ピープル・アンド・ プラネット・ポジティブ イケア・グループ２０２０年 までのサステナビリティ戦略 IKEA.jp/sustainability オリジナル: ２０１２年１０⽉ 改訂版: ２０１４年６⽉ ⽇本語訳: ２０１６年４⽉
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ピープル・アンド・ プラネット・ポジティブ イケア・グループ２０２０年 までのサステナビリティ戦略
IKEA.jp/sustainability オリジナル: ２０１２年１０⽉
改訂版: ２０１４年６⽉
⽇本語訳: ２０１６年４⽉
ピープル・アンド・ プラネット・ポジティブ ⽬次 1. 私たちを取り巻く世界
2. イケアのビジョンとビジネス基盤
3. ピープル・アンド・プラネット・ポジティブ
4. 変化を起こす
5. 概要：ピープル・アンド・プラネット・ポジティブ
6. より持続可能な暮らし
7. 資源とエネルギーの⾃給
8. ⼈々と地域社会により快適な暮らしを提供する
9. イケアとサステナビリティに関する⼩事典
私たちを取り巻く世界は急激に変化している
⼈類の歴史の⼤半において、世界の⼈⼝は少なく、資源は（森林も⽔産物も）無尽
蔵にあると思われていました。20 世紀初頭、世界の⼈⼝は 16 億 5000 万⼈でした。こ
れは現在の中国やインドの⼈⼝よりわずかに多い程度です。⼈間社会は、ほぼ抑制するこ
とも配慮することもないまま、資源を使い、廃棄物を⽣み出してきました。それは何百万
という⼈々の⽣活の発展・向上を後押しする⼀⽅で、持続可能な社会とは程遠いものでし
た。
世界⼈⼝が 70 億⼈に達した今⽇、資源はますます不⾜し、気候変動は現実のもの
となり、不平等は依然として重⼤な問題です。このままでは今世紀末までに気温が 4℃上
昇して、天候パターンや、利⽤可能な⽔資源量、農業に深刻な影響が及ぶと考えられてい
ます 1。すでに世界の森林の半分が失われ、世界の⽣態系の推定 60％が退化しました 2。
気候変動は環境に悪影響を及ぼすだけでなく、⼈々の⽇常⽣活にも多⼤な悪影響を及ぼし
ています。安全な⽔の不⾜や、異常気象による家屋や通勤経路への被害など、気候変動に
よる影響は、多くの⼈々にとって急速に現実のものとなりつつあります。そして極度の貧
困の中で⽣きる⼈々の場合、その影響はさらに甚⼤です。
今⽇の世界経済の規模は 50 年前のほぼ 5 倍で、さらに今世紀半ばには現在の 3 倍
になるとされています。1900 年に⼈⼝が百万⼈以上の都市はわずか 12 でした。それが
今では 400 以上もあり、世界の都市⼈⼝は週に 100 万⼈を越えるペースで増加していま
す 3。今後数⼗年で数⼗億もの⼈々が、新たに消費社会に参⼊すると予想されています 4。
多くの⼈々が貧困から抜け出すという意味では喜ばしいことですが、すべての⼈が豊かな
⽣活を送れるわけではなく、貧困にあえぎながら⾃分と家族を養うのに精いっぱいという
⼈も多いでしょう。世界の⼈⼝の 5 ⼈に 1 ⼈はいまだ極度の貧困の中で暮らしており、
その 3 分の 1 は⼦どもです 5。今⽇、国外へ出稼ぎに⾏っている⼈は 1 億⼈以上、⾃国内
で出稼ぎしている⼈の数も何百万⼈に上ります 6。⾃宅に残された家族には経済的な恩恵
がある⼀⽅で、出稼ぎ労働者⾃⾝はとりわけ⽴場が弱く、多⼤なリスクにさらされていま
す。
環境の⾯を考えると、現代社会は地球 1.5 個分の資源を使⽤しています 7。増え続
ける⼀⽅の世界の⼆酸化炭素排出量に⻭⽌めをかけ、⼀気に引き下げるべき時が来ていま
す。リサイクル率は世界中で向上しましたが、貴重な加⼯素材の⼤半は再利⽤されること
なく廃棄されているため、改善の余地や機会は⼤いに残されています。エネルギーと原材
料の価格の上昇は、世界中のビジネスと家庭を圧迫しています。2030 年には世界の⼈⼝
のほぼ半分が、⽔不⾜の地域で暮らすことになります 8。イケアのビジネスに関しては、
思い切った⾏動を取らない限り、エネルギー・⽊材・織物・⾦属・プラスチックの価格上
昇がコストに影響し、商品の値上げを強いられることになります。サステナビリティや気
候変動に対する懸念を脇に置いたとしても、資源を⼤切にし、未来のコストを管理し、エ
ネルギーの使⽤をコントロールし、従業員に気を配ることは、ビジネスにとって良いこと
なのです。
より多くの⼈々に質の⾼い⽣活を提供し、⼈権を尊重し、環境を保護するような持
続可能な世界は、実現が可能です。私たちが経済的な機会を提供し、個⼈の能⼒を引き出
せるようエンパワーメントすれば、⼈々は⾃分と家族をより良く養うことができます。私
たちは再⽣可能エネルギーの⼤きな可能性を活⽤し、⼈々のより持続可能な暮らしをサポ
ートするような新しい製品やサービスを開発し、廃棄物を資源化し、未来の世代のために
森・農地・海・河川を保護することができます。⼈々が貧困から抜け出せるよう、バリュ
ーチェーン全体で健全な労働環境を提供し、より多くの⼈々のために、より公平で平等な
社会を創ることができます。イケアは、より持続可能な世界の創出に資する、⼩さくとも
意義のある⼒となりうるのです。
私たちの前にはそのほかにも多くの新たなチャンスが広がっています。これから数
⼗年の間に世界中の数億という家庭が、スマートエネルギー管理へとシフトし、⾃家発電
をするようになるでしょう。太陽光発電の市場規模は、向こう 10 年間で年間 1300 億ド
ル相当になると想定されていますが、これは世界の家具業界に近い数値です 9。現在、世
界中の家庭には、何百億もの⽩熱電球、何億もの旧式の電化製品があり、家計とエネルギ
ーの無駄遣いにつながっています。こうした製品は、消費者にも⾃然環境にもメリットの
ある⾼効率の最新ソリューションに交換すべきです。
イケアは、⼈々の⽣活を向上し、機会を創出するような⽅法で、成⻑していくこと
ができます。成⻑を通じて、イケアのポジティブな影響を強化し、世界中でより多くの家
族と家庭のニーズや願いをかなえたいと考えています。2020 年までには、イケアグルー
プのストア約 500 店舗で、年間におよそ 15 億⼈のお客さまを迎え、20 万⼈以上のコワ
ーカーを雇⽤し、450〜500 億ユーロの売り上げを⽣み出す⾒込みです。しかしこうした
成⻑は多くの機会をもたらす⼀⽅で、従来どおりのアプローチでビジネスを続ければ、⽊
材使⽤量はほぼ 2 倍になり、原材料の⽣産から製品の廃棄までを含むバリューチェーン
全体における⼆酸化炭素排出量は、現在の 3000 万トンから 5000〜6000 万トンへと増
加することになります。
イケアのビジネスを変⾰していかなくてはいけません。未来のお客さまのニーズに
応え、平等を推進し、資源を持続可能な⽅法で調達できるようにする⼀⽅で、⼆酸化炭素
排出量を減らし、低価格を維持するためには、従来とは異なったやり⽅をする必要があり
ます。もはや 20 世紀の⽅法では、21 世紀の要求に対応することは不可能です。単に悪
影響の低減に取り組むだけでは不⼗分で、変⾰的な変化が必要なのです。そのためには古
い⽅法を⾒直して、斬新で⼤胆な⾰新的⽅法を採⽤し、⾏動を起こさなくてはなりません。
⼤⼩さまざまな⼿段を講じて、変⾰的な影響を与える必要があるのです。
イケアのサステナビリティは、
イケアのビジョンとビジネスの基盤に根差すもの イケアは「より快適な毎⽇を、より多くの⽅々に」というビジョンを掲げていま
す。⼈々にとって良いことは、⻑期的に⾒ればイケアにとっても良いということです。イ
ケアのビジネス理念は、「優れたデザイン・機能・品質を兼ね備え、サステナビリティに
配慮した製品を、できるだけ多くの⽅々が購⼊できるよう低価格でご提供すること」です。
私たちはこの理念に基づき、⼀般的な収⼊の⽅々のより良い暮らしをサポートしています。
家は世界でもっとも⼤切な場所です。家が快適になると、毎⽇の暮らしも少し快適になり
ます。イケアは企業としての責任も⾃覚しており、家庭だけでなく、ビジネスによる影響
や社会的な役割に対しても責任を持つべきであると考えています。⼩さくとも意義のある
貢献をする必要があるのです。
イケアでは資源を効率的に使いたいと考えています。無駄遣いせず、常により少
ないものからより多くを⽣み出そうと努⼒しています。これはイケアバリュー（価値観）
の中核をなす考え⽅です。そのルーツはイケア発祥の地、スウェーデン南部のスモーラン
ドにあります。岩だらけのこの地域では、乏しい資源を無駄なく有効に活⽤する習慣があ
りました。その習慣が今なお、イケアの製品開発や輸送・販売⽅法に影響を与えているの
です。
イケアが何年も前から取り組んでいる環境イニシアチブ、それからサプライヤー
の⾏動規範である IWAY の導⼊や、社会貢献活動は、すべてイケアのビジョン・ビジネ
ス理念・バリューが出発点になっています。サステナビリティ、つまり現在と未来の環
境・経済・社会的な健全性を図る取り組みは、イケアのビジネスに組み込まれており、イ
ケアグループの成⻑戦略である「Growing IKEA Together」の柱のひとつです。2013
年に策定されたイケアのサステナビリティの⽅針は、イケアの商標を使⽤する全関連会社
における共通の枠組みを定めたものであり、このピープル・アンド・プラネット・ポジテ
ィブ戦略はそれを補完するものです。
イケアグループ全体のコワーカーの努⼒により、すでにイケアではより持続可能
なビジネスのためにさまざまな⼿段を講じています。以下に例をいくつか挙げます 10。
サプライヤーの⾏動規範である IWAY の取り組みは 2000 年にスタートし、それ
以降、IWAY の対象範囲を拡⼤しながら広くビジネスの中に組み込まれてきました。
IWAY は社会・環境の向上に影響を与えており、基本的な法令遵守を超えたポジ
ティブな影響を与えることに寄与しています。
⼦どもの権利に対するコミットメントは、社内全体に組み込まれています。イケ
アには、児童労働防⽌に特化した⾏動規範である、The IKEA Way on Preventing Child
Labour（児童労働防⽌に関するイケアウェイ）があります。この⾏動規範には、サプラ
イチェーンにおける児童労働の防⽌に関する厳しい要求事項が記載されており、児童労働
が⾒つかった場合、その⼦どもの最善の利益のためにイケアがとる原則的な対応について
も記載されています。またイケアでは、若年労働者の安全で合法的な就労を⽀援し、能⼒
開発をサポートしています。イケアの商品やストアについては、常に⼦どもの観点で考え
るようにしています。⼦どもの発育を促す商品、⼦どもに優しいイケアストアを⽬指して
います。
イケアは 2015 年、総エネルギー消費量の２分の 1 に相当する量の再⽣可能エネ
ルギーを⽣産しました。これまでにストアや建物に太陽電池パネル約 70 万枚を設置しま
した。現在、⾵⼒タービン 314 基を所有しております。IKEA Industry グループが使⽤
する熱エネルギーの 82％は、バイオマス発電によるものです。イケアではさらにエネル
ギー使⽤量を削減したいと考えています。2010 年⽐のエネルギー効率は、イケアストア
で 14.6％、物流センター（DC）で 26.8％向上しました 11。
イケアでは、使⽤する化学物質を減らし、より安全な化学物質を使うという⽴場
をとっています。すでにイケア製品への PVC（ポリ塩化ビニル）の使⽤は禁⽌し、ガラ
スへの鉛の添加も禁⽌しています 12。ラッカーや接着剤に含まれるホルムアルデヒドも⼤
幅に減らしました。またテキスタイル製品には蛍光増⽩剤を⼀切使⽤していません。さら
に、販売する商品も⼤幅に変更しています。201６年には、⽩熱電球の販売を廃⽌し、
LED 電球のみを低価格で販売しています。
イケアでは廃棄物の資源化に取り組んでおり、ストアで発⽣した廃棄物のうち、
埋め⽴て処理されるのは 10％未満です。IKEA Industry グループでは、通常なら焼却処
理や埋め⽴て処理されるような廃⽊材を活⽤して、ワードローブや書棚⽤のボード材をつ
くっています。環境を守り、⼈々と地域社会にポジティブな影響を与えるため、イケアは
細⼼の注意を払って原材料を調達しています。
より持続可能な資源から原材料を調達すれば、環境を保護したり、⼈々が安全な
⽔や適正な労働を確保できるようにしたり、調達先の地域社会で⼟地の権利を守る⽀援を
したりできます。イケアは⼩売分野で最⼤の FSC 認証⽊材購⼊者です。イケア製品に使
⽤する綿花の１００％は、より持続可能な綿花農場から調達しています。またイケアレス
トランでは、責任ある調達を⾏った⾷品とオーガニック⾷品を提供しています。
イケアはパートナーと協⼒しながら産業を変⾰しています。イケアは FSC
（Forest Stewardship Council、森林管理協議会）やベーター・コットン・イニシアチ
ブ（BCI）の創設メンバーであり、これまで 10 年以上にわたって、UNICEF（ユニセ
フ）、Save the Children（セーブ・ザ・チルドレン）、WWF（世界⾃然保護基⾦）と
良好なパートナーシップを維持しています。
イケアではさらなる前進を⽬指し、以下の取り組みを通じて今後もビジネスを強化してい
きます。
• イケアは⾃⾝の⾏動規範を遵守してオペレーションを実施し、イケアのホームファ
ニッシングサプライヤーはサプライヤーの⾏動規範である IWAY を遵守する。
• 持続可能な財務⽅針を守り、成⻑と責任あるビジネスの基盤として独⽴性と安定性
を確保し、適⽤されるすべての法令を遵守する。
• 商品レンジの⽅向性に沿って、製品の品質と機能性を継続的に強化する。
• 有害物質の使⽤は法制化の前に段階的に廃⽌し、新たな化学物質を導⼊する場合は
予防的アプローチをとる。
• 製品の安全性に関するすべての法令・規制の要求事項を満たす、もしくは上回る。
• 可能な限り、もっとも厳しい法規制を採⽤し、すべての市場に適⽤する。
• すべての重要な素材と加⼯について、チェーン・オブ・カスタディ（CoC、加⼯・
流通過程の管理）を構築する。
• イケアがオペレーションを⾏っている地域で環境と社会を保護し、環境と社会にポ
ジティブな変化を起こすのに寄与するような認証制度・基準を設置する。
連帯感と情熱、新しいことに挑戦する、コスト意識、責任を担う、謙虚さと意志⼒、
簡潔さ、模範で⽰すリーダーシップ、違うやり⽅でやってみる、現実を直視する―こうし
た強いバリュー（価値観）に基づくカルチャーが、イケアのビジネスの原動⼒になってい
ます。このカルチャーとバリューが、イケアのビジネス⼿法を形成し、正しいことをした
いという強い思いを⽣み出します。イケアは常に、もっとも⾼い倫理基準を満たし、社会
における良きパートナーとなるよう最善を尽くしています。
ピープル・アンド・プラネット・ポジティブ イケアは⻑年にわたってサステナビリティに取り組んできました。そして今、次の⼤きなステップ
を踏み出そうとしています。サステナビリティ戦略である「ピープル・アンド・プラネット・ポジ
ティブ」を通じて、サステナビリティを活⽤して技術⾰新の推進、ビジネスの変⾰、投資の舵取り、
新しいビジネスチャンスの創出に取り組んでいます。それが重要な原材料の⻑期的な調達⼒を確保
し、サプライヤーの基盤を維持・発展させ、コワーカーやお客さまとの関係を深め、⽣産性を向上
させて、競争⼒を強化することにつながります。そしてイケアが社会の変化をリードする⼀助とな
ります。
サステナビリティは、⼀部の⼈にしか⼿が届かないような⾼級なものであっては
ならない、デザイン・機能・品質・低価格・サステナビリティのいずれかを選ばざるを得
ないようなものであってはならない、そうイケアは信じています。持続可能で価格の⼿ご
ろなホームファニッシングのリーダーとなれるよう、イケアは全⼒を尽くします。お客さ
まにインスピレーションを提供し、家庭でのニーズや夢をかなえていきます。より持続可
能な製品とソリューションを、⼿ごろな価格で提供し、広く購⼊できるようにし、楽しい
ものにしていきます。それが環境と社会にメリットをもたらし、お客さまにお⾦と時間を
節約して気持ち良く買い物してもらうことにつながる、とイケアは考えています。
イケアにおいてサステナビリティとは、現在と未来の環境・経済・社会的な健全
性を図る取り組みを指します。つまり、将来世代のニーズを満たす能⼒を損なうことなく、
現在の⼈と社会のニーズを満たし、少数の⼈ではなく多くの⼈の⻑期的利益のために⾏動
するということです。地球の限られた資源の中で暮らし、環境を守ることです。強くて健
全で公正な共⽣社会を推進して、⼈々が繁栄し、可能性を発揮できるようにすることです。
イケアは統合されたバリューチェーン全体で、⼈々と地域社会の⽣活の質の向上
に貢献し、地球の限られた資源の中で繁栄する世界の実現を⽀援しています。イケアでは、
良好な労働環境の提供、労働者の権利の尊重、資源の使⽤量以上の補充、資源のもっとも
効率の良い利⽤、廃棄物の資源化などに取り組んでいます。また再⽣可能エネルギーや安
全な化学物質、責任ある森林・⽔・農地の管理、⼈権を尊重する公平な社会を推進してい
ます。ピープル・アンド・プラネット・ポジティブとは、このような取り組みを指します。
連帯感、簡潔さ、リーダーシップが成功のカギとなります。⼯場や農場から、ス
トア、お客さまの家、そして製品の廃棄に⾄るすべての過程で、イケアはサステナビリテ
ィを技術⾰新と変⾰の推進⼒として活⽤し、⼈と地球にポジティブな影響を与えられるよ
う努⼒していきます。
この戦略の実⾏にあたっては、新しいアプローチを試みながら全⼒で取り組みま
すが、時には間違いを起こすかもしれません。それでも私たちは最善を尽くし、⼈と地球
にポジティブな影響を与えられるよう⼒を注いでいきます。これ以上に重要なことがある
でしょうか。
イケアは 3 つの変化推進項⽬への取り組みを通じて、ビジネスの変⾰を図り、より持続
可能なビジネス、成⻑の推進、新しいビジネスチャンスの発掘を実現し、より快適な毎⽇
を、より多くの⽅々に提供していきます。
1. 何百万⼈というお客さまにインスピレーションを提供し、より持
続可能な暮らしを提供する
お客さまの省エネ・創エネ、ゴミの減量・分別、節⽔・再⽣⽔利⽤を⽀援する製品
とソリューションの開発・販売促進をリードし、可能な限り低価格で提供する。
2. 資源とエネルギーの⾃給に向けて努⼒する 13
持続可能な原材料の⻑期的な調達⼒を確保し、素材の調達先である地域社会にポジ
ティブな影響を与え、地球の資源を限られた範囲内で⼤切に使う。消費するエネル
ギーと同等量の再⽣可能エネルギーを⽣産し、バリューチェーン全体でエネルギー
効率を向上する。
3. イケアのビジネスによって影響を受ける⼈々と地域社会により快適
な暮らしを提供する活動をリードする
バリューチェーン全体でイケアの⾏動規範の適⽤範囲をさらに拡⼤する。地域におい
て良い隣⼈となる。⼈権を⽀援し、⼦どもの最善の利益のために⾏動する。
変化を起こす このサステナビリティ戦略「ピープル・アンド・プラネット・ポジティブ」は、野⼼的か
つ広域にわたるもので、ビジネスとバリューチェーンのあらゆる側⾯を網羅しています。
ビジネスを変⾰し、⼈と地球にポジティブな影響を与えるためには、以下の取り組みを通
じて、ビジネス全体に変化を起こす必要があります。
サ ス テ ナ ビ リ テ ィ を ⽇ 常 業 務 の ⼀ 環 と し て 組 み 込 む こ と で 、 ビ ジ
ネ ス を 変 ⾰ し 、 ⼈ と 地 球 に ポ ジ テ ィ ブ な 影 響 を 与 え る よ う に す る 。
• 2017 年 8 ⽉までに、コワーカーの 95％が「サステナビリティは⽇常業務の⼀
環」と認識する 14
• 知識やトレーニング、ベストプラクティス（最良事例）の共有を向上させて、コワ
ーカー全員がより持続可能なイケアの実現に貢献したり、積極的に働きかけたりで
きるようにする。
• あらゆる⾃⼰開発・報奨スキームにサステナビリティを組み込む。
• 2 0 1 4 年 に ス タ ー ト し た 専 ⽤ の グ ロ ー バ ル プ ロ ジ ェ ク ト に よ り 、 家 庭
で 省 エ ネ ・ 節 ⽔ ・ ゴ ミ の 減 量 を す る た め の ソ リ ュ ー シ ョ ン や 知 識 を 利
⽤ し て 、 コ ワ ー カ ー が よ り 持 続 可 能 な 暮 ら し を 送 れ る よ う に す る 。
インパクトのある独⾃の適切なコミュニケーションを通して、ピープル・アンド・
プラネット・ポジティブの取り組みにお客さまやコワーカー、サプライヤーを巻き
込んで参加させる。
• 2015 年 8 ⽉までに、消費者の 70％が、イケアは社会と環境に責任を持つ企業だと
思うようにする 15
• 2017 年 8 ⽉までに、少なくともコワーカーの 95％とサプライヤーの 95％が、イケ
アは社会と環境に責任を持つ企業だと認識するようにする 16
• 2020 年 8 ⽉までに、イケアは社会と環境により配慮した⽅法で運営しているナン
バーワンのホームファニッシング⼩売業者だと、各市場 17 で認知されるようにする。
また、ピープル・アンド・プラネット・ポジティブ関連の 2 つの戦略領域に対する
意識を、各国ベースで少なくとも年間 3％向上する 18
• イケアのあらゆるコミュニケーションチャネルにサステナビリティを組み込む。そ
の⼀環として販売場所（ストアおよびオンライン）の情報強化も⾏い、サステナビ
リティに関連するアイデア、インスピレーション、知識、賢いソリューションを提
供する。
• 製品の⽣産⽅法とカスタマーベネフィット（製品の特徴）に関する透明性を⾼める
ことで、より持続可能な製品とソリューションの販売促進を積極的に⾏う。もっと
も信頼性が⾼く、お客さまに適したコミュニケーションツールを⽤いる（第三者認
証を含む）。
• ビジネスの運営にあたって、進捗状況について透明性のある体系的な報告を定期的
に⾏い、透明性と信頼性を向上させる。これには独⽴監査、関連する⼿法・報告の
検証も含まれる。
お客さまとイケアにとって価値を⾼め、イケアが⼈と地球にポジティブな影響を与える
のに役⽴つような技術⾰新と投資を組み合わせることで、ビジネスを変⾰・成⻑させる
• ク リ ー ン エ ネ ル ギ ー 、 ⽔ 、 資 源 、 ⼈ や 製 品 の 輸 送 に 関 し て 、 イ ケ
ア の オ ペ レ ー シ ョ ン と サ プ ラ イ チ ェ ー ン 全 体 で ⾰ 新 的 な 技 術 ・ ソ
リ ュ ー シ ョ ン ・ 考 え ⽅ を 採 ⽤ し て 、 ビ ジ ネ ス を 変 ⾰ す る 。
• イケアのさまざまな投資を通して、サステナビリティと商業利益の⾯で確実にメリ
ットをもたらす⾰新的な技術と企業に投資する。
• 新たに建設するイケアグループのストア・オフィス・物流センター（DC）や IKEA
Industry グループの施設は、その時点でもっとも持続可能な施設となるような⽴
地・設計・設備設置・運営を⾏う 19
他企業やサプライヤー、NGO、国連機関と協⼒関係・パートナーシップを構築し
て、⼈と地球にポジティブな影響を与え、社会の変化に貢献できるよう取り組む。 • 社会のポジティブな変化を⽀援する重要なステークホルダーや政策⽴案を⽀持し、影響を
与えるとともに、イケアのビジネス内でも⾏動を起こす 20
• 地域において良い隣⼈となるよう努⼒し、イケアがオペレーションを⾏っている地
域社会と⻑期的なパートナーシップを構築して、地域の経済・社会・環境の発展に
積極的に貢献する。
• IKEA Foundation とともに、コワーカーが⾃分の持つ知識や技能、専⾨知識を、⽀
援先の慈善団体と共有できるようにする。
ピープル・アンド・プラネット・ポジティブの概要
以降のページでは、イケアのビジネスの各分野における⾼いレベルのコミットメントと⽬
標についての概要を説明します。コミットメントと⽬標は今後、必要に応じて更新し、必
要があれば各ビジネスユニットに合わせて微調整を⾏い、イケア・グループの戦略とビジ
ネスプランに組み込んでいきます。進捗状況と未達成の取り組みについては、透明性を持
って報告します。下記の表は、イケアグループにおけるサステナビリティの主なコミット
メントと⽬標をまとめたものです。
私たちのコミットメント ⽬標/指標 ⼈と地球にポジティブな影響を
与えるため、イケアのビジネス
全体に変化を起こす。
2017 年 8 ⽉までに、コワーカーの 95％が「サステ
ナビリティは⽇常業務の⼀環」と認識する。
2017 年 8 ⽉までに、少なくともコワーカーの 95％
とサプライヤーの 95％が、イケアは社会と環境に責
任を持つ企業だと認識するようにする。
2020 年 8 ⽉までに、イケアは社会と環境により配慮
した⽅法で運営しているナンバーワンのホームファニ
ッシング⼩売業者だと、各市場 21 で認知されるように
する。また、ピープル・アンド・プラネット・ポジテ
ィブ関連の 2 つの戦略領域に対する意識を、各国ベー
スで少なくとも年間 3％向上する 22。
1) より持続可能な暮らし お客さまがより持続可能な暮ら
しを送れるような製品とソリュ
ーションの開発・販売促進をリ
ードする。
2020 年 8 ⽉までに、お客さまにインスピレーション
を与え、より持続可能な暮らしを送れるようにする製
品とソリューションの売り上げを 4 倍以上にする。
栄養バランスの良い⾷⽣活を可能にし、推奨すること
で、より持続可能な⾷品をリードする。
2) 資源とエネルギーの⾃給 地球の資源を限られた範囲内
で⼤切に使い、あらゆる廃棄
物を資源化する取り組みを通
じて、資源の⾃給に向けて努
⼒する。
2020 年 8 ⽉までに、⽊材・紙・段ボールの
100％を、より持続可能な調達先から仕⼊れるこ
とを⽬指す 23。
2015 年 8 ⽉までに、使⽤する綿花をすべて、よ
り持続可能な調達先（ベター･コットンなど）か
ら仕⼊れる。
2015 年 8 ⽉までに、ホームファニッシングの主
な素材をすべて（梱包材を含む）、再⽣可能素
材、リサイクル可能素材、リサイクル素材のいず
れかにする。
2020 年 8 ⽉までに、ホームファニッシング製品
の 90％を、資源の利⽤と製品の機能性の両⽅に
おける環境改善が、イケアのサステナビリティ・
スコアカードでより持続可能と格付けされたもの
にする。
再⽣可能エネルギーのリーダ
ーとなり、イケアのオペレー
ション・サプライチェーン全
体でエネルギー効率を向上し
て、エネルギーの⾃給に向け
て努⼒する。
2020 年 8 ⽉までに、イケアグループがオペレー
ションで消費するエネルギーと同等量の再⽣可能
エネルギーを⽣産する。
2015 年 8 ⽉までに、イケアのオペレーションに
おけるエネルギー効率を 20％向上し、直接サプ
ライヤーが 2017 年 8 ⽉までに同じ⽬標を達成で
きるよう⽀援する。
3) ⼈々と地域社会により快適な暮らしを提供する あらゆる活動の中⼼に⼈権を
据え、イケアのビジネスによ
って影響を受ける⼈々と地域
社会により快適な暮らしを提
供する活動をリードする。
ホームファニッシングと他の重要な製品・サービ
スのサプライヤーの IWAY 遵守率 100％を維持
する 24。
2015 年 8 ⽉までに、IKEA Food、Indirect
Material and Services、⼩売り部⾨のすべての
国内サプライヤーで、IWAY25 の適⽤範囲におけ
る遵守率を 100％にする。
2017 年 8 ⽉までに、重要な素材・加⼯のサブサ
プライヤーで開始要求事項（IWAY Must）の遵
守を確保する 26。
出稼ぎ労働者への責任ある採⽤活動に向けて、
2017 年 8 ⽉までに、重要分野の 1 次サプライヤ
ーで透明性と信頼性のあるシステムを構築・実施
する。
在宅労働者向けシステムを継続的に模索・開発
し、労働条件の改善、労働者の権利の保護、児童
労働の防⽌の向上を図る。2020 年 8 ⽉までに、
改善したシステムにすべての在宅労働者を移⾏さ
せ、ハンドメイド・ディベロップメント・プログ
ラムに組み込む。
より持続可能な暮らし お客さまのために、お客さまとともに
イケアでは商品レンジ全体を変⾰し、すべての製品をより持続可能なものにしていきます。
また省エネ・創エネ、節⽔、ゴミの減量など、お客さまにインスピレーションを提供し、
より持続可能な暮らしを送れるようなソリューションの開発・販売促進も⾏っていきます。
そのほかにお客さまからの下取りシステムや、ストアへの持続可能な交通⼿段なども、
⼈々のより持続可能な暮らしに貢献するものです。
お客さまにインスピレーションを与え、より持続可能な暮らしを送れるようにする製品と
ソリューションの開発・販売促進をリードし、2020 年 8 ⽉までに売り上げを 4 倍以上
にする 27.
• 家庭のエネルギー管理・消費・⽣産⽤ 28 の魅⼒的な各種ソリューションを提供して、
お客さまが家庭で気候変動に積極的に取り組める 29 ようにする。
o 2015 年 8 ⽉までに、エネルギーを消費する製品のエネルギー効率を、
2008 年⽐で平均 50％以上向上する。
o 2016 年 9 ⽉までに、電気コンロはすべてエネルギー効率の良い IH コンロ30 にする。
o 2015 年 9 ⽉までに、照明レンジ全体を低価格の LED に切り替える。
o 2017 年 9 ⽉までに、もっともエネルギー効率の良い家電製品を、もっとも
低価格で提供する。
• 2016 年 9 ⽉までに、⽔栓、シャワー・洗⾯⽤品、⾷器洗い乾燥機のレンジで、最
先端の節⽔・省エネソリューションをできるだけ低価格で提供する。
• 家庭でのゴミの分別・最⼩化に役⽴つ、機能的で使いやすいソリューションを低価
格で提供し、お客さまにゴミの資源化に取り組むモチベーションを提供する 31。
• より栄養バランスの良い⾷⽣活を可能にし、推奨することで、より持続可能な⾷品
に取り組む。
• より持続可能な暮らしを送れるような製品やソリューション、イベント、サービス
などの特典を通じて、IKEA FAMILY メンバーにモチベーションを提供する。メン
バーにアイデアを共有してもらい、謝礼を提供する。
• お客さまや地域の⼈々と⼀緒に、未来の家と地域社会のあり⽅についてあらためて
考える活動をリードし、魅⼒的かつ⼿ごろで、持続可能な⽣活の例を提供する。
資源とエネルギーの⾃給 イケアのオペレーションと サプライヤーとともに
イケアは⼈と地球に全体としてポジティブな影響を与え、影響を受けやすい地域社会や⽣物
多様性の保護に貢献し、持続可能な資源の利⽤と低炭素なバリューチェーンの開発に努める
ことを⽬指しています。
資源の⾃給に努め、持続可能な原材料の調達⼒を⻑期的に確保し、調達先である地域社会へ
ポジティブな影響を与え、地球の資源を限られた範囲内で使う。
原材料の責任ある調達をリードする。2017 年 8 ⽉までに、使⽤する再⽣可能素材の⼤半を、
より持続可能な調達先から仕⼊れる 32.
• 2020 年 8 ⽉までに、森林にポジティブな影響を与える。⽊材管理に関する要求事項
の遵守率 100％を継続して維持する。
o 2017 年 8 ⽉までに、⽊材の少なくとも 50％を、より持続可能
な調達先から仕⼊れる 33.
o 2017 年 8 ⽉までに、優先地域 34 から調達している⽊材の 100％を、よ
り持続可能な調達先から仕⼊れる.
o 2020 年 8 ⽉までに、⽊材・紙・段ボールの 100％を、より持続可能な
調達先から仕⼊れることを⽬指す 35.
o 2020 年 8 ⽉までに、優先地域で 1500 万ヘクタールの森林が FSC 認証
を取得できるよう⽀援する。これはイケアの調達に必要な総⾯積の 2 倍
以上に相当する 36。このほかにも以前のパートナーシッププロジェクト
で、3000 万ヘクタールの森林がすでに FSC 認証を取得している。
• 2015 年 8 ⽉までに、イケア製品に使⽤する綿花をすべて、より持続可能な調達先
（ベター･コットンなど）から仕⼊れる。また、綿花と⽐較してサステナビリティパ
フォーマンスが優れた補完的繊維についても、引き続き調査していく。
• 2020 年 8 ⽉までに、バリューチェーン全体で⽔資源保護プロジェクト「ウォー
ター・ステュワードシップ（Water Stewardship）」を推進し、⽔資源にポジテ
ィブな影響を与える。具体的な取り組みとしては、イケアがオペレーションを⾏
っている地域で、他の団体とともに、⽔ストレス（⽔需給の逼迫した状態）にさ
らされている地域の⽔資源管理の向上に貢献し、⽔利⽤と⽔質の両⽅に焦点を当
て、⼈々が安全な⽔を使えるよう⽀援する。
• 2015 年 12 ⽉までに、キャンドルなどのホームファニッシング製品や⾷品の原
材料として使⽤するパーム油をすべて、完全分離⽅式で認証を取得した持続可能
な調達先から仕⼊れるか、もしくはより持続可能な原材料で代替する。
• 2017 年 8 ⽉までに、イケアで使⽤するすべての⾰について、完全なチェーン・
オブ・カスタディ（加⼯・流通過程の管理、CoC）を確保し、森林の保護や⼈権
の尊重、動物福祉の尊重に関する基準に基づき⽣産する。
• ２０１６年８⽉までに、すべての重要な素材と加⼯について、完全なサ
プライチェーン管理を確保する 37
より持続可能で健康的な⾷⽣活をリードする。
• ベジタリアンフードとシーフードを中⼼に、⾁はたまにごちそうとして⾷べるような、
バランスの良い⾷⽣活を奨励する。2015 年 8 ⽉までに、イケアレストランでベジタ
リアンミートボールの提供を開始する。
• 商品開発における⾷塩・砂糖・脂肪の含有量についてガイドラインを策定・実施し、メニ
ューと⾷品に含まれる⾷塩・砂糖・脂肪・⼈⼯添加物・アレルゲンの量を減らす。
• 社会・環境問題につながるような原材料は、より持続可能な調達先から仕⼊れるか、
第三者認証を受けたものを使⽤する。
• 2015 年 8 ⽉までに、イケアレストランで提供するコーヒーと茶類すべてと、イ
ケアのチョコレートバーに使⽤するココアを、より持続可能な調達先から仕⼊れ
る（UTZ 認証など）。
• 2015 年 8 ⽉までに、イケアレストランとスウェーデンフードマーケットで提
供するシーフードをすべて、ASC 認証または MSC 認証を受けたものにする。
2015 年 8 ⽉までに、すべてのイケアレストランが ASC 認証または MSC 認証
を取得する。
• 2015 年 8 ⽉までに、イケアレストランで提供する卵をすべて、野外に出⼊りで
きる放し飼いの雌鶏が産んだものにする。
• 豚⾁は 2016 年 8 ⽉までに、⽜⾁は 2017 年 8 ⽉までに、より⾼い動物福祉基
準の策定を実施する。
•
廃棄物の資源化をリードする。廃材のマテリアルフローを逆流するフローを開発し、
中核となる商品レンジを簡単にリサイクルできるようにし 38、循環型社会の実現に貢
献する。
• 2015 年 8 ⽉までに、ホームファニッシング商品の主な素材をすべて（梱包材を含む）、
再⽣可能素材、リサイクル可能素材 39、リサイクル素材のいずれかにする。
• 2020 年 8 ⽉までに、ホームファニッシング製品に使⽤するプラスチック素材をすべ
て、再⽣可能素材やリサイクル素材にする 40。
• 2016 年 8 ⽉までに、お客さまの家でゴミになるイケアの梱包材を 10％削減する 41。
• 2017 年 8 ⽉までに、ホームファニッシング製品に使⽤する⾮再⽣可能素材の 50％を、
リサイクル素材にする。
• 2020 年 8 ⽉までに、IKEA Industry グループで使⽤する⽊材の 30％をリ
サイクルする。
• 主要な原材料を対象に専⽤のリソース・チェーン・プロジェクトを実施し、リサイク
ル素材の新しいフローを確⽴する。
• 2020 年 8 ⽉までに、少なくとも 2 種類の素材について、消費財廃棄物の
循環の輪（現在その地域に存在しない循環の輪）を完成させる。
• マットレスやソファなど、特定のカテゴリーの製品を再利⽤・リサイクルできるよ
う、お客さまにわかりやすくてシンプルなサービスを提供する。
• イケアのオペレーションで発⽣する廃棄物を防⽌・最⼩化し、可能な限りリサイクル
する。可能な場合は埋め⽴て廃棄物をゼロにするよう努める。
• 2020 年 8 ⽉までに、ストアのオペレーションで発⽣する廃棄物の量を
10％削減する 42。
• 2020 年 8 ⽉までに、イケア⾃⾝のオペレーションで発⽣する廃棄物
の 90％を、リサイクルまたはエネルギー回収する。そのうち、スト
アと物流センター（DC）で発⽣する廃棄物の 80％、IKEA Industry
グループで発⽣する廃棄物の 90％を、マテリアルリサイクル（原料
として再利⽤）する。
2020 年 8 ⽉までに、より持続可能と格付けされるホームファニッシング製品の売り
上げを、総売り上げの 90％にする 43.
• 製品の品質・デザイン・機能に妥協したり、値上げをしたりせずに、原材料をもっとも
効率良く使い、より持続可能な代替素材を開発しながら、製品をデザインする新しい⽅
法を積極的に模索する。
• バリューチェーン全体で有害な化学物質をより安全な物質で継続的に代
替し、使⽤する化学物質に関する情報管理を強化する。
• 「商品を買って、使ったら捨てる」はイケアではないという信念に基づき、⽬的にか
なう耐久性を備えた製品をつくる。
再⽣可能エネルギーのリーダーとなり、イケアのオペレーション全体でエネルギー効率
を向上することにより、エネルギーの⾃給に向けて努⼒する。サプライチェーンにおい
てもエネルギーの⾃給に向けて努⼒する。
• 2 0 1 5 年 8 ⽉ ま で に 、 イ ケ ア グ ル － プ が 消 費 す る エ ネ ル ギ ー の 少 な
く と も 7 0 ％ に 相 当 す る 量 の 再 ⽣ 可 能 エ ネ ル ギ ー を ⽣ 産 す る 。
2 0 2 0 年 8 ⽉ ま で に 消 費 量 と 同 量 の 再 ⽣ 可 能 エ ネ ル ギ ー を ⽣ 産 す る44.
• 2015 年 8 ⽉までに、イケアのオペレーションにおけるエネルギー効率を
20％45 向上し、2020 年 8 ⽉までに 30％46 向上する。2017 年 8 ⽉までに、
直接サプライヤーがエネルギー効率を 20％向上できるよう⽀援する。
• 2015 年 8 ⽉までに、イケアのオペレーションにおける⼆酸化炭素排出量を
50％47 削減し、サプライヤーにおける⼆酸化炭素排出量を 20％削減する。
• すべての販売経路を⽤いてイケアへのアクセスのしやすさを変⾰する⼀⽅で、電気⾃動⾞
などの⾰新的なソリューションの推進により、交通⼿段と宅配サービスにおけるカーボン
フットプリント（温室効果ガス排出量）を削減する。
• 充填率を向上させたり、電気⾃動⾞を使⽤したり、最適な配送⼿段を選択するなどす
ることで、2016 年 8 ⽉までに、輸送に関連する⼆酸化炭素排出量を 20％削減し、
2020 年 8 ⽉までに 30％48 削減する。
• すべての主要な投資決定においてサステナビリティを考慮し、投資の根拠となる各
プロジェクトのライフタイムコストを環境会計の⼿法で評価する。サステナビリテ
ィへの投資は、現在の⽔準を維持するか、上回る⽔準で⾏い、進捗状況について公
的に報告する。
⼈々と地域社会により良い ⽣活を提供する バリューチェーンとともに
イケアのビジョンは、「より快適な毎⽇を、より多くの⽅々に提供すること」。イケアはバ
リューチェーン全体で、⼈々の⽣活にポジティブな影響を与えられるよう取り組んでいます。
ポジティブな経済・社会・環境の発展を⽀援し、平等を推進し、あらゆる活動の中⼼に⼈権
の尊重を据えています。
• 国連「ビジネスと⼈権に関する指導原則」49 に継続して則し、バリューチェーン全体での実施
を推進する。
• UNICEF、Save the Children、国連グローバル・コンパクトの「⼦どもの権利とビジネス
原則」50 を基に、「常に⼦どもの最善の利益を優先して⾏動する」というイケアの信念に
則って、⼦どもの権利を守る取り組みを強化する。
• ILO「労働における基本的原則及び権利」51 を⽤いて、労働環境にポジティブな影響を与え、
労働者の権利を尊重する
バリューチェーン全体で⼈々と地域社会のより快適な暮らしに貢献する活動をリードする。
コワーカーが働きやすい職場をつくる。
• イケアのダイバーシティ・アンド・インクルージョンの⼿法 52 に則り、イケアの全部署で、
多様性に富むコワーカーを確保するための取り組みを策定する。⽬標は、主要な指導的⽴場
におけるジェンダーバランス（男⼥数の均等）の達成と、市場の多様な国籍の反映。
• イケア⾃⾝のオペレーションに適⽤される、社会・環境・労働条件に関する要求事項は、サ
プライヤーに対する要求事項と同等またはそれ以上のものとする。
• コワーカーが地域社会に貢献する活動に参加できるよう推奨する。
• 2020 年 8 ⽉までに、世界各国のコワーカー500 ⼈以上が、IKEA Foundation の IWitness プ
ログラムに参加し、毎年恒例の Good Cause キャンペーンによる⽀援を受けている学校や地
域社会を訪ねる。
サプライチェーン全体で適正な労働を⽀援し、労働者のより快適な暮らしに貢献する。
• ホームファニッシングと他の重要な製品・サービスのサプライヤーが、IWAY 遵守率 100％に
より達成した社会・環境の向上を維持する 53。
• 2015 年 8 ⽉までに、IKEA Food、Indirect Material and Services、⼩売り部⾨のすべて
の国内サプライヤーで、IWAY の適⽤範囲における遵守を確保し、サプライヤーの⾏動規
範の対象範囲を拡⼤する 54。
• 2017 年の 8 ⽉までに、重要な素材・加⼯のサブサプライヤーで開始要求事項（IWAY Must）55 の遵守を確保し、サプライチェーンでの徹底を図る 56。
⼦どもや社会的弱者、地域社会を⽀援し、より平等な世界の実現をリードする。
• 政策⽴案に影響を与え、啓蒙活動を⾏い、⽴場の弱いコミュニティーの家族を⽀援するこ
とにより、⼦どもの権利を擁護する。
• 出稼ぎ労働者への責任ある採⽤活動に向けて、2017 年 8 ⽉までに、重要分野の 1 次サプ
ライヤーで透明性と信頼性のあるシステムを構築・実施する。
• 在宅労働者向けシステムを継続的に模索・開発し、労働条件の改善、労働者の権利の保
護、児童労働の防⽌の向上を図る。2020 年 8 ⽉までに、改善したシステムにすべての
在宅労働者を移⾏させ、ハンドメイド・ディベロップメント・プログラムに組み込む。
• ⼩規模な社会起業家を⽀援してイケアサプライヤーへと発展させることで、貧困対策
などの社会的利益につながることを⽰す。2015 年 2 ⽉以前に 3 カ国で、IKEA Social
Entrepreneur イニシアチブによる新しい限定コレクションを 3 つ⽴ち上げる。
⽀援をもっとも必要とする⼦どもと家族のために、永続的な変化を創出する。
• ピープル・アンド・プラネット・ポジティブに則り、イケアグループの全部署が、
地域ニーズの評価を基に、コワーカーが参加する形で、地域社会活動に参加する。
• 途上国の⼦どもたちの⽣活を向上するため、毎年⾏われるローカルとグローバルの Good
Cause57 キャンペーンに、お客さまとコワーカーが参加する。2020 年 8 ⽉までに、年間
の寄付⾦額を 2000 万ユーロにする。
• IKEA Foundation は 2015 年 6 ⽉までに、ブラジルの⽪⾰関連サプライチェーンのコミ
ュニティーで暮らす家族のために、⼦どもの権利を推進し、児童労働と戦い、機会を創
出するプログラムを実施する。
• IKEA Foundation は 2016 年 12 ⽉までに、⽔ストレス（⽔需給の逼迫した状態）
にさらされている地域で、家族や地域社会が質の良い飲料⽔を利⽤できるよう⽀援
するプログラムを開発する。
• IKEA Foundation は 2018 年 12 ⽉までに、インドの⼥性 200 万⼈以上が、⾃らの事業や
ソーシャルベンチャーの運営に必要な技能を⾝に付け、持続可能な製品を国内外の顧客に
うまく販売できるよう⽀援することを⽬指す。
イケアとサステナビリティに関する⼩事典
ASC ⽔産養殖管理協議会 Aquaculture Stewardship Council（⽔産養殖管理協議会）の
略。世界をリードする責任ある⽔産養殖に関する認証およびラ
ベルのプログラム。
Better Cotton Initiative (BCI)
ベター・コットン・イニシアチブ
世界各地で綿花栽培が環境や社会に及ぼす主要な影響を⽬に⾒
えるレベルで改善し、綿花栽培をより持続可能なものにしてい
くことを⽬的として、複数のステークホルダーにより構成され
た活動団体。
Brand Capital IKEA Brand Capital Survey（イケアブランドキャピタル調
査）は、Inter IKEA Systems B.V.が世界各地の全イケアスト
アで毎年実施している標準化調査・情報プログラム。ローカル
市場でイケアブランドがどのように認知されているか評価する
調査。
⼆酸化炭素排出量 58 ⼆酸化炭素などの温室効果ガス（GHG）は、⾚外線を吸収・
放射して、熱を地球の⼤気圏に閉じ込めるガス。⽔蒸気、⼆
酸化炭素、メタン、亜酸化窒素、オゾンなどがある。この作
⽤が温室効果や気候変動の根本原因になっている。
チェーン・オブ・カスタディ
（CoC、加⼯・流通過程の管理）59
収集から報告に⾄るまで、検査結果のサンプルの同⼀性・完全
性を保証する能⼒を表す法律⽤語。林産物の場合は製品が森林
から消費者に⾄るまでの経路、リサイクル素材の場合は再⽣⼯
場から消費者に⾄るまでの経路を指し、加⼯・変換・製造・流
通の各段階が含まれる。サプライチェーンの次の段階では所有
者の変更を伴う。
家庭において気候変動に関して
ポジティブになる
家庭でのエネルギー創出は、きわめてエネルギー効率が良く、
温室効果ガス排出量を地球の限度内に抑える。たとえば、エネ
ルギー使⽤量を減らし、再⽣可能エネルギーの利⽤を増やすよ
うな製品やソリューションを提供すれば、お客さまは気候変動
にポジティブな影響を与えられる。そのような製品の例とし
て、センサー、タイマー、エネルギーメーター、IH コンロ、⾼
効率の電化製品、LED 光源、家庭⽤ソーラーパネルやヒートポ
ンプなどがある。
気候変動にポジティブな影響を与え
る
排出量を上回る量の温室効果ガスを削減し、クリーン技術の迅
速な導⼊を推進することで、ストアに供給されるエネルギーか
ら、お客さまが家庭で使⽤する商品まで、イケアのビジネスに
よる全体的な影響をプラスにすること。
資源循環の輪 資源の環境負荷を最⼩化し、未使⽤材料の使⽤を削減するた
め、使⽤済みの消費財や⽣産財を再資源化したリサイクル素材
を使⽤すること。
消費者 イケアストアの商圏に居住する⼈々。イケアのブランド認知調
査 Brand Capital（ブランド・キャピタル）で使われる定義。
重要な素材と加⼯ 原材料や調達⽅法に関連して、サステナビリティ問題のリスク
が増⼤した素材と加⼯が含まれる。たとえば、綿花、⾰、⽊
材、ダウンとフェザー、パーム油、天然繊維、植物。
ディーセント・ワーク
（働きがいのある⼈間らしい仕事）
ILO の概念。労働は、個⼈の尊厳、家庭の安定、地域社会の平
和、⼈々のために実⾏される⺠主主義、⽣産的な仕事の機会を
拡⼤する経済成⻑、企業の発展などの源になるという理解に基
づく。詳しくは、http://www.ilo.org/global/about-the-
ilo/decent-work-agenda/lang--en/index.htm を参照。
デモクラティックデザイン デモクラティックデザインとは、イケアがより多くの⼈々の要
望やニーズに合わせて製品をデザインする⽅法。優れたデザイ
ン、機能性、品質、低価格、サステナビリティ（環境と⼈権保
護の両⽅）の 5 つの要素から成り、イケア製品はこの 5 要素を
必ず満たしていなければならない。
ダイバーシティ・アンド・インクル
ージョン（ダイバーシティ・マネジ
メント）
ダイバーシティ実現のため、イケアは受容的な⾵⼟をつくって
いく。その基盤として、コワーカー全員が認められ、尊重さ
れ、評価され、信頼されていると感じ、ビジネスに⼗分に貢献
できるようにする。多様なコワーカーの受け⼊れは、イケアの
価値観に則ったものであり、さまざまな違いや類似点がもたら
すメリットに気づくために不可⽋なもの。
森林にポジティブな影響を与える イケアでは、⾃らの必要性を超えて、森林の保護・回復を組み
込んだ持続可能な森林管理と⼟地利⽤の促進に取り組んでい
る。イケアの活動は総体的に、森林の⽣物多様性を守ることに
つながる。また⽊材の伐採と森林再⽣の⻑期的なバランスも確
保する。
⽊材に関する要求事項 この要求事項は、イケアで使⽤するすべての⽊材の原産地を把
握すること、以下の⽊材ではないことを求めている。違法伐採
されている森林から調達した⽊材。保全価値の⾼い森林から調
達した⽊材、ただし責任ある管理の認証を受けた森林を除く。
熱帯または亜熱帯の⾃然林が、植林地あるいは森林以外の⽤途
に転換されつつある場所から調達した⽊材。商業⽬的の遺伝⼦
組み換え樹⽊の植林地から調達した⽊材 。深刻な社会的対⽴が
起こっている地域から調達した⽊材。従業員の待遇に関する国
際条約を遵守していないサプライヤーから調達した⽊材。イケ
アは、事前の告知なしに監査を⾏う権利を有し、⽊材の原産地
に関する情報を 48 時間以内に提出するよう要求できる。
FSC（森林管理協議会） FSC は第三者機関として、責任ある森林管理の国際基準を定
め、森林管理者と林産物⽣産者がこの基準に準拠しているかど
うかを審査・認証する、独⽴した第三者機関の認定を⾏ってい
る。
FY （事業年度） イケアの事業年度は 9 ⽉ 1 ⽇〜翌 8 ⽉ 31 ⽇。
Good cause キャンペーン IKEA Foundation のプロジェクトにお客さまとコワーカーが参
加する形で毎年⾏われる期間限定のキャンペーン。「ソフトト
イキャンペーン」「難⺠キャンプに明かりを届けよう」などの
キャンペーンがある。
Growing IKEA Together イケアの現⾏のビジネスの⽅向性（FY10〜FY20）。
⼈権 国連の世界⼈権宣⾔はすべての⼈の共通基準である。イケアは
常にそれを念頭に置き、国連の「企業と⼈権に関する指針
（Guiding Principles on Business and Human Rights）」に
則り、ビジネスの範囲全体を通して⼈権の尊重を推進・遵守す
る。詳しくは、http://www.ohchr.org/documents/issues/business/A.HRC.17.3
1.pdf を参照。
IKEA Family IKEA FAMILY はイケアのお客さま向け会員制度。インスピレー
ションを共有したり、メンバー特典として、定番商品を特別価
格で提供したり、IKEA FAMILY シリーズの商品をメンバー価格
で提供している。IKEA FAMILY を通じて、イケアはレギュラー
カスタマーやロイヤルカスタマーと頻繁かつ迅速に接触でき
る。
IKEA Foundation IKEA Foundation はオランダを拠点とする慈善団体。開発途
上国の児童と若者の機会向上を⽬指し、総合的な⻑期プログラ
ムへの資⾦援助を通じて、⼦どもの⽣活における 4 つの基本分
野（家、教育、健康、家計収⼊）に⼤きな永続的変化をもたら
せるよう⽀援している。
詳しい情報は、www.ikeafoundation.org を参照。
IKEA IMS IKEA Indirect Material and Services（IKEA IMS）は、イケ
アのビジネスに必要なホームファニッシング以外の製品とサー
ビスの購買・供給を担当している。
IKEA Industry グループ
（イケア⽣産グループ）
IKEA Industry のビジネス構造は、「フラットライン」「無垢
材」「ボード材」「購買」の 4 部⾨で構成されている。購買組
織は、他の組織と同じように、カテゴリーを中⼼にしている。
Industrial Strategies（産業戦略）部署は新製品開発活動をリ
ードし、IKEA of Sweden と Supplying（供給）のパイプ役に
なっている。
IKEA Social Entrepreneurs イケアは IKEA Social Entrepreneurs イニシアチブを通じて、
社会問題の解決に取り組むビジネスとのパートナーシップを探
索・構築している。そうしたパートナーシップによる⼿づくり
製品の限定コレクションが、世界各国の特定のストアで販売さ
れている。
IWAY 2000 年から運⽤されている「ホームファニッシング製品、原
材料、サービス等の仕⼊れに関するイケアウェイ」。イケアの
サプライヤーに対する⾏動規範で、サプライヤーがイケアに期
待できることと、イケアがサプライヤーに求めることが定義さ
れている。
IWitness IWitness Global Citizens（アイウィットネス・グローバル・
シチズンズ）プログラムを通じて、イケアのコワーカーとお客
さまは、毎年実施される Good Cause キャンペーンから資⾦援
助を受けたプロジェクトに参加している。このプログラムで
は、IKEA Foundation のパートナー団体である UNICEF（ユニ
セフ）、Save the Children（セーブ・ザ・チルドレン）、
UNHCR（国連難⺠⾼等弁務官事務所）が運営するプロジェク
トに、イケアが⼩売事業を⾏う国々のコワーカーを派遣し、世
界でもっとも⽴場の弱い⼦どもたちにどんな⽀援が⾏われてい
るか、⾃分の⽬で確かめられるようにしている。
LED 発光ダイオード（Light Emitting Diode）の略。
主な素材 素材とは、あるものの原料となる、またはなりうる物質。イケ
ア製品は多くの場合、数種類の素材を使ってつくられており、
どの素材も等しく重要である。たとえば、ソファの素材には、
⽊材、ポリウレタンフォーム、テキスタイル、⾦属製パーツな
どが使われるので、4 つの主な素材で構成されていることにな
る。主な素材から除外されるのは、添加物、ラッカー、製品の
仕上げ・接着・表⾯処理に使われるその他の物質。
より持続可能な製品 IKEA サステナビリティ・プロダクト・スコアカードの点数が
120 ポイント以上で、IWAY 認定サプライヤーで⽣産された製
品。
原材料のより持続可能な調達先 現⾏では、FSC 認証森林から調達した⽊材、リサイクル⽊材、
ベター・コットン、UTZ 認証ココア・茶類・コーヒー、ASC
認証⽔産物、MSC 認証⽔産物などの調達先が含まれる。
MSC Marine Stewardship Council（海洋管理協議会）の略。世界を
リードする持続可能な⽔産物の認証・エコラベルプログラム。
NGO Non-Governmental Organization（⾮政府組織）の略。CSO
（Civil Society Organization、市⺠社会組織）と⾔われるこ
とも増えている。
イケアで使⽤されている
⾮再⽣可能素材
例：プラスチック、フォーム、スチール、⾦属類など
地球にポジティブな影響を与える イケアでは、資源を使⽤量以上に補充し、資源をもっとも効率
良く利⽤しながら、廃棄物を資源化する循環型社会の実現に向
けて取り組んでいる。
PV Photovoltaic（光起電性）の略。光起電⼒効果（光を当てると
起電⼒が⽣じる現象）を⽰す半導体を使って、太陽光を直流電
流に変換して発電する⽅法。
リサイクル素材 エネルギー回収⽤廃棄物以外の産業廃棄物（例：製造時に余っ
た素材）や家庭廃棄物（例：使⽤済み製品）の加⼯廃材を使っ
て⽣産される素材。 ⾮再⽣可能素材のリサイクル ⾮再⽣可能素材をリサイクルしてホームファニッシング製品の
⽣産に使⽤することで、資源を最⼤限に活⽤する。⾮再⽣可能
素材とは、スチール、銅、油性樹脂などの素材を指す。
再⽣可能エネルギー 再⽣可能エネルギーとは、再⽣⼒のある資源や、事実上、枯渇
する可能性のない資源からつくられたエネルギー。イケアでは
主に⾵⼒、太陽光、地熱、バイオマスに投資している。
資源の⾃給 資源不⾜は多くの原材料の価格の上昇と⼊⼿の制限を招き、予
測できない⽅法でビジネスの形を変えてしまう可能性がある。
イケアにおける資源の⾃給とは、ビジネス全体で原材料のフロ
ーを積極的に管理することを指す。イケアでは、持続不可能な
原材料の限りある供給に依存しないようにしていく。リサイク
ル素材を⼤量に使⽤し、再製造の機会を拡⼤しながら、循環型
社会を推進する。天然素材は持続可能な調達先から⻑期的な調
達を確保し、持続可能な新しい代替素材を積極的に開発する。
他団体と協⼒することで成功させる。
より持続可能な暮らしのためのソリ
ューション
お客さまの家庭で省エネや節⽔、ゴミの分別・最⼩化をサポー
トする製品とノウハウ。
サステナビリティ・プロダクト・ス
コアカード
サステナビリティのパフォーマンスの観点から製品を評価する
社内ツール。11 の基準で構成されており、重要度は基準によ
って異なる。スコアカードで点数が 120 ポイントに達し、
IWAY 認定サプライヤーで⽣産された製品だけが、より持続可
能な製品と分類される。
持続可能な消費 60 サービスや関連製品を使って、基本的なニーズを満たし、⽣活
の質を上げながらも、天然資源や有毒物質の使⽤は最⼩限に抑
え、ライフサイクル全体で廃棄物と汚染物質の排出も最⼩限に
抑えることで、将来世代のニーズを危険にさらさないようにす
ること。
持続可能な開発 61 国際連合の定義：将来世代のニーズを満たす能⼒を損なうこと
なく、現在の世代のニーズを満たす発展。（1987 年にブルン
トラント委員会が初めて使⽤した⽤語）
持続可能な⽣産 62 持続可能な⽣産とは、以下のプロセスやシステムを⽤いて商品
やサービスを創造すること。無公害で、エネルギーと天然資源
を節約し、経済効率が良く、労働者・地域社会・消費者に安全
かつ健全で、働く⼈すべてが社会的に報われ、創造性を発揮で
きるようなプロセスやシステム。
変⾰ 変⾰とは、もう⼀度考え直し、つくり直し、再構築し、限界の
ある古いやり⽅を捨てることから⽣まれる⼤きな変化。
UTZ コーヒー・ココア・茶類の持続可能な成⻑のための認証プログ
ラム。UTZ 認証は責任ある⽣産を保証するもので、お客さまは
購⼊したコーヒーとココアを⽣産農園からストアまで追跡でき
る。
VOICE VOICE はイケアで毎年実施しているコワーカー調査。ビジネス
と⼈々がともに成⻑するという観点で、イケアの取り組みの進
捗状況を測るために使う事業開発ツールのひとつ。
⽔資源にポジティブな
影響を与える
⽔資源にポジティブな影響を与えるとは、⽔資源保護を推進
し、イケアがオペレーションを⾏っている地域で、⽔ストレス
（⽔需給の逼迫した状態）にさらされている地域の⽔資源管理
の向上に貢献することを指す。そのために以下の取り組みを⾏
う。影響⼒の⼤きい⽔効率・⽔質プログラムを直ちにサプライ
チェーン全体で推進する。製品の改良でお客さまがもっとも効
率的に⽔を使えるようサポートする。他のステークホルダーと
協⼒し、⻑期にわたるポジティブな変化を⽀持する。⽣態系の
機能改善を確保する。⼈々と地域社会が安全な⽔を利⽤しやす
くなるようにする。
REFERENCES
1Intergovernmental Panel on Climate Change Special Report on Emission
Scenarios, 2000. http://www.ipcc.ch/pdf/assessment-report/ar4/wg1/ar4-wg1-spm.pdf 2
“Prosperity without growth? The transition to a sustainable economy”, Sustainable Development Commission, 2011. 3 UN Habitat, 4 “Vision 2050: The new agenda for business – in brief”. WBCSD, 2010. p. 18
5 World Bank.http://www.worldbank.org/en/news/press-release/2013/10/10/report-finds-400-million-children-living-extreme-poverty 6 International Organization for Migration. http://www.iom.int/cms/en/sites/iom/home/what-we-do/labour-migration.html 7
”Living Planet Report 2010” WWF, 2010. 8
OECD.http://www.oecd.org/environment/indicators-modelling-outlooks/40200582.pdf 9
Bloomberg New Energy Finance and furnituremanufacturers.net 10 Find more information in the IKEA Group Sustainability Report 2013. 11 Measured in kWh/m3 sold goods. 12 Lighting cables still contain PVC. 13 Resource and energy independence refers to using resources within the limits of the planet - enabling us to take
greater control of our resource chain, through approaches such as vertical integration into raw materials and by increasing recycling and reuse of critical raw materials. Become a leader in renewable energy generation by producing as much renewable energy as we consume, and driving energy efficiency throughout our operations and supply chain. 14
See dictionary for explanation. 15
Measured through Brand Capital. After August 2015, this target will expire and be replaced with a
new 2020 target. 16
Measured through the VOICE question “I am proud of the way IKEA works
with sustainability” and Brand Capital. 17
Measured through Brand Capital. 18 Measured through Brand Capital and Consumer Tracker. These targets will be activated from September 2015. 19 For example stores’ location and green spaces around the store; easily accessible public transport systems;
sustainable building materials used; waste managed; efficient energy use (i.e. all light sources LED or high performing fluorescents); renewable energy solutions; and efficient water management. Guidelines are being developed to build on existing work within stores and distribution centres. These guidelines will take local conditions into consideration. 20
We will focus on the areas where we expertise, e.g. renewable energy and energy efficiency; recycling and producer responsibility;
strong and effective eco-design standards; improved chemical safety and substitution of hazardous chemicals and children’s rights. 21
Measured through Brand Capital. 22 Measured through Brand Capital and Consumer Tracker. These targets will be activated from September 2015. 23 These sources are currently defined as FSC certified or recycled wood. Once the 2017 more sustainable sources
goal has been met, we will re-evaluate this criteria. 24 Suppliers related to Home Furnishing, IKEA Components, Transportation, distribution services and central Food. 25 For the retail operations, current IWAY focus is on cleaning, home delivery, security and waste management suppliers. 26 See dictionary for explanation. 27 A fourfold increase corresponds to sales of approximately 2.6 billion euro per year, as of FY20 with baseline year FY13. 28 Where local conditions allow. 29 IKEA can enable customers to become climate positive by providing products and solutions that reduce their energy use and increase their use of renewable energy. Examples of products include sensors, timers and energy meters, induction hobs, most energy efficient appliances, LED light sources and home based solar PV’s and heat pumps. See dictionary for explanation. 30 Including food, packaging, chemicals and other general household waste.
32Currently includes sources such as wood from FSC forests and recycled wood, Better Cotton, UTZ certified cocoa,
tea and coffee and ASC or MSC certified seafood. 33
These sources are currently defined as FSC certified or recycled wood. 34 Countries where IKEA, along with our partners, have identified high risk of sustainability challenges. 35 These sources are currently defined as FSC certified or recycled wood. Once the 2017 more sustainable sources
goal has been met, we will re-evaluate this criteria. 36 From a FY13 baseline year.
37 See dictionary for definition of critical materials and processes. 38 This also includes up-cycling and down-cycling. 39 On an industrial scale in at least one market where we have retail operations. 40 The scope is plastics category products which we sell, textile products, packaging and components for furniture.
41 Compared to FY11.
42 Baseline year: 12.5 kg/m3 in FY13. This is measured as kg/m3 sold goods. 43 Through the sustainability product scorecard. 44 Own operations relate to distribution centres, stores, offices, IKEA Industry Group factories. 45 Compared to FY10 in relative terms, measured by KWh/m3 sold goods for retail operations and kWh/m3 purchased goods for trading operations.
46 Compared to FY10 in relative terms, measured by KWh/m2 for retail operations and kWh/m3 purchased goods for trading operations. 47 Compared to FY10 in relative terms, measured by CO2/m3 products sold, or CO2/m3 goods purchased. 48 Compared to FY11, in relative terms and measured by m3 transported goods. 49 These guidelines are based on the UN Universal Declaration on Human Rights and core ILO convention
50 Launched by UNICEF, Save the Children and UN Global Compact in 2012.
51 Theeight core conventions defined in ILO Fundamental Principles of Rights at Work. 52
See dictionary for explanation of diversity and inclusion at IKEA. 53 Suppliers related to Home Furnishing, IKEA Components, Transportation, Distribution Services and Global Food. 54 For the retail operations, current IWAY focus is on cleaning, home delivery, security and waste management suppliers. 55 IWAY MUSTs are the start-up requirements that IKEA demand that suppliers must meet before signing a contract. 56 See dictionary for explanation. 57 For example through the Soft Toys for Education campaign and the Brighter Lives for Refugees campaign. 58 IPPC, Intergovernmental Panel on Climate Change. 59 US EPA: http://www.epa.gov/apti/coc/glossary.html and information from Forest Stewardship Council. 60 UNEP 1995 http://www.uneptie.org/shared/publications/pdf/DTIx0570xPA-TrackingProgress2.pdf
61 “Report of the World Commission on Environment and Development.” General Assembly Resolution 42/187, December 1987. 62 University of Massachusetts Lowell Center for Sustainable Production, www.sustainableproduction.org
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