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大ブラックホール モデルを 大き 大学 、 大学 、 台、 ハーバード スミソニアン センター 、 大学 マサチューセッツ 大学 、 大学 、 大学 、 ミノルタ 、 大学 、 サイモン・ポルトギース・ツワート マサチューセッツ 大学 、 スティーブ・マクミラン ドレクセル大学 、ピート・ハット プリンストン ブラックホールを した。これ られていた ブラッ クホール 大ブラックホール ある。そして、こ ブラック ホールが するこ らかにした。 、これら づき、 多体シミュレーションによる め、 大ブラックホール しい シナリオを した。す わち、 まれた ブラッ クホールが し 、それらが かれつつ し、 いに 体するこ 大ブ ラックホール する。こ シナリオ にま フレームワークを する。 キーワード : 大ブラックホール 、 ブラックホール、 バルジ 、活 核、 バースト 巨大ブラックホール誕生のメカニズム 大ブラックホール 、ほ 核に し、 に大き えたこ られている。しかし 、そ 、宇 一つ あった。しかし 、 ブラックホール 大ブラックホール を大きく めた。 、こ にし て、 大ブラックホール する しい シナリオ した する。 大ブラックホール ドラマ にわかれる。第一 ブラックホールが する。第 ブラックホールから 大ブラックホールが される。 第一幕:高密度星団中における中質量ブラックホールの形成 により、 こり、 が一 に大 られる。 エネルギ ーが られる により し 、それら 体により、 に大 する。 かに し、 に太 ブラックホールが きる。こ ブラックホール さらに がら け、 して める。 さらにブラックホール け、ついに に太 ブラックホールが し、 るい して される。 第二幕:銀河中心における巨大ブラックホール形成 ブラックホールを えた により、 む( )。
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巨大ブラックホール誕生の謎解明へ新モデルを提案 宇宙進化 …...巨大ブラックホール誕生の謎解明へ新モデルを提案 宇宙進化の解明へ大きな一歩

Jan 27, 2021

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  • 巨大ブラックホール誕生の謎解明へ新モデルを提案� 宇宙進化の解明へ大きな一歩  �

    画像などの入手先  ����������������������������������

    戎崎俊一 �理化学研究所�、牧野淳一郎 �東京大学�、鶴剛 �京都大学�、川辺良平 �国立天文台�、

    松下聡樹 �ハーバードスミソニアン天体物理学研究センター�、

    松本浩典 �大阪大学�マサチューセッツ工科大学�、

    船渡陽子 �東京大学�、舞原俊憲 �京都大学�、原島隆 �ミノルタ�、岩室史英 �京都大学�、

    サイモン・ポルトギース・ツワート �マサチューセッツ工科大学�、

    スティーブ・マクミラン �ドレクセル大学�、ピート・ハット �プリンストン高等研究所�

    概要我々は昨年、新種の中質量ブラックホールを発見した。これは、従来知られていた小質量ブラッ

    クホールと巨大ブラックホールの中間の質量を持つものである。そして、この中質量ブラック

    ホールが銀河の爆発的星形成と密接に関連することを明らかにした。我々は今回、これらの結果

    に基づき、重力多体シミュレーションによる理論的研究を進め、巨大ブラックホール形成に関す

    る新しい理論シナリオを構築した。すなわち、爆発的星形成で生まれた星団の中で中質量ブラッ

    クホールが誕生し、それらが星団に抱かれつつ銀河中心へ落下し、互いに合体することで巨大ブ

    ラックホールへと成長する。このシナリオは、銀河の形態進化や活動銀河核の形成にまで及ぶ宇

    宙全体の進化の描像に統一的なフレームワークを提供する。

    キーワード:巨大ブラックホール、中質量ブラックホール、爆発的星形成、���銀河、

    若い星団、銀河バルジ、活動的銀河核、重力波バースト

    � 巨大ブラックホール誕生のメカニズム太陽の百万倍以上の質量を持つ巨大ブラックホールは、ほとんどの銀河の中心核に普遍的に存在し、銀河

    と宇宙の進化に大きな影響を与えたことが知られている。しかし、その誕生過程は全く不明で、宇宙物理学

    最大の謎の一つであった。しかし、我々の昨年の中質量ブラックホールの発見は、巨大ブラックホール形成

    過程の理解を大きく推し進めた。今回我々は、この観測を基にして、巨大ブラックホールの誕生を自然に説

    明する全く新しい理論シナリオの構築に成功したので、報告する。

    巨大ブラックホール形成のドラマは二幕にわかれる。第一幕で高密度星団中に中質量ブラックホールが誕

    生する。第二幕では中質量ブラックホールから巨大ブラックホールが形成される。

    第一幕:高密度星団中における中質量ブラックホールの形成 �図 ��

    �� 銀河同士の衝突などにより、爆発的な星形成が起こり、高密度の星団が一度に大量に作られる。

    �� 高密度の星団では、力学的摩擦 �重い星の運動エネルギーが軽い星に奪い取られる�により重い星が中心に落下し、それらの合体により、短時間に大質量星 �太陽質量の �倍以上�が誕生する。

    � 大質量星は速やかに重力崩壊し、星団の中心に太陽質量の数百倍のブラックホールができる。このブラックホールはさらに周りの星をのみ込みながら成長を続け、�線源として輝き始める。

    �� さらにブラックホールは成長を続け、ついには星団の中心に太陽の数千倍の質量を持つ �個の中質量ブラックホールが誕生し、明るい �線源として観測される。

    第二幕:銀河中心における巨大ブラックホール形成 �図 ��

    �� 中質量ブラックホールを抱えた星団は、母銀河の中での力学的摩擦により、銀河の中心に沈む(図

    )。

  • �� 母銀河の潮汐力などで星団を形成する恒星が散逸させられ、中質量ブラックホールのみが母銀河の中心付近に取り残される。

    � 多くの星団が中心に落ち、中質量ブラックホールが銀河の中心に集まる。それらは重力波を放出しながら合体し、�つの巨大ブラックホールへと成長する。同時に回りの星やガスをのみ込むことで活動的銀河核として激しく活動する。

    このシナリオは、昨年記者発表を行い大きく報道された、���銀河にかんする我々の一連の観測によっ

    て強く支持される �下記ホームページ参照�。まず、我々の研究グループは宇宙科学研究所の �線天文衛星

    「あすか」および米国の �線天文衛星「チャンドラ」を用いて、爆発的な星形成で有名な���銀河 �図 ��

    に明るい �線天体を発見した。その最大光度や明るさの時間変化、���銀河内での位置 �銀河中心核から

    少し外れている�から、この �線源は新種の中質量ブラックホールであると結論づけた。次に、我々は国立

    天文台野辺山ミリ波干渉計を用いて、中質量ブラックホールの周りに巨大膨張分子雲を発見し、これが爆発

    的星形成に伴う約 �万年前の大爆発によって形成されたことを明らかにした �図 �。この巨大膨張分子雲

    の中心に中質量ブラックホールが存在することは、爆発的星形成と中質量ブラックホール誕生が深く関連す

    ることを物語る。さらに我々は、国立天文台「すばる」望遠鏡により、中質量ブラックホールの位置に、爆

    発的星形成により誕生した若い星団を発見した �図 ��。これは爆発的な星形成の結果作られた星団の中で中

    質量ブラックホールが育ちつつあることを強く示唆する。

    これらの観測の他に、我々は自ら開発した重力多体専用計算機 ������� を用いた重力多体シミュレー

    ションを行い、高密度の星団内では、質量の大きな星が中心に沈み、互いに合体して、太陽の数百倍の質量

    の大質量星が作られることを見出していた �図 ��。大質量星は速やかに進化し、重力崩壊して中質量ブラッ

    クホールとなる。これは、高密度の星団における中質量ブラックホールの形成が定量的に十分可能であるこ

    とを示している。

    � 宇宙進化論に対するインパクト今回報告する理論シナリオは、単に巨大ブラックホールの形成を説明するにとどまらない。これまで別々

    に議論されてきたいくつかの観測事実を統一的に説明することが可能である。

    まず、銀河のバルジの質量と銀河中心巨大ブラックホールの質量の間の正の比例関係を説明できる。バル

    ジとは、円盤銀河の中央部の膨らんだ部分である。これは、巨大ブラックホールと銀河の成長との密接な関

    連を意味するが、なぜブラックホールのように極めて局所的な天体と、銀河全体に関するバルジの間に関

    係があるのか、その原因は不明であった。我々のシナリオでは、中質量ブラックホールを抱えて沈降する

    星団の普通の恒星は、やがて母銀河の潮汐力などで星団から剥ぎ取られて、銀河中心付近に大きく拡がる。

    さらに、銀河円盤部の恒星の軌道も星団の重力でかき乱されることを予言する。これらの恒星が最終的に

    バルジを形成すると考えれば、バルジの質量と巨大ブラックホールの関係を自然に説明できる。

    次に、これまで別々に議論されてきた爆発的星形成銀河から、高光度赤外線銀河、セイファート銀河、

    クェーサーに至る一連の天体を、ブラックホールの成長という進化軸で統一的に捉えられる可能性が出て

    きた。物質密度の高かった初期の宇宙では、銀河同士の衝突が盛んに起き、衝突による爆発的な星形成と、

    それに続く巨大ブラックホール形成が激しく進んだはずである。実際、宇宙が現在の 分の �の大きさだっ

    た頃に、クエーサーなどの巨大ブラックホールをエンジンとする活動銀河核がその活動のピークを迎えて

    いる。また、活動銀河核の周りには、これから合体するであろう中質量ブラックホールが多く存在すること

    が予測される。それによる重力レンズ効果や、降着円盤への重力的擾乱が活動的銀河核の時間変動の原因

    になっている可能性も高い。

    さらに、宇宙初期にはかなり頻繁にブラックホール同士の合体が起こったはずである。�万太陽質量程

    度のブラックホール同士の合体では、数ミリヘルツの振動数の重力波バーストが発生する。宇宙の果てで発

    生したものでも、現在米国で計画中の重力波アンテナ ����で十分観測可能である。その検出頻度は、少な

    くとも �ヶ月に � 回程度はあるので、����の重要なターゲットになると思われる。

    最後に、ここに述べた研究成果は、日本が世界に誇る「あすか」衛星、「すばる」望遠鏡、野辺山ミリ波

    干渉計などの観測機器と、重力多体問題専用計算機 �����など、それぞれが一見すると独立に進めてき

  • た日本の研究が、自然にしかもダイナミックに繋がり一つの理論シナリオに結集し、さらに大きな展開を見

    せようとしているところに大きな意義があるといえる。

  • 参考となるホームページ

    �� 「新種ブラックホール発見」� 昨年行なった最初の記者発表と新聞記事��������������� ���! �"!#�#�$�%��&���' '%����(�%!���' �)��������������� ���! �"!#�#�$�%��&���' '%����(�%!���' �)�*'� %��+�,'�

    �� 「銀河の巨大な爆発から誕生する新種ブラックホール」� 昨年行なった �番目の記者発表と新聞記事��������������� ���! �"!#�#�$�%��&���' '%����(�%!���' ����������������� ���! �"!#�#�$�%��&���' '%����(�%!���' ���*'� %��+�,'�

    � 重力多体専用計算機 �������������-�%�'�% ��#*� �$��#"!#�%��&��-�%�'�

    �� 宇宙科学研究所宇宙圏研究系 �「あすか」衛星�������������% ��#�+ % �%��&��+*.'(�&���/,

    � 国立天文台野辺山宇宙電波観測所������������*�#�*%#�%��&��

    �� 国立天文台「すばる」望遠鏡������������ $0%�$�*%#&�#�-�& +*.'(���/,

    �� 「チャンドラ」�線衛星����������%*.�%��%�1%�.�'.$�

    �� ������������,+ %�&�,�*% %�-#1�

  • 図3: 円盤銀河における星団(3つの赤い丸)の沈降。星団は銀河の恒星(黄色の点)を弾き飛ばしながら銀河中心に落下する。左)初期状態。中)約1000万年後。右)約1億年後

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  • M82 (NGC3034)HRC, Chandra X-ray ObservatoryCosmic Ray Group, Kyoto University, September 13, 2000

    M82の中心

    中質量ブラックホール

    すばる望遠鏡に取りつけた微光天体分光撮像装置FOCASで得られた大熊座の不規則銀河M82の写真(国立天文台提供)。スターバースト現象に伴う大量の超新星爆発によって高温に電離されたガスが、銀河から放出されている様子がHα輝線として観測されている(写真の赤い部分)。四角で囲んだ領域は、図2に対応する部分である。

    アメリカのX線天文衛星チャンドラを用いて私達が撮影したM82の中心領域(図1の四角で囲まれた領域)のX線写真(京都大学鶴 剛助手提供)。最も明るく光っているX線星が、今回新たに発見した中質量ブラックホールである。矢印は同時に発見したやや小型のブラックホールを示している。M82の中心はX線で非常に暗いこと、中質量ブラックホールはM82の中心から外れていることに注意。M82の中心から中質量ブラックホールまでの距離は約500光年である。

    図4: 爆発的星生成(スターバースト)銀河M82の可視光画像とX線画像

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  • M82 (NGC3034)HRC, Chandra X-ray ObservatoryCosmic Ray Group, Kyoto University, September 13, 2000

    M82の中心

    中質量ブラックホール

    アメリカのX線天文衛星チャンドラを用いて私達が撮影したM82の中心領域(図1の四角で囲まれた領域)のX線写真(京都大学鶴 剛助手提供)。最も明るく光っているX線星が、今回新たに発見した中質量ブラックホールである。矢印は同時に発見したやや小型のブラックホールを示している。M82の中心はX線で非常に暗いこと、中質量ブラックホールはM82の中心から外れていることに注意。M82の中心から中質量ブラックホールまでの距離は約500光年である。

    M82の中心

    中質量ブラックホールが存在していると考えられる星団

    M82 (NGC3034) SUBARU Telesope, CISCO (K') Cosmic Ray Group, Kyoto University, Japan National Astronomical Observatory of Japan

    国立天文台すばる望遠鏡とCISCO観測装置を用いて私達のグループが撮影したM82の赤外線写真(京都大学岩室史英助手提供)。十字はM82の中心であり、丸はこの観測によって検出された星団を示している。この観測より中質量ブラックホールが存在していると考えられる星団が検出された。

    図5: 中質量ブラックホールが星団に属しているこtがわかった。

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  • 中質量ブラックホール超巨星の星団

    M82の中心

    国立天文台・野辺山ミリ波干渉計を用いて私達が得たM82の中心領域の一酸化炭素分子輝線の強度分布(左)と、その等高線表示(右)。等高線表示には、関係する天体などの位置が示されている。点線で示されたリング状の構造が、今回新たに発見した分子からなる膨張する泡構造で、超新星爆発約1万個分の巨大なエネルギーを持つことが分かった。泡構造の直径は約700光年である。黒い矢印が指している黒丸は、チャンドラ衛星によって発見した小型ブラックホールである(図の提供は、ハーバード=スミソニアン研究所の松下聡樹研究員)。

    M82 (NGC3034) CO(J=1-0) v=118-212km/s Nobeyama Millimeter Array

    M82 (NGC3034) CO(J=1-0) v=118-212km/s Nobeyama Millimeter Array

    図6: 中質量ブラックホールは巨大な爆発の中心にある。

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    図7: 高密度の星団における星の合体のランナウェイ。このシミュレーションの場合、200太陽質量近くまでの大質量星が成長した。この星はすみやかに進化して重力崩壊し、中質量ブラックホールとなる。