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大手石油元売会社でコスモエネルギーグループの持株会社であるコスモエネルギーホールディングス。毎月約 10万枚の帳票を発行する帳票の基盤をメインフレームからオープン環境へ「FUJITSU Software Interstage List Creator」を採用して刷新した。同時に、「FUJITSU Software Interstage List Works」で帳票を電子化し、リアルタイムで利用できるなど合理化にも貢献。従来と同等以上の性能と安定性、運用を維持しつつ、業務効率化を実現した。あわせて、オープン環境に移行したことでメインフレームの専門知識を持つ専任担当が不要になり、保守体制も整備できた。
2カ月間の並行稼働を経て、2015年 10月に切り替えが完了。安定稼働を続けている。「当初の目標通り、メインフレームの帳票基盤をオープン環境へスムーズに移行できました。請求書印刷のピーク時も目標時間内に印刷を完了でき、従来と同等以上の性能と安定性を確保できています。出力結果にも満足しています」と語る深水氏。 帳票関連の業務効率化も狙い通りの成果が得られた。「Interstage List Creatorの導入で、特殊なサイズの帳票でも定型部分を事前に印刷するプレプリントが必要なくなり、印刷時間を短縮できました。また、カット用紙に印刷できるプリンタを使えるようになったことで、従来以上の品質で帳票を出力でき、出力後の帳票を切り離す作業も不要になりました」と小池氏は語る。あわせて、Interstage List Creatorデザイナによる帳票設計業務の効率化も達成した。 Interstage List Worksで出力した電子帳票は、「刷新後も従来と遜色ない運用を実現しました。電子帳票の一元管理など、合理化のメリットを引き続き享受できています」と株式会社コスモコンピュータセンター 販売システム部 物流グループ長 仲澤 栄明氏は手応えを感じている。 和田氏はプロジェクト全体を総括し、「オープン化によって、システムライフサイクル全体で運用コストを年間約 1/3削減できる見込みです。加えて、技術者をより確保・育成しやすくなり、将来を見据えた帳票基盤を整備できました」と述べる。 今後は、帳票基盤の合理化をより推進するとともに、利便性のさらなる向上も構想している。「例えば、営業担当者がスマートデバイスを使い、外出先などで帳票を利活用できる仕組みを、セキュリティを担保しつつ構築したいですね」(和田氏)
メインフレームと同等の性能と安定性の確保は必須です。同時に、既存帳票のスムーズな移行、メインフレーム運用時と同等の帳票出力の結果も問われました。特にオーバーレイについては、ADJUST制御文で記述された定義体を効率よくオープン環境へ移行したいと考えていました」と振り返る。 深水氏は「従来は、プレプリント用紙を活用していたため、罫線や項目名などの定型部分を印刷した用紙を事前に用意する必要があり、時間も費用もかかっていました。また、スプロケットの専用用紙を使っていたため、出力後にミシン目に沿って帳票を切り離す作業も毎回必要でした」と明かす。 帳票の電子化はメインフレーム時代から、Interstage List Worksで実施済みであった。「電子帳票は遠隔地の拠点でも、帳票を発行後にリアルタイムで利用でき、合理化に貢献していました。今回の刷新でも、メインフレーム帳票と同様の運用をオープン環境でも実現することが目標でした」と深水氏は話す。 帳票基盤を刷新するプロジェクト全体では、コスト削減とともに、オープン化による保守人材の確保・育成も目標の一つであった。「メインフレームを熟知した技術者が定年退職で年々減っており、技術者をより確保・育成しやすいオープン環境への移行を決意しました」(小池氏)。
導入のポイント
帳票基盤には「Interstage List Creator」をあらたに採用帳票の電子化は「Interstage List Works」を継続利用
小池氏は「コストをはじめ、700を超えるチェック項目によって複数ベンダーの提案を比較検討しました。メインフレームでの長年の実績、当社の業務やシステムを熟知していることなども含め、総合的に判断して富士通に決めました」と語る。 帳票基盤には、Interstage List Creatorを新たに導入。帳票の電子化には安定稼働の実績を評価し、Interstage List Worksを継続して利用することにした。「Interstage List Creatorデザイナでの帳票設計の機能や使い勝手のよさ、Interstage List Worksとの親和性などから採用を決めました」(深水氏)。
システム概要
オーバーレイを帳票イメージから自動認識・生成可能プリンタもリプレースして汎用性と保守性を向上
2014年 8月から Windowsをプラットフォームにシステム構築をスタート。「基幹システムや共通インフラ環境は費用対効果から Windowsが優勢だと判断し、帳票基盤もプラットフォームをそろえました。サーバは仮想化し、プリンタは小型でより汎用性と保守性が高い機種にリプレースしました」と深水氏は説明する。 帳票は約 1400種類、オーバーレイは約 130種類を移行した。その際に重宝したのが、紙帳票からスキャンした帳票イメージから高精度で自動認識して、オーバーレイ・出力項目を自動で生成できる Interstage List Creatorデザイナの機能だ。「紙帳票の帳票イメージをスキャンし、オーバーレイ・出力項目を自動で生成できたため、紙の既存資産も活用できました」(深水氏)。 仕分けサーバは他ベンダー製品で別途構築し、Interstage List Creator Connectorにより電子帳票サーバおよびプリントサーバと連携する構成