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1 キャッシュレス社会の実現に向けた取組み Strictly Confidential Copyright (c) Mizuho Financial Group, Inc. All Rights Reserved. 2018.6.1 みずほフィナンシャルグループ
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キャッシュレス社会の実現に向けた取組み4 キャッシュレス決済基盤の創設に関する構想 本邦のキャッシュレス化を推進させるために

Jan 17, 2020

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Page 1: キャッシュレス社会の実現に向けた取組み4 キャッシュレス決済基盤の創設に関する構想 本邦のキャッシュレス化を推進させるために

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キャッシュレス社会の実現に向けた取組み

Strictly Confidential

Copyright (c) Mizuho Financial Group, Inc. All Rights Reserved.

2018.6.1

みずほフィナンシャルグループ

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32%

60%

先進国平均

新興国平均

先進国

0

20

40

60

80

0 20,000 40,000 60,000

韓国

スウェーデン

アメリカイギリス

ドイツ

フランス

オーストラリア

日本タイフィリピン

インドネシア

インド

一人あたりGDP(USD)

中国

台湾

ロシア

各国の経済発展の度合いと現金決済の関係

途上国

現金決済の比率(%)

中進国先進国発展途上国

日本は現金決済率が高く、社会的コストは大きい

現金の取扱に伴い約8兆円のコストが発生

• 金融界:現金管理/ATM網運営コスト 約 2兆円

• 小売/外食産業:現金取扱業務人件費 約 6兆円

出所: EUROMONITOR、EIUを元に分析「平成26年商業統計」「平成27年民間給与実態統計」「平成26年経済センサス」 「平成27年民間給与実態統計」を元に試算

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コスト削減ポテンシャル1) 売上増のポテンシャル

• ATM網運営コストの削減

• 現金管理にかかる店頭オペレーション・固定費の削減

金融界

小売/外食業界

約4兆円 約6兆円

約1兆円

約3兆円

イノベーションの創出

イノベーションの海外展開

インバウンドの消費拡大

• 小売業の人件費削減

• 外食業の人件費削減

• データPF整備により、日本発のシェアリングエコノミー創出

• 日本発のイノベーションを諸外国に展開

約4兆円

約1兆円

約1兆円

• グローバルに通用する決済PF整備で、来日外国人の消費拡大

キャッシュレス取組みの意義:日本の成長戦略/生産性向上に寄与

合計10兆円を超える規模の経済効果ポテンシャル

1.非現金決済比率が60%になる前提出所:「平成26年商業統計」「平成27年民間給与実態統計」「平成26年経済センサス」「平成27年民間給与実態統計」「平成28年訪日外国人消費動向調査」を元に試算

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キャッシュレス決済基盤の創設に関する構想

本邦のキャッシュレス化を推進させるために

統一規格の QRコード によるナショナルインフラとしての決済基盤を創設

決済

データ

民間金融機関の合意を形成し、社会の要請である“キャッシュレス化”を実現する

• 日本全体での統一規格のQRコードによるデジタル決済基盤の実現

— QRコードであれば、低コストで早期に実現しうる (地方/中小への展開も狙える)

— グローバル水準の規格で国際連携も可能 (あくまでイン/アウトバウンド対応)

• “金融機関の固定費削減”を実現し、国民・事業者に経済的メリットを還元

• 邦銀の強みである“本人確認済の預金口座の潜在能力”を最大限に活用可能

デジタル通貨から得られる決済情報を利活用し、新たな収益源を創造する

• デジタル通貨発行を「手段」とし、決済情報の集積/利活用の「本丸」を攻める

— 国民の決済行動データを日本が自ら管理するためにも国内統一の基盤が必要

• データは特定事業者で独占するのでなく、共有財産として加盟店等とも共同利用を可能とし、新産業/イノベーションの創出につなげることを志向

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既存の決済手段/インターフェースとの関係

小規模企業 中小企業 大企業

統一QRによるデジタルコインの新決済基盤が狙う領域

既存の非現金決済手段がカバーする領域(NFC決済、クレカ・デビット等)

非現金決済の比率

(政府目標:

2025年

40%

)

本構想は、特にこれまで普及が進みにくかった零細/中小にも非現金決済手段を普及させることが大きな狙いであり、既存の非現金決済手段の普及と補完して、我が国のキャッシュレス化を促進するもの

現金による決済

(イメージ図)

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キャッシュレス決済基盤のイメージ

統一規格のQRコード決済基盤を共同で開発し、地域通貨や海外決済PFともインターフェースを通じて接続可能な共存共栄のインフラとして、デジタルコインのサービスをモバイルアプリを通じて提供する世界を実現

海外加盟店

サービスインフラ

地域通貨

加盟店

コンビニ スーパーファストフード

カフェ 居酒屋ファミレス

統一規格のQRコード

◯◯コイン △△マネー □□Pay

加盟店

アプリ

プラットフォーム

みずほコイン ●●銀行コイン ▲▲信金コイン ■■コイン

キャッシュレス決済基盤

海外決済P/F(Alipay等)

兌換 兌換 兌換

インターフェース確保(兌換or加盟店開放)

により共存可能

インターフェース構築(兌換or加盟店開放)によって共存共栄が可能

ナショナルインフラとして統一プラットフォームの普及を目指すものでありインフラとして利用/兌換・加盟店開放など、自由な連携を可能としたい

近隣の加盟店情報

J-Coin残高

100,750 Pt

加盟店サービス

TOPためるつかう設定

コンビニ

カフェ

スーパー

居酒屋

ファスト

フード

ファミレス

近隣の加盟店情報

J-Coin残高

100,750 Pt

加盟店サービス

TOPためるつかう設定

コンビニ

カフェ

スーパー

居酒屋

ファスト

フード

ファミレス

近隣の加盟店情報

J-Coin残高

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加盟店サービス

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コンビニ

カフェ

スーパー

居酒屋

ファスト

フード

ファミレス

近隣の加盟店情報

J-Coin残高

100,750 Pt

加盟店サービス

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コンビニ

カフェ

スーパー

居酒屋

ファスト

フード

ファミレス

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スウェーデンにおけるキャッシュレス化

• スウェーデンにおけるSWISHのアクティブユーザーは、人口の3分の2以上 (600万人程度)に達する

• SWISH普及に伴いキャッシュレスが更に進展した結果、現在では、SEB銀行の支店の90%以上がキャッシュレス支店となっており、コスト削減に大きく寄与(※詳細は次頁)

•ある大手銀行では、大体300億円程度かかっていた現金ハンドリングコストの内、8割~9割程度が削減

• SWISHのシステム開発にかかったコストは、10-15億円程度に留まる

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SEB銀行のキャッシュレス支店

◯ 2017年7月に開設した最新の支店。タブレットとミーティングスペースのみのシンプルな作り

AppleストアのようにiPadと大型スクリーンを設置

空港ラウンジのように開放的なデザイン

支店の2階にはクローズ会議室

1階にはオープンでの面談スペース

キャッシュレス・ペーパレスの進展により、銀行店舗は事務を行う場所ではなく、金融取引に関する相談の場

- 必ずしも店舗は必要のない状況- シェアオフィスでもタブレット端末さえあれば、十分に業務は可能と実感

スウェーデンにおけるキャッシュレス支店の実現

キャッシュレス社会の実現により、SEB銀行では現金を受け付けないキャッシュレス支店が90%以上

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デジタル通貨ローンチ

構想のスケジュールイメージ:2020年東京五輪は重要なマイルストン

2018 2019 ~20252020

提携事業者の開拓(通信やWEBプラットフォーマー等と連携)

システム/アプリの開発

東京オリンピック

政策指標40%水準

(2025年目標)

キャッシュレス決済比率(%)

金融界での協議/調整

キャッシュレス化政策指標達成(前倒し)

グローバル対応の強化(海外送金/海外展開)

法人向けサービスの拡充(大口取引での活用拡大)

法規制改革/技術革新に伴う新サービス開発(税公金での利用、給与への利用等)

加盟店/ユーザーの開拓

経済的なインパクトの刈取り「コスト削減効果の実現」

「データを活用した新ビジネス創造/イノベーションの活性化」

時間

将来的にはブロックチェーン導入も?(機能/競争力強化)

2025~

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ウォレットアプリを活用した実証実験の実施について

みずほ銀行内施設やコンビニ(FM)を中心に実験中

•行員を中心に、約1500人程度の規模で実験を展開中

•既に利用者アンケートを実施し、UIの改善要望 等のフィードバックを獲得済み

県庁/東邦銀行と連携し、復興地域での実証実験を6月開始予定

•福島県/東邦銀行とも協議の上で、富岡町を対象地域として選定

•当地で復興にあたる東京電力職員を中心に展開予定

•本件は、金融庁や経産省等とも適宜連携しながら進めている

<3/15 記者会見:みずほ銀行、東邦銀行、福島県庁>

特定の地域での地銀複数行と連携し、海外観光客も多い地場商店街等を中心に実験開始を準備中

•中国/韓国の観光客も多く、Alipay等とQRを使ったインバウンド需要への対応を実験予定

みずほ内

福島県 富岡町

(検討中)

実証実験の対象 概要目的

基本機能や利便性の実地検証

復興支援の一助としてのデジタル通貨活用(地域通貨利用)

東京五輪を見据えたインバウンド対応でのデジタル通貨活用

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(参考)実証実験で利用するウォレットアプリ

pring(読み方は「プリン」)を実証実験では利用。iOS、Androidの両者のアプリはリリース済。

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QRコード決済と地域通貨との連携イメージ

R-Coin(当該地域における地域通貨の仮称)の連携イメージ

実装が必要な機能(想定)

・・・

QR決済基盤

近隣の加盟店情報

残高 10,750 Pt

加盟店サービス

TOP ためるつかう 設定

コンビニスーパー

カフェ居酒屋

利用者

R-Coin

R-Coin支払

支払

払戻 払戻

チャージ(クレカ、銀行口座等)

兌換

QR決済基盤加盟店

加盟店口座

R-Coin加盟店

コンビニスーパーファストフード

カフェ 居酒屋ファミレス

コンビニスーパーファストフード

カフェ 居酒屋ファミレス

加盟店口座

2

3

プリペイドカード等、口座以外からのチャージ方法• 来日旅行者が利用可能• 低・中リテラシー層でも容易に利用が可能

1

1

換金 換金

4

加盟店相互開放

実装機能

複数Coinの識別/対応機能• R-Coinとして個別設定をすることが可能(短期間での消費を促す有効期限の設定、等)

• R-Coinとしての兌換/管理が可能

2

R-CoinからQR決済基盤への兌換制限機能• 地域振興券等のように地域振興原資の域外流出を防止可能• 旅行客等の地域外利用者への消費/再訪の促進• Coin間の為替相場設定(QR決済基盤→R-Coinは×1.1等)

3

それぞれの通貨の各加盟店を相互開放• R-Coin加盟店でもQR決済基盤アプリを利用して決済可能• R-Coin利用者が外出先でもR-Coinアプリを利用して決済可能

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チャージ(銀行口座から)