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メノエイドパッチ50/140(RPR106522M1.6 外国における使用状況等に関する資料 (米国 の添付文書訳) CombiPatch NOVARTIS CombiPatch ® (経皮吸収エストラジオール / 酢酸ノルエチステロン * 製剤) 処方せん医薬品 処方情報 警告 エストロゲン及び黄体ホルモンは心血管疾患または痴呆の予防を目的として使用してはなら ない(警告の心血管障害及び痴呆の項を参照)Women’s Health Initiative (WHI)による閉経後女性(5079 )を対象とした試験の結果,経口結 合型エストロゲン (CE 0.625 mg)と酢酸メドロキシプロゲステロン (MPA 2.5 mg)5 年間併用 した群では,プラセボ群と比較して,心筋梗塞,脳卒中,浸潤性乳癌,肺塞栓症及び深部静脈 血栓症の危険性が高くなるとの報告がある(臨床薬理学の臨床試験及び警告の心血管障害,悪性 腫瘍の乳癌の項を参照)WHI のサブ解析の Women’s Health Initiative Memory Study (WHIMS)において,65 歳以上の閉 経後女性で経口結合型エストロゲンと酢酸メドロキシプロゲステロンを 4 年間併用した群では, プラセボ群と比較して,痴呆の疑い(probable dementia)を発現する危険性が高くなるとの報告 がある.この所見が 65 歳未満の閉経後女性に適用できるか否かはわかっていない (臨床薬理学 の臨床試験,警告の痴呆,使用上の注意の高齢者の使用の項を参照)WHI の臨床試験では,他の用量での結合型エストロゲンと酢酸メドロキシプロゲステロンの 併用,及び他の組み合わせや剤形でのエストロゲンと黄体ホルモンの併用については試験され ていないが,比較可能なデータがないため,こうした危険性については類似していると考える べきである.このような危険性から,エストロゲンは黄体ホルモンと併用するか否かに関わら ず,個々の女性の治療目標と危険性に応じた最小有効量で可能な限り短期間の使用にとどめる べきである. 特性 CombiPatch ® (経皮吸収エストラジオール / 酢酸ノルエチステロン製剤)は,粘着性マトリックス 経皮吸収型パッチ製剤で,損傷のない皮膚面に貼付することにより,エストラジオールと黄体ホ ルモンとして酢酸ノルエチステロン (NETA)の両方を持続的に放出するよう設計されている. 本剤には 2 種類あり,各製剤のエストラジオール及び酢酸ノルエチステロンの用量は以下のと おりである. * Norethindroneは「ノルエチンドロン」ではなく「ノルエチステロン」(同義語)を採用。 - 31 -
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Jul 21, 2020

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メノエイドパッチ50/140(RPR106522) M1.6 外国における使用状況等に関する資料 (米国 の添付文書訳) CombiPatch

NOVARTIS

CombiPatch®

(経皮吸収エストラジオール / 酢酸ノルエチステロン*製剤)

処方せん医薬品

処方情報

警告

エストロゲン及び黄体ホルモンは心血管疾患または痴呆の予防を目的として使用してはなら

ない(警告の心血管障害及び痴呆の項を参照).

Women’s Health Initiative (WHI)による閉経後女性(50~79歳)を対象とした試験の結果,経口結

合型エストロゲン (CE 0.625 mg)と酢酸メドロキシプロゲステロン (MPA 2.5 mg)を 5年間併用

した群では,プラセボ群と比較して,心筋梗塞,脳卒中,浸潤性乳癌,肺塞栓症及び深部静脈

血栓症の危険性が高くなるとの報告がある(臨床薬理学の臨床試験及び警告の心血管障害,悪性

腫瘍の乳癌の項を参照).

WHIのサブ解析のWomen’s Health Initiative Memory Study (WHIMS)において,65歳以上の閉

経後女性で経口結合型エストロゲンと酢酸メドロキシプロゲステロンを4年間併用した群では,

プラセボ群と比較して,痴呆の疑い(probable dementia)を発現する危険性が高くなるとの報告

がある.この所見が 65歳未満の閉経後女性に適用できるか否かはわかっていない (臨床薬理学

の臨床試験,警告の痴呆,使用上の注意の高齢者の使用の項を参照).

WHIの臨床試験では,他の用量での結合型エストロゲンと酢酸メドロキシプロゲステロンの

併用,及び他の組み合わせや剤形でのエストロゲンと黄体ホルモンの併用については試験され

ていないが,比較可能なデータがないため,こうした危険性については類似していると考える

べきである.このような危険性から,エストロゲンは黄体ホルモンと併用するか否かに関わら

ず,個々の女性の治療目標と危険性に応じた最小有効量で可能な限り短期間の使用にとどめる

べきである.

特性

CombiPatch® (経皮吸収エストラジオール / 酢酸ノルエチステロン製剤)は,粘着性マトリックス

経皮吸収型パッチ製剤で,損傷のない皮膚面に貼付することにより,エストラジオールと黄体ホ

ルモンとして酢酸ノルエチステロン (NETA)の両方を持続的に放出するよう設計されている.

本剤には 2種類あり,各製剤のエストラジオール及び酢酸ノルエチステロンの用量は以下のと

おりである.

* Norethindroneは「ノルエチンドロン」ではなく「ノルエチステロン」(同義語)を採用。

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製剤の大きさ エストラジオール

(mg)

NETA1

(mg)

推定放出量2(mg/day)

エストラジオール / NETA

9 cm2円形 0.62 2.7 0.05 / 0.14

16 cm2円形 0.51 4.8 0.05 / 0.25

1 NETA=酢酸ノルエチステロン

2 In vivo / in vitro flux studyにおいて,平均的な透過性のある皮膚へ両成分が 1日あたりに

放出される量(皮膚透過性の個体間変動は約 20%).

Estradiol USP (エストラジオール)は白色~乳白色の無臭の結晶性粉末で,化学名は

estra-1,3,5(10)-triene-3,17β-diolである.エストラジオールの分子量は 272.39,分子式はC18H24O2で

ある.

Norethindrone acetate USP (酢酸ノルエチステロン)は白色~乳白色の無臭の結晶性粉末で,化学

名は 17-hydroxy-19-nor-17α-pregn-4-en-20-yn-3-one acetateである.酢酸ノルエチステロンの分子量

は 340.47,分子式はC22H28O3である.

エストラジオール及び酢酸ノルエチステロンの構造式

エストラジオール 酢酸ノルエチステロン

CombiPatch経皮吸収製剤は 3層構造である.表側から皮膚貼付面に向かって,(1)半透明のポリ

オレフィンフィルムの支持体,(2)エストラジオール,酢酸ノルエチステロン,アクリル粘着剤,

シリコン粘着剤,オレイルアルコール,oleic acid NF (オレイン酸),povidone USP (ポビドン)及び

ジプロピレングリコールを含有する粘着層,(3)粘着面を保護し,使用する前に必ずはがすポリエ

ステルのライナーの 3層である.

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支持体

粘着層

ライナー

本剤の有効成分は estradiol USP及び norethindrone acetate USPである.その他の成分は薬理学的

には不活性である.

臨床薬理学

内因性エストロゲンは,女性生殖器系の発達,維持及び第二次性徴に大きく関与している.循

環血中エストロゲンは代謝物と相互変換する動的平衡状態を保ちながら存在するが,エストラジ

オールは主要な細胞内ヒトエストロゲンであり,その代謝産物であるエストロンやエストリオー

ルよりも受容体レベルで強い作用を有する.正常周期を有する成人女性では主に卵胞でエストロ

ゲンが産出され,月経周期中の相に従って 1日に 70~500 mcgのエストラジオールが分泌される.

閉経後,内因性エストロゲンの大半は,副腎皮質が分泌するアンドロステンジオンが末梢組織に

よってエストロンに変換されることによって産生される.したがって,閉経後女性ではエストロ

ン及びその硫酸抱合体のエストロンサルフェートが最も多く血中に循環しているエストロゲンで

ある.

エストロゲンはエストロゲン反応組織の核内受容体に結合することによって作用する.これま

でに 2つのエストロゲン受容体が同定されており,組織によってその比率が異なる.

循環血中エストロゲンはゴナドトロピン,黄体形成ホルモン(LH)及び卵胞刺激ホルモン(FSH)

の下垂体分泌を負のフィードバック機序によって調節する.エストロゲンは閉経後女性に見られ

るこれらのホルモン濃度の上昇を弱める働きをする.

薬物動態

吸収

エストラジオール:ホルモン補充療法に使用されるエストロゲンは皮膚,粘膜及び胃腸管から

良好に吸収される.閉経後女性に 3~4日ごとに CombiPatchを貼付すると,定常状態で平均血清

中エストラジオール濃度は 45~50 pg/mLになり,これは閉経前女性の卵胞期早期の正常域に相当

する.この濃度には CombiPatch貼付後 12~24時間以内に到達する.CombiPatch貼付後,血清中

エストラジオール濃度の変動は最小限であり,貼付中はホルモンが安定して吸収されていること

を示す.

閉経後の健康な女性 40例を対象に行った試験で,CombiPatchを腹部に連続 3回貼付し,血清中

エストラジオール濃度を測定した (各用量の製剤 1枚を 3.5日間 3回貼付).それぞれの薬物動態

パラメータを表 Iに示した.

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表Ⅰ.定常状態における血清中エストラジオール濃度及びエストロン濃度(pg/mL)の

平均値(標準偏差) [投与開始前に関する補正はしていない]

エストラジオール

製剤の大きさ

用量

エストラジオール / NETA

(mg/day)

Cmax

最大濃度

Cmin

最小濃度

Cavg

平均濃度

9 cm2 0.05 / 0.14 71 (32) 27 (17) 45 (21)

16 cm2 0.05 / 0.25 71 (30) 37 (17) 50 (21)

エストロン

9 cm2 0.05 / 0.14 72 (23) 49 (19) 54 (19)

16 cm2 0.05 / 0.25 78 (22) 58 (22) 60 (18)

ノルエチステロン:ホルモン補充療法に使用される黄体ホルモンは皮膚,粘膜及び胃腸管から

良好に吸収される.ノルエチステロン濃度は CombiPatch経皮吸収製剤貼付後 24時間以内に定常

状態に達する.CombiPatch貼付後,血清中ノルエチステロン濃度の変動は最小限であり,貼付中

はホルモンが安定して吸収されていることを示す.血清中ノルエチステロン濃度は酢酸ノルエチ

ステロンの用量に比例して線形的に上昇する.

閉経後の健康な女性 40例を対象に行った試験で,CombiPatchを腹部に連続 3回貼付し,血清中

ノルエチステロン濃度を測定した (各用量の製剤 1枚を 3.5日間 3回貼付).それぞれの薬物動態

パラメータを表 IIに示した.

表Ⅱ.定常状態における血清中ノルエチステロン濃度(pg/mL)の平均値(標準偏差)

製剤の大きさ

用量

エストラジオール / NETA

(mg/day)

Cmax

最大濃度

Cmin

最小濃度

Cavg

平均濃度

9 cm2 0.05 / 0.14 617 (341) 386 (137) 489 (244)

16 cm2 0.05 / 0.25 1060 (543) 686 (306) 840 (414)

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体内分布

エストラジオール:外因性エストロゲンの体内分布は内因性エストロゲンと類似している.エ

ストロゲンは体内に広く分布しており,一般に性ホルモン標的器官に比較的高い濃度で認められ

る.エストロゲンは主として性ホルモン結合グロブリン(SHBG)及びアルブミンに結合して血液中

を循環する.

ノルエチステロン:血漿中でノルエチステロンの約 90%は SHBG及びアルブミンに結合してい

る.

代謝

エストラジオール:外因性エストロゲンは内因性エストロゲンと同様に代謝される.循環血中

エストロゲンは代謝物と相互変換する動的平衡状態を保ちながら存在する.この変換は主として

肝臓で行われる.エストラジオールは可逆的にエストロンに変換され,両方とも主要尿代謝産物

であるエストリオールに変換可能である.また,エストロゲンも肝臓での硫酸抱合及びグルクロ

ン酸抱合,抱合体の腸への胆汁中排泄,腸での加水分解と再吸収を経る腸肝循環を受ける.閉経

後女性では,循環血中エストロゲンの大部分が硫酸抱合体のとりわけエストロンサルフェートと

して存在し,これがより多くの活性エストロゲンを形成するための循環血中リザーバーとしての

役割を果たす.経皮的に吸収されるエストラジオールで皮膚で代謝される量はわずかであり,経

口投与されたエストロゲンで見られるような初回通過効果を受けない.経皮投与では,経口投与

と比較して低用量 (1日用量と総用量)で有効血清中エストラジオール濃度に達し,しかも循環血

中エストロン及びエストロン抱合体の濃度は低くなる.

ノルエチステロン:酢酸ノルエチステロンは皮膚及び血液を含む大半の組織で,活性部分であ

るノルエチステロンに加水分解される.ノルエチステロンは主として肝臓で代謝されるが,経皮

投与では肝初回通過効果が回避される分,代謝は大きく減少する.

排泄

エストラジオール:エストラジオール,エストロン及びエストリオールはグルクロン酸抱合体

及び硫酸抱合体とともに尿中に排泄される.エストラジオールは消失半減期が約 2~3時間と短い

ため,CombiPatchエストラジオール / 酢酸ノルエチステロン経皮吸収剤を除去した後,血清中濃

度は速やかに低下する.血清中エストラジオール濃度は 4~8時間以内に投与前の閉経後の濃度

(<20 pg/mL)に戻る.

第 II及び第 III相試験の濃度データは,エストラジオールの薬物動態は連続使用時にも変化せず,

パッチ貼付期間を延長 (1年まで)してもエストラジオールの蓄積を示唆する証拠はない.

ノルエチステロン:ノルエチステロンの消失半減期は 6~8時間と報告されている.血清中ノル

エチステロン濃度は速やかに減少し,CombiPatch除去後 48時間以内に 50 pg/mL未満になる.

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第 II及び第 III相試験の濃度データは,ノルエチステロンの薬物動態は連続使用時にも変化せず,

パッチ剤貼付期間を延長 (1年まで)してもノルエチステロンの蓄積を示唆する証拠はない.

特殊な集団

CombiPatchの試験は閉経後女性のみを対象として行った.

相互作用

In vitro及び in vivo試験から,エストロゲンの一部分はチトクローム P450 3A4(CYP3A4)で代謝

されることが知られている.したがって,CYP3A4を誘導または阻害する物質がエストロゲンの

薬物代謝に影響を及ぼすことがある.セント・ジョーンズ・ワート (セイヨウオトギリソウ),フ

ェノバルビタール,カルバマゼピン及びリファンピン等の CYP3A4誘導物質は血漿中エストロゲ

ン濃度を低下させる可能性があり,治療効果の減少及び / または子宮出血特性の変化をきたすお

それがある.エリスロマイシン,クラリスロマイシン,ケトコナゾール,イトラコナゾール,リ

トナビル及びグレープフルーツジュース等の CYP3A4阻害物質は血漿中エストロゲン濃度を上昇

させることがあり,副作用を生じるおそれがある.

粘着性

患者 1287例を対象とした 3ヵ月~1年にわたる 6件の臨床試験を平均すると,CombiPatch経皮

吸収剤は,3~4日の貼付期間のほぼ 90%の時間は皮膚に完全に付着していた.パッチ剤が浮いた

り,はがれたりしたことにより再貼付または貼り替えが必要であった患者は 2%未満であった.

臨床試験中の粘着不良により治療を中止した患者はわずか 2例 (0.2%)であった.

臨床試験

血管運動神経系症状への効果

閉経後女性 (332例)を対象に中等度~重度の血管運動神経系症状の改善度を評価する 2件の臨

床試験において,CombiPatchを 28日周期で 3回,持続的併用投与法 (Continuous Combined)または

周期的併用投与法 (Continuous Sequential)で投与し,プラセボ群と比較した.持続的併用投与法で

は,CombiPatchを週 2回貼り替えながら 3周期貼付した.周期的併用投与法では,エストラジオ

ール単独経皮吸収剤 (Vivelle® 0.05 mg)を 28日周期の前半 14日間に週 2回貼付し,後半 14日間は

CombiPatchを週 2回貼り替えながら貼付した.投与開始前のHot flushの平均回数は持続的併用投与

群では 1日 10~11回,周期的併用投与群では 11~12回であった.1日あたりのHot flushの平均回

数及び程度 (intent-to-treat集団)は,CombiPatchの全用量で,持続的併用投与群でも周期的併用投与

群でもプラセボ群と比較して,投与終了時では投与開始時に比べ有意に減少した (intent-to-treat集

団) [下表参照].

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CombiPatch®持続的併用投与群における 1日あたりのHot flushの発現頻度と程度の変化の補正

平均値

CombiPatch®

持続的併用投与

プラセボ

投与開始前からの変化の補

正平均値1

0.05 / 0.14 mg/day2

n=57

0.05 / 0.25 mg/day2

n=52

n=51

Hot flushの発現頻度3

Hot flushの 1日の強度3,4

-9.35

-4.65,6

-8.95

-5.05

-6.2

-2.87

1 平均値は処置群及び治験責任医師間の不均衡を補正した(分散分析から得た最小二乗平均).

2 各製剤が 1日に放出するエストラジオール / 酢酸ノルエチステロンの量をmg単位で示

す.

3 母集団は投与開始時と投与終了時に観察した患者である.

4 Hot flushの強度は 0~9の尺度で評価した(無し=0,軽度=1~3,中等度=4~6,重度=7

~9).

5 対プラセボ群P値=<0.001

6 データを入手できた患者は計 56例.

7 データを入手できた患者は計 50例.

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CombiPatch®周期的併用投与群における 1日あたりのHot flushの発現頻度と程度の変化の補正

平均値

CombiPatch®

周期的併用投与

プラセボ

投与開始前からの変化の補

正平均値1

0.05 / 0.14 mg/day2

n=54

0.05 / 0.25 mg/day2

n=59

n=53

Hot flushの発現頻度3

Hot flushの 1日の強度3,4

-9.35

-4.45

-9.55

-4.55

-5.5

-2.1

1 平均値は治療群及び治験責任医師間の不均衡を補正した(分散分析から得た最小二乗平均).

2 各製剤が 1日に放出するエストラジオール / 酢酸ノルエチステロンの量をmg単位で示

す.

3 母集団は投与開始時と投与終了時に観察を受けた患者である.

4 Hot flushの強度は 0~9の尺度で評価した(無し=0,軽度=1~3,中等度=4~6,重度=7

~9).

5 対プラセボ群P値=<0.001

子宮内膜への影響

エストロゲン単独療法は子宮内膜腺癌に進展する可能性がある子宮内膜増殖症のリスク増加と

関係している.黄体ホルモンは核内エストラジオール受容体の数を減らし,子宮内膜組織の上皮

DNA合成を抑制することによりエストロゲン様効果を抑制する.

臨床試験の結果は,エストロゲン投与計画に 1周期あたり少なくとも 12日間黄体ホルモンを併

用することにより,健常子宮を有する女性の子宮内膜増殖症発現率及び子宮内膜腺癌の潜在的危

険性が低くなることを示唆している.エストロゲン投与計画に黄体ホルモンを併用することによ

り,エストロゲン療法に承認されている適応症に対する有効性が妨げられるという報告はない.

CombiPatchは 2件の第 II相試験において,1年投与後のエストロゲン誘発性子宮内膜増殖症発

現率の低下に有効であった.閉経後女性 955例 (子宮を有する)を対象に(i)CombiPatch単独連続投

与法(持続的併用投与法),(ii)エストラジオール単独(Vivelle 0.05 mg)経皮吸収剤の次に CombiPatch

経皮吸収剤を投与する逐次投与法 (周期的併用投与法),あるいは(iii)エストラジオール単独経皮吸

収剤 (Vivelle 0.05 mg)連続投与法のいずれかの投与法で治療を行った.CombiPatchを用いた群で

は,1年投与後の子宮内膜増殖症発現率 (主要評価項目)が,エストラジオール単独投与群と比較

して有意に低かった.結果を下表に示した (intent-to-treat集団).

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CombiPatch®持続的併用投与法における子宮内膜増殖症発現率

CombiPatch®

持続的併用投与

Vivelle

連続投与

0.05 / 0.14 mg/day1 0.05 / 0.25 mg/day1 0.05 mg/day

生検した患者数2 123 98 103

増殖症がある患者数

(%)

1 (<1%)3 1 (1%)3,4 39 (38%)5

1 各製剤が 1日に放出するエストラジオール / NETAの量をmg単位で示す.

2 12周期治療後の生検または 12周期目以前の増殖症.

3 持続的併用群とエストラジオール単独群間に有意差が認められた(p値<0.001).

4 この患者は投与開始前に増殖症があった.

5 39例中1例に子宮内膜ポリープに増殖症があった.

CombiPatch®周期的併用投与法における子宮内膜増殖症発現率

CombiPatch®

周期的併用投与

Vivelle

連続投与

0.05 / 0.14 mg/day1 0.05 / 0.25 mg/day1 0.05 mg/day

生検した患者数2 117 114 115

増殖症がある患者数

(%)

1 (<1%)3,4 1 (<1%)3,5 23 (20%)

1 各製剤が 1日に放出するエストラジオール / NETAの量をmg単位で示す.

2 12周期の治療後の生検または 12周期目以前の増殖症.

3 周期的併用投与群とエストラジオール単独群間に有意差が認められた(p値<0.001).

4 この患者は投与開始前に増殖症があった.

5 この患者は子宮内膜ポリープに増殖症があった.

子宮出血または点状出血への影響

CombiPatch経皮吸収エストラジオール / 酢酸ノルエチステロン製剤による持続的併用投与法

で治療し,1年間の試験を終了した女性では,累積無月経発生率 (28日周期の間及び試験終了ま

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メノエイドパッチ50/140(RPR106522) M1.6 外国における使用状況等に関する資料 (米国 の添付文書訳) CombiPatch

で出血不在が継続)は経時的に増加した.第 10~12周期の無月経発生率は CombiPatch 0.05 / 0.14

mg/day投与群では 53%,CombiPatch 0.05 / 0.25 mg/day投与群では 39%であった.出血を経験し

た女性は,通例その出血を軽度 (1~4の尺度で 1.3)とみなし,持続期間は CombiPatch 0.05 / 0.14

mg/day投与群では 4日,CombiPatch 0.05 / 0.25 mg/day投与群では 6日であった.

1年間CombiPatchを持続的併用投与した女性の累積無月経発生率*(intent-to-treat集団)

る%

サイクル 0.05/0.14 mg/day

0.05/025 mg/day

* 累積無月経とは 28日周期の間及び試験終了まで出血不在が継続した場合と定義する.

脂質に対する影響に関する情報

WHIの CE / MPAサブ解析 (大半が健康な閉経後女性 16,608例を対象)の結果,ホルモン補充療

法は低比重リポたん白 (LDL)コレステロール値を低下させ,高比重リポたん白 (HDL)コレステロ

ール値を上昇させたが,冠動脈性心疾患イベントの危険性は高くなった.したがって,エストロ

ゲン及び黄体ホルモンは心血管疾患の予防を目的に使用してはならない (冒頭の囲み付き警告及

び臨床薬理学の臨床試験の項を参照).

心血管疾患の危険性が低い 90%が白人の集団を対象に実施した臨床試験の結果,CombiPatchは

Vivelle (エストロゲン単独療法)と比較して,総コレステロール (TC)値を有意に大きく低下させた.

また,CombiPatchを 1年間投与後,高比重リポたん白・コレステロール (HDL-C)の平均値が低下

したのに対して,Vivelle使用者では上昇した.平均 TC / HDL-C値の変化は Vivelle群及び

CombiPatch群のいずれにおいても,最低 1年間投与後に認められた.トリグリセリドの減少は

CombiPatchを用いる 2つの投与法で認められた.

次の表は 955例の閉経後女性 (子宮を有する)を対象に行った 2件の臨床試験で治療 1年後に得

た脂質に関するパラメータをまとめたものである.被験者は(i)CombiPatch単独持続的投与法(持続

的併用投与法),(ii)エストラジオール単独(Vivelle 0.05 mg)経皮吸収剤の次に CombiPatch経皮吸収

剤を投与する周期的投与法 (周期的併用投与法),あるいは(iii)エストラジオール単独経皮吸収剤

(Vivelle 0.05 mg)連続投与法のいずれかの投与法で治療した.下記の値は投与開始前及び 1年後の

データを有する患者における投与開始前からの変化の平均を百分率で示している.

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メノエイドパッチ50/140(RPR106522) M1.6 外国における使用状況等に関する資料 (米国 の添付文書訳) CombiPatch

CombiPatch®持続的併用投与 1年後の脂質特性の投与開始前からの変化の補正平均値(%)

CombiPatch®

持続的併用投与

Vivelle

連続投与

脂質パラメータ(%)

0.05 / 0.14 mg/day1

n=122

0.05 / 0.25 mg/day1

n=99

0.05 mg/day

n=79

総コレステロール -5.4%2 -8.6%3 -2.0%

HDL-C -3.1%3 -9.1%3 +7.3%

LDL-C -4.6%4 -7.6%5 -3.4%

トリグリセリド -4.6% -9.5% -6.7%

1 各製剤が 1日に放出するエストラジオール / NETAの量をmg単位で示す.

2 エストラジオール単独パッチ剤との差は有意であった(p<0.05).

3 エストラジオール単独パッチ剤との差は有意であった(p<0.001).

4 データ入手患者は計 121例.

5 データ入手患者は計 97例.

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メノエイドパッチ50/140(RPR106522) M1.6 外国における使用状況等に関する資料 (米国 の添付文書訳) CombiPatch

CombiPatch®周期的併用投与 1年後の脂質特性の投与開始前からの変化の補正平均値(%)

CombiPatch®

周期的併用投与

Vivelle

連続投与

脂質パラメータ(%)

0.05 / 0.14 mg/day1

n=117

0.05 / 0.25 mg/day1

n=115

0.05 mg/day

n=105

総コレステロール -4.1%2 -9.0%3 -1.0%

HDL-C -4.7%3 -8.9%3 +0.9%

LDL-C -1.2%4 -6.8%2,5 -2.0%6

トリグリセリド -8.2%3 -14.1%3 +13.2%

1 各製剤が 1日に放出するエストラジオール / NETAの量をmg単位で示す.

2 エストラジオール単独パッチ剤との差は有意であった(p<0.05).

3 エストラジオール単独パッチ剤との差は有意であった(p<0.001).

4 データ入手患者は計 116例.

5 データ入手患者は計 114例.

6 データ入手患者は計 103例.

The Women’s Health Initiative試験

The Women’s Health Initiative (WHI)は計 27,000例の主として健康な閉経後女性を対象に,経口結

合型エストロゲン(CE) 0.625 mg/day単独使用,または経口結合型エストロゲン(CE) 0.625 mg/day

及び酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)2.5 mg/day併用の特定慢性疾患の予防におけるリスク

とベネフィットをプラセボと比較して評価した.主要評価項目を冠動脈性心疾患(CHD)(非致死性

心筋梗塞,CHDによる死亡及び浸潤性乳癌の発症とした.〝global index〟には,CHD,浸潤性乳

癌,脳卒中,肺塞栓症(PE),子宮内膜癌,結腸直腸癌,大腿骨頚部骨折及びその他の原因による

死亡のいずれかの事象を初めて経験した患者の数を含めた.この試験では CE単独使用または CE

/ MPA併用の更年期症状に対する効果は評価されなかった.

CE / MPA併用サブ解析は,所定の中止規定に従って予定より早く中止された.これは乳癌及び

心血管系事象の危険性の増加が〝global index〟に含まれている特定のベネフィットを上回ったこ

とによる.CE / MPA併用サブ解析は 16,608例の女性(平均年齢 63歳,範囲 50~79歳,白人 83.9%,

黒人 6.5%,ヒスパニック 5.5%)を対象に行われた.平均 5.2年の追跡調査の結果を表 IIIに示した.

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表Ⅲ WHIのCE / MPAサブ解析に見られる相対及び絶対リスクa

プラセボ群

n=8102

CE / MPA群

n=8506

事象c 相対リスク

投与 5.2年後のCE / MPA対

プラセボ(95%信頼区間*) 女性 10,000人年あたりの絶対リスク

CHD事象

非致死性心筋梗塞

CHDによる死亡

1.29 (1.02-1.63)

1.32 (1.02-1.72)

1.18 (0.70-1.97)

30

23

6

37

30

7

浸潤性乳癌b 1.26 (1.00-1.59) 30 38

脳卒中 1.41 (1.07-1.85) 21 29

肺塞栓症 2.13 (1.39-3.25) 8 16

結腸直腸癌 0.63 (0.43-0.92) 16 10

子宮内膜癌 0.83 (0.47-1.47) 6 5

大腿骨頚部骨折 0.66 (0.45-0.98) 15 10

上記以外の原因による死亡 0.92 (0.74-1.14) 40 37

Global index c 1.15 (1.03-1.28) 151 170

深部静脈血栓症d 2.07 (1.49-2.87) 13 26

脊椎骨折d 0.66 (0.44-0.98) 15 9

その他の骨粗鬆症性骨折d 0.77 (0.69-0.86) 170 131

a 出典:JAMA(2002:288:321-333)

b 上皮内癌を除く転移性及び非転移性乳癌を含む.

c 事象の一部は〝global index〟として,CHD事象,浸潤性乳癌,脳卒中,肺塞栓症,子宮内膜癌,

結腸直腸癌,大腿骨頚部骨折及びその他の原因による死亡のいずれかの事象を初めて経験した

患者の数と定義した.

d 〝global index〟には含まれていない.

* 観察及び比較の多様性に関する補正をしていない公称信頼区間.

〝global index〟に含まれる有害事象に関して,CE / MPA投与群における女性 10,000人年あたり

の過剰絶対リスク差は CHD事象が 7人増,脳卒中が 8人増,肺塞栓症が 8人増,浸潤性乳癌が 8

人増であったのに対し,女性 10,000人年あたりの絶対リスク減少率は結腸直腸癌が 6人減,大腿

骨頚部骨折が 5人減であった.〝global index〟に含まれる事象の絶対リスク差は女性 10,000人年

あたり 19人増であった.原因を問わない死亡率に関する群間差はなかった (冒頭の囲み付き警告,

警告及び使用上の注意を参照).

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The Women’s Health Initiative Memory Study

WHIのサブ解析である The Women’s Health Initiative Memory Study (WHIMS)では,65歳以上の

主に健康な閉経後女性 4,532例 (65~69歳が 47%,70~74歳が 35%,75歳以上が 18%)を対象に,

経口 CE / MPA (結合型エストロゲン 0.625 mgと酢酸メドロキシプロゲステロン 2.5 mg併用)の痴

呆の疑い (probable dementia;主要評価項目)に対する効果をプラセボ群と比較して評価した.

平均 4年の追跡調査により,エストロゲン / 黄体ホルモン併用群の 40例 (女性 10,000人年あ

たり45人)及びプラセボ群の21例 (女性10,000人年あたり22人)が痴呆の疑い (probable dementia)

と診断された.ホルモン補充療法群の痴呆の疑い (probable dementia)のプラセボ群と比較した

相対リスクは 2.05 (95%信頼区間 1.21~3.48)であった.群間差は投与 1年目に明らかになった.こ

の所見がより若い閉経後女性に適用できるか否かはわかっていない (冒頭の囲み付き警告及び警

告の痴呆の項を参照).

適応症及び使用法

健常子宮を有する女性では,CombiPatchは以下の治療に使用される:

閉経と関連した中等度~重度の血管運動神経系症状の治療.

閉経と関連した中等度~重度の外陰部及び腟の萎縮症状の治療.外陰部及び腟の萎縮症状の治

療のためにだけ処方する場合は,局所腟剤を検討すべきである.

性腺機能低下症,卵巣摘出または原発性卵巣不全による低エストロゲン症の治療.

禁忌

CombiPatchは以下のいずれかの条件下にある女性に使用してはならない:

1. 原因不明の異常性器出血がある.

2. 乳癌及びその疑い,またはその既往歴がある.

3. エストロゲン依存性腫瘍及びその疑いがある.

4. 進行中の深部静脈血栓症,肺塞栓症またはそれらの既往歴がある.

5. 進行中または最近(例えば,過去 1年以内)の動脈性の血栓塞栓疾患(例えば,脳卒中,心

筋梗塞)がある.

6. 肝機能不全または肝疾患がある.

7. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴がある.

8. 妊娠または妊娠している可能性がある.妊娠中の CombiPatchの適応はない.妊娠初期に

気付かずに経口避妊薬を服用し,エストロゲン及び黄体ホルモンを摂取した女性から生

まれた児に先天性異常の危険性増加はほとんど若しくはまったくないようである(使用

上の注意の項を参照).

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警告

冒頭の囲み付き警告を参照.

1. 心血管系障害

エストロゲン単独療法及びエストロゲン / 黄体ホルモン併用療法は,心筋梗塞及び脳卒中など

の心血管系事象並びに静脈血栓症及び肺塞栓症 (静脈血栓塞栓症または VTE)の危険性増加と関

連していた.こうした事象のいずれかが発生または疑われた場合,エストロゲン / 黄体ホルモン

の投与をただちに中止すること.

動脈血管疾患の危険因子 (例えば,高血圧,真性糖尿病,喫煙,高コレステロール血症及び肥

満)及び / または静脈血栓塞栓症の危険因子 (例えば,VTEの既往歴または家族歴,肥満及び全身

性エリテマトーデス)の管理を適切に行うこと.

a. 冠動脈性心疾患及び脳卒中

The Women’s Health Initiative (WHI)試験において,CE単独投与群では脳卒中発現頻度がプラセ

ボ群と比較して高かった.

WHIの CE / MPA併用に関するサブ解析において,CE / MPA投与群では冠動脈性心疾患 (CHD)

事象 (非致死性心筋梗塞及び CHDによる死亡と定義)の危険性がプラセボ群と比較して高かった

(女性 10,000人年あたり 37対 30).この危険性の増加は投与 1年目に観察され持続した.同じWHI

のサブ解析において,CE / MPA投与群では脳卒中の危険性がプラセボ群と比較して高かった (女

性 10,000人年あたり 29対 21).この危険性の増加は投与 1年後に観察され持続した (臨床薬理学

の臨床試験の項を参照).

心疾患の既往歴のある閉経後女性 (2,763例,平均年齢 66.7歳)を対象に行った CE (0.625 mg/day)

/ MPA (2.5 mg/day)併用療法による心血管疾患の二次予防に関する比較臨床試験(Heart and Estrogen

/ Progestin Replacement Study; HERS試験)では,心血管に関するベネフィットは立証されなかった.

冠動脈性心疾患の既往歴のある閉経後女性を対象にした平均 4.1年の追跡調査中に,CE / MPA投

与による CHD事象の総発現率の減少はなかった.CE / MPA群では投与 1年目の CHD事象がプラ

セボ群より多かったが,1年後以降はそうではなかった.HERS試験の被験者のうち 2,321例が,

HERS試験の延長である非盲検試験 HERS IIへの参加に同意した.HERS IIの追跡調査期間として

平均 2.7年を追加し,計 6.8年の追跡調査を行った.HERS,HERS II及び全体における CHD事象

発現率は CE / MPA群とプラセボ群間で同等であった.

男性を対象とした大規模プロスペクティブ臨床試験において,前立腺癌及び乳癌の治療用量に

相当する大量エストロゲン (結合型エストロゲン 5 mg/day)投与により,非致死性心筋梗塞,肺塞

栓症及び血栓性静脈炎の危険性が高くなることが明らかになった.

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b. 静脈血栓塞栓症(VTE)

The Women’s Health Initiative (WHI)試験において,CE投与群ではプラセボ群と比較して VTEの

増加が見られた.

WHIの CE / MPAサブ解析において,深部静脈血栓症及び肺塞栓症を含む VTE発現率が,CE /

MPA投与群ではプラセボ群と比較して 2倍高かった.VTE発現率は,CE / MPA投与群が女性

10,000人年あたり 34人であったのに対し,プラセボ群では女性 10,000人年あたり 16人であった.

VTEの危険性増加は投与 1年目に認められ持続した (臨床薬理学の臨床試験の項を参照).

可能であれば,血栓塞栓症の危険性が高くなるような手術の遅くとも 4~6週間前,あるいは長

期間運動が抑制される間はエストロゲン投与を中止すべきである.

2. 悪性腫瘍

a. 乳癌

閉経後女性がエストロゲン及び黄体ホルモンを使用すると乳癌の危険性が高くなるとの報告が

ある.この問題に関する情報が得られる最も重要な無作為化臨床試験は,The Women’s Health

Initiative (WHI)の CE / MPAサブ解析である (臨床薬理学の臨床試験の項を参照).観察研究の結果

はWHIの臨床試験の結果と概ね一致しており,エストロゲンまたは黄体ホルモンの種類,用量,

投与経路の違いによる乳癌の危険性に関する有意差は報告されていない.

WHIの CE / MPAサブ解析の結果,平均 5.6年の追跡調査期間に CE / MPA投与群では乳癌の危

険性が高くなるとの報告がある.また,観察研究の結果でも,エストロゲン / 黄体ホルモン併用

療法に危険性の増加,及びエストロゲン単独療法に比較的小さい危険性の増加が投与数年後に認

められたとの報告がある.WHI試験及び観察研究の結果によると,リスク差は投与期間に伴って

増加する.観察研究から危険性は投与中止後約 5年で投与開始前に戻るようである.加えて,観

察研究はエストロゲン / 黄体ホルモン併用療法では,乳癌の危険性がエストロゲン単独療法と比

較して高くなり,また明らかに短期間で危険性が高くなることを示唆している.

CE / MPAサブ解析では,26%の女性が事前にエストロゲン単独及び / またはエストロゲン /

黄体ホルモン併用ホルモン補充療法を受けていた.臨床試験中の平均 5.6年の追跡調査の全体の

浸潤性乳癌の CE / MPA群の相対リスクはプラセボ群に対して 1.24 (95%信頼区間 1.01~1.54),全

体の絶対リスクは女性 10,000人年あたり 41対 33であった.事前のホルモン補充療法を報告した

患者では,浸潤性乳癌の CE / MPA群の相対リスクはプラセボ群に対して 1.86であり,絶対リス

クは女性 10,000人年あたり 46対 25であった.事前にホルモン補充療法を受けていないと報告し

た女性では,浸潤性乳癌の CE / MPA群の相対リスクはプラセボ群に対して 1.09であり,絶対リ

スクは女性 10,000人年あたり 40対 36であった.同じサブ解析において,CE / MPA群では浸潤

性乳癌がプラセボ群と比較してより大きく,より進行した段階で診断された.転移性病変はまれ

で,群間差はないようであった.組織学的亜型,悪性度及びホルモン受容体の状態等のその他の

予後因子に群間差はなかった.

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メノエイドパッチ50/140(RPR106522) M1.6 外国における使用状況等に関する資料 (米国 の添付文書訳) CombiPatch

エストロゲン・黄体ホルモン併用により,更に詳細な評価を要する乳房撮影異常が増加すると

の報告がある.すべての女性は年 1回の医療機関での乳房検診と月 1回の乳房自己検診を実施す

べきである.加えて,患者の年齢,危険因子及び以前の乳房撮影結果に基づいてマンモグラフィ

検査の予定を組むべきである.

b. 子宮内膜癌:

健常子宮を有する女性では,エストロゲンの単独使用は子宮内膜癌の危険性増加を伴う.エス

トロゲンの単独使用者に報告されている子宮内膜癌の危険性は,非使用者の約 2~12倍以上高く,

投与期間及びエストロゲン用量に依存しているようである.大半の試験において,1年未満のエ

ストロゲン使用には危険性の有意な増加はない.危険性は長期使用に伴って最も高くなるようで

あり,5~10年以上の使用で危険性は 15~24倍高くなり,この危険性はエストロゲン療法中止後

も少なくとも 8~15年持続することが示されている.

エストロゲン / 黄体ホルモン併用女性はすべて臨床的に観察することが重要である.原因不明

の持続性または再発性不正腟出血のある全症例において,必要であれば子宮内膜標本採集を含む

適切な診断方法をとり悪性腫瘍を除外すべきである.同等投与量での天然エストロゲンと合成エ

ストロゲンでは,子宮内膜危険性が異なるという裏付けはない.エストロゲン補充療法に黄体ホ

ルモンを併用することにより,子宮内膜癌に進展する可能性がある子宮内膜増殖症の危険性が低

くなることがわかっている.

3. 痴呆

The Women’s Health Initiative Memory Study (WHIMS)では,概して健康な 65歳以上の閉経後女性

4,532例 (35%は 70~74歳,18%は 75歳以上)を対象に試験を行った.平均 4年の追跡調査により,

CE / MPA投与群の 40例 (2,229例の 1.8%)及びプラセボ群の 21例 (2,303例の 0.9%)が痴呆の疑

い(probable dementia)と診断された.プラセボ群に対する CE / MPA群の相対リスクは 2.05 (95%

信頼区間 1.21~3.48)で,WHIMS以前の更年期ホルモン補充療法歴の有無による差はなかった.

CE / MPA群の痴呆の疑い(probable dementia)の絶対リスクは女性 10,000人年あたり 45人,プラ

セボ群が 22人で,CE / MPA群の絶対リスク差は女性 10,000人年あたり 23人であった.こうし

た所見がより若い閉経後女性にも適用できるか否かはわかっていない (臨床薬理学の臨床試験及

び使用上の注意の高齢者の使用を参照).

4. 胆嚢疾患

エストロゲンを投与していた閉経後女性では,手術を要する胆嚢疾患の危険性が 2~4倍高くな

るとの報告がある.

5. 高カルシウム血症

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メノエイドパッチ50/140(RPR106522) M1.6 外国における使用状況等に関する資料 (米国 の添付文書訳) CombiPatch

エストロゲン投与は乳癌及び骨転移のある患者に重度の高カルシウム血症を引き起こすおそれ

がある.高カルシウム血症が生じたら,投与を中止し適切な方法で血清中カルシウム濃度を下げ

ること.

6. 視覚異常

エストロゲン投与患者に網膜血管血栓症が報告されている.突然に部分的または完全な視力喪

失,あるいは眼球突出,複視,片頭痛が生じた場合,検査結果が出るまで投薬を中止すること.

検査の結果,視神経乳頭浮腫または網膜血管病変が明らかになった場合,エストロゲンの投与を

永久に中止すること.

使用上の注意

A. 一般的注意

1. 非子宮摘出女性に対する黄体ホルモン併用投与.エストロゲン投与に加えて黄体ホルモン

を 1周期で 10日以上併用,またはエストロゲンと毎日併用で連続投与する試験の結果,

子宮内膜増殖症発現率はエストロゲン単独療法より低くなるとの報告がある.子宮内膜増

殖症は子宮内膜癌に進展する可能性がある.

しかし,エストロゲン単独投与法と比較して,エストロゲン / 黄体ホルモン併用法に

関連している可能性のある危険性がある.それには乳癌の危険性が高くなる可能性が含ま

れている.

2. 血圧の上昇.少数の症例報告において,エストロゲンに対する特異体質反応によって血圧

の大幅な上昇が生じている.大規模無作為化プラセボ対照比較臨床試験では,エストロゲ

ン療法の血圧に対する全身作用は認められなかった.エストロゲンを使用する際は定期的

に血圧を観察すること.

3. 高トリグリセリド血症.すでに高トリグリセリド血症のある患者では,エストロゲン療法

は血漿中トリグリセリド濃度の上昇を招き,膵炎やその他の合併症を引き起こすおそれが

ある.

4. 肝機能障害及び胆汁うっ滞性黄疸の既往歴.経皮投与エストロゲンは初回通過肝代謝を受

けないが,肝機能障害のある患者ではエストロゲンは代謝されにくいと思われる.過去の

エストロゲン使用または妊娠で胆汁うっ滞性黄疸を合併した既往歴のある患者では注意

が必要であり,再発した場合は投薬を中止すること.

5. 甲状腺機能低下症.エストロゲンを投与すると甲状腺ホルモン結合グロブリン (TBG)濃度

が上昇する.甲状腺機能が正常な患者では,甲状腺ホルモンの分泌量を増やすことにより

TBG増加分を補って,血清中の遊離T4及びT3濃度を正常域に維持することができる.甲状

腺ホルモン補充療法に依存している患者にエストロゲンも投与する場合,補充する甲状腺

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メノエイドパッチ50/140(RPR106522) M1.6 外国における使用状況等に関する資料 (米国 の添付文書訳) CombiPatch

ホルモンを増量する必要があるかもしれない.こうした患者は遊離甲状腺ホルモン濃度を

許容範囲で維持するために,甲状腺機能を監視すること.

6. 体液貯留.エストロゲンはある程度の体液貯留を引き起こす可能性があるので,心機能ま

たは腎機能障害等の体液貯留の影響を受けるおそれのある状態でエストロゲンを処方する

際は慎重な観察を要する.

7. 低カルシウム血症.重度の低カルシウム血症の患者ではエストロゲンは慎重に投与するこ

と.

8. 卵巣癌.WHIの CE / MPAサブ解析は,エストロゲン / 黄体ホルモン併用により卵巣癌の

危険性が高くなると報告した.平均 5.6年の追跡調査により,CE / MPA群のプラセボ群に

対する卵巣癌の相対リスクは 1.58 (95%信頼区間 0.77~3.24)であったが,統計学的有意性は

なかった.CE / MPA群対プラセボ群の卵巣癌の絶対リスクは女性 10,000人年あたり 4.2対

2.7であった.エストロゲン単独で特に 10年以上使用した場合に,卵巣癌の危険性増加と

の関連が見られた疫学試験があるが,その他の疫学試験ではこうした関連性は見られなか

った.

9. 子宮内膜症の増悪.子宮内膜症はエストロゲン療法に伴って増悪するおそれがある.子宮

摘出後にエストロゲン単独療法を受けた女性に,残存子宮内膜移植片が悪性化した例が少

数報告されている.子宮摘出後の子宮内膜症残存がわかっている患者では,黄体ホルモン

の併用投与を考慮すべきである.

10. その他の病態の増悪.エストロゲンは喘息,真性糖尿病,てんかん,片頭痛,ポルフィリ

ン症,全身性エリテマトーデス及び肝臓血管腫の増悪を引き起こすおそれがあり,これら

の疾患のある女性には慎重に投与すること.

B. 患者用情報(くすりのしおり)

医師は CombiPatchを処方する患者とくすりのしおりについて話し合うことが望ましい.

C. 臨床検査

エストロゲン投与は承認された適応症に対する最小量で開始し,その後は血清中ホルモン濃度

(例えば,エストラジオール,卵胞刺激ホルモン[FSH])よりも臨床的な反応に基づいて用量を調

節すること.

D. 薬物 / 臨床検査の相互作用

1. プロトロンビン時間,部分トロンボプラスチン時間及び血小板凝集時間の加速.血小板数

増加.第 II因子,第 VII抗原,第 VIII抗原,第 VIII凝集活性,第 IX,X,XII因子,第

VII-X因子複合体,第 II-VII-X因子複合体及びβトロンボグロブリンの増加.抗 Xa因子

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メノエイドパッチ50/140(RPR106522) M1.6 外国における使用状況等に関する資料 (米国 の添付文書訳) CombiPatch

及びアンチトロンビン III濃度の低下.アンチトロンビン III活性の低下.フィブリノゲン

濃度及びフィブリノゲン活性の上昇.プラスミノゲン抗原及び活性の増加.

2. 甲状腺ホルモン結合グロブリン (TBG)の増加により,血漿たん白結合ヨウ素(PBI),T4濃度

(分離分析またはラジオイムノアッセイによる)またはラジオイムノアッセイによるT3濃度

で判断する総循環甲状腺ホルモン値の上昇.TBG上昇を表すT3レジン摂取率の減少.遊離

T4及びT3濃度は変化しない.甲状腺ホルモン補充療法を受けている患者は甲状腺ホルモン

の増量が必要になることがある.

3. その他の結合たん白質 (すなわちコルチコステロイド結合グロブリン (CBG),性ホルモン結

合グロブリン (SHBG))が血清中で増加する可能性があり,循環コルチコステロイド及び性ス

テロイドがそれぞれ増加する.遊離ホルモン濃度は低下する可能性がある.他の血漿中たん

白質は増加する可能性がある (アンギオテンシノゲン / レニン基質,α1-抗トリプシン,セ

ルロプラスミン).

4. 血漿中 HDL及び HDL-2亜分画濃度の上昇,LDLコレステロール濃度の低下,トリグリセリ

ド濃度の上昇.

5. 耐糖能異常.

6. メチラポン試験に対する反応低下.

E. 発癌性,突然変異原性,生殖能障害

エストロゲンを長期連用すると,黄体ホルモン併用の有無,子宮の有無に関わらず,子宮内膜

癌,乳癌及び卵巣癌の危険性が高くなることがわかっている (冒頭の囲み付き警告,警告及び使

用上の注意を参照).

天然及び合成エストロゲンをある種の動物に長期間連続投与すると,乳房,子宮,子宮頸部,

腟,睾丸及び肝臓の癌の発現頻度が増加する.酢酸ノルエチステロンには一連の in vitroまたは in

vivo遺伝毒性試験で変異原性は認められなかった.

F. 妊婦

CombiPatchは妊娠中に使用してはならない (禁忌を参照).

G. 授乳婦

授乳中の母親にエストロゲンを投与すると,母乳の量及び質が低減することがわかっている.

検出可能な量のエストロゲン及び黄体ホルモンがこれらの薬物を摂取している母親の母乳中に確

認されている.授乳中の母親には慎重に投与すること.

H. 小児への投与

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メノエイドパッチ50/140(RPR106522) M1.6 外国における使用状況等に関する資料 (米国 の添付文書訳) CombiPatch

CombiPatchに小児への適応はない.

I. 高齢者への投与

WHIの記憶に関する試験では,65歳以上の女性 4,532例を対象に平均 4年の追跡調査を行い,

その 82% (3,729例)は 65~74歳で,18% (803例)は 75歳以上であった.大半の女性 (80%)は事

前のホルモン補充療法を受けていなかった.結合型エストロゲンと酢酸メドロキシプロゲステロ

ンを併用した女性では,痴呆の疑い(probable dementia)発現の危険性が 2倍高くなるとの報告が

あった.アルツハイマー病は結合型エストロゲン・酢酸メドロキシプロゲステロン併用群及びプ

ラセボ群のいずれにおいても最も多く分類された痴呆の疑い(probable dementia)であった.痴呆

の疑い(probable dementia)症例の 90%は,54%にあたる 70歳以上に生じた (警告の痴呆を参照).

副作用

冒頭の囲み付き警告,警告及び使用上の注意を参照.

臨床試験の実施条件は大きく異なっているために,ある薬剤の臨床試験で観察された副作用の

発現率は別の薬剤の臨床試験での発現率と直接比較することはできない上に,臨床現場で観察さ

れる発現率を反映していない可能性がある.しかしながら臨床試験から得られる副作用情報は,

薬剤の使用に関連していると思われる有害事象の同定及び発現率の見積もりの基礎となる.

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メノエイドパッチ50/140(RPR106522) M1.6 外国における使用状況等に関する資料 (米国 の添付文書訳) CombiPatch

表Ⅳ 関連性に関わらず治療中に発生した全事象

CombiPatch®で報告頻度 5%以上

血管運動神経系症状に関する試験

CombiPatch®

0.05 / 0.14 mg/day1

n=113

CombiPatch®

0.05 / 0.25 mg/day1

n=112

プラセボ

n=107

全身 46% 48% 41%

腹部痛 7% 6% 4%

事故による外傷 4% 5% 8%

無力症 8% 12% 4%

背部痛 11% 9% 5%

インフルエンザ症候群 9% 5% 7%

頭痛 18% 20% 20%

疼痛 6% 4% 9%

消化管 19% 23% 24%

下痢 4% 5% 7%

消化不良 1% 5% 5%

鼓腸 4% 5% 4%

悪心 11% 8% 7%

神経 16% 28% 28%

うつ病 3% 5% 9%

不眠症 3% 6% 7%

神経過敏 3% 5% 1%

呼吸器 24% 38% 26%

咽頭炎 4% 10% 2%

呼吸障害 7% 12% 7%

鼻炎 7% 13% 9%

副鼻腔炎 4% 9% 9%

皮膚及び付属器 8% 17% 16%

投与部位反応 2% 6% 4%

尿生殖器 54% 63% 28%

乳房痛 25% 31% 7%

月経困難症 20% 21% 5%

白帯下 5% 5% 3%

月経障害 6% 12% 2%

Papanicolaouスメア疑陽性 8% 4% 5%

腟炎 6% 13% 5%

1 各製剤が 1日に放出するエストラジオール / NETAの量をmg単位で示す.

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メノエイドパッチ50/140(RPR106522) M1.6 外国における使用状況等に関する資料 (米国 の添付文書訳) CombiPatch

表Ⅴ 関連性に関わらず治療中に発生した全事象

CombiPatch®で報告頻度 5%以上

子宮内膜増殖症に関する試験

CombiPatch®

0.05 / 0.14 mg/day1

n=325

CombiPatch®

0.05 / 0.25 mg/day1

n=312

Vivelle®

0.05 mg/day

n=318

全身 61% 60% 59%

腹部痛 12% 14% 16%

事故による外傷 10% 11% 8%

無力症 10% 13% 11%

背部痛 15% 14% 13%

インフルエンザ症候群 14% 10% 7%

頭痛 25% 17% 21%

感染 5% 3% 3%

疼痛 19% 15% 13%

消化管 42% 32% 31%

便秘 2% 5% 3%

下痢 14% 9% 7%

消化不良 8% 6% 5%

鼓腸 7% 5% 6%

悪心 8% 12% 11%

歯の障害 6% 4% 1%

代謝及び栄養障害 12% 13% 11%

末梢性浮腫 6% 6% 5%

筋骨格系 17% 17% 15%

関節痛 6% 6% 5%

神経 33% 30% 28%

うつ病 8% 9% 8%

浮動性めまい 6% 7% 5%

不眠症 8% 6% 4%

神経過敏 5% 6% 3%

呼吸器 45% 43% 40%

気管支炎 5% 3% 4%

咽頭炎 9% 9% 8%

呼吸障害 13% 9% 13%

鼻炎 19% 22% 17%

副鼻腔炎 10% 12% 12%

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メノエイドパッチ50/140(RPR106522) M1.6 外国における使用状況等に関する資料 (米国 の添付文書訳) CombiPatch

CombiPatch®で報告頻度 5%以上

子宮内膜増殖症に関する試験

CombiPatch®

0.05 / 0.14 mg/day1

n=325

CombiPatch®

0.05 / 0.25 mg/day1

n=312

Vivelle®

0.05 mg/day

n=318

皮膚及び付属器 38% 37% 31%

ざ瘡 4% 5% 4%

投与部位反応 20% 23% 17%

発疹 6% 5% 3%

尿生殖器 71% 79% 74%

乳房腫大 2% 7% 2%

乳房痛 34% 48% 40%

月経困難症 30% 31% 19%

白帯下 10% 8% 9%

月経過多 2% 5% 9%

月経障害 17% 19% 14%

腟出血 3% 6% 12%

腟炎 9% 13% 13%

1 各製剤が 1日に放出するエストラジオール / NETAの量をmg単位で示す.

加えて,以下の副作用がエストロゲン及び / または黄体ホルモン補充療法で報告されている.

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メノエイドパッチ50/140(RPR106522) M1.6 外国における使用状況等に関する資料 (米国 の添付文書訳) CombiPatch

1. 泌尿生殖器系

腟出血パターンの変化及び異常な消退出血または出血量,破綻出血,点状出血,月経困難症,

子宮平滑筋腫の増大,腟カンジダ症を含む腟炎,頚管分泌量の変化,子宮頚外反の変化,卵巣癌,

子宮内膜増殖症,子宮内膜癌.

2. 乳房

圧痛,腫大,疼痛,乳頭分泌,乳汁漏出症,線維嚢胞性乳腺変化,乳癌.

3. 心血管系

深部及び表在性静脈血栓症,肺塞栓症,血栓性静脈炎,心筋梗塞,脳卒中,血圧上昇.

4. 胃腸

悪心,嘔吐,腹部仙痛,腹部膨満,胆汁うっ滞性黄疸,胆嚢疾患発現率の増加,膵炎,肝臓血

管腫増大.

5. 皮膚

投薬を中止しても持続する可能性のある肝斑またはメラニン沈着,多形紅斑,結節性紅斑,出

血性皮疹,頭髪脱毛,男性型多毛症,そう痒症,発疹.

6. 目

網膜血管血栓症,コンタクトレンズ不耐性.

7. 中枢神経系

頭痛,片頭痛,浮動性めまい,うつ病,舞踏病,神経過敏,気分障害,易刺激性,てんかん増

悪,痴呆.

8. その他

体重の増加または減少,炭水化物耐性低下,ポルフィリン症増悪,浮腫,関節痛,下肢痙攣,

リビドーの変化,蕁麻疹,血管浮腫,アナフィラキシー様 / アナフィラキシー反応,低カルシウ

ム血症,喘息増悪,トリグリセリド増加.

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メノエイドパッチ50/140(RPR106522) M1.6 外国における使用状況等に関する資料 (米国 の添付文書訳) CombiPatch

過量投与

過量投与は悪心を引き起こす可能性があり,女性では消退出血が生じる可能性がある.幼児が

大量のエストロゲン / 黄体ホルモン含有経口避妊薬を急性摂取した後に重篤な悪影響があった

との報告はない.過量投与が疑われる場合には,本剤を速やかに除去し,医師の診察を受けるこ

と.

用量及び用法

エストロゲン補充療法を子宮のある閉経後女性に処方する時は,子宮内膜癌の危険性を低減す

るために黄体ホルモンを併用すること.子宮摘出女性には黄体ホルモンを投与する必要ない.エ

ストロゲン単独療法または黄体ホルモン併用療法のいずれも,個々の女性の治療目標及び危険性

に応じてできる限り短期間にとどめること.患者を臨床的に適切な周期 (例えば,3~6ヵ月間隔)

で再評価し,治療継続の必要性を判断すること(冒頭の囲み付き警告及び警告を参照).子宮の

ある女性に関しては,原因不明の持続性または再発性の異常な腟出血がある場合,必要であれば

子宮内膜標本採取等の適切な診断方法をとって悪性腫瘍の可能性を除外すること.

治療の開始:閉経後症状の治療は通常,血管運動神経系症状が生じる更年期に開始する.最小

量で投与を開始すること.エストロゲンは黄体ホルモン併用の有無と関わりなく,個々の女性の

治療目標及び危険性に合わせて,最小有効量及び最短治療期間で処方すること.CombiPatchの最

小有効量は臨床試験で確認されていない.

現在,継続的にエストロゲンまたはエストロゲン / 黄体ホルモン療法を行っていない女性は,

いつでも CombiPatchによる治療を開始できる.しかし,現時点で継続的にエストロゲンまたはエ

ストロゲン / 黄体ホルモン療法を行っている女性は,現行の治療周期を終了してから,

CombiPatchによる治療を開始すること.周期終了時にしばしば消退出血を経験することがある.

この出血の初日が CombiPatch療法開始に適した時期である.

投薬計画:エストロゲン / 黄体ホルモン併用療法は健常子宮を有する女性が適応となる.

CombiPatch (エストラジオール / NETA)経皮吸収剤には用量別に 2種類あり,ひとつは 0.05 mgエ

ストラジオール /0.14 mg NETA /day (9 cm2)で,あとひとつは 0.05 mgエストラジオール /0.25 mg

NETA /day (16 cm2)である.最小有効量を使用すること.投薬計画に関わりなく,3~6ヵ月間隔で

患者を再評価し,ホルモン補充療法の変更または継続を判断すること.

持続的併用投与法:CombiPatch 0.05 mgエストラジオール /0.14 mg NETA /day (9 cm2)マトリック

ス経皮吸収剤 1枚を下腹部に連続貼付する.黄体ホルモンを増量したい場合は,用量 0.05 mgエス

トラジオール /0.25 mg NETA /day (16 cm2)のCombiPatchを使用する.この新製剤は 28日を 1周期

とし,週 2回貼り替える.特に最初の 6ヵ月間に異常出血が生じることがあるが,一般に経時的

に減少し,しばしば無月経状態まで見られることもある.

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メノエイドパッチ50/140(RPR106522) M1.6 外国における使用状況等に関する資料 (米国 の添付文書訳) CombiPatch

周期的併用投与法:CombiPatchはエストラジオール単独経皮吸収剤と併用する逐次投与法とし

て使用することができる.

この投与法では,0.05 mg/day (推定放出量)エストラジオール経皮吸収剤(Vivelle)を製剤の指示に

従って週 2回貼り替えながら,28日周期の最初の 14日間貼付する.28日周期の残りの 14日間は

CombiPatch 0.05 mgエストラジオール /0.14 mg NETA /day (9 cm2)経皮吸収剤を下腹部に貼付する.

黄体ホルモンを増量したい場合は,用量 0.05 mgエストラジオール /0.25 mg NETA /day (16 cm2)の

CombiPatchを使用する.CombiPatchは週 2回貼り替える.しばしば消退出血が月 1回生じること

を患者に伝えること.

製剤の貼付:部位の選択:CombiPatchは,下腹部の滑らかで (しわのない),清潔で,乾いた皮

膚面に貼付すること.CombiPatchは乳房やその周囲に貼付してはならない.油っぽい部位 (製剤

の粘着性を損なう可能性がある),傷や炎症のある部位は選択しないこと.ウエストラインは衣服

がこすれて製剤がはがれたり,薬物吸収に影響したりするので避けること.貼り替えるたびに部

位を変え,同じ部位に貼付する場合は 1週間以上あけること.

貼付:袋から取り出したら,ライナーの半分をはがす.その際,粘着面に触れないように注意

する.速やかに下腹部の滑らかな(しわがない)皮膚面に貼付する.ライナーの残り半分をはがし,

手のひらでパッチを 10秒以上しっかり押さえ,特に製剤のフチの部分をきちんと貼り付ける.

入浴等の活動中にパッチがはがれないように注意すること.はがれ落ちた場合は,同じパッチ

を下腹部の別の部位に再び貼付してよい.必要に応じて新しいパッチを貼付してもよいが,その

場合も本来の投薬スケジュールを継続すること.3~4日間隔で貼り替え,貼付するパッチは常に

1枚だけである.

貼付したら,パッチを長時間日光に曝さないようにすること.

製剤の除去:皮膚に刺激を与えないようにゆっくり慎重にはがすこと.はがした後に皮膚に粘

着物が残っている場合,15分間放置して乾かした後,油性のクリームかローションをそっと塗っ

て粘着物を取り除く.

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メノエイドパッチ50/140(RPR106522) M1.6 外国における使用状況等に関する資料 (米国 の添付文書訳) CombiPatch

包装

CombiPatch®経皮吸収エストラジオール / 酢酸ノルエチステロン剤剤は以下の包装で市販さ

れている:

製剤の大きさ

推定放出量*

エストラジオール / 酢

酸ノルエチステロン

包装

全米医薬品

コード

表示

9 cm2 0.05 / 0.14 mg/day 8枚 / 箱

患者用 8枚入りパッ

ク×3 / 箱

0078-0377-42

0078-0377-45

CombiPatch

0.05 / 0.14 mg/day

16 cm2 0.05 / 0.25 mg/day 8枚 / 箱

患者用 8枚入りパッ

ク×3 / 箱

0078-0378-42

0078-0378-45

CombiPatch

0.05 / 0.25 mg/day

* 推定放出量を記載.薬物吸収に関する詳細は特性を参照.

貯法:患者に渡すまで,2~8℃で冷蔵保存すること.患者に渡した後は,25℃以下の室温で 6

ヵ月保存可能である.薬剤師へ:CombiPatchを患者に渡す際に,ラベルに使用期限を記入するこ

と.記入する日付は販売日から 6ヵ月若しくは使用期限のいずれか早いほうの日付を超えないこ

と.

袋を密封した状態で保存すること.

極端な温度になる場所に保存してはならない.

小児の手の届かない場所に保管すること.

改訂:2005年 1月

Vivelle®はノバルティス社の登録商標である.

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メノエイドパッチ50/140(RPR106522) M1.6 外国における使用状況等に関する資料 (米国 の添付文書訳) CombiPatch

くすりのしおり

CombiPatch®

(経皮吸収エストラジオール / 酢酸ノルエチステロン製剤)

処方せん医薬品

CombiPatch(経皮吸収エストラジオール / 酢酸ノルエチステロン製剤)を使用する前にこのく

すりのしおりをお読みください.また,CombiPatchを補充するたびに受け取る文書はすべてお読

みください.新しい情報が加わっているかもしれません.あなたの病状や治療については主治医

にご相談ください.

CombiPatch(エストロゲン・黄体ホルモン配合剤)について知っておかなくてはならない最も

重要な情報とは?

エストロゲン及び黄体ホルモンは心臓病,心臓発作,脳卒中,痴呆の予防に使用してはいけま

せん.

エストロゲン及び黄体ホルモンを使用すると,心臓発作,脳卒中,乳癌,血栓を生じる危険

性が高くなるおそれがあります.エストロゲンと黄体ホルモンを併用すると,痴呆の危険性が

高くなることがあります.したがって,CombiPatchによる治療を続ける必要があるかどうか,

主治医と定期的に話し合う必要があります.

CombiPatchとは何か?

エストロゲンと黄体ホルモンという 2種類のホルモンを含有する薬です.

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メノエイドパッチ50/140(RPR106522) M1.6 外国における使用状況等に関する資料 (米国 の添付文書訳) CombiPatch

CombiPatchには 2種類の大きさがあります:

製剤の大きさ 各製剤に含まれる有効成分の量

エストラジオール / NETA(mg)

1日に放出される有効成分の量

エストラジオール /

NETA(mg/day)

9 cm2

16 cm2

0.62 / 2.7

0.51 / 4.8

0.05 / 0.14

0.05 / 0.25

CombiPatchの用途は?

CombiPatchは閉経後の女性に以下の目的で使用されます:

中等度~重度の Hot flushの緩和

エストロゲンは女性の卵巣で作られるホルモンです.45~55歳になると通常,卵巣はエストロ

ゲンを作らなくなります.そのために体内のエストロゲン・レベルが低下することにより,「更

年期」や閉経 (月経の閉止)が起きます.ときに自然に閉経を迎える前に手術で両方の卵巣を摘出

することがあります.エストロゲン・レベルが急に低下することにより「外科的閉経」が起きま

す.

エストロゲン・レベルが低下しはじめると,顔や首すじや胸の温感,あるいは突然の強い熱感

や発汗 (「Hot flush」,「のぼせ」)といった不快な症状が生じることがあります.症状が軽けれ

ばエストロゲンは必要ありませんが,なかには重い症状が現れる女性もいます.まだ CombiPatch

による治療が必要かどうか,主治医と定期的に相談しなければなりません.

腟内や腟周辺部の中等度~重度の乾燥,そう痒感及び灼熱感の治療

こうした症状を抑えるために CombiPatchによる治療がまだ必要かどうか,主治医と定期的に相

談しなければなりません.本剤を腟内や腟周辺部の乾燥,そう痒感及び灼熱感の治療のためだけ

に使用するのであれば,局所薬の選択について主治医と相談してください.

卵巣で十分なエストロゲンが作られない若い女性に見られる症状の治療

CombiPatchを使用してはいけない場合とは?

子宮を摘出している場合は CombiPatchを使用してはいけません.CombiPatchは子宮癌になる

危険性を低くするために黄体ホルモンを配合しています.子宮がない場合は黄体ホルモンは必要

ないため,CombiPatchを使用してはいけません.

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メノエイドパッチ50/140(RPR106522) M1.6 外国における使用状況等に関する資料 (米国 の添付文書訳) CombiPatch

以下の場合は CombiPatchを使用してはいけません:

腟から不正出血がある.

現在ある特定の癌がある.

エストロゲンは乳癌や子宮癌を含む特定の癌になる危険性を高めることがあります.癌や癌の

既往歴がある場合は,本剤を使用すべきかどうか主治医と相談してください.

最近に脳卒中または心臓発作を起こしたことがある (例えば,過去 1年以内に).

現在血栓があるか,または過去にあった.

現在肝臓に障害があるか,または過去にあった.

CombiPatchまたはその成分に対するアレルギーがある.

この冊子の最後の CombiPatchの成分表を参照してください.

現在妊娠しているか,またはその可能性がある.

主治医に次のことを伝えてください:

授乳している場合.CombiPatchに含まれるホルモンが母乳中に移行することがあります.

健康面で抱えているすべての問題について.喘息 (喘鳴音),てんかん (発作),片頭痛,子宮内

膜症,狼瘡といった特定の病気,あるいは心臓,肝臓,甲状腺,腎臓に障害があるか,または血

液中のカルシウム濃度が高い場合,主治医はあなたをより慎重に観察していく必要があります.

あなたが使用しているすべての薬について.処方薬だけでなく,非処方薬,ビタミン剤,薬草

由来のサプリメントも含みます.ある種の薬は CombiPatchの効き目に影響を与え,また

CombiPatchが他の薬の効き目に影響を与える場合があります.

手術または安静療養の予定がある場合.エストロゲンの使用を中止する必要があるかもしれま

せん.

CombiPatchの使い方は?

1. 最小量で使用を開始し,その用量での効き目について主治医と話し合ってください.

2. エストロゲン及び黄体ホルモンは治療に合わせてできるだけ少ない量で必要な期間だけ

使用すべきものです.CombiPatchの最小有効量は臨床試験で確認されていません.使用

量やまだ CombiPatchによる治療が必要かどうか,定期的に (例えば,3~6ヵ月ごとに)

主治医と話し合ってください.

CombiPatchは皮膚に貼る薄い不透明のプラスチック製のパッチです.パッチは 1枚ずつ袋に密

封され,使用するまで保護されています.貼付する直前まで袋を開けたり,パッチを取り出した

りしてはいけません.

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メノエイドパッチ50/140(RPR106522) M1.6 外国における使用状況等に関する資料 (米国 の添付文書訳) CombiPatch

CombiPatchを貼り替える間隔は?

主治医の指示に従って,3~4日毎に新しいパッチと貼り替えてください.

パッチは貼り替えるまでずっと貼っておいてください.

毎週同じ曜日に貼り替えてください.スケジュール管理に役立つカレンダー・チェックリスト

が箱に入っています.週 2回貼り替える日に印を付けてください.

1回に使用するパッチは 1枚だけです.

CombiPatchを貼る場所は?

CombiPatchは下腹部(下着のウエストラインより下側)に貼ります.

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メノエイドパッチ50/140(RPR106522) M1.6 外国における使用状況等に関する資料 (米国 の添付文書訳) CombiPatch

最もよい結果を得るために,次のような場所を選んでください:

皮膚が滑らか(しわがない)で,清潔で,乾い

ている場所

洗ってよく乾かした場所(パッチがはがれや

すくなるので油,ローション,パウダーは使

用しない)

皮膚に切り傷や発疹などがない場所

貼り替えるたびに場所を変えてください.同じ場所に貼るときは 1週間以上あいだをあけてく

ださい.

CombiPatchは乳房やその周囲に貼ってはいけません.ウエストラインは衣服がすれてパッチが

はがれ落ちることがあるので避けてください.常に下着に覆われている場所を選ぶと,はがれに

くいかもしれません.

CombiPatchの貼り方は?

CombiPatchは密封された袋の中に 1枚ずつ

入っています.袋を切り口から手で破って開

け (ハサミは使わない),パッチを取り出しま

す.貼る直前まで袋を開けてはいけません.

保護ライナーがパッチの粘着面を覆ってい

ます.ライナーの半分をはがします.粘着面

に触れてはいけません.

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メノエイドパッチ50/140(RPR106522) M1.6 外国における使用状況等に関する資料 (米国 の添付文書訳) CombiPatch

パッチの粘着面を下腹部に貼り付けます.

残りのライナーをはがします.

パッチを手のひらで 10秒間ほどしっかり押

さえます.フチの部分もきちんと貼れている

か確かめてください.

貼り替えるときは,ゆっくりはがしてください.使用済みのパッチは半分に折って(粘着面を合

わせる),ゴミ箱に捨ててください.CombiPatchは小児の手の届かない場所に保管してください.

パッチをはがした後に皮膚に粘着物が残っている場合は,15分間放置して乾かしてください.

その後,油性のクリームかローションをそっと塗って粘着物を取り除いてください.

新しい CombiPatchを貼るのを忘れた場合は?

今パッチを貼っている場合は,それをはがして下腹部の別の場所に新しいパッチを貼ってくだ

さい.その後はまた毎週同じ曜日に貼り替えてください.

入浴,水泳,日光浴をするときは?

入浴,水泳,シャワーはパッチに影響しません.パッチがはがれないようにしてください.

パッチを長時間日光にさらしてはいけません.パッチを貼ったら,必ず衣類で覆うようにして

ください (ただし,CombiPatchは乳房やその周囲に貼ってはいけないことを忘れずに).

CombiPatchがはがれてしまったら?

CombiPatchはめったにはがれません.はがれた場合は,同じパッチを下腹部の別の場所に貼っ

てもかまいません (必ずローションを塗っていない清潔で乾いた場所を選ぶ).パッチが皮膚に貼

り付かなくなった場合は,新しいパッチを下腹部の別の場所に貼ってください.はがれて貼り替

えた曜日に関わらず,その後はまた毎週同じ曜日に貼り替えてください.

エストロゲンで生じるかもしれない副作用は?

それほど多くはないが,重大な副作用:

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メノエイドパッチ50/140(RPR106522) M1.6 外国における使用状況等に関する資料 (米国 の添付文書訳) CombiPatch

-乳癌

-子宮癌

-脳卒中

-心臓発作

-血栓

-痴呆

-胆嚢疾患

-卵巣癌

重大な副作用の徴候かもしれない症状:

-乳房腫瘤

-腟からの不正出血

-めまい及び浮動性めまい感

-発語の変化

-重度の頭痛

-胸痛

-息切れ

-下肢疼痛

-視覚の変化

-嘔吐

これらの徴候または気になる症状が現れたらすぐに主治医に連絡してください.

よくある副作用:

-頭痛

-乳房痛

-不規則な腟からの出血または点状出血

-胃痙攣 / 腹部仙痛,腹部膨満

-悪心及び嘔吐

-毛髪脱落

その他の副作用:

-高血圧

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メノエイドパッチ50/140(RPR106522) M1.6 外国における使用状況等に関する資料 (米国 の添付文書訳) CombiPatch

-肝臓障害

-高血糖

-体液貯留

-子宮良性腫瘍(類線維腫)の増大

-腟酵母菌感染

上記以外の副作用が生じることがあります.詳しいことは主治医または薬剤師に訊いてくださ

い.

重大な副作用が生じる危険性を低くするには?

CombiPatchを使い続けるかどうか担当医と定期的に話し合ってください.

CombiPatch使用中に腟出血があった場合はすぐに主治医の診察を受けてください.

主治医が別途指示しない限り,毎年乳房検査と乳房撮影 (乳房 X線検査)を受けてください.家

族に乳癌の既往歴があるか,あなたに乳房腫瘤または乳房撮影異常の既往歴がある場合,乳房検

査をもっと頻繁に行う必要があるかもしれません.

高血圧,高コレステロール (血液中の脂質)血症,糖尿病,肥満,喫煙習慣がある場合,心臓病

になる危険性が高くなる可能性があります.心臓病になる危険性を低くする方法については主治

医に訊いてください.

CombiPatchを安全かつ効果的に使用するための一般的な情報

薬はくすりのしおりに記載されていない病気や症状のために処方されることがあります.処方

の目的でない病気や症状のために本剤を使用してはいけません.あなたと同じ症状であっても他

のひとに本剤を渡してはいけません.そのひとの健康を損なうおそれがあります.本剤は小児の

手の届かない場所に保管してください.

このくすりのしおりには CombiPatchについて最も重要な情報がまとめられています.更に詳し

く知りたいときは主治医または薬剤師に訊いてください.専門家向けに書かれた CombiPatchの添

付文書を請求することもできます.更に詳しい情報については次のフリーダイヤルにお電話くだ

さい (888-NOW-NOVA(888-669-6682).

CombiPatchの成分は?

CombiPatch経皮吸収剤は 3層構造になっています.表側から皮膚に貼る面に向かって,(1)半透

明のポリオレフィンフィルムの支持体,(2)エストラジオール,酢酸ノルエチステロン,アクリル

粘着剤,シリコン粘着剤,オレイルアルコール,オレイン酸 NF,ポビドン USP及びジプロピレ

ングリコールを含有する粘着層,(3)粘着面を保護し,使用するまではがしてはいけないポリエス

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メノエイドパッチ50/140(RPR106522) M1.6 外国における使用状況等に関する資料 (米国 の添付文書訳) CombiPatch

テルのライナーの 3層です.本剤の有効成分は estradiol USP及び norethindrone acetate USPです.

それ以外の成分に薬理学的な働きはありません.

CombiPatchの保存方法は?

CombiPatchは袋に 1枚ずつ入っています.薬剤を保護するために,使用するまでパッチは袋に

入れたまま保存してください.

薬剤師はあなたに渡すまで冷蔵保存しています.持ち帰った CombiPatchは 25℃以下の室温で

保存できます.皮膚に貼り付けるには室温保存が最適です.最良の結果を得るために,CombiPatch

は冷蔵庫や直射日光があたる場所や車の中など極端な温度(高温または低温)になる可能性のあ

る場所に保管しないようにしてください.

本剤を含め薬はすべて小児の手の届かない場所に保管すること.

改訂:2006年 5月

NOVARTIS

Manufactured by Distributed by

Noven Pharmaceuticals Inc. Novartis Pharmaceuticals Corporation

Miami, FL 33186 East Hanover, NJ 07936

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