重積状態、汎自律神経失調

症(pandysautonomia)

閉塞性水頭症、交通性水頭症、特発

性正常圧水頭症★★、くも膜嚢胞、

頭蓋破裂(脳瘤)、二分脊椎、髄膜瘤、

Chiari 奇形、脊髄空洞症、狭頭症、

Crouzon 病

8. オフィスアワー

脳神経外科・血管内治療科 PHS e-mail 質問できる時間帯

教授 黒岩 敏彦 6663 neu040

准教授 宮地 茂 6301 neu137

診療准教授 梶本 宜永 6246 neu039 火曜日と木曜日の終日

講師 田村 陽史 6665 neu034

講師 川端 信司 6284 neu046

講師 古瀬 元雅 6550 neu054

講師 野々口 直助 6352 neu077

助教 池田 直廉 3376 neu098

神経内科 PHS e-mail 質問できる時間帯

専門教授 木村 文治 6108 In1110

講師 中嶋 秀人 6962 in1045

講師(准) 石田 志門 6467 in1212

特任助教(准) 山根 一志 6499 in1303

助教 宇野田 喜一 6132 in1287

メールは、上記アドレス(e-mail)の後に@osaka-med.ac.jp つけてください。質問できる時間帯の指定が

ない場合や連絡がつかない場合は、メールもしくは PHS で直接連絡を取ってください。

9. 初日の集合場所、時間

脳神経外科医局(5 号館 5階)、午前 9時

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10. コース説明と時間割

◇1・2週目の共通オリエンテーションで全体のプログラムを説明し、最初の脳神経外科・血管内治療

科および神経内科の患者を割り当てる。

◇共通演習は各科の教員が担当し医療面接・診察手技・臨床検査・X線読影などを演習する。

◇手術実習は受け持ち患者の手術に優先的に入る。4週間の間に最低2名の患者を受け持つ。

◇4週間内に行われる受け持ち患者の手術は原則としてすべて入る。

◇筋電図実習は 3名とし、実習者の選定は適宜行う。

1週目

2週目

月 共通オリエンテーション

病棟実習病棟実習

脳血管内手術

8:00 9:00 10:30 12:00 13:00 13:45

脳外科回診 病棟実習

病棟実習 病棟実習広域医療セン

ター実習

14:30 15:00 16:30 17:00 18:00

手術実習・病棟実習中央手術室

手術実習・病棟実習中央手術室

病棟・外来実習筋電図実習(3名)

内科回診(第4内科グループ) 病棟実習

手術実習・病棟実習中央手術室

手術実習・脳血管内手術実習中央手術室

病棟・外来実習 病棟実習退院前カンファレン

ス在宅訪問

病棟・外来実習筋電図実習(3名)

病棟・外来実習 ルンバール実習

脳外科回診血管内手術演習/シミュレーション

脳血管内手術アンギオ室

特別演習

神経内科回診 病棟実習・在宅訪問

金神経カンファレンス卒中カンファレンス

脳外科回診 病棟実習・脳ドック(3名) 英文抄読会 病棟実習

病棟実習

14:30 15:00 16:30 17:00 18:00

病棟実習病棟実習

脳血管内手術脳外科回診

8:00 9:00 10:30 12:00 13:00 13:45

手術実習・病棟実習中央手術室

手術実習・病棟実習中央手術室

病棟・外来実習 内科回診(第4内科グループ) 病棟実習

病棟実習

病棟実習 病棟実習広域医療セン

ター実習

手術実習・脳血管内手術実習中央手術室

病棟・外来実習 病棟実習退院前カンファレンス(広域医療セ

ンター)

手術実習・病棟実習中央手術室

脳外科回診血管内手術演習/シミュレーション

脳血管内手術アンギオ室

特別演習

病棟・外来実習 ルンバール実習

脳外科回診 病棟実習・脳ドック(3名) 英文抄読会 病棟実習

病棟実習 神経内科回診 病棟実習・在宅訪問

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3週目

4週目

病棟実習 病棟実習広域医療セン

ター実習

8:00 9:00 10:30 12:00 13:00 13:45

病棟実習 病棟実習 脳外科回診 病棟実習

14:30 15:00 16:30 17:00 18:00

病棟・外来実習内科回診(第4内科グループ) 病棟実習

病棟・外来実習筋電図実習(3名)

手術実習・病棟実習中央手術室

病棟・外来実習 病棟実習退院前カンファレ

ンス在宅訪問

手術実習・病棟実習中央手術室

手術実習・脳血管内手術実習中央手術室

脳外科回診血管内手術演習/シミュレーション

血管内手術実習

病棟・外来実習筋電図実習(3名)

病棟・外来実習 ルンバール実習

特別演習

英文抄読会 病棟実習

金神経カンファレンス卒中カンファレンス

病棟実習 神経内科回診 病棟実習・在宅訪問

脳外科回診 病棟実習・脳ドック(3名)

病棟実習 病棟実習広域医療セン

ター実習

8:00 9:00 10:30 12:00 13:00 13:45

病棟実習 病棟実習 脳外科回診 病棟実習

14:30 15:00 16:30 17:00 18:00

病棟実習

特別演習

脳外科回診血管内手術演習/シミュレーション

血管内手術実習

病棟・外来実習 内科回診(第4内科グループ) 病棟実習

病棟・外来実習筋電図実習(3名)

手術実習・病棟実習中央手術室

脳外科回診 病棟実習・脳ドック(3名)

神経内科口頭試問 脳外科筆記テスト・口頭試問

病棟実習 神経内科回診

病棟実習退院前カンファレ

ンス在宅訪問

手術実習・病棟実習中央手術室

手術実習・脳血管内手術実習中央手術室

病棟・外来実習

病棟・外来実習

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運動器コース

1. コース名等

1) コース名 運動器コース

2) コース責任者 根尾 昌志(整形外科)

3) コース主任 槇野 茂樹(リウマチ膠原病内科)

佐浦 隆一(リハビリテーション科)

4) 指導教員

リウマチ膠原病内科

武内 徹、小谷 卓矢、秦 健一郎、吉田 周造、永井 孝治、藤木 陽平、和田 裕美子

整形外科

安田 稔人、藤原 憲太、馬場 一郎、三幡 輝久、中野 敦之、横田 淳司、嶋 洋明、大槻 周平、

大野 克記、岡本 純典、廣藤 真司、長谷川 彰彦、飯田 剛

リハビリテーション科

冨岡 正雄、仲野 春樹、羽森 貫

2. 一般目標

免疫系の機構・運動器系の正常構造と機能を理解し、自己免疫疾患・運動器疾患の病因、病態生理、症

候、診断と内科的および外科的治療・リハビリテーションの基本を学ぶ。

3. 到達目標

☆:重要な項目;★:重要な項目かつ国試頻出問題

A 内科系

一般目標:

免疫系の機構を分子レベルで理解し、免疫疾患の病態生理を理解し、症候、診断と治療を学ぶ。

1) 構造と機能

【免疫系の一般特性】

到達目標:

① 生体防御機構における免疫系の特徴(特異性、多様性、寛容、記憶)を説明できる。

② 免疫反応に関わる組織と細胞を説明できる。☆

③ 免疫学的自己の確立と破綻を説明できる。☆

④ 自然免疫と獲得免疫の違いを説明できる。☆

【自己と非自己の識別に関与する分子とその役割】

到達目標:

① MHCクラス I とクラス IIの基本構造、抗原提示経路の違いを説明できる。

② 免疫グロブリン(Ig)と T細胞抗原レセプター(TCR)の構造と反応様式を説明できる。

③ Igと TCR 遺伝子の構造と遺伝子再構成に基づき、多様性獲得の機構を説明できる。

④ 自己と非自己の識別機構の確立と免疫学的寛容を概説できる。

【免疫反応の調節機構】

到達目標:

① 抗原レセプターからのシグナルを増強あるいは減弱する調節機構を概説できる。☆

② 代表的なサイトカイン・ケモカインの特徴を説明できる。☆

③ Th1/Th2 細胞それぞれが担当する生体防御反応を説明できる。☆

【疾患と免疫】

到達目標:

① 免疫寛容の維持機構とその破綻による自己免疫疾患の発症を概説できる。

② 自己免疫疾患の疾患感受性遺伝子(HLA 領域・非 HLA領域)について説明できる。

2) 診断と検査

到達目標:

身体診察は共通事項を参照

① 自己抗体の種類と臨床的意義を説明できる。☆

② 免疫学的検査の目的、適応と異常所見を説明し、結果を解釈できる。☆

③ 関節超音波検査法・MRIの臨床的意義を説明できる。

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3) 症候

【ショック】【発熱】【全身倦怠感】【発疹】【貧血】【出血傾向】【リンパ節腫脹】【浮腫】

【呼吸困難】【咳・痰】【蛋白尿】【筋力低下】以上は他コースを参照

【腰背部痛】【関節痛・関節腫脹】運動器コース外科系を参照

4) 疾患

【自己免疫疾患一般】

到達目標:

① 膠原病と自己免疫疾患を概説し、その種類を列挙できる。☆

② 関節炎をきたす疾患を列挙できる。☆

③ Raynaud (レイノー)症状を説明し、原因疾患を列挙できる。★

【全身性エリテマトーデス(SLE)】

到達目標:

① SLEの病態生理、症候、診断と治療とリハビリテーションを説明できる。★★★

② SLEの合併症(中枢神経ループス、ループス腎炎)を説明できる。★★★

③ 抗リン脂質抗体症候群の病態生理、症候、診断と治療を説明できる。★★

【全身性硬化症(強皮症)、皮膚筋炎・多発(性)筋炎】

到達目標:

① 強皮症の病態生理、症候、診断と治療とリハビリテーションを説明できる。★

② 強皮症の臓器病変(特に肺・腎)を説明できる。★

③ 皮膚筋炎・多発(性)筋炎の症候、診断と治療を説明できる。★★★

【関節リウマチ】

到達目標:

① 関節リウマチの病態生理、症候、診断、治療とリハビリテーションを説明できる。★★★

② 関節リウマチの関節外症状を説明できる。★★★

③ 悪性関節リウマチの症候、診断と治療を説明できる。

④ Felty 症候群の特徴を説明できる。

⑤ 若年性関節リウマチの特徴を説明できる。★

【血管炎症候群、Sjögren(シェーグレン)症候群、Behçet (ベーチェット)病とその他】

到達目標:

① 混合性結合組織病の病態生理、症候、診断と治療とリハビリテーションを説明できる。★

② 血管炎症候群を列挙し、その病態生理、症候、診断と治療とリハビリテーションを説明できる。

巨細胞性動脈炎★★、大動脈炎症候群(高安動脈炎)★★、顕微鏡的多発血管炎★★、

多発血管炎性肉芽腫症★★、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症★★、Henoch-Scholein 紫斑病、

結節性多発動脈炎、クリオグロブリン血症、Goodpasture 症候群★★

③ Sjögren(シェーグレン)症候群を概説できる。★

④ Behçet(ベーチェット)病を概説できる。★

⑤ 成人 Still(スチル)病・血球貪食症候群を概説できる。★

⑥ 脊椎関節症の分類、症候、診断と治療とリハビリテーションを説明できる。☆

強直性脊椎炎、反応性関節炎、乾癬性関節炎、炎症性腸疾患関連関節炎

⑦ リウマチ性多発筋痛症の症候、診断と治療とリハビリテーションを説明できる。★

⑧ リウマチ熱の原因、症候、診断と治療とリハビリテーションを説明できる。

【自己免疫疾患に合併する病態と疾患】

到達目標:

① 溶血性貧血の病態、診断と治療を説明できる。★

温式自己免疫性溶血性貧血、赤血球破砕症候群

② 血栓性血小板減少性紫斑病を概説できる。★

③ ニューロパチーの病態を概説できる。

④ 尋常性乾癬、乾癬性関節炎の病態、症候と治療とリハビリテーションを説明できる。★

⑤ 再発性多発軟骨炎を概説できる。

⑥ 肺高血圧症を概説できる。★★★

⑦ サルコイドーシスの症候、診断と治療とリハビリテーションを説明できる。★★★

⑧ 間質性肺炎の分類、症候、診断と治療とリハビリテーションを説明できる。★

⑨ 胸膜炎・縦隔気腫の症候と診断を説明できる。★

⑩ 胃食道逆流症[逆流性食道炎(GERD)]の症候、診断を説明できる。

⑪ 原発性胆汁性肝硬変の病理、症候、診断と治療を説明できる。★★

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⑫ 尿細管性アシドーシスの病態生理、診断と治療を説明できる。

⑬ 間質性腎炎の病態生理、診断と治療を説明できる。

⑭ アミロイドーシスの症候と診断と治療とリハビリテーションを説明できる。★

【自己免疫疾患における薬物治療】

到達目標:

① ステロイド薬および非ステロイド性抗炎症薬の薬理作用、副作用を説明できる。★★

② 免疫抑制薬、分子標的薬の薬理作用、副作用を概説できる☆

B 外科系

一般目標:

運動器系の正常構造と機能を理解し、主な運動器疾患の病因、病態生理、症候、診断と治療を学ぶ。

1) 構造と機能

到達目標:

① 骨・軟骨・関節・靭帯の構造と機能を説明できる。☆

② 頭部・顔面の骨の構成を説明できる。

③ 四肢の骨・関節を列挙し、主な骨の配置を図示できる。☆

④ 脊椎の構造と脊柱の構成を説明できる。☆

⑤ 四肢の主要筋群の運動と神経支配を説明できる。

⑥ 骨盤の構成を説明できる。

⑦ 骨の成長と骨形成・吸収の機序を説明できる。

⑧ 姿勢と体幹の運動にかかわる筋群を概説できる。☆

⑨ 抗重力筋を説明できる。☆

2) 診断と検査

到達目標:

身体診察は共通事項を参照

① 徒手検査(関節可動域検査、徒手筋カテスト)と感覚検査を説明できる。☆

② 筋骨格系画像診断(エックス線、エコー、MRI、脊髄造影、骨塩定量)の適応を概説できる。

③ 筋骨格系の生理学的検査の種類と適応を概説できる。

④ 関節鏡検査を概説できる。

3) 症候

【運動麻痺・筋力低下】神経コースを参照

【関節痛・関節腫脹】

到達目標:

① 関節痛、関節腫脹の病因と病態生理を説明できる。☆

② 関節痛、関節腫脹のある患者の診断の要点を説明できる。☆

【腰背部痛】

到達目標:

① 腰背部痛の原因を列挙できる。☆

② 腰背部痛を訴える患者の診断の要点を説明できる。☆

【動揺】

到達目標:

① 関節動揺を概説できる。

4) 疾患

到達目標:

① 骨折の分類(単純と複雑)、症候、診断、治療とリハビリテーションと合併症を説明できる。★

② 骨粗鬆症の病因と病態を説明し、骨折の好発部位を列挙できる。★★★

③ 関節の脱臼、亜脱臼、捻挫、靭帯損傷の定義、重症度分類、診断と治療とリハビリテーショ

ンを説明できる。

④ 変形性関節症を列挙し、症候と治療とリハビリテーションを説明できる。☆

⑤ 関節炎、滑膜炎の病因と治療とリハビリテーションを説明できる。

化膿性脊椎炎、結核性骨関節炎、化膿性関節炎、関節リウマチ★★★(運動器コース内科系

を参照)、痛風★、偽痛風★、滑液包炎、腱鞘炎

⑥ 骨肉腫と Ewing (ユーイング)肉腫の診断と治療とリハビリテーションを説明できる。

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⑦ 腰椎椎間板ヘルニアの診断と治療とリハビリテーションを説明できる。

⑧ 脊髄損傷の診断、治療とリハビリテーションを説明できる。

⑨ 絞扼性末梢神経障害を列挙し、その症候を説明できる。

⑩ 頸椎症性脊髄症(靭帯骨化症を含む)の神経症候を説明できる。

⑪ 腰部脊柱管狭窄症の症候と治療とリハビリテーションを説明できる。

⑫ 腰椎分離・すべり症の症候と治療とリハビリテーションを説明できる。

⑬ 転移性脊椎腫瘍の好発部位と診断とリハビリテーションを説明できる。

⑭ 四肢の基本的外固定法を説明できる。☆

⑮ 骨形成不全症と軟骨無形成症を概説できる。

⑯ コンパートメント症候群を概説できる。

⑰ 骨・関節疾患の周術期管理を概説できる。

⑱ 骨・関節疾患のリハビリテーションを概説できる。

C リハビリテーション

一般目標:

リハビリテーションの基本を学ぶ

到達目標:

① リハビリテーションの概念と適応を説明できる。☆

② リハビリテーションチームの構成を理解し、医師の役割を説明できる☆

③ 福祉・介護との連携におけるリハビリテーションの役割を説明できる☆

④ 障害を国際生活分類(ICF)に則り、心身機能・身体構造、活動、参加を健康状態および環境

因子・個人因子との関係のなかで説明できる

⑤ 日常生活動作(ADL)手段的日常生活関連動作(iADL)を説明し評価できる

⑥ 理学療法、作業療法と言語療法を概説できる

⑦ 主な歩行補助具、車いす、義肢(義手、義足)と装具を概説できる

4. 評価法

日々の評価(出席、診療録記載、パフォーマンスなど) 50点

小テスト 10点

レポート・プレゼンテーション 20 点

試問 20 点

5. 予習項目

1) 構造と機能

【免疫系の一般特性】

免疫反応に関わる組織と細胞、免疫学的自己の確立と破綻、自然免疫と獲得免疫の違い

【免疫反応の調節機構】

抗原レセプターからのシグナルを増強あるいは減弱する調節機構、代表的なサイトカイン・ケモカ

イン、Th1/Th2 細胞それぞれが担当する生体防御反応

【骨・軟骨・関節・靭帯の解剖】

骨・軟骨・関節・靭帯の構造と機能、椎骨の構造と脊柱の構成

2) 診断と検査

自己抗体の種類と臨床的意義、免疫学的検査の目的、適応、解釈、

徒手検査(関節可動域検査、徒手筋カテスト)と感覚検査

3) 症候

関節痛、関節腫脹の病因と病態生理、腰背部痛の原因

4) 疾患

膠原病と自己免疫疾患の種類、関節炎をきたす疾患、Raynaud (レイノー)症状と原因疾患

【疾患の病態生理、症候、診断】

全身性エリテマトーデス〈SLE〉、関節リウマチ、骨折、骨粗鬆症、変形性関節症、痛風、偽痛風

【治療】

ステロイド薬および非ステロイド性抗炎症薬の薬理作用、副作用

リハビリテーションの概念と適応、リハビリテーションチームの構成

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6. 教科書・参考書

免疫学イラステッド (南江堂)

免疫生物学 (南江堂)

基礎免疫学 (エルゼビア・ジャパン)

ハリソン内科学 (メディカル・サイエンス・インターナショナル)

内科学 (朝倉書店)

ベイツ診察法 第 2版

異常値の出るメカニズム (医学書院)

標準整形外科学 第 12版 (医学書院)

神中整形外科 改訂 23版 (南光堂)

整形外科医のための手術解剖学図説 第4版 (南光堂)

整形外科医のための神経学図説-脊髄・神経根障害レベルのみかた、おぼえかた 新装版(南光堂)

最新リハビリテーション医学(医歯薬出版株式会社)

標準リハビリテーション医学(医学書院)

現代リハビリテーション医学(金原出版)

7. 学習項目

構造と機能 症候 診断と検査 疾患と治療

Ⅰ 免疫系の一般特性☆

免疫反応の調節機構☆

免疫寛容の維持機構

骨・軟骨・関節・靭帯

の解剖☆

関節痛☆

関節腫脹☆

腰背部痛☆

レイノー症状★

蝶形紅斑★★★

自己抗体☆

免疫学的検査☆

徒手検査☆

感覚検査☆

全身性エリテマトーデス★★★

関節リウマチ★★★

骨折★、骨粗鬆症★★★

変形性関節症☆、痛風★、偽痛風★

ステロイド薬および非ステロイド性抗

炎症薬の薬理作用、副作用★★

リハビリテーションの概念と適応☆

Ⅱ 免疫寛容の破綻による

自己免疫疾患の発症☆

姿勢と体幹の運動にか

かわる筋☆

抗重力筋☆

多形滲出性紅斑

環状紅斑☆

網状皮斑☆

血栓性静脈炎

爪上皮出血点

乾癬★

関節動揺

筋骨格系画像診

断 ( エ ッ ク ス

線 、 エ コ ー 、

MRI 、 脊 髄 遺

影、骨塩定量)

全身性硬化症★

皮膚筋炎・多発筋炎★★★

血管炎症候群★★、混合性結合組織★

シェーグレン症候群★

ベーチェット病★

成人 Still 病・血球貪食症候群★

リウマチ性多発筋痛症★

若年性関節リウマチ★

肺高血圧症★★★、間質性肺炎★

骨肉腫、Ewing 肉腫

腰椎椎間板ヘルニア、脊髄損傷

絞扼性末梢神経障害

免疫抑制薬、分子標的薬☆

四肢の基本的外固定法☆

骨・関節疾患の周術期管理

骨・関節疾患のリハビリテーション

Ⅲ 自己免疫疾患の疾患感

受性遺伝子

筋骨格系の生理

学的検査、関節

鏡検査

脊椎関節症、再発性多発軟骨炎、

頸椎症性脊髄症、腰部脊柱管狭窄症、

腰椎分離・すべり症、転移性脊椎腫

瘍、

骨形成不全症、軟骨無形成症、

コンパートメント症候群、日常生活動

作、理学療法、作業療法、言語療法、

歩行補助具、車いす、義肢、装具

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8. オフィスアワー

リウマチ膠原病内科 PHS e-mail 質問できる時間帯

専門教授 槇野 茂樹 6125 in1246 火曜日午後・木曜日午後

講師 武内 徹 6833 t-takeuchi 月曜日午後・水曜日終日・金曜日午前

助教 小谷 卓矢 6194 in1242

助教(准) 秦 健一郎 6127 in1306

助教(准) 吉田 周造 6113 in1307

助教(准) 永井 孝治 6701 in1314

助教(准) 藤木 陽平 6517 in1333

助教(准) 和田 裕美子 3370 in1361

整形外科学 PHS e-mail 質問できる時間帯

教授 根尾 昌志 3483 neo

准教授 安田 稔人 6469 ort028

講師 藤原 憲太 6258 ort033 月曜日カンファ後、木曜日 15時~、金曜日 16時~

講師 馬場 一郎 6256 ort039

講師 三幡 輝久 6257 tmihata

講師(准) 中野 敦之 6428 ort095

講師(准) 横田 淳司 6474 ort148

助教 嶋 洋明 6561 ort125

助教 大槻 周平 6357 ort182

助教 大野 克記 6250 ort140

助教 岡本 純典 6673 ort141

助教 廣藤 真司 6464 ort150

助教 長谷川 彰彦 6475 ort171

助教(准) 飯田 剛 3458 ort154

リハビリテーション医学 PHS e-mail 質問できる時間帯

教授 佐浦 隆一 6509 saura 月曜日午後・水曜日午前・金曜日午後

准教授 冨岡 正雄 6774 reh094

講師 仲野 春樹 6433 reh075

助教 羽森 貫 6459 hamori

メールは、上記アドレス(e-mail)の後に@osaka-med.ac.jp つけてください。質問できる時間帯の指定が

ない場合や連絡がつかない場合は、メールもしくは PHS で直接連絡を取ってください。

9. 初日の集合場所、時間

整形外科医局(6号館 2階)、午前 9時

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60

10. コース説明と時間割

◇1・2週目の共通オリエンテーションで全体のプログラムを説明し、最初のリ膠内科・整形外科の患

者を割り当てる。

◇共通演習は各科の教員が担当し医療面接・診察手技・臨床検査・X線読影などを演習する。

◇手術実習は受け持ち患者の手術に優先的に入る。4週間の間に最低2名の患者を受け持つ。

◇4週間内に行われる受け持ち患者の手術は原則としてすべて入る。

◇関節エコーは2名ずつ4週の間に必ず1回以上参加する。

◇全員が毎日病棟実習できるよう時間を配慮している。

1週目

A:2人

B:2人

C:2人

D:2人

E:2人

F:2人

A:2人

B:2人

C:2人

D:2人

E:2人

F:2人

A:2人

B:2人

C:2人

D:2人

E:2人

F:2人

A:2人

B:2人

C:2人

D:2人

E:2人

F:2人

A:2人

B:2人

C:2人

D:2人

E:2人

F:2人

2週目

A:2人

B:2人

C:2人

D:2人

E:2人

F:2人

A:2人

B:2人

C:2人

D:2人

E:2人

F:2人

A:2人

B:2人

C:2人

D:2人

E:2人

F:2人

A:2人

B:2人

C:2人

D:2人

E:2人

F:2人

A:2人

B:2人

C:2人

D:2人

E:2人

F:2人

病棟実習 リウマチ教室

15:00 16:30 18:00

月 共通オリエンテーション 共通演習1

新入院患者紹介第6会議室

指導医

教授回診62病棟

大原、大槻、大野

症例検討会第6会議室

指導医

8:00 9:00 10:30 12:00 13:00 13:45

体験実習(装具採型) 病棟実習

特別演習

病棟実習 病棟実習

抄読会第6会議室

担当医

手術実習・病棟実習中央手術室

指導医(講師、助教)

手術実習・病棟実習中央手術室

指導医(講師、助教)

病棟実習病棟実習

抄読会

関節エコー

病棟実習

内科回診 病棟実習症例検討

会関節エコー(予備)

病棟実習

病棟実習 病棟実習 画像読影

痙縮治療実習

関節エコー

病棟実習

症例検討第6会議室

指導医

手術実習 ・病棟実習中央手術室

指導医(講師、助教)

手術実習・病棟実習中央手術室

指導医(講師、助教)

リウマチ教室

15:00 16:30 18:00

病棟実習

共通演習2

三島急性期リハ実習

病棟実習 病棟実習

8:00 9:00 10:30 12:00 13:00 13:45

病棟実習

外 来 実 習整形外来

(教授外来、初診外来 など)病棟実習

特別演習

電気生理

抄読会第6会議室

担当医

手術実習・病棟実習中央手術室

指導医(講師、助教)

手術実習・病棟実習中央手術室

指導医(講師、助教)

病棟実習

病棟実習

抄読会関節エコー

病棟実習

病棟実習

リハ症例検討 病棟実習

症例検討第6会議室

指導医

手  術  実  習中央手術室

指導医(講師、助教) 2週間のまとめ共通オリエンテーション

病棟実習 ギブス・造影・検査・エコーなど

関節エコー(予備)

内科回診病棟実習

症例検討会病棟実習

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61

3週目

A:2人

B:2人

C:2人

D:2人

E:2人

F:2人

A:2人

B:2人

C:2人

D:2人

E:2人

F:2人

A:2人

B:2人

C:2人

D:2人

E:2人

F:2人

A:2人

B:2人

C:2人

D:2人

E:2人

F:2人

A:2人

B:2人

C:2人

D:2人

E:2人

F:2人

4週目

A:2人

B:2人

C:2人

D:2人

E:2人

F:2人

A:2人

B:2人

C:2人

D:2人

E:2人

F:2人

A:2人

B:2人

C:2人

D:2人

E:2人

F:2人

A:2人

B:2人

C:2人

D:2人

E:2人

F:2人

A:2人

B:2人

C:2人

D:2人

E:2人

F:2人

新入院患者紹介第6会議室

指導医

教授回診62病棟

大原、大槻、大野

症例検討会第6会議室

指導医

15:00 16:30 18:00

病棟実習

共通演習3

病棟実習 リウマチ教室

病棟実習

8:00 9:00 10:30 12:00 13:00 13:45

病棟実習

病棟実習 病棟実習

特別演習

体験実習(装具採型)

病棟実習関節エコー

抄読会病棟実習

症例検討第6会議室

指導医

手術実習・病棟実習中央手術室

指導医(講師、助教)

手術実習・病棟実習中央手術室

指導医(講師、助教)

病棟実習

内科回診病棟実習

症例検討会

関節エコー(予備)

病棟実習 病棟実習 画像読影

病棟実習

症例検討第6会議室

指導医

手術実習・病棟実習中央手術室

指導医(講師、助教)

手術実習・病棟実習中央手術室

指導医(講師、助教)

痙縮治療実習

病棟実習

関節エコー

三島急性期リハ実習

15:00 16:30 18:00

病棟実習

共通演習4

病棟実習 リウマチ教室

病棟実習

8:00 9:00 10:30 12:00 13:00 13:45

電気生理 病棟実習

特別演習外 来 実 習

整形外来(教授外来、初診外来 など)

病棟実習

病棟実習病棟実習

抄読会

関節エコー

抄読会第6会議室

担当医

手術実習・病棟実習中央手術室

指導医(講師、助教)

手術実習・病棟実習中央手術室

指導医(講師、助教)

リハ症例検討

口頭試問 口頭試問症例検討第6会議室

指導医

手術実習・病棟実習中央手術室

指導医(講師、助教)

病棟実習症例検討

会病棟実習

病棟実習 ギブス・造影・検査・エコーなど

関節エコー(予備)

内科回診

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精神科コース

1. コース名等

1) コース名 精神科コース

2) コース責任者 米田 博

3) コース主任 川野 涼

4) 指導教員 花岡 忠人、金沢 徹文、木下 真也、富樫 哲也、山内 繁、中野 友義、

大内 正太、比嘉 祐子、桂 良輔、南 詠美

2. 一般目標

精神と行動の障害に対して、全人的な立場から、病態生理、診断、治療を理解し、良好な患者と医師の

信頼関係に基づいた全人的医療を学ぶ

3. 到達目標

〈基本的な精神症状の評価の仕方、面接法、治療を学ぶ〉

❖ 適切な身だしなみ、言葉遣い、礼儀正しい態度で患者に接することができる。

❖ 医療面接における基本的コミュニケーション技法を用いることができる。

❖ 病歴(主訴、現病歴、既往歴、家族歴、社会歴、システムレビュー)を聴き取り、情報を取捨選択

し整理できる。

❖ 診察で得た所見、診断、必要な検査を説明、報告できる。

❖ 精神科疾患の診察を見学し、診断と治療計画の立案・実施に参加できる。

❖ 精神症状をもつ患者の診療を行う上での、法と倫理の必須項目を列挙できる。

❖ 精神症状・精神障害の初期症状と、どのような場合に専門医へのコンサルテーションが必要か説明

できる。

1) 構造と機能

到達目標

・ 内因性、外因性、心因性精神疾患の概念について概説できる。

・ 防衛機制について概説できる。

・ 神経症の機序について概説できる。

・ 心因反応(体験反応)について概説できる。

2) 診断と検査の基本

到達目標

・ 患者-医師の良好な信頼関係に基づく精神科面接の基本を説明できる。

・ 精神科診断分類法(多軸診断システムを含む)を説明できる。

・ 精神科医療の法と倫理に関する必須項目(精神保健および精神障害者福祉に関する法律、心神喪

失者等医療観察法、インフォームドコンセント)を説明できる。

・ コンサルテーション・リエゾン精神医学を説明できる。

・ 心理学的検査法の種類と概要を説明できる。

・ 脳波検査について概説できる。

3) 症候(☆:診療科として重要な項目、★:国家試験頻出)

到達目標

・ 不安をきたす精神障害を列挙し、その鑑別診断を説明できる。

・ 不眠をきたす精神障害を列挙し、その鑑別診断を説明できる。

・ うつ・躁うつをきたす精神障害を列挙し、その鑑別診断を説明できる。

・ 離人症について説明できる。★

・ 幻覚・妄想をきたす精神障害を列挙し、その鑑別診断を説明できる。

・ 記憶障害(健忘)をきたす精神障害を列挙できる。

・ せん妄の病像、要因について概説できる。★★★

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4) 疾患

到達目標(主な精神疾患・障害の症候、診断と治療を概説できる)

・ 症状性(器質性)精神病の診断と治療を説明できる。☆

・ 認知症の診断と治療を説明できる。 ★★

・ 薬物の乱用、依存、離脱の診断と治療を説明できる。

・ アルコール依存症の診断と治療を説明できる。 ★★★

アルコール離脱について説明できる。★★

Wernicke脳症について説明できる。★★

Korsakoff症候群について説明できる。★

・ 覚醒剤精神病の診断と治療を説明できる。★

・ 統合失調症の急性期の診断と救急治療を説明できる。 ★★★

・ 統合失調症の慢性期の診断と治療を説明できる。

・ 妄想性障害の診断と治療を説明できる。★★

・ 急性一過性精神病性障害(非定型精神病)の診断と治療を説明できる。☆

・ うつ病の診断と治療を説明できる。 ★★★

・ 双極性障害の診断と治療を説明できる。 ★★

・ てんかんの診断と治療を説明できる。☆

・ 不安障害(パニック障害、社交性及び全般性不安障害)★★★の診断と治療を説明できる。

パニック障害★★

社交不安障害★★

全般性不安障害★

・ 強迫性障害の診断と治療を説明できる。★★

・ 重度ストレス反応および適応障害(外傷後ストレス障害<PTSD>を含む)の診断と治療を説明できる。

外傷後ストレス障害★★

・ 摂食障害(神経性食思不振症、神経性大食症)の診断と治療を説明できる。

神経性食思不振症★★★

・ 睡眠障害の診断と治療を説明できる。★★

レム睡眠行動障害★

・ 解離性<転換性>障害の症候、診断と治療を説明できる。 ★

・ 身体表現性障害の症候、診断と治療を説明できる。

・ 緘黙症について説明できる。★

・ 人格<パーソナリティ>障害を概説できる。 ★

境界性人格障害

・ 精神遅滞<知的障害>と広汎性発達障害<自閉症、Asperger症候群>を概説できる。

広汎性発達障害★★★、自閉症★★、Asperger症候群★★、注意欠陥多動性障害(ADHD)★

学習障害★

・ 行為障害を概説できる。

・ チックについて説明できる。★★

チック

Gilles de la Tourette症候群★★

・ 性同一性障害を概説できる。

4. 評価法

日々の評価(出席含む) 50%

レポート 20%

プレゼンテーション 10%

試問 20%

5. 予習項目

1) 精神疾患の原因(外因性、内因性、心因性)

2) 統合失調症の概念、経過、診断、治療

3) うつ病・躁うつ病の概念、経過、診断、治療

4) 神経症の概念、防衛機制

5) 心因反応、適応障害の概念

6) 外因性精神疾患の原因

7) 一般精神療法

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6. 教科書・参考書

参考文献

・ 現代臨床精神医学(金原出版)

・ カプラン臨床精神医学テキスト(メディカルサイエンスインターナショナル)

・ 新版 臨床精神病理学(文光堂)

・ 精神病理学原論(みすず書房)

・ 精神医学入門(南山堂)

・ 意識障害を診わける(診療新社)

・ せん妄の臨床指針-せん妄の治療指針(星和書店)

・ 脳波判読step by step 入門編(医学書院)

・ 急性一過性精神病(アルタ出版)

推薦図書

・ 精神医学の基本問題(創造出版)

・ 精神分析入門(岩波書店)

・ 精神科の薬がわかる本(医学書院)

・ 精神病理学とは何だろうか(星和書店)

・ 脳からみた心(日本放送出版協会)

7. 学習項目(レベル表)

概略表

レベル 構造と機能 症候 診断と検査 病態と疾患 治療

Ⅰ 内因性、外

因性、心因

性精神疾患

について

不安

不眠

抑うつ

離人症★

医療面接の基本

精神科診断分類

心理学的検査

統合失調症★★★、気分障害★★★、

うつ病★★★、双極性障害★★、

非定型精神病☆、

症状性(器質性)精神障害☆、

認知症★★

薬物療法

電気けいれん療法

(ECT)

精神療法

Ⅱ 神経症の機

序、心因反

応について

防衛機制に

ついて

幻覚

妄想

せん妄★

★★

記憶障害

病歴聴取

治療計画の立案

コミュニケーシ

ョン技法

コンサルテーシ

ョン・リエゾン

脳波検査

アルコール依存症★★

Wernicke脳症★★

Korsakoff症候群★

覚醒剤精神病★

妄想性障害★

不安障害★★★

パニック障害★★

社交不安障害★★

全般性不安障害★

強迫性障害★★

抗精神病薬

抗うつ薬

抗不安薬

睡眠薬

気分安定薬

抗てんかん薬

認知症治療薬

行動療法

認知行動療法

森田療法

Ⅲ 法と倫理

精神保健福祉法

心神喪失者等医

療観察法

インフォームド

コンセント

外傷後ストレス障害(PTSD)★★

適応障害☆

神経性食思不振症★★★

睡眠障害★★

レム睡眠行動障害★

解離性(転換性)障害

身体表現性障害

パーソナリティ障害

広汎性発達障害★★★

自閉症★★

Asperger症候群★★

注意欠陥多動性障害(ADHD)★

チック★★

Gilles de la Tourette症候群★★

性同一性障害

精神科リハビリテ

ーション

社会技能訓練(SST)

小規模作業所

授産施設

デイケア・ナイト

ケア

生活支援センター

就労支援

*:クリニカルクラークシップ終了時までに学ぶ

☆・★:臨床において重要な項目(★:国試頻出問題)

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8. オフィスアワー(質問の時間)

精神神経科 PHS e-mail 質問できる時間帯

川野 涼 6182 [email protected] 精神神経科医局

月曜日 14:00-15:00、金曜日 15:00-16:00

9. 初日の集合時間、場所

8時30分に精神神経科医局内・集団精神療法室に集合

10. コース説明と時間割

コース説明

① 共通のオリエンテーションを毎週月曜日に行う。

② 12名のグループを3名単位の4つのグループに分割し、実習、講義、自習をグループ毎に行う。実習

や講義によっては合同で行うものもある。

③ 各学生は実習期間を通して患者1名以上を受け持ち、主治医チームとして診療に参加する。指導医

による指導のもとで病歴の聴取、診察、診療録記載を行う。

④ 病棟実習/自学自習の時間帯は主に担当患者の診察、検査結果の評価、診療録記載を行い、必要に

応じて自学自習を行う。

⑤ 病棟実習/自学自習の時間帯にスライドまたはビデオによる教材を各自視聴しレポートを作成する。

⑥ リエゾン・コンサルテーション実習については、時間割に記載された時間帯以外の病棟、外来実習

中にも適宜行う。

⑦ 新阿武山病院での実習では入院患者1名を担当し、内容の指定がない時間帯は適宜外来実習、断酒

会、デイケア、訪問看護、PSW業務の見学を行う。

⑧ 最終日に受け持ち患者について症例発表し、質疑応答を行う。

⑨ 出席状況、実習態度、診療録の記載内容、レポート、プレゼンテーションなどについて総合的に評

価する。

⑩ 360度評価(担当患者、医師、看護師、その他の医療スタッフによる評価)を出席・実習態度の評

価に組み入れる。

⑪ 新阿武山病院での実習については同院教員による評価表の提出を行う。

時間割 1週目 8:45 9:00 11:00 13:00 15:00 17:00

月 全員 共通オリエ

ンテーション 教授回診 入院カンファレンス

講義:

カルテの

書き方

3名 A 外来実習 予診、シュライバー、入院 病棟実習 (入院患者紹介)、リエゾン・コンサルテーション

3名 B 外来実習 てんかん外来 病棟実習 (入院患者紹介)、リエゾン・コンサルテーション

3名 C 病棟実習(入院患者紹介) 病棟実習 リエゾン・コンサルテーション

3名 D 新阿武山病院(アルコール依存症、認知症) 新阿武山病院 断酒会、デイケア、訪問看護見学

3名 A 新阿武山病院(アルコール依存症、認知症)

講義

せん妄について

3名 B 病棟実習/自学自習

3名 C 外来実習 予診、シュライバー、入院

3名 D 病棟実習/自学自習(入院患者紹介)

3名 A 電気けいれん療法 病棟実習/自学自習 担当患者プレゼン

3名 B 新阿武山病院(アルコール依存症、認知症) 新阿武山病院 ミニレクチュア(新阿武山病院にて)

3名 C 外来実習(認知症外来) 病棟実習/自学自習 担当患者プレゼン

3名 D 外来実習(予診、シュライバー、入院) 病棟実習/自学自習 担当患者プレゼン

3名 A 病棟実習/自学自習

PSW、看護師合同

退院調整カンファレンス

講義

精神症状の捉え方

3名 B 外来実習 予診、シュライバー、入院

3名 C 新阿武山病院(アルコール依存症、認知症)

3名 D 病棟実習/自学自習

Page 71: コア・クリニカル・クラークシップ SYLLABUS …...育連盟(WFME)グローバルスタンダードによれば、教育期間の約3分の1、概ね2年間が 要求されている。実習期間で言えば約70週間である。本学の新カリキュラムではコア・

66

2週目 8:45 9:00 11:00 13:00 15:00 17:00

月 全員 共通オリエ

ンテーション 教授回診 病棟実習

入院カンファレンス 病棟実習

3名 A 新阿武山病院 新阿武山病院 断酒会、デイケア、訪問看護見学

3名 B 外来実習 予診、シュライバー、入院 病棟実習/自学自習、リエゾン・コンサルテーション

3名 C 外来実習 てんかん外来 病棟実習/自学自習、リエゾン・コンサルテーション

3名 D 病棟実習/自学自習 病棟実習/自学自習、リエゾン・コンサルテーション

3名 A 外来実習 児童・思春期外来/病棟実習

講義

身体に起因する精神症状

3名 B 新阿武山病院

3名 C 病棟実習/自学自習

3名 D 外来実習 予診、シュライバー、入院

3名 A 外来実習 予診、シュライバー、入院 心理検査実習/病棟実習 担当患者プレゼン

3名 B 電気けいれん療法 心理検査実習/病棟実習 担当患者プレゼン

3名 C 新阿武山病院 新阿武山病院 ミニレクチュア(新阿武山病院にて)

3名 D 外来実習(認知症外来) 病棟実習/自学自習 担当患者プレゼン

3名 A 病棟実習/自学自習

PSW、看護師合同

退院調整カンファレンス

講義

精神疾患の診断

3名 B 病棟実習/自学自習

3名 C 外来実習 予診、シュライバー、入院

3名 D 新阿武山病院

3週目 8:45 9:00 11:00 13:00 15:00 17:00

月 全員 共通オリエ

ンテーション 教授回診 病棟実習 入院カンファレンス 病棟実習

3名 A 病棟実習/自学自習 病棟実習/自学自習、リエゾン・コンサルテーション

3名 B 新阿武山病院 新阿武山病院 断酒会、デイケア、訪問看護見学

3名 C 外来実習 予診、シュライバー、入院 病棟実習/自学自習、リエゾン・コンサルテーション

3名 D 外来実習 てんかん外来 病棟実習/自学自習、リエゾン・コンサルテーション

3名 A 外来実習 予診、シュライバー、入院

新阿武山病院での

実習について報告

(C、D プレゼンテーション)

3名 B 外来実習 児童・思春期外来/病棟実習

3名 C 新阿武山病院

3名 D 病棟実習/自学自習

3名 A 外来実習 認知症外来 病棟実習/自学自習 担当患者プレゼン

3名 B 外来実習 予診、シュライバー、入院 病棟実習/自学自習 担当患者プレゼン

3名 C 電気けいれん療法 病棟実習/自学自習 担当患者プレゼン

3名 D 新阿武山病院 新阿武山病院 ミニレクチュア(新阿武山病院にて)

3名 A 新阿武山病院

行動制限最小化委員会 講義

向精神薬の使い方

3名 B 病棟実習/自学自習

3名 C 病棟実習/自学自習

3名 D 外来実習 予診、シュライバー、入院

4週目 8:45 9:00 11:00 13:00 15:00 17:00

月 全員 共通オリエ

ンテーション 教授回診 病棟実習 入院カンファレンス 病棟実習

3名 A 外来実習 てんかん外来 病棟実習/自学自習、リエゾン・コンサルテーション

3名 B 病棟実習/自学自習 病棟実習/自学自習、リエゾン・コンサルテーション

3名 C 新阿武山病院 新阿武山病院 断酒会、デイケア、訪問看護見学

3名 D 外来実習 予診、シュライバー、入院 病棟実習/自学自習、リエゾン・コンサルテーション

3名 A 病棟実習/自学自習

新阿武山病院での

実習について報告

(A、B プレゼンテーション)

3名 B 外来実習/予診、シュライバー、入院

3名 C 外来実習 児童・思春期外来/病棟実習

3名 D 新阿武山病院

3名 A 新阿武山病院 新阿武山病院 ミニレクチュア(新阿武山病院にて)

3名 B 外来実習 認知症外来 病棟実習/自学自習 担当患者プレゼン

3名 C 外来実習 予診、シュライバー、入院 心理検査実習/病棟実習 担当患者プレゼン

3名 D 電気けいれん療法 心理検査実習/病棟実習 担当患者プレゼン

金 3名 A 外来実習 予診、シュライバー、入院 総括

口頭試問等

Page 72: コア・クリニカル・クラークシップ SYLLABUS …...育連盟(WFME)グローバルスタンダードによれば、教育期間の約3分の1、概ね2年間が 要求されている。実習期間で言えば約70週間である。本学の新カリキュラムではコア・

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小児科コース

1. コース名等

1) コース名 小児科コース

2) コース責任者 玉井 浩(教授)

3) コース主任 瀧谷 公隆(講師)

4) 指導教員 玉井 浩、余田 篤、荻原 享、片山 博視、芦田 明、瀧谷 公隆、新田 雅彦、

井上 彰子、島川 修一、長谷川 昌史、岡本 奈美、井代 学、岸 勘太、尾崎 智康、

安井 昌子、青松 友槻、松村 英樹、福井 美保、梶恵 美里、稲富 直、吉田 誠司、

謝花 幸祐、篠原 潤

2. 一般目標

小児科学では、周産期から思春期までの時期を対象とする。小児の特徴は成長・発達であり、年齢を考

慮して、疾患および病態を理解することが重要である。さらに小児期特有の生理および病態生理を理解し

たうえで、小児医療の特色と現状を体験する。

3. 到達目標 コアカリ分類 名称

4年生で習得する疾患 5・6年生で習得する疾患

C 医学一般

C-4 病因と病態

C-4-(1) 遺伝子異常と疾患・発生発達

異常

C-4-(1)-G 遺伝子・染色体異常と発生発

達異常や疾患の発生との関連

を理解する。

C-4-(1)-1) 胚<生殖>細胞と体細胞、それ

ぞれにおける遺伝子異常が引

き起こす疾患の相違点を説明

できる。

C-4-(1)-2) Mendel(メンデル)遺伝の3つ

の様式を説明し、代表的な遺

伝性疾患を列挙できる。

C-4-(1)-3) 多因子遺伝が病因となる疾患

を列挙し、その特徴を説明で

きる。

C-4-(1)-4) 染色体異常による疾患の中で

主なものを挙げ、概説でき

る。

Down症候群、18trisomy、

13trisomy、Klinefelter症候

群、猫鳴き症候群、22q11.2欠

失症候群、Turner症候群

C-4-(1)-5) 個体の発達異常における遺伝

因子と環境因子の関係を概説

できる。

C-4-(1)-6) ミトコンドリア遺伝子の変異

による疾患を例示できる。

C-4-(3) 代謝障害

C-4-(3)-G 糖質、蛋白質、脂質等の代謝

異常によって生じる多様な疾

患について理解する。

Marfan症候群

C-4-(3)-1) 糖質代謝異常の病態を説明で

きる。

C-4-(3)-2) 蛋白質・アミノ酸代謝異常

の病態を説明できる。

C-4-(3)-3) 脂質代謝異常の病態を説明

できる。

C-4-(3)-4) 核酸・ヌクレオチド代謝異

常の病態を説明できる。

Lesch-Nyhan症候群

C-4-(3)-5) 無機質代謝異常の病態を説

明できる。

Page 73: コア・クリニカル・クラークシップ SYLLABUS …...育連盟(WFME)グローバルスタンダードによれば、教育期間の約3分の1、概ね2年間が 要求されている。実習期間で言えば約70週間である。本学の新カリキュラムではコア・

コアカリ分類 名称

4年生で習得する疾患 5・6年生で習得する疾患

68

D 人体各器官の正常構造と機

能、病態、診断、治療

D-1 血液・造血器・リンパ系

D-1-G 血液・造血器・リンパ系の

構造と機能を理解し、主な

疾患の病因、病態生理、症

候、診断と治療を学ぶ。

D-1-(4) 疾患

D-1-(4)-① 貧血

D-1-(4)-①-1) 貧血を分類し、鑑別に有用

な検査を列挙できる。

D-1-(4)-①-2) 鉄欠乏性貧血の病因、病

態、診断と治療を説明でき

る。

鉄欠乏性貧血

D-1-(4)-①-3) 再生不良性貧血の病因、病

態、診断、治療と予後を説

明できる。

Fanconi貧血

Diamond-Blackfan症候群

D-1-(4)-①-4) 溶血性貧血の病因、病態、

診断と治療を説明できる。

遺伝性球状赤血球症

異常ヘモグロビン症

サラセミア

赤血球酵素異常症

D-1-(4)-② 白血病と類縁疾患

D-1-(4)-②-1) 急性白血病の病態、症候、

診断、治療と予後を説明で

きる。

D-1-(4)-②-2) 急性白血病のFAB分類を概

説できる。

D-1-(4)-②-3) 慢性骨髄性白血病の病態、

症候、診断、治療と予後を

説明できる。

急性骨髄性白血病(AML)

D-1-(4)-②-4) 骨髄異形成症候群<MDS>の

臨床像を説明できる。

D-1-(4)-②-6) ※小児白血病と成人白血病

の違いを説明できる。

急性リンパ性白血病(ALL) 慢性肉芽腫症、

Chediak-Higashi症候群、

Histiocytosis、血球貪食症候

群、伝染性単核{球}症

D-1-(4)-③ 悪性リンパ腫と骨髄腫

D-1-(4)-③-1) 悪性リンパ腫の分類を概説

し、病態、症候、診断、治

療と予後を説明できる。

D-1-(4)-④ 出血傾向・紫斑病その他

D-1-(4)-④-1) 出血傾向の病因、病態、症

候と診断を説明できる。

D-1-(4)-④-2) 特発性血小板減少性紫斑病

<ITP>の病態、症候、診断

と治療を説明できる。

特発性血小板減少性紫斑病

(ITP)

D-1-(4)-④-3) 血友病の病態、症候、診

断、治療と遺伝形式を説明

できる。

血友病 von Willebrand病

ビタミンK欠乏症

D-1-(4)-④-4) 播種性血管内凝固〈DIC〉

の基礎疾患、病態、診断と

治療を説明できる。

D-1-(4)-④-5) ※溶血性尿毒症症候群

〈HUS〉の基礎疾患、病態、

診断と治療を説明できる。

溶血性尿毒症症候群(HUS)

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コアカリ分類 名称

4年生で習得する疾患 5・6年生で習得する疾患

69

D-1-(4)-④-6) ※アレルギー性(血管性)

紫斑病を概説できる。

Schonlein-Henoch紫斑病

(SHP)

D-1-(4)-④-7) ※血栓性血小板減少性紫斑

病〈TTP〉を概説できる。

TTP(ADAMTS-13)、プロテインC欠

乏症、プロテインS欠乏症、アン

チトロンビン欠乏症、Glanzmann

病、Bernard–Soulier症候群

D-2 神経系

D-2-G 神経系の正常構造と機能を

理解し、主な神経系疾患の

病因、病態生理、症候、診

断と治療を学ぶ。

D-2-(3) 症候

D-2-(3)-X (【けいれん】【意識障害・失

神】【めまい】【頭痛】【運動

麻痺・筋力低下】はF1参照)

D-2-(3)-① 運動障害と不随意運動

D-2-(4) 疾患

D-2-(4)-① 脳・脊髄血管障害

D-2-(4)-①-1) 脳血管障害(脳梗塞、脳内出

血、くも膜下出血)の病態、

症候と診断を説明できる。

脳動静脈奇形(AVM)

もやもや病

D-2-(4)-② 認知症と変性疾患

D-2-(4)-②-5) ※脊髄小脳変性症を概説で

きる。

急性小脳失調症

副腎白質ジストロフィー

Werdnig-Hoffmann病

異染性白質ジストロフイー

MELAS、MERRF

Kearns-Sayre症候群

Leigh脳症

D-2-(4)-③ 感染性・炎症性・脱髄性疾

D-2-(4)-③-1) 脳炎・髄膜炎の病因、症候

と診断を説明できる。

細菌性髄膜炎

無菌性髄膜炎

Reye症候群

亜急性硬化性全脳炎(SSPE)

インフルエンザ脳症

D-2-(4)-⑦ 筋疾患

D-2-(4)-⑦-1) 重症筋無力症の病態、症候

と診断を説明できる。

重症筋無力症(MG)

D-2-(4)-⑦-2) 進行性筋ジストロフィーの

病因、分類、症候と診断を

説明できる。

Duchenne型筋ジストロフィ

Becker型筋ジストロフィー

先天性筋強直性ジストロフィー

D-2-(4)-⑦-4) ※ミトコンドリア脳筋症を

概説できる。

ミトコンドリア脳筋症

D-2-(4)-⑧ 発作性疾患

D-2-(4)-⑧-1) てんかん(小児を含む)の

分類、診断と治療を説明で

きる。

欠伸発作、West症候群、

Lennox-Gastaut症候群、

熱性痙攣、結節性硬化症、

Sturge-Weber症候群

憤怒けいれん<泣き入りひきつけ

>、小児欠神てんかん、

中心・側頭部に棘波をもつ良性

小児てんかん

D-2-(4)-⑨ 先天性と周産期脳障害

D-2-(4)-⑨-1) 脳性麻痺の病因、病型、症

候とリハビリテーションを

説明できる。

脳性麻痺

重症心身障害児

急性小児片麻痺

D-2-(4)-⑨-2) 水頭症の種類、症候と診断

を説明できる。

Chiari奇形

D-2-(4)-⑨-3) ※脊髄空洞症を概説でき

る。

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コアカリ分類 名称

4年生で習得する疾患 5・6年生で習得する疾患

70

D-2-(4)-⑨-4) ※二分脊椎症を概説でき

る。

二部脊椎(総論)

脊髄髄膜瘤

軟骨無形成症、骨形成不全症、

大理石骨病、神経線維腫症1型

<von Recklinghausen病>、

頭蓋骨早期癒合症、小頭症

D-5 循環器系

D-5-G 循環器系の構造と機能を理

解し、主な循環器疾患の病

因、病態生理、症候、診断

と治療を学ぶ。

D-5-(4) 疾患

D-5-(4)-① 心不全

D-5-(4)-①-1) 心不全の定義と重症度分類

を説明できる。

D-5-(4)-①-2) 心不全の原因疾患と病態生

理を説明できる。

D-5-(4)-①-3) 左心不全と右心不全の診断

を説明し、治療を概説でき

る。

D-5-(4)-①-4) 急性心不全と慢性心不全の

診断を説明し、治療を概説

できる。

D-5-(4)-③ 不整脈

D-5-(4)-③-1) 主な頻脈性不整脈(期外収

縮<上室性、心室性>、

Wolff-Parkinson-White(ウ

ォルフ・パーキンソン・ホ

ワイト)症候群、発作性上

室性頻拍症)の心電図上の

特徴を説明できる。

D-5-(4)-④ 弁膜症

D-5-(4)-④-2) 感染性心内膜炎の病因、症

候と診断を説明し、治療を

概説できる。

D-5-(4)-⑤ 心筋・心膜疾患

D-5-(4)-⑤-1) 特発性心筋症と二次性心筋

疾患の定義・概念と病態生

理を説明できる。

D-5-(4)-⑤-2) ※心筋炎の病因と症候を説

明できる。

D-5-(4)-⑥ 先天性心疾患

D-5-(4)-⑥-1) 主な先天性心疾患(心房中

隔欠損症、心室中隔欠損

症、動脈管開存、Fallot

(ファロー)四徴症)の病

態生理、症候と診断を説明

し、治療を概説できる。

先天性心疾患

心室中隔欠損症(VSD)

心房中隔欠損症(ASD)

房室中隔欠損症(AVSD)

総肺静脈環流異常症(TAPVR)

左心低形成症候群

完全大血管転位症(TGA)

大動脈縮窄症

肺動脈狭窄症(PS)

肺動脈閉鎖症、

Fallot四徴症(TOF)

動脈管開存症(PDA)

三尖弁閉鎖症(TA)

Ebstein病

Bland-White-Garland症候群

修正大血管転位症

両大血管右室起始症

大動脈離断症

部分肺静脈還流異常症

Scimitar症候群

単心房

単心室

総動脈幹症

内臓心房錯位

無脾

多脾

Blalock-Taussig短絡手術

Rastelli手術

Jatene手術

Fontan手術

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コアカリ分類 名称

4年生で習得する疾患 5・6年生で習得する疾患

71

D-6 呼吸器系

D-6-G 呼吸器系の構造と機能を理

解し、主な呼吸器疾患の病

因、病態生理、症候、診断

と治療を学ぶ。

D-6-(4) 疾患

D-6-(4)-② 呼吸器感染症

D-6-(4)-②-1) 急性上気道感染症(かぜ症

候群)の病因、診断と治療

を説明できる。

D-6-(4)-②-2) 気管支炎・肺炎の主な病原

体を列挙し、症候、診断と

治療を説明できる。

急性細気管支炎

マイコプラズマ肺炎

D-6-(4)-②-6) ※クループの病因、診断と

治療を説明できる。

急性声門下喉頭炎

急性喉頭蓋炎

D-6-(4)-③ 閉塞性・拘束性障害をきた

す肺疾患

D-6-(4)-③-4) 気管支喘息の病態生理、診

断と治療を説明できる。

D-6-(4)-③-5) 小児期の気管支喘息の特徴

を説明できる。

気管支喘息

D-6-(4)-⑧ 気管支拡張症とその他の肺

疾患

D-6-(4)-⑧-3) 新生児呼吸促迫症候群の症

候、病態、診断と治療を説

明できる。

D-7 消化器系

D-7-G 消化器系の正常構造と機能

を理解し、主な消化器系疾

患の病因、病態生理、症

候、診断と治療を学ぶ。

D-7-(4) 疾患

D-7-(4)-② 胃・十二指腸疾患

消化管アレルギー

好酸球性胃腸炎

D-7-(4)-②-5) Helicobacter pylori<ヘリ

コバクター・ピロリ>感染

症の診断と治療を説明でき

る。

D-7-(4)-②-10) ※肥厚性幽門狭窄症を概説

できる。

肥厚性幽門狭窄症

D-7-(4)-③ 小腸・大腸疾患

D-7-(4)-③-4) 急性虫垂炎の症候、診断と

治療を説明できる。

急性虫垂炎

D-7-(4)-③-6) 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸

炎・Crohn(クローン)病)

の病態、症候、診断と治療

を説明できる。

D-7-(4)-③-8) 過敏性腸症候群を概説でき

る。

D-7-(4)-③-9) ※腸管憩室を概説できる。

D-7-(4)-③-10) ※薬剤性大腸炎を概説でき

る。

D-7-(4)-③-11) ※消化管ポリポーシスを概

説できる。

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コアカリ分類 名称

4年生で習得する疾患 5・6年生で習得する疾患

72

D-7-(4)-③-12) ※大腸の主な先天性疾患

(鎖肛、Hirschsprung(ヒル

シュシュプルング)病)を

概説できる。

Hirschsprung病

直腸肛門奇形(鎖肛)

D-7-(4)-③-13) ※腸重積症を概説できる。

腸重積症

D-7-(4)-④-5) ※先天性胆道拡張症と膵・

胆管合流異常症を概説でき

る。

先天性胆道拡張症

胆道閉鎖症

D-7-(4)-⑤ 肝疾患

D-7-(4)-⑤-1) A型・B型・C型肝炎の疫

学、症候、診断、治療、経

過と予後を説明できる。

新生児肝炎 体質性黄疸

Crigler-Najjar症候群

D-7-(4)-⑤-2) 急性肝炎、劇症肝炎と慢性

肝炎の定義を説明できる。

D-7-(4)-⑥ 膵臓疾患

D-7-(4)-⑥-1) 急性膵炎(アルコール性、

胆石性、特発性)の病態生

理、症候、診断と治療を説

明できる。

D-7-(4)-⑥-2) 慢性膵炎(アルコール性、

特発性)の病態生理、症

候、診断、合併症と治療を

説明できる。

D-8 腎・尿路系(体液・電解質

バランスを含む)

D-8-G 腎・尿路系の構造と機能を

理解し、主な腎・尿路系疾

患の病因、病態生理、症

候、診断と治療を学ぶ。

D-8-(3) 症候

D-8-(3)-X (【脱水】【浮腫】【蛋白

尿】【血尿】【尿量・排尿

の異常】はF1参照)

D-8-(3)-① 電解質異常

D-8-(3)-①-1) 高・低Na血症を概説でき

る。

D-8-(3)-①-2) 高・低K血症を概説でき

る。

D-8-(3)-①-3) 高・低Ca血症を概説でき

る。

D-8-(3)-② アシドーシス・アルカロー

シス

D-8-(3)-②-1) アシドーシス・アルカロー

シスの定義、病態生理と診

断を説明できる。

D-8-(4) 疾患

D-8-(4)-① 腎不全

D-8-(4)-①-1) 急性腎不全の病因、症候、

診断と治療を説明できる。

D-8-(4)-①-2) 慢性腎不全の病因、症候、

診断と治療を概説できる。

D-8-(4)-② 原発性糸球体疾患

D-8-(4)-②-1) 急性糸球体腎炎の病因、症

候、診断と治療を説明でき

る。

急性糸球体腎炎(AGN)

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コアカリ分類 名称

4年生で習得する疾患 5・6年生で習得する疾患

73

D-8-(4)-②-2) 慢性糸球体腎炎(IgA 腎症

を含む)の症候、診断と治

療を説明できる。

IgA腎症

D-8-(4)-②-3) ネフローゼ症候群の分類、

症候、診断と治療を説明で

きる。

微小変化群(LN/MC) 先天性ネフローゼ症候群

D-8-(4)-③ 腎血管障害

D-8-(4)-③-1) 腎血管性高血圧症を概説で

きる。

D-8-(4)-④ 尿細管機能異常

D-8-(4)-④-1) 尿細管性アシドーシスの分

類、病態生理、診断と治療

を説明できる。

家族性低リン血症性くる病

D-8-(4)-⑤ 間質性腎疾患

特発性尿細管性蛋白尿<Dent病>

D-8-(4)-⑤-1) 急性・慢性腎盂腎炎の病

因、症候、診断と治療を説

明できる。

腎盂腎炎

D-8-(4)-⑤-2) 急性・慢性間質性腎炎の病

因、症候、診断と治療を説

明できる。

D-8-(4)-⑥ 全身性疾患による腎障害

D-8-(4)-⑥-1) 糖尿病(性)腎症の症候、

診断と治療を説明できる。

糖尿病腎症

D-8-(4)-⑥-2) ※ループス腎炎の症候、診

断と治療を説明できる。

D-8-(4)-⑥-5) ※紫斑病性腎炎を概説でき

る。

紫斑病性腎炎

D-8-(4)-⑦ 先天異常、腫瘍と外傷

D-8-(4)-⑦-1) 腎尿路の主な先天異常(多

発性嚢胞腎、膀胱尿管逆

流)を概説できる。

先天性水腎症 膀胱尿管逆流症

D-12 内分泌・代謝系

D-12-G 内分泌・代謝系の構成と機

能を理解し、主な内分泌・

代謝疾患の病因、病態生

理、症候、診断と治療を学

ぶ。

D-12-(3) 症候

D-12-(3)-① 低身長

低身長

D-12-(3)-①-1) ※低身長をきたす疾患を列

挙し、その病態生理を説明

できる。

低身長(総論)

D-12-(3)-② 甲状腺腫

D-12-(3)-②-1) 甲状腺腫を分類し、疾患を

列挙できる。

D-12-(4) 疾患

D-12-(4)-① 視床下部・下垂体疾患

D-12-(4)-①-1) Cushing (クッシング)病

の病態と診断を説明でき

る。

Cushing症候群

D-12-(4)-①-3) 汎下垂体機能低下症を概説

できる。

性早熟症(思春期早発症) McCune-Albright症候群

D-12-(4)-①-4) 尿崩症を概説できる。

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コアカリ分類 名称

4年生で習得する疾患 5・6年生で習得する疾患

74

D-12-(4)-①-5) ※成長ホルモン分泌不全性

低身長症を概説できる。

成長ホルモン分泌不全低身

長症

D-12-(4)-①-6) ※視床下部・下垂体の画像

検査の意義と適応を説明で

きる。

D-12-(4)-①-8) ※ADH不適合分泌症候群

<SIADH>を概説できる。

D-12-(4)-② 甲状腺疾患

D-12-(4)-②-1) Basedow (バセドウ)病の

病態、症候、診断と治療を

説明できる。

D-12-(4)-②-2) 甲状腺炎(慢性・亜急性)

を概説できる。

D-12-(4)-②-3) 甲状腺機能低下症の症候、

診断と治療を説明できる。

クレチン症

D-12-(4)-④ 副腎皮質・髄質疾患

D-12-(4)-④-1) Cushing (クッシング)症

候群の病態、症候と診断を

説明できる。

D-12-(4)-④-3) 褐色細胞腫を概説できる。

D-12-(4)-④-4) ※副腎不全(急性・慢性)

の病因、病態生理、症候、

診断と治療を説明できる。

D-12-(4)-④-5) ※先天性副腎(皮質)過形

成を概説できる。

先天性副腎皮質過形成 真性・仮性半陰陽、膣欠損症、

Mayer-Rokitansky-Kuster-

Hauser症候群

D-12-(4)-④-6) ※神経芽腫を概説し、小児

腹部固形腫瘍(腎芽腫、胚

芽腫、奇形腫)との鑑別点

を説明できる。

神経芽腫

Wilms腫瘍

肝芽種

D-12-(4)-⑤ 糖代謝異常

D-12-(4)-⑤-1) 糖尿病の病因、病態生理、

分類、症候と診断を説明で

きる。

1型糖尿病

D-12-(4)-⑤-2) 糖尿病の急性合併症を説明

できる。

糖尿病ケトアシドーシス

(DKA)

D-12-(4)-⑤-3) 糖尿病の慢性合併症を列挙

し、概説できる。

D-12-(4)-⑤-4) 糖尿病の治療(食事療法、

運動療法、薬物治療)を概

説できる。

D-12-(4)-⑤-5) ※低血糖症を概説できる。

低血糖症

アセトン血症性嘔吐症

ケトン性低血糖症

D-12-(4)-⑧ ビタミンの欠乏と過剰

D-12-(4)-⑧-1) ビタミン欠乏症と過剰症を

概説できる。

ビタミンK欠乏症

くる病

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コアカリ分類 名称

4年生で習得する疾患 5・6年生で習得する疾患

75

D-12-(4)-⑨ 先天性代謝疾患

D-12-(4)-⑨-1) ※主な先天性代謝疾患(フ

ェニルケトン尿症、ガラク

トース血症、ホモシスチン

尿症、メープルシロップ尿

症)を概説できる。

糖原病I型(von Gierke病) 家族性高コレステロール血症

糖原病II型(Pompe病)

ガラクトース血症

リピドーシス:Tay-Sachs病、

Gaucher病、Niemann-Pick病、

Fabry病

ムコ多糖症:Hurler症候群、

Hunter症候群

先天性アミノ酸代謝異常症:フ

ェニルケトン尿症、ホモシチン

尿症、メープルシロップ尿症

尿素サイクル異常症

有機酸代謝異常症

D-12-(4)-⑨-4) ※Wilson(ウィルソン)病を

概説できる。

Wilson病、Menkes病、亜鉛欠乏

症候群<腸性肢端皮膚炎>、

Marfan症候群、Ehlers-Danlos症

候群

E 全身におよぶ生理的変化、

病態、診断、治療

E-1 感染症(C3(1)参照)

E-1-G 主な感染症の病因、病態生

理、症候、診断と治療を学

ぶ。

E-1-(2) 診断・検査・治療の基本

E-1-(2)-1) 主な感染症の原因となる病

原体を分類できる。

ロタウイルス胃腸炎

ボツリヌス菌

乳児下痢症

E-1-(2)-2) 細菌学的診断と血清学的診

断を概説できる。

E-1-(2)-3) 感染症の化学療法を概説で

きる。

E-1-(2)-4) ※感染症のDNA 診断法を概

説できる。

E-1-(2)-5) ※予防接種の適応と意義を

説明できる。

E-1-(4) 病態と疾患

E-1-(4)-① ウイルス感染症・プリオン

E-1-(4)-①-1) インフルエンザの症候、診

断と治療を説明できる。

E-1-(4)-①-2) 麻疹の症候と診断を説明で

きる。

麻疹

E-1-(4)-①-3) 風疹の症候、診断と合併症

を説明できる。

風疹

E-1-(4)-①-4) 流行性耳下腺炎<ムンプス>

の症候、診断と合併症を説

明できる。

流行性耳下腺炎

E-1-(4)-①-5) 水痘・帯状疱疹の症候、診

断と治療を説明できる。

水痘・帯状疱疹

E-1-(4)-①-6) ウイルス性皮膚疾患(単純

ヘルペスウイルス感染症、

伝染性紅斑、手足口病、ウ

イルス性ゆうぜい)を概説

できる。

手足口病

ヘルパンギーナ

伝染性紅斑

コクサッキーウイルス

エコーウイルス感染症

急性出血性結膜炎

単純ヘルペスウイルス感染症

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コアカリ分類 名称

4年生で習得する疾患 5・6年生で習得する疾患

76

E-1-(4)-①-7) ヒト免疫不全ウイルス

〈HIV〉感染症の感染経路、

自然経過、症候、診断、治

療と感染対策を説明でき

る。

E-1-(4)-①-8) ※突発性発疹の症候と診断

を説明できる。

突発性発疹

E-1-(4)-①-9) ※咽頭結膜熱の症候と診断

を説明できる。

アデノウイルス感染症、咽頭結

膜熱、流行性角結膜炎

E-1-(4)-①-10) ※サイトメガロウイルス

<CMV>感染症の症候、診断

と治療を説明できる。

サイトメガロウイルス感染症

E-1-(4)-①-11) ※伝染性単核(球)症の症

候と診断を説明できる。

EB<Epste in-Barr>ウイルス感染

症、デング熱、伝染性軟属腫、

ウイルス性肝炎、ウイルス性髄膜

炎、日本脳炎、ウイルス性下痢症:

ノロウイルス、ロタウイルス

E-1-(4)-② 細菌感染症

E-1-(4)-②-1) ブドウ球菌感染症の症候、

診断と治療を説明できる。

SSSS

E-1-(4)-②-2) A群レンサ球菌感染症の症

候、診断、治療とリウマチ

熱との関連を説明できる。

A群β型連鎖球菌

リウマチ熱(RF)

E-1-(4)-②-3) 結核の病因、症候、診断、

治療と予防を説明できる。

粟粒結核

E-1-(4)-②-4) 病原性大腸菌感染症を概説

できる。

E-1-(4)-②-5) ※ジフテリア、破傷風と百

日咳の症候、診断と予防を

説明できる。

百日咳

E-1-(4)-②-6) ※劇症型A群β溶連菌感染

症を概説できる。

E-1-(4)-②-7) ※インフルエンザ(桿)菌

と肺炎レンサ球菌感染症を

概説できる。

E-1-(4)-②-8) ※新生児B群レンサ球菌感

染症を概説できる。

E-1-(4)-③ クラミジア・リケッチア感

染症

E-1-(4)-③-1) クラミジア感染症を概説で

きる。

E-1-(4)-④ 真菌感染症と寄生虫症

E-1-(4)-④-1) カンジダ症の症候、診断と

治療を説明できる。

カンジダ症

E-1-(4)-④-2) ニューモシスチス肺炎の症

候、診断と治療を説明でき

る。

E-3 免疫・アレルギー疾患

E-3-G 免疫・アレルギー疾患の病

態生理を理解し、症候、診

断と治療を学ぶ。

E-3-(3) 病態と疾患

E-3-(3)-① 自己免疫疾患一般

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コアカリ分類 名称

4年生で習得する疾患 5・6年生で習得する疾患

77

E-3-(3)-①-1) 膠原病と自己免疫疾患を概

説し、その種類を列挙でき

る。

E-3-(3)-①-2) 関節炎をきたす疾患を列挙

できる。

E-3-(3)-①-3) Raynaud(レイノー)症状を

説明し、原因疾患を列挙で

きる。

E-3-(3)-② 全身性エリテマトーデス

<SLE>

E-3-(3)-②-1) 全身性エリテマトーデス

<SLE>の病態生理、症候、

診断と治療を説明できる。

E-3-(3)-②-2) ※全身性エリテマトーデス

<SLE>の合併症(中枢神経

ループス、ループス腎炎)

を説明できる。

E-3-(3)-②-3) ※抗リン脂質抗体症候群の

病態生理、症候、診断と治

療を説明できる。

E-3-(3)-③ 全身性硬化症<強皮症>、皮

膚筋炎・多発(性)筋炎

E-3-(3)-③-1) 全身性硬化症<強皮症>の病

態生理、症候、診断と治療

を説明できる。

E-3-(3)-③-2) 全身性硬化症<強皮症>の臓

器病変(特に肺・腎)を説

明できる。

E-3-(3)-③-3) 皮膚筋炎・多発(性)筋炎

の症候、診断と治療を説明

できる。

多発性筋炎・皮膚筋炎

(PM/DM)

E-3-(3)-④ 関節リウマチ

E-3-(3)-④-4) ※若年性関節リウマチの特

徴を説明できる。

若年性特発性関節炎(JIA)

E-3-(3)-⑤ 血管炎症候群、Sjogren

(シェーグレン)症候群、

Behcet(ベーチェット)病

とその他

E-3-(3)-⑤-1) 混合性結合組織病<MCTD>の

病態生理、症候、診断と治

療を説明できる。

E-3-(3)-⑤-2) 血管炎症候群を列挙し、そ

の病態生理、症候、診断と

治療を説明できる。

E-3-(3)-⑤-3) Sjogren (シェーグレン)

症候群を概説できる。

E-3-(3)-⑤-4) Behcet (ベーチェット)病

を概説できる。

E-3-(3)-⑤-5) ※Kawasaki (川崎)病<小

児急性熱性皮膚粘膜リンパ

節症候群>の病態生理、症

候、診断と治療を説明でき

る。

川崎病(MCLS)

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コアカリ分類 名称

4年生で習得する疾患 5・6年生で習得する疾患

78

E-3-(3)-⑥ アレルギー

E-3-(3)-⑥-1) アレルギー疾患の特徴とそ

の発症を概説できる。

E-3-(3)-⑥-2) アナフィラキシーの症候、

診断と治療を説明できる。

食物依存性運動誘発アナフィラ

キシー

E-3-(3)-⑥-3) 薬物アレルギーを概説でき

る。

E-3-(3)-⑦ 先天性免疫不全症

E-3-(3)-⑦-1) 先天性免疫不全症の病態、

診断と治療を説明できる。

Wiskott-Aldrich症候群

無γ-グロブリン血症

慢性肉芽腫症

E-4-(3) 疾患

E-4-(3)-① 中毒

E-4-(3)-①-1) 細菌性食中毒の病因、症候

と治療を説明できる。

E-5 成長と発達

E-5-G 胎児・新生児・乳幼児・小

児期から思春期にかけての

生理的成長・発達とその異

常の特徴および精神・社会

的な問題を理解する。

E-5-(1) 胎児・新生児

E-5-(1)-1) 胎児の循環・呼吸の生理的

特徴と出生時の変化を説明

できる。

多胎、双胎間輸血症候群、

溶血性疾患、血液型不適合妊娠、

胎児形態異常、胎児水腫、

子宮内胎児死亡、胎児水頭症、

胎児貧血、胎児母体間輸血症候群

E-5-(1)-2) 胎内発育の程度を在胎期間

と出生体重を加味して評価

できる。

低出生体重児、早期産児、

過期産児、巨大児

E-5-(1)-3) 主な先天性疾患を列挙でき

る。

先天性食道閉鎖症 先天性十二指腸閉鎖症・狭窄症、腸回転異常症、 先天性小腸閉鎖・狭窄症、 囊胞状リンパ管腫、 消化管奇形、内臓奇形、 小児の臍ヘルニア、 Kasabach-Merritt症候群、 鼠径ヘルニア(総論)、 外鼠径ヘルニア

胎児肺低形成

先天性横隔膜ヘルニア

E-5-(1)-4) 新生児の生理的特徴を説明

できる。

生理的黄疸、生理的黄疸

(総論)、母乳性黄疸

E-5-(1)-5) 胎児機能不全[non-

reassuring fetal status

<NRFS>]を説明できる。

NST、CTG、BPS

E-5-(1)-6) 新生児仮死の分類を説明で

きる。

新生児仮死 Apgarスコア、臍帯動脈血液ガス

E-5-(1)-7) 新生児マススクリーニング

を説明できる。

E-5-(1)-8) 新生児黄疸の鑑別と治療を

説明できる。

新生児黄疸 新生児溶血性疾患

E-5-(1)-9) 新生児期の呼吸障害の病因

を列挙できる。

胎便吸引症候群(MAS) 呼吸窮迫症候群(RDS) 未熟児無呼吸発作 新生児発作

一過性多呼吸

新生児慢性肺疾患

Wilson-Mikity症候群

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コアカリ分類 名称

4年生で習得する疾患 5・6年生で習得する疾患

79

E-5-(1)-10) ※正常児・低出生体重児・

病児の管理の基本を説明で

きる。

E-5-(1)-11) ※低出生体重児固有の疾患

を概説できる。

E-5-(1)-12) ※救急を要する新生児疾患

(新生児けいれんを含む)

を概説できる。

新生児壊死性腸炎 低血糖、低カルシウム血症、低体温、

新生児クレチン症、未熟児貧血、

ビタミンK欠乏症、メレナ、

頭蓋内出血、帽状腱膜下出血、

頭血腫、未熟{児}網膜症、分娩外傷、

壊死性腸炎、髄膜瘤、敗血症、髄膜

炎、B群連鎖球菌、新生児低血糖症

E-5-(2) 乳幼児

E-5-(2)-1) 乳幼児の生理機能の発達を

説明できる。

E-5-(2)-2) 乳幼児の正常な精神運動発

達を説明できる。

E-5-(2)-3) 乳幼児の保育法・栄養法の

基本を概説できる。

E-5-(2)-4) ※乳幼児突然死症候群

<SIDS>を説明できる。

乳幼児突然死症候群<SIDS>

E-5-(3) 小児期全般

E-5-(3)-1) 小児の精神運動発達および

心身相関を説明できる。

E-5-(3)-2) 小児の栄養上の問題点を列

挙できる。

E-5-(3)-3) 小児の免疫発達と感染症の

関係を概説できる。

E-5-(3)-4) 小児保健における予防接種

の意義と内容を説明でき

る。

E-5-(3)-5) 成長に関わる主な異常(小

児心身症を含む)を列挙で

きる。

起立性調節障害、夜尿症

E-5-(3)-6) ※児童虐待を概説できる。

被虐待児症候群

E-5-(3)-7) ※小児の診断法と治療法に

おける特徴を概説できる。

E-5-(3)-8) ※小児行動異常(注意欠陥

多動障害<ADHD>、自閉症、

学習障害、チック障害)を

列挙できる。

知的障害<精神遅滞>、特異的発

達障害、学習障害、広汎性発達

障害、自閉症、Asperger症候

群、

多動性障害、注意欠陥多動性障

害<ADHD>、素行障害、選択続

黙、不登校、非行、チック障

害、Tourette症候群、吃音{症}

E-5-(4) 思春期

E-5-(4)-1) 思春期発現の機序と性徴を

説明できる。

E-5-(4)-2) ※思春期と関連した精神保

健上の問題を列挙できる。

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コアカリ分類 名称

4年生で習得する疾患 5・6年生で習得する疾患

80

F 診療の基本

F-X 総合的な診療能力の基礎と

しての知識・技能・態度の

習得に向けては、大学や地

域の医療機関等における体

験学習等の多様な経験を通

じて、入学後早期から段階

的・有機的に各種取組を推

進することが有効である。

F-2 基本的診療知識

F-2-(1) 薬物治療の基本原理

F-2-(1)-G 診療に必要な薬物治療の基

本(薬理作用、副作用)を

学ぶ。

F-2-(1)-1) 薬物(オピオイドを含む)

の蓄積、耐性、タキフィラ

キシー、依存、習慣性や嗜

癖を説明できる。

F-2-(1)-2) 主な薬物アレルギーを列挙

し、予防策と対処法を説明

できる。

F-2-(1)-3) 中枢神経作用薬(向精神

薬、抗うつ薬、パーキンソ

ン治療薬、抗けいれん薬、

全身麻酔薬)の薬理作用を

説明できる。

F-2-(1)-4) 自律神経作用薬(アドレナ

リン<エピネフリン>作用

薬、抗アドレナリン<エピ

ネフリン>作用薬、コリン

作用薬、抗コリン作用薬)

の薬理作用を説明できる。

F-2-(1)-5) 循環器作用薬(強心薬、抗

不整脈薬、降圧薬)の薬理

作用を説明できる。

F-2-(1)-6) 呼吸器作用薬(気管支拡張

薬)の薬理作用を説明でき

る。

F-2-(1)-7) 消化器作用薬(潰瘍治療

薬、消化管運動作用薬)の

薬理作用を説明できる。

F-2-(1)-8) 利尿薬の薬理作用を説明で

きる。

F-2-(1)-9) ステロイド薬および非ステ

ロイド性抗炎症薬の薬理作

用を説明できる。

F-2-(1)-10) 抗菌薬の薬理作用を説明で

きる。

F-2-(1)-11) 抗腫瘍薬の薬理作用を説明

できる。

F-2-(1)-12) ※主な薬物の副作用を概説

できる。

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コアカリ分類 名称

4年生で習得する疾患 5・6年生で習得する疾患

81

F-2-(1)-13) ※年齢(小児、高齢者等)

による薬剤投与の注意点

(薬物動態の特徴を含む)

を説明できる。

F-2-(1)-14) ※薬物動態的相互作用につ

いて例を挙げて説明でき

る。

F-2-(1)-15) ※処方箋の書き方、服薬の

基本・コンプライアンスを

説明できる。

F-2-(1)-16) ※生物製剤の薬理作用と副

作用を説明できる。

F-2-(2) 臨床検査

F-2-(2)-G 検査の方法、適応と解釈を

学ぶ。

F-2-(2)-X (検査手技に関する学習目

標についてはG3参照)

F-2-(2)-1) 臨床検査の基準値・カット

オフ値の意味が説明でき

る。

F-2-(2)-2) 検査の特性(感度、特異

度、偽陽性、偽陰性、検査

前確率<事前確率>・予測

値、尤度比)を説明でき

る。

F-2-(2)-3) 血液検査の目的と適応を説

明し、結果を解釈できる。

F-2-(2)-4) 尿検査の目的、適応と異常

所見を説明し、結果を解釈

できる。

F-2-(2)-5) 糞便検査の目的、適応と異

常所見を説明し、結果を解

釈できる。

F-2-(2)-6) 生化学検査項目を列挙し、

目的、適応と異常所見を説

明し、結果を解釈できる。

F-2-(2)-7) 免疫学検査の目的、適応と

異常所見を説明し、結果を

解釈できる。

F-2-(2)-8) 心電図検査の目的、適応と

異常所見を説明し、結果を

解釈できる。

F-2-(2)-9) 経皮的酸素飽和度モニター

を使用できる。

F-2-(2)-10) 動脈血ガス分析の目的、適

応と異常所見を説明し、結

果を解釈できる。

F-2-(2)-11) 呼吸機能検査の目的、適応

と異常所見を説明し、結果

を解釈できる。

F-2-(2)-12) 脳脊髄液検査の目的、適応

と異常所見を説明し、結果

を解釈できる。

F-2-(2)-13) ※検査の誤差や生理的変動

を説明できる。

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コアカリ分類 名称

4年生で習得する疾患 5・6年生で習得する疾患

82

F-2-(2)-14) ※正しい検体採取の方法を

説明でき、不適切な採取を

行ったときの検査値の異常

を判断できる。

F-2-(2)-15) ※小児・高齢者の検査値の

特徴を説明できる。

F-2-(2)-16) ※一般細菌の塗沫・培養の

目的、適応と異常所見を説

明し、結果を解釈できる。

F-2-(2)-17) ※病理組織検査の目的と意

義を説明できる。

F-2-(5) 食事と輸液療法

F-2-(5)-G 食事と輸液療法の基本を学

ぶ。

F-2-(5)-1) 主な疾患の食事療法を概説

できる。

F-2-(5)-2) 補液・経静脈栄養と経腸栄

養の適応、方法と合併症を

説明できる。

F-2-(5)-3) ※輸液療法の原則と輸液剤

の組成上の特徴を説明でき

る。

F-2-(5)-4) ※乳幼児と小児の輸液療法

を説明できる。

F-2-(5)-5) ※微量元素の生理作用を説

明できる。

4. 評価方法

日々の実習評価(含む出席) 50%

プレゼンテーション/試問 30%

ノートの記録 20%

5. 予習項目

教科書・参考書および一般目標を参照

6. 教科書・参考書

New小児科学(南江堂)

標準小児科学(医学書院)

小児科学(文光堂)

Nelson Textbook of Pediatrics(Elsevier)

7. 学習項目

3.到達目標の表参照

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8. オフィスアワー

小児科 PHS e-mail 質問できる時間帯

教授 玉井 浩 6579 [email protected]

准教授 余田 篤 6579 [email protected]

准教授 荻原 享 6449 [email protected]

診療教授 片山 博視 6296 [email protected]

講師 芦田 明 6576 [email protected]

講師 瀧谷 公隆 6458 [email protected] 月曜日 13:00-17:00 研究棟 10階小児科研究室

講師 新田 雅彦 6729 [email protected]

講師(准) 井上 彰子 6453 [email protected]

講師(准) 島川 修一 6903 [email protected]

助教 長谷川 昌史 6268 [email protected]

助教 岡本 奈美 6578 [email protected]

助教 井代 学 6364 [email protected]

助教 岸 勘太 6365 [email protected]

助教(准) 尾崎 智康 6505 [email protected]

助教(准) 安井 昌子 6869 [email protected]

助教(准) 青松 友槻 6905 [email protected]

助教(准) 松村 英樹 6236 [email protected]

助教(准) 福井 美保 6380 [email protected]

助教(准) 稲富 直 6261 [email protected]

助教(准) 吉田 誠司 3588 [email protected]

臨床研修専任指導医 謝花 幸祐 6866 [email protected]

臨床研修専任指導医 篠原 潤 3589 [email protected]

非常勤医師 梶恵 美里 3453 [email protected]

9. 初日の集合場所、時間 月曜日 午前 8 時 00分 2号館6階第 5 会議室 なお、月曜が休日の場合は、火曜日7時 30分(2号館4階第 11 会議室) 7 月、8月、9月および 1月については、集合時刻は変更になるため、事前に小児科医局(内線 2356) に問い合わせること。

10. コース説明と時間割

小児医療現場で何が求められ、何が重要であるかを実際に体得する。小児医療の特色と現状を体験する。患児および家族と良好な人間関係を保ち、医療面接手技により医療情報を正しく得る。そのために、以下の項目を目標とする。 1) 正確な Problem list を作成する。 2) 客観的評価のため、身体所見を正確にとる。 3) 担当医とともに問題点を評価し解決策を見出す(チーム医療学習)。 4) 一連の診療行為を POS 方式にて診療録に記録できる。 5) 回診やカンファレンスにおける発表能力を高める。 具体的内容:原則的にペアドクターと行動を伴にして、補佐をしながら臨床小児科を学習する。心臓カテーテル検査・超音波検査・小児内視鏡検査・骨髄検査などの特殊検査には、ペアドクターとは別に積極的に参加し学習する。 1) 毎日 8:30までに、研修医とともに患者回診を終了する。前日から朝にかけての患者の病状の変化

(発熱、呼吸状態、睡眠、食欲、食事量、排尿、排便など)、当日予定の検査などを各自の患者診療ノート(初日に配布)に簡潔に記載する。ペアドクターの確認後、捺印をもらう。

2) 16:30頃までに夕刻の回診を済ませて、患者診療ノートに簡潔に記載する。ペアドクターの確認後、捺印をもらう。

3) 午前中、午後ともにまず特殊な検査があれば、そちらの見学を行う。 4) 興味があるグループのカンファレンスに参加して良い。但しペアドクターが所属するグループのカン

ファレンスを優先する。 5) 午前中のシュライバー・処置係など、できるだけペアドクターと一緒に行動する。 6) 上記に記載のないものは、シラバスを参考にする。 7) 第 2 週金曜日(朝)のカンファレスで担当患者の発表を行う。 8) 月曜日の回診は、14:30 に 65病棟に集合する。 注意事項:子どもの大人に対する観察力は、想像以上に高い。信頼できる人物か、否か、直接的に判断し、そ

れが子どもの不安や安心感に大きく影響を与える。これは成人患者以上に注意すべきことである。したがって、学生の身なり、髪型、言葉遣い、マナー、態度は成人患者以上に気をつけるべし。

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備考2:[*]7月20日~9月20日および12月~1月の集合時刻は事前に小児科学教室に確認すること

2)乳児健診実習(水曜:高槻保健センター・西部地域センター)および療育園実習(火曜:高槻療育園)は学外で行う。3)小児科の修得するべき疾患一覧表(国試出題基準)を提示し、自学自習を促す。4)評価方法:第4週の症例プレゼンテーション(医局員:月曜・火曜)、試問(教授および教員:金曜)

週ごと交替で各週3人(または4人)づつ

1)12人をABCDの4グループに便宜上分ける。臨床グループ毎(血液、膠原病・アレルギー、神経、循環器、消化器、内分泌・心身症、腎臓、

特別演習

A 乳児健診実習B 病棟実習/自学自

習C 膀胱造影/尿沈渣

実習D 病棟実習/自学自

備考5:グループ実習時間に、消化器内視鏡(木曜午後)、腎生検(火曜午前)など不定期検査がある場合、希望すれば担当グループでなくても見学することは可能(ただし3人まで)

A 関節エコー検査実習B 病棟実習/自学自習

C 病棟実習/自学自習

備考1:小児循環器・小児心臓血管外科合同カンファレンス(手術症例のある前週の木曜日) 18:00〜 53病棟カンファレンスルーム(希望者は出席可能)

D 9:00~11::00内分泌外来実習

全員参加専門グループに分かれて実習(外来・病棟)**

2週に1回各週6人づつ

16:30~17:30小児循環器

講義(心エコー・先天性

心疾患)

11:00~12:00小児膠原病講義(不明熱の鑑別と医療面

接)

8:00~担当医と共に患者回診(新生児グループ担当学生はカンファレ

ンス)8:00~担当医と共に患者回診(新生児グループ担当学生はカンファレ

ンス)

C 9:00~11::00 病棟実/自学自習

A・B 9:30~10:30新生児蘇生演習

備考4:第5会議室:2号館6階、第11会議室:2号館4階、第14会議室:3号館3階1~2名ずつ学生が配属される。各グループに分かれて外来・病棟で実習を行う

備考3:[**]血液・膠原病アレルギー・循環器・消化器・神経・心身症内分泌・新生児・腎臓の各専門グ

8:00~担当医と共に患者回診(新生児グループ担当学生はカンファレ

ンス)

13:30 15:00

C 病棟実習/自学自習

D 関連病院実習(療育園)

17:30

8:00 9:00

A 病棟実習/自学自習

B 病棟実習/自学自習

9:00~9:30オリエンテー

ション(14会議

室) D 小児心臓血管外科手術実習

A 膠原病アレルギー外来実習

B 病棟実習/自学自習

8:00症例検討会

報告会(第5会議

室)[*]

7:30医局抄読会(第11会議

室)[*] C 病棟実習/自学自習

第 1週目

16:30~17:30 小児消化器   講義

10:00 11:00 12:00 13:00

15:30~病 棟 回診

(主任教授)

16:3014:00~15:

00小児救急演

習(医療技能シュミレー

13:00~14:00 病棟実習/自学

A 病棟実習/自学自習

B 病棟実習/自学自習

C 病棟実習/自学自習

14:20

D 病棟実習/自学自習

腹部エコー検査実習(4人)

病棟実習/自学自習

D 新生児外来実習

D 小児心臓カテーテル検査実習

A 病棟実習/自学自習

回診終了後~病棟実習/自学自習

B 病棟実習/自学自習

C 病棟実習/自学自習

13:30~重 症 回 診(主任教授)

全員参加

11:00~12:00小児内分泌講義

A 病棟実習/自学自習

B 関節エコー検査実習

C 新生児外来実習

D 病棟実習/自学自習

特別演習

希望者のみ

A 病棟実習/自学自習

B 病棟実習/自学自習

C 小児心臓カテーテル検査実習

D 病棟実習/自学自習

週ごと交替で各週3人(または4人)づつ)

13:30~重 症 回 診(主任教授)

専門グループに分かれて実習(外来・病棟)**

16:00~17:00小児循環器講義(心電図・不整脈)

回診終了後~病棟実習/自学自習

備考1:小児循環器・小児心臓血管外科合同カンファレンス(手術症例のある前の週の木曜日) 18:00〜 53病棟カンファレンスルーム(希望者は出席可能)

備考2:[*]7月20日~9月20日および12月~1月の集合時刻は事前に小児科学教室に確認すること

備考3:[**]血液・膠原病アレルギー・循環器・消化器・神経・心身症内分泌・新生児・腎臓の各専門グ1~2名ずつ学生が配属される。各グループに分かれて外来・病棟で実習を行う

備考4:第5会議室:2号館6階、第11会議室:2号館4階、第14会議室:3号館3階

9:00~10::00

病棟実習/自学自

13:00~14:00 病棟実習/自学

14:00~15:00 小児神経

講義

A 病棟実習/自学自習

B 病棟実習/自学自習

C 内分泌外来実習

D 病棟実習/自学自習

8:00症例検討会

報告会(第5会議

室)[*]

7:30医局抄読会(第11会議

室)[*]

第 2 週目8:00 9:00 10:00 11:00 12:00 14:20 17:0013:00

15:30~病 棟 回診

(主任教授)

10:00~11:00新生児講義

(希望者のみ3人まで)

14:00 15:00 16:30

A 病棟実習/自学自習

B 病棟実習/自学自習

C 小児心臓血管外科 手術実習

D 病棟実習/自学自習

B 病棟実習/自学自習

C 病棟実習/自学自習

D 病棟実習/自学自習

A 関連病院実習(療育園)

備考5:グループ実習時間に、消化器内視鏡(木曜午後)、腎生検(火曜午前)など不定期検査がある場合、希望すれば担当グループでなくても見学することは可能(ただし3人まで)

8:00~担当医と共に患者回診(新生児グループ担当学生はカンファレ

ンス)8:00~担当医と共に患者回診(新生児グループ担当学生はカンファレ

ンス)

A 病棟実習/自学自習B 膠原病アレルギー外来実習

C 病棟実習/自学自習

D 病棟実習/自学自習

13:00~14:00小児血液講

8:00~担当医と共に患者回診(新生児グループ担当学生はカンファレ

ンス)

A 病棟実習/自学自習

B 乳児健診実習C 病棟実習/自学自

D 膀胱造影/尿沈渣実習

Page 90: コア・クリニカル・クラークシップ SYLLABUS …...育連盟(WFME)グローバルスタンダードによれば、教育期間の約3分の1、概ね2年間が 要求されている。実習期間で言えば約70週間である。本学の新カリキュラムではコア・

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ある場合、希望すれば担当グループでなくても見学することは可能(ただし3人まで)

A 膀胱造影/尿沈渣実習

特別演習B 病棟実習/自学自

C 乳児健診実習D 病棟実習/自学自

全員参加

2週に1回各週6人づつ

A 病棟実習/自学自習B 小児心臓カテーテル検査実習

C 病棟実習/自学自習

D 病棟実習/自学自習

A 病棟実習 /自学自習B 内分泌外来実習

病棟実習/自学自習

専門グループに分かれて実習(外来・病棟)**

備考3:[**]血液・膠原病アレルギー・循環器・消化器・神経・心身症内分泌・新生児・腎臓の各専門グ1~2名ずつ学生が配属される。各グループに分かれて外来・病棟で実習を行う

備考4:第5会議室:2号館6階、第11会議室:2号館4階、第14会議室:3号館3階備考5:グループ実習時間に、消化器内視鏡(木曜午後)、腎生検(火曜午前)など不定期検査が

C 膠原病アレルギー外来実習

D 病棟実習/自学自習

備考1:小児循環器・小児心臓血管外科合同カンファレンス(手術症例のある前の週の木曜日) 18:00〜 53病棟カンファレンスルーム(希望者は出席可能)

備考2:[*]7月20日~9月20日および12月~1月の集合時刻は事前に小児科学教室に確認すること

週ごと交替で各週3人(または4人)づつ

8:00~担当医と共に患者回診(新生児グループ担当学生はカンファレ

ンス)

13:30~重 症 回 診(主任教授)

8:00~担当医と共に患者回診(新生児グループ担当学生はカンファレ

ンス)8:00~担当医と共に患者回診(新生児グループ担当学生はカンファレ

ンス)

17:30

8:00症例検討会

報告会(第5会議

室)[*]

7:30医局抄読会(第11会議

室)[*]

8:00 9:00

A 病棟実習/自学自習

B 小児心臓血管外科 手術実習

C 病棟実習/自学自習

D 病棟実習/自学自習

16:30

A 病棟実習/自学自習

B 病棟実習/自学自習16:30~17:30 小児腎臓講義(尿路感染・尿路奇形)

16:30~17:30 小児心臓血管外科講義

A 病棟実習/自学自習

B 病棟実習/自学自習

C 関連病院実習(療育園)

D 病棟実習/自学自習

病棟実習/自学自習

病棟実習/自学自習

9:00~12:00 腹部エコー検査実習(4人)

15:30~病 棟 回診

(主任教授)

C・D 9:30~10:30新生児蘇生演習

第 3週目15:0010:00 11:00 12:00 13:00 13:30 14:20

13:00~15:30病棟実習/自学自習

回診終了後~病棟実習/自学自習

D 病棟実習/自学自習

A 病棟実習/自学自習

B 新生児外来実習

C 関節エコー検査実習

13:00~14:00 小児心身

症  講義

グループに1~2名ずつ学生が配属される。各グループに分かれて外来・病棟で実習を行う 専門グループに分かれて実習(外来・病棟)**

第 4 週目 14:20

備考5:グループ実習時間に、消化器内視鏡(木曜午後)、腎生検(火曜午前)など不定期検査がある場合、希望すれば担当グループでなくても見学することは可能(ただし3人まで)

C 病棟実習/自学自習

D 病棟実習/自学自習

備考1:小児循環器・小児心臓血管外科合同カンファレンス(手術症例のある前の週の木曜日) 18:00〜 53病棟カンファレンスルーム(希望者は出席可能)

備考2:[*]7月20日~9月20日および12月~1月の集合時刻は事前に小児科学教室に確認すること

備考3:[**]血液・膠原病アレルギー・循環器・消化器・神経・心身症内分泌・新生児・腎臓の各専門

D 関節エコー検査実習

希望者のみ

A 小児心臓カテーテル検査実習

B 病棟実習/自学自習

C 病棟実習/自学自習

D 病棟実習/自学自習

週ごと交替で各週3人(または4人)づつ

全員参加

A 小児心臓血管外科 手術実習

B 病棟実習/自学自習

C 病棟実習/自学自習

D 病棟実習/自学自習

13:00~15:30病棟実習/自学自習

備考4:第5会議室:2号館6階、第11会議室:2号館4階、第14会議室:3号館3階

8:00学生症例報告

会前半6人(第5会議室)

B 病棟実習/自学自習

C 病棟実習/自学自習D 膠原病アレルギー外来実習

C 病棟実習/自学自習

9:00 10:00 11:00 12:00 13:00

17:30

C 病棟実習/自学自習

D 病棟実習/自学自習

15:30~病 棟 回診

(主任教授)

16:3013:30 15:00

A 新生児外来実習

16:30~17:30  小児腎臓講義

(腎炎・ネフローゼ)

A 病棟実習/自学自習

B 関連病院実習(療育園)

B 病棟実習/自学自習

回診終了後、教授試問

8:00~担当医と共に患者回診(新生児グループ担当学生はカンファレ

ンス)

腹部エコー検査実習(4人)10:00~11:00

新生児講義 (希望者のみ3人ま

で)

A 内分泌外来実習

B 病棟実習/自学自習

8:00~担当医と共に患者回診(新生児グループ担当学生はカンファレ

ンス)

9:00~12:00病棟実習/自

学自習

11:00~12:00病棟実習/自学自

8:00~担当医と共に患者回診(新生児グループ担当学生はカンファレ

ンス)

13:30~重 症 回 診(主任教授)

8:00

A 病棟実習/自学自習

特別演習B 膀胱造影/尿沈渣実習

C 病棟実習/自学自習

D 乳児健診実習

8:00学生症例報告

会後半6人(第11会議室)

A 病棟実習/自学自習

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産婦人科コース

1. コース名等

1) コース名 産婦人科コース

2) コース責任者 大道 正英

3) コース主任 恒遠 啓示、藤田 太輔

4) 指導教員

産科系

大道 正英、寺井 義人、林 正美、藤田 太輔、恒遠 啓示、鈴木 裕介、劉 昌恵

婦人科系

大道 正英、寺井 義人、恒遠 啓示、佐々木 浩、田中 智人、田中 良道、藤原 聡枝、兪 史夏

2. 一般目標

A 産科系

ヒトの妊孕現象全般を追求し、周産期における母児の健康管理への理解を深めることができる。した

がって、本コースの目的は、妊娠の成立機序、妊娠の維持についての生体の機構制御、異常妊娠の発症

背景やその病態、さらに正常分娩・産褥の生理と病理、種々の内科的疾患を合併した妊娠管理を理解で

きるようになる。また生殖内分泌、胎児医学や生殖をめぐる倫理について、生殖技術をヒトに行使すべ

き範囲を法律、人権、社会医学などに言及しながら討論でき、意見を述べることができる。

B 婦人科系

女性生殖器の正常構造と機能を理解し、主な婦人科系疾患の病因、病態生理、症候、診断と治療を学ぶ。

3. 到達目標 ☆:重要な項目;★:重要な項目かつ国試頻出問題

A 産科系

1) 構造と機能

到達目標:

① 妊娠の成立について倫理的に説明し、不妊症の原因をあげることもできる。

② 妊娠各期の生理的母体変化を理解し、異常病態について説明できる。☆

③ 分娩の進行を説明し、異常分娩の診断と治療について概説できる。☆

④ 生殖医学における現代の問題点を列挙し、倫理的内容について説明できる。☆

2) 診断と検査

到達目標:

① 超音波検査について説明できる☆

② 胎児心拍数モニタリングについて説明ができる☆

遷延一過性徐脈

変動一過性徐脈 ★

遅発一過性徐脈 ★

③ 羊水検査の意義を説明できる。

④ 妊娠中の栄養管理の意義を説明できる。

3) 症候

正常妊娠★★★

【妊娠の成立】★

到達目標:

① 配偶子から受精、着床初期の分化までを説明できる。☆

② 胎児期の発育についての要点を説明できる。☆

【胎児—胎盤系】

到達目標:

① 胎盤の構造や胎盤の働きについて説明できる。

【妊娠に伴う母体の変化】

到達目標:

① 母体の解剖学的変化を説明できる。

② 循環器系の生理学的変化を説明できる。

③ 消化器系の生理学的変化を説明できる。

④ 泌尿器系の生理学的変化を説明できる。

⑤ 代謝・内分泌系の生理学的変化を説明できる。

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正常分娩

【正常分娩】

到達目標:

① 分娩の三要素からの分娩の基本を理解し、異常分娩回避の手段がわかる。

② 胎児のwell-beingの評価ができ、新生児の診察の手段が説明できる。

③ 産褥の生理について概説できる。★★

4) 疾患

妊娠の異常

【妊娠初期の異常】

到達目標:

① 妊娠悪阻の原因と病態を説明できる。★★

② 流産の診断の要点を説明できる。★

不育症 ★

切迫流産 ★★

③ 異所性妊娠の分類や頻度、治療法について説明できる。★★★、

【妊娠中期から後期の異常】

到達目標:

① 妊娠高血圧症候群の原因と病態を説明できる。★★★

② 妊娠高血圧症候群の診断の要点を説明できる。★★★

③ 子癇の定義・鑑別診断。管理を説明できる。★★

④ HELLP症候群の診断について説明できる。★★

⑤ 常位胎盤早期剥離について原因と病態を説明できる。★★

⑥ 常位胎盤早期剥離について管理、治療法を説明できる。★★

⑦ 前置胎盤について原因と病態を説明できる。★

⑧ 羊水異常について原因と病態を説明できる。

羊水過少 ★

羊水過多 ★★

⑨ 多胎妊娠について分類や合併症、管理方法について説明できる。

双胎輸血症候群 ★★

⑩ 子宮内胎児発育遅延について定義や分類を説明できる。★★★

⑪ 血液型不適合妊娠について原因や管理を説明できる。

⑫ 早産について原因と病態を説明できる

切迫早産について管理や治療法を説明できる。

絨毛膜炎について原因や管理方法を説明できる。★

経管無力症について病態や管理方法を説明できる

前期破水について原因や分類、管理方法について説明できる。★

⑬ 合併症妊娠について説明できる

糖代謝異常合併妊娠について診断や管理について概説できる。★★★

糖尿病合併妊娠

妊娠糖尿病 ★★

甲状腺機能亢進合併妊娠について説明できる。

⑭ 母児感染症について種類や感染経路などを概説できる。★★★

【分娩異常】

到達目標:

① 陣痛の異常について定義や原因などを概説できる。★

微弱陣痛★

過強陣痛

② 産道の異常について種類や管理方法を説明できる。

③ 胎勢異常について説明できる。

④ 胎位の異常について分類や管理について説明できる。

⑤ 臍帯異常について説明できる。

⑥ 胎児機能不全について概念、分類診断が説明できる。★★★

⑦ 子宮破裂について分類や原因、管理方法を説明できる。

⑧ 子宮内反について原因や治療を説明できる。★

⑨ 弛緩出血について機序や原因、治療法を概説できる。★★

⑩ 産科DICについて診断や治療法を説明できる。★

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⑪ 子宮復古不全について概説できる。★

⑫ 産褥熱について説明できる。

⑬ 血栓性静脈炎について管理方法を説明できる。

B 婦人科系

1) 構造と機能

到達目標:

① 各婦人科生殖器の位置・形態・血管の走行を説明できる。

② 子宮と膀胱や尿管との位置関係を説明できる。

③ 女性生殖器の発生及び分化過程、その機能を説明できる

④ 主な性ホルモンの作用を説明できる。

⑤ 女性内分泌と基本を理解し、性周期を概説できる。

⑥ 加齢に伴う性機能の変化について説明できる。☆

2) 診断と検査

到達目標:

① 基礎体温測定について説明できる

② 婦人科の主な腫瘍マーカーについて説明ができる

③ 子宮鏡検査の意義を説明できる

④ コルポスコビー検査の意義を説明できる。

⑤ 生検と細胞診の意義と適応を説明できる。

3) 症候

【性器出血】★

到達目標:

① 基性器出血の原因と病態を説明できる。

② 性器出血患者の診断と治療の要点を説明できる。

【下腹部痛】

到達目標:

① 下腹部痛の原因と病態を説明できる。

② 下腹部痛患者の診断の要点を説明できる。

③ 急性腹症を概説できる。

【帯下異常】

到達目標:

① 帯下異常の原因と病態を説明できる。

② 帯下異常患者の診断の要点を説明できる。

【無月経】

到達目標:

①無月経の原因と病態を説明できる。★★★

②無月経患者の診断の要点を説明できる。★★★

【過多月経】

到達目標:

① 過多月経の原因と病態を説明できる。

② 過多月経の診断の要点を説明できる。

【腹部膨隆(腹水を含む)・腫瘤】

到達目標:

① 腹部膨隆(腹水を含む)・腫瘤の原因と病態を説明できる。

② 腹部膨隆(腹水を含む)・腫瘤のある患者の診断の要点を説明できる。

【尿失禁】

到達目標:

① 尿失禁の原因と病態を説明できる。

② 尿失禁の診断の要点を説明できる。

【発熱】

到達目標:

① 発熱の原因と病態を説明できる。

② 発熱の診断の要点を説明できる。

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4) 疾患

【性器の炎症・STD】

到達目標:

① 性器の炎症について、種類や感染経路について説明できる

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症 ★★

性器クラミジア感染症 ★★★

尖圭コンジローマ★★

② 子宮の炎症の感染防御機能について説明できる。

③ STDの感染経路について説明できる。

【子宮疾患】

到達目標:

① 子宮内膜症の疫学、病理、症候、分類について説明できる。★★

② 子宮内膜症の診断について説明できる。★★

③ 子宮内膜症の治療について説明できる。★★

④ 子宮腺筋症の疫学、病理、症候について説明できる。★

⑤ 子宮腺筋症の診断、治療について説明できる。★

⑥ 子宮筋腫の疫学、病理、症候、分類について説明できる。★★

⑦ 子宮筋腫の診断、治療について説明できる。★★

⑧ 子宮頸がんの疫学、病理、症候、分類について説明できる。★★★

⑨ 子宮頸がんの診断について説明できる。★★★

⑩ 子宮頸癌の進行期に応じた治療を概説できる。

⑪ 子宮内膜増殖症の疫学、病理、症候、分類について説明できる。

⑫ 子宮内膜増殖症の診断、治療について説明できる。

⑬ 子宮体がんの疫学、病理、症候、分類について説明できる。★★★

⑭ 子宮体がんの診断について説明できる。★★★

⑮ 子宮体がんの進行期に応じた治療を概説できる。★★★

【卵巣疾患】★★★

到達目標:

① 卵巣腫瘍の種類、分類について概説できる。★★★

② 卵巣腫瘍の診断、治療について概説できる。★★★

③ 表層上皮性・間質性腫瘍の病理、進行期について説明できる。★

④ 表層上皮性・間質性腫瘍の診断、治療について概説できる。★

⑤ 性索間質性腫瘍の病理、進行期について説明できる。★

⑥ 性索間質性腫瘍の診断、治療について概説できる。★

⑦ 杯細胞腫瘍の病理、分類、診断について説明できる。★★

⑧ 杯細胞腫瘍の治療について説明できる。★★

⑨ 転移性卵巣がんについて説明できる。★

⑩ 絨毛性疾患の分類、治療について説明ができる。★★

【加齢に伴う疾患】

到達目標:

① 更年期障害の症状、治療について説明できる。★★★

② 骨盤内臓器脱について、病態、分類、治療について説明できる。★★

子宮脱 ★★

【性分化異常】

到達目標:

① 遺伝子疾患の身体所見について説明ができる。

先天性副腎皮質過形成 ★★★

turner 症候群 ★★

ミューラー腎奇形 ★溶血性貧血の病態、診断と治療を説明できる。★

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【性器形態の異常】

到達目標:

① 月経モリミナの病態、画像所見について説明できる。

② 中隔子宮の画像所見、病態について説明できる。

【内分泌異常】

到達目標:

① 無月経乳汁漏出症候群の原因、病態、治療について説明できる。★★

② 多嚢胞性卵巣症候群の病態、所見、治療について説明できる。★

③ 黄体機能不全の病態、治療について説明できる。★

④ Sheehan 症候群の発生機序、症状について説明できる。★★

⑤ 神経性食欲不振症の病態、治療について説明できる。★★

4. 評価法

日々の評価(出席、診療録記載、パフォーマンスなど) 50点

小テスト 10点

レポート・プレゼンテーション 20点

試問 20点

5. 予習項目

A 産科系

1) 構造と機能

【妊娠の成立】

妊娠に関わる母体の変化

【不妊症】

不妊症の原因、病態

【分娩の進行】

分娩に関わる因子について

【生殖医学】

生殖医学の現状、問題点

2) 診断と検査

胎児超音波検査の臨床的意義、胎児心拍数モニタリングの目的、解釈、

羊水検査の目的、解釈、妊娠中の栄養管理

3) 症候

受精から着生までの流れ、胎児期の発育、胎盤の構造や機能、

妊娠に伴う母体の変化

4) 疾患

【妊娠の異常】

妊娠高血圧症候群、子癇、HELLP症候群、常位胎盤早期剥離、前置胎盤、羊水異常、

双胎輸血症候群、子宮内胎児発育遅延、早産、合併症妊娠、母児感染症

【分娩の異常】

陣痛の異常、産道の異常、胎勢異常、胎位の異常、臍帯異常、胎児機能不全、

子宮破裂、子宮内反、弛緩出血、産科DIC、子宮復古不全、産褥熱、血栓性静脈炎

B 婦人科系

1) 構造と機能

各婦人科生殖器の位置・形態・血管の走行。女性生殖器の発生及び分化過程とその機能。

主な性ホルモンの作用。女性内分泌と基本と性周期。加齢に伴う性機能の変化。

2) 診断と検査

基礎体温表、腫瘍マーカー、子宮鏡検査、コルポスコピー、生検と細胞診

3) 症候

性器出血、下腹部痛、帯下異常、無月経、過多月経、腹部膨隆(腹水を含む)・腫瘤、尿失禁、発熱

4) 疾患

性器の炎症・STD,子宮疾患、卵巣疾患、加齢に伴う疾患、性分化異常、内分泌異常

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6. 教科書・参考書

A 産科系

Williams Obstetrics

Obstetrics, 7th ed.- Normal & Problem regnancies

ウイリアムス臨床産科マニュアル

最新産科学

標準産婦人科学

B 婦人科系

Clinical Gynecologic Oncology

Essentials of Obstetrics and Gynecology

Berek & Hacker's Gynecologic Oncology

標準産婦人科学

チャート産婦人科

病気がみえる 婦人科

7. 学習項目

A 産科系

構造と機能 症候 診断と検査 疾患と治療

Ⅰ 妊娠の成立

不妊症

生殖医学

正常妊娠 胎児超音波

胎児心拍数モニタリング☆

羊水検査☆

変動一過性除脈★

遅発一過性除脈★

Ⅱ 妊娠初期の異常

妊娠中期の異常

超音波検査 妊娠悪阻★★、流産★、不妊症★、切迫流産★★、

異所性妊娠★★★、妊娠高血圧★★★、子癇★★、

HELLP症候群★★、常位胎盤早期剥離★★、

前置胎盤★、羊水異常・羊水過少★、羊水過多★★、 多胎妊娠・双胎輸血症候群★★、

子宮内胎児発育遅延★★★、血液型不適合妊娠、

絨毛膜炎★、前期破水★、

糖代謝異常合併妊娠★★★、妊娠糖尿病★★、

母児感染症★★★

Ⅲ 分娩の異常 超音波、NST、MRI 陣痛異常★、微弱陣痛★、産道異常、胎勢異常、

胎位の異常、胎児機能不全★★★、子宮破裂、

子宮内反★、弛緩出血★★、産科DIC★、

子宮復古不全★、産褥熱、血栓性静脈炎

B 婦人科系

構造と機能 症候 診断と検査 疾患と治療

Ⅰ 子宮と膀胱や尿管と

の位置関係を説明で

きる。

性器出血★

下腹部痛、

帯下異常

採血、

膣分泌物培養

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症★★

性器クラミジア感染症★★★

尖圭コンジローマ★★

Ⅱ 各婦人科生殖器の位

置・形態・血管の走

行を説明できる。

性器出血★、

過多月経

腫瘍マーカー、子宮

鏡、コルポスコピー、

生検、細胞診

子宮内膜症★★、子宮腺筋症★、子宮筋腫★

★、子宮頸がん★★★、

子宮内膜増殖症子宮体がん★★★

Ⅲ 腹部膨隆(腹水

を含む)・腫瘤

MRI、CT 卵巣腫瘍:表層上皮性・間質性腫瘍、

杯細胞腫瘍、転移性卵巣癌、絨毛癌

Ⅳ 女性生殖器の発生及

び分化過程、その機

能を説明できる。

遺伝子検査 先天性副腎皮質過形成★★★

turner 症候群★★

ミューラー腎奇形★

Ⅴ 主な性ホルモンの

作用を説明できる。

女性内分泌と基本

を理解し、性周期

を概説できる。

無月経 内分泌 基礎体温 無月経乳汁漏出症候群★★

多嚢胞性卵巣症候群★

黄体機能不全★

Sheehan 症候群★★

神経性食欲不振症★★

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8. オフィスアワー

産婦人科(産科系) PHS e-mail 質問できる時間帯

教授 大道 正英 6007 m-ohmichi

准教授 寺井 義人 6242 y-terai

講師 林 正美 6901 gyn122 月曜日午後・木曜日午後

講師 藤田 太輔 6393 gyn063 金曜日午前

助教(准) 鈴木 裕介 3470 gyn129

助教(准) 劉 昌恵 3469 gyn111

産婦人科(婦人科系) PHS e-mail 質問できる時間帯

教授 大道 正英 6007 m-ohmichi

准教授 寺井 義人 6242 y-terai

講師 恒遠 啓示 6677 gyn064 火曜日午後・木曜日午後

講師 佐々木 浩 6987 gyn078 月曜日午後・水曜日終日

講師(准) 田中 智人 3569 gyn123

講師(准) 田中 良道 6399 gyn055

助教 藤原 聡枝 6398 gyn092

助教 兪 史夏 3520 gyn112

メールは、上記アドレス(e-mail)の後に@osaka-med.ac.jpつけてください。質問できる時間帯の指定がない

場合や連絡がつかない場合は、メールもしくはPHSで直接連絡を取ってください。

9. 初日の集合場所、時間

第6会議室(6号館3階)、午前8時

10. コース説明と時間割

◇1・2週目の共通オリエンテーションで全体のプログラムを説明し患者を割り当てる。

◇演習は医療面接・診察手技・臨床検査・画像読影などを演習する。

◇手術実習は受け持ち患者の手術に優先的に入る。4週間の間に最低2名の患者を受け持つ。

◇4週間内に行われる受け持ち患者の手術は原則としてすべて入る。

◇分娩見学は2名ずつ4週の間に必ず1回以上参加する。

◇全員が毎日病棟実習できるよう時間を配慮している。

第 1 週

8:00 9:00 10:00 11:00 12:00 13:00 14:00 15:00 16:00 17:00

産科

カンファレンス (第 6 会議室)

オリエンテ-ショ

外来見学

病棟患者

紹介

講義

(大道)

術前

カンファレンス (1 号館 3 階)

産科病棟実習

婦人科病棟実習

講義

(恒遠:手

術室)

担当手術または手術

見学 担当手術または手術見学

婦人科

カンファレンス (第 6 会議室)

病理

カンファレンス

の復習

婦人科病棟実習

特別演習

外来見学

産科病棟実習

曜 担当手術または手術見学 担当手術または手術見学

産科病棟実習

回診

婦人科病棟実習

外来見学

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第 2 週

8:00 9:00 10:00 11:00 12:00 13:00 14:00 15:00 16:00 17:00

産科

カンファレンス (第 6 会議室)

オリエンテ-ショ

外来見学

講義

(寺井)

講義

(大道)

術前

カンファレンス (1 号館 3 階)

産科病棟実習

婦人科病棟実習

曜 担当手術または手術見学 担当手術または手術見学

婦人科

カンファレンス (第 6 会議室)

病理

カンファレンス

の復習

婦人科病棟実習

特別演習

外来見学

産科病棟実習

曜 担当手術または手術見学 担当手術または手術見学

産科病棟実習 講義

(藤田) 回診

婦人科病棟実習

外来見学

第 3 週

8:00 9:00 10:00 11:00 12:00 13:00 14:00 15:00 16:00 17:00

産科

カンファレンス (第 6 会議室)

オリエンテ-ショ

外来見学

病棟患者

紹介

講義

(大道)

術前

カンファレンス (1 号館 3 階)

産科病棟実習

婦人科病棟実習

曜 担当手術または手術見学 担当手術または手術見学

婦人科

カンファレンス (第 6 会議室)

講義

(佐々木)

婦人科病棟実習

特別演習

外来見学

産科病棟実習

曜 担当手術または手術見学 担当手術または手術見学

産科病棟実習

回診

婦人科病棟実習

外来見学

第 4 週

8:00 9:00 10:00 11:00 12:00 13:00 14:00 15:00 16:00 17:00

産科

カンファレンス (第 6 会議室)

オリエンテ-ショ

外来見学

講義

(林正美)

講義

(大道)

術前

カンファレンス (1 号館 3 階)

産科病棟実習

婦人科病棟実習

曜 担当手術または手術見学 担当手術または手術見学

婦人科

カンファレンス (第 6 会議室)

病理

カンファレンス

の復習

婦人科病棟実習

特別演習

外来見学

産科病棟実習

曜 担当手術または手術見学 担当手術または手術見学

産科病棟実習 講義

(藤田) 回診

婦人科病棟実習

外来見学

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呼吸器・血液・腫瘍コース

1. コース名等

1) コース名 呼吸器・血液・腫瘍コース

2) コース責任者 鳴海 善文 (放射線科)

3) コース主任 後藤 功 (呼吸器内科・呼吸器腫瘍内科)

花岡 伸治 (呼吸器外科)

秋岡 寿一 (血液内科)

後藤 昌弘 (化学療法センター)

吉田 謙 (放射線治療科)

4) 指導教員

呼吸器内科・呼吸器腫瘍内科

池田 宗一郎、今西 将史、田村 洋輔、吉田 修平、中村 敬彦、三好 啓治、藤阪 保仁

呼吸器外科

佐藤 澄、越智 薫

血液内科

三好 拓児、横手 耐治、中山 聖子、西脇 詩

化学療法センター

紀 貴之、桑門 心、西谷 仁

放射線治療科

新保 大樹、吉川 信彦、吉岡 裕人、高橋 正嗣

2. 一般目標

呼吸器系・造血系・リンパ系の構造と機能を理解し、主な疾患の病因、病態生理、症候、診断と内科的

(特に臨床腫瘍学的)、外科的、放射線学的な治療の基本を学ぶ。<詳細は各科を参照>

3. 到達目標<各科を参照>

呼吸器系(呼吸器内科・呼吸器腫瘍内科、呼吸器外科)

一般目標:呼吸器系の構造と機能を理解し、主な呼吸器疾患の病因、病態生理、症候、診断と治療を学ぶ。

到達目標 ☆:重要な項目 ★:重要な項目かつ国家試験頻出問題

1) 構造と機能

☆① 気道の構造、肺葉・肺区域と肺門の構造を説明できる。

☆② 肺循環の特徴を説明できる。

☆③ 縦隔と胸膜腔の構造を説明できる。

☆④ 呼吸筋と呼吸運動の機体を説明できる。

☆⑤ 肺気量と肺・胸郭系の圧・容量関係(コンプライアンス)を説明できる。

☆⑥ 肺胞におけるガス交換と血液の関係を説明できる。

☆⑦ 肺の換気と血液(換気血液比)が動脈血ガスにおよぼす影響を説明できる。

☆⑧ 呼吸中枢を介する呼吸調節の機体を説明できる。

☆⑨ 血液による酸素(02〉と二酸化炭素(C02〉の運搬の仕組みを説明できる。

☆⑩ 気道と肺の防御機構(免疫学的・非免疫学的)と代謝機能を説明できる。

2) 診断と検査の基本 身体診察は共通項目を参照

☆① 呼吸器系の画像検査(X線、CT、MRT、核医学検査)の所見と解釈を説明できる。

② 気管支検査の適応と方法を概説できる。

③ 気管支肺胞洗浄(BAL)の方法と洗浄液(BALF)の解釈を概説できる。

☆④ 喀痰検査での細菌の塗抹・培養の目的、適応と異常所見を説明し、結果を解釈できる。

☆ 経皮的酸素飽和度モニターを使用できる。

☆⑥ 動脈血ガス分析の目的、適応と異常所見を説明し、結果を解釈できる。

☆⑦ 呼吸機能検査の目的、適応と異常所見を説明し、結果を解釈できる。

3) 症候

☆【チアノーゼ】

① チアノーゼの原因と病態を説明できる。

② チアノーゼを呈する患者の診断の要点を説明できる。

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☆【胸水】

① 胸水の原因と病態を説明できる。

② 胸水を呈する患者の診断の要点を説明できる。

☆【胸痛】

① 胸痛の原因と病態を説明できる。

② 胸痛患者の診断の要点を説明できる。

③ 胸痛患者に対する初期治療を概説できる。

☆【呼吸困難】★

① 呼吸困難の原因と病態を説明できる。

② 呼吸困難の程度に関する分類を説明できる。

③ 呼吸困難患者の診断の要点を説明できる。

④ 呼吸困難患者に対する初期治療を概説できる。

☆【咳・痰】

① 咳・痰の原因と病態を説明できる。

② 咳・痰を訴える患者の診断の要点を説明できる。

☆【血痰・喀血】

① 血痰・喀血の原因を列挙できる。

② 血痰・喀血を呈する患者の診断の要点を説明できる。

☆【喘鳴】

① 喘鳴の発生機序と原因疾患を説明できる。

4) 疾患

【呼吸不全、低酸素(02〉血症と高二酸化炭素(C02〉血症】

☆① 呼吸不全★の定義、分類、病態生理と主な病因を説明できる。

☆② 低酸素〈02〉血症と高二酸化炭素〈C02〉血症の病因、分類と診断を説明し、治療を概説できる。

【呼吸器感染症】

☆① 急性上気道感染症(感冒(かぜ症候群)、上気道炎★、急性声帯下喉頭炎★★★)の病因、診断

と治療を説明できる。

☆② 急性気管支炎★・急性細気管支炎★★の主な症候、診断と治療を説明できる。

☆③ インフルエンザウイルス感染症★★の症候、診断と治療を説明できる。

☆④ 肺炎★★★(細菌性肺炎★、非定型肺炎★★★、ウイルス性肺炎(サイトメガロウイルス):市

中肺炎★、院内肺炎)の主な病原体を列挙し、症候、診断と治療を説明できる。

☆⑤ 肺結核症★★★の症候、診断、治療と届出手続きを説明できる。

⑥ 非結核性〈非定型〉抗酸菌症★★(M.avium, M.intracellulare, M.Kansaii)を概説できる。

⑦ 肺真菌症(アスペルギルス★、クリプトコッカス、ムコール、カンジダ)について概説できる。

⑧ ニューモシスチス肺炎★★★について概説できる。

⑨ 嚥下性肺炎(誤嚥性肺炎)★★★の発生機体とその予防法を説明できる。

⑩ クループの病因、診断と治療を説明できる。

⑪ 肺化膿症(肺膿瘍)★と膿胸★★の違いを概説できる。

⑫ 肺の寄生虫疾患(肺吸虫症)を概説できる。

【閉塞性・拘束性障害をきたす肺疾患】

☆① 慢性閉塞性呼吸機能障害の病因を列挙できる。

☆② 慢性閉塞性肺疾患(COPD)の定義、診断と治療を説明できる。

☆③ 気腫性嚢胞(ブラ、ブレブ)を説明できる

☆④ 気管支喘息★★★の病態生理、診断と治療を説明できる。

⑤ アスピリン喘息★★★について概説できる。

☆⑥ 小児期の気管支喘息の特徴を説明できる。

⑦ アレルギー性気管支肺アスペルギルス症★を概説できる。

☆⑧ 特発性間質性肺炎★★(IPF★★★,NSIP,AIP,COP,DIP,RB-ILD,LIP)の病態、診断と治療を説明で

きる。

☆⑨ 膠原病に伴う間質性肺炎について説明できる。

⑩ 肺リンパ脈管筋腫症(LAM)★について概説できる

⑪ びまん性汎細気管支炎、閉塞性細気管支炎を概説できる。

⑫ 医原性肺疾患(薬剤性肺炎★、放射線肺炎)を概説できる。

⑬ 無機粉塵によるじん肺★(珪肺症、石綿症)を概説できる。

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【肺循環障害】

☆① 肺性心の病因、診断と治療を説明できる。

☆② 急性肺損傷(ALI)、急性呼吸促迫症候群(ARDS)★★の病因、症候と治療を説明できる。

☆③ 急性肺血栓塞栓症★★、慢性肺血栓塞栓症の病因、診断と治療を説明できる。

④ 肺高血圧症★★★(肺動脈性(特発性・家族性・続発性)、左心系疾患に伴う、肺疾患あるいは

低酸素血症に続発する)を概説できる。

⑤ 肺水腫(心原性、透過性亢進型、神経原性、再膨張性、高値)について概説できる。

⑥ 肺動静脈瘻を概説できる。

【免疫学的機序による肺疾患】

☆① 過敵性肺(臓)炎★★★の病因、症候と診断を説明できる。

☆② サルコイドーシス★★★の症候、診断と治療を説明できる。

③ 好酸球性肺疾患を概説できる。

④ 肺胞蛋白症を概説できる。

⑤ Goodpasture 症候群★について説明できる。

⑥ ANCA 関連血管炎を説明できる

⑦ 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(Churg-Strauss 症候群)を説明できる。

⑧ 多発血管炎性肉芽腫症(Wegener 肉芽腫症)を説明できる。

【肺の腫瘍】

☆① 原発性肺癌★★★(小細胞癌★、腺癌★★、扁平上皮癌、大細胞癌)、カルチノイドの分類、症

候、診断と治療を説明できる。

☆② 転移性肺腫瘍★の診断と治療を説明できる。

③ 良性肺腫瘍(過誤腫、硬化性血管腫)について概説できる

④ 気管・気管支腫瘍について概説できる

☆⑤ 縦隔腫瘍★★★(胸腺腫瘍★-重症筋無力症、神経原性腫瘍、胚細胞腫瘍★、悪性リンパ腫、嚢

胞性腫瘍)の種類を列挙し、診断と治療を説明できる。

⑥ 胸膜中皮膜★・胸膜プラークを概説できる。

⑦ 癌性胸膜炎を概説できる

⑧ 癌性リンパ管炎を概説できる

⑨ Pancoast 症候群★を概説できる。

【異常呼吸】

☆① 過換気症候群★を概説できる。

② 睡眠時無呼吸症候群(中枢性・閉塞性★★★)を概説できる

③ 肺胞低換気症候群(原発性、肥満)を概説できる。

④ CO2ナルコーシス★について説明できる。

【気管支拡張症とその他の肺疾患】

☆① 気管支拡張症★(Kartagener 症候群)の症候、診断と治療を説明できる。

② 気管・気管支の狭窄・閉塞の病因と診断を説明できる。

③ 気道異物の診断と治療を説明できる。

☆④ 無気肺★★の病因と診断を説明できる。

⑤ 肺形成不全、肺分画症の病因と診断を説明できる。

☆⑥ 新生児呼吸促迫症候群の症候、病態、診断と治療を説明できる。

⑦ 気管・気管支損傷を説明できる。

⑧ 肺損傷を説明できる。

【胸膜・縦隔疾患(腫瘍を除く)】

☆① 胸膜炎★(細菌性、結核性)の病因、症候、診断と治療を説明できる。

② 血胸、乳び胸★を概説できる。

☆③ 気胸★★★・緊張性気胸★★の病因、症候、診断と治療を説明できる。

④ 縦隔気腫・皮下気腫の病因、症候と診断を説明できる。

⑤ 急性縦隔炎(降下性縦隔炎)の病因、症候と診断を説明できる。

⑥ 気管支食道瘻、食道気管支瘻を概説できる。

⑦ 上大静脈症候群を概説できる。

⑧ 反回神経麻痺、嗄声★の原因を概説できる。

⑨ 胸膜生検の適応を説明できる。

⑩ 肋骨骨折(flail chest)について概説できる。

⑪ 胸郭変形(漏斗胸)について概説できる。

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⑫ 横隔神経麻痺について概説できる。

⑬ 横隔神経ヘルニアについて概説できる。

⑭ 横隔膜弛緩症について概説できる。

【胸部の手術】

☆① 胸部の術後合併症について説明できる。

② 横隔神経麻痺、反回神経麻痺について説明できる。

③ 肺瘻、気管支瘻について説明できる。

血液系(血液内科)

一般目標:血液・造血器・リンパ系の構造と機能を理解し、主な疾患の病因、病態生理、症候、診断と

治療を説明できる。

到達目標 ☆:重要な項目 ★:重要な項目、かつ国試頻出問題

1) 造血器の構造と機能

① 造血器の発生と、造血幹細胞から各血球への分化・成熟の過程を説明できる。☆

② 血漿タンパク質の種類と機能を説明できる。

③ 赤血球とヘモグロビンの構造と機能を説明できる。

④ 白血球の種類と機能を説明できる。

⑤ 血小板の機能と凝固・線溶系の機序を説明できる。

2) 症候と診断の基本

① 貧血患者の診断の要点を説明できる。☆

② 出血傾向を呈する患者の診断の要点を説明できる。☆

③ リンパ節腫脹を呈する患者の診断の要点を説明できる。☆

④ 造血器疾患に関わる諸検査の目的と適応を説明し、結果を解釈できる。

⑤ 造血器疾患に関わる病理学的検査の結果を解釈できる。

3) 移植療法・輸血療法

① 造血幹細胞移植療法の種類、適応と、管理の要点を説明できる。☆

② 血幹細胞移植療法に伴う合併症の、病態、症候、診断、治療を説明できる。☆★

③ 輸血療法に関わる検査と、種類、適応、関連法規を説明できる。☆

④ 輸血療法に伴う合併症の、症候、病態、診断、治療、予防策について説明できる。☆

⑤ 適切な輸血療法の実施について説明できる。☆

4) 造血器疾患各論

① 貧血を分類し、鑑別に有用な検査を説明できる。★★★

② 鉄欠乏性貧血の病態、診断、治療を説明できる。★★

③ 巨赤芽球性貧血の病態、診断、治療を説明できる。★★

④ 再生不良性貧血の病態、診断、治療を説明できる。★

⑤ 溶血性貧血の分類、病態、診断、治療を説明できる。★

⑥ 骨髄異形成症候群の分類、診断、治療を説明できる。

⑦ 急性骨髄性白血病の分類、病態、診断、治療、予後を説明できる。★★

⑧ 急性リンパ性白血病の分類、病態、診断、治療、予後を説明できる。★★

⑨ 慢性骨髄性白血病の病態、診断、治療を説明できる。★★

⑩ 成人 T細胞白血病リンパ腫の疫学、分類、病態、診断治療、予後を説明できる。★★

⑪ 小児造血器悪性腫瘍の疫学、分類、病態、診断、治療、予後を説明できる。

⑫ 骨髄増殖性疾患の分類、病態、診断、治療を説明できる。★★

⑬ 悪性リンパ腫の分類、病態、診断、治療、予後を説明できる。★★★

⑭ 多発性骨髄腫の分類、病態、診断、治療、予後を説明できる。★★★

⑮ 先天性凝固異常の分類、症候、診断、治療と遺伝形式を説明できる。★★★

⑯ 特発性血小板減少性紫斑病の病態、診断、治療を説明できる。★★

⑰ 播種性血管内凝固症候群の基礎疾患、病態、診断、治療を説明できる。★

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臨床腫瘍薬物療法系(化学療法センター)

一般目標:悪性腫瘍の治療である化学療法、緩和医療の総論を学び、具体的事例を通じて、がん薬物療

法の基本、抗癌剤の種類とその作用機序、薬物動態学、副作用の種類とその対策法について

学習する。さらに臨床試験についても学習する。癌患者とのコミュニケーション、告知、イ

ンフォームドコンセントとは何か、そしてその方法、癌の疼痛コントロールを含めた緩和ケ

アについても学習する。各論として、消化器がんや原発不明がんの標準的治療法並びに支持

療法についても学習する。

到達目標

【腫瘍学一般】

・ 抗癌剤の種類、その作用機序、副作用の種類とその対策について簡単に説明できる。★

・ 癌の分子標的治療とは何か、その内容を説明することができる。★

・ 癌化学療法の効果・副作用の評価方法を学習する。★

・ 病期分類について学習する。

【緩和医療】

・ 癌患者における緩和医療とは何か、癌性疼痛の機序、治療方法について学ぶ。★★

・ 癌患者のクオリティー・オブ・ライフ(QOL)とは何かを理解する。★

・ 癌治療においてのインフォームド・コンセントとは何かを学習する。★

【消化器がん】

・ 食道がん、胃がん、大腸がんのステージ別化学療法の目的、期待できる効果を理解する。

・ 消化器がんに起こりやすい合併症にかんして説明できる

・ GIST に関する治療を学習する。

【原発不明がん、肉腫】

・ 原発不明がんに使用する抗がん剤を学習する。

・ 肉腫の治療を説明できる。★

臨床腫瘍放射線治療系(放射線治療科)

一般目標:放射線腫瘍学の根本を会得し、診療における放射線治療の重要性を正しく理解できる。また、

医療被曝とその正当性、放射線の安全管理について理解し、放射線障害と防護について説明

できる。

到達目標

【放射線治療一般】

・ 放射線の種類と性質について説明できる。

・ 放射線治療の生物学的効果、放射線感受性について簡単に説明できる。★

・ 外照射(高精度外照射含む)、密封小線源治療、放射線内用療法について説明できる。★

・ 放射線治療装置について簡単に説明できる。

・ 放射線治療の適応疾患について説明できる。★

【放射線影響、防護】

・ 放射線の確率的影響と確定的影響について説明できる。★★

・ 放射線の急性期障害と晩期障害について説明できる。★★

・ 放射線防護の3原則について説明できる。

・ 医療被曝、職業被曝、公衆被曝について説明できる。☆

・ 放射線従事者の被曝最大許容量について説明できる。★

【頭部】

・ 原発性脳腫瘍(神経膠芽腫など)の放射線治療について説明できる。

・ 転移性脳腫瘍の放射線治療について説明できる。☆

・ 頭部への放射線治療により起こる合併症について説明できる。☆☆

【頭頸部】

・ 頭頸部癌(喉頭癌など)の放射線治療について説明できる。★

・ 頭頸部への放射線治療により起こる合併症について説明できる。★

【胸部】

・肺癌(非小細胞肺癌、小細胞肺癌)の放射線治療について説明できる。★★

・乳癌の放射線治療について説明できる。

・食道癌の放射線治療について説明できる。

・胸部への放射線治療により起こる合併症について説明できる。☆☆

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【腹部・骨盤部】

・ 腹部消化器腫瘍(大腸癌など)の放射線治療について説明できる。★★

・ 腎泌尿器腫瘍(前立腺癌など)の放射線治療について説明できる。★★

・ 婦人科腫瘍(子宮頸癌など)の放射線治療について説明できる。★★

・ 腹部・骨盤部への放射線治療により起こる合併症について説明できる。☆☆

【骨軟部】

・ 骨軟部腫瘍(骨肉腫など)の放射線治療について簡単に説明できる。

・ 転移性骨腫瘍の放射線治療について説明できる。★

【造血器疾患】

・ 悪性リンパ腫の放射線治療について簡単に説明できる。

・ 骨髄移植前の全身照射について説明できる。☆

【良性疾患】

・ 放射線治療の適応となる良性疾患について簡単に説明できる。☆

4. 評価法 <各科を参照>

・日々の評価(出席、診療録記載、パフォーマンスなど) 60 点

・レポート 20 点

・試問 20 点

・血液:評価の判定は、出欠、試験成績等によって判定する。

・化療:化学療法センターの就学評価の判定は、実習の出席率、卒業試験成績等によって判定する。

・放射線治療科:放射線治療科の就学評価の判定は、実習の出席率、卒業試験成績等によって判定する

5. 予習項目 <各科を参照>

呼吸器

*以下の項目の①正常値 ②異常を来す病態

・呼吸数

・PaCO2、PaO2、HCO3-、アニオン・ギャップ

・SpO2

・肺動脈圧

・気管支肺胞洗浄液(BALF):総細胞数、白血球分画

*呼吸器感染症の主な起炎菌と使用される抗菌薬

*市中肺炎診断時の A-DROP システム

*呼吸困難のスケール:mMRC 分類

*肺癌の臨床病期分類

*肺癌の治療に使用される抗癌剤、免疫療法

*化学療法における有害事象の CTCAE Grade 定義

血液

・構造と機能:造血器の発生と、造血幹細胞から各血球への分化・成熟の過程

・診断と検査:血算と血液像の解釈、貧血患者の診断の要点、出血傾向を呈する患者の診断の要点、

リンパ節腫脹を呈する患者の診断の要点、骨髄検査の適応と検査手技、結果の解釈

・症候:リンパ節腫脹の診察、貧血の症候、compromised host の症候、出血傾向の症候

・疾患:悪性リンパ腫(Hodgkin リンパ腫、非 Hodgkin リンパ腫、ATLL)、形質細胞性骨髄腫、

急性白血病(AML、ALL)

・治療:標準的な抗がん化学療法(R-CHOP 療法)、適切な輸血の手順、血液製剤の適応

化療

・医学一般:殺細胞性抗がん剤、分子標的薬剤の種類と作用機序

・診療、基本的診療知識:臨床試験のエビデンスの強さ、抗がん剤支持療法、緩和医療 WHO疼痛ラダー

放射線治療科

・医学一般:放射線、放射線感受性

・診療、基本的診療知識:放射線治療、放射線障害、放射線防護

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6. 教科書・参考書 <各科を参照>

呼吸器

Textbook of respiratory medicine -5th edition- Murray, Nadel

Comprehensive respiratory medicine AlbertRK, Spiro.SG, and JettJR

びまん性肺疾患の臨床 一第4版- びまん性肺疾患研究会

High-resolution CT of the lung -fourth edition- Webb, Muller, and Nadich

Cancer: Principles & Practice of Oncology, 9th Edition Vincent T. Devitajr, Samuel Hellman,

Steven A.Rosenberg

臨床腫瘍学 日本臨床腫瘍学会

プラクティカル内科シリーズ 1 「肺癌」患者へのアプローチから治療の最前線まで、改訂第2版 福

岡正博、西條長宏

Mandell, Douglas, and Bennett's Principles and Practice of Infectious Disease, 7 th Edition

レジデントのための感染症診療マニュアル 第 3 版 青木眞

感染症レジデントマニュアル 第 2 版 藤本卓司

胸膜疾患のすべて 改訂第 3 版 リチャード・W・ライト

気管支鏡 臨床医のためのテクニックと画像診断 第2版

<各種ガイドライン>

NPPV(非侵襲的陽圧換気療法)ガイドライン

酸素療法ガイドライン

COPDの診断と治療のためのガイドライン(第3版)

喘息予防・管理ガイドライン 2016

肺癌取り扱い規約(改訂第7版)

縦隔腫瘍取扱い規約(第1版)

肺癌診療ガイドライン(オンライン版)http://www.haigan.gr.jp/

悪性胸腹中皮腫診療ガイドライン(オンライン版)http://www.haigan.gr.jp/

特発性間質性肺炎診断と治療の手引き 改訂第2版

薬剤性肺障害の診断・治療の手引き(2012 年版)

ALI/ARDS 診療のためのガイドライン第2版

成人の睡眠時無呼吸症候群 診断と治療のためのガイドライン

結核診療ガイドライン(日本結核病学会)改訂第2版

深在性真菌症の診断・治療ガイドライン(2014)

化療

新臨床腫瘍学 南江堂

放射

放射線治療計画ガイドライン 2012

放射線医学 放射線腫瘍学 (金芳堂)

放射線治療学 改訂 5 版 (南山堂)

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7. 学習項目<各科を参照>

呼吸器

大項目 中項目 小項目 摘要

感染性呼吸器疾患

A 気道感染症 ①感冒(かぜ症候群)、上気道炎★★ 急性声門下喉頭炎★★★

②気管支炎★、紬気管支炎★★ 急性

B 肺実質感染症 ①市中肺炎★★ 細菌★(肺炎球菌★★、黄色ブド

ウ球菌、モラクセーラ・カタラ

ーリス、クレブシエラ、インフル

エンザ菌、緑膿菌)、

非定型病原体★★★(レジオネ

ラ★、マイコプラズマ★★、クラ

ミジア、オウム病、Q熱)

②院内肺炎★ 耐性菌、日和見感染症

(opportunistic infection)

③医療・介護関連肺炎 嘸下性肺疾患★★★

C 肺真菌症 ①アスペルギルス症、

クリプトコッカス症、

カンジダ症、

ニューモシスチス肺炎

肺アスペルギルス症 ★、

侵襲性肺アスペルギルス症、

慢性肺アスペルギルス症、

肺アスペルギローマ、

慢性壊死性肺アスペルギルス症、

肺クリプトコッカス症 ★、

肺ムコール症、肺カンジダ症、

ニューモシスチス肺炎 ★★★

D 抗酸菌症 ①肺結核症★★★

②非結核性<非定型>抗酸菌症★★ M.avium,M.intracellulare,

M.Kansaii

E ウイルス ①インフルエンザウイルス★★★、

サイトメガロウイルス

インフルエンザ脳症、

ウイルス性肺炎

F 寄生虫症 ①吸虫症、線虫症

G 胸膜・縦隔の

感染症

①胸膜炎 細菌性、結核性

②膿胸★★ 急性★★、慢性

③縦隔炎 降下性縦隔炎

気管・気管支・肺の

形態・機能異常、

外傷

A 気管・気管支の

異常

①気管支拡張症★ Kartagener症候群

②びまん性汎細気管支炎

③閉塞性細気管支炎

④気管・気管支の狭窄・閉塞

⑤気道異物

B 肺の異常 ①気腫性嚢胞(ブラ、ブレブ〉 巨大肺嚢胞症、ニューマトセル

②無気肺★★

③肺形成不全 肺欠損症

④肺分画症

⑤気管支性嚢胞

⑤気管支食道瘻

C 気管支・肺の異

常 ①慢性閉塞性肺疾患<COPD>★★★

慢性気管支炎、肺気腫

D 外傷 ①気管・気管支損傷

②肺損傷

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免疫学的機体が

考えられる肺疾

A アレルギー性

疾患

①気管支喘息★★★、咳喘息 アスピリン喘息★★★

②好酸球性肺炎★★★ 急性、慢性

③アレルギー性気管支肺アスペ

ルギルス症★

④過敏性肺炎

B 全身性疾患に

伴う肺病変

①膠原病および類縁疾患に伴う

肺病変

②サルコイドーシス★★★

③Goodpasture 症候群★

③顕微鏡的多発血管炎

[microscopic polyangitis<MPA>]

ANCA関連血管炎

④多発血管炎性肉芽腫症

<Wegener 肉芽腫症>

ANCA関連血管炎

⑤好酸球性多発血管炎性肉芽種

症<Churg-Strauss 症候群〉

⑥Langerhans 細胞組織球症(肺好

酸球性肉芽腫症)

⑦アミロイドーシス

⑧悪性リンパ暉、白血病

実質性・間質性

肺障害

A 特発注間質性

肺炎★★<IIPs>

①特発性肺線維症<IPF>★★★

②非特異性間質性肺炎<NSIP> 膠原病にみられる肺病変

③特発性器質化肺炎<COP>

B IIPs以外の原

因不明疾患

①肺リンパ脈管筋腫症<LAM>★

②炎症性腫瘤

C 医原性肺疾患

及び化学物質に

よる肺障害

①薬剤性肺障害★ 分子標的薬

②イヒ学薬品、重金属などによる肺

障害

③酸素中毒

④パラコート中毒

⑤放射線肺炎

⑥リポイド肺炎

D 急性呼吸不全 ①急性呼吸窮迫症候群(ARDS) 急性肺障害(ALI)

E じん肺症★ ①珪肺(silicosis)

②石綿肺(asbestosis)

③ベリリウム肺

F 先天異常・代

謝異常に基づく

疾患

①肺胞微石症

②肺胞タンパク症

肺循環異常

A 肺水腫★★ ①心原性肺水腫

②透過性亢進型肺水腫

B 肺血栓塞栓症

★★★

①急性肺血栓塞栓症★

②慢性肺血栓塞栓症

C 肺高血圧症★

★★

①肺動脆性肺高血圧症 特発性、遺伝性、続発性

②左心系疾患に伴う肺高血圧症

③肺疾患あるいは低酸素血症に

続発する肺高血圧症

D 肺性心

E 肺動静脈瘻

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気管支・肺・胸膜・

縦隔の腫瘍

A 肺悪性腫瘍

★★★

① 肺癌★★★ 腺癌★★、扁平上皮癌★、小細

胞癌★、大細胞神経内分泌癌、

カルチノイド、大細胞癌、

Pancoast 症候群★、癌性リンパ

管症

②転移性肺腫瘍

③低悪性度肺腫瘍

B 他の気管支・肺

腫瘍

①良性肺腫瘍 過誤腫、

硬化性血管腫

②気管・気管支腫瘍

C 縦隔腫瘍★★★ ①胸腺腫瘍★ 重症筋無力症

②神経原性腫瘍

③胚細胞腫瘍★

④悪性リンパ腫

⑤嚢脂性腫瘍(心膜嚢胞)

D 胸膜腫瘍 ①胸膜中皮腫★★★ 胸膜プラーク

E 癌性胸膜炎

F 癌性リンパ管

胸膜・縦隔・横隔

膜・胸郭の形態・

機能異常と外傷

A 胸膜 ①気胸★★、緊張性気胸★★ 医原性★、外傷性

②血胸★

③乳び胸★

B 縦隔 ①縦隔気腫、皮下気腫

②気管食道朧、食道気管塵

③上大静脈症候群

④反目神経麻娠 嘆声

C 胸壁、横隔膜 ①肋骨骨折 flail chest

②胸郭変形 漏斗胸

③横隔神経麻蝉

④横隔膜ヘルニア

⑤横隔膜弛緩症

呼吸調節異常

A 異常呼吸 ①睡眠時無呼吸症候群 中枢性、閉塞性★★★

②過換気症候群★

③肺胞低換気症候群 原発性、肥満、Pickwick 症候群

③CO2ナルコーシス★

血液

レベル 医学一般 基本的診療知識 診療

造血器の発生と、造血幹細胞

から各血球への分化・成熟の

過程

造血器悪性腫瘍の概要

リンパ節腫脹の診察、貧血の

症候、compromised host の症

候、出血傾向の症候

Hogikin リンパ腫、非 Hodgin

リンパ腫等の診断と予後の判

血算と血液像の解釈、骨髄検

査の適応と検査手技、結果の

解釈

Hodgkinリンパ腫、非 Hodgkin

リンパ腫等の治療方針の立案

再発・難治症例の治療計画の

立案

適切なインフォームド・コン

セント

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化療

レベル 医学一般 基本的診療知識 診療

Ⅰ 殺細胞薬剤の種類と作用機序

インフォームドコンセント WHO疼痛ラダー

Ⅱ 分子標的薬剤の種類と作用機序

抗がん剤副作用の種類

支持療法

癌腫別標準治療

進行度別標準治療

放射

レベル 医学一般 基本的診療知識 診療

Ⅰ 放射線の種類と性質

正常細胞の放射線感受性

腫瘍の放射線感受性

放射線障害

放射線防護

放射線治療の適応疾患

放射線治療の照射方法

放射線治療の有害事象

8. オフィスアワー <各科を参照>

【内科系】担当教員 PHS e-mail 質問出来る時間帯

講師 後藤 功 6124 in1016 水曜 16時-17時、金曜午前

講師(准) 池田 宗一郎 6702 in1051 水曜午前・金曜午前

助教 今西 将史 6772 in1229

助教 田村 洋輔 6857 in1285

助教(准) 吉田 修平 3371 in1320

助教(准) 中村 敬彦 6975 in1327

助教(准) 三好 啓治 6711 in1370 センター長 診療准教授 藤阪 保仁 6598 fujisaka_y

【外科系】担当教員 PHS e-mail 質問出来る時間帯

診療准教授 花岡 伸治 2362 nha8228

講師(准) 佐藤 澄 2362 skiyoshi

助教(准) 越智 薫 3527 tho083

・メールは、上記アドレス(e-mail)の後に@osaka-med.ac.jp をつけてください。

・質問出来る時間帯の指定が出来ない場合や連絡がつかない場合は、メールもしくは PHS で直接連絡を

取って下さい。

【血液系】担当教員 PHS e-mail 質問出来る時間帯

助教 秋岡 寿一 6367 in1179 月曜日・金曜日の 16時~17 時(※)

助教 三好 拓児 6925 in1282

助教 横手 耐治 6498 in1161

助教(准) 中山 聖子 6369 in1304

助教(准) 西脇 詩 3372 in1352

・(※) 7号館専門内科外来診察室(月曜日・1階、金曜日・2階)。不在の際は PHSに連絡、当日対応

困難な場合は改めて調整。

・メールは、上記アドレス(e-mail)の後に@osaka-med.ac.jp をつけてください。

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【化療】担当教員 PHS e-mail 質問出来る時間帯

診療准教授 後藤 昌弘 6528 in2030 木曜日の 15 時-16時(※1)

助教 紀 貴之 6525 in2058

助教 桑門 心 6482 in2075

助教(准) 西谷 仁 3538 in2109

・(※1)化学療法センター事務室:事前にアポイントメントを取ること。無理な際は、メールにて対応する。

・メールは、上記アドレス(e-mail)の後に@osaka-med.ac.jp をつけてください。

【放射線系】担当教員 PHS e-mail 質問出来る時間帯

診療准教授 吉田 謙 6333 rad113 水曜日の 16 時 30分~17時(※)

講師(准) 新保 大樹 6429 rad089

助教 吉川 信彦 3394 rad101

助教 吉岡 裕人 6873 rad111

非常勤講師 高橋 正嗣

・(※)6号館地下 放射線治療室:事前にアポイントメントを取ること。無理な際は、メールにて対応する。

・メールは、上記アドレス(e-mail)の後に@osaka-med.ac.jpをつけてください。

9. 初日の集合場所、時間

77 病棟カンファレンス室(7 号館 7階)、午前 9時

10.コース説明と時間割

◇(血液内科+化学療法センター+呼吸器外科)と(呼吸器内科・呼吸器腫瘍内科+放射線治療科)を 2

週単位で襷掛けでまわる。共通講義などは 4週単位で行われる。

◇1週目の共通オリエンテーションでプログラム全体の説明があり、その後各科で担当患者の割り振りが

行われる。

◇4週間に最低 2名の患者を担当する。最初の 2 週間に当たった患者は後半の 2週も引き続き担当し、そ

の患者が手術や放射線治療に回ったときは、それへ優先的に参加する。

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呼吸器血液腫瘍コース[(血液+化療+呼外)+(呼内+放治):AB班-CD班2週間の襷掛け] は、病棟・外来実習 Ver4.2

3週目 8:00 9:00 10:00 11:00 12:00 13:00 14:00 15:00 16:00 17:00 18:00

月 C班3名 共通 化療回診 化療検討会 血液検討会D班3名 オリエンテーションA班3名 (2週間の振り返り 呼内検討会 1内検討会B班3名 と新患担当) 放射線治療見学 放射線治療実習

火 C班3名D班3名 IC回診 呼外検討会 呼外抄読会A班3名 気管支鏡見学 呼内検討会B班3名 放射線治療実習

水 C班3名 化療検討会 共通D班3名 呼外手術見学 講義 特別演習A班3名 呼内抄読会B班3名

木 C班3名 血液回診 血液講義D班3名 呼内講義A班3名 気管支鏡見学 呼内回診B班3名 放射線治療検討会

金 C班3名 IC回診LDC 呼外手術見学 呼外手術見学D班3名 3科A班3名 合同 放射線治療学実習B班3名 検討 放射治療学実習

4週目 8:00 9:00 10:00 11:00 12:00 13:00 14:00 15:00 16:00 17:00 18:00

月 C班3名 呼外講義 血液検討会D班3名 呼外手術見学 化療回診A班3名 放射線治療見学 放射線治療実習 1内検討会B班3名 呼内検討会

火 C班3名D班3名 IC回診 呼外検討会 呼外抄読会A班3名 放射線治療実習B班3名 気管支鏡見学 呼内検討会

水 C班3名 呼外手術見学 共通D班3名 化療検討会 講義 特別演習A班3名 呼内抄読会B班3名

木 C班3名 呼内講義D班3名 血液回診A班3名 放射線治療検討会

B班3名 呼内講義 気管支鏡見学 回診前検討 呼内回診

金 C班3名 LDCD班3名 IC回診3科 呼外手術 見学(予備日) 4週間のまとめA班3名 合同 放射線治療学実習 発表・試問B班3名 検討

呼吸器血液腫瘍コース[(血液+化療+呼外)+(呼内+放治):AB班-CD班2週間の襷掛け] は、病棟・外来実習 Ver4.2

1週目 8:00 9:00 10:00 11:00 12:00 13:00 14:00 15:00 16:00 17:00 18:00

月 A班3名 共通 共通 化療回診 化療検討会 血液検討会B班3名 オリエンテーション 講義C班3名 呼内検討会 1内検討会D班3名 放射線治療見学 放射線治療実習

火 A班3名B班3名 IC回診 呼外検討会 呼外抄読会C班3名 気管支鏡見学 呼内検討会D班3名 放射線治療実習

水 A班3名 化療検討会 共通B班3名 呼外手術見学 講義 特別演習C班3名 呼内抄読会D班3名

木 A班3名 血液回診 血液講義B班3名 呼内講義C班3名 気管支鏡見学 呼内回診D班3名 放射線治療検討会

金 A班3名 IC回診LDC 呼外手術見学 呼外手術見学B班3名 3科C班3名 合同 放射線治療学実習D班3名 検討 放射治療学実習

2週目 8:00 9:00 10:00 11:00 12:00 13:00 14:00 15:00 16:00 17:00 18:00

月 A班3名 呼外講義 血液検討会B班3名 呼外手術見学 化療回診C班3名 放射線治療見学 放射線治療実習 1内検討会D班3名 呼内検討会

火 A班3名B班3名 IC回診 呼外検討会 呼外抄読会C班3名 放射線治療実習D班3名 気管支鏡見学 呼内検討会

水 A班3名 呼外手術見学 共通B班3名 化療検討会 講義 特別演習C班3名 呼内抄読会D班3名

木 A班3名 呼内講義B班3名 血液回診C班3名 放射線治療検討会

D班3名 呼内講義 気管支鏡見学 回診前検討 呼内回診

金 A班3名 LDCB班3名 IC回診3科 呼外手術 見学(予備日) 2週間のまとめC班3名 合同 放射線治療学実習 共通オリエンテーションD班3名 検討 (4週目は発表や試問)

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総合コース

1. コース名等

1) コース名 総合コース

2) コース責任者 鈴木 富雄(総合診療科)

3) コース主任 浮村 聡 (総合診療科<感染症・安全対策>)

高須 朗 (救急医療部)

南 敏明、駒澤 伸泰(麻酔科・集中治療部)

鳴海 善文、小森 剛(放射線科<診断>)

4) 指導教員

総合診療科 鈴木 富雄、浮村 聡、三澤 美和、土井 あかね

救急医療部 高須 朗、冨岡 正雄、新田 雅彦、谷口 高平

麻酔科 梅垣 修、澤井 俊幸、辰巳 真一、藤原 俊介

放射線科 鳴海 善文、山本 和宏、小森 剛、小山 光博、中井 豪、中本 篤、西澤 光生、

重里 寛、山本 聖人、北埜 玲美、田中 義和、結城 雅子、宇都宮 啓太、

太田 仁八、稲田 悠紀、辰 吉光

2. 一般目標

総合的な診療能力を持ち、患者中心の全人的医療を行える良き医療人となるための基盤となる知識・技

能・態度を身につける。

3. 到達目標

A 総合診療科

1) 医の原則

【医師の義務と裁量権】 ★★★

一般目標:患者のために全力を尽くす医師に求められる医師の義務と裁量権に関する基本的態度、

習慣、考え方と知識を身につける。

到達目標:

① 患者やその家族と信頼関係を築くことができる。

② 患者の個人的、社会的背景など異なっても分け隔てなく対応できる。

③ 患者やその家族が持つ価値観が多様でありうることを認識し、そのいずれにも柔軟に対応でき

る。

④ 医師が患者に最も適した医療を進めなければならない理由を説明できる。

⑤ 医師には能力と環境により診断と治療の限界があることを説明できる。

⑥ 医師の法的義務を列挙し、例示できる。

【インフォームドコンセント】 ★★★

一般目標:将来、患者本位の医療を実践できるように、適切な説明を行ったうえで、患者の選択に

基づき、主体的な同意を得るために、対話能力と必要な態度、考え方を身につける。

到達目標:

① 意義と必要性を説明できる。

② 患者にとって必要な情報を整理し、わかりやすい言葉で表現できる。

③ 説明を行うための適切な時期、場所と機会に配慮できる。

④ 説明を受ける患者の心理状態や理解度について配慮できる。

⑤ 患者の質問に適切に応え、拒否反応にも柔軟に対応できる。

2) コミュニケーションとチーム医療

【コミュニケーション】 ☆

一般目標:医療の現場におけるコミュニケーションの重要性を理解し、信頼関係の確立に役立つ能

力を身につける。

到達目標:

① コミュニケーションの方法と技能を説明し、コミュニケーションが態度あるいは行動に及ぼす

影響を概説できる。

② コミュニケーションを通じて良好な人間関係を築くことができる。

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【患者と医師の関係】 ★★★

一般目標:患者と医師の良好な関係を築くために、患者の個別的背景を理解し、問題点を把握する

能力を身につける。

到達目標:

① 患者と家族の精神的・身体的苦痛に十分配慮できる。

② 患者に分かりやすい言葉で説明できる。

③ 患者の心理的及び社会的背景や自立した生活を送るための課題を把握し、抱える問題点を抽

出・整理できる。

④ 医療行為が患者と医師の契約的な信頼関係に基づいていることを説明できる。

⑤ 患者の要望への対処の仕方を説明できる。

⑥ 患者のプライバシーに配慮できる。

⑦ 患者情報の守秘義務と患者などへの情報提供の重要性を理解し、適切な取り扱いができる。

【患者中心のチーム医療】 ★★★

一般目標:チーム医療の重要性を理解し、医療従事者との連携を図る能力を身につける。

到達目標:

① チーム医療の意義を説明できる。

② 医療チームの構成や各構成員の役割分担と連携・責任体制について説明し、チームの一員とし

て参加できる。

③ 自分の能力の限界を認識し、必要に応じて他の医療従事者に援助を求めることができる。

④ 保健、医療、福祉と介護のチーム連携における医師の役割を説明できる。

3) 全身に関する主な病態、診断、治療

一般目標:主要な徴候・病態の原因、分類、診断と治療の概要を発達、成長、加齢ならびに性別と

関連づけて学ぶ。

【ショック】 ★★★

① ショックの定義、原因と病態を説明できる。

② ショック患者の診断の要点を列挙できる。

③ ショックの治療を概説できる。

【発熱】 ☆

① 発熱の原因と病態生理を説明できる。

② 発熱患者の診断と治療の要点を説明できる。

【けいれん】 ★★

① けいれんの種類と原因を列挙できる。

② けいれん患者の診断の要点を概説できる。

③ けいれん発作時の初期治療を概説できる。

【意識障害・失神】 ★★★

① 意識障害・失神の原因を列挙し、その病態を説明できる。

② 意識障害の程度評価を説明できる。

③ 意識障害・失神を来した患者の治療を概説できる。

【チアノーゼ】 ☆

① チアノーゼの原因と病態を説明できる。

② チアノーゼを呈する患者の診断の要点を説明できる。

【脱水】

① 脱水の原因と病態を説明できる。

② 脱水をきたした患者の診断と治療の要点を説明できる。

【全身倦怠感】

① 全身倦怠感をきたす原因を列挙できる。

② 全身倦怠感を訴える患者の診断の要点を説明できる。

【肥満・やせ】

① 肥満・やせを定義し、それぞれの原因を列挙できる。

② 肥満・やせを呈する患者の診断の要点を説明できる。

【黄疸】 ★★

① 黄疸の原因と病態を説明できる。

② 黄疸患者の診断と治療の要点を説明できる。

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【発疹】 ☆

① 発疹の種類と主な原因を列挙できる。

② 発疹の所見を記述して分類できる。

③ 発疹患者の診断の要点を説明できる。

【貧血】 ★★★

① 貧血の原因、分類と病態を説明できる。

② 貧血患者の診断の要点を説明できる。

【出血傾向】 ☆

① 出血傾向の原因と病態を説明できる。

② 出血傾向を呈する患者の診断の要点を説明できる。

【リンパ節腫脹】

① リンパ節腫脹の原因を列挙できる。

② リンパ節腫脹を呈する患者の診断の要点を説明できる。

【浮腫】 ★★

① 全身浮腫と局所性浮腫の原因と病態を説明できる。

② 浮腫をきたした患者の診断と治療の要点を説明できる。

【動悸】 ☆

① 動悸の原因を列挙し、その病態を説明できる。

② 動悸を訴える患者の診断の要点を説明できる。

【胸水】

① 胸水の原因と病態を説明できる。

② 胸水を呈する患者の診断の要点を説明できる。

【胸痛】 ★

① 胸痛の原因と病態を説明できる。

② 胸痛患者の診断の要点を説明できる。

③ 胸痛患者に対する初期治療を概説できる。

【呼吸困難】 ★

① 呼吸困難の原因と病態を説明できる。

② 呼吸困難の程度に関する分類を説明できる。

③ 呼吸困難患者の診断の要点を説明できる。

④ 呼吸困難患者に対する初期治療を概説できる。

【咳・痰】 ☆

① 咳・痰の原因と病態を説明できる。

② 咳・痰を訴える患者の診断の要点を説明できる。

【血痰・喀血】

① 血痰・喀血の原因を列挙できる。

② 血痰・喀血を呈する患者の診断の要点を説明できる。

【めまい】 ☆

① めまいの原因と病態を説明できる。

② めまいを訴える患者の診断の要点を説明できる。

【頭痛】 ★★★

① 頭痛の原因と病態を説明できる。

② 頭痛を訴える患者の診断の要点を説明できる。

【運動麻痺・筋力低下】 ☆

① 運動麻痺・筋力低下の原因と病態を説明できる。

② 運動麻痺・筋力低下を訴える患者の診断の要点を説明できる。

【腹痛】 ☆

① 腹痛の原因と病態を説明できる。

② 腹痛を訴える患者の診断の要点を説明できる。

③ 急性腹症を概説できる。

【悪心・嘔吐】

① 悪心・嘔吐の原因と病態を説明できる。

② 悪心・嘔吐を訴える患者の診断の要点を説明できる。

【嚥下困難・障害】

① 嚥下困難・障害の原因と病態を説明できる。

② 嚥下困難・障害を訴える患者の診断の要点を説明できる。

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【食思不振】 ☆

① 食思不振の原因と病態を説明できる。

② 食思不振を訴える患者の診断の要点を説明できる。

【便秘・下痢】 ☆

① 便秘・下痢の原因と病態を説明できる。

② 便秘・下痢を訴える患者の診断の要点を説明できる。

【吐血・下血】

① 吐血・下血の原因と病態を説明できる。

② 吐血・下血を訴える患者の診断の要点を説明できる。

③吐血・下血患者の初期治療を概説できる。

【腹部膨大・腫瘤】

① 腹部膨大・腫瘤の原因と病態を説明できる。

② 腹部膨大・腫瘤のある患者の診断の要点を説明できる。

【蛋白尿】 ☆

① 蛋白尿の原因と病態を説明できる。

② 蛋白尿を呈する患者の診断の要点を説明できる。

【血尿】

① 血尿の原因を説明できる。

② 血尿をきたした患者の診断の要点を説明できる。

【尿量・排尿の異常】 ★★

① 尿量・排尿の異常の原因と病態を説明できる。

② 尿量・排尿の異常をきたした患者の診断の要点を説明できる。

【月経異常】 ★★

① 月経異常の原因と病態を説明できる。

② 月経異常を呈する患者の診断の要点を説明できる。

【関節痛・関節腫脹】 ☆

① 関節痛・関節腫脹の原因と病態生理を説明できる。

② 関節痛・関節腫脹のある患者の診断の要点を説明できる。

【腰背部痛】

① 腰背部痛の原因を列挙できる。

② 腰背部痛を訴える患者の診断の要点を説明できる。

4) 基本的診療知識

【薬物治療の基本原理】 ☆

一般目標:診療に必要な薬物治療の基本を学ぶ。

到達目標:

① 薬物の蓄積、耐性、タキフィラキシー、依存、習慣性や嗜癖を説明できる。

② 主な薬物アレルギーを列挙し、予防策と対処法を説明できる。

③ 中枢神経作用薬の薬理作用を説明できる。

④ 自律神経作用薬の薬理作用を説明できる。

⑤ 循環器作用薬の薬理作用を説明できる。

⑥ 呼吸器作用薬の薬理作用を説明できる。

⑦ 消化器作用薬の薬理作用を説明できる。

⑧ 利尿薬の薬理作用を説明できる。

⑨ ステロイド薬および非ステロイド性抗炎症薬の薬理作用を説明できる。

⑩ 抗菌薬の薬理作用を説明できる。

⑪ 抗腫瘍薬の薬理作用を説明できる。

⑫ 主な薬物の副作用を説明できる。

⑬ 年齢による薬物投与の注意点を説明できる。

⑭ 薬物動態的相互作用について例を挙げて説明できる。

⑮ 処方箋の書き方、服薬の基本・コンプライアンスを説明できる。

⑯ 生物製剤の薬理作用と副作用を説明できる。

⑰ 和漢薬の特徴や使用の現状について概説できる。

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【臨床検査】 ☆

一般目標:検査の方法、適応と解釈を学ぶ。

到達目標

① 臨床検査の基準値・カットオフ値の意味が説明できる。

② 検査の特性を説明できる。

③ 血液検査の目的と適応を説明し、結果を解釈できる。

④ 尿検査の目的、適応と異常所見を説明し、結果を解釈できる。

⑤ 糞便検査の目的、適応と異常所見を説明し、結果を解釈できる。

⑥ 生化学検査項目を列挙し、目的、適応と異常所見を説明し、結果を解釈できる。

⑦ 免疫学検査の目的、適応と異常所見を説明し、結果を解釈できる。

⑧ 心電図検査の目的、適応と異常所見を説明し、結果を解釈できる。

⑨ 経皮的酸素飽和度モニターを使用できる。

⑩ 動脈血ガス分析の目的、適応と異常所見を説明し、結果を解釈できる。

⑪ 呼吸機能検査の目的、適応と異常所見を説明し、結果を解釈できる。

⑫ 脳脊髄液検査の目的、適応と異常所見を説明し、結果を解釈できる。

⑬ 検査の誤差や生理的変動を説明できる。

⑭ 正しい検体採取の方法を説明でき、不適切な採取を行った時の検査値の異常を判断できる。

⑮ 小児・高齢者の検査値の特徴を説明できる。

⑯ 一般細菌の塗抹・培養の目的、適応と異常所見を説明し、結果を解釈できる。

⑰ 病理組織検査の目的と意義を説明できる。

【食事と栄養療法】 ☆

一般目標:食事と輸液療法の基本を学ぶ。

到達目標:

① 主な疾患の食事療法を概説できる。

② 補液・経静脈栄養と経腸栄養の適応、方法と合併症を説明できる。

③ 輸液療法の原則と輸液剤の組成上の特徴を説明できる。

④ 微量元素の生理作用を説明できる。

5) 診療における重要事項

【診療の基本】 ☆

一般目標:患者情報の収集、記録、診断、治療計画について学ぶ。

到達目標

① 基本的診療知識に基づき、症例に関する情報を収集・分析できる。

② 得られた情報をもとに、その症例の問題点を抽出できる。

③ 病歴と身体所見などの情報を統合して、鑑別診断ができる。

④ 主要疾患の症例に関して、診断・治療計画を立案できる。

⑤ 感度・特異度などを考慮して必要十分な検査を挙げることができる。

⑥ 科学的根拠に基づいた治療法を述べることができる。

⑦ 適切に患者の情報を収集し、POMRを作成できる。

⑧ 診療経過を SOAP で記載できる。

⑨ 症例を適切に要約する習慣を身につけ、状況に応じて提示できる。

⑩ 救急患者の緊急度・重症度を判断し治療計画を立案できる。

【診察法】 ☆

一般目標:患者との信頼関係に基づいた医療面接と診察法を学ぶ。

到達目標:

医療面接

① 患者の立場を尊重し、信頼を得ることができる。

② 患者の安全を重視し、有害事象が生じた場合は適切に対応ができる。

③ 患者のプライバシー、羞恥心、苦痛に配慮し、個人情報等を守秘できる。

④ 感染を予防するため、診察前後の手洗いや器具等の消毒ができる。

⑤ 挨拶、身だしなみ、言葉遣いなどに気を配ることができる。

⑥ 患者の状態から診察が可能かどうかを判断し、状態に応じた診察ができる。

⑦ 適切な身だしなみ、言葉遣い、礼儀正しい態度で患者に接することができる。

⑧ 医療面接における基本的コミュニケーション技法を用いることができる。

⑨ 病歴を聴き取り、情報を取捨選択し整理できる。

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身体診察

① 診察で得た所見、診断、必要な検査を説明し報告できる。

② 身長・体重を測定し、BMIの算出、栄養状態を評価できる。

③ 上腕で触診、聴診法により血圧を測定できる。

④ 両側の橈骨動脈で脈拍を診察できる。

⑤ 呼吸数を測定し、呼吸の以上の有無を確認できる。

⑥ 腋下で体温の測定ができる。

⑦ 下肢の動脈の触診等、下腿の血圧測定(触診法)、大腿の血圧測定(聴診法)を実施できる。

⑧ 頭部の診察ができる。

⑨ 眼の診察ができる。

⑩ 耳の診察ができる。

⑪ 耳鏡で外耳道、鼓膜を診察できる。

⑫ 音叉を用いて聴力試験を実施できる。

⑬ 口唇、口腔、咽頭の診察ができる。

⑭ 鼻腔、副鼻腔の診察ができる。

⑮ 鼻鏡を用いて前鼻腔を観察できる。

⑯ 甲状腺、頸部血管、気管を診察できる。

⑰ 唾液腺、頭頸部リンパ節の診察ができる。

⑱ 胸部の視診、触診、打診ができる。

⑲ 呼吸音の聴診ができる。

⑳ 心音と心雑音の聴診ができる。

㉑ 背部の叩打痛を確認できる。

㉒ 乳房の診察を実施できる(シミュレータでも可)。

㉓ 腹部の視診、聴診ができる。

㉔ 区分に応じて腹部の打診、触診ができる。

㉕ 腹膜刺激徴候の有無を判断できる。

㉖ 腹水の有無を判断できる。

㉗ 直腸指診を実施できる(シミュレータでも可)。

㉘ 意識状態を判定できる。

㉙ 脳神経系の診察ができる。

㉚ 腱反射の診察ができる。

㉛ 小脳機能・運動系の診察ができる。

㉜ 感覚系の診察ができる。

㉝ 髄膜刺激所見を確認できる。

㉔ 四肢と脊柱を診察できる。

㉟ 関節を診察できる。

㊱ 筋骨格系の診察ができる。

㊲ 高齢者特有の身体・精神の変化を踏まえて高齢者を診察できる。

㊳ 高齢者の総合機能評価および老年症候群の診察ができる。

【基本的臨床手技】 ☆

一般目標:基本的臨床手技の目的、適応、禁忌、合併症と実施法を学ぶ。

到達目標:

① 体位交換、おむつ交換、移送ができる。

② 外用薬の塗布ができる。

③ 気道内吸引、ネブライザーを実施できる。

④ 静脈採血を実施できる。

⑤ 末梢静脈の血管確保を実施できる。

⑥ 中心静脈カテーテル挿入を見学・介助してシミュレータで実施する。

⑦ 動脈血採血・動脈ラインの確保を見学・介助してシミュレータで実施する。

⑧ 腰椎穿刺を見学・介助してシミュレータで実施する。

⑨ 胃菅の挿入と抜去ができる。

⑩ 尿道カテーテルの挿入と抜去を実施できる(シミュレータでも可)。

⑪ ドレーン挿入と抜去を見学し、介助ができる。

⑫ 注射を実施できる(シミュレータでも可)。

⑬ 尿検査を実施できる。

⑭ 末梢血塗抹標本を作成し、観察できる。

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⑮ 微生物学検査(Gram(グラム)染色を含む)を実施できる。

⑯ 血液型判定を実施できる。

⑰ 12誘導心電図を記録できる。

⑱ 心臓、腹部の超音波検査を介助できる。

⑲ 緊急的気道確保を見学し、適応を説明できる。

B 感染症・安全対策

一般目標:感染症の原因・病態生理・症候・診断・治療について学び、さらに予防と感染制御につい

て自ら学習できる能力を養う。

1) 生体と微生物

一般目標:各種微生物の基木的性状、病原性とそれによって生じる病態を理解する。

【ウイルスの基本的性状、各種のウイルスの特徴と病原性、生体反応・予防】

到達目標:

① ウイルス粒子の構造と性状によりウイルスを分類できる。☆

② ウイルス感染の種特異性、組織特異性、感染様式の具体例を説明できる。

③ ウイルスに対する中和反応と細胞性免疫を説明できる。

④ ワクチンによるウイルス感染症予防の原理、ワクチンの種類と間題点を説明できる。★

⑤ 主な DNA ウイルス(サイトメガロウイルス<CMV>☆、EB<Epstein-Barr>)ウイルス★★、アデノ

ウイルス、パルボウイルス B19 ★、ヒトヘルペスウイルス★★、B 型肝炎ウイルス★★、パピ

ローマウイルス★)が引き起こす疾患名を列挙できる。

⑥ 主な RNA ウイルス(インフルエンザウイルス★★、麻疹ウイルス★★、ムンプスウイルス★★、

風疹ウイルス★★、ポリオウイルス、コクサッキーウイルス、エコ-ECHO ノウイルス、ライノ

ウイルス、A 型肝炎ウイルス★、C型肝炎ウイルス★★)が引き起こす疾患名を列挙できる。

⑦ レトロウイルスの特性と一般ゲノム構造を説明し、分類できる。☆

【細菌・真菌】

到達目標:

① 細菌の構造を図示し、形態と染色性により分類できる。

② 細菌の感染経路を分類し、細菌が疾病を引き起こす機序を説明できる。

③ 外毒素と内毒素について説明できる。★

④ Gram(グラム)陽性球菌(ブドウ球菌、レンサ球菌)の細菌学的特徴とそれが引き起こす疾患を列

挙できる。

⑤ Gram(グラム)陰性球菌(淋菌★、髄膜炎菌★)の細菌学的特徴とそれが引き起こす疾患を列挙で

きる。

⑥ Gram(グラム)陽性桿菌(破傷風菌、ガス壊疽菌、ボツリヌス菌、ジフテリア菌)の細菌学的特徴

とそれが引き起こす疾患を列挙できる。

⑦ Gram(グラム)陰性桿菌(大腸菌、赤痢菌、サルモネラ菌、チフス菌、ペスト菌、コレラ菌、百

日咳菌★★、腸炎ビブリオ菌、緑膿菌★、ブルセラ菌、レジオネラ菌★、インフルエンザ菌)

の細菌学的特徴とそれが引き起こす疾患を列挙できる。

⑧ Gram(グラム)陰性スピリルム属病原菌(Hericobactor pylori)の細菌学的特徴とそれが引き起

こす疾患を列挙できる。★★

⑨ 抗酸菌 (結核菌、非結核性(非定型)抗酸菌)の細菌学的特徴とそれが引き起こす疾患を列挙で

きる。粟粒結核について概説できる。★

⑩ 真菌(アスペルギルス、クリプトコックス、カンジダ、ム一コル)の微生物学的特徴とそれが

引き起こす疾患を列挙できる。☆

⑪ スピロヘ-タ★、マイコプラズマ★★★、リケッチア☆、クラミジア★の微生物学的特徴とそ

れが引き起こす疾患を列挙できる。

【寄生虫】

到達目標:

① 寄生虫の生活史、感染経路と感染疫学的意義を説明できる。

② 各臓器・器官の主な寄生虫症を説明できる。

③ 寄生虫症の診断、治療と予防の概要を説明できる。☆

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2) 全身におよぶ生理的変化,病態,診断,治療

一般目標:主な感染症の病因、病態生理、症候、診断と治療を学ぶ。

【病態】

到達目標:

① 病原体に対する生体の反応を説明できる。★

② 敗血症の症候、診断と治療の基本を説明できる。★

③ 菌交代現象・菌交代症を概説できる。★

④ 日和見感染症(opportunistic infection)を説明できる。★

⑤ 下痢症、食中毒を起こす病原体を列挙し、診断と治療の基本を説明できる。☆

⑥ 新興感染症・再興感染症を列挙できる。☆

⑦ 人獣共通感染症を概説できる。★

【診断・検査・治療の基本】

到達目標:

① 主な感染症の原因となる病原体を分類できる。

② 細菌学的診断と血清学的診断を概説できる。

③ グラム染色を理解し、代表的なグラム陽性球菌、グラム陰性桿菌、グラム陽性桿菌、グラム陰

性球菌のグラム染色像を理解し、その特色を説明できる。★

④ 抗酸菌染色の所見を説明できる。

⑤ 胸部・腹部X線写真、胸部・腹部・骨盤部・四肢CT写真を読影し、代表的な感染症(各種肺

炎★★★、胆のう炎★、粟粒結核★、壊死性筋膜炎★など)を診断できる。

⑥ 喀痰のグラム染色による品質を評価できる。☆

⑦ 正しい血液培養の方法を説明できる。☆

⑧ ツベルクリン反応とインターフェロン-γ遊離試験について説明できる。☆

⑨ 感染症の化学療法を概説できる。

⑩ 各種抗菌薬の代表的な副作用と薬剤相互作用について説明できる。★

【症候】

以下に示す症候について、どのような病態であらわれるか、どのような強さでどのような場所で

あらわれるか、その時間経過はどうか、関連する要素は何か、他の疾患との違いはどうかについて

説明できる。([ショック][発熱][けいれん][意識障害・失神][チアノーゼ][脱水][全身倦怠感][黄

疸][発疹][リンパ節腫脹][浮腫][胸水][胸痛][呼吸困難][咳・痰][血疲・喀血][頭痛][腹痛][悪心,

嘔吐][下痢][吐血・下血][蛋白尿][血尿][関節痛・関節腫脹][腰背部痛])

【病態と疾患】

① 肺炎の重症度と市中肺炎と院内肺炎の特徴について説明できる。★★★

② 市中肺炎と院内肺炎の代表的な起因菌を挙げ、適切な抗菌薬を選択できる。★★

③ 誤嚥性肺炎の特徴とその治療、ケアについて説明できる。★★★

④ ブドウ球菌感染症の症候、診断と治療を説明できる。★

⑤ A 群レンサ球菌感染症の症候、診断、治療とリウマチ熱との関連を説明できる。★

⑥ 肺膿瘍の病態とその起因菌、治療について説明できる。★

⑦ 非定型肺炎(レジオネラ肺炎★★、マイコプラズマ肺炎★★★、クラミジア肺炎☆、オウム病

☆)の病態の特徴と治療について説明できる。★★★

⑧ Q熱について説明できる。☆

⑨ 肺真菌症(肺アスペルギルス症☆、侵襲性肺アスペルギルス症、肺アスペルギローマ☆、アレ

ルギー性気管支肺アスペルギルス症★、肺クリプトコッカス症★★)の病態を理解し、その治

療について説明できる。★

⑩ ニューモシスチス肺炎の病態の特徴と治療について説明できる。★★★

⑪ 抗酸菌症(結核症★★★、非定型抗酸菌症★★)の病態を理解し、その診断、治療、予防につ

いて説明できる。★★★

⑫ Hansen 病について説明できる。

⑬ カンジダ症の病態とその診断、治療について説明できる。★★

⑭ 代表的な寄生虫(回虫症、アニサキス☆、肺吸虫症、肝吸虫症☆)の病態と治療を説明できる。

⑮ 食中毒について、毒素型と感染型による病態の違いやその治療について説明できる。★

⑯ 代表的な細菌性食中毒(ブドウ球菌性食中毒★★、ボツリヌス菌☆、腸管出血性大腸菌★★、

サルモネラ★、カンピロバクター★)のの病態と治療を説明できる。★★★

⑰ ノロウイルス食中毒の病態と予防策について説明できる。★★

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⑱ 代表的な皮膚感染症(水痘・帯状疱疹★★★、単純ヘルペス感染症、ツツガムシ病★★、日本

紅斑熱)の病態と治療について説明できる。★★★

⑲ 人獣共通感染症の病原体、感染源、病態、治療について説明できる。★

⑳ トキソプラズマ症、クリプトスポリジウム症、ランブル鞭毛虫症、エキノコックス症を概説で

きる。

㉑ 代表的な筋、腱、骨、関節感染症(破傷風★、ガス壊疽、壊死性筋膜炎★★)の起因菌、

㉒ 病態、診断、治療について説明できる。★★

㉓ 代表的な輸入感染症(細菌性赤痢、コレラ、腸チフス、パラチフス、黄熱、ランブル鞭毛虫症

☆、マラリア☆、アメーバ赤痢★★、狂犬病☆、ウイルス性出血熱、デング熱★、エボラ出血

熱☆)についてその感染様式、流行地域、病態、診断、治療、予防策について説明できる。

㉔ バイオテロに用いられる病原体とその対策を説明できる。

㉕ 易感染状態の病態とその原因について説明できる。★★

㉖ 代表的な院内感染の起因菌(緑膿菌感染症★、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌★、セラチア、

アシネトバクター、ESBL産生菌、バンコマイシン耐性腸球菌、カルバペネム耐性腸内細菌科

細菌)の特徴、病態、診断、治療、対策について説明できる。

㉗ 発熱性好中球減少症(FN)の病態と対策について説明できる。★

㉘ 性行為感染症(梅毒★、淋菌感染症☆、クラミジアトラコマティス感染症☆、HIV感染症★

★★)の病態と治療について概説できる。

㉙ ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症の感染経路、白然経渦、症候、診断、治療と感染対策を説

明できる。★★★

㉚ インフルエンザの病態、診断、治療と感染対策を説明できる。★★★

㉛ 麻疹の症候と診断を説明できる。★★

㉜ 風疹の症候、診断と合併症を説明できる。★

㉝ 流行性耳下腺炎(ムンプス)の症候、診断と合併症を説明できる。★

㉞ 水痘・帯状庖疹の症候、診断と治療を説明できる。★★

㉟ ウイルス性皮膚疾患(単純ヘルペスウイルス感染症☆、伝染性紅斑、手足口病、ウイルス性ゆ

うぜい)を概説できる。

㊱ 伝染性単核球症の病態、診断、治療について説明できる。★★★

㊲ 性行為感染症(梅毒、淋病、クラミジア、HIV感染症)の病態と概説できる。

3) 医療事故の防止、感染制御と院内感染対策

到達目標:

① 多職種よりなるチーム医療の意義を理解し、多職種よりなるチーム医療を実践できる。

② 病院内の医療安全の組織について概説できる。☆

③ インシデント、アクシデントについて概説し、インシデントレポート、医療事故報告書を作成

できる。★

④ 医療事故の発生要因について解析できる。☆

⑤ 院内感染の病因となる病原体を列挙し、対策を説明できる。

⑥ メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の特徴、病院内での対応の方法を説明できる。☆

⑦ 標準予防策(standard precautions)の必要性を説明し,実行できる。☆

⑧ 針刺し事故を概説でき、対応策を説明できる。☆

⑨ 標準予防策と感染経路別予防策について説明できる。★

⑩ 手指消毒と個人防護具の正しい使用法について説明できる。★

⑪ ワクチンの種類と予防効果について説明できる。

⑫ 隔離基準について説明できる。

⑬ 抗菌薬適正使用と薬剤の耐性機序について説明できる。

⑭ PK/PD(薬物動態/薬力学)について説明でき、薬剤による組織移行の違いを理解し、PK

/PD理論にのっとった投与計画を策定できる。☆

⑮ 感染症法について説明できる。☆

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C 救急医療部(診療)

一般目標:救急医療チームの一員として診療に参加し、プライマリケアからクリティカルケアにわ

たる急性傷病全般の基本的な診療能力を高め、臨床医としての基本的な知識、技能、態

度を習得する。

1) 構造と機能

到達目標:

① 救急搬送システムを説明できる。

② 意識障害の鑑別ができる。★★★

③ ショックの種類と病態を説明できる。★★★

④ キラーシンプトムを説明できる。

⑤ CPAの診療を説明できる。★★★

⑥ 重度外傷の診療を説明できる。★★★

⑦ 災害医療の特色を説明できる。

⑧ 中毒の診療を説明ができる。★★

⑨ 熱傷の診療を説明ができる。★★

⑩ 熱中症・低体温症の診療を説明できる。★★★

2) 診断と検査

到達目標:

① 血液ガス所見の結果の解釈ができる。

② 緊急血液検査の意義を理解し結果の解釈ができる。

③ 心電図検査の結果の解釈ができる。

④ 胸部レントゲン検査での緊急的臨床意義を説明できる。

⑤ CT・MRI 検査の適応と異常所見を説明し、結果を解釈できる。

3) 症候

到達目標:ショック★★★、発熱、痙攣★★、意識障害★★★、チアノーゼ、脱水★★★、胸痛★、

頭痛、失神★、呼吸困難、喀血、めまい、腹痛、消化管出血★★★、腰背部痛は総合コ

ースシラバス内「全身に関する主な病態、診断、治療」を参照。

4) 病態と疾患

到達目標:

① 心停止患者に対して BLS の実施と ALSの介助ができる。★★★

② 脳血管障害の鑑別ができる。★★★

③ 循環救急疾患(心筋梗塞、大動脈解離など)の鑑別ができる。★★★

④ 敗血症患者の病態と治療を説明できる。

⑤ 重症外傷患者の primary survey が実施できる。★★★

⑥ 重症外傷患者の secondary survey の説明と介助ができる。

⑦ 多発外傷患者の部位別治療優先順位を判断できる。★

⑧ 急性薬物中毒の病態と治療を説明できる。★★

⑨ 熱傷の病態と治療を説明できる。★★

⑩ 熱中症の病態と初期治療を説明できる。★★★

⑪ 低体温の病態と初期治療を説明できる。

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D 麻酔科

一般目標:麻酔科学は、手術麻酔分野、集中治療分野、ペインクリニック分野に大別される。麻酔

科学は、腫瘍や病原微生物を治療により除去するというより、生体恒常性やバイタルサ

インの維持により生体への負担を最小限にするアプローチである。医療のあらゆる分野

において、麻酔科学の考え方は、患者の医療安全維持のために有効である。さらに、疾

患そのものではなく、痛みという症状を治療するペインクリニック領域の病態生理・症

候・診断・治療に関する知識を習得し、様々な痛みを始めとする徴候に対して自ら学習

できる能力を養う。

また、麻酔科学領域においては、多職種よりなるチーム医療(周術期管理チーム)の意

義を理解し、多職種よりなるチーム医療を実践できる。また他の医療職の職能・役割と

立場を理解して、尊重することができる。さらに生涯学習の重要性を説明でき、生涯教

育に結びつく公開講演等に自主的に参加できる。

l) 手術麻酔管理

行動目標:全身麻酔の流れおよび必要な手技、危機対応について理解する。☆

到達目標:

① 術前診察の方法と所見の解釈について説明できる。☆

② 全身麻酔の流れについて概説できる。★★

③ 脊髄くも膜下麻酔の流れについて概説できる。★★

④ 麻酔管理時のモニタリングについて説明できる。★

⑤ 気道確保法とその適応について説明できる。★

⑥ 気管挿管の方法と合併症について説明できる。★

⑦ 輸液、輸血の基準と合併症について説明できる。★

⑧ 中心静脈確保の方法とその合併症について説明できる。

⑨ 全身麻酔後の合併症と対応について説明できる。

⑩ 大量出血時の対応について概説できる。

⑪ 悪性高熱症の診断と治療が説明できる。★

⑫ 多職種よりなるチーム医療の意義を理解し、多職種よりなるチーム医療を実践できる。☆

⑬ 予防的抗菌薬の代表的な適応について説明できる。☆

⑭ 清潔野と非清潔野の違いについて説明し実践できる。☆

2) 集中治療管理

行動目標:集中治療適応および必要な手技、危機対応について理解する。☆

到達目標:

① 集中治療の適応と意義について概説できる。

② 人工呼吸の適応と方法について説明できる。

③ 血液ガス所見の解釈と説明ができる。★★★

④ 補助循環の方法とその適応について説明できる。

⑤ 敗血症の診断と治療について概説できる。★★

⑥ 感染症と抗菌薬の選択について概説できる。

⑦ 播種性血管内凝固症候群の診断と説明ができる。★

⑧ 集中治療室におけるせん妄の診断と治療ができる。★

3) ペインクリニック

行動目標:ペインクリニックの適応疾患、診断、および神経ブロックに必要な手技、危機対応につ

いて理解する。☆

到達目標:

① 痛みの種類について説明ができる。

② 侵害受容性痛について説明ができる。★

③ 神経障害性痛について説明ができる。★

④ 頭痛の分類(片頭痛、群発頭痛)と治療法について説明ができる。

⑤ 三叉神経痛の性状と治療法について説明ができる。☆

⑥ 帯状疱疹後神経痛の診断と治療法について説明ができる。

⑦ WHOのがん性痛治療の概説ができる。★★

⑧ がん性痛におけるオピオイド投与について説明ができる。★★

⑨ オピオイドの効果と副作用について説明ができる。★

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E 放射線科

一般目標:放射線機器の原理を理解し、放射線診断およびIVRの基本を学習する。

到達目標:基本的な疾患について放射線検査(CT、単純X線など)、核医学検査およびMRIの読影方法

を学習し、IVRの適応疾患、手技の基本を理解する。

1) 診断と検査の基本:

① CTの原理と CT 値☆、部分容積効果

② MRIの T1強調画像、T2 強調画像、拡散強調画像の区別

③ MRIの禁忌事項☆

④ CTと MRIの利点と欠点☆

⑤ PETの原理、SPECT の原理

⑥ 胸部 X線正面像の解剖☆

⑦ 腹部臓器の CT、MRI解剖

⑧ 上部消化管二重造影法、上部消化管の画像解剖

⑨ 尿路の解剖、尿管の生理的狭窄部

⑩ 頭部 MRIの画像解剖、肺の区域(S1−S10)☆、肝臓の解剖(S1-S8)☆

⑪ 前縦隔、中縦隔、後縦隔の区分☆

⑫ 各種シンチグラフィーの原理

⑬ 下部消化管二重造影法、大腸の画像解剖

⑭ 頻用されるアイソトープの半減期と放出される放射線の種類★

2) 疾患と病態:

① 脳出血、脳梗塞★

② 肺の common disease(細菌性肺炎、肺結核)の X線所見⭐

③ 胸水、気胸、肺水腫

④ 胃癌の二重造影画像

⑤ 肝腫瘤性病変、肝細胞癌、肝海綿状血管腫、肝嚢胞、肝膿瘍の CT像★

⑥ 急性膵炎、慢性膵炎、★

⑦ 尿路結石

⑧ くも膜下出血、硬膜外血腫、急性硬膜下血腫、慢性硬膜下血腫☆

⑨ 頭部 Common disease(脳出血、脳梗塞、脳腫瘍)の典型像☆

⑩ 前縦隔、中縦隔、後縦隔に発生する腫瘍☆

⑪ 無気肺の CTによる区域診断

⑫ 肺癌と転移性肺腫瘍、肺過誤腫

⑬ アカラシア、食道裂孔ヘルニア、食道粘膜下腫瘍

⑭ 大腸癌、大腸炎症性疾患の注腸造影画像

⑮ 胆嚢癌、胆嚢腺筋症の CT 像☆

⑯ 腎細胞癌、腎血管筋脂肪腫の CT像☆

⑰ 褐色細胞腫の CT、RI画像☆

⑱ 副腎腺腫、過形成と高血圧(CT、MRI、シンチグラフィー)☆

⑲ 膀胱癌、前立腺肥大、前立腺癌の MR像

⑳ 子宮筋腫と子宮腺筋症の MR 像★

㉑ チョコレート嚢胞と皮様嚢腫について MRI,CT で鑑別★

㉒ 脊髄腫瘍、脊髄空洞症

㉓ 造骨性転移の転移性骨腫瘍☆

㉔ 骨軟化症、くる病、骨粗しょう症の X 線所見★

㉕ 関節リウマチ、変形性関節症、強直性脊椎炎の X線像★

㉖ 副甲状腺機能亢進症の X 線所見

㉗ 大腸炎症性疾患の CT像

㉘ 卵巣腫瘍の悪性と良性を示唆する CT所見

㉙ 腎炎症性疾患の CT像☆

㉚ 腎梗塞の CT画像☆

㉛ 腎血管性高血圧の原因とその画像所見

㉜ 神経芽細胞腫、Wilms腫瘍の CT画像

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4. 評価法

A 総合診療科、B感染症・安全対策

試問 20%

日々の評価 50%

レポート・プレゼンテーション 30%

C 救急医療部

小テスト 20%

試問 20%

日々の評価 50%

レポート・プレゼンテーション 10%

D 麻酔科

手術室麻酔・集中治療管理・ペインクリニック管理を総合して評価する

口頭試問 20%

日々の評価(出席含む) 50%

レポート・プレゼンテーション 30%

E 放射線科

小テスト 10%

試問 20%

レポート・プレゼンテーション 40%

日々の評価 30%

5. 予習項目

A 総合診療科

1) 医の原則、コミュニケーションとチーム医療について到達目標をよみ実習の心構えを作る

2) 症候と病態についてのアプローチに挙げられた症候の到達目標に目を通しておく

3) 薬物療法の基本原理、臨床検査、食事と栄養について到達目標を読み、疑問点を挙げておく

4) 診察法について実習開始前の自分の技能を自己評価しておく(できるものとできないもの)

5) 基本的臨床手技の方法について主なものに関してはテキストで確認しておく

B 感染症・安全対策

1) 細菌の感染経路を分類し、細菌が疾病を引き起こす機序を説明できる。

2) Gram(グラム)陽性球菌、Gram(グラム)陰性球菌、Gram(グラム)陽性桿菌、Gram(グラム)陰性桿菌の細

菌学的特徴とそれが引き起こす疾患を列挙できる。

3) 肺炎の重症度と市中肺炎と院内肺炎の特徴について説明できる。

4) 標準予防策と感染経路別予防策について説明できる。

C 救急医療部

1) 構造と機能

① 救急搬送システム

② 意識障害の鑑別

③ 各ショックの病態

④ キラーシンプトムについて

⑤ 心停止患者への CPR

⑥ 胸・腹部外傷の診療について

⑦ 災害医療でのトリアージについて

⑧ 中毒・熱傷の診療について

⑨ 環境要因による救急疾患について

2) 診断と検査

① 低酸素血症について

② 高二酸化血症について

③ 代謝性アシドーシスについて

④ 生化学的検査の異常値

⑤ 電解質の異常値

⑥ 胸部レントゲン検査の読影

⑦ 心電図の異常所見について

⑧ CT検査(救急疾患)の読影について

3) 症候

ショック、発熱、痙攣、意識障害、チアノーゼ、脱水、胸痛、頭痛、失神、呼吸困難、喀血、めま

い、腹痛、消化管出血、腰背部痛などの各症候について

4) 病態と疾患

① BLSと ALSについて

② 敗血症患者の初期治療

③ 重症外傷患者の初期治療

④ 急性薬物中毒の治療

⑤ 重症熱傷の初期輸液

⑥ 熱中症・低体温の初期治療

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D 麻酔科

1) 全身麻酔の流れ

2) 脊髄くも膜下麻酔の流れ

3) 麻酔管理時のモニタリング

4) 気管挿管の方法と合併症

5) 輸液、輸血の基準と合併症

6) 中心静脈確保の方法とその合併症

7) 集中治療の適応と意義

8) 人工呼吸の適応と方法

9) 血液ガス所見の解釈と説明

10) 敗血症の診断と治療

11) 痛みの種類

12) 侵害受容性痛

13) 神経障害性痛

14) 頭痛の分類(片頭痛、群発頭痛)と治療法

15) 三叉神経痛の性状と治療法

16) 帯状疱疹後神経痛の診断と治療法

17) WHOのがん性痛治療

E 放射線科

1) CT、MRI の画像解剖。

2) 各種画像の成り立ちについて。

6. 参考図書

A 総合診療科

臨床テキストブック

ハリソン内科学(メディカル・サイエンス・インターナショナル)

内科学(朝倉書店)

ジェネラリストのための内科診断リファレンス 上田 剛士(著)、酒見 英太(監修)

聞く技術 答えは患者の中にある マーク・ヘンダーソン(著)、ローレンス・ティアニー(著)

ジェネラリストのための内科外来マニュアル 金城 光代(編集)、金城 紀与史(編集)、岸田 直樹(編集)

B 感染症・安全対策

臨床テキストブック

ハリソン内科学(メディカル・サイエンス・インターナショナル)

内科学(朝倉書店)

新病態生理できった内科学9感染症

C 救急医療部

JRC蘇生ガイドライン2015 へるす出版 監修:日本蘇生協議会・日本救急医療財団

標準救急医学(第5版)医学書院 2013

改訂第4版 外傷初期診療ガイドラインJATEC 監修:日本外傷学会・日本救急医学会 へるす出版2014

救急診療指針 改訂第4版 監修 日本救急医学会 へるす出版2011

熱傷診療ガイドライン http://jsbi-burn.org/members/guideline/pdf/guideline2.pdf

D 麻酔科

Minor Textbook 麻酔科学第11版 兵頭正義 改訂編集南敏明 金芳堂

ペインクリニック治療指針 日本ペインクリニック学会治療指針検討委員会 真興公益医書出版部

ICUブック 第4版 稲田英一訳 メディカルサイエンスインターナショナル

E 放射線科

画像診断コンパクトナビ 医学教育出版

画像診断 南山堂

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7. 学習項目

A 総合診療科

レベル 総論 症候 診断と検査の基本 治療、予防

Ⅰ コミュニケーシ

ョン☆

ショック★★★

発熱☆

意識障害・失神

★★★

黄疸★★

発疹☆

貧血★★

胸痛★

呼吸困難★

咳・痰☆

めまい☆

頭痛★★★

腹痛☆

便秘・下痢☆

蛋白尿☆

医療面接の基本☆

基本的な身体診察☆

バイタルサイン・頭部・頸部・

胸部・腹部・主な神経系

血液検査

尿検査

糞便検査

生化学検査免疫学検査

心電図検査動脈血ガス

呼吸機能検査

脳脊髄液検査

一般細菌検査

病理組織検査

以上検査の目的と適応と異

常所見の解釈☆

薬物アレルギー☆

中枢神経作用薬☆

自律神経作用薬☆

循環器作用薬☆

呼吸器作用薬☆

消化器作用薬☆

利尿薬☆

ステロイド薬・非ステロイド

性抗炎症薬☆

抗菌薬☆

抗腫瘍薬☆

以上薬物の薬理作用

Ⅱ 医師の義務と裁

量権★★★

インフォームドコ

ンセント★★★

患者と医師の関

係★★★

患者中心のチー

ム医療★★★

けいれん★★

チアノーゼ☆

脱水

全身倦怠感

肥満・やせ

出血傾向☆

リンパ節腫脹

浮腫★★

動悸☆

胸水

血痰・喀血

運動麻痺・筋力低下

悪心・嘔吐

嚥下困難・障害

食思不振☆

吐血・下血

腹部膨大・腫瘤

血尿

尿量・排尿の異常★

月経異常★★

関節痛・関節腫脹☆

腰背部痛

アドバンスな身体診察

直聴診・乳房診(シミュレ

ータでも可)

関節

患者情報の収集と記録☆

症例の要約と提示☆

小児・高齢者の検査特徴

高齢者の総合機能評価

薬物投与の注意点・副作用☆

服薬コンプライアンス

和漢薬

補液・経静脈栄養と経腸栄養

の適応と方法と合併症☆

体位交換、移送

外用薬の塗布

中心静脈カテーテル挿入見

学・介助

動脈血採血・動脈ラインの確

保を見学・介助

腰椎穿刺を見学・介助

ドレーン挿入抜去を見学介助

尿検査を実施☆

末梢血塗抹標本作成し、観察

微生物学検査(Gram(グラ

ム)染色を含む)を実施☆

血液型判定を実施

12 誘導心電図を記録☆

心臓、腹部の超音波検査を介助

緊急的気道確保を見学・適応

を説明

処方箋の書き方

気道内吸引、ネブライザーを

実施

静脈採血☆

末梢静脈の血管確保

胃菅の挿入と抜去

尿道カテーテルの挿入と抜去

注射実施(シミュレータでも

可)

☆・★:臨床において重要な項目(★:国試頻出問題)

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B 感染症・安全対策

レベル 分野 症候 診断と検査

の基本 病態と疾患 治療、予防

Ⅰ 主な感染症

の原因とな

る病原体の

分類☆

グラム染色、

抗酸菌染色の

理解★

ショック★★

発熱★

発疹★

咳・痰★

呼吸困難★★

リンパ節腫脹

腹痛・下痢・

悪心・嘔吐★★

頭痛★

関節痛・関

節腫脹★

腰背部痛★

ウイルスの

中和反応☆

遺伝子的検

査☆

迅速検査★

外毒素と内

毒素★

細菌学的診

断と血清学

的診断★

特殊染色☆

インフルエンザウイルス★★

EBウイルス★

ヒトヘルペスウイルス★

麻疹ウイルス★★

ムンプスウイルス★

風疹ウイルス★★

肝炎ウイルス★★

レトロウイルス★肺炎球菌★★★

連鎖球菌★ブドウ球菌★★

大腸菌☆肺炎桿菌☆髄膜炎菌★

淋菌★百日咳菌★緑膿菌★

レジオネラ菌★

Hericobactor pylori★★

インフルエンザ菌★

結核菌★★★非定型抗酸菌★★

スピロヘータ★

マイコプラズマ★★クラミジア★

リケッチア★真菌★寄生虫★

各種抗生剤の薬理作

用、副作用★★

生ワクチンと不活化ワ

クチン★

Ⅱ 病原体に対

する生体変

化☆敗血症

の理解★

菌交代現象★

日和見感染

症★★

新興再興感

染症★

人獣共通感

染症★

バイオテロ★

意識障害・失

神☆

脱水☆

黄疸☆

浮腫☆

胸水☆

腹水☆

全身倦怠感

胸痛☆

蛋白尿☆

血尿★

血疲・喀血☆

画像診断

(エックス線、

エコー、MRI)

★★

血液培養★

バイオマー

カー検査★

ツベルクリ

ン反応とイ

ンターフェ

ロン-γ 遊離

試験★

破傷風★ガス壊疽

壊死性筋膜炎★★ボツリヌス☆

ジフテリア☆院内肺炎・市中肺炎

★★★誤嚥性肺炎★★

肺炎の重症度★食中毒★★

非定型肺炎★★★肺膿瘍★Q熱☆

Hansen 病☆肺真菌症★

カンジダ症★★ニューモシスチス

肺炎★★★毒素型と感染型食中毒

★★★ノロウイルス食中毒★★

皮膚感染症★★★アメーバ赤痢★

ランブル鞭毛虫症

エキノコックス症☆

蚊媒介感染症★輸入感染症★★

発熱性好中球減少症★ヒト免疫不

全ウイルス感染症★★★

伝染性単核球症★★★

性行為感染症★

抗生剤の耐性機序★★

薬剤の相互作用★

結核の標準治療★

抗真菌薬☆

抗ウイルス薬★

免疫抑制状態、免疫抑

制薬、分子標的薬☆

Ⅲ 院内感染の病

因となる病原

体の列挙とそ

の対策★

針刺し事故

水平伝播の証

明☆

院内感染症の代表的起因菌★★

標準予防策と感染経路別予防策★

感染症法の理解と適切な隔離☆

チーム医療の実践★

感染性廃棄物☆

多剤耐性緑膿菌★セラチア☆

MRSA★

ワクチンの理解★

抗菌薬適正使用★★

PK/PD理論★

手指消毒と個人防護具

の正しい使用法★

マスク★★

☆・★:臨床において重要な項目(★:国試頻出問題)

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C 救急医療部

レベル 構造と機能 症候 検査と診断 病態と疾患 治療

I 救急搬送システム、

意識障害の鑑別

★★★、

ショックの種類と

病態★★★

ショック★★★、

発熱、けいれん★★、

意識障害★★★、

胸痛★、頭痛、

呼吸困難、喀血、

腹痛

低酸素血症、

高二酸化血症、

代謝性アシドーシス、

電解質異常★★

心停止★★★、

脳血管障害の鑑別

★★★、

救急循環疾患★★★、

ショック★★★

BLS

Ⅱ キラーシンプトム、

CPA★★★、

重度外傷の治療★★、

災害医療の特色

チアノーゼ、

脱水★★★、

めまい、

消化管出血★★★、

失神★

生化学的検査の異

常値

胸部レントゲン検

査の読影

心電図の異常所見

敗血症、重症外傷

患者へのアプロー

チ★★

輸液療法、

昇圧剤種類、

抗菌薬の種類と適応、

胃洗浄

Ⅲ 中毒診療★★、

熱傷診療★★、

熱中症★★★、

低体温症

腰背部痛 CT検査(救急疾患)

の読影

多発外傷患者のア

プローチ★、

急性薬物中毒★★、

熱傷の★★、

熱中症・低体温な

ど環境因子による

障害★★

輸血、

ALS、

緊急的気道確保、

Baxter輸液法、

経カテーテル動脈

塞栓術

D 麻酔科

レベル 構造と機能 症候 診断と検査の基本 病態と疾患 医療安全・感染対策

Ⅰ 口腔内解剖

気道解剖

脊髄解剖

脊椎解剖

静脈系解剖☆

動脈系解剖☆

ショック★★

発熱

チアノーゼ

脱水★★

全身倦怠感

浮腫★

胸水★★

呼吸困難★★

腹痛★★

悪心、嘔吐★

吐血・下血★

血液検査

スパイログラム

血液ガス所見★★

胸部X線写真★

胸部CT写真

心電図★★

経皮的酸素飽和度

モニタリング★★★

吸入麻酔★

静脈麻酔★

筋弛緩薬

オピオイド★★

硬膜外麻酔

脊髄くも膜下麻酔

気管挿管★★

手指消毒☆

清潔手洗い☆

清潔野と非清潔野

の違い☆

Ⅱ 中心静脈解剖☆ 敗血症★★

播種性血管内凝固

症候群

せん妄★

術中血液ガス所見

心エコー所見解釈

観血的動脈圧★★

小児麻酔

産科麻酔

人工呼吸★

標準予防策★

予防的抗菌薬★

Ⅲ 侵害受容痛★

神経障害痛

頭痛★★

全人的苦痛★★

心臓麻酔

悪性高熱症★★

神経ブロック

癌性痛治療★★

周術期管理チーム

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E 放射線科

レベル 診断と検査の基本 疾患と病歴

I CTの原理とCT値☆、部分容積効果

MRIのT1強調画像、T2強調画像、拡散強調画像の区別

MRIの禁忌事項☆、CTとMRIの利点と欠点☆

PETの原理、SPECTの原理

胸部X線正面像の解剖☆

腹部臓器のCT、MRI解剖

上部消化管二重造影法、上部消化管の画像解剖

尿路の解剖、尿管の生理的狭窄部

脳出血、脳梗塞★

肺のcommon disease(細菌性肺炎、肺結核)のX線所見☆

胸水、気胸、肺水腫

胃癌の二重造影画像

肝腫瘤性病変、肝細胞癌、肝海綿状血管腫、肝嚢

胞、肝膿瘍のCT像★

急性膵炎、慢性膵炎、★

尿路結石

Ⅱ 頭部MRIの画像解剖、肺の区域(S1−S10)☆、

肝臓の解剖(S1-S8)☆

前縦隔、中縦隔、後縦隔の区分☆

各種シンチグラフィーの原理

下部消化管二重造影法、大腸の画像解剖

くも膜下出血、硬膜外血腫、急性硬膜下血腫、慢

性硬膜下血腫☆

頭部Common disease(脳出血、脳梗塞、脳腫瘍)の

典型像☆

前縦隔、中縦隔、後縦隔に発生する腫瘍☆

無気肺のCTによる区域診断

肺癌と転移性肺腫瘍、肺過誤腫

アカラシア、食道裂孔ヘルニア、食道粘膜下腫瘍

大腸癌、大腸炎症性疾患の注腸造影画像

胆嚢癌、胆嚢腺筋症のCT像☆

腎細胞癌、腎血管筋脂肪腫のCT像☆

褐色細胞腫のCT、RI画像☆

副腎腺腫、過形成と高血圧(CT、MRI、シンチグラ

フィー)☆

膀胱癌、前立腺肥大、前立腺癌のMR像

子宮筋腫と子宮腺筋症のMR像★

チョコレート嚢胞と皮様嚢腫についてMRI、CTで鑑別★

Ⅲ 頻用されるアイソトープの半減期と放出される放

射線の種類★

脊髄腫瘍、脊髄空洞症

造骨性転移の転移性骨腫瘍☆

骨軟化症、くる病、骨粗しょう症のX線所見★

関節リウマチ、変形性関節症、強直性脊椎炎のX線像★

副甲状腺機能亢進症のX線所見

大腸炎症性疾患のCT像

卵巣腫瘍の悪性と良性を示唆するCT所見

腎炎症性疾患のCT像☆

腎梗塞のCT画像☆

腎血管性高血圧の原因とその画像所見

神経芽細胞腫、Wilms 腫瘍のCT画像

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8. オフィスアワー

A 総合診療科 PHS e-mail 質問できる時間帯

特任教授 鈴木 富雄 6145 [email protected] 火10時-12時、金10時-12時

B 感染症・安全対策 PHS e-mail 質問できる時間帯

専門教授 浮村 聡 6160 [email protected] 月14:30-15:30、火12:00-13:15

※メールで問い合わせてください。

C 救急医療部 PHS e-mail 質問できる時間帯

教授 高須 朗 6855 [email protected]

火16:00-(救急カンファレンス後) 准教授 冨岡 正雄 6858 [email protected]

講師 新田 雅彦 6739 [email protected]

助教 谷口 高平 6926 [email protected]

D 麻酔科 PHS e-mail 質問できる時間帯

助教 駒澤 伸泰 6346 [email protected] 月・火・木 9時-11時

助教 城戸 晴規 6816 [email protected]

E 放射線科 PHS e-mail 質問できる時間帯

准教授 小森 剛 6334 [email protected] 月・木 12時-13時

9. 初日の集合場所・時間

放射線科カンファレンスルーム(6号館地下)、午前9時

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10. コース説明と時間割

1) 総合診療科・放射線科の組から始める6人は総合診療科の入院が入るたびに担当を持って、入院患者

に限り4週間継続診療をして、指導医の下カルテを記録する。

2) 救急・麻酔科の組から始める6人は救急部の入院が入るたびに同様の診療を行う。

3) 12人の演習は診断や治療方針に対する横断的な演習を想定。総合では外来患者の医療面接から始め

て診察終了までを2人以上担当し入院患者が少ない面を補填する。

1週目

総診外来実習まとめ(5人)

ICU実習 自学自習

総診外来実習(1人)

放射線科婦人科領域読影実習

自学自習総診病棟

回診

三島救命センター(3人) 三島救命センター(3人)

自学自習

手術・麻酔実習

総診外来実習(1人)

救急シミュレーション実習総診外来カンファレンス

総診身体診察アドバンスチェック(5人)

自学自習

総診外来実習(2人)

放射線科中枢神経読影実習

特別演習

総診チーム回診(4人)

手術麻酔実習(3人)ペインクリニック・

緩和医療実習(3人)自学自習

総診外来実習(2人)

救急カンファレンス

総診病棟回診

総診症候学演習(4人)

自学自習

臨床検査部実習(呼吸機能・臨床生化学など)

医療情報学

15:00 16:30 18:00

月共通オリエンテーショ

総診オリエン

テーション共通演習1(診断方略)

放射線科

オリエンテーション

麻酔科オリエン

テーション

救急オリエン

テーション

8:00 9:00 10:30 12:00 13:00 13:45

総診入院カンファレンス

2週目

8:00 9:00 10:30 12:00 13:00 13:45 15:00 16:30 18:00

プレゼンテーションタイム(6人が受持患者をプレゼンして皆で共

有)

総診外来実習(2人)

自学自習

総診入院カンファレ

ンス

総診症候学演習(4人)

自学自習

総診チーム回診(4人) 自学自習

救急外来実習(3人) ICU実習(3人)

ICU実習(3人) 救急外来実習(3人)

細菌検査

総診外来実習(1人)

放射線科消化器造影

実習特別演習

総診チーム回診(5人) 自学自習

ICT・感染症実習

プレゼンテーションタイム(6人が受持患者をプレゼンして皆で共

有)

総診外来実習(2人)

放射線科泌尿器科領域読影実習

自学自習

総診病棟回診

救急科中間まとめと

振り返り

麻酔科中間まとめと

振り返り

    救急演習・ミニレクチャー

ペインクリニック・緩和医療実習(3人)

自学自習

金 自学自習

放射線科

中間まとめと

振り返り

総合診療科中間まとめと振り返り

共通演習2(医療安全)

自学自習

総診病棟回診

総診外来実習(1人)

麻酔科シミュレーション実習総診外来カンファレ

ンス総診身体診察

アドバンスチェック(5人)自学自習

三島救命センター(3人) 三島救命センター(3人)

手術麻酔実習(3人)

病理検査

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3週目12:00

総診外来実習まとめ(5人)

総診外来実習(2人)

総診病棟回診

総診症候学演習(4人) 自学自習

自学自習

ICU実習

共通演習4(臨床倫理)

救急演習・ミニレクチャー

総診外来実習(1人)

自学自習総診病棟

回診

手術麻酔実習(3人) ペインクリニック・緩和医療実習(3人)自学自習

三島救命センター(3人) 三島救命センター(3人)

総診外来実習(1人)

救急シミュレーション実習総診外来カンファレ

ンス総診身体診察

アドバンスチェック(5人)

プレゼンテーションタイム(6人が受持患者をプレゼ

ンして皆で共有)

臨床検査部実習(呼吸機能・臨床生化学など)

自学自習

救急カンファレンス

医療情報学

手術・麻酔実習(6人)

放射線科胸腹部実習 特別演習総診外来実習(2人)

総診チーム回診(4人) 自学自習

15:00 16:30 18:00

プレゼンテーションタイム(6人が受持患者をプレゼンして皆で共

有)

共通演習3(2週間の学びの振り返り

を共有)

共通演習3(EBM)自学自

放射線科頭部読影

実習

8:00 9:00 10:30 13:00 13:45

自学自習総診入院カンファレ

ンス

4週目

口頭試問(総合診療科・

放射線科)

口頭試問(救急科・麻酔科)

総診外来カンファレ

ンス総診身体診察

アドバンスチェック(5人)自学自習

金 自学自習総診

まとめと振り返り

救急まとめと振り返り

放射線科

まとめと振り返り

麻酔科まとめと振り返り

三島救命センター(3人) 三島救命センター(3人)

手術麻酔実習(3人)ペインクリニック・

緩和医療実習(3人)自学自習

総診外来実習(1人)

麻酔科シミュレーション実習

ICT・感染症実習

総診外来実習(1人)

総診チーム回診(5人) 自学自習

自学自習

細菌検査

総診外来実習(2人)

総診病棟回診

総診症候学演習(4人) 自学自習

プレゼンテーションタイム(6人が受持患者をプレゼンして皆で共

有)

病理検査 自学自習

放射線科核医学実習

放射線科防護実習

特別演習

18:00

プレゼンテーションタイム(6人が受持患者をプレゼンして皆で共

有)

救急外来実習(3人) ICU実習(3人)

総診入院カンファレ

ンス

ICU実習(3人) 救急外来実習(3人)

総診外来実習(2人)

自学自習総診チーム回診(4人) 自学自習

8:00 9:00 10:30 12:00 13:00 13:45 15:00 16:30

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耳鼻・口腔コース

1. コース名等

1) コース名 耳鼻・口腔コース

2) コース責任者 河田 了(耳鼻咽喉科・頭頸部外科)

植野 高章(歯科・口腔外科)

3) コース主任 東野 正明(耳鼻咽喉科・頭頸部外科)

木村 吉宏(歯科・口腔外科)

4) 指導教員

耳鼻咽喉科・頭頸部外科

萩森 伸一、寺田 哲也、東野 正明、乾 崇樹、櫟原 崇宏、鈴木 学、鈴木 倫雄、稲中 優子

歯科・口腔外科

寺井 陽彦、小越 菜保子、木村 吉宏、中島 世市郎、福島 淳夫、田中 芳人

2. 一般目標

耳鼻・咽喉・口腔の構造と機能を理解し、耳鼻・咽喉・口腔系疾患の症候、病態、診断と治療を理解する。

3. 到達目標

A 耳鼻咽喉科・頭頸部外科

一般目標:耳鼻・咽喉の構造、機能、生理を理解し、疾患の症候、病態、診断と治療を理解する。

1) 構造と機能

到達目標:

① 外耳・中耳・内耳の構造を図示できる。

② 聴覚・平衡覚の受容のしくみと伝導路を説明できる。

③ 口腔・鼻腔・咽頭・喉頭の構造を図示できる。

④ 喉頭の機能と神経支配を説明できる。

⑤ 顔面の構造について説明できる。

⑥ 頚部リンパ節の分布について説明できる。

⑦ 頸部の生理的間隙について説明できる。

⑧ 平衡感覚機構を眼球運動、姿勢制御と関連させて説明できる。

⑨ 味覚と嗅覚の受容のしくみと伝導路を説明できる。

2) 診断と検査の基本

到達目標:

① 聴力検査と平衡機能検査を説明できる。

② 嚥下機能検査を列挙し、検査から得られる情報を説明できる。

③ 耳鼻咽喉、口腔、頭頸部領域の画像検査を列挙し、得られる情報を説明できる。

④ 鼻内、咽喉頭内視鏡検査から得られる情報を説明できる。

⑤ 生検と細胞診の意義と適応を説明できる

⑥ 味覚検査と嗅覚検査を説明できる。

3) 症候

到達目標:

① 難聴、鼻出血、咽頭痛、開口障害と反回神経麻痺(嗄声)をきたす疾患を列挙し、その病態を

説明できる。

② 呼吸困難、リンパ節腫脹、めまい、嚥下困難・障害の原因・病態・分類・診断を説明できる

4) 疾患

到達目標:

① 中耳炎の病因、診断と治療を説明できる:

急性中耳炎、滲出性中耳炎、慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎(鼓室形成術、乳突削開術)

② 伝音難聴と感音難聴、迷路性と中枢性難聴を病態から鑑別し、治療を説明できる:

騒音性難聴、老年性難聴、突発性難聴、耳硬化症、機能性難聴、ウイルス性難聴、外リンパ瘻、

内耳奇形、中毒性中耳炎、音響外傷

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③ 末梢性めまいと中枢性めまいを鑑別し、治療を説明できる:

良性発作性頭位めまい症(浮遊耳石置換法)、メニエール病、前庭神経炎、聴神経腫瘍、動揺病、

中毒性平衡障害

④ 鼻出血の好発部位と止血法を説明できる。

⑤ 副鼻腔炎の病態と治療を説明できる:

急性副鼻腔炎、慢性副鼻腔炎、好酸球性副鼻腔炎、副鼻腔真菌症術後性上顎嚢胞、歯性上顎洞炎

⑥ 鼻アレルギー<アレルギー性鼻炎>の発症機構を説明できる。

⑦ 扁桃の炎症性疾患の病態と治療を説明できる:急性扁桃炎、扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍

⑧ 喉頭癌の症候、診断と治療を説明できる。

⑨ 気管切開の適応を説明できる。

⑩ 鼻腔・副鼻腔、口腔、咽頭の悪性腫瘍を概説できる:

口腔癌、咽頭癌、鼻副鼻腔癌、悪性リンパ腫、唾液腺癌、

⑪ 外耳道・鼻腔・咽頭・喉頭・食道の代表的な異物を説明し、除去法を説明できる。

⑫ 顔面・頸部外傷の症候と診断を説明できる:

眼窩吹き抜け骨折、鼻骨骨折、顔面骨骨折

⑬ 唾液腺疾患を列挙できる:唾石、唾液腺炎、唾液腺良性腫瘍

⑭ 甲状腺腫瘍を分類し、その特徴を説明できる:甲状腺良性腫瘍、甲状腺癌

B 歯科・口腔外科

一般目標:口腔疾患が全身に与える影響を理解し、医師として最低限必要な口腔内診断能力を身に

つける。またがん周術期や訪問医療の現場で誤嚥性肺炎の原因の一つとされる歯周病の

臨床症状を理解する。

1) 構造と機能

到達目標:

① 顎、口腔の骨、筋、臓器の構造と機能を説明できる

② 歯および歯周組織の構造と機能を説明できる

2) 診断と検査の基本

到達目標:

① 顎口腔の視触診を説明できる

② 顎口腔の画像診断(レントゲン、CT、MRI)の適応と解剖を説明できる。

③ 歯周検査および歯の診察の概略を説明できる

3) 症候

到達目標:

① がん周術期の口腔内症状について説明できる。

② 誤嚥性肺炎等全身疾患と口腔の関連について説明できる

③ 歯性感染の概略について説明できる

④ 顎口腔の外傷についてその特徴を説明できる

⑤ 顎骨に発生する嚢胞性疾患について列挙し概略について説明できる

⑥ 頭頸部放射線治療の副作用ついて説明できる

⑦ 抗がん剤の口腔内の副作用ついて説明できる

4) 疾患

到達目標:

① 歯周病の症状、検査所見、治療および全身に与える影響について説明できる。

② 歯性感染の症状、検査所見、治療について説明できる。

③ 顎骨骨折について症状、検査所見、治療について説明できる。

④ 頭頸部放射線治療時の口腔内の副作用の症状、所見、治療について説明できる。

⑤ 抗がん化学療法中の口腔内副作用について症状、所見、治療について説明できる。

⑥ 智歯周囲炎の症状、所見、治療について説明できる。

⑦ 含歯性嚢胞、歯根嚢胞など顎骨嚢胞について症状、所見、治療について説明できる。

⑧ う歯の症状、検査所見、治療について説明できる。

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4. 評価法

口頭試問(プレゼンテーションを含む) 20 点

日々の評価(医行為パフォーマンス、診療録) 30 点

出席状態(講義および実習の出欠および態度) 50 点

5. 予習項目

A 耳鼻咽喉科・頭頸部外科

1) 構造と機能

耳、鼻副鼻腔、口腔、咽喉頭、頸部の構造と働きについて

2) 診断と検査の基本

聴力検査、平衡機能検査、鼻・咽喉頭内視鏡検査、嚥下機能検査、耳鼻咽喉・頭頸部領域の画像診断、

生検と細胞診の意義

3) 症候

難聴の種類、鼻出血、咽頭痛、嗄声、呼吸困難、嚥下困難、頚部腫瘤

4) 疾患

難聴をきたす疾患、めまいをきたす疾患、鼻出血、アレルギー性鼻炎、耳鼻咽喉・頭頸部の感染症・

炎症性疾患、腫瘍性疾患

B 歯科・口腔外科

1) 構造と機能

① 顎、口腔の骨、筋、臓器の解剖と機能

② 歯および歯周組織の解剖と機能

2) 診断と検査の基本

① 顎口腔の診察方法

② 顎口腔の画像診断(レントゲン、CT、MRI)の適応と解剖

③ 歯周検査方法および歯の診察の方法と

3) 症候

① がん周術期の口腔内症状

② 誤嚥性肺炎の病態

③ 歯性感染の症状、臨床所見、検査所見

④ 顎口腔の外傷(特に顎骨の骨折)の特徴、診断、検査、治療

⑤ 顎骨に発生する嚢胞性疾患の分類、発生原因、画像診断、臨床所見、治療

⑥ 頭頸部放射線治療の副作用

⑦ 抗がん剤の口腔内の副作用

4) 疾患

① 歯周病の症状、検査所見、治療および全身に与える影響

② 歯性感染の症状、検査所見、治療

③ 顎骨骨折について症状、検査所見、治療

④ 頭頸部放射線治療時の口腔内の副作用の症状、所見、治療

⑤ 抗がん化学療法中の口腔内副作用について症状、所見、治療

⑥ 智歯周囲炎の症状、所見、治療

⑦ 含歯性嚢胞、歯根嚢胞の症状、所見、治療

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6. 教科書・参考書

遺伝性難聴診療の手引き 2016年版(日本聴覚医学会編、金原出版)

小児急性中耳炎診療ガイドライン 2013 年版(日本耳科学会ほか編、金原出版)

小児滲出性中耳炎診療ガイドライン 2015 年版(日本耳科学会/日本小児耳鼻咽喉科学会編、金原出版)

顔面神経麻痺診療の手引(日本顔面神経研究会編、金原出版)

メニエール病診療ガイドライン 2011年版(厚生労働省難治性疾患克服研究事業/前庭機能異常に関す

る調査研究班(2008~2010 年度)編)

副鼻腔炎診療の手引き(日本鼻科学会編、金原出版)

味覚障害診療の手引き(金原出版)

睡眠呼吸障害(いびきと睡眠時無呼吸症候群)診療の手引き(金原出版)

頭頸部癌取り扱い規約 第 5 版(日本頭頸部癌学会編、金原出版)

頭頸部癌診療ガイドライン 2013年版(日本頭頸部癌学会編、金原出版)

甲状腺癌取り扱い規約 第7版(日本甲状腺外科学会編、金原出版)

甲状腺腫瘍診療ガイドライン 2010 年版(日本内分泌外科学会/日本甲状腺外科学会編、金原出版)

嚥下障害診療ガイドライン 2012年版(日本耳鼻咽喉科学会編、金原出版)

新耳鼻咽喉科学 第11版(南山堂)

ENTコンパス(ライフ・サイエンス)

EBM耳鼻咽喉科・頭頸部外科の治療 2015-2016(中外医学社)

耳鼻咽喉科疾患ビジュアルブック 初版(学研メディカル秀潤社)

口腔外科学(医歯薬出版)

標準口腔外科学(医学書院)

7. 学習項目(レベル表)

A 耳鼻咽喉科・頭頸部外科

解剖・生理 症候 検査・処置 疾患(鑑別) 治療・手術

Ⅰ 外耳・中耳・内耳

の構造

聴覚受容のしくみ

難聴

耳鳴

耳痛

聴力検査 1

耳鏡による耳の観

騒音性難聴

老年性難聴

突発性難聴

耳硬化症

機能性難聴

ウイルス性難聴

外リンパ瘻

内耳奇形

中毒性中耳炎

音響外傷

耳性帯状疱疹

急性中耳炎

滲出性中耳炎

慢性中耳炎

Ⅱ 聴力検査 2 外耳道異物 鼓室形成術

乳突削開術

平衡

解剖・生理 症候 検査・処置 疾患(鑑別) 治療・手術

Ⅰ 平衡覚のしくみ めまい・ふらつき 眼振

平衡機能検査

良性発作性頭位め

まい症

メニエール病

前庭神経炎

聴神経腫瘍

動揺病

中毒性平衡障害

良性発作性頭位め

まい症(浮遊耳石

置換法)

メニエール病

Ⅲ (カロリックテスト)

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解剖・生理 症候 検査・処置 疾患(鑑別) 治療・手術

Ⅰ 鼻腔・副鼻腔の構

顔面の構造

鼻閉

鼻汁

くしゃみ

鼻出血

嗅覚障害

鼻出血

アレルギー性鼻炎

慢性副鼻腔炎

副鼻腔真菌症

術後性上顎嚢胞

歯性上顎洞炎

鼻出血

アレルギー性鼻炎

慢性副鼻腔炎

Ⅱ 嗅覚の生理 嗅覚検査

鼻鏡による鼻腔の

観察

外傷(鼻骨骨折・

眼窩吹き抜け骨折)

鼻腔異物

一側性副鼻腔炎の

治療

鼻腔異物

Ⅲ 鼻腔内の観察(軟性

ファイバー含む)

外傷(顔面骨骨折)

口腔・唾液腺

解剖・生理 症候 検査・処置 疾患(鑑別) 治療・手術

Ⅰ 口腔・唾液腺の構造 口腔内の痛み 口腔内の観察

Ⅱ 味覚の生理 舌下神経麻痺 味覚の検査 唾石

口内炎

唾液腺炎

唾石

唾液腺炎

Ⅲ 唾液腺良性腫瘍

顎関節症

咽頭

解剖・生理 症候 検査・処置 疾患(鑑別) 治療・手術

Ⅰ 咽頭の構造 咽頭痛

発熱

いびき

嚥下機能検査 急性扁桃炎

扁桃周囲膿瘍

扁桃肥大

急性扁桃炎

扁桃周囲膿瘍

扁桃肥大

Ⅱ 嚥下 嚥下障害 睡眠時無呼吸症候

群の検査

睡眠時無呼吸症候群

咽頭・食道異物

口蓋扁桃摘出術の

適応

咽頭・食道異物

睡眠時無呼吸症候群

Ⅲ 軟口蓋麻痺

喉頭・気管

解剖・生理 症候 検査・処置 疾患(鑑別) 治療・手術

Ⅰ 喉頭の構造・機能

と神経支配

嗄声

呼吸困難(上気道

狭窄)

声帯ポリープ

急性喉頭蓋炎

気管切開の適応

Ⅱ 喉頭の観察(軟性

ファイバーなど)

喉頭異物

反回神経麻痺

喉頭乳頭腫

喉頭異物

Ⅲ 急性声門下浮腫

頭頸部腫瘍

解剖・生理 症候 検査・処置 疾患(鑑別) 治療・手術

Ⅰ 頚部の生理的間隙 頸部腫瘤

頚部リンパ節転移

喉頭癌

甲状腺癌

甲状腺良性腫瘍

喉頭癌

甲状腺癌

甲状腺良性腫瘍

Ⅱ 癌性疼痛 画像診断(PETなど) 上顎癌、口腔癌、

咽頭癌

頸部悪性リンパ腫

上顎癌、口腔癌、

咽頭癌

頸部悪性リンパ腫

Ⅲ 唾液腺癌

若年性血管線維腫

緩和医療

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頸部

解剖・生理 症候 検査・処置 疾患(鑑別) 治療・手術

Ⅰ 頸部リンパ節の解

頚部リンパ節腫脹 頚部リンパ節炎

Ⅱ 頸部超音波エコー 頸部リンパ節結核

正中頸嚢胞

リンパ管腫

正中頸嚢胞

Ⅲ 頸部の外傷

B 歯科・口腔外科

顎口腔

解剖・生理 症候 検査・処置 疾患(鑑別) 治療・手術

Ⅰ 口腔

顎骨

額の腫脹

歯痛

外傷

レントゲン

CT

MRI

歯性感染

顎骨骨折

含歯性嚢胞

智歯周囲炎

消炎療法

顎間固定

抜歯

整復術

囊胞摘出術

Ⅱ 歯周組織 歯周組織の腫脹 歯周検査 歯周病

誤嚥性肺炎

歯周基本治療

口腔ケア

Ⅲ 口腔粘膜 口内炎

口腔乾燥

放射線性口腔粘膜炎

唾液減少

味覚障害

投薬治療

含嗽剤

周術期口腔管理

8. オフィスアワー

耳鼻咽喉科・頭頸部外科 PHS e-mail 質問できる時間帯

教授 河田 了 6687 oto032 火曜日午前・午後

准教授 萩森 伸一 6312 hagi

診療准教授 寺田 哲也 6766 oto056

講師(准) 東野 正明 3597 oto061

講師(准) 乾 崇樹 6445 oto064

助教 櫟原 崇宏 6090 oto073

助教 鈴木 学 6998 oto098

助教 鈴木 倫雄 3450 oto090

助教(准) 稲中 優子 3581 oto105

歯科・口腔外科 PHS e-mail 質問できる時間帯

教授 植野 高章 3580 ueno 2 週目金曜日午後

准教授 寺井 陽彦 6359 ora007

助教 小越 菜保子 8074 ora078

助教 木村 吉宏 6358 ora018

助教 中島 世市郎 6763 n4160

福島 淳夫

田中 芳人

メールは、上記アドレス(e-mai)の後に@osaka-med.ac.jp をつけてください。質問できる時間帯の指定が

ない場合や連絡がつかない場合は、メールもしくは PHS で直接連絡を取ってください。

9. 初日の集合場所、時間

耳鼻咽喉科・頭頸部外科医局(総合研究棟 8階)、午前 8時 30分

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10. コース説明と時間割

◇ 1・2週目の共通オリエンテーションで全体のプログラムを説明し、各自に耳鼻咽喉科・頭頸部外

科あるいは歯科・口腔外科のいずれかの患者を 1 名ずつ割り当てる。

◇ 共通演習は、各科の教員が担当する。

◇ 手術実習は、受け持ち患者の手術に優先的に入る。受け持ち患者の手術が他の実習と時間が重なる

場合、手術に優先的に入る。

◇ 全員が、毎日病棟実習できるよう時間を配慮している。

1週目

2週目

13:30

口腔外科日帰り手術

7:30 8:30 8:50 9:00 10:30 12:00 13:00

超音波検査【22番検査室】

15:00 15:30 17:00

月オリエンテーション耳鼻科・口腔外科

口腔外科外来実習

自学自習 口腔ケアラウンド

耳鼻科専門外来実習15:00~

第5学年特別演習

火入院診

【耳鼻科外来】

耳鼻科外来(医療面接、外来見学)自学自習 口腔外科手術実習

15:30~症例検討会、術前検討会

【66病棟カンファレンス室】検討会後、担当患者の説明

国家試験問題演習

めまい外来(めまい検査)アレルギー外来(減感作)

喉頭外来(ファイバー)

水入院診

【耳鼻科外来】担当患者紹介

講義頭頸部診察

講義耳鼻

講義咽喉頭頭頸部

病棟実習自学自習

聴覚実習 口腔外科手術実習

木病棟実習自学自習

入院診【耳鼻科外来】

耳鼻科教授回診【66病棟】

病棟・手術実習【担当班:手術室】主治医・担当医とともに行動

*症例検討会の発表準備を各班のDrとともに行う術後回診

12:00 12:45

耳鼻科外来(医療面接、外来見学)金

病棟実習自学自習

入院診【耳鼻科外来】

口腔外科外来実習自学自習

講義聴力検査

月病棟実習自学自習

耳鼻科手術実習【担当班:手術室】耳鼻科主治医・担当医とともに行動

術後回診

7:30 8:30 8:50 9:00 10:30

病棟実習自学自習

15:30~耳鼻科術前検討会

【66病棟カンファレンス室】

13:30 15:00 15:30 17:00

耳鼻科専門外来実習15:00~17:00

第5学年特別演習

耳鼻科外来(医療面接、外来見学)火

7:30~耳鼻科術後検討会

【66病棟カンファレンス室】

入院診【耳鼻科外来】

国家試験問題演習超音波検査

【22番検査室】自学自習

13:30~耳鼻科

准教授回診【66病棟】

水病棟実習自学自習

入院診【耳鼻科外来】

耳鼻科外来(医療面接、外来見学)自学自習

自学自習耳鼻科手術実習【担当班:手術室】

(手術日が祝日などの場合の予備日)

アレルギー外来(減感作)

口腔外科外来実習喉頭外来(ファイバー)

めまい外来(めまい検査)

木病棟実習自学自習

入院診【耳鼻科外来】

耳鼻科教授回診【66病棟】

口腔外科咬合、顎骨、再建

講義

口腔外科評価金病棟実習自学自習

入院診【耳鼻科外来】

耳鼻科症例提示評価

(症例提示・面談)自学自習

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眼科・代謝内分泌コース

1. コース名等

1) コース名 眼科・代謝内分泌コース

2) コース責任者 寺前 純吾(糖尿病・内分泌内科)、池田 恒彦(眼科)

3) コース主任 大西 峰樹、金綱 規夫(糖尿病・内分泌内科)、戸成 匡宏(眼科)

4) 指導教員

糖尿病代謝・内分泌内科

寺前 純吾、大西 峰樹、金綱 規夫、佐野 寛行、谷本 啓爾、堤 千春、中辻 文彦、忌部 尚、

藤澤 玲子、酒井 聡至、稲葉 惟子、渡邉 大督

眼科

池田 恒彦、菅澤 淳、奥 英弘、植木 麻理、小嶌 祥太、喜田 照代、小林 崇俊、佐藤 孝樹、

田尻 健介、福本 雅格、戸成 匡宏、河本 良輔

2. 一般目標

内分泌・代謝系の構成と機能を理解し、主な内分泌・代謝疾患の症候、病態、診断と治療を学ぶ。

医師として必要な眼科学の知識を身につけ、眼科的疾患の診断および基本的治療を説明出来る。

3. 到達目標 ☆:重要な項目;★:重要な項目かつ国試頻出問題

1) 構造と機能

到達目標:

① 視床下部ホルモンの名称と働きを説明できる。

② 下垂体ホルモンの名称と働きを説明できる。

③ 甲状腺・副甲状腺ホルモンの名称と働きを説明できる。

④ 副腎皮質・髄質ホルモンの名称と働きを説明できる。

⑤ 性腺ホルモンの名称と働きを説明できる。

⑥ 消化管ホルモンの名称と働きを説明できる。

⑦ 膵内分泌ホルモンの名称と働きを説明できる。

⑧ 心血管ホルモンの名称と働きを説明できる。

⑨ 眼球と付属器の構造を図示できる。

⑩ 視覚情報の受容のしくみと伝達経路を説明できる。

⑪ 角膜・水晶体・網膜の構造を図示できる。

⑫ 眼瞼・涙器・眼窩の構造について説明できる。

⑬ 外眼筋の構造を説明できる。

⑭ 対光反射、輻輳反射、角膜反射の機能について説明できる。

⑮ 眼の血管系について説明できる。

⑯ 屈折・調節について説明できる。

2) 診断と検査の基本

到達目標:

① ホルモン分泌のフィードバック機構を図示説明できる。

② 内分泌負荷試験のしくみと適応を説明できる。

③ 自己抗体の意義と診断的意味の説明ができる。

④ 内分泌機能を表す検査を概説できる。

⑤ 下垂体の画像検査(MRI,造影MRI)を概説できる。

⑥ 甲状腺の画像検査(超音波、シンチグラム)を概説できる。

⑦ 副甲状腺の画像検査(超音波、シンチグラム)を概説できる。

⑧ 副腎の画像検査(CT、MRI、シンチグラム)を概説できる。

⑨ 視力・眼圧検査、屈折検査を説明できる。

⑩ 細隙灯顕微鏡検査、眼底検査、蛍光眼底造影検査を説明できる。

⑪ 視野検査を列挙し、検査から得られる情報を説明できる。

⑫ 色覚検査を説明できる。

⑬ 眼位・眼球運動・両眼視機能検査を説明できる。

⑭ 瞳孔検査を説明できる。

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3) 症候

到達目標:

① ホルモンが過剰に分泌される機序・病理、およびその症状と所見を概説できる。

② ホルモンの分泌低下となる機序・病理、およびその症状と所見を概説できる。

③ 視力低下をきたす疾患を分類・列挙し、その病態を説明できる。

④ 視野障害を列挙し、その病態を説明できる。

⑤ 色覚異常を分類し、その病態を説明できる。

⑥ 眼痛をきたす疾患を列挙し、その病態を説明できる。

⑦ 眼精疲労を分類し、その病態を説明できる。

⑧ 複視をきたす疾患を列挙し、その病態を説明できる。

⑨ 飛蚊症をきたす疾患を列挙し、その病態を説明できる。

⑩ 充血をきたす疾患を列挙し、その病態を説明できる。

⑪ 流涙をきたす疾患を列挙し、その病態を説明できる。

⑫ 眼脂をきたす疾患を列挙し、その病態を説明できる。

⑬ 羞明をきたす疾患を列挙し、その病態を説明できる。

⑭ 眼球突出をきたす疾患を列挙し、その病態を説明できる。

4) 疾患

① 視床下部・下垂体疾患の病因、診断と治療を説明できる。

低身長(総論)、成長ホルモン分泌不全、先端巨大症、Sheehan症候群、プロラクチノーマ、

尿崩症(総論)、ADH分泌不適合症候群、Cushing病、リンパ球性下垂体前葉炎、Kallmann症候群、

Prader-Willi症候群

② 甲状腺疾患の病因、診断と治療を説明できる。

甲状腺機能亢進症(総論)、Basedow病、甲状腺機能低下症(総論)、クレチン症、甲状腺炎、

甲状腺悪性腫瘍、甲状腺クリーゼ

③ 副甲状腺疾患の病因、診断と治療を説明できる。

副甲状腺機能亢進症、副甲状腺機能低下症

④ 副腎疾患の病因、診断と治療を説明できる。

Cushing症候群、原発性アルドステロン症、先天性副腎皮質過形成、褐色細胞腫、

異所性ACTH産生腫瘍、偽性アルドステロン症、Addison病、急性副腎不全

⑤ 膵内分泌腫瘍の病因、診断と治療を説明できる。

インスリノーマ、ガストリノーマ、グルカゴノーマ、VIPoma

⑥ 多発性内分泌腺腫症(MEN)の病因、診断と治療を説明できる。

MEN1型

⑦ 糖代謝異常の病因、診断と治療を説明できる。

糖尿病(総論)、1型糖尿病、2型糖尿病、糖尿病ケトアシド-シス、糖尿病腎症、糖尿病網膜症、

糖尿病神経障害、妊娠糖尿病、低血糖症、高血糖高浸透圧症候群、糖尿病性足壊疽、

糖尿病合併妊娠、インスリン自己免疫症候群、ミトコンドリア糖尿病

⑧ 脂質代謝異常の病因、診断と治療を説明できる。

脂質異常症、家族性高コレステロール血症

⑨ 肥満・メタボリックシンドロームの病因、診断と治療を説明できる。

肥満症、メタボリックシンドローム

⑩ 尿酸代謝異常の病因、診断と治療を説明できる。

高尿酸血症、痛風、偽痛風、Lesch-Nyhan症候群

⑪ 骨代謝異常の病因、診断と治療を説明できる。

骨粗鬆症、くる病

⑫ ビタミン代謝異常の病因、診断と治療を説明できる。

ビタミンK欠乏症、ビタミンB1欠乏症

⑬ その他の代謝異常の病因、診断と治療を説明できる。

Wilson病、Menkes病、フェニルケトン尿症、ホモシスチン尿症、シスチン尿症

⑭ 結膜炎の病因、診断と治療を説明できる。

細菌性結膜炎、淋菌性結膜炎、流行性角結膜炎、咽頭結膜熱、急性出血性結膜炎、

クラミジア結膜炎、アレルギー性結膜炎、春季カタル

⑮ 角膜疾患の病因、診断と治療を説明できる。

円錐角膜、翼状片、単純ヘルペス角膜炎、帯状疱疹角膜炎、点状表層角膜炎、角膜実質炎、

角膜潰瘍、角膜ジストロフィー

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⑯ 白内障の病因、診断と治療を説明できる。

先天白内障、老人性白内障、ステロイド白内障、併発白内障、外傷性白内障、放射線白内障、

アトピー性白内障

⑰ 緑内障の病因、診断と治療を説明できる。

先天緑内障、原発開放隅角緑内障、原発閉塞隅角緑内障、正常眼圧緑内障、続発性緑内障

⑱ 網膜・硝子体疾患の病態と治療を説明できる。

網膜中心静脈閉塞症、網膜中心動脈閉塞症、糖尿病網膜症、高血圧・動脈硬化眼底、

網膜色素変性症、中心性漿液性網脈絡膜症、黄斑変性症、網膜剝離、網膜芽細胞腫、未熟児網膜症

⑲ ぶどう膜炎の病因、診断と治療を説明できる。

虹彩毛様体炎、ベーチェット病、サルコイドーシス、原田病、トキソプラズマ症

⑳ 視神経疾患の病因、診断と治療を説明できる。

うっ血乳頭、視神経炎、虚血性視神経症、圧迫性視神経症、レーベル遺伝性視神経症

㉑ 眼瞼疾患の病因、診断と治療を説明できる。

眼瞼内反、眼瞼下垂、兎眼、麦粒腫、霰粒腫、眼瞼炎、眼瞼腫瘍

㉒ 眼外傷(鈍的・穿孔性・化学)と救急処置を説明できる。

4. 評価

チュートリアル・講義の出欠・評価、試験により総合的に評価する。

① 合格点 100点法によう行い、評価点が60点以上を合格とする。

② 評価点の算出・内訳 チュートリアルの出席点、チューター評価(20点)

授業および実習の出席および態度の評価(20点)

実習試験およびコース試験の成績(60点)

③ 再追試験 ①の評価点が60点に満たない場合、および②の各内訳における点数が2割に満たない

場合、再試験を行う。

④ 糖尿病代謝・内分泌内科と眼科でそれぞれ評価を行う。

5. 予習項目

1) 構造と機能

視床下部ホルモンの名称と働き

下垂体ホルモンの名称と働き

甲状腺・副甲状腺ホルモンの名称と働き

副腎皮質・髄質ホルモンの名称と働き

消化管ホルモンの名称と働き

膵内分泌ホルモンの名称と働き

眼球の解剖、眼球の構造と機能、血管系支配

2) 診断と検査の基本

ホルモン分泌のフィードバック機構

内分泌負荷試験

下垂体、甲状腺、副甲状腺、副腎の画像検査

視力検査、眼圧検査の目的と解釈

細隙灯顕微鏡、眼底検査の解釈

3) 症候

ホルモンが過剰に分泌される機序・病理、およびその症状と所見

ホルモンの分泌低下となる機序・病理、およびその症状と所見

眼症状の分類と病態生理

4) 疾患

視床下部・下垂体疾患の病因、診断と治療

甲状腺疾患の病因、診断と治療

副甲状腺疾患の病因、診断と治療

副腎疾患の病因、診断と治療

膵内分泌腫瘍の病因、診断と治療

多発性内分泌腺腫症(MEN)の病因、診断と治療

糖代謝異常の病因、診断と治療

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脂質代謝異常の病因、診断と治療

尿酸代謝異常の病因、診断と治療

骨代謝異常の病因、診断と治療

ビタミン代謝異常の病因、診断と治療

角・結膜疾患、白内障、緑内障、網膜硝子体疾患、ぶどう膜炎、視神経疾患、眼瞼疾患

6. 参考図書

甲状腺疾患診断ガイドライン2013 日本甲状腺学会編

厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業 間脳下垂体機能障害に関する調査研究班 診断

と治療の手引き

副腎クリーゼを含む副腎皮質機能低下症の診断と治療に関する指針 日本内分泌学会編

糖尿病診療ガイドライン2016 日本糖尿病学会編

糖尿病専門医研修ガイドブック 第6版 日本糖尿病学会編

糖尿病治療ガイド 2016-17版 日本糖尿病学会編

緑内障診療ガイドライン 第3版

神経眼科診療のてびき

新臨床神経眼科学 メディカル葵出版

眼科疾患最新の治療2016‐2018

所見から考えるぶどう膜炎 医学書院

小児眼科学 三輪書店

網膜 メディカル・ビュー

推薦図書

Harrison's Principles of Internal Medicine,19th Edition,Anthony Fauci,Stephen Hauser,Dan

Longo,J.Jameson,Joseph Loscalzo Dennis Kasper

Williams Textbook of Endocrinology,13th Edition,S.Melmed,K.S.Polonsky,et al.

Joslin's Diabetes Melitus,14th Edition,C.R.Kahn and G.C.Weir,et al. Editors,Lippincott

Williams&Wilkins

内科学、第2版、黒川清、松澤佑次、編、文光堂

内科学、第10版、矢崎義雄、編、朝倉書店

新臨床内科学、第9版、高久史麿、尾形悦郎、他 監修、医学書院

現代の眼科学 改訂第11版

標準眼科学 第1

7. 学習項目 (レベル表)

レベル 構造と機能 症候 診断と検査の基本 病態と疾患 治療

Ⅰ 視床下部ホルモ

下垂体ホルモン

甲状腺・副甲状

腺ホルモン

副腎皮質・髄質

ホルモン

性腺ホルモン

消化管ホルモン

膵内分泌ホルモ

心血管ホルモン

の名称と働き。

眼球の構造☆

視覚情報の伝達

経路☆

ホルモンが過剰

に分泌される機

序・病理、および

その症状と所見

ホルモンの分泌

低下となる機序

・病理、およびそ

の症状と所見

視力低下☆

色覚異常

羞明

ホルモン分泌の

フィードバック

機構

内分泌負荷試験

自己抗体

内分泌機能検査

下垂体

甲状腺

副甲状腺

副腎の画像検査

細隙灯顕微鏡☆

眼底検査☆

色覚検査

低身長(総論)、成長ホルモン分泌不全、先端

巨大症、Sheehan症候群、プロラクチノーマ、

尿崩症(総論)、ADH分泌不適合症候群、甲状

腺機能亢進症(総論)、Basedow病、甲状腺機

能低下症(総論)、クレチン症、甲状腺炎、甲

状腺悪性腫瘍、Cushing症候群、原発性アル

ドステロン症、先天性副腎皮質過形成、褐色

細胞腫、インスリノーマ、糖尿病(総論)、1型

糖尿病、2型糖尿病、糖尿病ケトアシド-シ

ス、糖尿病腎症、糖尿病網膜症、糖尿病神経

障害、妊娠糖尿病、低血糖症、脂質異常症、家

族性高コレステロール血症、肥満症、メタボ

リックシンドローム、高尿酸血症、痛風、骨

粗鬆症、くる病、ビタミンK欠乏症、ビタミ

ンB1欠乏症、円錐角膜、翼状片、細菌性結

膜炎★、白内障★、緑内障★

食事療法

運動療法

内服治療

ホルモン補充

療法外科治療(

下垂体・甲状腺

・副甲状腺・副

腎・膵臓)

放射線治療

インスリン治療

インクレチン治療

角膜移植術

超音波乳化吸

引術☆

線維柱帯切除術

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Ⅱ 屈折・調節異

常★

視野障害★

眼痛

視野検査 Cushing病、リンパ球性下垂体前葉炎、

Kallmann症候群、Prader-Willi症候群、

甲状腺クリーゼ、副甲状腺機能亢進症、

副甲状腺機能低下症、異所性ACTH産生腫瘍、

偽性アルドステロン症、Addison病、

ガストリノーマ

MEN1型、高血糖高浸透圧症候群、

糖尿病性足壊疽、糖尿病合併妊娠、

インスリン自己免疫症候群、偽痛風、

Wilson病、Menkes病、

ウィルス性結膜炎★、原田病☆

糖尿病網膜症★

抗菌薬

抗炎症薬

ステロイド薬

硝子体手術

Ⅲ 眼の血管系

眼窩の構造☆

複視☆

流涙

眼球突出

蛍光眼底造影検

査☆

眼位・眼球運動

・両眼視機能

急性副腎不全、グルカゴノーマ、

VIPoma、ミトコンドリア糖尿病、

Lesch-Nyhan症候群、フェニルケトン尿症、

ホモシスチン尿症、シスチン尿症、

角膜実質炎、角膜潰瘍☆、

春季カタル☆、網膜芽細胞腫、

未熟児網膜症☆

抗体医薬

免疫抑制薬

抗菌薬

放射線治療

眼球摘出術網

膜光凝固術

8. オフィスアワー

糖尿病代謝・内分泌内科

担当教員 PHS メールアドレス 日時 場所

寺前 純吾 6700 [email protected]

月曜日 14:30-16:00

水曜日 17:15-19:00

78病棟カンファレンスルーム

第12会議室

大西 峰樹 6128 [email protected]

金綱 規夫 3574 [email protected]

佐野 寛行 6973 [email protected]

谷本 啓爾 6966 [email protected]

堤 千春 6342 [email protected]

中辻 文彦 6115 [email protected]

忌部 尚 3548 [email protected]

藤澤 玲子 3551 [email protected]

酒井 聡至 6184 [email protected]

稲葉 惟子 6707 [email protected]

渡邉 大督 6122 [email protected]

眼科

池田 恒彦 6285 [email protected]

菅澤 淳 6751 [email protected]

奥 英弘 6685 [email protected]

植木 麻理 6557 [email protected]

小嶌 祥太 6581 [email protected]

喜田 照代 6681 [email protected]

小林 崇俊 6592 [email protected]

佐藤 孝樹 8075 [email protected]

田尻 健介 6564 [email protected]

福本 雅格 6426 [email protected]

戸成 匡宏 6580 [email protected] 金曜日 14:00-15:00 眼科医局

河本 良輔 3477 [email protected]

質問できる時間帯の指定がない場合や連絡がつかない場合は、メールもしくはPHSで直接連絡をとってくだ

さい。

9. 初日の集合場所、時間

78病棟カンファレンスルーム、8時30分

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10. コース説明と時間割 第1週

第2週

 

代謝内分泌内科演習

78病棟カンファ室

病棟実習

/自学自習

眼科手術実習病棟実習/自学自習 眼科・代謝内分泌

内科症例提示総括

78病棟カンファ室頸動脈エコー 23番エコー室 甲状腺エコー

23番エコー室(B)代謝内分泌内科回診 78病棟

水 病棟実習/自学自習

病棟実習/自学自習

15:00~17:00第5学年特別演習

木 眼科演習(網膜症)

病棟実習/自学自習

病棟実習/自学自習

豚眼実習(B)病棟実習/自学自習

内科学Ⅰ 医局会講義実習棟2階

学Ⅱ講堂

内科学Ⅰ 総括者回診

病棟実習/自学自習

糖尿病教育コース実習「低血糖って

何だろう」他78病棟処置室

眼底スライド演習、糖尿病網膜症

病棟実習/自学自習

眼科手術実習

15:00 16:00 17:00

月 病棟実習/自学自習

糖尿病教育コース実習

「糖尿病とうまく付き合う」

78病棟処置室

病棟実習/自学自習

代謝内分泌内科カンファレンス78病棟カンファレンス室

11:00 11:30 12:00 13:00 14:00 14:30

頸動脈エコー 23番エコー室 甲状腺エコー

23番エコー室(A)代謝内分泌内科回診 78病棟

8:00 8:30 9:00 9:30 10:00 10:30

豚眼実習(A)

糖尿病教育コース実習「糖尿病の合併症を防ぐ為に」78病棟処置室

代謝内分泌内科演習 78病棟カン

ファ室

病棟実習/自学自習

眼科手術実習病棟実習/自学自習

眼底写真読影 病棟実習/自学自習

水 病棟実習/自学自習

病棟実習/自学自習

15:00~17:00第5学年特別演習

木 病棟実習/自学自習

眼底検査実習病棟実習/自学自習

代謝内分泌内科カンファレンス78病棟カンファ室

内科学Ⅰ 医局会講義実習棟2階

学Ⅱ講堂

内科学Ⅰ 総括者回診

細隙灯実習・視力実習病棟実習/自学自習

眼科手術実習

16:00 17:00 17:30

オリエンテーショ

ン眼科+代謝内分泌内

眼科オリエンテーション

+外来診察実習

病棟実習/自学自習

病棟実習

/自学自習

代謝内分泌内科ガイダンス、オリエ

ンテーション

12:00 13:00 13:30 14:00 14:30 15:008:00 8:30 9:00 9:30 10:00 11:00

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腎・泌尿器コース

1. コース名等

1) コース名 腎・泌尿器コース

2) コース責任者 東 治人

3) コース主任 森 龍彦(腎臓内科)

4) 指導教員

腎泌尿器外科

東 治人 ([email protected] PHS6323)

能見 勇人 ([email protected] PHS6446)

稲元 輝生 ([email protected] PHS6371)

平野 一 ([email protected] PHS6551)

高原 健 ([email protected] PHS6447)

腎臓内科

森 龍彦 ([email protected] PHS6719)

嶋 英昭 ([email protected] PHS3375)

大井 幸昌 ([email protected] PHS6082)

2. 一般目標

尿路系、生殖器の構造と機能を理解し、泌尿器・腎内科系の症候、病態、診断と治療を理解する。

3. 到達目標

A 腎泌尿器外科

一般目標:

・ 尿路系、男性生殖器の構造と機能を理解し、泌尿器・腎内科系の症候、病態、診断と治療を理解する。

・ 外来では、診察・検査手順を学習すると共に、画像診断や内視鏡検査の実際を経験する。専門外

来(腫瘍、結石、排尿力・失禁、不妊、性機能・男子更年期障害、腎不全・腎移植)において専

門分野の知識を深める。病棟では、主に手術患者の術前・術後管理を修得する。さらに高齢者の

全身管理や進行性癌患者に対する化学療法施行の実際を学ぶ。教授回診や症例検討会に参加する

ことで疾患の理解をより深める。

1) 構造と機能

到達目標:尿路・性器の解剖と生理を理解する。

【副腎の解剖と生理】

【尿路の解剖と生理】

① 上部尿路(腎、尿管) ② 下部尿路(膀胱、尿道)

【性器・副性器の解剖と生理】

① 精巣(睾丸) ② 精巣上体(副睾丸) ③ 精管

④ 陰茎 ⑤ 陰嚢 ⑥ 女性の外陰部

⑦ 前立腺 ⑧ 精嚢

2) 診断と検査の基本

到達目標:泌尿器科的検査法を理解する。

【一般臨床検査法】

① 病歴聴取のポイント ② 診察法 ③ 尿検査

④ 分泌物検査 ⑤ 精液検査

【器械的検査法】

① カテーテルとブジー ② 経尿道的操作

【内視鏡的検査法】

【尿路機能検査法】

① 尿路水力学的検査(UDS):膀胱内圧測定法、尿流測定法、尿道壁圧測定、尿道外括約筋筋電図

【Ⅹ線検査法】

① 腎尿管膀胱単純撮影(KUB) ② 排泄性尿路造影法(IVP、DIP) ③ 逆行性腎盂造影

④ 経皮的順行性腎盂造影 ⑤ 膀胱造影法 ⑥ 尿道造影

⑦ 精嚢造影 ⑧ CT検査

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【磁気共鳴画像検査法】MRI(NMR-CT)

【核医学的診断法】

① RIレノグラフィー ② 腎シンチグラフィー ③ 副腎シンチグラフィー

④ 骨シンチグラフィー

【超音波診断法】

【腎機能検査法】

① 総腎機能検査法 ② 分腎機能検査法

【生検法】

① 腎生検法 ② 膀胱生検法など

【内分泌機能検査法】

① 間脳・下垂体・性腺系の内分泌機能検査

② 間脳・下垂体・副腎皮質系の内分泌機能検査

③ 副腎髄質の内分泌機能検査

④ プロラクチン

⑤ レニン・アンギオテンシン・アルドステロン系の内分泌検査

⑥ カルシウム代謝調節ホルモン

【遺伝学的検査法】

3) 症候

到達目標:泌尿器科の症候を理解する。

【症候】尿の異常、疼痛、腫瘤と腫脹、発熱など

【主訴・主症状よりみた疾患のまとめ】頻尿、稀尿、多尿、乏尿、無尿、尿失禁、二段排尿、尿閉、

尿線異常、排尿困難、尿瘻、尿性状の異常、痛み、腫瘤、外陰部異常、尿道分泌物、高血圧など

4) 疾患

到達目標:泌尿器科疾患を理解する。

【尿路・性器の発生と奇形】

① 尿路・性器の発生

② 先天性泌尿器疾患

【尿路・性器の損傷と異物】

① 尿路性器の損傷:腎外傷、尿管損傷、膀胱損傷、尿道損傷、陰茎損傷など

② 尿路・性器の異物

③ 泌尿器科における尿瘻:腎瘻、尿管瘻、膀胱瘻など

【神経因性膀胱障害】

① 排尿機構および膀胱、尿道の神経支配

② 神経因性膀胱の系統的検査法

③ 神経因性膀胱の発生原因

④ 神経因性膀胱障害の分類と臨床像

⑤ 合併症

⑥ 治療法

【尿路通過障害】

① 尿路通過障害の概論と病態生理

② 上部尿路閉塞症:腎盂尿管移行部通過障害、尿管狭窄、膀胱尿管逆流など

③ 下部尿路閉塞症:前立腺症、尿道狭窄など

【腎不全】

① 腎不全の概念および分類

② 急性腎不全

③ 慢性腎不全

【尿路性器の感染症】

① 非特異感染症:腎盂腎炎、膿腎症、膀胱炎、尿道炎、前立腺炎、精嚢炎など

② 特異感染症:尿路・性器結核、性感染症など

【尿路結石症】

① 上部尿路結石症:腎結石、尿管結石

② 下部尿路結石症:膀胱結石など

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【尿路・性器の腫瘍】

腎腫瘍、腎盂腫瘍、尿管腫瘍、膀胱腫瘍、尿道腫瘍、前立腺腫瘍、精嚢腫瘍、精巣腫瘍、陰茎腫瘍、

その他の腫瘍

【泌尿器科における内分泌疾患】

① 副腎、後腹膜の疾患

② 性分化異常

③ 精巣機能障害

【泌尿器科における高血圧症ならびに血管疾患】

【泌尿器科における精神・神経疾患】

【小児泌尿器疾患】

【婦人泌尿器疾患】

【尿失禁】

B 腎臓内科

一般目標:腎·尿路系の構造と機能を理解し、主な腎·尿路系疾患の病因、病態生理、症候、診断と治

療を学ぶ。

1) 構造と機能

到達目標:

① 体液の量と組成·浸透圧を小児と成人を区別して説明できる。

② 腎·尿路系の位置·形態と血管分布·神経支配を説明できる。

③ 腎の機能の全体像やネフロン各部の構造と機能を概説できる。

④ 腎糸球体における濾過の機序を説明できる。

⑤ 尿細管各部における再吸収·分泌機構と尿の濃縮機序を説明できる。

⑥ 水電解質、酸·塩基平衡の調節機構を概説できる。

⑦ 腎に作用するホルモン·血管作働性物質の作用を説明できる。

⑧ 蓄排尿の機序を説明できる。

2) 診断と検査の基本

【身体診察】

到達目標:

① 腹部の視診、聴診ができる。

② 区分に応じて腹部の打診、触診ができる。

③ 腹水の有無を判断できる。

【検査手技】

到達目標:

① 尿検査(尿沈渣を含む)を実施できる。

② 腹部の超音波検査を介助できる。

③ エックス線撮影、CT、MRI、核医学検査を見学・介助できる。

【診断】

到達目標:

① 腎·尿路系の画像診断を概説できる。

② 糸球体濾過量を測定する方法を概説できる。

③ 腎生検の適応と禁忌を説明できる。

3) 症候

【脱水】

到達目標:

① 脱水の原因と病態を説明できる。

② 脱水をきたした患者の診断と治療の要点を説明できる。

【浮腫】

到達目標:

① 全身浮腫と局所性浮腫の原因と病態を説明できる。

② 浮腫をきたした患者の診断と治療の要点を説明できる。

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【蛋白尿】

到達目標:

① 蛋白尿の原因と病態を説明できる。

② 蛋白尿を呈する患者の診断の要点を説明できる。

【血尿】

到達目標:

① 血尿の原因を列挙できる。

② 血尿をきたした患者の診断の要点を説明できる。

【尿量・排尿の異常】

到達目標:

① 尿量の異常の原因と病態を説明できる。

② 尿量の異常をきたした患者の診断の要点を説明できる。

【電解質異常】

到達目標:

① 高·低 Na 血症を概説できる。

② 高·低 K 血症を概説できる。

③ 高·低 Ca 血症を概説できる。

④ 高·低 P 血症と高·低 Cl 血症を概説できる。

【アシドーシス·アルカローシス】

到達目標:

① アシドーシス·アルカローシスの定義、病態生理と診断を説明できる。

② アシドーシス·アルカローシスの治療を概説できる。

4) 疾患

【腎不全】

到達目標:

① 急性腎不全の病因、症候、診断と治療を説明できる。

② 慢性腎不全の病因、症候、診断と治療を概説できる。

③ 慢性腎不全の治療(透析·腎移植)を説明できる。

【原発性糸球体疾患】

到達目標:

① 急性糸球体腎炎の病因、症候、診断と治療を説明できる。

② 慢性糸球体腎炎(IgA 腎症を含む)の症候、診断と治療を説明できる。

③ ネフローゼ症候群の分類、症候、診断と治療を説明できる。

④ 急速進行性糸球体腎炎を概説できる。

【腎血管障害】

到達目標:

① 腎血管性高血圧症を概説できる。

【尿細管機能異常】

到達目標:

① 尿細管性アシドーシスの分類、病態生理、診断と治療を説明できる。

② Fanconi(ファンコニー)症候群(腎性糖尿を含む)の概念、症候と診断を説明できる。

【間質性腎疾患】

到達目標:

① 急性·慢性腎盂腎炎の病因、症候、診断と治療を説明できる。

② 急性·慢性間質性腎炎の病因、症候、診断と治療を説明できる。

【全身性疾患による腎障害】

到達目標:

① 糖尿病(性)腎症の症候、診断と治療を説明できる。

② ループス腎炎の症候、診断と治療を説明できる。

③ アミロイド腎症の症候、診断と治療を説明できる。

④ 膠原病類縁疾患(血管炎症候群、抗基底膜病)の腎病変を説明できる。

⑤ IgA血管炎を概説できる。

【先天異常】

到達目標:

① 腎尿路の主な先天異常(多発性嚢胞腎)を概説できる。

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4. 評価法

1) 合格点 100点法により行い、評価点が 60点以上を合格とする。

2) 評価点の算出・内訳

パフォーマンス 20点

診療録 20点

クラークシップ後試験 20点

プレゼンテーションおよび試問 40 点

3) 再追試験 ①の評価点が 60 点に満たない場合、および②の各内訳における点数が 2 割に満たない場

合、再試験を行う。

5. 予習項目

A 腎泌尿器外科

1) 構造と機能

尿路・性器の解剖と生理をあらかじめ理解しておく。

2) 診断と検査の基本

泌尿器科的検査法を理解しておく。

3) 症候

泌尿器科の症候を理解しておく。

症候(尿の異常、疼痛、腫瘤と腫脹、発熱など)

排尿に関する様々な症候を理解しておく。

4) 疾患

① 尿路・性器の発生と奇形 ② 尿路・性器の損傷と異物 ③ 神経因性膀胱

④ 尿路通過障害 ⑤ 腎不全 ⑥ 尿路性器の感染症

⑦ 尿路結石症 ⑧ 尿路・性器の腫瘍 ⑨ 泌尿器科における内分泌疾患

⑩ 泌尿器科における高血圧症

ならびに血管疾患

⑪ 泌尿器科における精神・

神経疾患

⑫ 小児泌尿器疾患

⑬ 婦人泌尿器疾患 ⑭ 尿失禁

B 腎臓内科

1) 構造と機能

① 体液量、組成·浸透圧

② 腎の位置、形態

③ 腎を構成する器官および腎臓が行う仕事

④ 腎糸球体における濾過の機序

⑤ 尿細管各部における再吸収·分泌機構と尿の濃縮機序

⑥ 水電解質、酸·塩基平衡の調節機

2) 診断と検査の基本

腹部診察。尿検査(尿沈渣を含む)の評価。腹部超音波検査、エックス線、CT、MRI、核医学検査にて

の腎臓の形態、機能の評価。腎生検の適応と禁忌の判断。

3) 症候

脱水、浮腫、蛋白尿、血尿、尿量・排尿の異常の診断および原因検索。

電解質異常、酸塩基平衡に伴う症候および原因検索。

4) 疾患

① 腎不全:急性腎不全、慢性腎不全の病因、症候、診断と治療。腎代替療法選択。

② 原発性糸球体疾患:腎炎、ネフローゼ症候群の病因、症候、診断と治療。

③ 腎血管障害:腎血管性高血圧症、悪性腎硬化症、コレステロール塞栓症

④ 尿細管機能異常:尿細管性アシドーシスの分類、病態生理、診断と治療。Fanconi(ファンコニ

ー)症候群。

⑤ 間質性腎疾患:急性·慢性腎盂腎炎、急性·慢性間質性腎炎の病因、症候、診断と治療

⑥ 全身性疾患による腎障害:糖尿病(性)腎症、ループス腎炎の症候、アミロイド腎症、膠原病類縁

疾患(血管炎症候群、抗基底膜病)、IgA血管炎の診断と治療。

⑦ 遺伝性腎疾患:多発性嚢胞腎、ファブリー病、アルポート症候群の診断と治療。

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6. 教科書・参考書

A 腎泌尿器外科

腎盂・尿管・膀胱癌取扱い規約

前立腺癌取扱い規約

腎癌取扱い規約

女性下部尿路症状診療ガイドライン

前立腺肥大症診療ガイドライン

腎癌診療ガイドライン

前立腺癌診療ガイドライン

過活動膀胱診療ガイドライン

推薦図書

スタディメイト泌尿器科学

副腎・性腺疾患の臨床

標準泌尿器科学 第4版

泌尿器科診療ガイド

泌尿器疾患の最新医療

B 腎臓内科

エビデンスに基づく進行性腎障害 診療ガイドライン 2014(日本腎臓学会編)

エビデンスに基づくネフローゼ診療ガイドライン 2014(日本腎臓学会編)

IgA 腎症診療ガイドライン 2014(日本腎臓学会編)

エビデンスに基づく急速進行性腎炎症候群(RPGN)診療ガイドライン 2014(日本腎臓学会編)

エビデンスに基づく多発性囊胞腎(PKD)診療ガイドライン 2014(日本腎臓学会編)

腎障害患者におけるヨード造影剤使用に関する共同編集 日本腎臓学会・日本医学放射線学会・日本

循環器学会 東京医学社

[腎・尿路系コア・カリキュラムテキスト]今井裕一他編(文光堂)

Comprehensive Clinical Nephrology, ELESEVIER

CKD診療テキスト 中外医学社

Textbook of Medical Physiology,Guyton and Hall,ELSEVIER

腎生検診断 Navi 改訂第 2版(MEDICAL VIEW)

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7. 学習項目

腎泌尿器外科

レベル 尿路疾患 性器疾患

解剖・生理 症候 検査・処置 疾患(鑑別) 治療・手術 解剖・生理 症候 検査・処置 疾患(鑑別) 治療・手術

尿路の解剖・生

尿の異常、疼

痛、腫瘤と腫

脹、発熱など

一般臨床検査

法、腎機能検査

法(総腎機能検

査法、分腎機能

検査法)、X 線

検査法、超音波

診断法

尿路の発生と奇

形、腎不全、尿

路の感染症、尿

路の腫瘍(腎腫

瘍、膀胱腫瘍)、

尿路結石症、神

経因性膀胱、尿

路感染症、尿失

経尿道的切除

術、尿路結石に

対する手術

性器の解剖・生

性器の異常、疼

痛、腫瘤と腫

脹、発熱など

一般臨床検査

法、器械的検査

法(カテーテルと

ブジー、経尿道

的操作)、X 線

検査法、超音波

診断法

性器の発生と奇

形、性器の感染

症、性器の腫瘍

(前立腺腫瘍、

精巣腫瘍)

経尿道的切除

副腎の解剖と生

内視鏡的検査

法、内分泌機能

検査法、磁気共

鳴画像検査法

MRI(NMR-

CT)、生検法

(腎生検法、膀

胱生検法)

尿路の損傷と異

物、尿路通過障

害(上部/下部

尿路閉塞症)、

尿路の腫瘍(腎

盂腫瘍、尿管腫

瘍)、泌尿器科

における内分泌

疾患

腹腔鏡下手術、

尿路変更術

副性器の解剖と

生理

磁気共鳴画像

検査法 MRI

(NMR-CT)、生

検法(前立腺生

検法)

性器の損傷と異

物、尿路通過障

害(下部尿路閉

塞症)、泌尿器

科における内分

泌疾患

腹腔鏡下手術

尿路機能検査

法(膀胱内圧測

定法尿流測定

法、尿道壁圧測

定、尿道外括約

筋筋電図)、核

医学的診断法

(RI レノグラフィ

ー、腎シンチグ

ラフィー、副腎シ

ンチグラフィー、

骨シンチグラフィ

ー)、遺伝学的

検査法

尿路の腫瘍(尿

道腫瘍)、泌尿

器科における高

血圧症ならびに

血管疾患、泌尿

器科における精

神・神経疾患、

小児泌尿器疾

患、婦人泌尿器

疾患

ロボット支援腹

腔鏡下手術

X 線検査法(精

嚢造影)、遺伝

学的検査法

性器の腫瘍(精

嚢腫瘍、陰茎腫

瘍)、小児泌尿

器疾患、婦人泌

尿器疾患

ロボット支援腹

腔鏡下手術

腎内科

レベル 腎臓 体液・電解質・酸塩基異常

解剖・生理 機能・症候 検査・処置 診断・疾患(鑑別) 治療 解剖・生理 機能・症候 検査・処置 診断・疾患(鑑別) 治療

腎臓の構造

(糸球体、尿細

管間質、血管)

腎臓の機能

(体液の恒常性

維持)

腎糸球体におけ

る濾過の機序

尿検査

腹部エコー

腹部 CT,MRI

核医学検査

腎生検の適応と

禁忌

乏尿

多尿

脱水

浮腫

蛋白尿

血尿

体液量、組成·浸

透圧

水電解質・酸塩

基平衡

水電解質・酸塩

基平衡の調節

機構

腎に作用するホ

ルモン·血管作

働性物質の作

電解質異常に

伴う症候

体液量の評価 高 Na 血症

低 Na 血症

高 K 血症

低 K 血症

電解質異常の

治療

腎臓の構造

(腎·尿路系の位

置·形態と血管

分布·神経支配)

ネフロン各部の

構造

尿細管各部にお

ける再吸収·分

泌機構と尿の濃

縮機序

糸球体濾過量

の測定

尿細管機能検

酸塩基平衡の

評価

アシデミア

アルカレミア

アシドーシス

アルカローシス

酸塩基異常の

治療

高 Ca 血症

低 Ca 血症

高 P 血症

低 P 血症

高 Cl 血症

低 Cl 血症

レベル

腎不全 糸球体病変

解剖・生理 機能・症候 検査・処置 診断・疾患(鑑

別) 治療 解剖・生理 機能・症候 検査・処置

診断・疾患(鑑

別) 治療

急性腎不全の

病因

慢性腎不全の

病因

急性腎不全の

症候

慢性腎不全の

症候

急性腎不全の

診断

慢性腎不全の

診断

急性腎不全の

治療

慢性腎不全の

治療

急性糸球体腎

炎の病因

慢性糸球体腎

炎の病因

ネフローゼ症候

群の病因

急性糸球体腎

炎の症候

慢性糸球体腎

炎の症候

ネフローゼ症候

群の症候

急性糸球体腎

炎の診断

慢性糸球体腎

炎の診断

ネフローゼ症候

群の診断

急性糸球体腎

炎の治療

慢性糸球体腎

炎の治療

ネフローゼ症候

群の治療

腎代替療法選

二次性糸球体

疾患の病因

遺伝性腎疾患

の病因

二次性糸球体

疾患の症候

遺伝性腎疾患

の症候

二次性糸球体

疾患の診断

遺伝性腎疾患

の診断

二次性糸球体

疾患の治療

遺伝性腎疾患

の治療

レベル

尿細管間質病変 血管病変

解剖・生理 機能・症候 検査・処置 診断・疾患(鑑

別) 治療 解剖・生理 機能・症候 検査・処置

診断・疾患(鑑

別) 治療

尿細管機能

Fanconi (ファン

コニー)症候群

(腎性糖尿を含

む)病態生理

腎血管性高血

圧症

腎血管性高血

圧症の検査

腎血管性高血

圧症

腎血管性高血

圧症の治療

Ⅱ 尿細管性アシド

ーシス病態生理

尿細管性アシド

ーシス診断

尿細管性アシド

ーシス治療

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8. オフィスアワー(質問の時間)

腎泌尿器外科 PHS e-mail 質問できる時間帯

高原 健 uro037 月曜日~金曜日 9時~17時メールにて相談

腎臓内科 PHS e-mail 質問できる時間帯

森 龍彦 tatmori 24 時間、メール、LINE にて相談、LINE、メールアドレ

スにまずコンタクト

メールは、上記アドレス(e-mai)の後に@osaka-med.ac.jp をつけてください。

9. 初日の集合時間、場所

◆ 腎泌尿器外科:8時 45 分に 56 病棟ナースステーション前

◆ 腎臓内科 :7時 45 分に 78 病棟ナースステーション前

10. コース説明と時間割

◆ 第1週月曜朝の総合オリエンテーションで腎内科患者 1名、泌尿器科患者 2名を 1グループに担当

させる。

◆ 担当患者の検査、手術の際はほかの予定より優先させ参加する。

◆ 講義は 6人で参加。

学生 7:45-

8:30

8:30-

9:00 9:00-10:00 10:00-12:00

13:00-

14:00 14:00-14:30 14:30-15:30 15:30-16:30 16:30-17:00

17:30-

18:15

Uro

①②③ 総合オリ

エンテー

ション

腎内科症例

提示解説 病棟処置化学療法

泌尿器科

症例提示

解説

経直腸的超音波検

査/前立腺生検 手術実習

泌尿器科手術腹腔

腎移植 血液透析 腹

膜透析

Nep

④⑤⑥

腎内廻

外来④病棟⑤⑥実

習(9:30-12:00) 外来⑤病棟④⑥実習

Uro

①②③

病棟実

外来実習 ①泌尿器科初診②膀胱

鏡検査③慢性期外来透析(三島南) 自学自習

泌尿器科手術エンド

ウロロジー

エンドウロロジー(尿

管鏡、ESWL、TUL、

PNL) 腎臓病概要

病棟実習 国試対策

演習 Nep

④⑤⑥

腎内廻

診 外来⑥病棟④⑤実習 病棟実習 病棟実習

Uro

①②③

病棟実

外来実習 ①慢性期外来透析(三島

南)②泌尿器科初診③膀胱鏡検査 病棟実習

腎内科カンファレンス 病理検討会(森)

(14:00-15:00) 全体講義特別演習

Nep

④⑤⑥

腎内廻

診 外来④病棟⑤⑥実習

Uro

①②③

病棟実

外来実習 ①膀胱鏡検査②慢性期

外来透析(三島南)③泌尿器科初診 自学自習

体外衝撃波結石破

砕術 手術実習

水電解質異常

(16:00-17:00)

Nep

④⑤⑥

腎内廻

診 外来⑤病棟④⑥実習 腎生検実習(13:30-15:00)

Uro

①②③

病棟実

急性期入院透析(大学血液浄化セ

ンター) 泌尿器科

回診症例

提示準備

泌尿器科回診 カンファレンス 症例提示 泌尿器科基本手技(シ

ュミレーション室)

Nep

④⑤⑥

腎内廻

診 外来⑥病棟④⑤実習

学生 7:45-

8:30

8:30-

9:00

9:00-

10:00 10:00-12:00

13:00-

14:00 14:00-14:30 14:30-15:30 15:30-16:30 16:30-17:00

17:30-

18:15

Uro

④⑤⑥

病棟

実習

病棟処置

化学療法 急性慢性腎不全

講義

泌尿器科

症例提示

解説

経直腸的超音波

検査/前立腺生検 手術実習

病棟実習

Nep

①②③

腎内廻

腎内科症

例提示解

外来②病棟①③実習

Uro

④⑤⑥

病棟

実習

外来実習 ④泌尿器科初診⑤膀

胱鏡検査⑥慢性期外来透析(三

島南) 病棟実習 尿路感染 大井

(14:00-15:00)

エンドウロロジー

(尿管鏡、ESWL、

TUL、PNL) 腎炎・ネフローゼ(15:00-17:00) 国試対

策演習 Nep

①②③

腎内廻

診 外来③病棟①②実習 病棟実習

Uro

④⑤⑥

病棟

実習

外来実習 ④慢性期外来透析(三

島南)⑤泌尿器科初診⑥膀胱鏡

検査

自学自習 手術実習 腎内科カンファレ

ンス 病理検討会

(14:00-15:00)

全体講義特別演習

Nep

①②③

腎内廻

診 外来①病棟②③実習 自学自習

Uro

④⑤⑥

病棟

実習

外来実習 ④膀胱鏡検査⑤慢性

期外来透析(三島南)⑥泌尿器科

初診 自学自習

体外衝撃波結石

破砕術 手術実習

腎内科総括試問(森)(15:00-17:00)

Nep

①②③

腎内廻

診 外来②病棟①③実習 腎生検実習(13:30-15:00)

Uro

④⑤⑥

病棟

実習

急性期入院透析(大学血液浄化

センター) 泌尿器科

回診症例

提示準備

泌尿器科回診 カンファレンス 症例提示 泌尿器科総括試問

Nep

①②③

腎内廻

診 外来③病棟①②実習

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皮膚・形成コース

1. コース名等

1) コース名 皮膚・形成コース

2) コース責任者 森脇 真一、上田 晃一

3) コース主任 黒川 晃夫、岡田 雅

4) 指導教員 谷崎 英昭、兪 明寿、穀内 康人、大塚 俊宏、塗 隆志、岩永 紘征、市田 竜也、

光野 乃祐

2. 一般目標

皮膚の構造と機能を理解し、皮膚疾患の症候、病態、病理、診断と内科的および外科的治療を理解する。

3. 到達目標:以下の項目(国家試験レベル)が到達目標となる。

1) 構造と機能

① 表皮の構造を図示できる。

② 皮膚の主な働きについて説明できる。

③ 表皮、真皮に存在する細胞について説明できる。

④ メラノサイトの分布とメラニンの機能について説明できる。

⑤ 毛周期について説明できる。

2) 発疹学

① 原発疹と続発疹について説明できる。

② 粘膜疹について説明できる。

③ 皮膚描記症について説明できる。

④ Nikolsky 現象について説明できる。

⑤ Köbner現象について説明できる。

⑥ Auspitz 現象について説明できる。

3) 診断と検査の基本

① パッチテスト、光パッチテストについて説明できる。

② プリックテスト、スクラッチテスト、皮内テストについて説明できる。

③ 硝子圧法について説明できる。

④ 薬剤リンパ球刺激試験(DLST)について説明できる。

⑤ ダーモスコピーについて説明できる。

⑥ 真菌検査法について説明できる。

⑦ Tzanck テストについて説明できる。

4) 皮膚病理組織学

① 正常皮膚の組織像を図示できる。

② 表皮肥厚、表皮萎縮について説明できる。

③ 過角化、不全角化、個細胞角化について説明できる。

④ 海面状態について説明できる。

⑤ 液状変性について説明できる。

⑥ 肉芽腫について説明できる。

⑦ 蛍光抗体法について説明できる。

5) 治療学

① 外用療法について説明できる。

② 副腎皮質ステロイド外用薬、内服薬の作用機序、適応・禁忌となる疾患、副作用について説明で

きる。

③ 免疫抑制剤外用薬(タクロリムス)、内服薬の作用機序、適応・禁忌となる疾患、副作用について

説明できる。

④ 活性型ビタミン D3外用薬の適応疾患について説明できる。

⑤ レチノイド内服薬の適応疾患について説明できる。

⑥ 主な抗菌外用薬、内服薬の適応疾患について説明できる。

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⑦ 主な抗真菌外用薬、内服薬の適応疾患について説明できる。

⑧ 主な抗ウイルス外用薬、内服薬の適応疾患について説明できる。

⑨ 抗ヒスタミン薬の作用機序と適応疾患、副作用について説明できる。

⑩ 生物学的製剤の適応疾患について説明できる。

⑪ レーザー療法の基礎と主な適応疾患について説明できる。

⑫ 紫外線療法の基礎と主な適応疾患について説明できる。

⑬ 植皮・皮弁の概念、治療について説明できる。

⑭ マイクロサージャリーの概念、治療について説明できる。

6) 疾患

① 湿疹・皮膚炎の病因、検査、診断、治療について説明できる。

湿疹、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、貨幣状湿疹、自家感作性皮膚炎、うっ滞性皮膚炎、

皮脂欠乏性湿疹、異汗性湿疹

② 蕁麻疹・痒疹・皮膚そう痒症の病因、検査、診断、治療について説明できる。

蕁麻疹、血管性浮腫、食物依存性運動誘発アナフィラキシー、痒疹、色素性痒疹、皮膚そう痒症

③ 紅斑・紅皮症の病因、検査、病理、診断、治療について説明できる。

多形滲出性紅斑、Stevens-Johnson 症候群(SJS)、Sweet 症候群、環状紅斑、紅皮症(湿疹性・薬

剤性・乾癬性・腫瘍随伴性など)

④ 薬疹・中毒疹の病因、発症機序、発疹型、検査、病理、診断、治療について説明できる。

播種状紅斑丘疹型薬疹、湿疹型薬疹、固定薬疹、Stevens-Johnson 症候群(SJS)型薬疹、

中毒性表皮壊死症(toxic epidermal necrolysis:TEN)型薬疹、紫斑型薬疹、ざ瘡型薬疹、

乾癬型・(扁平)苔癬型薬疹、薬剤過敏症症候群(drug-induced hypersensitivity

syndrome;DIHS)

⑤ 移植片対宿主病(graft-versus-host disease;GVHD)の病因、病理、診断、治療について説明できる。

急性 GVHD、慢性 GVHD

⑥ 血管炎・紫斑・その他の脈管疾患の病因、検査、病理、診断、治療について説明できる。

皮膚小血管性血管炎、Henoch-Schönlein 紫斑病、蕁麻疹様血管炎、結節性多発動脈炎・皮膚型

結節性多発動脈炎、顕微鏡的多発血管炎、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(旧 Churg-Strauss 症

候群)、側頭動脈炎、Behçet 病、川崎病、壊疽性膿皮症、Buerger 病、血栓性静脈炎、血小板減

少性紫斑病(特発性・続発性)、クリオグロブリン血症、色素性紫斑病、老人性紫斑、単純性紫斑、

ステロイド性紫斑、閉塞性動脈硬化症、糖尿病性壊疽、Raynaud 現象・Raynaud 病、網状皮斑

(livedo)、リンパ浮腫

⑦ 膠原病および類縁疾患の病因、検査、病理、診断、治療、合併症について説明できる。

エリテマトーデス(全身性;SLE、円盤状;DLE)、強皮症(全身性、限局性)、皮膚筋炎、Sjögren

症候群、混合性結合組織病、オーバーラップ症候群、抗リン脂質抗体症候群、関節リウマチ、成

人 Still 病

⑧ 物理化学的皮膚障害の病因、深達度、診断、治療について説明できる。

熱傷、凍瘡・凍傷、化学熱傷、放射線皮膚炎、褥瘡

⑨ 光線性皮膚疾患の病因、検査、診断、治療について説明できる。

日光皮膚炎、光アレルギー性皮膚炎、光毒性皮膚炎、日光蕁麻疹、慢性光線性皮膚炎、多形日光

疹、種痘様水疱症、色素性乾皮症

⑩ 水疱症・膿疱症の病因、検査、病理、診断、治療について説明できる。

表皮水疱症、Hailey-Hailey 病、尋常性天疱瘡、増殖性天疱瘡、落葉状天疱瘡、紅斑性天疱瘡、

腫瘍随伴性天疱瘡、水疱性類天疱瘡、後天性表皮水疱症、Duhring 疱疹状皮膚炎、線状 IgA水疱

性皮膚症、掌蹠膿疱症、角層下膿疱症、好酸球性膿疱性毛包炎

⑪ 角化症の病因、検査、病理、診断、治療について説明できる。

尋常性魚鱗癬、道化師様魚鱗癬、葉状魚鱗癬、先天性魚鱗癬様紅皮症、表皮融解性魚鱗癬、掌蹠

角化症、Darier 病、尋常性乾癬、滴状乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症、乾癬性関節炎、毛孔

性紅色粃糠疹、類乾癬、扁平苔癬、光沢苔癬、Gibert ばら色粃糠疹、鶏眼・胼胝、毛孔性角化

症、黒色表皮腫

⑫ 色素異常症の病因、診断、治療について説明できる。

眼皮膚白皮症、尋常性白斑、まだら症、Vogt・小柳・原田病、雀卵斑、肝斑、老人性色素斑、

Addison 病、柑皮症、刺青

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151

⑬ 代謝異常症の病因、病理、診断、治療について説明できる。

皮膚限局性アミロイドーシス、全身性アミロイドーシス、毛包性ムチン沈着症、黄色腫、亜鉛欠

乏症候群、ヘモクロマトーシス、ペラグラ、ポルフィリン症(晩発性皮膚ポルフィリン症など)、

糖尿病性壊疽、糖尿病性浮腫性硬化症、リポイド類壊死症、糖尿病性水疱症、Dupuytren 拘縮、

Fabry 病、フェニルケトン尿症

⑭ 真皮・皮下脂肪組織の疾患の病因、検査、病理、診断、治療について説明できる。

皮膚伸展線条、皮膚老化、Werner 症候群、サルコイドーシス、環状肉芽腫、Ehlers-Danlos 症候

群、Marfan 症候群、弾性線維性仮性黄色腫、結節性紅斑、硬結性紅斑

⑮ 付属器疾患の病因、検査、病理、診断、治療について説明できる。

汗疹、臭汗症、多汗症、尋常性ざ瘡、酒さ、酒さ様皮膚炎、顔面播種状粟粒性狼瘡、円形脱毛症、

男性型脱毛症、トリコチロマニア(抜毛症)、時計皿爪、匙型爪、爪甲剥離症、点状陥凹、陥入爪

⑯ 母斑と神経皮膚症候群の病因、検査、病理、診断、治療について説明できる。

母斑細胞性母斑、巨大先天性色素性母斑、青色母斑、太田母斑、蒙古斑、表皮母斑、脂腺母斑、

扁平母斑・カフェオレ斑、Becker 母斑、神経線維腫症 1型、結節性硬化症、Peutz-Jeghers 症候

群、色素失調症、Sturge-Weber 症候群、Klippel-Trenaunay-Weber 症候群

⑰ 皮膚の良性腫瘍の病因、検査、病理、診断、治療について説明できる。

脂漏性角化症、汗孔角化症、毛母腫、外毛根鞘腫、脂腺増殖症、脂腺腺腫、脂腺腫(脂腺上皮腫)、

汗管腫、エクリン汗孔腫、類表皮嚢腫、稗粒腫、外毛根鞘嚢腫、神経線維腫、神経鞘腫、老人性

血管腫、化膿性肉芽腫(毛細血管拡張性肉芽腫)、グロムス腫瘍、静脈湖、クモ状血管拡張、被角

血管腫、軟性線維腫、皮膚線維腫、指趾粘液嚢腫・ガングリオン、黄色肉芽腫、脂肪腫、平滑筋

腫、皮膚リンパ球腫、木村病、肥満細胞症、形質細胞増多症

⑱ 皮膚の悪性腫瘍の病因、検査、病理、診断、治療、予後について説明できる。

基底細胞癌、有棘細胞癌、光線角化症、Bowen 病、白板症、ケラトアカントーマ、脂腺癌、外毛

根鞘癌、乳房外 Paget 病、エクリン汗孔癌、Merkel 細胞癌、隆起性皮膚線維肉腫、悪性線維性

組織球腫、脂肪肉腫、血管肉腫、Kaosi 肉腫、転移性皮膚腫瘍、菌状息肉症、Sezary 症候群、成

人 T細胞性白血病・リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、皮膚白血病、悪性黒色腫

⑲ ウイルス感染症の病因、疫学、検査、病理、診断、治療について説明できる。

単純ヘルペスウイルス感染症、水痘、帯状疱疹、尋常性疣贅、扁平疣贅、尖圭コンジローム、伝

染性軟属腫、麻疹、風疹、突発性発疹、伝染性紅斑、Gianotti-Crosti 症候群、手足口病、伝染

性単核球症、後天性免疫不全症候群、

⑳ 細菌感染症の病因、疫学、検査、病理、診断、治療について説明できる。

伝染性膿痂疹、丹毒、蜂窩織炎、毛包炎、せつ・癰(よう)、細菌性爪囲炎、ブドウ球菌性熱傷様

皮膚症候群、トキシックショック症候群、トキシックショック様症候群、猩紅熱、壊死性筋膜炎、

ガス壊疽、敗血症、Osler結節、紅色陰癬、猫ひっかき病、Pasteurella multocida 感染症、放

線菌症、外歯瘻

○21 真菌症の病因、検査、診断、治療について説明できる。

足白癬・爪白癬・手白癬・体部白癬・股部白癬・頭部白癬、Celsus 禿瘡、Trichophyton

tonsurans 感染症、カンジダ性間擦疹、カンジダ性指趾間びらん症、カンジダ性爪囲炎、爪カン

ジダ症、口腔カンジダ症、癜風、マラセチア毛包炎、スポロトリコーシス、クロモブラストミコ

ーシス

○22 抗酸菌感染症の病因、疫学、検査、病理、診断、治療について説明できる。

皮膚腺病、尋常性狼瘡、皮膚疣状結核、硬結性紅斑、丘疹壊疽性結核疹、腺病性苔癬、

Mycobacterium marinum 感染症(非結核性抗酸菌症)、ハンセン病

○23 性感染症の病因、検査、診断、治療について説明できる。

梅毒、軟性下疳、性病性リンパ肉芽腫

○24 節足動物などによる皮膚疾患の病因、検査、診断、治療について説明できる。

虫刺症、毛虫皮膚炎、線状皮膚炎、疥癬、シラミ症、マダニ刺咬症、ライム病、ツツガムシ病、

クリーピング病

○25 頭蓋顔面の先天異常の概念、疫学、原因、症状、検査、治療について説明できる。

頭蓋骨早期癒合症、唇顎口蓋裂

○26 頭蓋顔面外科の概念、疫学、原因、症状、検査、治療について説明できる。

顔面骨折(Le fort 型骨折、下顎骨折、頬骨骨折、上顎骨骨折)、鼻骨骨折、吹き抜け骨折、頭蓋

骨骨折(前頭骨骨折、側頭骨骨折)、頭頸部再建

○27 瘢痕・ケロイドの概念、疫学、原因、病態、症状、検査、治療、予後について説明できる。

肥厚性瘢痕、ケロイド

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4. 評価法

チュートリアル・講義の出欠・評価、試験により総合的に評価する。

① 合格点 100点法により行い、評価点が 60点以上を合格とする。

② 評価点の算出・内訳 チュートリアルの出席点、チューター評価(20点)

授業および実習の出席および態度の評価(20点)

実習試験およびコース試験の成績(60点)

③ 再追試験 ①の評価点が 60 点に満たない場合、および②の各内訳における点数が 2 割に満たない場

合、再試験を行う。

5. 予習項目

1) 皮膚の構造と機能

【表皮の構造と皮膚の主な働き】

【表皮、真皮に存在する細胞と主な働き】

2) 発疹学

【皮膚描記症】

【Nikolsky 現象】

【Köbner 現象】

【Auspitz 現象】

3) 診断と検査の基本

【パッチテスト、光パッチテスト】

【プリックテスト、スクラッチテスト、皮内テスト】

【硝子圧法】

【薬剤リンパ球刺激試験(DLST)】

【ダーモスコピーの基本】

【真菌検査法】

【Tzanck テスト】

4) 皮膚病理組織学

【正常皮膚の組織像】

【表皮肥厚、表皮萎縮】

【過角化、不全角化、個細胞角化】

【海面状態】

【肉芽腫】

【肉芽腫】

【蛍光抗体法】

5) 治療学

【外用療法】

【副腎皮質ステロイド外用薬、内服薬の作用機序、適応・禁忌となる疾患、副作用】

【免疫抑制剤外用薬(タクロリムス)、内服薬の作用機序、適応・禁忌となる疾患、副作用】

【活性型ビタミン D3外用薬の適応疾患】

【レチノイド内服薬の適応疾患】

【抗ヒスタミン薬の作用機序と適応疾患、副作用】

【レーザー療法の基礎と主な適応疾患】

【紫外線療法の基礎と主な適応疾患】

【植皮・皮弁の概念、治療】

【マイクロサージャリーの概念、治療】

6. 教科書・参考書

あたらしい皮膚科学 第2版 中山書店

標準皮膚科学 第10版 医学書院

皮膚科学 改定9版 金芳堂

皮膚疾患 最新の治療 2015-2016 南江堂

1冊でわかる皮膚病理 文光堂

標準形成外科学 第 6 版 医学書院

形成外科手術書 改訂第 4版 南江堂

アトピー性皮膚炎ガイドライン 2016年版 日本皮膚科学会編

接触皮膚炎診療ガイドライン 2009年版 日本皮膚科学会編

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蕁麻疹診療ガイドライン 2011年版 日本皮膚科学会編

創傷・熱傷ガイドライン委員会報告―6:熱傷診療ガイドライン 2011年版 日本皮膚科学会編

天疱瘡診療ガイドライン 2010年版 日本皮膚科学会編

膿疱性乾癬(汎発型)診療ガイドライン 2014年版 日本皮膚科学会編

尋常性ざ瘡治療ガイドライン2016 2016年版 日本皮膚科学会編

日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン2010 2010年版 日本皮膚科学会編

神経線維腫症1型(レックリングハウゼン病)の診断基準および治療ガイドライン 2008年版 日本

皮膚科学会編

結節性硬化症の診断基準および治療ガイドライン 2008年版 日本皮膚科学会編

皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン第2版 2015年版 日本皮膚科学会編

皮膚悪性腫瘍取扱い規約第2版 2010年版 日本皮膚悪性腫瘍学会編 金原出版

皮膚真菌症診断・治療ガイドライン 2009年版 日本皮膚科学会編

7. 学習項目

湿疹・皮膚炎群 蕁麻疹

病因 症候 検査 診断 治療・手術 病因 症候 検査 診断 治療・手術

レベルⅠ

Ⅳ型アレルギー

外的因子

内的因子

アトピー素因(ア

トピー性皮膚炎)

紅斑、丘疹、小水

疱、膿疱、湿潤、

結痂、落屑、苔癬

化、色素沈着、そ

う痒

貼付試験

血清総 IgE

TARC(アトピー性

皮膚炎)

白色描記症(アト

ピー性皮膚炎)

急性湿疹

慢性湿疹

接触皮膚炎

アトピー性皮膚炎

副腎皮質ステロ

イド薬外用

抗ヒスタミン薬内

原因物質の除去

スキンケア(アト

ピー性皮膚炎)

Ⅰ型アレルギー

細菌感染

物理的刺激

発汗

精神的ストレス

薬剤

膨隆疹

そう痒

プリックテスト、

スクラッチテスト、

皮内反応

血清総 IgE

紅色描記症

急性蕁麻疹

慢性蕁麻疹

血管性浮腫

食物依存性運動

誘発アナフィラキ

シー

抗ヒスタミン薬内

レベルⅡ

フィラグリンの産

生低下(アトピー

性皮膚炎)

脂漏性皮膚炎

貨幣状湿疹

自火感作性皮膚

うっ滞性皮膚炎

皮脂欠乏性湿疹

レベルⅢ

SCORAD ( ア トピ

ー性皮膚炎)

紅斑症 紫斑病・血管炎

病因 症候 検査 診断 治療・手術 病因 症候 検査 診断 治療・手術

レベルⅠ

感染症

薬剤

紅斑

粘膜疹

(Stevens-Johnson

症候群(SJS))

発熱(SJS、

Sweet 症候群)

CRP、ASO

単純ヘルペスウ

イルス抗体価、

マイコプラズマ抗

体価(多形滲出

性紅斑)

多形滲出性紅斑

Stevens-Johnson

症候群(SJS)

紅皮症

副腎皮質ステロ

イド薬内服、外用

抗ヒスタミン薬内

上気道感染、レ

ンサ球菌感染

(Henoch-Schönlein

紫斑病)

発熱、紫斑、関節

症状、腎機能障

害、末梢神経障

害、皮下結節、リ

ベド、紫斑、潰瘍、

口腔内アフタ、陰

部潰瘍、毛包炎、

結節性紅斑、眼

病変

血清 ASO 値、

血尿、蛋白尿

HLA-B51

(Behçet 病)

Henoch-Schönlein

紫斑病

結節性多発動脈

Behçet 病

壊疽性膿皮症

副腎皮質ステロ

イド薬全身投与

安静

(Henoch-Schönlein

紫斑病)

レベルⅡ

腫瘍(紅皮症)

乾癬(紅皮症)

関節痛、疼痛

(Sweet 症候群)

Sweet 症候群

環状紅斑

NSAIDs、コルヒ

チン内服(Sweet

症候群)

気管支喘息、好

酸球増多、神経

炎、肺浸潤、副鼻

腔の異常、血管

外好酸球増多、

紫斑、蕁麻疹、浮

腫性紅斑、皮下

結節、血疱(好酸

球性多発血管炎

性肉芽腫症)

P-ANCA 好酸球性多発血

管炎性肉芽腫症

NSAIDs、コルヒ

チン内服(Behçet

病)

レベルⅢ

膠原病 薬疹

病因 症候 検査 診断 治療・手術 病因 症候 検査 診断 治療・手術

レベルⅠ

各種の自己免疫

疾患

蝶形紅斑、円板

状皮疹、光線過

敏症、口腔潰瘍、

関節炎、腎障害、

皮膚硬化、舌小

帯短縮、仮面様

顔貌

ヘリオトロープ疹、

ゴットロン徴候

環状紅斑、口腔

内乾燥

抗核抗体

各種の自己抗体

エリテマトーデス

強皮症

皮膚筋炎

Sjögren 症候群

副腎皮質ステロ

イド薬全身投与

副腎皮質ステロ

イド薬外用

アレルギー性

非アレルギー性

丘疹

紅斑

粘膜疹

色素沈着

薬剤リンパ球刺

激試験(DLST)

貼付試験

プリックテスト、ス

クラッチテスト、皮

内反応

播種状紅斑丘疹

型薬疹

Stevens-Johnson症

候群(SJS)型薬疹

中毒性表皮壊死

症(toxic epidermal

necrolysis:TEN)

型薬疹

薬剤過敏症症候

群(drug-induced

hypersensitivity

syndrome;DIHS)

被疑薬の中止

副腎皮質ステロ

イド薬外用、内服

抗ヒスタミン薬内

レベルⅡ

凝固異常、血管

障害

手指腫脹、

肺高血圧症、

血栓塞栓症、

習慣性流産、

下腿潰瘍

混合性結合組織

オーバーラップ症

候群

抗リン脂質抗体

症候群

抗凝固療法(抗リ

ン脂質抗体症候

群)

固定薬疹 免疫グロブリン大

量静注療法

血漿交換療法

レベルⅢ

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154

水疱症・膿疱症 角化症・炎症性角化症

病因 症候 検査 診断 治療・手術 病因 症候 検査 診断 治療・手術

レベルⅠ

後天性自己免疫疾

患、喫煙、細菌感

染、齲歯、鹿金属

アレルギー(掌蹠

膿疱症)

水疱、びらん、膿

蛍光抗体法、金

属パッチテスト

(掌蹠膿疱症)

尋常性天疱瘡、

落葉状天疱瘡、

水疱性類天疱

瘡、掌蹠膿疱症

副腎皮質ステロ

イド薬全身投与

副腎皮質ステロ

イド薬外用

禁煙、活性型ビタ

ミン D3 外用、レ

チノイド内服、紫

外線療法(掌蹠

膿疱症)

フィラグリン遺伝

子変異(尋常性

魚鱗癬)

遺伝子変異

免疫学的要因

外的要因

魚鱗癬様外観、

落屑掌蹠の過角

化、角化性紅斑

局面、膿疱

Köbner 現象(尋

常性乾癬、扁平

苔癬)Auspitz 現

象(尋常性乾癬)

尋常性魚鱗癬

掌蹠角化症

尋常性乾癬

膿疱性乾癬

扁平苔癬

レチノイド内服、

サリチル酸ワセリ

ン外用

副腎皮質ステロ

イド薬外用

活性型ビタミン

D3 外用

紫外線療法

レベルⅡ

先天性、後天性自

己免疫疾患、遺伝

子変異

水疱、びらん、膿

蛍光抗体法

電子顕微鏡

表皮水疱症

Hailey-Hailey 病

後天性表皮水疱

Duhring 疱疹状

皮膚炎

局所療法

副腎皮質ステロ

イド薬全身投与

副腎皮質ステロ

イド薬外用

DDS 内服

遺伝子変異 角化性丘疹、紅

斑、落屑

関節炎

Darier 病

乾癬性関節炎

毛孔性紅色粃糠

類乾癬

レチノイド内服、

サリチル酸ワセリ

ン外用

副腎皮質ステロ

イド薬外用

活性型ビタミン

D3 外用紫外線

療法

生物学的製剤

(乾癬性関節炎)

レベルⅢ

不明 そう痒を伴う丘

疹、膿疱

末梢血好酸球増

好酸球性膿疱性

毛包炎

インドメサシン内

母斑・母斑症 皮膚良性腫瘍

病因 症候 検査 診断 治療・手術 病因 症候 検査 診断 治療・手術

レベルⅠ

神経堤由来の細

胞の異常増殖

遺伝子変異

色素性の結節、

局面

カフェオレ斑、神

経線維腫、(神経

線維腫症 1 型)

多発血管線維

腫、粒起革様皮

膚、葉状白斑、爪

囲線維腫(結節

性硬化症)

単純性血管腫、

精神遅滞、眼圧

亢進(Sturge-

Weber 症候群)

母斑細胞性母斑

表皮母斑

脂腺母斑

扁平母斑

神経線維腫症 1

結節性硬化症

Sturge-Weber 症

候群

手術

レーザー療法

老化 結節、小結節

嚢腫

腫瘤

脂漏性角化症

類表皮嚢腫

稗粒種

神経線維腫

軟性線維腫

皮膚線維腫

脂肪腫

肥満細胞腫

手術

凍結療法

レベルⅡ

真皮メラノサイト

の増殖

遺伝子変異

色素性の結節、

局面

口唇、口唇粘膜、

四肢末端の色素

班、消化管ポリポ

ーシス(Peutz-

Jeghers 症候群)

紅斑、水疱、丘

疹、色素沈着(色

素失調症)

四肢の血管奇形

と患肢の肥大延

長(Klippel-

Trenaunay-

Weber 症候群)

青色母斑

太田母斑

蒙古斑

Peutz-Jeghers

症候群

色素失調症

Klippel-

Trenaunay-

Weber 症候群

手術

レーザー療法

老化 角化性局面

結節、小結節

外的刺激

汗孔角化症

毛母腫

脂腺増殖症

汗管腫

エクリン汗孔腫

神経鞘腫

化膿性肉芽腫

グロムス腫瘍

被角血管腫

手術

レーザー療法

レベルⅢ

皮膚悪性腫瘍 細菌性皮膚疾患

病因 症候 検査 診断 治療・手術 病因 症候 検査 診断 治療・手術

レベルⅠ

老化

慢性刺激、外傷

紫外線

ヒ素

ヒトパピローマウ

イルス

結節、腫瘤

潰瘍

色素性局面

浸潤性局面、紅

皮症リンパ節腫

可用性 IL-2 レセ

プター、LDH

遺伝子再構成

基底細胞癌

有棘細胞癌

光線角化症

Bowen 病

乳房外 Paget 病

血管肉腫

菌状息肉症

悪性黒色腫

手術

イミキモド外用

(光線角化症)

化学療法

ブドウ球菌、レン

サ球菌などによ

る細菌感染症

発熱

発赤、腫脹、熱感

丘疹、膿疱、紫斑

水疱、びらん、潰

痂疲

圧痛

ASO

CRP

CT、MRI

伝染性膿痂疹

丹毒

蜂窩織炎

ブドウ球菌性熱

傷様皮膚症候群

壊死性筋膜炎

ガス壊疽

抗生物質全身投

抗生物質外用

外科的手術

レベルⅡ

老化

慢性刺激、外傷

紫外線

ヒトパピローマウ

イルス

HTLV-1 ウイルス

結節、腫瘤

潰瘍

色素性局面

浸潤性局面、紅

皮症リンパ節腫

可用性 IL-2 レセ

プター、LDH

HTLV-1 プロウイ

ルス DNA の単ク

ローン性の組込

ケラトアカントーマ

脂腺癌

隆起性皮膚線維

肉腫

悪性線維性組織

球腫 Sezary 症

候群

成人 T 細胞性白

血病・リンパ腫

手術

化学療法

ブドウ球菌、レン

サ球菌などによ

る細菌感染症

発熱

発赤、腫脹、熱感

丘疹、膿疱、紫斑

水疱、びらん、

潰瘍

痂疲

圧痛

ASO

CRP

CT、MRI

毛包炎

せつ・癰(よう)

トキシックショック

症候群

紅色陰癬

外歯瘻

抗生物質全身投

抗生物質外用

外科的手術

レベルⅢ

Merkel 細胞癌 細菌感染症 発熱

発赤、腫脹、熱感

丘疹、膿疱、紫斑

水疱、びらん、潰

瘍 痂疲

圧痛

ASO

CRP

CT、MRI

トキシックショック

様症候群

Pasteurella

multocida 感染症

放線菌症

抗生物質全身投

抗生物質外用

外科的手術

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ウイルス性皮膚疾患 真菌性皮膚疾患

病因 症候 検査 診断 治療・手術 病因 症候 検査 診断 治療・手術

レベルⅠ

ウイルス感染症 発熱

発赤、腫脹、熱感

丘疹

水疱、びらん

痂疲

圧痛

リンパ節腫脹

Nikolsky 現象

Tzanck 試験

単純ヘルペスウイ

ルス感染症

水痘

帯状疱疹

尋常性疣贅

尖圭コンジローム

伝染性軟属腫

麻疹

風疹

抗ウイルス薬全

身投与

対症療法

真菌感染症 紅斑

水疱

丘疹、膿疱

そう痒

検鏡

真菌培養

白癬(皮膚糸状

菌症)

皮膚カンジダ症

癜風

抗真菌薬外用

抗真菌薬内服

レベルⅡ

ウイルス感染症 発熱

発赤、腫脹、熱感

丘疹

水疱、びらん

痂疲

圧痛

リンパ節腫脹

肝機能

抗 HIV 抗体

扁平疣贅

伝染性紅斑

Gianotti-Crosti

症候群

手足口病

伝染性単核球症

後天性免疫不全

症候群

抗ウイルス薬全

身投与

対症療法

抗 HIV 薬多剤併

用療法

真菌感染症 紅斑

水疱

丘疹、膿疱

そう痒

発熱

検鏡

真菌培養

Celsus 禿瘡

マラセチア毛包

炎 スポロトリ

コーシス クロ

モブラストミコー

シス

抗真菌薬外用

抗真菌薬内服

ヨウ化カリウム内

服 温熱療法

外科的切除

レベルⅢ

真菌感染症 紅斑

水疱

丘疹、膿疱

そう痒

発熱

検鏡

真菌培養

Trichophyton

tonsurans 感染

抗真菌薬外用

抗真菌薬内服

頭蓋顔面の先天異常 瘢痕・ケロイド

病因 症候 検査 診断 治療・手術 病因 症候 検査 診断 治療・手術

レベルⅠ

遺伝子異常、原

因不明

口唇裂、口蓋裂 CT、MRI 唇裂口蓋裂、頭

蓋骨早期癒合症

唇裂手術、口蓋

裂手術

原因不明 発赤、隆起、疼痛 病理組織検査 肥厚性瘢痕、ケ

ロイド

圧迫療法、ステロ

イド局注療法、外

科的切除術

レベルⅡ

頭蓋の変形、水

頭症

骨延長術、骨切

り術

放射線治療

レベルⅢ

8. オフィスアワー

皮膚科 PHS e-mail 質問できる時間帯

黒川 晃夫 3584 [email protected] 月曜日 16:00-17:00、木曜日 17:00-18:00 皮膚科医局

形成外科 PHS e-mail 質問できる時間帯

岡田 雅 3564 [email protected] 月曜日 16:00-17:00、木曜日 17:00-18:00 形成外科医局

9. 初日の集合時間、場所

79 病棟会議室、午前 8時 30 分

10. コースの説明と時間割

コース説明

◇火曜日、水曜日、木曜日:午後からの予定は実習担当医の指示に従って下さい。

◇金曜日:午後は 14 時から 79 病棟会議室で入院患者のプレゼンテーションを行い、その後回診をします。

時間割

オリエンテーション皮膚科・形成外科(79病棟会議室)

15:00~17:00第5学年特別演習

入院患者症例提示

(79病棟会議室)○月曜日、火曜日、水曜日:午後の予定は実習担当医の指示に従って下さい。○金曜日:午後は14時から79病棟会議室で入院患者のプレゼンテーションを行い、その後回診を行います。

皮膚アレルギー試験(兪)

(皮膚科外来)

アトピー性皮膚炎(谷崎)

(皮膚科外来)

(大塚)(皮膚科外来)

(黒川)(皮膚科外来)

   8:30  9:00

乾癬

外来実習(森脇)真菌検査(処置係担当医)

(皮膚科外来)

(谷崎)(皮膚科外来)

外来実習(森脇)

外来実習

(黒川)(皮膚科外来)

回診(79病棟その他) 臨床・病理症例検討会(第5会議室)

手術実習(各科担当班)

(手術室)外来実習

(皮膚科外来)

(穀内)(皮膚科外来)

手術実習(各科担当班)

        12:00    13:00  13:30       14:00       14:15   14:30     14:45 15:15 15:30       16:00

皮膚生検・外来手術見学皮膚科外用療法

(手術室)

皮膚生検・外来手術見学(担当医)自学自習/病棟実習

自学自習/病棟実習

皮膚科漢方療法

(皮膚科外来)

(担当医)(皮膚科外来)

手術実習(形成外科担当班)

(手術室)

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17:00

15:00~17:00第5学年特別演習

入院患者症例提示

(79病棟会議室)

(手術室)

縫合実習 顔面骨実習 マイクロサージャリー実習

臨床・病理症例検討会(第5会議室)

自学自習/病棟実習

(形成外科担当班)手術実習

自学自習/病棟実習

   9:00         12:00    13:00  13:30       14:00       14:15   14:30     14:45 15:15 15:30       16:00

月外来実習(森脇)

自学自習/病棟実習真菌検査(処置係担当医) (担当医) (岩永) (塗)(皮膚科外来) (形成医局) (形成医局) (形成医局)

(各科担当班) (各科担当班)手術実習

(手術室) (手術室)

外来実習(森脇)

水講義

(上田)(形成医局)

火手術実習

○金曜日:午後は14時から79病棟会議室で入院患者のプレゼンテーションを行い、その後回診を行います。

(皮膚科外来)

金外来実習

回診(79病棟その他)(黒川)(皮膚科外来)

○火曜日、水曜日、木曜日:午後の予定は実習担当医の指示に従って下さい。

木手術実習

(各科担当班)(手術室)

皮膚科・形成外科評価(黒川・岡田)

(79病棟会議室)

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大阪医科大学 学是(建学の精神)

『至誠仁術』

旧財団法人大阪高等医学専門学校を設立した吉津度(よしづわたる)は、「医育機関の

使命は医学教育と医学研究であり、またその研究は実地の医療に活かすことで完成する。」

と唱え、卒業生が医人として「救世仁術」の域に達することを念じて、大阪医科大学の前

身である大阪高等医学専門学校を開設しました。当初の理念では、医師不足への対応とし

て、国内のみならず、学歌にも謳われているようにアジアや南米への移民団も意識されて

いました。

吉津のいう「救世」は、豊かな人間性に基づくもので、人格として最高の表現とされる

「integrity(誠実性)」に共通すると考えられます。この「integrity」の持つ崇高な人

間性は、孟子の「是の故に誠は、天の道なり。誠を思うは、人の道なり。至誠にして動か

ざる者、未だ之れ有らず。誠あらざれば、未だ能く動かす者有らず。」における「至誠」

に相当、或いは共通すると考えられます。

以上から、「救世」を孟子の時代から近世、そして現在も使われる崇高で、誠実な人間

性を意味する「至誠」に置き換え、大阪医科大学の学是(建学の精神)を『至誠仁術』と

表すものとします。

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大阪医科大学医学部 3つのポリシー

アドミッションポリシー(入学者受入の方針)

本学は、昭和 2 年(1927 年)に開設されて以来、約 9000 人の医学部医学科卒業生を送り出してお

り、建学の精神「至誠仁術」をもとに、今後さらに発展していくことを目指しています。その建学

の精神を具現化した教育目的は、「豊かな人間性を備え、人類共通の課題である健康の維持増進並

びに疾病の予防と克服及び苦痛の軽減に努める人材、変化する社会に対応し最新の知識と最良の技

術を生涯学び続ける人材、及び地域医療から世界に通じる研究開発にわたる領域で探究心を持って

活躍する人材を育成する」ことです(学則第 5条より抜粋)。

求める学生像

本学は、6 年間のカリキュラムの履修を通して、教育目的に掲げた医師や医学研究者を育成する

ため、次のような資質をもつ人材を求めています。

1. 医学を学ぶ明確な目的と意欲をもっている人

2. 医学を学ぶために必要な基礎学力、応用力、思考力、判断力、表現力をもっている人

3. 人に対する思いやりと豊かな人間性、および高い倫理性をもっている人

4. 他の人の意見を尊重し、コミュニケーション能力を涵養できる人

5. 知的好奇心と探究心をもって、自ら生涯にわたり課題の発見と解決に取り組むことのでき

る人

6. 柔軟な思考ができ、多様化と国際化に向かう現代社会に適応できる人

大学入学までに身につけておくべき教科・科目等

本学で医学を学ぶためには、全人的な素養を身につけていることに加え、次の教科・科目につい

て幅広い基礎学力と応用力を身につけていることが望まれます。

1. 数学:数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学Ⅲ、数学 A、数学 B についての理解、数学的・論理的に思考

し表現する能力

2. 理科:物理、化学、生物についての知識、科学的知識・思考にもとづいた判断力と探求心

3. 外国語:英語についての読解力・表現力と英語による基礎的なコミュニケーション能力

4. 国語:日本語文章の読解力・構成力、および日本語による表現力

5. 地理歴史・公民:世界史 B、日本史 B、地理 B、現代社会、倫理、政治・経済についての基

礎的な知識

入学者選抜の基本方針

本学では「求める学生像」に沿った人材を選抜するため、一般入学試験とセンター試験利用入学

試験を実施しています。

1. 一般入学試験(前期・後期)

数学・理科・英語の学力試験により基礎学力、思考力、応用力を評価するとともに、調査

書、小論文、および面接により意欲、資質、表現力を見極め、総合的な評価・判定により

合格者を決定します。

2. センター試験利用入学試験(前期・後期)

大学入試センター試験により数学・理科・英語・国語・地理歴史と公民についての基礎学

力を評価するとともに、調査書、小論文、および面接により意欲、資質、表現力を見極め、

総合的な評価・判定により合格者を決定します。

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カリキュラムポリシー(教育課程編成の方針)

6年一貫教育を通じて、良き医療人としての人間性と自ら積極的に学び問題を解決する姿勢を身

につけ、国際的にも通用する専門的な知識と技能を修得できるよう、以下のカリキュラムを編成

します。大阪医科大学の特色として、自ら学ぶ姿勢を育てるため、少人数教育や課題発見解決型

の講義や演習を導入しています。また、十分な自学自習時間を確保するとともに、ICT(情報通信

技術)を活用した能動学習を実施しています。

1.初年次教育

普遍教養科目や専門基礎科目の講義、セミナー、実習を通して、医療と研究を行うために必要

な知識、態度、技術を身につけます。また、一人ひとりに合った学習法を個別に指導するため、

初年次は特に手厚く担任を配置しています。

2.基礎医学教育

基礎医学科目の講義と実習を通して、人体の構造と機能について学び、臨床医学に活用できる

体系的な知識を身につけます。

3.社会医学・臨床医学教育

社会医学の講義と実習、臨床医学の講義と演習を通して、医療経済、医療保険、医療法規など

を学びながら、代表的な疾患の病態、診断、治療についての知識を身につけます。科目は、臓器

別・ライフステージ別のユニット・コース制の統合型カリキュラムを採用し、「生きた知識」

「使える知識」の習得を目指して、課題発見解決型の講義や演習を多く取り入れています。

4.臨床実習

臨床実習の前半(コア・クリニカル・クラークシップ)では、大学病院の各診療科において実

習を行います。それに続くアドバンスト・クリニカル・クラークシップでは、主に地域の医療機

関で臨床実習を行います。これらの実習を通して、医療の現場を教室として患者から学ぶことに

より、実践的な診療能力を獲得することを目指します。

5.医療プロフェッショナリズム

早期体験実習から参加型臨床実習を通して、医療の全体的な流れを体験的に学びつつ、医療人

に必要な倫理性やチーム医療でのコミュニケーション能力等を身につけます。また、地域医療実

習などを通して、医療人として地域固有の課題を見つけ解決することを学びます。

6.語学・国際交流

語学コースを通して、医療面接や海外との情報受発信に必要な英語力を身につけます。また、

中山国際医学医療交流センターを通じて交換留学生と交流し、異文化についての理解を深めると

ともに、国際性豊かな医療人を育成します。さらに、希望者は海外の提携校での実習に参加する

ことができます。

7.学生研究

リサーチマインドと自律的探求能力を段階的に習得し、医学研究者とともに研究し成果を発表

する機会を提供するため、6 年間を通して学生研究のコースが設定され、特に 3 年次には十分な学

生研究期間が設けられています。また、希望する学生は、学生研究員制度を利用し、どの学年か

らでも研究室に所属し、さらに深く研究を行うことができます。

8.多職種連携

多職種よりなるチーム医療を実践する能力を身につけるため、医看融合教育を含む、他学部の

学生とともに学び討論する教育を行います。

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ディプロマポリシー(学位授与の方針)

建学の精神「至誠仁術」に則り、種々の活動を通じて強い倫理観、責任感、および指導力を涵養

しつつ、医学を中心とした諸科学の知識を身につけ、医師や医学研究者としての資質と能力を将

来にわたって発揮できる人材の育成を目指しています。必要な所定の単位を修得し、以下の能力

を獲得した学生に対して卒業を認定し、学士(医学)を授与します。

1.倫理とプロフェッショナリズム

高い倫理性と誇りをもって、自己管理能力とリーダーシップを有し、他者に敬意をもって接す

ることができる。

2.医学・科学的知識

医学における科学的知識について十分に理解し、診療や研究に活用できる。

3.実践的診療能力

統合された医学・科学的知識、技能に基づいて、高い倫理観を有し、患者に敬意と思いやりを

もって、医療行為を実践できる。

4.自律的探求能力

医師や医学研究者としての能力の向上を目指し、生涯にわたって自ら学習することができる。

5.多職種連携とコミュニケーション

他の医療職の立場や考え方を理解、尊重しながら自分の考えを伝え、チーム医療において良好

な人間関係を構築することができる。

6.医療の社会性

医療の社会性に関する基本的な知識を身につけ、限られた資源を有効に活用しながら、適切な

判断に基づく医療を実践できる。

7.医療の国際性

外国語表現力を身につけ、海外の医療者・研究者や患者とコミュニケーションを取ることができ

る。

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コンピテンス&コンピテンシー 倫理と

プロフェッショナリズム 医学科学的知識 実践的診療能力 自律的探求能力

多職種連携と

コミュニケーション

医療の社会性と

国際性 大阪医科大学学生は、 卒業時に: 高度専門職人としての高い自律性と、大阪医大人としての誇りをもとに、自己管理能力とリーダーシップをもちながら、患者を含めた他者に敬意をもって接することができ、生涯にわたって学び続け、社会に貢献することができる。 卒業生は:

大阪医科大学学生は、 卒業時に: 医学、医療及びそれらの基礎となる科学的知識を十分に理解し、学修した知識を実践的知識として臨床や研究に有効に活用できる。 卒業生は:

大阪医科大学学生は、 卒業時に: 統合された科学的知識、技能、態度及び倫理的判断に基づいて、疾病及び治療に関する専門知識や技術を効果的に活用しながら、患者に敬意と思いやりをもちつつ、個人を尊重した、全身的で安全かつ適切な診療を実践できる。 卒業生は:

大阪医科大学学生は、 卒業時に: 基礎と臨床を総合して、科学的思考に基づいて批判的に学習す ることが できる。医師や医学者としての自己を生涯に渡って向上させ続ける姿勢をもつことができる。基礎や臨床の興味ある領域を研究することができる。 卒業生は:

大阪医科大学学生は、 卒業時に: 他の医療職の多様な立場や考え方を理解し、尊重し、傾聴と共感力をもって相手と接することができる。また、自分の考えをわかりやすく正確に説明し伝えることができる。それにより患者中心の多職種連携医療を実践するために、チーム医療の場において主体性を持って広く良好な人間関係 を 構 築 す る ことが できる。 卒業生は:

大阪医科大学学生は、 卒業時に: 本邦の医療経済、法規、環境、疫学及び予防の側面、ならびに国際保健を深く理解したうえで、地域の特性を考慮した適切な判断に基づく医療を提供できる。医学情報発信に必要な外国語表現力を身につけ、海外の医療者と積極的に情報交換できる。 卒業生は:

1. 高度専門職にあるものとして相応しい身なり、態度、言葉遣い、行動を、職務遂行時または非遂行時にかかわらず自ら進んで行うことができる。

1. 生命現象の理解に必要な科学的知識を有し、関連する法則や理論を説明できる。

1. 患者の主要な病歴を、心理的、社会的背景を含め、正確かつ適切に聴取し記録できる。

1. 医学や科学の広い範囲を、探究心や豊かな感性を持って学ぶことができる。

多職種連携: 1. 多職種よりなるチーム医療の意義を理解し、実践できる。

社会性: 1. 地域医療の体制、機能及び現状を理解したう えで、最適の医療を判断し提供できる。

2. 医 師 の 法 的 責 任 、 規範、所属機関の内規等を遵守するとともに、倫理的責任にまで配慮し、行動できる。

2. 医学研究や診療に必要な情報に関する基礎知識を有し、情報の適切な取り扱いに活用できる。

2. 成人及び小児患者の身体診察を適切に実施し、所見を正確に記録できる。

2. 基礎と臨床を総合して、科学的な思考に基づいて、疑問を発しつつ学ぶことができる。

2. 医師の役割を理解し、医師としての責務を果たすことができる。

2. 地域保健、福祉及び介護システムを理解し、分野間連携を図りながら効果的に活用できる。

3. 高度専門職に必要な社会への説明責任を果たすことができる。

3. ヒトの行動や心理の変化を理解する基礎知識を有し、医学、医療に活用できる。

3. 臨床推論により、鑑別診断を挙げながら、系統立てて主要疾患を診断できる。

3. 自己の現在の知識や技能を的確に評価して、さらに向上するための計画を立てて実行することができる。

3. 他の医療職の職能と役割及び立場を理解し、尊重することができる。

3. 医師法、医療法及び医療関連法規を理解し、遵守しながら行動 できる。

4. 患者情報などの個人情報を守秘する責務を理解し、実践できる。

4. 人体の正常構造と機能を熟知し、臨床に応用できる。

4. 重要な疾患(頻度、緊急性、重症度の高い疾患)の診断と治療に必要な検査を選択し、主な検査所見を適切に解釈できる。

4. 自己を生涯に渡って向上させ続ける動機を形成し、その姿勢をもつことができる。

4. 医療従事者すべてのメンバーと、敬意を払って効果的な意見交換ができる。

4. 医療経済の背景と現状を理解し、効率性と公平性のバランスにも配慮した医療を判断し提供できる。

5. 至誠仁術を建学の精神とする大阪医大人として誇りを持ち、大学の発展に直接的または間接的に貢献できる。

5. 代表的な疾患の病因、病態及び病的状態の成立機序を説明できる。

5. 基本的臨床手技(緊急処置を含む)を安全かつ適切に実施できる。

5. 基礎や臨床の興味ある領域の研究を、方法を学び過程を記録しつつ、推し進めることができる。

5. 多職種連携医療に係わる地域医療と福祉制度を理解し、多面的な観点から健康課題に取り組むことができる。

5. 健康及び疾病に影響する環境因子を理解し、必要に応じて産業保健を活用し、あるいは災害医療を実践できる。

6. 医療従事者としての自己管理を実践できる。

6. 代表的な疾患の診断と治療に関する知識を有し、活用できる。

6. 患者の心理的、社会的因子を考慮しながら、患者中心の適切な治療計画を立てられる。

6. 研究成果を学内あるいは学外に向けて、口演、ポスターま たは 論文 によって、発表することができる。

6. 疫学及び統計の概念と諸指標の意義及び現状について理解し、提供する医療の科学的背景及び根拠として示すことができる。

7. 多様性を受容する人間性をもち、自立と指導監督との適切なバランスを常に保つことができる.

7. 外来診療やベッドサイドで求められる基本的な診療手技及び診療技術に関する知識を有し、活用できる。

7. 診断、治療及び全身管理に参加できる。

7. 研究における倫理的問題への配慮ができる。

7. 代表的な疾患に関する予防医学(一次、二次、三次予防)を理解し、実践できる。

8. 医学や医療の発展、人類の福祉や公衆衛生の向上に貢献することの重要性を理解し、実践できる。

8. エビデンスに基づく医療(EBM)を十分に理解し、経験に基づく医療との違いを説明でき、常に最新のエビデンスを検索収集してEBM実践に活用できる。

8. 病状説明、患者教育及び退院計画策定に参加し、監督または指導のもとで実施できる。

コミュニケーション: 1. 患者及び患者家族と、常に患者と家族を支持する誠実、高潔、かつ公平な姿勢を保ちながら、敬意を払って接することができる。

9. 診療録や要約などの医療文書を適切に作成、管理し、伝達やプレゼンテーションができる。

2. 患者 及び 家族 の 心理的、社会的背景に配慮し双方向的で良好な人間関係が構築できる。

国際性: 1.検疫体制を含めた国際保健を理解し、必要に応じてグローバルな疾病の説明あるいは対応ができる。

10. ICTを活用し、EBMを重視して、質の高い、適切かつ効果的な医療を実践できる。

3. 医師あるいは他の医療職よりなる医療チームのメンバーとの意志疎通を円滑に行い、医療現場における良好な人間関係を構築できる。

2. 医学情報発信に必要な外国語表現力を養い、実践できる。

11. 医療のリスク、医療安全、感染対策及び個人情報保護を理解し、遵守、実践、管理ができる。

4. 医療チームの一員として、報告、連絡及び相談を適時かつ的確に行うことができる。

3. 海外の医学生を含む医療者と積極的に交流し、情報交換できる。

12. 主要な疾患の予防計画を策定し、実施できる。

13. 状況に応じて指導医や上級医にコンサルトする必要性を 理 解 し、実 践 できる。

14. 個々の医療機関の特徴や特殊性を理解し、状況に応じた最適の医療を提案できる。

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学則 別表1

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